FROM MAJEURE / BABY TUCKOO
イギリスのハード・ポップ・バンドの1986年にリリースされた
2ndアルバム。N.W.O.B.H.M.末期に登場したポップなバンドの
一つで、若干プロダクションに問題があるが、キャッチーな楽曲は
悪くない。ボーカルのROB ARMITAGEはUDO DIRKSCHNIDERの
後任としてACCEPTに合流したが、結局バンドに加入する
事はなかったようだ。ACCEPTがUDO脱退後、ポップな方向へと
転換した事を考えると、彼を加入させようとした事はあながち
頷けない事もない。うまいとは言い難いが、パワフルでポップな
曲を歌えるボーカルと言う事で目を付けたのだろう。楽曲的には
曲によって出来に波があるものの、Rock Rock等、つぼにはまった
曲は中々素晴らしい。[81]
NOTHING SACRED / BABYLON A.D.
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1992年にリリースされた
2ndアルバム。軽いのりのキャッチーで陽気な
アメリカン・ハード・ロックンロールで、中々元気が良い。
Sacrifice Your Loveの様な叙情的なナンバーもあり、
一本調子にならず、バランスが良い。楽曲の出来もなかなかで、
ヘヴィ・メタル斜陽の時代にあって、セールス的に健闘したのも
うなずける作品だ。RON FRESCHIのギターも中々のもので、
DEREK DAVIDのボーカルはじっくりと歌い上げるかと思えば、
ワイルドに疾走したりと、演奏的にも結構聴きごたえのある良質の
アルバムに仕上がっている。[86]
HOLY WATER / BAD COMPANY
イギリスのロック・バンドの再結成第3弾となる1990年に
リリースされた9thアルバム。方向的には前作の延長線上で、
再結成後のポップなフィーリングはそのまま不変だ。解散で、
PAUL RODGERSからBRIAN HOWEにボーカリストが変ったわけだが、
LOU GRAMっぽい声質で、現在のBAD COMPANYには良く合っていると
思う。アダルトな雰囲気漂う、淡々としたポップ・ロックで、
楽曲の出来はかなりレベルが高い。地味な感じはするかも
知れないが、じっくりと聴き込める良い作品だ。Holy Waterや
Stranger Stranger等、佳曲と言って良いレベルの楽曲がずらりと
並んでいる。[87]
HERE COMES TROUBLE / BAD COMPANY
イギリスのロック・バンドの1992年にリリースされた
10thアルバム。方向的には前作同様の、アダルトな雰囲気溢れる
キャッチーなブルーズ・ロック・アルバムだ。FORIGNERを思わせる
様な冷ややかさと熱さが同居した作品で、中々味わい深い。
PAUL RODGERSとはまた違ったタイプのボーカリストだが、
BRIAN HOWEも素晴らしい歌唱を聴かせてくれている。楽曲的には
前作よりもほんわかとした雰囲気があり、よりアメリカン・ロック
的な作品になったと言って良いだろう。その分、ややシャープさに
欠け、焦点がぼやけているようにも思える。[84]
REFUGEE / BAD 4 GOOD
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1992年にリリースされた
デビュー盤。ボーカルは映画、タミネーター2で主役の一旦を
担っていた、当時16才のDANNY COOKSEY、ベースは14才でBITを
卒業したと言うZACH YOUNG、ドラマーは当時15才の
BROOKS WACKERMAN、ギターが8才でMONSTER'S PF ROCKにおいて
OZZY OSBOURNEと競演したと言う、当時12才のTHOMAS McROCKLINと
言う生え抜きのティーンエイジ・バンドだ。アイドル的な
扱いになりそうなところだが、自分達の好きな音楽を遣り
通している辺りは好感が持てる。方向的にはワイルドな
ハード・ロックンロールで、良くも悪くも、年齢的な若さが随所に
感じられる。しかし、演奏的にはさすがと言おうか、十分と言える
以上なレベルに達している。楽曲もそれなりに面白いし、意外に
聴けるアルバムに仕上がっている。[82]
AFTER HOUR / BAD HABIT
スウェーデンのハード・ポップ・バンドの1989年にリリースされた
デビュー盤。軽快なハード・ポップで、洗練された叙情的な
メロディはアメリカ的で中々出来が良い。メジャーから
デビューしたが、この一枚で姿を消し、長い間消息
不明となっていた。最近になって、やっと再評価されるようになり
バンドも復活し、変わらぬ姿を見せてくれている。キャッチーで
非常に聴き易く、楽曲の出来は中々レベルが高い。BAX FEHLINGの
艶のあるボーカルが、また方向性にあっていて良い感じだ。結構
甘めと感じる作品だが、そう言った方向性の作品が聴けるならば
気に入るはずだ。[85]
DEDICATED TO THIN LIZZY / BAD HABITZ
ノルウェイのヘヴィ・メタル・バンド、TNTの元ボーカリスト、
RONNI LE TEKROやMORTY BLACKが中心となった
プロジェクト・バンドの1993年にリリースされたアルバム。この
作品はアルバム・タイトルを見れば判る通り、1970年代後半に
活躍したハード・ロック・バンド、THIN LIZZYの
トリビュート・アルバムだ。The Boys Are Back In Townを始め、
THIN LIZZYの代表曲がずらりと並んおり、これらの曲をカバーする
バンドも多いので、THIN LIZZYを知らなくとも、聴き馴染みのある
楽曲は多いはずだ。RONNI LE TEKROもPHIL LYNOTTを意識した
ボーカル・スタイルを取っており、THIN LIZZYのファンでも
楽しめる作品になっていると思う。[83]
BADLANDS / BADLANDS
元OZZY OSBOURNE BANDのギタリスト、JAKE E.LEEが中心となって
結成された、アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1989年に
リリースされた1stアルバム。ボーカルには、元BLACK SABBATHの
RAY GILLEN、ドラムも同じく元BLACK SABBATHのERIC SINGERと言う
強力なメンバーを迎えている。アメリカらしい埃っぽさを持つ、
ワイルドでブルージィなヘヴィ・メタルで、中々
聴きごたえがある。グルーヴィなサウンドで、非常に勢いを
感じさせるアルバムに仕上がっている。JAKE E.LEEの
ギター・プレイも、RAY GILLENのボーカルも、エナジーが
溢れていて、楽曲が実に良く生きている。演奏、楽曲とも、非常に
レベルの高く、実に格好良いアルバムだ。[90]
VOODOO HOGHWAY / BADLANDS
元OZZY OSBOURNE BANDのギタリスト、JAKE E.LEE率いるアメリカの
ヘヴィ・メタル・バンドの1991年にリリースされた2ndアルバム。
方向的には前作と同じで、埃っぽさを感じさせる、ブルージィで
グルーヴィなハード・ロックだ。楽曲的には前作に
及ばないものの、その出来は十分素晴らしい。今は亡き、
RAY GILLENのエモーショナルなボーカルは、相変わらず
素晴らしく、聴くものの感嘆を誘う。ドラムはERIC SINGERが
脱退し、変わりに元RACER Xの、JEFF MARTINが加入しているが、
さして大きな影響はない。独特の世界を築き上げており、その
クオリティはかなり高いと言えるだけのアルバムに
仕上がっている。[87]
FULL MOON FEVER / BAD MOON RISING
数奇な運命を辿り、解散に至ったアメリカの
ヘヴィ・メタル・バンド、LIONのボーカリスト、KAL SWANと
ギタリスト、DOUG ALDRICHの二人が、心機一転して改めて結成した
ヘヴィ・メタル・バンドの1991年にリリースされた
ミニ・アルバム。デビュー前に、日本のみに紹介用に
リリースされたもので、この中からはタイトル・トラックの
Full Moon Fever、Without Your Loveがデビュー盤に収められた。
残りのOne Night In TokyoとAlter Egoの2曲とメッセージが
アルバム未収録となっている。One Night In TokyoはLIONらしい、
勢いのあるアップ・テンポの楽曲で、結構聴きごたえがある。
Alter EgoはDOUG ALDRICHのギター・インストルゥメンタルで、
さして面白いと言う程のものではない。[80]
BAD MOON RISING / BAD MOON RISING
解散したアメリカのヘヴィ・メタル・バンド、LIONの
ボーカリスト、KAL SWANとギタリスト、DOUG ALDRICHの
二人によって結成したヘヴィ・メタル・バンドの1991年に
リリースされた1stアルバム。方向的には、LIONよりは更に
ヘヴィ・メタル的で重厚なイメージのするサウンドになっている。
どちらかと言うとミドル・テンポ中心になった様な印象を
受けるが、のりは割合と保てている。楽曲の出来はまずまずだが、
取りたてて注目するほどの楽曲もないのは残念だ。KAL SAWNと
DOUG ALDRICHの二人だけに、演奏の方は安心して聴いていれるが。
[81]
BLOOD / BAD MOON RISING
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1993年にリリースされた
2ndアルバム。1stアルバムでは勢いだけを感じさせる程度の
作品でしかなかったが、今作ではどちらかと言うと叙情的で、より
聴かせる事を主体に置いているように感じられる。前作より、
メロディが段違いに良いし、結構聴き込めるアルバムに
仕上がっている。ただ、それにも関わらず、これはと言った
楽曲がないように思えるのは、KAL SWANのボーカル・スタイルに
起因するのか、そこまでのレベルに至っていないのか
難しいところである。そういう不満は多少あるものの、前作よりは
十分楽しめる作品だ。[85]
BAKERS PINK / BAKERS PINK
アメリカのロック・バンドの1993年にリリースされたデビュー盤。
方向的にはオルタナティヴ・ロック的な要素も感じられるが、
どちらかと言うとブルージィで土臭いアメリカン・ロックだ。
MICHAEL ANTHONY FRANANOの声質のせいか、どことなく艶っぽくて
わびしい感じがするのが、非常に良い味を出している。女性
コーラスも良い味付けになっていて、思いのほか聴き込める作品に
仕上がっている。楽曲の出来も悪くないし、特にUntouched等は
一風変わっていて、中々面白い。ハード・ロック的な部分は
全くないので、淡白すぎると感じるかもしれないが、中々良い
アルバムだ。[83]
THOUGHT FOR FOOD / BALTIMORE
ブルガリア人ギタリスト、NIKOLO KOTZEVと元SIX FEET UNDERの
スウェーデン人ボーカリスト、BJORN LODINの2人組による、
プロジェクト・バンドの1994年にリリースされた4thアルバム。
元々SIX FEET UNDERがDEEP PURPLEの
フォローワーであっただけに、そう言った雰囲気もあるのだが、
よりWHITESNAKE的だと言った方が良いだろう。
ハモンド・オルガンを全面に押し出したりしているが、前作よりも
オリジナリティを押し進めていると言う印象を受ける。楽曲の
出来も前作に負けず劣らず、中々高いレベルの作品を作っている。
BJORN LODINのややハスキーめのボーカルがまた味わい深い
作品だ。[84]
LIVE INJECTION / BANG TANGO
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1989年にリリースされた
デビュー・ラブ・ミニ・アルバム。スタジオ盤ではかなり粗い
印象を受けるJOE LESTEのボーカルが心配だったが、このライヴを
聴く限りは心配する必要はないようだ。ライブ盤であるにも
関わらず、スタジオ盤程ワイルドさが出せていないのは残念だが、
聴けるレベルの作品にはなっている。ミニ・アルバム程度の
長さなので、聴いていれるが、フルのライヴ盤となると、この
内容では少し苦しいかもしれない。もう少しテンポを上げて、
ライヴ感が増せばかなり良くなるとは思うのだが。[75]
PSYCO CAFE / BANG TANGO
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1989年にリリースされた
1stアルバム。方向的には、ワイルドでラフなヘヴィ・メタルで、
それなりに憂いを感じさせたりもする。JOE LESTEの
ヒステリックなボーカルは、好みが分かれるかもしれないが、
悪くはない。楽曲の出来はまずまずと言ったところだが、扇情感が
それなりにあるので、この荒いボーカルが、それなりに
生きている。まだまだB級臭い部分が多分にあるが、それなりに
聴きどころもある。SKID ROW程、突き抜けきれていないので、やや
中途半端に感じる部分が無きにしもあらずだが。[80]
DANCIN' COALS / BANG TANGO
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1991年にリリースされた
2ndアルバム。ホーン・セクションを持ち込むなど、前作よりは
整った作品作りをする様になっている。その分、ワイルドでラフな
魅力と言うのが減退しており、のりも今一つだ。JOE LESTEの
ヒステリックなボーカルにその面影が残る程度で、その分焦点が
見えない作品になってしまっている。楽曲が面白ければ
救いがあるのだが、そう言った意味では楽曲の面白さもこれと
言うほどのものがない。United And True等、憂いのある楽曲が
残っているのは嬉しいが、無理に洗練さを出すよりは、もっと
破天荒さを追求した方が良かったのではないだろうか。[79]
AIN'T NO JIVE LIVE / BANG TANGO
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1992リリースされた
ライブ・ミニ・アルバム。アコースティック・バラードの
Midnight Struckを入れるなど、荒々しさはかなり減ったが、
Danin' On Coals等は枯れた魅力が良く出ている。
Someone Like You等は、さすがにまだまだ荒々しさを
感じさせてくれる。T-REXの20th Century Boyはバンドのカラーに
合っていないような気がするが、出来自体は悪くないし、
JOE LESTEのボーカルが意外にはまっている。選曲的に方向性が
ばらばらなので散漫に感じるのは残念だ。[78]
LOVE AFTER DEATH / BANG TANGO
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1991年にリリースされた
3rdアルバム。荒々しかった1stから前作ではより整合感のある
方向に向かっていたが、今作ではより重厚な方向に向いている。
New Generationでの厚みのあるサウンドは、JOE LESTEのラフな
ボーカルがうまく生きているように思える。ラフな部分も
生かしているので、前作であった中途半端な印象はかなり
払拭され、ある程度彼等の方向性を示せた作品になっていると
言って良いのではないだろうか。楽曲の出来も悪くないし、
のりがあって、それなりに納得のいく作品に仕上がっている。[83]
BURN THIS TOWN / BATTLE AXE
N.W.O.B.H.M.バンドの1983年にリリースされたデビュー盤。
この手のものとしては、憂いは帯びておらず、のりの良い
ハード・ロックンロールをやっている。憂いは帯びていないにも
関わらず、明るくなりきれず、何となく中途半端な印象を
受けるが、楽曲の出来も今一つだ。演奏も悪くないし、ライヴ
感はあるので、聴きごたえはそれなりにある。
Her Mama Told Her等のメロディは悪くないので、もっとこういう
面を出せれば結構良い作品になってと思うのだが。どちらにしても
B級臭さが満ちていて、MOTORHEAD、TANKと言った辺りが
好きでないと少し苦しいかもしれない。[76]
POWER FROM THE UNIVERSE / BATTLE AXE
N.W.O.B.H.M.バンドの1984年にリリースされた2ndアルバム。
方向的には前作と同じ路線だが、Fortune Lady等は、かなり
メロディを全面に押し出していて素晴らしい出来だ。それ以外の
ハード・ロックンロール路線がそれなりの出来でしかないのを
考えると、際立っている。楽曲の出来は、前作以上に出来不出来の
波があるのは残念だ。B級臭いのは変わりないが、前作ほど
あざとさは感じないし、まだ自然と聴ける感じがする。とは言え、
この手のものとしても、取りたてて面白い内容でもないので、
マニア向きの作品といえるだろう。[78]
FOOL'S PARADISE / BAD HABIT
詳細は全く判らないが、オランダのヘヴィ・メタル・バンドの
1994年にリリースされた恐らく唯一のアルバム。スウェーデンの
ハード・ポップ・バンドとは同名異バンドで、方向的にも全く
違う。サウンド的には結構ごりごりのパワフルな
ハード・ロックで、少々芋臭さも感じられる。楽曲はかなり
扇情的な部分を強く押し出しており、多少は引き
付けるものはあるが、出来的にはまだまだと言う印象を受ける。
ボーカルのARTHUR VERSCHUURENはかなり鼻につく声質のだが、
ある意味では良くも悪くも味のあるボーカルだ。オリジナリティは
それなりにあるが、これといった楽曲もなく、このままでは少々
辛い。[77]
OPIUM FOR THE MASSES / BAD MOON RISING
元LIONのメンバーによるヘヴィ・メタル・バンドの3rdアルバム。
1st、2ndはLIONで見せていたノリの良さを放棄し、ヘヴィで
ミディアム・テンポ中心と言う感じだった。今作では幾分軽目の
曲があり、またアップ・テンポにもなっているが、メロディ的な
部分の比重は非常に軽くなってしまっている。KAL SWANの
ボーカルは、どうもBAD MOON RISINGに合っていないような
気がしていたが、こういうタイプの曲では尚更だろう。良い
ボーカリストなだけに勿体ないという気もする。希望としては
もう一度LIONのような方向を目指す方が良いだろう。[79]
A BLACK MOON BROODS OVER LEMURIA / BAL SAGOTH
イギリスのシンフォニック・ブラック・メタル・バンドの
デビュー盤。メロディアスでドラマティックな楽曲はEMPEROR
等よりも更に顕著で、大仰な雰囲気のアルバムに仕上がっている。
バックはブラスト・ビートも混じるが、どちらかと言うと複雑な
スラッシュ・メタルと言った感じだ。ブラック・メタル特有の
ボーカルにデス・ボイスまで混ぜてくるので、この手のものにある
程度免疫がないとかなり不快に感じられるだろう。オーケストラの
被せ方などはなかなかうまいし、アレンジ面も含めて、楽曲自体は
割と良い出来だと思うのだが。[78]
RATTLE YOUR CAGE / BARREN CROSS
1980年代に少し活躍したアメリカの
クリスチャン・メタル・バンドの久々の4thアルバム。硬派で
ワイルドなサウンドでARMORD SAINT的なタイプの正統派という
感じなのだが、残念ながら全体的に見ると曲がつまらない。
パワーでゴリゴリ押してきて迫力があるのだが、ミドル・テンポの
曲は押並べて平凡だ。No Time To Runのようなアップ・テンポの
曲はそれなりに面白いのだが。BRUCE DICKINSON似のMIKE LEEの
ボーカルは力強いが、単調さを助長しているだけになおさらで、
むしろバラードの方が良い味が出ている。[76]
DOOR TO DELIVERANCE / BAGHEERA
オランダのプログレッシヴ・ハード・ロック・バンドの
2ndアルバム。キーボードの演奏はいかにも
プログレッシヴ・ロックという感じで展開するのだが、その一方
ギター・ラインなどはかなりメロディアスでヘヴィな感じだ。
ボーカルの声質はJEFF TATEに若干似ていなくもない訳だが、少し
よれていて時々外れるのはいかんともしがたい。バックの演奏は
楽曲の盛り上げ方など並々ならぬセンスの良さを
感じさせてくれるので勿体ない話ではある。
この手のものとしては、キーボードがかなり前面に
押し出されているし、ボーカルも少し線が細いので、
よりプログレッシヴ的に感じる。[79]
BACKBONE SLIDE / BACKBONE SLIDE
ドイツのハード・ロック・バンドのアルバム。曲自体はまぁ
良くあるアメリカ風のほこりっぽいハード・ロックンロールで、
取り立てて騒ぐほどの物ではないのだが、サビは結構親しみが
持てるし、勢いのあるのりは非常に良い。特に扇情的な
SHAUN MICHAELSのボーカルが楽曲に良く合っていて効果的だ。
バラードのNo Matter The Faithも叙情感たっぷりで良いのだが
残念ながらまだアルバムを通して飽きさせないまでには
至っていないが、光るものは持っている。レーベルが
倒産してしまったので、今後の活動もどうなるか不安なところだ。
[82]
OUT OF THE BUSINESS / BAD SISTER
ドイツのヘヴィ・メタル・バンドのアルバム。いわゆる格好良いと
言う感じの楽曲で、飛抜けた曲はないものの粒はそろっている。
こういう売れ線な曲中心では飛抜けた曲がないのは致命的な
気もするが、叙情的で憂いもあって出来は結構良い。女性
ボーカルのPETRA LANGEは特に旨い訳ではないが、透った声で、
無難にこなしておりバンドのカラーに合っている。楽曲もこの
女性ボーカルをうまく生かす内容になっている。全体的に
プロダクションの出来等不満もあるが、キーボードの入った
憂いのある売れ線でキャッチーなアルバムで適度に哀愁が
漂っていて悪くないアルバムだ。[87]
REVOLUTION / BAD HABIT
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドの6年振りの2ndアルバム。
すっかり解散しているものと思われていたが、実際は
解散していなかったらしい。元々美しい
ハード・ポップ・バンドだったが、幾分こじんまりとしていて、
今一つのりきれないところがあったが、今作では美しいメロディに
更に磨きがかかり、エモーショナルさを増して引き付けてくる。
サウンド自体もデビュー盤に比べるとかなりハードになっており、
整い過ぎと言う面から脱却している。厚いコーラスも効果的だし、
キャッチーなメロディの楽曲の出来も非常に良く、中々優れものの
アルバムに仕上がっている。[89]
SENSORAMA / BAAL
デンマークのロック・バンドのデビュー盤。帯びには
DIZZY MIZZ LIZZYに次いで等と書かれているが、音楽的な類似は
全くないと言って良いだろう。シアトリカル・ロック風で、そこに
QUEEN的なオペラチックなエッセンスを取り入れていると言った
感じだ。パンク、テクノ的な色合いもあって、DAVID BOWIE
的でもある。ジャケットのメンバー・ショットもかなりきていて、
ちょっと敬遠したい感じがするが、内容的には楽曲のアイデアも
演奏も良く出来ている。音はかなりハードな部分もあるが、
ハード・ロックと言う感じではなく、楽曲は意外にキャッチーな
部分があって面白い。[80]
STORIES TOLD & UNTOLD / BAD COMPANY
イギリスのブルーズ・ロック・バンドのアルバム。中心人物的
存在であったPAUL RODGERS抜きで、BRIAN HOWをボーカリストに
迎えて再結成し、活動して来たが、前作より元DISTANCEの
ROBERT HEARTにボーカリストが交代している。このボーカルが
実に渋い歌唱を聴かせてくれており、PAUL RODGERS的な歌唱を
聴かせてくれる。それ故、ボーカルのタイプとしてもバンドに
合っているし、半分はPAUL RODGERS時代のリメイクなのだが、
違和感が全くない。THUNDER程ハードなものではないが、
リラックスしたじっくり聴ける作品に仕上がっており、クールで
枯れたその世界観は派手さはないが、素晴らしい。[86]
RIDIN' HIGH / BAI BANG
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドの4年ぶりの3rdアルバム。
BAD HABITのHAL JOHNSTONがプロデュースしているが、
そういうところから期待するようなものはほとんどない。この
4年の間に非常にアメリカナイズされ、ワイルドな
ロックンロールに変貌している。キャッチーでポップな部分も
多分にあり、そういう部分ではいくらかは名残を残していて、
メロディ・センスの良さを忍ばせる。Closer To You等は
良く出来たハード・ポップの佳曲だ。だが、全体的には
どちらかというとフックがあってノリの良い作品に
仕上がっている。[83]
WHEN THE WORLD FALLS DOWN / BALANCE OF POWER
イギリスのメロディアス・ハード・ロック・バンドのデビュー盤。
まず何といっても楽曲とアレンジが素晴らしい。全編を通して
哀愁のメロディを配しているが、これがかなりキャッチーで
かつハードだ。扇情的でめりはりが効いていて
メロディアス・ハードが好きなら文句が付けられないはずだ。
ボーカルが弱いが、バンドの方向性としてはTONY RITCHIEの
声質はあっているし、それ程個性のあるボーカルではないので
邪魔にもならないし我慢できる。コーラスは割と
ちゃんとしているだけに少し惜しい気もするが。デビュー盤で
これだけの作品を作られては脱帽と言うしかない。非常に
情感豊かなアルバムで心に染み渡る傑作だ。[91]
BANSHEE / BANSHEE
詳細は良く判らないが、アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの
1992年にリリースされた多分デビュー盤。自費出版によるもので、
プリント・アウトして自分たちで裁断したと思われる
歌詞カードには思わず同情してしまう。そういう状態だから
プロダクションもお世辞にも良いとは言えないのだが、
酷いという程のものでもない。方向的には今は懐かしい
感じすらする80年代風の軽快で、キャッチーなメロディの
多少破天荒な感じのするアメリカン・ハード・ロックだ。演奏、
楽曲とも出来は十分及第点をあげれるだけのレベルではある。[78]
BATTLE MAGIC / BAL-SAGOTH
イギリスのシンフォニック・ブラック・メタル・バンドの3rd
アルバム。バックは大幅にオーケストレーションを導入しており、
かなり大幅な方向転換をしたと言って良い。今までの作品は良くも
悪くもブラック・メタル然とした感じがあったが、今作では
スクリーミングを除けばブラック・メタルと感じるところは
ないだろう。場面場面によっては完全にオーケストラ的サウンドで
押しており、今までとはかなりイメージが違うはずだ。
キーボードが完全に主体になった構成はギター等が付け足し程度と
感じるほどで、もう完全にプログレッシヴ・ロックの世界に
入ってしまっていると言って良い。楽曲の出来は特に悪いと言う
訳ではないのだが、まだこなれていないという印象を受ける。[76]
BOOK OF SECRETS / BALANCE OF POWER
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの2ndアルバム。前作同様の
メロディアスな正統派ヘヴィ・メタルで、ギタリストの交代は
悪い結果になっていない。新しいギタリストはVANDAMNの
PETE SOUTHERNで、半分位の曲作りに参加している。
ドラマティックで憂いを帯びた格好の良いメロディの楽曲で
構成されており、扇情感があって中々素晴らしい出来だ。前作では
TONY RITCHIのボーカルが弱いのが唯一の難点だったが、
LANCE KINGに交代してかなり解消されたと言って良いだろう。
楽曲の出来は文句無く、メロディアス・ヘヴィ・メタルが
好きならば聴いて決して損のないだけの作品だ。[90]
ADULT ORIENTATION / BAD HABIT
スウェーデンのハード・ポップ・バンドの3rdアルバム。
アルバム・タイトルからAOR的なものを想像するかもしれないが、
そう言った部分も少なからずあるものの、どちらかと言うと、
もっとほのぼのとしたロック・アルバムだ。元々ポップ色の強い
バンドだったが、今作ではよりロック的な色合いを強くしており、
爽やかなアメリカン・ロックや、軽めの北欧ハード・ロックと
言った感じのする作品だ。全体的にポップ・センスにはさすがと
思わせる部分が端々にあり、出来自体は悪くない。全体的に
落ち着いた楽曲が多いため、長閑すぎると言う印象は拭えないし、
バラードの割合も多すぎて、バランスが今一つ悪い様に思える。
その一方で、BAX FEHLINGの甘いボーカルは非常に良く
生きていると思うが。[84]
DUSK / BADLANDS
元OZZY OSBOURNE BANDの日系2世ギタリスト、JAKE E.LL率いる
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの8年振りとなる3rdアルバム。
実際には1992年に録音したもので、ボーカルのRAY GILLEN
脱退によりバンドは解散し、このアルバムもお蔵
入りとなっていた。方向的には、ブルーズ・ロック色を出していた
2ndアルバムの方向性をより押し進めた作品だ。2ndであった、より
グラマラスでサイケデリックで土臭い色合いはやや影を潜め、
クリアな音作りになっている。そう言った味付けが無くなった分、
より地味になった印象を受けるが、出来自体は悪くない。
JAKE E.LEEのギターに、今は亡きRAY GILLENのボーカルと、
懐かしさを感じさせる作品だ。[82]
THE 'ORIGINAL' BAD CO. ANTHOLOGY / BAD COMPANY
イギリスのロック・バンドの2枚組みベスト・アルバム。先頃
オリジナル・メンバーで再編されたが、これは昔の
オリジナル・ラインナップの時のアルバムからの選曲と、
未発表曲、及び新曲からなっている。故に、純然たるベストとは
言えないのだが、PAUL RODGERS時代の彼等を知るには打って
付けだろう。BRIAN HOWE時代の彼等も、それはそれで
素晴らしいので、そこでの音源が全て落ちているのは残念だが、
あくまでもオリジナル・ラインナップでのベストと言う事なので
仕方がないだろう。非常にシンプルなブルーズ・ロックで、非常に
味わい深い楽曲が取り揃っている。THUNDERのファン等には
親しみを持てる部分も大きいはずだ。新曲が4曲
収められているが、よりソリッドな仕上がりになっている事を
除けば、昔の姿そのままだ。[84]
TEN MORE TALES OF GRAND ILLUSION / BALANCE OF POWER
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの3rdアルバム。方向的には
これまで同様、正統派のメロディアス・ヘヴィ・メタルだ。
扇情的で、叙情的な美しいメロディのヘヴィ・メタルで、
ヨーロッパのバンドらしい愁いを持った、洗練された楽曲は非常に
良く出来ている。クリエイティヴな面では、前作より加入した
元VANDAMNEのPETE SOUTHERNが主導権を握る様になっているが、
これまでの作品と比べてそれ程違和感はない。むしろ
VANDAMNEであった哀愁味的要素がうまく融合しており、より情感が
増した作品に仕上がっていると言って良いだろう。非常に
洗練されたアルバムで、楽曲の出来、演奏、プロダクションと
言った面でも素晴らしい作品に仕上がっている。[90]
BACKLASH / BAD ENGLISH
アメリカのハード・ロック・バンドの1991年にリリースされた
2ndアルバム。元BABYSのボーカリストで、ソロでも活躍していた
JOHN WAITE、JOURNEYのキーボード、JONATHAN CAIN、同じく
JOURNEYのギタリスト、NEAL SCHON等によって結成された
バンドだが、BABYSやJOURNEYを思い起こさせる様な
部分はあまりなく、Straight To Your Heart等に
JOHN WAITEらしさを感じる程度だ。それ程ハードと
言うわけではなく、むしろアメリカン・ロックと言ってしまっても
良い位なので、JOURNEY辺りを期待していると期待外れに
終わるかも知れない。楽曲自体の出来は、さすがにこれだけの
メンバーが集まっているので、悪くない出来ではあるが。[81]
THE POWER COSMIC / BAL-SAGOTH
イギリスのブラック・メタル・バンドの4thアルバム。方向的には
オーケストレーションをふんだんに盛り込んだ
シンフォニック・ブラック・メタルだ。この手のものとしては、
アンビエント的な雰囲気一色に止まらず、むしろテンポの良い
めりはりのあるサウンドに仕上がっている。前作では、
オーケストレーション一色と言う感じで、メタル的な色合いが
ほとんど失せてしまっていたのに対して、今作ではメタル的な
色合いを取り戻している。中世の戦闘場面を思い起こす様な勇壮な
サウンドは独特のものがある。やや、マスタベーション的に
感じなくもないが、出来は悪くない。[81]
THE NEW AMERICA / BAD RELIGION
アメリカのパンク・バンドのアルバム。その音楽性は、
キャッチーなメロディのパンクで、非常にポップで聴き易い。
割とアップ・テンポの楽曲が多いが、OFFSPRINGの様な勢いは
感じられないものの、ベテランらしい円熟味と安定したまとまりの
良さを感じさせるアルバムに仕上がっている。バックには
パンクらしさを残してはいるが、そう言う事はあまり
気にならないし、普通のロック作品と言っても良いくらいだ。
明るめの楽曲が中心だが、Whisper In Timeの様な愁いをまとった
メロディも味があって中々聴き応えがある。もう少しのりを強く
押し出しても良かった様な気もするが、出来は悪くない。[80]
13 YEARS OF BAD HABITS / BAD HABIT
スウェーデンのハード・ポップ・バンドの1989年にリリースされた
1stアルバム、AFTER HOURにデビュー・ミニ・アルバム、
YOUNG & INNOCENTとシングルのB面収められていたものや未発表の
デモ音源をボーナス・トラックとして収録したものだ。
YOUNG & INNOCENTの楽曲には、デビュー作品としての初々しさと
未熟さが感じられるが、AFTER HOURに繋がるポップ・センス溢れる
楽曲が並んでいる。爽快で叙情的なメロディの
アメリカナイズされた楽曲は、聴いていて中々気持ちが良い。
アルバム未収録のDancin'も中々良い楽曲だし、初期のレア音源が
集録されている点も踏まえて実に有り難い作品だ。[83]
THE WORLD IS A FREAK / BAR 7
アメリカのヘヴィ・メタル・バンド、TESLAの元ボーカリスト、
JEFF KEITHと元ギタリスト、TOMMY SKEOCHによるバンドの
デビュー盤。TOMMY SKEOCHが曲を書き、JEFF KEITHが歌うだけに、
その内容は正しくTESLAのそれに近いと言えるだろう。但し、ここ
最近のヘヴィ・ロックの影響があるのか、ややダークな
仕上がりになっており、TESLAと言ってしまうには抵抗を感じる。
基本的な路線はあくまでもTESLAと同じく、ブルージィな
ヘヴィ・メタルであるので、彼等のファンであればそれ程大きく
外す事はないだろう。Freakedのアレンジは少しらしくないが、
それ以降はJEFF KEITHの特徴的なボーカルが生きた、格好の良い
作品に仕上がっている。[83]
G.H.T.B. / BAPOW HATZ!
ドイツのヘヴィ・メタル・バンドのデビュー盤。かなり
ファンク・メタル色の強い方向性のヘヴィ・メタルで、各所に
見られる跳ねたリズムが非常に面白い。非常にヘヴィでメリハリの
効いたサウンドが緊張感を感じさせるが、ファンクらしい
ユニークさがそれだけで終わらせていないのは好感を持てる。
ファンクらしいのりの良さ、グルーヴ感も良く出ていて、中々
悪くない作品だ。バラードのMysteryは少し弱い様な気もするが、
これはこれで味わいがある。演奏的にもかなりレベルが高く、
ベーシストのDIETER GREFFRATHのタイトなプレイ良い感じを
出している。[81]
MAKING ENEMIES IS GOOD / BACKYARD BABIES
スウェーデンのハード・ロックンロール・バンドの3年振りとなる
3rdアルバム。THE HELLACOPTERS等と供に、北欧にパンキッシュな
ハード・ロックロール・シーンを形成するに至った立役者と言って
良いだろう。のりの良い、ワイルドなハード・ロックンロールは
これまでと変わらないが、よりキャッチーで軽快な
作品作りがなされている。メジャー・デビュー作品だけに、
アメリカ市場を意識したアルバムと言って良いだろう。とは言え、
憂いも含みながら、HANOI ROCKSの流れを汲む、北欧らしい
ハード・ロックンロールのアティチュードは決して
失われてはいない。[85]
PERFECT BALANCE / BALANCE OF POWER
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの4thアルバム。中心
人物であったキーボードのIVAN GUNNが脱退し、曲作りの中心が
VAN DAMNEの元ギタリスト、PETE SOUTHERNに移り、今作より更に
デビュー盤でボーカルを取っていた、TONY RITCHIEが
ベーシストとして復帰し、彼もクリエイティヴ面で参加する
様になっている。音楽的方向性としては若干修正がかかっており、
叙情的なメロディの正統派ヘヴィ・メタルだったこれまでと
比べると、プログレッシヴ・メタル的な色合いが強くなって
来ている。その分、よりドラマティックな作品に
仕上がっているが、その一方で中心だったメロディが
散漫になっている様にも思える。とは言え、相変わらず完成度の
高い音楽を聴かせてくれており、イギリスの叙情派
ヘヴィ・メタルとしてはトップ・クラスの内容だ。[85]
THE PROCESS OF BELIEF / BAD RELIGION
アメリカのハード・コア・パンク・バンドの12thアルバム。非常に
キャッチーでポップなメロディのハード・コア・パンクで、
方向的にはメロ・コアと言える様な音楽性と言って良いだろう。
疾走型の突っ走るハード・コア・パンクなのだが、非常に甘い
キャッチーなメロディが全体に溢れており、非常に聴き易い
作品ではある。ハード・コア・パンクらしく、全体的に楽曲は
短く、1分台の楽曲も何曲かある。コンパクトに
まとめられているだけに、一気に聴かせてくれるが、楽曲の
パターンが似通っていて、それでもやや聴き飽きてくる
部分はある。[81]
LABIRYNT ZDARZEN / BATALION D'AMOUR
ポーランドのゴシック・メタル・バンドの1998年にリリースされた
デビュー盤。女性ボーカリスト、ANNA ZACHARとギタリストを
兼任するPIOTR GRZESIKとのツイン・ボーカル構成となっている。
この作品ではPIOTR GRZESIKがメイン・ボーカリストを
務めているが、このボーカルの音程の安定のなさは
如何なものだろうか。楽曲自体はアップ・テンポで流麗なもので
悪くはないのだが、このボーカルが総ての雰囲気を壊していると
言って良いだろう。次作以降、ANNA ZACHARがメインでボーカルを
取る様になった様だが、それは当然の帰結の様な気がする。[68]
コウモリの唄 / BAT CAVE
日本のヘヴィ・ロック・バンドのアルバム。方向的にはどちらかと
言えば、ハード・コア色のあるパンキッシュな音楽性で、そこに
ヘヴィ・ロック的なダークなメロディとヘヴィなサウンドを持ち
込んだものと言って良いだろう。そのため強い扇情感が出ており、
切れ味の鋭いサウンドはドラマティックな感じすらさせ、非常に
聴き応えのある作品に仕上がっている。歌詞は基本的に
日本語なのだが、この重厚で畳み掛ける様なサウンドにのると
それ程違和感は感じられないのが評価出来る。プロデューサーを
SOULFLYのMIKEY DOLINGが担当している事も興味深い。[83]
IN CONCERT-MERCHANTS OF COOL / BAD COMPANY
イギリスのロック・バンドの9年振りのライヴ盤。今年行われた
アメリカでのツアーの模様を収めたものだ。このアルバムの
聴きどころは、何と言ってもPAUL RODGERSを加えた編成での初の
ライヴ盤と言う事だろう。出来ればオリジナル・メンバーで
復活したときのライヴを出して欲しかった気がする。とは言え、
ブルージィでハードなナンバーを歌う、PAUL RODGERSの
ソウルフルなボーカルは素晴らしく、彼のボーカルを聴くだけでも
価値があると言うものだ。何故かスタジオ録音の新曲が2曲
含まれているが、Saving GraceはJOURNEYのNEAL SCHORNとの
共作になっている。[85]