カナダのハード・ロック・バンドの1981年にリリースされた アルバム。キャッチーなメロディを配した、古き良き アメリカという感じの土臭いハード・ロックンロールだ。のりを 出しながらも、クールな感じがどことなくある為に、やや乗り 切れないという感じがしなくもない。One More Timeの様な軽快で 気楽なロックンロールはそれなりに面白い。当時、TRIUMPH 以外では最もカナダでは活躍した、 ハード・ロック・バンドだったが、今聴くと、古臭さだけが 目立つ気がする。[78]
カナダのハード・ロック・バンドの1993年にリリースされた アルバム。キャッチーなメロディのハード・ロックンロールで、 アメリカ的な叙情性を持ったメロディは出来が良い。これまでと 比べるとかなり洗練されてきているような印象を受け、土臭さは 感じられない。のりが良いが、楽曲によっては非常にAOR的で 幅が広がった様な感じだ。かなり売れ線的な方向によって来たと 言う感じを受けなくもないが、出来自体はかなり良くなっている。 割とハードな作りになっているし、エッヂも効いていて、全体的な 出来は悪くないのだが、これと言った飛び抜けた楽曲もないのが 残念だ。[82]
スイスのスラッシュ・メタル・バンドの7年振りとなる 2ndアルバム。ボーカリストのNICKの声質もあって、TESTAMENTを 思わせるアルバムで、割と凝ったギター・メロディの力強い サウンドを聴かせてくれている。スラッシュ・メタル・シーンが 殆ど壊滅状態の中では、久々にスラッシュ・メタルのパワーと 破壊力を感じさせてくれる作品だ。やや複雑でトリッキーな 感じはするものの、出来としては非常に素晴らしい。かなり テンポが速く、一気に駆け抜ける感じで聴かせてくれるし、楽曲、 演奏とも中々質の高いアルバムに仕上がっている。[89]
アメリカのロック・バンドのデビュー盤。TOOLのボーカリスト、 MAYNARDを中心とするバンドだが、音楽的にはTOOL自体は聴いた 事がないので、TOOLとの比較は置いておいて、彼等としての音楽的 方向性はニュー・ウェーブ的なエッセンスを盛り込んだ、幻想的な オルタナティヴ・ロックと言った感じになっている。ダークな 感じすらする愁いを持ったメロディは、雰囲気があって中々 素晴らしい。これにMAYNARDのねちっこいボーカルが、雰囲気を 倍加させて効果的だ。作品的にどうしても地味な感じを 受けるところがあるが、グルーヴ感があって味わい深い作品に 仕上がっている。[85]
フィンランドのバンドの3rdアルバム。方向的にはこれまで同様、 チェロによるインストルゥーメンタル作品なので、これを ヘヴィ・メタルと言って良いのか悩むところではあるが、 デビュー盤が全てMETALLICAのカバーで合った事を考えても判る 通り、意識してメタリックな作品作りをしているのは確かだ。 前作もカバー中心であったが、今作でもMETALLICAの カバーがあるものの、オリジナルが中心となっている。 アコースティック作品でありながらも、ヘヴィでアグレッシヴな アルバムに仕上がっており、結構格好良くて悪くない。[79]
イギリスのヘヴィ・ロック・バンドのデビュー盤。ボーカリストの BIFFはBLACK SABBATHのベーシスト、GEEZER BUTLERの子息だが、 音楽的方向性はそれ程近くはない。音楽的にはいわゆる デジタル・スラッシュと言うやつで、テクノ風のビート感の強い 作品となっている。グランジっぽいメロディにグルーヴィな アレンジ、スラッシィなリフで、割と今風のはやりの ヘヴィ・ロックと言う感じの作品に仕上がっている。 楽曲によってはSATATIC-XやFAITH NO MORE等々と言ったところを 思わせる。オリジナリティと言う点は差し置いて、のりは良いし、 聴き応えもあって中々悪くないアルバムだ。[82]
日本のハード・ロック・バンドの3rdアルバム。女性だけの バンドだが、特に女性的な事を打ち出すわけでもなく、極自然体で ハード・ロックをやっていると言う感じがする。アップ・テンポで キャッチーなメロディの叙情的な楽曲が並んでおり、こう言った 叙情派のハード・ロックはメロディ・センスの良さも感じさせて 中々良い出来なのだが、その一方で歌謡ロックっぽい普通の ジャパニーズ・ロック的なナンバーがあり、その落差が 気になるところだ。またこれらの曲が左程面白いとも 思えないので、もっとアップ・テンポのハード・ロックに的を 絞った方が良いのではと思う。[80]