REIGN / AUDITORY IMAGERY
アメリカのプログレッシヴ・メタル・バンドの1994年に
リリースされたデビュー盤。方向的にはFATES WARNINGと
QUEENSRYCHEの中間的なもので、FATES WARNINGの流れるような
メロディと、QUEENSRYCHEのヘヴィ・メタル的な激しさを持ち
合わせている。ともすれば芋臭さも感じさせる様なサウンドだが、
日本人の感性をくすぐるような哀愁味たっぷりの叙情的な
メロディは非常に素晴らしい。PAUL WABREKの優しい歌声がまた
サウンドに合っていて非常に良い味を出している。名曲ともいえる
大作、Race With Timeを始め、楽曲は粒が揃っているし、
オリジナリティも感じさせる。派手な展開や転調こそないものの、
このバンドにはそういうものはあまり必要ないだろう。[90]
AUTODRIVE / AUTODRIVE
現在はもう存在しないアメリカのハード・ロック・バンドの
アルバム。先頃ソロ・デビューしたシンガー・ソング・ライター、
JOHN WESLEYが以前在籍していた様だが、このアルバムでは既に
もういない。とはいうものの、JOHN WESLEYのアルバムの様な
ポンプ・ロックとは全く無縁の世界だ。JOHN脱退後の2枚の
アルバムからの編集盤で、LONG ISLANDからリリースと
言うところから期待される通り、哀愁味のある美しいメロディの
ポップな楽曲が並んでいる。ここでのボーカルは、どちらかと
言うとROKO KOHLMEYER似で、あまり旨いとはいいがたいが絡み
付くようなねちっこい声質が哀愁感を引き立てている。[86]
SO ALIVE / AUDITORY IMAGERY
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの2ndアルバム。QUEENSRYCHE
系に一応分類されるが、QUEESRYCHEよりも更にメロディアスで
ねっとりと絡み付くようなボーカルがこの手のバンドとしては
独自性を出している。1stよりもメロディアスになっているが、
その分音が薄くなっているように感じられるのが少し残念だ。
1stのTime With RaceとまではいかないがSpeaking Your Mindも
中々良い曲でさすがと思わせてくれる。1stと迄は言えないが
それでもなかなかの出来だ。方向的にはどうしても地味な感が
拭えず、メジャーというのは難しいと思うが、哀愁に満ちた
メロディは日本人向きだとも言える。レコーディングには
前作同様金をかけれなかったようでプロダクションは変らず
チープだ。[87]
MISSING PIECES / AUTOGRAPH
既に解散しているが、L.A.メタル期に登場しデビュー・アルバム
SIGN IN PLEASEからTurn Up The Radioのスマッシュ・ヒットで
一躍成功したアメリカのヘヴィ・メタル・バンドの未発表
マテリアル集。STEVE PLUNKETTの独特のダーティなボーカルも
STEVE LYNCHのギターも甘く扇情的で軽快でハードな楽曲も
AUTOGRAPHらしい作品になっている。楽曲、内容ともこれまで
発表した作品にそれ程劣るものではないし、十分良い出来だ。
STEVE PLUNKETTのソロ・アルバム以来あまり表立った
活動がないが、独自の世界というものを持ってるだけに
少しもったいない感じはする。[82]
REPRISE MCMXCVIII / AUTUMN TEARS
詳細は全く判らないが、恐らくアメリカの
ゴシック・メタル・バンドの1998年にリリースされたアルバム。
リコーダやパイプ・オルガン風のキーボードをバックに、
JENNIFERとERIKAがコーラスを、更に詩を詠唱をすると言う
スタイルだ。中世教会音楽の様な荘厳で粛々とした雰囲気には
圧倒されるが、ヘヴィ・メタル的なエッセンスは全くないと言って
良いだろう。ダークで静寂感が漂う雰囲気は、独自の世界を築き
上げていると言って良いが、これが延々と続くのも少し
辛いものがある。こう言う暗黒中世音楽的な世界が好きならば
聴けるだろうが、一般のヘヴィ・メタルのリスナーには厳しい
作品だろう。[80]
WINTER AND THE BROKEN ANGEL / AUTUMN TEARS
詳細は全く不明だが、恐らくアメリカの
ゴシック・メタル・バンドのアルバム。前作ではリコーダや
パイプ・オルガンを入れた、中世ヨーロッパをイメージさせる様な
シンフォニックなゴシック・メタルを聴かせてくれていたが、
アイデアが空回りし、ダークなだけと言う感じがあった。今作でも
キーボードをバックに、JENNIFERとERIKAのボーカルを入れた
シンフォニックなサウンドには変わりないのだが、女性ボーカルを
より全面に押し出した、耽美な作品に仕上がっている。本当に哀愁
漂う流麗で美しい作品であると思うが、流石にこれをアルバム1枚
通して聴いていると少し辛い。[83]
AUDIOSLAVE / AUDIOSLAVE
アメリカのヘヴィ・ロック・バンドのデビュー盤。
RAGE AGAINST MACHINEのベーシスト、TIM COMMERFORD、ドラマー、
BRAD WILK、ギタリスト、TOM MORELLOと元SOUNDGARDENの
ボーカリスト、CHRIS CORNELLによるバンドだ。SOUNDGARDEN、
RAGE AGAINST MACHINE双方において、クリエイティヴ面については
それ程中心的位置にいなかったメンバー達だけあって、それらの
音楽性の呪縛にはあまり囚われてはいない。モダンな
ヘヴィ・ロック的エッセンスを取り入れながらも、より
オーソドックスなハード・ロックと言った趣があり、そこに
CHRIS CORNELLのオーセンティックなボーカルが被さって来る。
楽曲の出来も中々格好良く、CHRIS CORNELLのボーカルが良く
活きている。[88]