ドイツのプログレッシヴ・ヘヴィ・メタル・バンドの1994年に リリースされたアルバム。DREAM THEATREよりはめりはりが 利いていてヘヴィ・メタル然としている。難解な部分もないので ヘヴィ・メタルのファンにとっては結構聴き易い作品のはずだ。 楽曲の出来もまずまずで、演奏的にも悪くないし、MANY STURNERの ボーカルも悪くない。ただ全体的に力みかえっていて、どことなく あざとらしさが感じられ、もう少し自然に感じる様になればかなり 良くなるのではないかと思える。まだまだ改善すべき点はあるが、 十分楽しみな素材である。[82]
ロシアのハード・ロック・バンドの1991年にリリースされた アルバム。サックスのインストルゥーメンタル・ナンバー、 Going HomeはKENNY G風だし、BON JOVI風のPlay With Fire等、 方向的には洒落たアメリカン・ポップ/ロックを真似して 作りましたと言う感じなのだが、全体的にどことなく 洗練されておらず、芋臭いのが微笑ましい。ただ、Judgement Day 等は、GORKY PARKにも通ずるようなロシアらしいと感じさせる様な テンポとメロディで、素材は悪くないだけに、もっとこう言った 部分を追求した方が良かったのではないだろうか。[79]
アメリカのスラッシュ・メタル・バンドによる1992年に リリースされた2ndアルバム。スラッシュ・メタルとは言え、その 音楽性はかなりハード・コアよりだ。CHRISTIAN FUHRERの ボーカル・ライン等も含めて、如何にも初期METALLICA的な楽曲と サウンド的な色合いを感じさせてくれる。ラストに For Whom The Bell Tollsを持ってくる等、本人たちもかなり 意識しての事だろう。そのため、多分に物真似の域を 出ていないのだが、昨今のつまらない スラッシュ・メタル・バンドより勢いがあり遥に聴ける。 クレジットされているメンバーが2人しかいない事に、将来を 不安に感じるが、演奏的にも無難なので初期METALLICAが好きな 人にはお奨めだろう。[80]
詳細は全く判らないが恐らくイギリスの ゴシック/デス・メタル・バンドだろう。ほとんどが クリア・ボイスで、デス・ボイスもしゃがれ声といった程度で 割合と聴きやすい。コーラスなどを効果的に入れれて寂寥感のある 哀愁のメロディが中心になっている。民族音楽的な匂いが色濃い インストルゥーメンタル・ナンバーRennissance等、良い アイデアだ。軽すぎず、重過ぎず、それなりに アイデアもあるのだが、全体的に平坦な感じで、面白味に かけるきらいがある。もう少し変化を入れるなり、アレンジに 注力すれば結構良い作品になったかもしれないが。[71]
アメリカのハード・ポップ・バンドが1986年にリリースした 唯一のアルバム。キャッチーなメロディの楽曲が続き、聴きやすい 作品だ。楽曲的には優しい感じのミドル・テンポの明るい楽曲と、 叙情的で湿り気を帯びたアップ・テンポの楽曲の 2系統からなっているが、この叙情的な楽曲がなかなか良い。 Can't Stop等、美しいアメリカのバンドらしい哀愁を 感じさせてくれるし、味わい深い楽曲だ。明るい楽曲は、決して 悪くないのだが、そういった楽曲に比べるとやや面白味に 欠けるので、哀愁の路線で固めた方が、アルバム全体が引き 締まったかもしれない。[83]
詳細は全く判らないがスペインのヘヴィ・メタル・バンドの アルバム。ボーカルが英語盤のCDと全く同じ内容で、母国語盤の CDが付いた2枚組みの作品だ。方向的にはSTRATOVARIUS等に近く、 北欧メタル的な哀愁のメロディを配しながらもジャーマン的な エッセンスを少し盛り込んだ様な作品だ。英語はやや たどたどしくも聞えるが、スペイン語バージョンの変な イントネーションよりは普通に聴けるのが不思議だ。とは 言うものの、このJUAN LOZANOのボーカルが奇麗な声質である事は ともかく、かなり非力で不安定なのは問題だ。楽曲の出来、 メロディ・センスはそこそこ悪くないが、まだまだ改善の 余地はある。[72]
詳細は良く判らないが、オーストラリアの ゴシック・メタル・バンドのミニ・アルバム。女性ボーカル兼 キーボードのJUDY CHIARAとボーカル、キーボード、ギター、 ドラムまで兼任するSIMON GRUERの2人組みのユニットだ。 JUDY CHIARAの美しいハイ・トーンを中心に、SIMON GRUERの クリア・ボイスがコーラスを取ると言う形式を取っている。 バックは全体的にキーボードが中心で、儚げな感じを出しながらも 荘厳さを保っている。展開がないと言うわけではないが、全体的に 地味なため、単調すぎると言う印象も感じなくはなく、この ミニ・アルバムと言う長さがちょうど良い位だろう。もし、今後も 活動していくならば、こういった部分を如何に克服して行くかと 言う辺りが課題かも知れない。[84]
ドイツのプログレッシヴ・ヘヴィ・メタル・バンドの 3rdアルバム。鼻ピアスのスリランカ人ボーカリスト、 CHITRAL "CHITY" SOMAPALAが加わっているが、やや粘着質な声質で 悪くないボーカルだ。プログレッシヴ・メタルで、大仰な 展開があると言っても、かなりヘヴィ・メタルよりのサウンドで、 聴き易いアルバムだ。楽曲はフックとめりはりがあって、 聴きごたえのある作品に仕上がっている。アレンジ面など、 まだまだ未消化の部分もあるが、全体的なクオリティは 上がっている。これまでの作品と比べると、ややあざとい 感じがするのが残念だ。[81]
詳細は全く不明だが、スウェーデンの ゴシック/ドゥーム/メロディック・デス・メタル・バンドの アルバム。ボーカルのOLA PERSSONはデス・ボイスも若干使うが クリア・ボイスが中心だ。このクリア・ボイスはMY DYING BRIDEの AARONを下手にした様な感じで、今一つだ。方向的には ミドル・テンポの重苦しい雰囲気のドゥーム・メタル系 ゴシック・メタルだが、ダークで重苦しい雰囲気が優先しており、 それ程ゴシック・メタル的な耽美さや荘厳さが感じられないのは 残念だ。MY DYING BRIDEの様なニヒルな雰囲気が出せれば 良いのだが、そこまで整理もされていない。[80]
ドイツのヘヴィー・メタル・バンド、EDGUYのギタリスト、 TOBIAS SAMMETによるプロジェクトのアルバム。ROB ROCK、 元ANGRAのボーカリスト、ANDRE MATOS、GAMMA RAYのギタリスト、 KAI HANSEN、STRATOVARIUSのギタリスト、TIMO TOLKKI等と言った 層々たるメンバーが参加して実現したロック・オペラ作品だ。と 言っても、楽曲自体はメロディアスで叙情的なメロディの、 ドラマティックなヘヴィ・メタルで、ヘヴィ・メタルのファンなら 特に身構えずとも普通に聴けるだろう。楽曲の出来自体は 悪くないし、全体的な完成度はまずまず納得出来るレベルには 達していると言えるのだが、AYREON等と比べると、セリフの切り 替えとも言える部分が少なく、折角のロック・オペラと言う題材も 活かしきれていない様に感じられる。[82]
ドイツのヘヴィ・メタル・プロジェクトの2ndアルバム。EDGUYの ギタリスト、TOBIAS SAMMETを中心としたプロジェクトで、 コンセプト・アルバムであった前作の続編と言うべき作品だ。 前作に引き続き、TOBIAS SAMMET自身がボーカルを取っている他、 元HELLOWEENのMICHAEL KISKE、IMPELLITTERIのROB ROCK、 元ANGRAのANDRE MATOS、GAMMA RAYのKAI HANSENが参加している 他、MAGNUMのBOB CATLEYも参加している。基本的には前作の 延長線上と言えるものだが、前作よりシンフォニックで クラシカルな作品に仕上がっている。パートによっては DIOっぽさを思わせるところもあり、大仰だがより ドラマティックで聴き応えのある作品に仕上がっている。[84]