イギリスのハード・ポップ・バンドの1986年にリリースされた 2ndアルバム。N.W.O.B.H.M.末期に登場したポップなバンドの 一つで、若干プロダクションに問題があるが、キャッチーな楽曲は 悪くない。ボーカルのROB ARMITAGEはUDO DIRKSCHNIDERの 後任としてACCEPTに合流したが、結局バンドに加入する 事はなかったようだ。ACCEPTがUDO脱退後、ポップな方向へと 転換した事を考えると、彼を加入させようとした事はあながち 頷けない事もない。うまいとは言い難いが、パワフルでポップな 曲を歌えるボーカルと言う事で目を付けたのだろう。楽曲的には 曲によって出来に波があるものの、Rock Rock等、つぼにはまった 曲は中々素晴らしい。[81]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1992年にリリースされた 2ndアルバム。軽いのりのキャッチーで陽気な アメリカン・ハード・ロックンロールで、中々元気が良い。 Sacrifice Your Loveの様な叙情的なナンバーもあり、 一本調子にならず、バランスが良い。楽曲の出来もなかなかで、 ヘヴィ・メタル斜陽の時代にあって、セールス的に健闘したのも うなずける作品だ。RON FRESCHIのギターも中々のもので、 DEREK DAVIDのボーカルはじっくりと歌い上げるかと思えば、 ワイルドに疾走したりと、演奏的にも結構聴きごたえのある良質の アルバムに仕上がっている。[86]
イギリスのロック・バンドの再結成第3弾となる1990年に リリースされた9thアルバム。方向的には前作の延長線上で、 再結成後のポップなフィーリングはそのまま不変だ。解散で、 PAUL RODGERSからBRIAN HOWEにボーカリストが変ったわけだが、 LOU GRAMっぽい声質で、現在のBAD COMPANYには良く合っていると 思う。アダルトな雰囲気漂う、淡々としたポップ・ロックで、 楽曲の出来はかなりレベルが高い。地味な感じはするかも 知れないが、じっくりと聴き込める良い作品だ。Holy Waterや Stranger Stranger等、佳曲と言って良いレベルの楽曲がずらりと 並んでいる。[87]
イギリスのロック・バンドの1992年にリリースされた 10thアルバム。方向的には前作同様の、アダルトな雰囲気溢れる キャッチーなブルーズ・ロック・アルバムだ。FORIGNERを思わせる 様な冷ややかさと熱さが同居した作品で、中々味わい深い。 PAUL RODGERSとはまた違ったタイプのボーカリストだが、 BRIAN HOWEも素晴らしい歌唱を聴かせてくれている。楽曲的には 前作よりもほんわかとした雰囲気があり、よりアメリカン・ロック 的な作品になったと言って良いだろう。その分、ややシャープさに 欠け、焦点がぼやけているようにも思える。[84]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1992年にリリースされた デビュー盤。ボーカルは映画、タミネーター2で主役の一旦を 担っていた、当時16才のDANNY COOKSEY、ベースは14才でBITを 卒業したと言うZACH YOUNG、ドラマーは当時15才の BROOKS WACKERMAN、ギターが8才でMONSTER'S PF ROCKにおいて OZZY OSBOURNEと競演したと言う、当時12才のTHOMAS McROCKLINと 言う生え抜きのティーンエイジ・バンドだ。アイドル的な 扱いになりそうなところだが、自分達の好きな音楽を遣り 通している辺りは好感が持てる。方向的にはワイルドな ハード・ロックンロールで、良くも悪くも、年齢的な若さが随所に 感じられる。しかし、演奏的にはさすがと言おうか、十分と言える 以上なレベルに達している。楽曲もそれなりに面白いし、意外に 聴けるアルバムに仕上がっている。[82]
スウェーデンのハード・ポップ・バンドの1989年にリリースされた デビュー盤。軽快なハード・ポップで、洗練された叙情的な メロディはアメリカ的で中々出来が良い。メジャーから デビューしたが、この一枚で姿を消し、長い間消息 不明となっていた。最近になって、やっと再評価されるようになり バンドも復活し、変わらぬ姿を見せてくれている。キャッチーで 非常に聴き易く、楽曲の出来は中々レベルが高い。BAX FEHLINGの 艶のあるボーカルが、また方向性にあっていて良い感じだ。結構 甘めと感じる作品だが、そう言った方向性の作品が聴けるならば 気に入るはずだ。[85]
ノルウェイのヘヴィ・メタル・バンド、TNTの元ボーカリスト、 RONNI LE TEKROやMORTY BLACKが中心となった プロジェクト・バンドの1993年にリリースされたアルバム。この 作品はアルバム・タイトルを見れば判る通り、1970年代後半に 活躍したハード・ロック・バンド、THIN LIZZYの トリビュート・アルバムだ。The Boys Are Back In Townを始め、 THIN LIZZYの代表曲がずらりと並んおり、これらの曲をカバーする バンドも多いので、THIN LIZZYを知らなくとも、聴き馴染みのある 楽曲は多いはずだ。RONNI LE TEKROもPHIL LYNOTTを意識した ボーカル・スタイルを取っており、THIN LIZZYのファンでも 楽しめる作品になっていると思う。[83]
元OZZY OSBOURNE BANDのギタリスト、JAKE E.LEEが中心となって 結成された、アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1989年に リリースされた1stアルバム。ボーカルには、元BLACK SABBATHの RAY GILLEN、ドラムも同じく元BLACK SABBATHのERIC SINGERと言う 強力なメンバーを迎えている。アメリカらしい埃っぽさを持つ、 ワイルドでブルージィなヘヴィ・メタルで、中々 聴きごたえがある。グルーヴィなサウンドで、非常に勢いを 感じさせるアルバムに仕上がっている。JAKE E.LEEの ギター・プレイも、RAY GILLENのボーカルも、エナジーが 溢れていて、楽曲が実に良く生きている。演奏、楽曲とも、非常に レベルの高く、実に格好良いアルバムだ。[90]
元OZZY OSBOURNE BANDのギタリスト、JAKE E.LEE率いるアメリカの ヘヴィ・メタル・バンドの1991年にリリースされた2ndアルバム。 方向的には前作と同じで、埃っぽさを感じさせる、ブルージィで グルーヴィなハード・ロックだ。楽曲的には前作に 及ばないものの、その出来は十分素晴らしい。今は亡き、 RAY GILLENのエモーショナルなボーカルは、相変わらず 素晴らしく、聴くものの感嘆を誘う。ドラムはERIC SINGERが 脱退し、変わりに元RACER Xの、JEFF MARTINが加入しているが、 さして大きな影響はない。独特の世界を築き上げており、その クオリティはかなり高いと言えるだけのアルバムに 仕上がっている。[87]
数奇な運命を辿り、解散に至ったアメリカの ヘヴィ・メタル・バンド、LIONのボーカリスト、KAL SWANと ギタリスト、DOUG ALDRICHの二人が、心機一転して改めて結成した ヘヴィ・メタル・バンドの1991年にリリースされた ミニ・アルバム。デビュー前に、日本のみに紹介用に リリースされたもので、この中からはタイトル・トラックの Full Moon Fever、Without Your Loveがデビュー盤に収められた。 残りのOne Night In TokyoとAlter Egoの2曲とメッセージが アルバム未収録となっている。One Night In TokyoはLIONらしい、 勢いのあるアップ・テンポの楽曲で、結構聴きごたえがある。 Alter EgoはDOUG ALDRICHのギター・インストルゥメンタルで、 さして面白いと言う程のものではない。[80]
解散したアメリカのヘヴィ・メタル・バンド、LIONの ボーカリスト、KAL SWANとギタリスト、DOUG ALDRICHの 二人によって結成したヘヴィ・メタル・バンドの1991年に リリースされた1stアルバム。方向的には、LIONよりは更に ヘヴィ・メタル的で重厚なイメージのするサウンドになっている。 どちらかと言うとミドル・テンポ中心になった様な印象を 受けるが、のりは割合と保てている。楽曲の出来はまずまずだが、 取りたてて注目するほどの楽曲もないのは残念だ。KAL SAWNと DOUG ALDRICHの二人だけに、演奏の方は安心して聴いていれるが。 [81]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1993年にリリースされた 2ndアルバム。1stアルバムでは勢いだけを感じさせる程度の 作品でしかなかったが、今作ではどちらかと言うと叙情的で、より 聴かせる事を主体に置いているように感じられる。前作より、 メロディが段違いに良いし、結構聴き込めるアルバムに 仕上がっている。ただ、それにも関わらず、これはと言った 楽曲がないように思えるのは、KAL SWANのボーカル・スタイルに 起因するのか、そこまでのレベルに至っていないのか 難しいところである。そういう不満は多少あるものの、前作よりは 十分楽しめる作品だ。[85]
アメリカのロック・バンドの1993年にリリースされたデビュー盤。 方向的にはオルタナティヴ・ロック的な要素も感じられるが、 どちらかと言うとブルージィで土臭いアメリカン・ロックだ。 MICHAEL ANTHONY FRANANOの声質のせいか、どことなく艶っぽくて わびしい感じがするのが、非常に良い味を出している。女性 コーラスも良い味付けになっていて、思いのほか聴き込める作品に 仕上がっている。楽曲の出来も悪くないし、特にUntouched等は 一風変わっていて、中々面白い。ハード・ロック的な部分は 全くないので、淡白すぎると感じるかもしれないが、中々良い アルバムだ。[83]
ブルガリア人ギタリスト、NIKOLO KOTZEVと元SIX FEET UNDERの スウェーデン人ボーカリスト、BJORN LODINの2人組による、 プロジェクト・バンドの1994年にリリースされた4thアルバム。 元々SIX FEET UNDERがDEEP PURPLEの フォローワーであっただけに、そう言った雰囲気もあるのだが、 よりWHITESNAKE的だと言った方が良いだろう。 ハモンド・オルガンを全面に押し出したりしているが、前作よりも オリジナリティを押し進めていると言う印象を受ける。楽曲の 出来も前作に負けず劣らず、中々高いレベルの作品を作っている。 BJORN LODINのややハスキーめのボーカルがまた味わい深い 作品だ。[84]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1989年にリリースされた デビュー・ラブ・ミニ・アルバム。スタジオ盤ではかなり粗い 印象を受けるJOE LESTEのボーカルが心配だったが、このライヴを 聴く限りは心配する必要はないようだ。ライブ盤であるにも 関わらず、スタジオ盤程ワイルドさが出せていないのは残念だが、 聴けるレベルの作品にはなっている。ミニ・アルバム程度の 長さなので、聴いていれるが、フルのライヴ盤となると、この 内容では少し苦しいかもしれない。もう少しテンポを上げて、 ライヴ感が増せばかなり良くなるとは思うのだが。[75]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1989年にリリースされた 1stアルバム。方向的には、ワイルドでラフなヘヴィ・メタルで、 それなりに憂いを感じさせたりもする。JOE LESTEの ヒステリックなボーカルは、好みが分かれるかもしれないが、 悪くはない。楽曲の出来はまずまずと言ったところだが、扇情感が それなりにあるので、この荒いボーカルが、それなりに 生きている。まだまだB級臭い部分が多分にあるが、それなりに 聴きどころもある。SKID ROW程、突き抜けきれていないので、やや 中途半端に感じる部分が無きにしもあらずだが。[80]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1991年にリリースされた 2ndアルバム。ホーン・セクションを持ち込むなど、前作よりは 整った作品作りをする様になっている。その分、ワイルドでラフな 魅力と言うのが減退しており、のりも今一つだ。JOE LESTEの ヒステリックなボーカルにその面影が残る程度で、その分焦点が 見えない作品になってしまっている。楽曲が面白ければ 救いがあるのだが、そう言った意味では楽曲の面白さもこれと 言うほどのものがない。United And True等、憂いのある楽曲が 残っているのは嬉しいが、無理に洗練さを出すよりは、もっと 破天荒さを追求した方が良かったのではないだろうか。[79]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1992リリースされた ライブ・ミニ・アルバム。アコースティック・バラードの Midnight Struckを入れるなど、荒々しさはかなり減ったが、 Danin' On Coals等は枯れた魅力が良く出ている。 Someone Like You等は、さすがにまだまだ荒々しさを 感じさせてくれる。T-REXの20th Century Boyはバンドのカラーに 合っていないような気がするが、出来自体は悪くないし、 JOE LESTEのボーカルが意外にはまっている。選曲的に方向性が ばらばらなので散漫に感じるのは残念だ。[78]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1991年にリリースされた 3rdアルバム。荒々しかった1stから前作ではより整合感のある 方向に向かっていたが、今作ではより重厚な方向に向いている。 New Generationでの厚みのあるサウンドは、JOE LESTEのラフな ボーカルがうまく生きているように思える。ラフな部分も 生かしているので、前作であった中途半端な印象はかなり 払拭され、ある程度彼等の方向性を示せた作品になっていると 言って良いのではないだろうか。楽曲の出来も悪くないし、 のりがあって、それなりに納得のいく作品に仕上がっている。[83]
N.W.O.B.H.M.バンドの1983年にリリースされたデビュー盤。 この手のものとしては、憂いは帯びておらず、のりの良い ハード・ロックンロールをやっている。憂いは帯びていないにも 関わらず、明るくなりきれず、何となく中途半端な印象を 受けるが、楽曲の出来も今一つだ。演奏も悪くないし、ライヴ 感はあるので、聴きごたえはそれなりにある。 Her Mama Told Her等のメロディは悪くないので、もっとこういう 面を出せれば結構良い作品になってと思うのだが。どちらにしても B級臭さが満ちていて、MOTORHEAD、TANKと言った辺りが 好きでないと少し苦しいかもしれない。[76]
N.W.O.B.H.M.バンドの1984年にリリースされた2ndアルバム。 方向的には前作と同じ路線だが、Fortune Lady等は、かなり メロディを全面に押し出していて素晴らしい出来だ。それ以外の ハード・ロックンロール路線がそれなりの出来でしかないのを 考えると、際立っている。楽曲の出来は、前作以上に出来不出来の 波があるのは残念だ。B級臭いのは変わりないが、前作ほど あざとさは感じないし、まだ自然と聴ける感じがする。とは言え、 この手のものとしても、取りたてて面白い内容でもないので、 マニア向きの作品といえるだろう。[78]
詳細は全く判らないが、オランダのヘヴィ・メタル・バンドの 1994年にリリースされた恐らく唯一のアルバム。スウェーデンの ハード・ポップ・バンドとは同名異バンドで、方向的にも全く 違う。サウンド的には結構ごりごりのパワフルな ハード・ロックで、少々芋臭さも感じられる。楽曲はかなり 扇情的な部分を強く押し出しており、多少は引き 付けるものはあるが、出来的にはまだまだと言う印象を受ける。 ボーカルのARTHUR VERSCHUURENはかなり鼻につく声質のだが、 ある意味では良くも悪くも味のあるボーカルだ。オリジナリティは それなりにあるが、これといった楽曲もなく、このままでは少々 辛い。[77]
元LIONのメンバーによるヘヴィ・メタル・バンドの3rdアルバム。 1st、2ndはLIONで見せていたノリの良さを放棄し、ヘヴィで ミディアム・テンポ中心と言う感じだった。今作では幾分軽目の 曲があり、またアップ・テンポにもなっているが、メロディ的な 部分の比重は非常に軽くなってしまっている。KAL SWANの ボーカルは、どうもBAD MOON RISINGに合っていないような 気がしていたが、こういうタイプの曲では尚更だろう。良い ボーカリストなだけに勿体ないという気もする。希望としては もう一度LIONのような方向を目指す方が良いだろう。[79]
イギリスのシンフォニック・ブラック・メタル・バンドの デビュー盤。メロディアスでドラマティックな楽曲はEMPEROR 等よりも更に顕著で、大仰な雰囲気のアルバムに仕上がっている。 バックはブラスト・ビートも混じるが、どちらかと言うと複雑な スラッシュ・メタルと言った感じだ。ブラック・メタル特有の ボーカルにデス・ボイスまで混ぜてくるので、この手のものにある 程度免疫がないとかなり不快に感じられるだろう。オーケストラの 被せ方などはなかなかうまいし、アレンジ面も含めて、楽曲自体は 割と良い出来だと思うのだが。[78]
1980年代に少し活躍したアメリカの クリスチャン・メタル・バンドの久々の4thアルバム。硬派で ワイルドなサウンドでARMORD SAINT的なタイプの正統派という 感じなのだが、残念ながら全体的に見ると曲がつまらない。 パワーでゴリゴリ押してきて迫力があるのだが、ミドル・テンポの 曲は押並べて平凡だ。No Time To Runのようなアップ・テンポの 曲はそれなりに面白いのだが。BRUCE DICKINSON似のMIKE LEEの ボーカルは力強いが、単調さを助長しているだけになおさらで、 むしろバラードの方が良い味が出ている。[76]
オランダのプログレッシヴ・ハード・ロック・バンドの 2ndアルバム。キーボードの演奏はいかにも プログレッシヴ・ロックという感じで展開するのだが、その一方 ギター・ラインなどはかなりメロディアスでヘヴィな感じだ。 ボーカルの声質はJEFF TATEに若干似ていなくもない訳だが、少し よれていて時々外れるのはいかんともしがたい。バックの演奏は 楽曲の盛り上げ方など並々ならぬセンスの良さを 感じさせてくれるので勿体ない話ではある。 この手のものとしては、キーボードがかなり前面に 押し出されているし、ボーカルも少し線が細いので、 よりプログレッシヴ的に感じる。[79]
ドイツのハード・ロック・バンドのアルバム。曲自体はまぁ 良くあるアメリカ風のほこりっぽいハード・ロックンロールで、 取り立てて騒ぐほどの物ではないのだが、サビは結構親しみが 持てるし、勢いのあるのりは非常に良い。特に扇情的な SHAUN MICHAELSのボーカルが楽曲に良く合っていて効果的だ。 バラードのNo Matter The Faithも叙情感たっぷりで良いのだが 残念ながらまだアルバムを通して飽きさせないまでには 至っていないが、光るものは持っている。レーベルが 倒産してしまったので、今後の活動もどうなるか不安なところだ。 [82]
ドイツのヘヴィ・メタル・バンドのアルバム。いわゆる格好良いと 言う感じの楽曲で、飛抜けた曲はないものの粒はそろっている。 こういう売れ線な曲中心では飛抜けた曲がないのは致命的な 気もするが、叙情的で憂いもあって出来は結構良い。女性 ボーカルのPETRA LANGEは特に旨い訳ではないが、透った声で、 無難にこなしておりバンドのカラーに合っている。楽曲もこの 女性ボーカルをうまく生かす内容になっている。全体的に プロダクションの出来等不満もあるが、キーボードの入った 憂いのある売れ線でキャッチーなアルバムで適度に哀愁が 漂っていて悪くないアルバムだ。[87]
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドの6年振りの2ndアルバム。 すっかり解散しているものと思われていたが、実際は 解散していなかったらしい。元々美しい ハード・ポップ・バンドだったが、幾分こじんまりとしていて、 今一つのりきれないところがあったが、今作では美しいメロディに 更に磨きがかかり、エモーショナルさを増して引き付けてくる。 サウンド自体もデビュー盤に比べるとかなりハードになっており、 整い過ぎと言う面から脱却している。厚いコーラスも効果的だし、 キャッチーなメロディの楽曲の出来も非常に良く、中々優れものの アルバムに仕上がっている。[89]
デンマークのロック・バンドのデビュー盤。帯びには DIZZY MIZZ LIZZYに次いで等と書かれているが、音楽的な類似は 全くないと言って良いだろう。シアトリカル・ロック風で、そこに QUEEN的なオペラチックなエッセンスを取り入れていると言った 感じだ。パンク、テクノ的な色合いもあって、DAVID BOWIE 的でもある。ジャケットのメンバー・ショットもかなりきていて、 ちょっと敬遠したい感じがするが、内容的には楽曲のアイデアも 演奏も良く出来ている。音はかなりハードな部分もあるが、 ハード・ロックと言う感じではなく、楽曲は意外にキャッチーな 部分があって面白い。[80]
イギリスのブルーズ・ロック・バンドのアルバム。中心人物的 存在であったPAUL RODGERS抜きで、BRIAN HOWをボーカリストに 迎えて再結成し、活動して来たが、前作より元DISTANCEの ROBERT HEARTにボーカリストが交代している。このボーカルが 実に渋い歌唱を聴かせてくれており、PAUL RODGERS的な歌唱を 聴かせてくれる。それ故、ボーカルのタイプとしてもバンドに 合っているし、半分はPAUL RODGERS時代のリメイクなのだが、 違和感が全くない。THUNDER程ハードなものではないが、 リラックスしたじっくり聴ける作品に仕上がっており、クールで 枯れたその世界観は派手さはないが、素晴らしい。[86]
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドの4年ぶりの3rdアルバム。 BAD HABITのHAL JOHNSTONがプロデュースしているが、 そういうところから期待するようなものはほとんどない。この 4年の間に非常にアメリカナイズされ、ワイルドな ロックンロールに変貌している。キャッチーでポップな部分も 多分にあり、そういう部分ではいくらかは名残を残していて、 メロディ・センスの良さを忍ばせる。Closer To You等は 良く出来たハード・ポップの佳曲だ。だが、全体的には どちらかというとフックがあってノリの良い作品に 仕上がっている。[83]
イギリスのメロディアス・ハード・ロック・バンドのデビュー盤。 まず何といっても楽曲とアレンジが素晴らしい。全編を通して 哀愁のメロディを配しているが、これがかなりキャッチーで かつハードだ。扇情的でめりはりが効いていて メロディアス・ハードが好きなら文句が付けられないはずだ。 ボーカルが弱いが、バンドの方向性としてはTONY RITCHIEの 声質はあっているし、それ程個性のあるボーカルではないので 邪魔にもならないし我慢できる。コーラスは割と ちゃんとしているだけに少し惜しい気もするが。デビュー盤で これだけの作品を作られては脱帽と言うしかない。非常に 情感豊かなアルバムで心に染み渡る傑作だ。[91]
詳細は良く判らないが、アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの 1992年にリリースされた多分デビュー盤。自費出版によるもので、 プリント・アウトして自分たちで裁断したと思われる 歌詞カードには思わず同情してしまう。そういう状態だから プロダクションもお世辞にも良いとは言えないのだが、 酷いという程のものでもない。方向的には今は懐かしい 感じすらする80年代風の軽快で、キャッチーなメロディの 多少破天荒な感じのするアメリカン・ハード・ロックだ。演奏、 楽曲とも出来は十分及第点をあげれるだけのレベルではある。[78]
イギリスのシンフォニック・ブラック・メタル・バンドの3rd アルバム。バックは大幅にオーケストレーションを導入しており、 かなり大幅な方向転換をしたと言って良い。今までの作品は良くも 悪くもブラック・メタル然とした感じがあったが、今作では スクリーミングを除けばブラック・メタルと感じるところは ないだろう。場面場面によっては完全にオーケストラ的サウンドで 押しており、今までとはかなりイメージが違うはずだ。 キーボードが完全に主体になった構成はギター等が付け足し程度と 感じるほどで、もう完全にプログレッシヴ・ロックの世界に 入ってしまっていると言って良い。楽曲の出来は特に悪いと言う 訳ではないのだが、まだこなれていないという印象を受ける。[76]
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの2ndアルバム。前作同様の メロディアスな正統派ヘヴィ・メタルで、ギタリストの交代は 悪い結果になっていない。新しいギタリストはVANDAMNの PETE SOUTHERNで、半分位の曲作りに参加している。 ドラマティックで憂いを帯びた格好の良いメロディの楽曲で 構成されており、扇情感があって中々素晴らしい出来だ。前作では TONY RITCHIのボーカルが弱いのが唯一の難点だったが、 LANCE KINGに交代してかなり解消されたと言って良いだろう。 楽曲の出来は文句無く、メロディアス・ヘヴィ・メタルが 好きならば聴いて決して損のないだけの作品だ。[90]
スウェーデンのハード・ポップ・バンドの3rdアルバム。 アルバム・タイトルからAOR的なものを想像するかもしれないが、 そう言った部分も少なからずあるものの、どちらかと言うと、 もっとほのぼのとしたロック・アルバムだ。元々ポップ色の強い バンドだったが、今作ではよりロック的な色合いを強くしており、 爽やかなアメリカン・ロックや、軽めの北欧ハード・ロックと 言った感じのする作品だ。全体的にポップ・センスにはさすがと 思わせる部分が端々にあり、出来自体は悪くない。全体的に 落ち着いた楽曲が多いため、長閑すぎると言う印象は拭えないし、 バラードの割合も多すぎて、バランスが今一つ悪い様に思える。 その一方で、BAX FEHLINGの甘いボーカルは非常に良く 生きていると思うが。[84]
元OZZY OSBOURNE BANDの日系2世ギタリスト、JAKE E.LL率いる アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの8年振りとなる3rdアルバム。 実際には1992年に録音したもので、ボーカルのRAY GILLEN 脱退によりバンドは解散し、このアルバムもお蔵 入りとなっていた。方向的には、ブルーズ・ロック色を出していた 2ndアルバムの方向性をより押し進めた作品だ。2ndであった、より グラマラスでサイケデリックで土臭い色合いはやや影を潜め、 クリアな音作りになっている。そう言った味付けが無くなった分、 より地味になった印象を受けるが、出来自体は悪くない。 JAKE E.LEEのギターに、今は亡きRAY GILLENのボーカルと、 懐かしさを感じさせる作品だ。[82]
イギリスのロック・バンドの2枚組みベスト・アルバム。先頃 オリジナル・メンバーで再編されたが、これは昔の オリジナル・ラインナップの時のアルバムからの選曲と、 未発表曲、及び新曲からなっている。故に、純然たるベストとは 言えないのだが、PAUL RODGERS時代の彼等を知るには打って 付けだろう。BRIAN HOWE時代の彼等も、それはそれで 素晴らしいので、そこでの音源が全て落ちているのは残念だが、 あくまでもオリジナル・ラインナップでのベストと言う事なので 仕方がないだろう。非常にシンプルなブルーズ・ロックで、非常に 味わい深い楽曲が取り揃っている。THUNDERのファン等には 親しみを持てる部分も大きいはずだ。新曲が4曲 収められているが、よりソリッドな仕上がりになっている事を 除けば、昔の姿そのままだ。[84]
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの3rdアルバム。方向的には これまで同様、正統派のメロディアス・ヘヴィ・メタルだ。 扇情的で、叙情的な美しいメロディのヘヴィ・メタルで、 ヨーロッパのバンドらしい愁いを持った、洗練された楽曲は非常に 良く出来ている。クリエイティヴな面では、前作より加入した 元VANDAMNEのPETE SOUTHERNが主導権を握る様になっているが、 これまでの作品と比べてそれ程違和感はない。むしろ VANDAMNEであった哀愁味的要素がうまく融合しており、より情感が 増した作品に仕上がっていると言って良いだろう。非常に 洗練されたアルバムで、楽曲の出来、演奏、プロダクションと 言った面でも素晴らしい作品に仕上がっている。[90]
アメリカのハード・ロック・バンドの1991年にリリースされた 2ndアルバム。元BABYSのボーカリストで、ソロでも活躍していた JOHN WAITE、JOURNEYのキーボード、JONATHAN CAIN、同じく JOURNEYのギタリスト、NEAL SCHON等によって結成された バンドだが、BABYSやJOURNEYを思い起こさせる様な 部分はあまりなく、Straight To Your Heart等に JOHN WAITEらしさを感じる程度だ。それ程ハードと 言うわけではなく、むしろアメリカン・ロックと言ってしまっても 良い位なので、JOURNEY辺りを期待していると期待外れに 終わるかも知れない。楽曲自体の出来は、さすがにこれだけの メンバーが集まっているので、悪くない出来ではあるが。[81]
イギリスのブラック・メタル・バンドの4thアルバム。方向的には オーケストレーションをふんだんに盛り込んだ シンフォニック・ブラック・メタルだ。この手のものとしては、 アンビエント的な雰囲気一色に止まらず、むしろテンポの良い めりはりのあるサウンドに仕上がっている。前作では、 オーケストレーション一色と言う感じで、メタル的な色合いが ほとんど失せてしまっていたのに対して、今作ではメタル的な 色合いを取り戻している。中世の戦闘場面を思い起こす様な勇壮な サウンドは独特のものがある。やや、マスタベーション的に 感じなくもないが、出来は悪くない。[81]
アメリカのパンク・バンドのアルバム。その音楽性は、 キャッチーなメロディのパンクで、非常にポップで聴き易い。 割とアップ・テンポの楽曲が多いが、OFFSPRINGの様な勢いは 感じられないものの、ベテランらしい円熟味と安定したまとまりの 良さを感じさせるアルバムに仕上がっている。バックには パンクらしさを残してはいるが、そう言う事はあまり 気にならないし、普通のロック作品と言っても良いくらいだ。 明るめの楽曲が中心だが、Whisper In Timeの様な愁いをまとった メロディも味があって中々聴き応えがある。もう少しのりを強く 押し出しても良かった様な気もするが、出来は悪くない。[80]
スウェーデンのハード・ポップ・バンドの1989年にリリースされた 1stアルバム、AFTER HOURにデビュー・ミニ・アルバム、 YOUNG & INNOCENTとシングルのB面収められていたものや未発表の デモ音源をボーナス・トラックとして収録したものだ。 YOUNG & INNOCENTの楽曲には、デビュー作品としての初々しさと 未熟さが感じられるが、AFTER HOURに繋がるポップ・センス溢れる 楽曲が並んでいる。爽快で叙情的なメロディの アメリカナイズされた楽曲は、聴いていて中々気持ちが良い。 アルバム未収録のDancin'も中々良い楽曲だし、初期のレア音源が 集録されている点も踏まえて実に有り難い作品だ。[83]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンド、TESLAの元ボーカリスト、 JEFF KEITHと元ギタリスト、TOMMY SKEOCHによるバンドの デビュー盤。TOMMY SKEOCHが曲を書き、JEFF KEITHが歌うだけに、 その内容は正しくTESLAのそれに近いと言えるだろう。但し、ここ 最近のヘヴィ・ロックの影響があるのか、ややダークな 仕上がりになっており、TESLAと言ってしまうには抵抗を感じる。 基本的な路線はあくまでもTESLAと同じく、ブルージィな ヘヴィ・メタルであるので、彼等のファンであればそれ程大きく 外す事はないだろう。Freakedのアレンジは少しらしくないが、 それ以降はJEFF KEITHの特徴的なボーカルが生きた、格好の良い 作品に仕上がっている。[83]
ドイツのヘヴィ・メタル・バンドのデビュー盤。かなり ファンク・メタル色の強い方向性のヘヴィ・メタルで、各所に 見られる跳ねたリズムが非常に面白い。非常にヘヴィでメリハリの 効いたサウンドが緊張感を感じさせるが、ファンクらしい ユニークさがそれだけで終わらせていないのは好感を持てる。 ファンクらしいのりの良さ、グルーヴ感も良く出ていて、中々 悪くない作品だ。バラードのMysteryは少し弱い様な気もするが、 これはこれで味わいがある。演奏的にもかなりレベルが高く、 ベーシストのDIETER GREFFRATHのタイトなプレイ良い感じを 出している。[81]
スウェーデンのハード・ロックンロール・バンドの3年振りとなる 3rdアルバム。THE HELLACOPTERS等と供に、北欧にパンキッシュな ハード・ロックロール・シーンを形成するに至った立役者と言って 良いだろう。のりの良い、ワイルドなハード・ロックンロールは これまでと変わらないが、よりキャッチーで軽快な 作品作りがなされている。メジャー・デビュー作品だけに、 アメリカ市場を意識したアルバムと言って良いだろう。とは言え、 憂いも含みながら、HANOI ROCKSの流れを汲む、北欧らしい ハード・ロックンロールのアティチュードは決して 失われてはいない。[85]
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの4thアルバム。中心 人物であったキーボードのIVAN GUNNが脱退し、曲作りの中心が VAN DAMNEの元ギタリスト、PETE SOUTHERNに移り、今作より更に デビュー盤でボーカルを取っていた、TONY RITCHIEが ベーシストとして復帰し、彼もクリエイティヴ面で参加する 様になっている。音楽的方向性としては若干修正がかかっており、 叙情的なメロディの正統派ヘヴィ・メタルだったこれまでと 比べると、プログレッシヴ・メタル的な色合いが強くなって 来ている。その分、よりドラマティックな作品に 仕上がっているが、その一方で中心だったメロディが 散漫になっている様にも思える。とは言え、相変わらず完成度の 高い音楽を聴かせてくれており、イギリスの叙情派 ヘヴィ・メタルとしてはトップ・クラスの内容だ。[85]
アメリカのハード・コア・パンク・バンドの12thアルバム。非常に キャッチーでポップなメロディのハード・コア・パンクで、 方向的にはメロ・コアと言える様な音楽性と言って良いだろう。 疾走型の突っ走るハード・コア・パンクなのだが、非常に甘い キャッチーなメロディが全体に溢れており、非常に聴き易い 作品ではある。ハード・コア・パンクらしく、全体的に楽曲は 短く、1分台の楽曲も何曲かある。コンパクトに まとめられているだけに、一気に聴かせてくれるが、楽曲の パターンが似通っていて、それでもやや聴き飽きてくる 部分はある。[81]
ポーランドのゴシック・メタル・バンドの1998年にリリースされた デビュー盤。女性ボーカリスト、ANNA ZACHARとギタリストを 兼任するPIOTR GRZESIKとのツイン・ボーカル構成となっている。 この作品ではPIOTR GRZESIKがメイン・ボーカリストを 務めているが、このボーカルの音程の安定のなさは 如何なものだろうか。楽曲自体はアップ・テンポで流麗なもので 悪くはないのだが、このボーカルが総ての雰囲気を壊していると 言って良いだろう。次作以降、ANNA ZACHARがメインでボーカルを 取る様になった様だが、それは当然の帰結の様な気がする。[68]
日本のヘヴィ・ロック・バンドのアルバム。方向的にはどちらかと 言えば、ハード・コア色のあるパンキッシュな音楽性で、そこに ヘヴィ・ロック的なダークなメロディとヘヴィなサウンドを持ち 込んだものと言って良いだろう。そのため強い扇情感が出ており、 切れ味の鋭いサウンドはドラマティックな感じすらさせ、非常に 聴き応えのある作品に仕上がっている。歌詞は基本的に 日本語なのだが、この重厚で畳み掛ける様なサウンドにのると それ程違和感は感じられないのが評価出来る。プロデューサーを SOULFLYのMIKEY DOLINGが担当している事も興味深い。[83]
イギリスのロック・バンドの9年振りのライヴ盤。今年行われた アメリカでのツアーの模様を収めたものだ。このアルバムの 聴きどころは、何と言ってもPAUL RODGERSを加えた編成での初の ライヴ盤と言う事だろう。出来ればオリジナル・メンバーで 復活したときのライヴを出して欲しかった気がする。とは言え、 ブルージィでハードなナンバーを歌う、PAUL RODGERSの ソウルフルなボーカルは素晴らしく、彼のボーカルを聴くだけでも 価値があると言うものだ。何故かスタジオ録音の新曲が2曲 含まれているが、Saving GraceはJOURNEYのNEAL SCHORNとの 共作になっている。[85]