PERMANENT VACATION / AEROSMITH

アメリカのハード・ロック・バンドのオリジナル・メンバーでの 復活第2弾となる9thアルバム。ラップ・バンドの RUN D.M.C.によるWalk This Wayのカバーのヒットによって俄然 注目を集めてきているが、JIM VALLANCEやDESMOND CHILDという 外部のソング・ライターによる楽曲を多用している。今作では前作 DONE WITH MIRRORと比べて、若干音作りも変えてきており、 贅肉を削ぎ落とし、トータル・バランスの良い作品に 仕上げている分、ハードさがそれほど感じられない。 Dude(Looks Like A Lady)やAngelといったヒット曲を飛ばし、 よりビッグ・ネームへと成長していく、新しいバンドの方向性を 示したアルバムだ。[84]

PUMP / AEROSMITH

アメリカのハード・ロック・バンドの10thアルバム。前作での 大ブレイクにより確固たる地位を築いた感があるが、今作では 方向的にやはり前作をよりさらにグラマラスな方向へと押し進めた 感がある。前作で導入されたホーン・セクションはここでも 使用されており、牧歌的雰囲気も醸し出している。いかにも アメリカらしい、明るく陽気なメロディで、前作と比べると これという曲では弱い感じもするが、トータル的な出来は グレード・アップされている。[85]

GET A GRIP / AEROSMITH

アメリカのハード・ロック・バンドの11thアルバム。前作がかなり グラマラスな音作りであったのに対して、バンドらしさを 保ちながらもよりロック然とした作品作りに回帰している。 これだけのベテラン・バンドだけあって、個性もきちんと 確立されているし、楽曲、演奏の出来も安定していて安心して 聴いていられる。十分エモーショナルさも出ているので、 のりがあって、ファンには十分楽しめるだけのポテンシャルのある 作品に仕上がっている。[86]

NINE LIVES / AEROSMITH

アメリカのハード・ロック・バンドのアルバム。今更説明の 必要もない程のバンドだが、それだけに方向性も大きく 変わるはずもなく、相変わらずの彼等らしいと言った感じの作品に 仕上がっている。メロディ等、ややバラエティを増した様な 感じで、全曲そつなく良く出来ていてドライヴ感があり、 ファンであればまず外さないと言って良いだろう。キャッチーで コマーシャルなメロディでありながら、ワイルドでのりの良い サウンドは聴いていて実に楽しい。STEVEN TYLORのボーカルも 相変わらずで、安心して聴けるアルバムに仕上がっている。[87]

I DON'T WANT TO MISS A THING / AEROSMITH

映画、ARMAGEDONのサウンド・トラックからのアメリカの ハード・ロック・バンドの4曲入りシングル。シングル・カットの タイトル・ナンバーは、ヒット・メイカーである ソング・ライター、DIANE WARRENが書いたバラードだが、 STEVEN TYLERが歌うと如何にもAEROSMITHと言う感じの 仕上がりになる。アルバム・バージョンとロック・リミックスが 収められており、ロック・リミックスの方は、単純に オーケストラを抜いたもの、と思いきや最後にオーケストラが 入っており、今一つ中途半端だ。Nine Livesに収められていた Taste Of Indiaのロック・リミックスはややテンポ良さを 感じさせる様になっているが、オリジナルと対して変わらない。 ANIMAL CRACKERSはタイトルこそ違うが、 I Don't Want To Miss A Thingを映画からそのまま抜き 出したもので、ピアノとオーケストラだけの非常に美しい 仕上がりになっている。[82]

A LITTLE SOUTH OF SANITY / AEROSMITH

アメリカのハード・ロック・バンドの2枚組みライヴ・アルバム。 1993年から1994年のGET A GRIP TOUR、1997年から1998年の NINE LIVES TOURと言う二つのワールド・ツアーから 選曲されている。Let The Music Do The Talkingが入っていない 辺りは少し残念だが、それを除けばAngle、 Dude(Looks Like A Lady)を始め、誰もが馴染みのあるヒット曲の オンパレードで、ベストに近い選曲と言って良いだろう。演奏、 録音状態悪くないし、ファンのみならず、初心者の入門用にも もってこいの作品だ。ベテランらしい情感も良く出ているし、中々 格好の良い作品に仕上がっている。[85]

FULL CIRCLE / AEROSMITH

アメリカのハード・ロック・バンドのアルバム、NINE LIVESよりの 4thシングル。シングル・カットされたタイトル・トラックに、 その別バージョンとHole In My Soulと I Don't Want To Miss A Thingのライヴ・バージョンの計4曲と 言う構成になっている。Full Circleは別バージョンと言っても ほとんど変更が無く、Hole In My Soulも既発音源だ。 I Don't Want To Miss A Thingは恐らく初出音源だが、 これだけではあまり買う価値があるとは言い難い。アルバムを 買わずにシングルだけを買う人もいないだろうから、あくまで コレクターズ・アイテムと言っても良いだろう。[79]

PANDORA'S TOYS / AEROSMITH

アメリカのハード・ロック・バンドによる1994年にリリースされた ベスト盤。1991年にリリースされたベスト・ボックス・セット、 PANDORA'S BOXから選曲されたもので、全てPANDORA'S BOXに 収められている内容だ。それ故PANDORA'S BOXを持っている リスナーには全く価値がないが、高価なボックス・セットを 買わずに手軽に楽しむ位には意義がある。半数近くがライヴや リミックス音源だったPANDORA'S BOXに比べ、ライヴは全く 集録されていないし、Dream OnやWalk This Way、Mama Kinと 言った1970年代のベスト盤的な色合いがより濃くなっている。[80]

JADED / AEROSMITH

アメリカのハード・ロック・バンドのアルバム、 JUST PUSH PLAYからの1stシングル。タイトル・トラックの シングル・カット曲に、そのJadedのミックス違いが2曲、映画、 チャーリーズ・エンジェルのサウンド・トラックに収録されていた Angel's Eye、JUST PUSH PLAYに収録されているUnder My Skinの イントロ部分の全5曲と言う構成になっている。Jadedは ミドル・テンポのキャッチーな楽曲で、如何にもチャート 受けしそうな楽曲だ。ミックス違いはアコースティックが前面に 押し出されているものと、ギターが押し出されているのが オリジナルと違っている。Angel's Eyeは彼等としては非常に ヘヴィなものとなっており、普段彼等がやらない様な サウンドだけに中々興味深い。[83]

JUST PUSH PLAY / AEROSMITH

アメリカのハード・ロック・バンドの4年振りとなる 13thアルバム。大ベテランと言える彼等だけに、その基本的な 路線は変わり様もないが、シングル・カットされたJaded等の様な むしろ古臭さも感じさせる楽曲も見受けられる。それ故、新しさと 古臭さを同居させた様な感じのするアルバムで、彼等の魅力と 郷愁感を感じさせてくれる。今やアメリカのみならず、世界で最も 成功しているハード・ロック・バンドだけに、その作品の クオリティは疑いようもないし、ファンのみならずとも十分納得の 行くアルバムに仕上がっていると言って良いだろう。[87]

ASCENSION OF TERROR / AETERNUS

ノルウェイのブラック・メタル・バンドの4thアルバム。 方向的にはギター・メロディとリフをあくまでも中心に供え 付けており、荒涼としたメロディとオーケストレーションを使う 事がスタンダードな北欧ブラック・メタルとしては、やや毛色が 違うと言って良いだろう。ブラスト・ビートもあまり 顕著ではないが、マシンガンの様なドラミングはかなりの破壊力を 誇っている。ブラック・メタルらしい邪悪さを振りまきながらも、 荘厳さを醸し出して独特の色合いが感じられる。楽曲や演奏も かなりのレベルに達していると思えるだけに、プロダクションが もう少し良くなれば、かなり素晴らしい作品になっただろう。[82]

O, YEAH!-ULTIMATE AEROSMITH HITS / AEROSMITH

アメリカのハード・ロック・バンドの2枚組みベスト盤。 デビューから現在までの音源から全時代的に選曲されており、 彼等のこれまでの足跡が判る、正にベスト盤と言える作品で、 Mama Kin'やDream Onと言った過去の名曲から、Angelや Dude(Looks Like A Lady)と言った復活してからのヒット曲まで 網羅されていて、初心者入門用には打ってつけのアルバムだ。 残念ながらヒットに恵まれなかった低迷期の作品は全く 無視されているが、致し方ないところだろう。映画、ARMAGEDONの サウンドトラックからヒットしたI Don't Want To Miss A Thingも 収録されている。新曲としてGirls Of SummerとLay It Downが 収められているが、彼等らしいメロディとキャッチーさがあって、 十分満足の行くところだ。[87]