アメリカのヘヴィ・メタル・バンド、NIGHT RANGERの ギタリストによる1991年にリリースされたソロ・アルバム。2曲を 除くと、他は全てインストルゥーメンタル・ナンバーで、彼らしい エッセンスとプレイに満ちた作品に仕上がっている。とは 言っても、ギター・インストルゥーメンタル的な作品なので、 NIGHT RANGERの様なキャッチーな楽曲を期待すると、少しあてが 外れるかもしれない。あくまでもギターを中心とした楽曲であり、 そのプレイを聞かせる事を第一に作られている。それ故、いわゆる ギター・インストルゥーメンタルが聴けないと、少し辛いだろう。 [80]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1991年にリリースされた アルバム。方向的には荒々しいハード・ロックンロールで、かなり アップ・テンポの楽曲が中心となっている。GERRY McGHEEの ハスキーな透ったボーカルが、AC/DCっぽさを感じさせる 事もなくはないが、もっとキャッチーでパーティ・ロック風だ。 GREG FRASERのハートフルな暖かいギター・ソロも彩りを 添えていて良い感じだ。CINDERELLA風のブルージィなバラード、 Still The One等、アメリカのバンドらしい土っぽさを感じさせる ハード・ロックンロールで、楽曲の出来もまずまず良い出来だし、 悪くない作品だ。[83]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1988年にリリースされた デビュー盤。方向的にはハード・ロックンロールで、CINDERELLAの デビュー盤に近い路線だと言って良いだろう。元CINDERELLAの MICHAEL KELLY SMITHがいるのだから当然といえば当然なのだが、 更に"DIZZY" DEAN DAVIDSONのボーカルがTOM KEIFERの声質に 似ている事が更に輪をかけているし、幾分 意識してやっているのだろうと思われる部分もある。楽曲の出来も CINDERELLAのデビュー盤と比べてそれ程遜色は無い出来に 仕上がっているが、これと言った楽曲が無いのが残念だ。[81]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1989年にリリースされた 2ndアルバム。CINDERELLAの1stアルバム的な匂いの強かった デビュー盤と比べると、ハーモニカを入れて来たりと、より アメリカン・ロックンロール的な色合いが強くなり、やや独自色を 出すに至ったと言う感じがする。NAZARETHのHair Of The Dogを カバーしているが、これがこのサウンドにうまくはまっている。 "DIZZY" DEAN DAVIDSONのボーカルは、相変わらず TOM KEIFERっぽいので、どうしてもCINDERELLAっぽく感じる 部分はあるが、楽曲的には明らかに差異が見える。[82]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1991年にリリースされた 3rdアルバム。前作より更に独自色を強めており、メロディが かなりキャッチーに感じられるものになっている。曲作りにも 大きく関与していた、ボーカルの"DIZZY" DEAN DAVIDSONが 脱退し、TOMMY PARISに代わった辺りが影響しているのだろう。 CINDERELLA色はより薄まり、より広義な アメリカン・ヘヴィ・メタルと言う感じが出るようになった。が、 逆にその分、散漫になった様に感じない訳でもない事が残念だ。 TOMMY PARISのボーカルは、良くも悪くも"DIZZY" DEAN DAVIDSONと 似たタイプで、ボーカル自体でファンが戸惑う事はないだろうが。 [79]
元IRON MAIDENのイギリス人ボーカリストによる、1994年に リリースされた脱退後初となる2ndソロ・アルバム。ソロ活動での 相棒と言うべき存在となるROY Zをギタリストに迎えて 製作されている。作品的にはかなりダークな方向の 作品となっており、その中にもROY Zのラテン的な ギター・メロディが妙な浮揚感を感じさせる。初の ソロ・アルバムとなったTATTOOED MILLIONAIREとも IRON MAIDENとも全く違ったサウンドには、ファンも戸惑うかも 知れないが、中々面白いアルバムに仕上がっている。ただ、 ダーク的な色合いを強くし過ぎて、のりが悪くなった様にも 感じるだろう。バラードのTears Of The Dragonは名曲と言える レベルのドラマティックな佳曲だ。[81]
元IRON MAIDENのボーカリスト、BRUCE DICKINSONの ライヴ盤。通常のコンサートの模様を収録したものと スタジオ・ライヴとのカップリングによる2枚組になっている。 演奏的には割と良く出来ていてあまり不満はないのだが、まだ ソロ・アーティストとして方向性を固めようとしている今、こう 言うアルバムを出されてもその真意を計りかねるし、あまり評価 出来ない。特にそのために一枚目と、二枚目で曲が殆ど 重なってしまっているとなると尚更だ。IRON MAIDENの曲をあえて 排除したその決断にはは評価出来るのだが。[78]
カナダのハード・ロック・バンドのアルバム。割と北米的な キャッチーさを兼ね備えたサウンドなのだが、方向的には結構幅 広くやっている感じだ。BON JOVIの明るい部分の様な ボーカル・ラインの楽曲から、哀愁のポップ・サウンドの楽曲、 The Faith Of Fearの緊迫感溢れるサウンドと力強いサビとリフの 楽曲までかなり多様な作品だ。Hold Onなど非常に美しい 楽曲であるし、全体的にこういったレベルの楽曲が書ける 様になれば、非常にポテンシャルの高いバンドとなれるだろう。 全体的に曲調は軽く明るく憂いのあるギターが入る曲が多い。[82]
アメリカのパワー溢れるメロディックなハード・ロック・バンドの デビュー・アルバム。こういうアルバムを聴いていると80年代 後半のメジャーになれなかったバンド群が想起される。LIONや HEAVEN'S EDGE、HURRICANEとかどれもパワーがあって メロディックなハード・ロックをやっていたが、大概メジャーと 言う線にまでは届いていなかった。このバンドも録音状況が いまいちというのもあいまってそういう雰囲気を強く 漂わせている。方向的にはLION的な作品で、より扇情的で曲も 決して悪くないので好感は持てる。[84]
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンド、BALTIMOOREのブルガリア 人ギタリスト、NIKOLO KOTZEVを中心としたプロジェクトの アルバム。当然参加者は皆、北欧に縁の深い人達ばかりで御大 GLENN HUGHESも参加している。ボーカリストはその他に元 MADISONのGORAN EDMAN、元CANDLEMASSのTHOMAS VIKSTROMと 言ったところが参加しているが、皆それぞれ非常に素晴らしい 歌唱を聴かせてくれている。曲は全てNIKOLO KOTZEVが 作曲していてなかなか優れ物の曲も含まれてはいるが、出来は 楽曲によって多少ばらつきがあるのが残念だ。とは言え演奏、 プロダクションとも非常に良く出来ていて十分良い出来の作品だ。 [84]
元IRON MAIDENのイギリス人ボーカリストの3rdソロ・アルバム。 前作では名曲、Tears Of The Dragonを始め、中々優れた正統的な ヘヴィ・メタルを聴かせてくれていたものの、商業的には 失敗だった事が災いしてか、大きく方向転換している。シアトル 的な要素もあり、楽曲にもあまりメリハリはないし、旧来の ファンがこれをを望むのかと言うと大いに疑問だ。印象は 散漫だし、これがやりたい事なら、これまでの多くのファンは 興味は持てないだろう。Inertia等で聴かれるようなメロディは 決して悪いとは思わないが。[62]
アメリカのロック・バンドの2ndアルバム。音楽的には、 ブルージィであり、グランジっぽくもあり、ハード・ロックっぽい 部分も感じられるサウンドだ。楽曲によっては最近の ALICE IN CHAINSやPEARL JAMと言ったオルタナティヴ・ロックを 思い起こさせる部分もある。グランジ的素養を持った、 ブルーズ・ロックという感じで、他のバンド群とはかなり差別化 出来ていて新鮮ではある。And Fools Shine On等は、 メロディアスなさびが印象的で中々の佳曲だ。ハード・ロックの リスナー向けとは言い難い作品だが、楽曲は以外に洗練されていて センスが良く、全体的に格好良いアルバムに仕上がっている。[84]
ドイツのハード・ロックンロール・バンドの1994年に リリースされた自費出版の恐らくデビュー盤。ボーカルの JERRY FATHは高音がBRIAN JOHNSON、中低音がANDY DERISの様な 声質で、節回しによってはAXEL ROSEの様な感があったりと、 非常に個性的な歌唱を聴かせてくれている。ヘヴィでラフで ワイルドなサウンドだが、軽快でテンポ良くグルーヴィだ。 全体的に曲調は明るく、キャッチーなメロディを主体としている アメリカナイズされたハード・ロック作品だ。 プロダクションもまずまずだし、元気溌刺とした楽曲、演奏と 総じて悪くない。[80]
元BLATIMOREのギタリストNIKOLO KOTZEVによる プロジェクト・バンドの2ndアルバム。ボーカルには前作同様 THOMAS VIKSTROM、GORAN EDMANが参加しており、GLENN HUGHESに 代わって新たにJOE LYNN TURNERが参加している。 ヨーロッパらしい叙情感を持つ格好の良いアップ・テンポの ナンバーを中心にバラードを含めて方向的には大きな 変化はないが、残念ながら楽曲自体は前作に一歩譲るが、それでも 十分良い出来だ。GLENN HUGHESの超絶的なボーカルがない分少し 寂しいが、GORAN EDMANなどは良く歌えている。[82]
元IRON MAIDENのボーカリストによる4thソロ・アルバム。 これまでが割とIRON MAIDENから脱却した作品になっていた事を 考えると、よりIRON MAIDEN風のサウンドに回帰した内容と言って 良いだろう。前々作の名バラードと言える Tears Of The Dragon風のMan Of Sorrowsから よりIRON MAIDEN風のものまで、実にドラマティックな ヘヴィ・メタル・アルバムになっている。やはり彼には こういうドラマティックでパワフルな楽曲が良く映える。 IRON MAIDEN風といっても、微妙に指向を変えてより哀愁を 打ち出しており、単なるIRON MAIDENコピーには陥っていない。 [85]
アメリカのブルータル・デス・メタル・バンドの1995年に リリースされた3rdアルバム。デス・ボイスは唸る様な野太く低い 咆哮で、雑音になりきっている。バックはデスらしい ブラスト・ビートを織り交ぜながらも、ミドル・テンポ調の スラッシィな部分を見せている。故にギター・メロディが この手のものとしてはよりはっきりと打ち出されている。 とは言え、やはりブラスト・ビート中心で、デス・ボイスも 割と聴きがたいので、あまり一般受けしそうにない。注目すべきは TWISTED SISTERのカバーCAPTAIN HOWDAYだが、バンドの色合いは 全く変わりない。[72]
元IRON MAIDENのボーカリストによる4thソロ・アルバム ACCIDENT BIRTHからのシングル的なミニ・アルバム。 名曲ともいえるMan Of Sorrowsを3バージョンとアルバムに 収められているDarkside Of AquariusとArc Of Spaceの デモ・バージョンの5曲が収録されている。Man Of Sorrowsは それぞれ元の雰囲気を大きく変えるものではないだけに、十分 堪能できる。とは言っても元と内容的にはほとんど 変更はないのだが。ややたどたどしいスペイン語バージョンも ちゃんと歌い上げているところはさすがだろうか。デモは まさしくデモで取るに足らない出来だ。[80]
元BALTIMOREのブルガリア人ギタリスト、NIKOLO KOTZEVによる プロジェクト・バンドの3rdアルバム。しかし、毎回参加ゲストの 豪華さもさる事ながら、その内容の濃さもかなりのものだ。参加 メンバーは前作と全く同じで、JOE LYNN TURNER、GORAN EDMAN、 THOMAS VIKSTROM等が参加している。楽曲はかなり 洗練されており、叙情的なメロディが印象的な非常に素晴らしい アルバムだ。フックがあって、めりはりが良く効いており、実に 聴きごたえがある作品だ。楽曲の出来もさる事ながら、演奏も 素晴らしいし、メロディアスなものが聴きたいなら決して 損はさせない出来だ。[87]
元BAD COMPANYのボーカリストによる脱退後初の ソロ・ロック・アルバム。BAD COMPANYにいるときから そうであったが、PAUL RODGERSの情感の深いボーカルと異なり、 非常にクールな感じを湛えたボーカルが、ここでも良く出ている。 楽曲によってはいかにもLOU GRAMUを思わせるボーカルで、 FORIGNERの様な雰囲気も無きにしもあらずだが、どちらかというと もっと、ハードさが無く、AOR的な味わいがある。クールな ボーカルでしみじみと歌う様は、PAUL RODGERSとはまた違った 魅力がある。楽曲は中庸だが、それなりに聴かせるだけの 出来ではあるし、満足できるだけのボーカル・アルバムではある。 [82]
アメリカのグラインド・コア・バンドの3rdアルバム。これまで 同様ブラスト・ビートを交えた狂暴なサウンドが中心ではあるが、 ミドル・テンポの楽曲を入れたりと、一本調子ではなく、 バラエティ豊かな印象を与える作品に仕上がっている。この ミドル・テンポの楽曲も意外と聴かせるナンバーなので、早い 楽曲だけでなくなった分、幅が広がった感じがして飽きさせない。 だからと言って、全体的に覆うブルータルな色合いもそれ程 減じておらず、これまでのファンもそれ程失望させないだろうし、 思ったより強烈で聴きごたえのあるアルバムだと言って 良いだろう。[83]
イギリスのヘヴィ・メタル・バンド、IRON MAIDENの元 ボーカリストによる5thソロ・アルバム、 THE CHEMICAL WEDDINGからの先行シングル。 シングル・カットされたタイトル・トラックの他にReal World、 Confeosの未発表曲2曲と言う構成になっている。Confeosではその ボーカル・スタイルは明らかにIAN GILLANを想像させるもので、 今までとは一風変った印象を与える。特にハモンド・オルガンを 大幅に交えたりしているので、どことなくDEEP PURPLEっぽい 感じがする。Real Worldはミドル・テンポの普通の ヘヴィ・メタルで、パワフルなボーカルは堪能出来るが、可もなく 不可もなくと言ったような中庸という感じの楽曲だ。[81]
N.W.O.B.H.M.バンド、IRON MAIDENの元ボーカリストによる5th ソロ・アルバム。前作ではまるでIRON MAIDENと思わせるような 楽曲の秀逸なアルバムだったが、今作ではやや趣を 変えてきている。IRON MAIDEN的な部分が全く無くなってしまった 訳ではないが、かなりヘヴィでダークな雰囲気が漂っており、 緊迫感の感じられる作品だ。IRON MAIDENの顔的存在だった彼が 歌うだけに当然なのかもしれないが、特に楽曲のさびでの 歌いまわし等ではIRON MAIDENを思い起こさずにはいられない。 こう言ったIRON MAIDEN的な部分は前述のヘヴィでダークな 雰囲気と割と良くマッチしていて出来的には良い作品だ。長らく 相方を務めるTRIBE OF GYPSIEのROY Zも健在で、この人の音楽性の 広さを感じさせられる。[85]
ドイツのパワー・メタル・バンドの2ndアルバム。いわゆる HELLOWEENタイプの大仰なジャーマン・パワー・メタル的な エッセンスはあるが、そう言った部分は非常に小さく、より 扇情的な作品だと言って良いだろう。激しいエナジーを感じさせる サウンドで、正にスピード・メタルと思える作品だ。その一方で、 たまに、いきなりジャーマン・パワー・メタル的なメロディが飛び 出してくる辺りに、全体的なバランスの悪さが感じられる。 アコースティック・ギターで始まるDon't Stop Believingは ドラマティックな楽曲で、バイオリンやキーボードを導入して 展開もあって良い。他の楽曲にも、もう少しこの位の展開があれば もうちょっと締まった作品になったのではないかと思える。 MARCUS JURGENSのボーカルもより自然で、他の楽曲で力みかえって 歌っているだけに、こういった路線をもっと突き詰める方が 良いのではないかと思えるのだが。[74]
イギリスのハード・ロック・バンド、QUEENのギタリストによる 来日記念のソロ・ミニ・アルバム。Why Don't We Try Againと Another Worldは最新アルバム、ANOTHER WORLDに 収められているが、それ以外はライヴ・バージョンやリミックス、 シングルのB面と言ったアルバム未収録の音源で構成されている。 全体的に、ハード・ロックと言うよりはポップス的な楽曲が 中心で、ハード・ロック然としているのは、故COZY POWELLも 参加している、BusinessのUSAラジオ・ミックス位だろう。 ハード・ロックのファン向けと言うよりは、BRIAN MAYファン 向けの作品だろう。[80]
アメリカのバッド・ボーイズ・ロックンロール・バンド、POISONの ボーカリストによる初のソロ・アルバム。詳細自体は良く 知らないが、俳優のCHARIE SEANと組んで設立した映画会社で、 自ら脚本・監督・主演を務めたと言う映画、 A LETTER FROM DEATH ROWで使った曲、数曲に新曲を付け足した アルバムで、POISONのメンバー達も参加している。方向的には それ程ハードなものはなく、ミドル・テンポから スロー・テンポにかけての楽曲が中心で、POISONでもやっている 様なバラードのThe Devil Inside等、素朴な感じのする ロック・アルバムに仕上がっている。アコースティックを多用し、 ハードさはそれ程感じられないが、彼の歌声の魅力は十分 出ている。[81]
イギリスのロック・バンドの名曲をオーケストラ・アレンジして カバーすると言う企画盤。カバーされているのはTHE BEATLES、 LED ZEPPELIN、PINK FLOYD、ROLING STONES、THE WHOで、 カバーしているのはPAUL RODGERS、ANN WILSON、ALICE COOPER、 TOMMY SHAWと言った人達だ。上手いボーカリストが多いし、元々 名曲と言えるだけの楽曲がずらりと並んでいるだけに、安心して 聴いていられる。オーケストラ・アレンジだけあって、どうしても 落ち着いた雰囲気を拭えず、緊迫感のある楽曲は、今一つ盛り 上がりに欠ける様に感じられるのは致し方ない所だろう。[80]
イギリス人ボーカリストのライヴ盤。IRON MAIDENに復帰する事が 発表された後に行われたブラジルでのライヴの模様を 収めたものだ。このライヴでも、長年ソロ活動での相棒だった、 THE TRIBE OF GYPSIESのROY Zがここでもギタリストを 務めている。このROY Zのギター・プレイを始め、全体的な演奏は 非常に素晴らしい。ラテン系らしいオーディエンスののりも 凄まじく、非常に盛り上がりを感じさせるライヴ盤に 仕上がっている。楽曲がややTHE CHEMICAL WEDDINGに 偏っているのは残念だが、中々素晴らしいライヴ盤に 仕上がっている。[84]
アメリカのハード・ロック・バンド、NIGHT RANGERの ギタリストによる7年振りの2ndソロ・アルバム。前作が ギター・インストルゥーメンタル的な色合いが強かったのに 対して、今作では歌もの的な色合いが強くなっている。 キャッチーなメロディのアメリカン・ハード・ロックで、ドライヴ 感が強くて中々のりの良いアルバムに仕上がっている。彼自身が リード・ボーカルを取っている曲も3曲あり、無難にこなしている 感じだ。歌ものが中心になったとは言え、彼のギター・プレイも 十分堪能させてくれるし、楽曲の出来も悪くないし、却って聴き 飽きなくて良い。[83]
アメリカ人シンガー・ソング・ライターの13年振りとなる、 ソロとしては初のアルバム。一聴して判る様に、その音楽的 方向性はDEF LEPPARDの色合いがかなり濃い。もしSTEVE CLARKが 今も生きていれば、こう言うアルバムを作ったのではないかと 思える様な、コーラスをたっぷりと使ったキャッチーで甘い メロディのハード・ロックを聴かせてくれている。彼の ボーカルは、決して上手いと言える程のものではないのだが、 如何にもJOE ELIOTTっぽい歌唱を聴かせてくれているの尚更だ。 BRIAN McDONALD GROUPではギタリストとして参加していた、 現DOKKENのギタリスト、REB BEACHもゲスト参加している。 楽曲の出来は悪くないし、DEF LEPPARDのファンならば聴いて 損はないだろう。[83]
ギリシャのパワー・メタル・バンドのデビュー盤。方向的には、 正統派ヘヴィ・メタルと言えるもので、昔のQUEENSRYCHEにより パワー・メタル色を強めた言える様な作品となっている。 GEORGE BAHARIDISのボーカルがかなりJEFF TATE的である事が、 その感をより一層強くしている。叙情的なメロディに ドラマティックな楽曲は、影響を受けたバンドの受け売りである 部分が多大であるのは確かだが、それでもこれだけの完成度を 出せれば十分納得出来るところだ。QUEENSRYCHEのフォローワーも 数多く出たが、その中ではオリジナリティは 今一つではあるものの、完成度と言う面ではかなりレベルが高い。 扇情的で聴き応えがあって、楽曲、演奏とも中々良いアルバムに 仕上がっている。[84]
アメリカのグラインド・ハード・コア・バンドの1996年に リリースされたアルバム。方向的にはこの手のものらしく、 ブラスト・ビートを駆使した、如何にもと言った感じの激烈な サウンドで、彼等の作品としてもよりスピードを重視した作品と 言って良いだろう。激烈で極端に速い楽曲には、ただただ 圧倒されるばかりだが、エクストリーム系が好きでないと、あまり 受け入れられないだろう作品でもある。狂気にも似た激烈な 凄まじいサウンドの嵐は、非常にブルータリティで破壊力を 持っているし、RICHARD HOAKのドラミングも凄いの一言に尽きる。 [81]
詳細は全く不明だが、恐らくイタリアの ゴシック・メタル・バンドのアルバム。キーボードを主体とした シンフォニックなゴシック・メタルだが、意外とギターも表に 出ていてそれなりにめりはりは感じられる。このギターが非常に メランコリックで、非常に哀感漂う耽美な作品に仕上がっている。 非常に死のイメージの強い作品で、TURN LOOSE THE SWANの頃の MY DYING BRIDE等にも通ずる部分を感じさせる。途中途中に オカルティックなホラー映画の効果音の様な楽曲を入れていて、 これが実に不気味で不快感を感じさせる。作品の完成度と言う 点ではまだまだと言う感じもするが、バイオリンやチェロを 入れるだけでなく、口笛も入れて来たりと色々アイデアもあって 悪くない。[76]
アメリカのゴシック・メタル・バンドのシングル。元々 ARISE FROM THORNSと言うバンド名でアルバムを1枚 リリースしていたが、これがバンド名を変更して初めてとなる 音源だ。前作同様、アコースティック色を強く押し出した 叙情的なメロディの、歎美なゴシック・メタルだが、前作よりは かなりキーボードが強く押し出されており、より淡白さが 強くなった様に感じられる。オーソドックスな叙情派の ゴシック・メタルではあるが、その中でも最も淡々とした サウンドで、北欧でない故かそれ程哀愁味は強くない。[85]
イギリスのヘヴィ・メタル・バンド、IRON MAIDENの ボーカリストによるソロ・ベスト盤。初回限定盤はレア音源集との 2枚組となっている。新曲は彼のソロ・アルバムでギタリストの ROY Zが書く、如何にもらしい楽曲で、特にSilver Wingsは IRON MAIDEN的と言って良いだろう。レア音源集は未発表曲を 始め、レアな音源が目白押しで、中々興味深い。IRON MAIDENでも お馴染みのBring Your Daughter... ...To The Slaughterの サウンド・トラックに収録されたものや、未発表曲のWicker Manと 中々興味深い内容だ。特にスパニッシュ・ギターによる アコースティック・バラードのAcoustic Songは非常に 素晴らしい。[81]
ドイツのパワー・メタル・バンドの4thアルバム。 ボーナス・トラックとしてHELLOWEENのSavageをカバーしており、 いわゆるジャーマン・パワー・メタルかと思わせるが、実際には この曲を除けばツー・バスや大仰なメロディと言う様な エッセンスはあまりないと言って良いだろう。どちらかと言うと、 よりメタリックでダークなパワー・メタルで、ICED EARTH等の方が 近い。厚いコーラスを入れたりして、かなり重厚な感じをさせる サウンドに仕上がっており、迫力が感じられてこれはこれで 良いのだが、楽曲自体は割と平凡で、今一つ魅力が感じられない。 [81]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドのライヴ盤。2000年に行われた アメリカでの公演の模様を収めたものだ。BITE DOWN HARDでの メンバーでの復活だけに、BITE DOWN HARDの楽曲が 中心となっている。方向的にはAC/DC的な縦のりの ハード・ロックンロールだが、そこにグラム・ロック的な エッセンスとアメリカ的なキャッチーさが盛り込まれている。 意外な程ライヴ感ではグルーヴ感が出ており、骨太の ロックンロールを聴かせてくれているのには好感が持てる。 思ったよりも聴き応えのあるライヴで、中々格好の良いライヴ盤に 仕上がっている。[83]
アメリカ人シンガー・ソング・ライターによる初の プロジェクト・アルバム。DEF LEPPARDの影響を強く受けたと 思わせる作品で、彼のボーカル・スタイルや楽曲自体はかなり DEF LEPPARDっぽい。その楽曲をTOTO等と言った1980年代の アメリカン・ロック的な味付をしたのがこのアルバムと言って 良いだろう。そのため、DEF LEPPARDよりはかなりソフトな サウンドだが、その分よりポップ性が際立っている。そのため、 やや甘ったるい印象を受けなくもないが、メロディ・センス等は 流石と思わせるところがあるし、時にはSUPER TRAMPっぽさも 感じさせるプログレッシヴ・ロック的な部分もあって、聴き 飽きさせない。[87]