ブルガリア人ギタリスト、NIKOLO KOTZEVと元SIX FEET UNDERの スウェーデン人ボーカリスト、BJORN LODINの2人組による、 ヘヴィ・メタル・ユニットの1992年にリリースされた 3rdアルバム。方向的にはWHITESNAKE的な リズム・アンド・ブルースと、北欧的な叙情感を合わせた様な 味わい深い作品だ。BJORN LODINのエモーショナルなボーカルが 雰囲気を倍加させているし、NIKOLO KOTZEVも中々 テクニシャンである所を見せてくれている。楽曲の出来も 良いし、熱さを感じさせ、聴きごたえのあるアルバムに 仕上がっている。[86]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1992年にリリースされた デビュー盤。とは言っても、その実態はラップ界の スーパー・スター、ICT-T率いるプロジェクト・バンドだ。 ICE-Tがやっているだけあって、基本的にその芯にあるのは ラップである。バックのサウンドはヘヴィ・メタルであるので、 ANTHRAXがやっていたI'm The Manと、アプローチは逆だが同じ様な 発想と思っても良いだろう。ANTHRAXとサウンド的にはまた 違うが、これはこれで独特の味がある。楽曲の出来も中々だし、 本業が本業だけに、ラップとの融合がかなり自然だ。 ラップ・ミュージシャンと侮る人も居るかもしれないが、 思いのほか、良いアルバムに仕上がっている。[84]
ドイツのハード・ロック・バンドの1983年にリリースされた ライブ盤。1989年から1990年にかけての本国ドイツでのライヴの 模様を収めたもので、EZ LIVIN'を結成するHANS ZILLERは 在籍しておらず、元PRETTY MAIDSのANGEL SCHLEIFERが 加入している。ベストと銘打ってあるだけあって、選曲は十分 納得の出来るものになっていて初心者にも奨められる作品だ。 キャッチーなさびの叙情的なメロディは、非常に聴き易いし良く 出来た楽曲がずらりと並んでいる。CLAUS LESSMANNのワイルドな ボーカルも意外に良く合っているし、叙情派のキャッチーな メロディが好きならば、聴いて損はないだろう。[83]
イギリスのハード・ロック・バンドの1989年にリリースされた デビュー盤。バンド名が示す通り、バンドの中心人物は、かの 伝説的なハード・ロック・バンド、LED ZEPPELINの名 ドラマーであった、故JOHN BONHAMの遺児、JASON BONHAMだ。 これまでもAIRRACEやVIRGINIA WOLFと言ったプロ経験があるが、 LED ZEPPELINとは離れた方向性だった。ATLANTIC RECORDの創立 25周年イベントで、一日だけ復活したLED ZEPPELINに、父の 代わりに参加したが、それが彼に何らかのインスピレーションを 与えたのか、この作品では非常にLED ZEPPELIN的な世界を作り 上げている。ボーカルのDANIEL MACMASTERのROBERT PLANT的な 声質もあって、その感は尚更だ。楽曲や作りはよりヘヴィ・メタル 的な色合いを感じるが、楽曲の出来もまずまずで悪くない アルバムだ。[82]
イギリスのハード・ロック・バンドの1992年にリリースされた、 3年振りの2ndアルバム。JASON BONHAMの名前を全面に押し出し、 LED ZEPPELIN的なサウンドと言うイメージ戦略が成功したが、 今作ではLED ZEPPLIN的な方向性を転換し、独自の方向性を打ち 出したと言って良いだろう。しかし、その割には オリジナリティとして訴える部分はそれ程強くなく、洗練された ハード・ロックと言う香りの方が強い。The Storm等にはまだ LED ZEPPELINの名残が感じられるが、総じてLED ZEPPELIN色は 薄くなったと言って良いだろう。バラードのChange Of A Seasonは 印象的なメロディで中々良い曲だが、それ以外の楽曲が今一つ弱い 感じがするのは残念だ。[80]
アメリカのハード・ロック・バンドの1988年にリリースされた 4thアルバム。スーパー・スターとなった彼等の大ヒット作の 一つだけに、今更どうこう説明する必要もないだろう。 Bad Medicine、Born To Be My Babyと言った全米 ナンバー1ヒットを筆頭に馴染み深い楽曲がずらりと並んでいる。 出世作となった前作までは、どちらかと言うと愁いを含んだ 叙情的な楽曲が目立っていたが、この作品ではどちらかと言うと、 より明るいアメリカン・ハード・ロック的な楽曲が主流を占める 様になっており、それは次作でよりはっきりとした形で 結実していく事になる。もちろんBorn To Be My Babyの様な 楽曲もある訳だが、ある意味転換点となったアルバムだろう。[84]
アメリカのハード・ロック・バンドの1992年にリリースされた 5thアルバム。前作辺りから、叙情的な アメリカン・ハード・ロックから普遍的なアメリカン・ロックへと 方向性の変更が伺えたが、それはこのアルバムではっきりと打ち 出されている。初期にあったRunawayタイプの楽曲は全く 無くなり、土臭さを感じさせるロックばかりになっている。 そういう意味では、初期の多くのファンにとっては戸惑う 作品になっているだろう。楽曲自体は悪くないし、これはこれで 良いアルバムだとは思うが、叙情的な初期の楽曲に魅せられた 方としては少々寂しい気がする。[82]
アメリカのハード・ロック・バンドの5thアルバム、 KEEP THE FATITHから、1994年にシングル・カットされた 5thシングル。シングル・カットされたタイトル・トラックの エディット・バージョンにライブが5曲と言う構成になっている。 どういう経緯でそうなったのかは判らないが、RICHIE SAMBORAの ソロ・アルバムに納められStranger In This Townもライヴで 演奏されており、それがここに収められている。その他に Blood Money、Dry County、It's Only Rock 'n' Roll、 Waltzing Matildaのライヴ・バージョンが収められている。ライヴ 的にはこれと言う楽曲が収められている訳ではないが、演奏は しっかりしているし、安心して聴いていていられる。[80]
アメリカのプログレッシヴ・ハード・ロック・バンドの1994年に リリースされた4thアルバム。前作が8年の歳月を経て制作された 様に、今作も8年と言う気の遠くなる様な年月を経て制作された。 出来的には決して悪くないと思うが、これまでの作品と比べると、 小粒になったと言うか、これと言う楽曲がない様に感じられる。 方向的にはこれまでと同じ、彼等らしいエッセンスに溢れた アルバムに仕上がっているが、時代の推移の所為か、彼等の作品も 何となく郷愁を誘う古臭さを感じる様になった。こういった 不満もない訳ではないが、安心して聴ける作品ではある。[83]
ドイツのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた アルバム。方向的には、明るいアメリカン・ヘヴィ・メタルと 言った感じのサウンドで、ヨーロッパのバンドと言った感じの 叙情性は薄い。Any Timeは、アコースティックの爽やかな ナンバーで、さびをコーラスで取ったりと、実にアメリカ風と 感じさせる楽曲だ。Coldhearted Man以降、扇情的な部分が出て 来る様になり、ややヨーロッパのバンド的な感じの楽曲が 増えてくるが、全体的にはアメリカ調だと言って良いだろう。 飛び抜けてこれと言う所はないが、楽曲の出来も悪くないし、 全体的な作りもまずまず満足できる作品だ。[80]
DANGER DANGERの元ボーカリスト、TED POLEY率いるアメリカの ヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされたアルバム。 ポップさは持っているものの、DANGER DANGERの愁いを帯びた 叙情的なメロディを持ったキャッチーさとはまた違った方向性で、 明るく優しいサウンドに仕上がっている。デモ用に作ったテープを CD化したということでさほど音は良くないが、酷いという 程でもないので、そういう音源だと思えば聴けるレベルだ。 全体的にもたっとしており、明るい楽曲のわりには爽やかさに 欠けるが、Think Of U等はその特色を生かした印象的なさびで中々 良い曲だ。[78]
ドイツのハード・ロック・バンドの1991年にリリースされた 4thアルバム。元々優れたポップ・センスを持っているバンドで、 このアルバムでもキャッチーなナンバーの数々は、さすがと 思わせるものがある。それ故にラストの9分に及ぶ大作は、 バンドの毛色とあまりにも違い、場違いな感じがして余計だ。 それを除けば全体的な出来はまずまず良いが、これまでの アルバムに比べると楽曲的にやや弱いと言う 感じがしないでもない。Take My Heart And Run等は中々良い 楽曲であるのだが、アルバムの核となる楽曲がないため、今一つ 煮え切れないところが残念だ。[83]
オランダのヘヴィ・メタル・バンドの1983年にリリースされた 3rdアルバム。ボーナス・トラックとして、2ndアルバムが カップリングされている。元VENGEANCEの ARJEN ANTHONY LUCASSENが、VENGEANCE結成以前に在籍しており、 曲作りにはARJEN ANTHONY LUCASSENが全面的に参加しているが、 VENGEANCEを思わせる様な部分はなく、どこかで聴いたことのある 様なありきたりの楽曲が多い。泣きのメロディと言った 部分もあるが、どちらかというとワイルドで明るい N.W.O.B.H.M.風のロックンロール系と言った感じだ。 ライナー・ノート自体もARJEN ANTHONY LUCASSENが書いており、 VENGEANCEのマニア向けと言ったところだろう。[79]
アメリカのハード・ロック・バンドの6thアルバム。初期の2枚は キャッチーなメロディの憂いを帯びた格好の良い ハード・ロック・アルバムだったが、3rd以降からそれまでとは 違い、よりポップな方向へと行ってしまったのが非常に 残念だった。今作もアメリカ的な色合いを強く感じる ハード・ロック・アルバムで、趣味的には外れるのだが、出来 自体はさすがと思わせるだけの凄く良い作品に仕上がっていると 思う。曲が非常に良いし、JON BON JOVIのボーカルも実に良く 映えるし、こういうアルバムを出されると文句も出しようがない。 CDを紙袋に入れておくだけというのは落としてしまうので止めて 欲しいが。[89]
元DANGER DANGERのボーカリストTED POLEY率いるバンドの ライヴ・アルバム。新ボーカルとしてPAUL LAINEを加えた DANGER DANGERはダークな方向へと向かってしまったので、 どちらかというとポップなこちらの方が、過去のDANGER DANGERに 近いとも言えるが、躍動感のある明るい部分だけであるので、 何となく物足りなさも感じる。ラフで生き生きした感があり、 ライヴ・アルバムとしては悪くないと思うが、まだこれまでに デモ音源をCD化したものを発表しただけなので、 ライヴ・アルバムよりスタジオ・アルバムを早くという 気もしないではないが。[76]
イギリスのデス・メタルの1991年にリリースされた3rdアルバム。 JO BENCHという女性ベーシストを擁する珍しいバンドだが、 サウンドの方はいかにもデス・メタルと言った感じだ。方向的には グラインド・コア系統と言う感じではあるが、ブルータルさは 感じるものの、ブラスト・ビートはそれほどメインに打ち 出してはいない。メロディも割合はっきりしており、この 手のものとしてはスラッシュ・メタル色が強く、聴き易い 方だろう。KARL WILLETTSのデス・ボイスは咆哮型だが、奥に 引っ込んでいてあまり前面に出ているような感じではないのでそれ 程気にならない。[78]
イギリスのデス・メタル・バンドの1993年にリリースされた 4thアルバム。KARL WILLETTSのデス・ボイスは、ダミ声と言う レベルでそれ程癇に障らないし、ブルータル系としては最も スラッシュ・メタルに近いので、かなり聴き易い作品だと 言えるだろう。スラッシュ・メタル、パワー・メタル的なヘヴィな リフとメロディは前作より顕著になり、ブラスト・ビートも 特になく、この手のものとしては一般のファンでも割と聴ける 内容ではないだろうか。重厚なサウンドは迫力があり、録音、 演奏、楽曲を含めて全体的に出来は悪くない。逆にこれと 言ったものがないので、全体的に安心して聴ける作品だが、 今一つ物足りなく、煮えきらなさを感じる。[78]
イギリスのデス・メタル・バンドの1994年にリリースされた 5thアルバム。楽曲はスラッシュ・メタル的で、非常に重厚な 音作りとなっている。KARL WILLETTSのデス・ボイスもそれに 合わせてか、ドスの効いた咆哮タイプのものだ。楽曲は程よく メロディも存在するし、偏りのない方向性には好感が持てるが、 楽曲の展開がどれも似たりよったりでワン・パターンな 感はいがめない。重厚な部分を押し出しすぎてめりはりに 欠けるのも難点だが、そこら辺のデス・メタル・バンドよりは 数段上と言える位のレベルには達している。[78]
元DANGER DANGERのアメリカ人ボーカリストTED POLEY率いる ハード・ロック・バンドのニュー・アルバム。これまで発表した 作品は、デモをCD化したものと、ライヴ・アルバムなので、実質 初のフルレンス・スタジオ・アルバムである。時には明るく、 時には叙情的に、時にはヘヴィに派手さはないもののそれなりに バラエティに富んでいる。明るいといってもどことなく どんよりとしたけだるい雰囲気があり、かといって哀愁とかいう 感じでもなく少し不思議な雰囲気をこのバンドは持っている。 このどことなく吹っ切れない感じを中途半端と感じるか、個性と 感じるかで評価は分かれるだろう。[78]
アメリカのロック・プロジェクト・バンドのアルバム。 JEFF BECK GROUP等を渡り歩いたTERRY BOZZIO、KING CRIMSONの TONY LEVIN、BILLY IDOL BANDを始め色々なバンドを渡り歩いた STEVE STEVENSの3人によるプロジェクトだ。全曲 インストルーメンタルで構成されており、フュージョン的な 色合いのものからプログレッシヴ・ロック的なセンスの 伺えるものまでになっている。実力者同士の作品とあって、演奏の 出来は問題無いし、楽曲の出来もなかなかのものだ。全体的に 緊張感のある質の高い作品に仕上がっているし、ひねりがあって 飽きさせない。[86]
1960年代に活躍しERIC CLAPTON、JEFF BECK、JIMMY PAGEという 3人のギタリストを排出した事で知られるイギリスの ロック・バンド、YARDBIRDSのオリジナル・メンバー3人によって、 ほぼ再結成という形で結成されたバンドの1984年にリリースされた 1stアルバム。後にプログレッシヴ・ロック・バンドの RENAISSANCEを結成するKEITH RELFは故人のため代役を 立てているが、このアルバムには3代目のギタリストである JEFF BECKもゲスト参加している。ブルージィな香り漂う ロック・アルバムだが、渋いものの中々エモーショナルで結構 聴きごたえがある。Two Steps Ahead等楽曲も良い出来だ。 15年近く立ってしまっていても落ち着いてしまった印象を それ程受けない。[86]
いつリリースされたのか、どこのバンドなのか、何枚アルバムを 出しているのか全く判らないが、ヘヴィ・メタル・バンドの アルバム。アメリカ風の叙情的なメロディの作品だが、とにかく ボーカルが全てを壊している。目茶苦茶へたくそという 訳ではないが、いつ音程が外れるか判らないそのボーカルばかりが 気になって、他に注意がいかない。コーラスも多用している割には たまに調子が外れるのも難点だ。それを除けば、楽曲も演奏も そこそこなだけに残念だ。楽曲はキーボードを導入した適度に ヘヴィなメロディアス・ヘヴィ・メタルで、それなりに 良い出来だ。ボーカルを変えればかなり良い 作品になったのではないかと思うが。[58]
アメリカのプログレッシヴ・ロック・バンドの恐らくデビュー盤。 メロディ主体で、あまり変則的な部分もなく、ボーカル中心の割と すんなり聴ける作品で、シンフォニック・ロックとも少し趣が 違う。ケースにKING'S X、DREAM THEATER、MARILLION、 PINK FLOYDが好きならとか書いてあるが、KING'S Xはまだしも 少しまと外れな気がする。ギター・ソロ等ではハードな部分も 見せているので、それなりに聴きごたえはあるが、どことなく ほのぼのとした叙情的なメロディの方が印象深い。楽曲は 悪くないのだが、全体的に盛り上がりに欠けていて、もう一ひねり 欲しいところだ。[79]
ドイツのハード・ロック・バンドの6thアルバム。前作では何故か 脱退したはずのCLAUS LESSMANNとHANS ZILLERのプロジェクト LESSMANN/ZILLERの2ndアルバムと言った様相だったが、今作では バンドの形態に戻っている。楽曲的には叙情的でメロディアスな ハード・ロックで、Wake Up等の哀愁漂った楽曲は彼等らしいと 言って良いだろう。ミドル・テンポが中心だが、アメリカ的な 素朴さを持ったバラード、Before We Say Goodbye等彩りは結構 豊かだ。キャッチーなメロディはさすがと思わせるだけの 出来だし、CLAUS LESSMANNのボーカルも良くあっている。飛び 抜けたところはないが、安心して聴いていられるだけの作品に 仕上がっている。[83]
今はなき、イギリスのプログレッシヴ・ハード・ロック・バンド、 MAGNUMのボーカリストのソロ・アルバム。バックはTENの メンバーが担当しており、楽曲自体もGARY HUGHESが全て 書いているので、TENのアルバムでBOB CATLEYが歌っていると言う 趣だ。オープニングのDreamsでは、イントロがいきなりBON JOVI 風で笑えるが、以降は全くTENらしいワン・パターンとも思える 叙情的メロディアス・ヘヴィ・メタル・ナンバーが並んでいる。 BOB CATLEYのクリアで少しねちっこい歌声が、これにTENとはまた 違った趣を与えており、より叙情的で情感豊かな作品に 仕上がっている。[85]
今や誰もが知っているビッグ・バンドとなった、アメリカの ハード・ロック・バンドの1984年にリリースされたデビュー盤を リマスターしたもの。初期のものを中心にライヴ音源を集めて、 2枚組みと言う構成になっている。今ではライヴで 演奏されなくなった楽曲ばかりで、昔を知らぬファンには結構 貴重かもしれない。日本での初めてのライヴとなった、 スーパー・ロック'84や、その翌年の日本公演、BBCの Friday Rock Showと言った所の音源が収録されている。 日本においてデビュー盤で一気にその名を知らしめる事になった、 Runawayもフランスと日本でのライヴが入っている。Runawayや Burning For Loveと言った、アップ・テンポで哀愁味のある 扇情的な、今ではやらなくなったタイプの楽曲は今聴いても心に 染みるものがある。[85]
アメリカのハード・ロック・バンドの1985年にリリースされた2nd アルバムをリマスターしたものに、初期のものを中心としたライヴ 音源を集めて、2枚組みにしたもの。本編の方に関しては 置いておいて、2枚目のライヴ音源に関してだが、TOKYO ROADを 除けば、特にOnly Lonly等、最近ではライヴで演奏されなくなった 楽曲ばかりで、結構貴重な音源だ。ほとんどが1985年の日本 公演のものばかりで、こういう風に初期の日本公演の音源が 残っているあたりに、彼等が日本で人気が先行した様子が良く 分かる。録音状態は割と良いし、演奏を含めて出来は良い。[85]
アメリカのハード・ロック・バンドの1986年にリリースされた3rd アルバムをリマスターしたものに、ライヴ音源やアルバム未収録 バージョンを集めて、2枚組みにしたもの。本編の方に関しては 置いておいて、2枚目のアーカイヴCDに関してだが、 ライヴについては、2ndのアーカイヴCDと比べて、さすがに最近の ライヴでも演奏されている楽曲が中心だ。アメリカでのライヴの 模様を収めたもので、You Give Love A Bad Nameを始め、大 ヒットした楽曲が並んでいる。Wanted Dead Or Alive等は キーボードが強調されていて、スタジオ盤とはまた違った 趣がある。Borderlineのスタジオ・アウトテイクはより洗練されて 落ち着いた感じがするが、これはこれで面白い。[84]
アメリカのハード・ロック・バンドの1988年にリリースされた4th アルバムをリマスターしたものに、ライヴ音源やアルバム未収録 バージョンを集めて、2枚組みにしたもの。本編の方に関しては 置いておいて、2枚目のアーカイヴCDに関してだが、ライヴ音源は 1988年から1989年のものと、ほぼこのアルバムがリリースされた 前後の音源によって構成されている。特に価値が高いのはアルバム 未収録曲のLove Is The Warで、初期BON JOVI的なキャッチーで 憂いを含んだ楽曲で、もっとアップ・テンポにすると Born To Be My Babyの様で中々興味深いが、ややパンチに欠ける。 他のライヴはBad Medicine、Born To Be My Baby、 I'll Be There For You等ヒット曲も収められており、出来も 悪くない。[82]
アメリカのハード・ロック・バンドの1992年にリリースされた5th アルバムをリマスターしたものに、ライヴ音源やアルバム未収録 バージョンを集めて、2枚組みにしたもの。本編の方に関しては 置いておいて、2枚目のアーカイヴCDに関してだが、ライヴ音源は このアルバムがリリースされた前後の音源が中心となって 構成されており、初期の憂いを帯びたキャッチーな楽曲はなく、 どちらかと言うとよりアメリカン・ロック的なものになった 頃のものが中心だ。ライブ以外ではBed Of Rosesの アコースティック・バージョンとそのスパニッシュ・バージョン。 日本盤のボーナス・トラックであったSave A Prayerと Starting All Over Againと言う構成になっている。[81]
アメリカのハード・ロック・バンドの1995年にリリースされた6th アルバムをリマスターしたものに、ライヴ音源やアルバム 未収録曲、日本盤のボーナス・トラックを集めて、2枚 組みにしたもの。本編の方に関しては置いておいて、2枚目の アーカイヴCDに関してだが、ライヴ音源はこのアルバムが リリースされた前後と言う最近の音源が中心となって 構成されており、どちらかと言えば初期のハード・ポップ 的なものよリは、アメリカン・ロック風の楽曲からの選曲が多い。 アルバム未収録曲の634-5789は未収録になっただけあって、さして 面白くも何ともない楽曲だ。ボーナス・トラックの All I Want Is Everything等の方が遥かに聴きごたえがある。[82]
アメリカのハード・ロック・バンドの1994年にリリースされた ベスト・アルバムをリマスターしたものに、ライヴ音源やアルバム 未収録バージョンを集めて、2枚組みにしたもの。本編のベストの 方はヨーロッパ・フォーマットになっており、元の日本盤に 入っていたTokyo Roadに代わり、In These Armsが 収められている。2枚目のアーカイヴCDに関してだが、 With A Little Help My Friends等、方向性をより アメリカン・ロック的に進めた頃のものばかりなので、どちらかと 言うと落ち着いた雰囲気を醸し出すような ゆったりとしたものになっている。[82]
イギリスのプログレッシヴ・ハード・ロック・バンド、MAGNUの 元ボーカリストで、現HARD RAINで活動するシンガーの ソロ・ライヴ盤。TENのGARY HUGHESとのコラボレイトによる1st アルバム、リリース後の初めてのライヴでの模様を収めたものだ。 アルバムでもギターを弾いていたGARY HUGHESは参加しておらず、 もう一枚のギタリストだったVINNY BURNSとMIKE DMITROVICが ギターを弾いている。2曲を除いてソロ・アルバムからの選曲で、 そのためかなりヘヴィ・メタル的な色合いを感じるライヴに 仕上がっている。彼のボーカルの素晴らしさは、ライヴでも変わる 事はないし、バックの演奏の方も中々の仕上がりだ。[88]
ドイツのハード・ロック・バンドのアルバム。CLAUS LESSMANNと HANS ZILLERのコンビが曲を作って歌うとやはり彼等らしさを 感じさせてくれる作品になる。適度にキャッチーなメロディに、 適度にハードなサウンドが実にらしいと言う感じを与えてくれる。 アメリカっぽい洗練された楽曲にはフックがあって、レベルの 高さを十分実感させてくれるし、叙情的なメロディを CLAUS LESSMANが歌い上げると、情感が否応にも増して来る。やや 爽やかすぎる感じがあり、もう少し愁いがあっても良い様な 気もするのだが、プロダクションも含めて、全体的に良く出来た アルバムだ。[84]
イギリスのプログレッシヴ・ハード・ロック・バンド、MAGNUMの 元ボーカリストの2ndソロ・アルバム。前作同様、GARY HUGHESが 全曲作詞作曲し、プロデュースを担当した他、VINNY BURNSを 始め、TENのメンバーがバックを固めているだけあって、前作の 延長線上と言える作品に仕上がっている。まさしくTENの世界を彼が 歌うと言った感じで、TENのファンこそ聴いてみる 価値があるだろう。彼が歌うことによって、くどくなり過ぎず、 新鮮味も感じられる。GARY HUGHESの書く叙情的な美しいメロディが 良く生きており、このコラボレーションは中々意義があると 思えるだけの作品だ。[86]
アメリカのハード・ロック・バンドの5年振りの7thアルバム。 SLIPPERY WHEN WETを念頭に置いて作成されたと言うことで、 確かにオープニング・ナンバーのIt's My Lifeではそれらしい 愁いを持ったキャッチーなナンバーなのだが、実際に それらしいのはその曲だけだ。その後はJust Older等、その後の 彼等らしいアメリカン・ロックと言った楽曲や、モダンなセンスが 感じられる楽曲等、3rdでのポップさはほとんど感じられない。 NEW JERSEY以降のファンならばともかく、初期や3rdのファンが これで納得出来るとは余り思えない。個々の楽曲の出来は流石と 思える様なそつのないアルバムだし、出来は悪くはない。[83]
アメリカのハード・ロック・バンドの7thアルバム、CRUSHからの 1stシングル。シングル・カットの タイトル・トラック・ナンバーにアルバム未収録曲が2曲と Someday I'll Be Saturday NightのライヴのエクストラCDと言う 構成になっている。未収録曲のHushはどうと言う事のない ロックンロールで、もう一方のYou Can't Lose At Loveは静かな バラード・ナンバーだ。残念ながら、両方ともさして面白い 楽曲とは言い難いく、コレクターズ・アイテムの領域を 出ていない。デモ・バージョンであるとは言え、アルバムから 漏れたのは納得の行くところだろう。[80]
元U.K.、MISSING PERSONSのドラマー、TERRY BOZZIO、 KING CRIMSONのベーシスト、TONY LEVIN、元BILLY IDOLの ギタリスト、STEVE STEVENSによる テクニカル・ロック・プロジェクト・バンドの3年振りの 2ndアルバム。前作同様、インストルゥーメンタル・アルバムで フラメンコやフュージョンと言ったものを取り込んだ、 プログレッシヴ・ロック的な色合いのあるテクニカル・ロックだ。 名だたるミュージシャン達だけに、演奏的にはもちろん 素晴らしいのだが、楽曲的にも落ち着いた曲調のものが多い割には 飽きが来なくて良い。[81]
アメリカのハード・ロック・バンドの7thアルバム、CRUSHからの 2ndシングル。シングル・カット曲のタイトル・トラックに、 アルバムにも集録されていたSave The World、 Living On A PrayerとKeep The Faithのライヴの全4曲と言う 構成になっている。シングル・カット曲はさして面白い ナンバーではないし、むしろSave The Worldの方が楽曲として 良いと思うのだが、何故こちらをシングルにしなかったのか謎だ。 ライヴの2曲は、1995年に行われたイギリスでの公演の模様を 収めたもので、演奏、プロダクションとも中々良く出来ている。 [78]
詳細は良く判らないが、恐らくブラジルの ヘヴィ・メタル・バンドの1998年にリリースされたアルバム。 方向的には正統派ヘヴィ・メタルと言えるもので、 アップ・テンポの勢いを感じさせるメロディアスな楽曲が 並んでいる。Date Otra OportunidadではANGRAっぽいフレーズも 飛び出して来るし、楽曲によってはジャーマン臭さが匂って 来るものもあるが、全体を通して聴いてみるとそれ程でもない。 全曲スペイン語の様で巻き舌の発音も見られる場面があるのだが、 割とすっきり歌っている事もある。GABRIELA SEPUHEDAの歌唱は、 特別上手いと言う訳ではないが、高音の伸びを生かした歌声を 聴かせてくれていて悪くない。ややプロダクションに難があって、 そのせいもあってかB級臭さが残念ながら感じられる。[83]
イギリスのプログレッシヴ・ハード・ロック・バンド、MAGNUMの 元ボーカリストの3rdアルバム。今作でもTENの中心人物である GARY HUGHESが作曲とプロデュースを行っている。それ故、楽曲の 端々にGARY HUGHESっぽさを感じさせるものがあるが、これまでの 作品では最も後期MAGNUM的な色合いを感じさせるポップさが 出ている。プログレッシヴ・ロックっぽいキーボードが 配されているので、尚更そういう感じがする。組曲が 2曲もあるが、楽曲の流れ的にそう言う事を感じさせないので あまり気にならないだろう。キャッチーさを全面に押し出した分、 ややソフト過ぎる様に感じる部分もあるが、ドラマティックで、 非常に高品質のアルバムに仕上がっている。[86]
アメリカのハード・ロック・バンドの2枚目となるベスト盤。以前 Cross Roadと言うベスト盤と比べると、あちらは幅広く 収録されていたのに対して、こちらはバラードを一切 含まないものとなっている。本編で未発表音源となっているのは、 One Wild Night 2001だけで、ホーン・セクションが 導入されており、より洗練されたものとなっているが、これまでの ファンからすると既発表曲ばかりだし、初心者向けとしてはやや 偏った内容で、中々難しいところだ。むしろ目玉と言えるのは、 初回盤に付いているミニ・アルバムで、ボーカリストの JON BON JOVIや、ギタリストのRICHIE SAMBORAのソロ・ツアーも 含めたライヴ音源を集め内容となっている。[83]
アメリカのハード・ロック・バンドの初のライヴ盤。その タイトルを見ても判る様に、1985年以降のライヴ音源を 集めたもので、時期、場所ともばらばらだ。特に繋げる様な 編集もされておらず、細切れのライヴ音源が並んでいるだけで、 ライヴとしての臨揚感はあまり伝わって来ない。何故この様な 形にしたのかは判らないが、Runawayと言った最近ではあまり やらない様な曲もあるのはありがたいかも知れない。2枚組の バージョンがあり、こちらは今年行われたオーストラリアでの 公演の模様を収めたミニ・アルバムが付けられている。[83]
ノルウェイのブラック・メタル・バンドの5thアルバム。 音楽的にはトラッドとブラック・メタルを融合させたもので、北欧 ブラック・メタルらしい荒涼としたメロディに、SKYCLADの様な バイオリンが絡んで来ると言った感じだ。ブラスト・ビートの パートでもバイオリンがどんどん絡んで来る辺りは圧巻で 面白い。元々ブラック・メタル・ボイスとクリア・ボイスを半々 位で併用するバンドだが、ボーカリストとして新たに加わった VINTERSORGがクリア・ボイスでその力量を発揮しており、こう 言った寂寥感を押し出して来る音楽においては中々有効だ。[80]
日本のヘヴィ・メタル・バンドのアルバム。ベーシストの 佐野賢二が残念ながら不参加だが、オリジナル・メンバーで 復活し、このメンバーでは18年振りとなるオリジナルの フル・アルバムだ。それだけに変にモダンな事をやったりせずに、 今や懐かしい感じのするオーソドックスなヘヴィ・メタルを 素直にやってくれている事は非常に嬉しいと言えるだろう。 憂いを感じさせるし部位The River等、派手さはないが楽曲は 悪くない。VOW WOWでの人見元基と言う、不世出の素晴らしい ボーカリストがいないのはやはり残念だが、懐かしさを 感じさせてくれるアルバムだ。[80]
惜しまれながらも解散した、イギリスのハード・ロック・バンド、 THUNDERのボーカリスト、DANIEL BOWESとギタリスト、 LUKE MORLEYによるアルバム。ラテンっぽさを感じさせる 部分があったり、ハードな部分は減退していたりするが、基本的に この2人がやっているのだから、そのベースとなる音楽は如何にも THUNDER的なブリティッシュ・ロックで、THUNDERのファンであれば 十分に満足の出来る内容だろう。落ち着いた、リラックスした 雰囲気が漂っており、DANIEL BOWESの張りのある情感たっぷりの ボーカルも相変わらず素晴らしく、彼の歌を聴くだけでも 価値はある。[84]
アメリカのハード・ロック・バンドの2年振りとなる8thアルバム、 BOUNCEからの先行シングル。シングル・カットの タイトル・トラックにデモが3曲の全4曲と言う構成になっている。 タイトル・トラックは、テンポの良い彼等らしいキャッチーな ナンバーで、若干初期っぽさを感じさせた前作の流れを継承した 楽曲と言って良いだろう。楽曲の出来も流石と言ったところで、 アルバムへの期待感を高めるだけの出来ではある。残りの楽曲も、 彼等らしさがあって、デモと言っても十分クオリティの高いものに 仕上がっており、アルバムに入っていてもおかしくない内容だ。 [83]
アメリカのポップ・ロック・バンドの2年振りとなる2ndアルバム。 方向的にはキャッチーなメロディのロックンロール色を強めた ポップ・ロックと言ったところだ。全体的にアルバムを通して テンポも変わらないし、楽曲の風味も同じなので、一本調子と言う 感はどうしてもいがめないが、軽快でポップな楽曲は聴き易く、 のりも良いので一気に最後まで聴かせてくれる内容となっている。 バンド名やジャケット、ルックスのセンスはどうかと思うが、 音楽的なセンスは悪くないし、若干ハードさも入っているので、 パワー・ポップ辺りが好きならばお奨め出きるだろう。[80]
アメリカのハード・ロック・バンドの2年振りの8thアルバム。 前作では、成功した頃の憂いを帯びた叙情的なハード・ポップ色を 持ち込んでいたが、基本的な路線はその前作の延長線上と 言えるものだ。前作と比べるとよりモダンで今風のサウンドに 仕上げられているが、如何にも彼らしいポップで憂いを帯びた アルバムになっており、シングル・カットされたEveryday等には その傾向が顕著に感じられる。出来自体は流石と 言えるだけのものはあるが、モダンに仕上げる事によって、やや もったりした感覚を受け、今一つ爽快感に欠ける様な気がするのは 残念だ。[85]
アメリカのプログレッシヴ・ハード・ロック・バンドの8年振りの 5thアルバム。律儀な位に8年に1度しかアルバムを出さないが、 そのクオリティの高さは流石と言えるものだ。 I Had A Good TimeはTOM SCHOLZらしいポップ・センスが 満載された、ほんわかとした雰囲気を醸し出したこれぞBOSTONと 言えるナンバーだ。しかし、今作では大きな メンバー・チェンジがあり、その1人はボーカリスト、 FRAN COSMOの息子、ANTHONY COSMOがギタリストとして加入した 事だ。楽曲面でもイニシャティヴを発揮し、TOM SCHOLZが 書いていない楽曲が4曲もある事が、このアルバムに変化を 与えているのだ。特にTurn It Off等は、かなり今風のロック 曲で、らしくないと言う印象を受ける。もう一人がボーカリスト兼 ギタリストのKIMBERLEY DAHMEが加わっており、女性ボーカルが 入る事によりまた違った印象を受ける結果になっている。[80]
アメリカのヘヴィ・ロック・バンドの2ndアルバム。如何にもと 言った感じの重低音のドゥーム・サウンドは、サイケデリックで トリップ感たっぷりだ。当然BLACK SABBATHの流れを汲む、 1970年代風のヘヴィ・ロックで、非常にグルーヴ感を 感じるものとなっている。10分近い大作もあるのだが、テンポは それ程スローに拘っておらず、ややミドル・テンポの速めの楽曲が 多いので、それ程聴いていてじれたりはしない。かなり歪ませた サウンドだが、この手の常套手段だし、これがまた良い味を 出していると言って良いだろう。ダウナー系の ストーナー・ロックが好きならば気に入るはずだ。[85]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの3rdアルバム、BOUNCEからの 3rdシングル。タイトル・トラックのシングル・カット曲にデモが 2曲の全3曲と言う構成になっている。The Distance自体は アルバムとほとんど変わりはないが、EverydayとJoeyの デモ・バージョンは、JOHN BON JOVIのボーカルを前面に押し 出した作りになっている。バックはかなり控えめで シンプルなものになっており、その出来はかなりレベルが高く、 素朴な味わいがしみじみと感じられ、こう言ったアレンジもあって 良いと思わせるもので、ファンならば一聴の価値はあるだろう。 [81]