イギリスのプログレッシヴ・ロック・バンドの1990年に リリースされたベスト5曲と、新曲からなる来日記念の変則 アルバム。とにかく、Only Time Will Tell、Don't Cry、 Heat Of The Moment等の名だたる名曲と並べられては、新曲は どうしても小粒と言う印象は拭い切れない。デビュー当時から 急激に失速した現状の彼等を物語るようで、少し物悲しい 気分になる。ギターはSTEVE LIKATHER、MANDY MEYER、RON KOMIE、 SCOTT GORHAMと多種多彩なメンバーが参加しており、どうも これまでに録音されながら眠っていた音源が使われた様なので、 幾分致し方ない気もしなくはない。それでも彼等らしい美しい 叙情的なメロディの楽曲である事は間違いない。[82]
イギリスのプログレッシヴ・ロック・バンドの1994年に リリースされたアルバム。バンドの中心人物であった JOHN WETTONが去り、前作よりGEOFF DOWNESがバンドの実権を 取った事から、バンドの色合いが変ってきている。ヒット曲を 狙ったハード・ポップ路線から、今作ではオペラチックな シンフォニック・ロックと言う感じのする作品になっている。 メンバーもこれ1作で終わったが、AL PITRELLIがギタリストとして 参加し、MICHAEL STURGISが新たに加わっている。全体的に昔の 様なポップで聴き馴染み易い楽曲がない事と、スロー・テンポで ドラマティックな楽曲が多い事から、少し取っ付きにくい 作品ではあるが、その盛り上げかたはさすがと言うところがある。 しかし、昔を知る人間からするとやはり物足らなさを感じずには いられない。[80]
詳細は良く判らないが、フィンランドの ゴシック/メロディック・デス・メタル・バンドで恐らく デビュー・ミニ・アルバムではないかと思われる。その後、より 顕著となるゴシック色はもちろん見られるが、むしろ メロディック・デス・メタル色が結構濃い。このアルバムでは デス・ボイスを使用しており、これが唸るような重低音の デス・ボイスであまり気持ち良くない。このバンドが後々 メロディック・デス・メタル的な部分を放棄してしまったのは 全く正しい選択だろう。楽曲は部分によってはかなりドゥーミィで このおどろおどろしい部分と静との対比は面白い。[79]
詳細は良く判らないが、フィンランドの ゴシック・メタル・バンドのアルバム。ミニ・アルバムであった メロディック・デス色を一切廃し、女性ボーカル、HANNA KALSKEの ソプラノだけになっている。儚げなHANNAのボーカルは やや引っ込んだ感じがするが、幽玄的なイメージを強く 与えてくれる。前作からすると非常に流麗な感じする方向へと 転換しており、この方向性の変化は非常に評価出来る。楽曲的にも ドゥーミィな色合いを削ぎ落としていて、より静寂感のある作品に 仕上がっている。最後は少しだれなくもないが、この手の 作品としてはシンフォニック的な部分はまるでなく、淡々と 聴かせてくれるのも良い。[89]
ベルギー人ボーカリスト、ALAN ASKARI率いる ハード・ロック・バンドのデビュー盤。方向的にはアメリカ風の 叙情的なメロディのキャッチーなハード・ロックで、VICTORYの TOMMY NEWTONがプロデュースを行っている。その プロダクションとは対照的にどことなく垢抜けない雰囲気を醸し 出したところは確かにいただけないのだが、そういったところが 生々しさを感じさせてもいる。楽曲はこれと言った飛び抜けた 曲はないものの、出来自体は悪くない。勢いのある曲よりも、 Tired Of The Rainの様なバラードの方が素朴で良く出来ている。 [80]
詳細は全く不明だが、恐らくクロアチアの シンフォニック・ブラック/ドゥーム/ゴシック・メタル・バンドの 2ndアルバム。女性ボーカルと、ブラック・メタル・ボイスの ツイン・ボーカルで、フルート、バイオリンも専任 メンバーがいる。楽曲によってはかなりシアトリカルで、 Momentary Eclipse Of Hope等は、Dunja Radeticの歌う不思議な メロディに、スクリーミングが絡んできて一種独特の雰囲気を作り 上げている。全体的には、シンフォニック・ブラック的な 味わいもあるが、かなり耽美な色合いを強く押し出した 作品作りをしている。そのゴシック・メタル部とドゥーム・メタル 部の二重構造になっており、ブラック・メタル・ボイスが雰囲気を 壊すのは残念だが、中々良く出来たアルバムだ。[84]
詳細は全く不明だが、恐らくクロアチアの ドゥーム/ゴシック・メタル・バンドの1998年にリリースされた デビュー盤。2ndアルバムに比べると、かなりMY DYING BRIDEの 影響が伺える作品で、BATNIC MARTAのバイオリンの入れ方などは、 明らかにそのものと言った感じがする。DESPERATE EXISTENCEで 出て来るシンフォニック・ブラック・メタル的な部分は、この 作品では全くなく、如何にもドゥーム・メタル系 ゴシック・メタルと言った感じのダークさがあり、不気味さを 感じる作品に仕上がっている。男女のツイン・ボーカルだが、 大部分はKRSTULJA VLADIMIRがボーカルを取っている。この女性 ボーカルが今一つ没個性的で目立っていないのが残念だが、 MY DYING BRIDEが好きな人向けのアルバムだ。[85]
フィンランドのゴシック・メタル・バンドの2ndアルバム。 方向的には、前作同様のニュー・ウェーブ系の ゴシック・メタルだ。叙情的で流麗なメロディは前作と 変わらないが、より流麗になっているため、前作よりメタル色が 減退したと言って良いだろう。Personal等は、前作の 路線そのままで、前作のファンならばある程度楽しめるはずだ。 但し、より流麗になった分、フックに欠けるきらいがあり、その分 物足りなさを感じなくもない。楽曲によっては、少し地味すぎる 感じで、実に美しい作品に仕上がっているだけに、前作以上に盛り 上がりが欠けるのが残念だ。[85]
イギリスのプログレッシヴ・ロック・バンドのライヴ盤。1993年に 行われたアメリカでの公演の模様を収めたものだ。2ndアルバムを リリースした後の、彼等としては勢いのあった頃で、このライヴを 境に勢いを無くして行ったと言って良いだろう、 オリジナル・メンバーでの最後のライヴとなった公演だ。彼等の ライヴ盤と言うと、演奏とかを云々する前に、酷い録音 状態のものばかりと言う印象を受けるが、これもその御多分に 漏れない出来だ。歪み気味の音はまだ我慢出来るとしても、 ボーカルが完全に乖離してしまっている様に聴こえるのは 如何ともし難い。もう少しミックスすればもっと ましになったのではと思えるだけに残念だ。未発表曲が2曲 含まれており、演奏も悪くないだけに尚更だ。[58]