GILROCK RANCH / BRAD GILLIS
アメリカのヘヴィ・メタル・バンド、NIGHT RANGERの
ギタリストによる1991年にリリースされたソロ・アルバム。2曲を
除くと、他は全てインストルゥーメンタル・ナンバーで、彼らしい
エッセンスとプレイに満ちた作品に仕上がっている。とは
言っても、ギター・インストルゥーメンタル的な作品なので、
NIGHT RANGERの様なキャッチーな楽曲を期待すると、少しあてが
外れるかもしれない。あくまでもギターを中心とした楽曲であり、
そのプレイを聞かせる事を第一に作られている。それ故、いわゆる
ギター・インストルゥーメンタルが聴けないと、少し辛いだろう。
[80]
LOVE MACHINE / BRIGHTON ROCK
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1991年にリリースされた
アルバム。方向的には荒々しいハード・ロックンロールで、かなり
アップ・テンポの楽曲が中心となっている。GERRY McGHEEの
ハスキーな透ったボーカルが、AC/DCっぽさを感じさせる
事もなくはないが、もっとキャッチーでパーティ・ロック風だ。
GREG FRASERのハートフルな暖かいギター・ソロも彩りを
添えていて良い感じだ。CINDERELLA風のブルージィなバラード、
Still The One等、アメリカのバンドらしい土っぽさを感じさせる
ハード・ロックンロールで、楽曲の出来もまずまず良い出来だし、
悪くない作品だ。[83]
BEWARE OF THE FOX! / BRITNY FOX
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1988年にリリースされた
デビュー盤。方向的にはハード・ロックンロールで、CINDERELLAの
デビュー盤に近い路線だと言って良いだろう。元CINDERELLAの
MICHAEL KELLY SMITHがいるのだから当然といえば当然なのだが、
更に"DIZZY" DEAN DAVIDSONのボーカルがTOM KEIFERの声質に
似ている事が更に輪をかけているし、幾分
意識してやっているのだろうと思われる部分もある。楽曲の出来も
CINDERELLAのデビュー盤と比べてそれ程遜色は無い出来に
仕上がっているが、これと言った楽曲が無いのが残念だ。[81]
BOYS IN HEAT / BRITNY FOX
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1989年にリリースされた
2ndアルバム。CINDERELLAの1stアルバム的な匂いの強かった
デビュー盤と比べると、ハーモニカを入れて来たりと、より
アメリカン・ロックンロール的な色合いが強くなり、やや独自色を
出すに至ったと言う感じがする。NAZARETHのHair Of The Dogを
カバーしているが、これがこのサウンドにうまくはまっている。
"DIZZY" DEAN DAVIDSONのボーカルは、相変わらず
TOM KEIFERっぽいので、どうしてもCINDERELLAっぽく感じる
部分はあるが、楽曲的には明らかに差異が見える。[82]
BITE DOWN HARD / BRITNY FOX
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1991年にリリースされた
3rdアルバム。前作より更に独自色を強めており、メロディが
かなりキャッチーに感じられるものになっている。曲作りにも
大きく関与していた、ボーカルの"DIZZY" DEAN DAVIDSONが
脱退し、TOMMY PARISに代わった辺りが影響しているのだろう。
CINDERELLA色はより薄まり、より広義な
アメリカン・ヘヴィ・メタルと言う感じが出るようになった。が、
逆にその分、散漫になった様に感じない訳でもない事が残念だ。
TOMMY PARISのボーカルは、良くも悪くも"DIZZY" DEAN DAVIDSONと
似たタイプで、ボーカル自体でファンが戸惑う事はないだろうが。
[79]
BALLS TO PICASSO / BRUCE DICKINSON
元IRON MAIDENのイギリス人ボーカリストによる、1994年に
リリースされた脱退後初となる2ndソロ・アルバム。ソロ活動での
相棒と言うべき存在となるROY Zをギタリストに迎えて
製作されている。作品的にはかなりダークな方向の
作品となっており、その中にもROY Zのラテン的な
ギター・メロディが妙な浮揚感を感じさせる。初の
ソロ・アルバムとなったTATTOOED MILLIONAIREとも
IRON MAIDENとも全く違ったサウンドには、ファンも戸惑うかも
知れないが、中々面白いアルバムに仕上がっている。ただ、
ダーク的な色合いを強くし過ぎて、のりが悪くなった様にも
感じるだろう。バラードのTears Of The Dragonは名曲と言える
レベルのドラマティックな佳曲だ。[81]
ALIVE IN STUDIO A / BRUCE DICKINSON
元IRON MAIDENのボーカリスト、BRUCE DICKINSONの
ライヴ盤。通常のコンサートの模様を収録したものと
スタジオ・ライヴとのカップリングによる2枚組になっている。
演奏的には割と良く出来ていてあまり不満はないのだが、まだ
ソロ・アーティストとして方向性を固めようとしている今、こう
言うアルバムを出されてもその真意を計りかねるし、あまり評価
出来ない。特にそのために一枚目と、二枚目で曲が殆ど
重なってしまっているとなると尚更だ。IRON MAIDENの曲をあえて
排除したその決断にはは評価出来るのだが。[78]
UNTIL THE DAY WE DIE / BRITTON
カナダのハード・ロック・バンドのアルバム。割と北米的な
キャッチーさを兼ね備えたサウンドなのだが、方向的には結構幅
広くやっている感じだ。BON JOVIの明るい部分の様な
ボーカル・ラインの楽曲から、哀愁のポップ・サウンドの楽曲、
The Faith Of Fearの緊迫感溢れるサウンドと力強いサビとリフの
楽曲までかなり多様な作品だ。Hold Onなど非常に美しい
楽曲であるし、全体的にこういったレベルの楽曲が書ける
様になれば、非常にポテンシャルの高いバンドとなれるだろう。
全体的に曲調は軽く明るく憂いのあるギターが入る曲が多い。[82]
DISCERNING THE TIMES / BROKEN SILENCE
アメリカのパワー溢れるメロディックなハード・ロック・バンドの
デビュー・アルバム。こういうアルバムを聴いていると80年代
後半のメジャーになれなかったバンド群が想起される。LIONや
HEAVEN'S EDGE、HURRICANEとかどれもパワーがあって
メロディックなハード・ロックをやっていたが、大概メジャーと
言う線にまでは届いていなかった。このバンドも録音状況が
いまいちというのもあいまってそういう雰囲気を強く
漂わせている。方向的にはLION的な作品で、より扇情的で曲も
決して悪くないので好感は持てる。[84]
LIVE AND LEARN / BRAZEN ABBOT
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンド、BALTIMOOREのブルガリア
人ギタリスト、NIKOLO KOTZEVを中心としたプロジェクトの
アルバム。当然参加者は皆、北欧に縁の深い人達ばかりで御大
GLENN HUGHESも参加している。ボーカリストはその他に元
MADISONのGORAN EDMAN、元CANDLEMASSのTHOMAS VIKSTROMと
言ったところが参加しているが、皆それぞれ非常に素晴らしい
歌唱を聴かせてくれている。曲は全てNIKOLO KOTZEVが
作曲していてなかなか優れ物の曲も含まれてはいるが、出来は
楽曲によって多少ばらつきがあるのが残念だ。とは言え演奏、
プロダクションとも非常に良く出来ていて十分良い出来の作品だ。
[84]
SKUNKWORKS / BRUCE DICKINSON
元IRON MAIDENのイギリス人ボーカリストの3rdソロ・アルバム。
前作では名曲、Tears Of The Dragonを始め、中々優れた正統的な
ヘヴィ・メタルを聴かせてくれていたものの、商業的には
失敗だった事が災いしてか、大きく方向転換している。シアトル
的な要素もあり、楽曲にもあまりメリハリはないし、旧来の
ファンがこれをを望むのかと言うと大いに疑問だ。印象は
散漫だし、これがやりたい事なら、これまでの多くのファンは
興味は持てないだろう。Inertia等で聴かれるようなメロディは
決して悪いとは思わないが。[62]
SEEDS / BROTHER CANE
アメリカのロック・バンドの2ndアルバム。音楽的には、
ブルージィであり、グランジっぽくもあり、ハード・ロックっぽい
部分も感じられるサウンドだ。楽曲によっては最近の
ALICE IN CHAINSやPEARL JAMと言ったオルタナティヴ・ロックを
思い起こさせる部分もある。グランジ的素養を持った、
ブルーズ・ロックという感じで、他のバンド群とはかなり差別化
出来ていて新鮮ではある。And Fools Shine On等は、
メロディアスなさびが印象的で中々の佳曲だ。ハード・ロックの
リスナー向けとは言い難い作品だが、楽曲は以外に洗練されていて
センスが良く、全体的に格好良いアルバムに仕上がっている。[84]
TIES OF FRIENDSHIP / BRANDED
ドイツのハード・ロックンロール・バンドの1994年に
リリースされた自費出版の恐らくデビュー盤。ボーカルの
JERRY FATHは高音がBRIAN JOHNSON、中低音がANDY DERISの様な
声質で、節回しによってはAXEL ROSEの様な感があったりと、
非常に個性的な歌唱を聴かせてくれている。ヘヴィでラフで
ワイルドなサウンドだが、軽快でテンポ良くグルーヴィだ。
全体的に曲調は明るく、キャッチーなメロディを主体としている
アメリカナイズされたハード・ロック作品だ。
プロダクションもまずまずだし、元気溌刺とした楽曲、演奏と
総じて悪くない。[80]
EYE OF THE STORM / BRAZEN ABBOT
元BLATIMOREのギタリストNIKOLO KOTZEVによる
プロジェクト・バンドの2ndアルバム。ボーカルには前作同様
THOMAS VIKSTROM、GORAN EDMANが参加しており、GLENN HUGHESに
代わって新たにJOE LYNN TURNERが参加している。
ヨーロッパらしい叙情感を持つ格好の良いアップ・テンポの
ナンバーを中心にバラードを含めて方向的には大きな
変化はないが、残念ながら楽曲自体は前作に一歩譲るが、それでも
十分良い出来だ。GLENN HUGHESの超絶的なボーカルがない分少し
寂しいが、GORAN EDMANなどは良く歌えている。[82]
ACCIDENT BIRTH / BRUCE DICKINSON
元IRON MAIDENのボーカリストによる4thソロ・アルバム。
これまでが割とIRON MAIDENから脱却した作品になっていた事を
考えると、よりIRON MAIDEN風のサウンドに回帰した内容と言って
良いだろう。前々作の名バラードと言える
Tears Of The Dragon風のMan Of Sorrowsから
よりIRON MAIDEN風のものまで、実にドラマティックな
ヘヴィ・メタル・アルバムになっている。やはり彼には
こういうドラマティックでパワフルな楽曲が良く映える。
IRON MAIDEN風といっても、微妙に指向を変えてより哀愁を
打ち出しており、単なるIRON MAIDENコピーには陥っていない。
[85]
RESPULSIVE CONCEPTION / BROKEN HOPE
アメリカのブルータル・デス・メタル・バンドの1995年に
リリースされた3rdアルバム。デス・ボイスは唸る様な野太く低い
咆哮で、雑音になりきっている。バックはデスらしい
ブラスト・ビートを織り交ぜながらも、ミドル・テンポ調の
スラッシィな部分を見せている。故にギター・メロディが
この手のものとしてはよりはっきりと打ち出されている。
とは言え、やはりブラスト・ビート中心で、デス・ボイスも
割と聴きがたいので、あまり一般受けしそうにない。注目すべきは
TWISTED SISTERのカバーCAPTAIN HOWDAYだが、バンドの色合いは
全く変わりない。[72]
MAN OF SORROWS / BRUCE DICKINSON
元IRON MAIDENのボーカリストによる4thソロ・アルバム
ACCIDENT BIRTHからのシングル的なミニ・アルバム。
名曲ともいえるMan Of Sorrowsを3バージョンとアルバムに
収められているDarkside Of AquariusとArc Of Spaceの
デモ・バージョンの5曲が収録されている。Man Of Sorrowsは
それぞれ元の雰囲気を大きく変えるものではないだけに、十分
堪能できる。とは言っても元と内容的にはほとんど
変更はないのだが。ややたどたどしいスペイン語バージョンも
ちゃんと歌い上げているところはさすがだろうか。デモは
まさしくデモで取るに足らない出来だ。[80]
BAD RELIGION / BRAZEN ABBOT
元BALTIMOREのブルガリア人ギタリスト、NIKOLO KOTZEVによる
プロジェクト・バンドの3rdアルバム。しかし、毎回参加ゲストの
豪華さもさる事ながら、その内容の濃さもかなりのものだ。参加
メンバーは前作と全く同じで、JOE LYNN TURNER、GORAN EDMAN、
THOMAS VIKSTROM等が参加している。楽曲はかなり
洗練されており、叙情的なメロディが印象的な非常に素晴らしい
アルバムだ。フックがあって、めりはりが良く効いており、実に
聴きごたえがある作品だ。楽曲の出来もさる事ながら、演奏も
素晴らしいし、メロディアスなものが聴きたいなら決して
損はさせない出来だ。[87]
TANGLED IN BLUE / BRIAN HOWE
元BAD COMPANYのボーカリストによる脱退後初の
ソロ・ロック・アルバム。BAD COMPANYにいるときから
そうであったが、PAUL RODGERSの情感の深いボーカルと異なり、
非常にクールな感じを湛えたボーカルが、ここでも良く出ている。
楽曲によってはいかにもLOU GRAMUを思わせるボーカルで、
FORIGNERの様な雰囲気も無きにしもあらずだが、どちらかというと
もっと、ハードさが無く、AOR的な味わいがある。クールな
ボーカルでしみじみと歌う様は、PAUL RODGERSとはまた違った
魅力がある。楽曲は中庸だが、それなりに聴かせるだけの
出来ではあるし、満足できるだけのボーカル・アルバムではある。
[82]
SOUNDS OF THE ANIMAL KINGDOM / BRUTAL TRUTH
アメリカのグラインド・コア・バンドの3rdアルバム。これまで
同様ブラスト・ビートを交えた狂暴なサウンドが中心ではあるが、
ミドル・テンポの楽曲を入れたりと、一本調子ではなく、
バラエティ豊かな印象を与える作品に仕上がっている。この
ミドル・テンポの楽曲も意外と聴かせるナンバーなので、早い
楽曲だけでなくなった分、幅が広がった感じがして飽きさせない。
だからと言って、全体的に覆うブルータルな色合いもそれ程
減じておらず、これまでのファンもそれ程失望させないだろうし、
思ったより強烈で聴きごたえのあるアルバムだと言って
良いだろう。[83]
KILLING FLOOR / BRUCE DICKINSON
イギリスのヘヴィ・メタル・バンド、IRON MAIDENの元
ボーカリストによる5thソロ・アルバム、
THE CHEMICAL WEDDINGからの先行シングル。
シングル・カットされたタイトル・トラックの他にReal World、
Confeosの未発表曲2曲と言う構成になっている。Confeosではその
ボーカル・スタイルは明らかにIAN GILLANを想像させるもので、
今までとは一風変った印象を与える。特にハモンド・オルガンを
大幅に交えたりしているので、どことなくDEEP PURPLEっぽい
感じがする。Real Worldはミドル・テンポの普通の
ヘヴィ・メタルで、パワフルなボーカルは堪能出来るが、可もなく
不可もなくと言ったような中庸という感じの楽曲だ。[81]
THE CHEMICAL WEDDING / BRUCE DICKINSON
N.W.O.B.H.M.バンド、IRON MAIDENの元ボーカリストによる5th
ソロ・アルバム。前作ではまるでIRON MAIDENと思わせるような
楽曲の秀逸なアルバムだったが、今作ではやや趣を
変えてきている。IRON MAIDEN的な部分が全く無くなってしまった
訳ではないが、かなりヘヴィでダークな雰囲気が漂っており、
緊迫感の感じられる作品だ。IRON MAIDENの顔的存在だった彼が
歌うだけに当然なのかもしれないが、特に楽曲のさびでの
歌いまわし等ではIRON MAIDENを思い起こさずにはいられない。
こう言ったIRON MAIDEN的な部分は前述のヘヴィでダークな
雰囲気と割と良くマッチしていて出来的には良い作品だ。長らく
相方を務めるTRIBE OF GYPSIEのROY Zも健在で、この人の音楽性の
広さを感じさせられる。[85]
UNHOLY / BRAINSTORM
ドイツのパワー・メタル・バンドの2ndアルバム。いわゆる
HELLOWEENタイプの大仰なジャーマン・パワー・メタル的な
エッセンスはあるが、そう言った部分は非常に小さく、より
扇情的な作品だと言って良いだろう。激しいエナジーを感じさせる
サウンドで、正にスピード・メタルと思える作品だ。その一方で、
たまに、いきなりジャーマン・パワー・メタル的なメロディが飛び
出してくる辺りに、全体的なバランスの悪さが感じられる。
アコースティック・ギターで始まるDon't Stop Believingは
ドラマティックな楽曲で、バイオリンやキーボードを導入して
展開もあって良い。他の楽曲にも、もう少しこの位の展開があれば
もうちょっと締まった作品になったのではないかと思える。
MARCUS JURGENSのボーカルもより自然で、他の楽曲で力みかえって
歌っているだけに、こういった路線をもっと突き詰める方が
良いのではないかと思えるのだが。[74]
RED SPECIAL / BRIAN MAY
イギリスのハード・ロック・バンド、QUEENのギタリストによる
来日記念のソロ・ミニ・アルバム。Why Don't We Try Againと
Another Worldは最新アルバム、ANOTHER WORLDに
収められているが、それ以外はライヴ・バージョンやリミックス、
シングルのB面と言ったアルバム未収録の音源で構成されている。
全体的に、ハード・ロックと言うよりはポップス的な楽曲が
中心で、ハード・ロック然としているのは、故COZY POWELLも
参加している、BusinessのUSAラジオ・ミックス位だろう。
ハード・ロックのファン向けと言うよりは、BRIAN MAYファン
向けの作品だろう。[80]
A LETTER FROM DEATH ROW THE ALBUM / BRET MICHAELS
アメリカのバッド・ボーイズ・ロックンロール・バンド、POISONの
ボーカリストによる初のソロ・アルバム。詳細自体は良く
知らないが、俳優のCHARIE SEANと組んで設立した映画会社で、
自ら脚本・監督・主演を務めたと言う映画、
A LETTER FROM DEATH ROWで使った曲、数曲に新曲を付け足した
アルバムで、POISONのメンバー達も参加している。方向的には
それ程ハードなものはなく、ミドル・テンポから
スロー・テンポにかけての楽曲が中心で、POISONでもやっている
様なバラードのThe Devil Inside等、素朴な感じのする
ロック・アルバムに仕上がっている。アコースティックを多用し、
ハードさはそれ程感じられないが、彼の歌声の魅力は十分
出ている。[81]
BRITISH ROCK SYMPHONY / BRITISH ROCK SYMPHONY
イギリスのロック・バンドの名曲をオーケストラ・アレンジして
カバーすると言う企画盤。カバーされているのはTHE BEATLES、
LED ZEPPELIN、PINK FLOYD、ROLING STONES、THE WHOで、
カバーしているのはPAUL RODGERS、ANN WILSON、ALICE COOPER、
TOMMY SHAWと言った人達だ。上手いボーカリストが多いし、元々
名曲と言えるだけの楽曲がずらりと並んでいるだけに、安心して
聴いていられる。オーケストラ・アレンジだけあって、どうしても
落ち着いた雰囲気を拭えず、緊迫感のある楽曲は、今一つ盛り
上がりに欠ける様に感じられるのは致し方ない所だろう。[80]
SCREAM FOR ME BRAZIL / BRUCE DICKINSON
イギリス人ボーカリストのライヴ盤。IRON MAIDENに復帰する事が
発表された後に行われたブラジルでのライヴの模様を
収めたものだ。このライヴでも、長年ソロ活動での相棒だった、
THE TRIBE OF GYPSIESのROY Zがここでもギタリストを
務めている。このROY Zのギター・プレイを始め、全体的な演奏は
非常に素晴らしい。ラテン系らしいオーディエンスののりも
凄まじく、非常に盛り上がりを感じさせるライヴ盤に
仕上がっている。楽曲がややTHE CHEMICAL WEDDINGに
偏っているのは残念だが、中々素晴らしいライヴ盤に
仕上がっている。[84]
ALLIGATOR / BRAD GILLIS
アメリカのハード・ロック・バンド、NIGHT RANGERの
ギタリストによる7年振りの2ndソロ・アルバム。前作が
ギター・インストルゥーメンタル的な色合いが強かったのに
対して、今作では歌もの的な色合いが強くなっている。
キャッチーなメロディのアメリカン・ハード・ロックで、ドライヴ
感が強くて中々のりの良いアルバムに仕上がっている。彼自身が
リード・ボーカルを取っている曲も3曲あり、無難にこなしている
感じだ。歌ものが中心になったとは言え、彼のギター・プレイも
十分堪能させてくれるし、楽曲の出来も悪くないし、却って聴き
飽きなくて良い。[83]
WIND IT UP / BRIAN McDONALD
アメリカ人シンガー・ソング・ライターの13年振りとなる、
ソロとしては初のアルバム。一聴して判る様に、その音楽的
方向性はDEF LEPPARDの色合いがかなり濃い。もしSTEVE CLARKが
今も生きていれば、こう言うアルバムを作ったのではないかと
思える様な、コーラスをたっぷりと使ったキャッチーで甘い
メロディのハード・ロックを聴かせてくれている。彼の
ボーカルは、決して上手いと言える程のものではないのだが、
如何にもJOE ELIOTTっぽい歌唱を聴かせてくれているの尚更だ。
BRIAN McDONALD GROUPではギタリストとして参加していた、
現DOKKENのギタリスト、REB BEACHもゲスト参加している。
楽曲の出来は悪くないし、DEF LEPPARDのファンならば聴いて
損はないだろう。[83]
IMPACT / BREAKING SILENCE
ギリシャのパワー・メタル・バンドのデビュー盤。方向的には、
正統派ヘヴィ・メタルと言えるもので、昔のQUEENSRYCHEにより
パワー・メタル色を強めた言える様な作品となっている。
GEORGE BAHARIDISのボーカルがかなりJEFF TATE的である事が、
その感をより一層強くしている。叙情的なメロディに
ドラマティックな楽曲は、影響を受けたバンドの受け売りである
部分が多大であるのは確かだが、それでもこれだけの完成度を
出せれば十分納得出来るところだ。QUEENSRYCHEのフォローワーも
数多く出たが、その中ではオリジナリティは
今一つではあるものの、完成度と言う面ではかなりレベルが高い。
扇情的で聴き応えがあって、楽曲、演奏とも中々良いアルバムに
仕上がっている。[84]
KILL TREND SUICIDE / BRUTAL TRUTH
アメリカのグラインド・ハード・コア・バンドの1996年に
リリースされたアルバム。方向的にはこの手のものらしく、
ブラスト・ビートを駆使した、如何にもと言った感じの激烈な
サウンドで、彼等の作品としてもよりスピードを重視した作品と
言って良いだろう。激烈で極端に速い楽曲には、ただただ
圧倒されるばかりだが、エクストリーム系が好きでないと、あまり
受け入れられないだろう作品でもある。狂気にも似た激烈な
凄まじいサウンドの嵐は、非常にブルータリティで破壊力を
持っているし、RICHARD HOAKのドラミングも凄いの一言に尽きる。
[81]
BRAND NEW BABYLON / BRAND NEW BABYLON
詳細は全く不明だが、恐らくイタリアの
ゴシック・メタル・バンドのアルバム。キーボードを主体とした
シンフォニックなゴシック・メタルだが、意外とギターも表に
出ていてそれなりにめりはりは感じられる。このギターが非常に
メランコリックで、非常に哀感漂う耽美な作品に仕上がっている。
非常に死のイメージの強い作品で、TURN LOOSE THE SWANの頃の
MY DYING BRIDE等にも通ずる部分を感じさせる。途中途中に
オカルティックなホラー映画の効果音の様な楽曲を入れていて、
これが実に不気味で不快感を感じさせる。作品の完成度と言う
点ではまだまだと言う感じもするが、バイオリンやチェロを
入れるだけでなく、口笛も入れて来たりと色々アイデアもあって
悪くない。[76]
WAIST DEEP IN DARK WATERS / BRAVE
アメリカのゴシック・メタル・バンドのシングル。元々
ARISE FROM THORNSと言うバンド名でアルバムを1枚
リリースしていたが、これがバンド名を変更して初めてとなる
音源だ。前作同様、アコースティック色を強く押し出した
叙情的なメロディの、歎美なゴシック・メタルだが、前作よりは
かなりキーボードが強く押し出されており、より淡白さが
強くなった様に感じられる。オーソドックスな叙情派の
ゴシック・メタルではあるが、その中でも最も淡々とした
サウンドで、北欧でない故かそれ程哀愁味は強くない。[85]
THE BEST OF BRUCE DICKINSON / BRUCE DICKINSON
イギリスのヘヴィ・メタル・バンド、IRON MAIDENの
ボーカリストによるソロ・ベスト盤。初回限定盤はレア音源集との
2枚組となっている。新曲は彼のソロ・アルバムでギタリストの
ROY Zが書く、如何にもらしい楽曲で、特にSilver Wingsは
IRON MAIDEN的と言って良いだろう。レア音源集は未発表曲を
始め、レアな音源が目白押しで、中々興味深い。IRON MAIDENでも
お馴染みのBring Your Daughter... ...To The Slaughterの
サウンド・トラックに収録されたものや、未発表曲のWicker Manと
中々興味深い内容だ。特にスパニッシュ・ギターによる
アコースティック・バラードのAcoustic Songは非常に
素晴らしい。[81]
METUS MORTIS / BRAINSTORM
ドイツのパワー・メタル・バンドの4thアルバム。
ボーナス・トラックとしてHELLOWEENのSavageをカバーしており、
いわゆるジャーマン・パワー・メタルかと思わせるが、実際には
この曲を除けばツー・バスや大仰なメロディと言う様な
エッセンスはあまりないと言って良いだろう。どちらかと言うと、
よりメタリックでダークなパワー・メタルで、ICED EARTH等の方が
近い。厚いコーラスを入れたりして、かなり重厚な感じをさせる
サウンドに仕上がっており、迫力が感じられてこれはこれで
良いのだが、楽曲自体は割と平凡で、今一つ魅力が感じられない。
[81]
LONG WAY TO LIVE! / BRITNY FOX
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドのライヴ盤。2000年に行われた
アメリカでの公演の模様を収めたものだ。BITE DOWN HARDでの
メンバーでの復活だけに、BITE DOWN HARDの楽曲が
中心となっている。方向的にはAC/DC的な縦のりの
ハード・ロックンロールだが、そこにグラム・ロック的な
エッセンスとアメリカ的なキャッチーさが盛り込まれている。
意外な程ライヴ感ではグルーヴ感が出ており、骨太の
ロックンロールを聴かせてくれているのには好感が持てる。
思ったよりも聴き応えのあるライヴで、中々格好の良いライヴ盤に
仕上がっている。[83]
VOYAGE / BRIAN McDONALD PROJECT
アメリカ人シンガー・ソング・ライターによる初の
プロジェクト・アルバム。DEF LEPPARDの影響を強く受けたと
思わせる作品で、彼のボーカル・スタイルや楽曲自体はかなり
DEF LEPPARDっぽい。その楽曲をTOTO等と言った1980年代の
アメリカン・ロック的な味付をしたのがこのアルバムと言って
良いだろう。そのため、DEF LEPPARDよりはかなりソフトな
サウンドだが、その分よりポップ性が際立っている。そのため、
やや甘ったるい印象を受けなくもないが、メロディ・センス等は
流石と思わせるところがあるし、時にはSUPER TRAMPっぽさも
感じさせるプログレッシヴ・ロック的な部分もあって、聴き
飽きさせない。[87]