DEDICATED / ADRENALIN
カナダのヘヴィ・メタル・バンドのデビュー盤。どちらかと言うと
よりアメリカン・ハード・ロック的なサウンドに仕上がっている。
ボーカルのMARK KONNORSは、明らかにDAVID COVERDALEを意識した
スタイルだ。楽曲はそれなりに整っているものの録音状態はあまり
良くなく、これといった曲はないしインパクトには欠ける。
New Way Of Love等、楽曲にフックがあるのでまだ聴き応えはある
方だ。ルックスにも恵まれていないし、もっと全体の完成度を
上げていかないと少し厳しいが、デビュー作と言う事を考えると
まだ次回に期待は持てるレベルにはある。[75]
EXECUTION / ADX
フランスのヘヴィ・メタル・バンドの1985年にリリースされた
アルバム。プロダクションは悪く、楽曲もB級メタルという感じが
紛々としている。PHILの鼻にかかったようなボーカルも、そう
言った感を助長している。メインの部分はともかく、楽曲が
展開して行くところや、ソロ・パートでのギターは結構面白い。
特にこのギターが音色は安っぽいが、扇情感を醸し出していて、
聴きごたえがある。N.W.O.B.H.M.の影響が所々に見え、所詮
B級という感はいがめないアルバムなのだが、如何にも
ヨーロッパのバンドらしい感じのする、扇情的なメロディは
それなりに味があって良い。全体的にアップ・テンポで扇情的な
楽曲で構成されていて、のりは結構ある。Executionで楽曲が
次々と展開していく構成力は評価出来る。[76]
ADRIAN DOOZ / ADRIAN DOOZ
先頃LYNCH MOBのボーカル、ROBERT MASONを迎えて、バンド名を
SILENT WITNESSに変えたアメリカのハード・ロック・バンドの
アルバム。1988年にリリースされたもので、BURRNのレビューには
バンドの結成は1990年と書かれていたが、それは嘘だ。如何にも
アメリカらしい明るい叙情的なめりはりのある楽曲で、割とテンポ
良く進んでいく。キャッチーなメロディでやや
BON JOVI風なところもあるが、よりL.A.的な感じがする。ちゃちな
ジャケットとは似合わず、プロダクションもそれ程悪くない。
前任のボーカルも多少だみ声だが、声もしっかり出ていてそれ程
悪くない。コーラスの出来も良いし、演奏も結構良い出来で、
思いのほか拾い物という感じだ。[84]
WEIRD VISIONS / ADX
フランスのヘヴィ・メタル・バンドの1990年にリリースされた
アルバム。芋臭い楽曲のB級メタルという感じが強い作品で、特に
PHILのボーカルはパワフルだがそういった匂いを強く
振りまいている。アップ・テンポで扇情的な楽曲が中心で、
スリリングさは味わえ、Sign Of The Time等は臭いさびも結構
面白いが、全体的に面白味に欠ける楽曲があるのも確かだ。
RAINBOWのKill The Kingをカバーしているが、この曲辺りになると
やはり曲のレベルというものが違うなと感じずにはいられない。
この曲を選曲するというのはバンドの方向性に合っていて
良い選曲だ。[76]
IN MEMORIUM / ADX
フランスのヘヴィ・メタル・バンドのベスト・アルバム。全曲
リマスターされており、ライヴが4曲収められている他に、
Marquis Du Malのバージョン違いが収められている。扇情的で
アップ・テンポのヘヴィ・メタルだが、全体的に芋臭さがあり、
B級と言った感はいがめないのだが、ライヴでもやはり同じような
印象を受ける事に変わりはない。ライヴの演奏は、オリジナルに
忠実で、意外と演奏力はあるし、ドラムがかなり頑張っている。
Marquis Du Malは録音し直したものだけに、音はさすがに良い
状態で、B級臭さは残るもののある程度モダンになっている。[77]
ROMANTIC SERENADES / ADAGIO
詳細は全く不明だが、ブラジルの
ゴシック/メロディック・デス・メタル・バンドの1999年に
リリースされたアルバム。叙情的で愁いを帯びた耽美的な
メロディは、メタル色が強くまた美しく、雰囲気があって
メロディ・センスも十分評価できる。男女の専任
ボーカリストによるツイン・ボーカルだが、主体はあくまでも
JEFFERSON WEBERのデス・ボイスだ。この地を這うような咆哮は
強烈で、全てを壊していると言っても良い位だ。
PRISCILA FELICIAのコーラスは荘厳で非常に美しいだけに、
尚更だと言って良いだろう。デス・ボイスを除けば、非常に
高レベルなゴシック・メタル作品と言えるだけに、何故
デス・ボイスを入れているのか良く判らない。[80]
NO COMPROMISE / ADRIAN GURVITZ
イギリス人シンガーソング・ライターの4thアルバム。実際に
制作されたのは、CLASSICでスマッシュ・ヒットを飛ばした
翌年となる1983年で、リリースされずにお蔵
入りとなっていたものだ。キャッチーで叙情的なメロディの
アメリカナイズされたAORで、ヒット指向が伺える。全体的に
シンセサイザーを多用しており、1980年代前半の流行に
合わせてか、シンセ・ドラムまで使っているので、バックの
サウンドは生々しさに欠けている。愁いを感じさせるパワフルな
彼のボーカルが、そう言ったバックのサウンドと解離している様に
感じられ、楽曲が悪くないだけに残念だ。[81]
SANCTUS IGNIS / ADAGIO
フランス人ギタリスト、STEPHAN FORTEによる
ヘヴィ・メタル・プロジェクトのアルバム。彼自身はこれが
プロとしてのデビュー作品で、無名のギタリストな訳だが、彼
以外の参加メンバーは、PINK CREAM 69のボーカリスト、
DAVID READMAN、ELEGYのドラマー、DIRK BRUINENBERG、MAJESTICの
キーボード、RICHARD ANDERSSONと層々たるメンバーが
参加している。方向的にはいわゆるネオ・クラシカルと
言えるもだが、これが中々質が高い。DAVID READMANの
ボーカルも、PINK CREAM 69ではあまり活かされていないと感じる
程、伸びのある素晴らしいボーカルを聴かせてくれている。
LED ZEPPELINのImmigrant Songをカバーしているが、これがかなり
独自のアレンジがなされていて、すぐにはオリジナルに結びつかず
面白い仕上がりだ。[83]
FEEL THE FIRE / ADRIAN GALE
アメリカのハード・ロック・バンドのデビュー盤。どう言う
関係でかは判らないが、クリスチャン・メタル・バンド、
GUARDIANのボーカリスト、JAMIE ROWEが正式メンバーとして
参加している。1980年代のL.A.メタル華やかし頃のアメリカの
メロディアス・ハード・ロックを思わせる様な、キャッチーな
メロディのハード・ロックだ。アメリカらしい爽やかさを
感じさせる楽曲に、ドライヴ感のある演奏も相俟って、中々聴き
応えのあるアルバムに仕上がっている。前半は中々印象的な
メロディの楽曲が多いのだが、後半になって来るとやや
パワー・ダウンしてだれて来るのが残念だ。[82]