アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1988年にリリースされた デビュー盤。方向的にはVAN HALENと言った感じの サウンドなのだが、時代的にL.A.メタルを通過して来ただけに、 もっとのりを全面に押し出した作品になっているし、普遍的な アメリカン・ヘヴィ・メタルと言う感じがする。MARQ TORIENの ボーカルも、DAVID LEE ROTHやSAMMY HAGAR的な部分もあるが、より 普遍的だ。如何にもアメリカのバンドらしいサウンドで、明るく のりの良いアルバムに仕上がっている。演奏、楽曲ともまずまずの レベルにはあるし、のりも良く出ていて悪くないアルバムだ。[81]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1991年にリリースされた 3年振りとなる2ndアルバム。方向的には前作同様、VAN HALEN的な 作品だが、よりDAVE LEE ROTH時代的な色合いが強くなっている。 Hang On St.Christopher等は如何にもパーティ風の能天気な 楽曲で、そう言った感をより強くさせる。VAN HALENよりは 普遍的なサウンドは変わらず、そのため小型VAN HALEN的に どうしても感じる。前作より更に破天荒になって荒々しい作品に 仕上がっており、楽曲の出来も前作より良くなっており、能天気な アメリカン・ヘヴィ・メタルとしては悪くない。[83]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1991年にリリースされた アルバム。全体的に、今で言うオルタナティヴ・ロック的な 匂いのする作品で、特にYUKKI CIDEのボーカル。スタイルは そういう風に感じる。ギターの音色にもそういう風に 感じるのだが、オルタナティヴ・ロックと言う程まで贅肉をこそげ 落としたソリッドなものにはなっていない。グラマラスな 感じすらするサウンドで、かなり特異な世界を築いている バンドだと言って良いだろう。むしろ現代向きで、登場するのが 早すぎたバンドと言って良いかもしれない。楽曲の出来も 悪くないし、その世界観も確立されていて中々良いアルバムだ。 [82]
スイスののヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた デビュー盤。バンド名からDEEP PURPLEを想像させそうだが、 実際はもっとポップでキャッチーなもので、DEEP PURPLEの曲とは 無関係だろう。朗らかでアメリカナイズされたハード・ロックで、 中々聴きやすい作品だ。BARNEY STACKHOUSEのキーボードが妙に 軽かったりと不満がない訳でもないが、悪くないアルバムだ。 これと言った楽曲はないものの、軽快でなじみやすく平均的に良く 出来ている。明るい、叙情的でキャッチーなメロディの アメリカン・ハード・ロックが好きならば聴けるはずだ。[81]
イギリスのハード・ロック・バンドの2ndアルバム。非常に優れた ポップ・センスを発揮したハード・ロック・アルバムだった前作と 比べると、今作ではBON JOVI的な色合いが感じられ、JEFF OGDENの ボーカル・スタイルもそう言った感じのスタイルへと 変わっている。ワイルドでアメリカ的な雰囲気を醸し出す 様になったが、むしろ全体的に若干チープになった感じがあり、 GUNSHY等と比べても安っぽい感じのするアルバムになっている。 これが吉と出るか凶と出るか判らないが、出来としては 悪くないものの疑問も残る作品だ。[83]
ノルウェーのブラック・メタル・バンドの1993年にリリースした 2ndアルバム。COUNT GRISHNACKHのソロ・プロジェクトで全ての パートを彼一人でこなしている。悪魔信奉の団体として知られる インナー・サークルに属し、このアルバムをリリースした翌年に 同じノルウェーのブラック・メタル・バンドMAYHEMのギタリスト EURONYMOUSを殺害し、教会への放火、爆弾テロ等々の罪に問われ、 懲役21年の刑で、このプロジェクトも終わりかと思われたが、 現在もアルバムのリリースを続け、無事活動しているようだ。 陰鬱なサウンドで、時には泣きのメロディを絡めてくる メロディックなサウンドで、作りはややチープに感じない 訳でもないが、それでも酷いというほど悪くはない。[71]
COUNT GRISHNACKHが全てのパートをこなすノルウェーの ブラック・メタル・バンドの1994年にリリースした3rdアルバム。 前作で見せはじめた陰鬱なサウンドはより先鋭化し、叙情的な キーボードを中心として、泣きのメロディを絡めてくる。 激烈なサウンドにおどろおどろしい哀愁のメロディを 組み込んでいて、一種独特の世界を構築している。楽曲が 壮大になり、全4曲という大作になっているのに対して、歌詞が 極端に削られ非常に短くなっている。多分COUNT GRISHNACKHが 自己の音楽を煮詰めていった結果こうなったのだろうが、中々 圧巻ではある。COUNTの絶叫するブラック・メタル・ボイスは何を 言っているのか全然判らないし、一般受けする作品でないのも 確かだ。懲役21年でまともな音楽活動は出来ないだろうし。[78]
ドイツのハード・ロックンロール・バンドの1981年に リリースされたデビュー盤。いわゆるAC/DC型縦のり ハード・ロックンロールなのだが、もっと楽曲はポップだ。 KLAUS THIELのボーカルは、BRIAN JOHNSONとUDO DIRKSHNIDERを 混ぜてややしょぼくしたような感じで、このハイ・トーンを 聴けるかどうかでこの作品に対する印象は大きく変って 来るだろう。AC/DCに比べると軽くてチープな感じがするのは いかんともしがたく、B級的なイメージは拭い切れない。しかし、 のりだけは良く出ているし、楽曲もそれなりではある。[72]
ドイツのハード・ロックンロール・バンドの1983年に リリースされた2ndアルバム。前作と比べるとAC/DCっぽさはまだ 多少あるものの、どちらかと言えばよりKIXっぽい内容で、 KLAUS THIELのボーカルもそう言った感じが強い 歌唱となっている。ヘヴィなサウンドだが全体的に明るく軽い のりが支配しており、雰囲気の盛り上げ方は中々良いと思う。 メロディがより押し出されており、縦ノリ 一辺倒ではなくなっているが、むしろこちらの方が正解だろう。 楽曲も割と良い出来だし、プロダクションも思いのほか良い 出来だ。[82]
アメリカ人ギタリスト、JACK STARR率いる パワー・メタル・バンドの1986年にリリースされたアルバム。 アメリカでは珍しい、憂いを帯びたメロディアスな パワー・メタルで、どこかで聴いた感じのするキャッチーな メロディがあちこちに飛び出す。方向的には展開を持った 1980年代の臭いヨーロッパのパワー・メタルという感じだ。 IRON MAIDEN辺りに影響を受けたと思しきところも見え、割と聴き 易い。楽曲の出来、不出来の差は結構あるが、つぼにはまった曲は 確かに引き付けるものがある。録音状態は非常に悪く、ギターの 音のチープさはいかんともしがたいのは残念だ。[79]
元LION、BAD MOON RISINGのアメリカ人ギタリスト、 DOUG ALDRICHが率いる新バンドの1stアルバム。長年連れ添った 僚友、KAL SWANとも別れ、KEITH ST.JOHNと言う新人 ボーカリストを起用している。方向的にはLIONや BAD MOON RISINGとは幾分趣を変え、ややブルージィな アメリカン・ハード・ロックをやっている。テンポが良くて、 楽曲にフックがあり、意外と聴きごたえのある作品に 仕上がっている。BAD MOON RISINGで感じられた中途 半端さがなく、呪縛から解き放たれ、吹っ切れた様に思える。 KEITH ST.JOHNのボーカルも表現力があって素晴らしく、 アルバムの方向性に合っている。楽曲の出来も素晴らしいし、 DOUG ALDRICHの本領発揮と言うところだろう。[86]
アメリカのハード・ロックンロール・バンドのデビュー盤。 方向的にはブルーズ色の強い、ラフなハード・ロックンロールで、 THE BLACK CROWESの様な、埃っぽいブルーズ・ロックが 根底にある。のりが良く、勢いのあるある ハード・ロックンロールだが、いわゆるGUNS'N'ROSEの 様なものとは大きく異なる。初期THE BLACK CROWESをより ハードにした様な感じで、ブルーズ・ロックが嫌いだと少し 辛いかも知れない。勢いがあって、ワイルドさも出ていて、楽曲も 含めて出来は中々のものだ。如何にもアメリカのバンドらしい 作品で、新人としては抜きんでた仕上がりだ。[85]
N.W.O.B.H.M.バンドの自費出版のベスト盤。N.W.O.B.H.M.当時、 シングルを2枚出しただけだっただけあって、当時の音源としては 全16曲中、シングルの音源が4曲と、コンピレーションに 収められていたCold As Nightと恐らくデモ・カセット位で 出されたのではないかと思われるPlastic Companionの6曲だけだ。 それ以外は、何とここ数年に録音されたもので、恐らく 再結成したものと思われる。再結成した後の音源も、当時と全く 変わらない楽曲にプロダクションで、当時の未発表音源と 言われても恐らく信じてしまう様な仕上がりだ。それだけに、 N.W.O.B.H.のファンであるならば、懐かしさに感動出来るはずだ。 扇情的で哀愁のメロディが散りばめられた楽曲は、N.W.O.B.H.M.の ファンにはたまらない作品だ。[93]
ブラジルのパワー・メタル・バンドの1999年に制作した デモ・テープをCD-Rで焼いたもの。方向的には、いわゆる ジャーマン・パワー・メタルと言えるものだが、ANGRAと 言うよりは、BLIND GURDIAN等と言った様な、もっと純然と ジャーマン臭さを押し出した内容になっている。プロダクションは 確かにデモ・レベルと言った程度だが、特別酷くはない。かなり 速さを感じさせ、勢いは十分感じられる作品に仕上がっている。 EMANUEL PIERUCCINIのギターを始め、演奏的なレベルは結構な線を 行っているのだが、楽曲のアレンジ・センスはまだまだ素人と 言ったレベルで、まだまだ精進の余地がある。[54]
アメリカのハード・ロック・バンドの2ndアルバム。方向的には 前作の延長線上と言えるものだが、よりはっきりとブルーズ色を 強く打ち出している。非常にテンポの良いリズム&ブルーズ系 ハード・ロックと言った感じで、WHITESNAKEやLED ZEPPELINを 思わせる様などこか効いた事があるフレーズが飛び出して来るが、 中々高品質の作品に仕上がっている。特にKEITH ST.JOHNの ボーカルは、DAVID COVERDALEっぽい歌唱を 聴かせてくれるところもあり、そう言った感がより一層 強くなっている。Cherie Don't Break My Heart等はWHITESNAKEの 新曲と言っても通用しそうな楽曲だ。非常にドライヴ感があって、 KEITH ST.JOHNのソウルフルなボーカルもあって聴き応えが 十分ある。BAD MOON RISINGで何故こう言うドライヴ感を 出さなかったのかと思える程、のりの良い作品に仕上がっている。 [86]
メキシコのメロディック・デス・メタル・バンドの2ndアルバム。 メキシコと聴いただけで怪しそうだが、イェテボリでIN FLAMESの FREDRIK NORDSTROMがプロデュースしただけあって、まさに北欧の メロディック・デス・メタル的な色合いの作品に仕上がっている。 この手のものとしては、よりアップ・テンポでブルータルな 感じのする作品で、あそこまでメロディアスではないが、攻撃的な 部分ではDARK TRANQUILLITY的なエッセンスを感じさせる。 ラテン系民族とは思えぬ様な愁いをまとった叙情的なメロディは 素晴らしいし、意外な程聴き応えのあるアルバムに 仕上がっている。[82]
アメリカのハード・ロックンロール・バンドの2ndアルバム。 前作ではかなりブルージィさを押し出し、THE BLACK CROWSを 思わせる様なところもあるハード・ロックンロールを 聴かせてくれていたが、今作ではやや趣が変っており、 楽曲によっては縦のりを前面に打ち出した、タイトでソリッドな ハード・ロックンロールを聴かせてくれている。それ故に、非常に AC/DC的な色合いを感じる作品となっており、AC/DCのアルバムに 入っていても違和感はないのではないかと思える楽曲も多い。 とは言っても、AC/DCのクローンと言う様なレベルで 終わっていないし、その出来は中々素晴らしい。[85]
元THE WiLDHEARTS、THE DOGS D'AMOURのドラマー、BAMと元VIXENの ベーシスト、SHAREの夫婦によるバンドの2ndアルバム。SHAREは このアルバムではボーカルとギターを担当している。方向的には パンキッシュでラフなハード・ロックンロールだが、キャッチーで メロウなメロディが盛り込まれており、方向的にはどちらかと 言うとTHE DOGS D'AMOURっぽさを感じるものだと言って 良いだろう。ハスキーなSHAREのボーカルが、このメロウさを 増しており、艶やかさを感じさせるアルバムに仕上がっている。 やや気だるさを感じさせる、退廃を感じさせるポップ感が面白い。 [80]
アメリカのカオティック・ハード・コア・パンク・バンドの初の フル・アルバム。アメリカのテクニカル・デス・メタルにも通ずる 様な、ブラスト・ビートも用いたエクストリームなサウンドに、 テクニカルな演奏と言う、まさにカオティック・ハード・コアと 呼べる作品と言って良いだろう。ブルータルな音の奔流は、 カオティックで凄まじく、転調する楽曲も面白い。とは言え、 楽曲はきちんと考えられて組みたてられており、それ程聴き辛いと 言う感じはしない。それ故、意表を突かれる事もないが、そう言う 部分をテクニカルな演奏と曲構成でカバーしていると 言ったところだろう。[83]
メキシコのメロディック・デス・メタル・バンドの2年振りとなる 3rdアルバム。メキシコ出身と言う珍しさはさておき、その 音楽性は隣国のアメリカと言うよりは、北欧のバンド的な エッセンスが強く、前作ではその叙情的なメロディがことさら耳を 引いた。今作でもそう言った叙情的なメロディを持ちながらも、 よりテクニカルでブルータルな方向へと進んで来ている。それ故、 前作と比べると聴き易さと言う点では前作に譲る 結果となっている。変則的なテクニカルさを出すと言うアイデアは 決して悪くないが、全体の流れと整合性が今一つ感じられないのが 残念だ。[80]
アメリカのロック・バンド、MARVELOUS 3の元ボーカリスト兼 ギタリストによる初のソロ・アルバム。基本的には ロックンロールを基調にしたメロディアス・ロックだ。 CHEAP TRICK等の影響が感じられる、優しい良質のメロディは 素晴らしく、それをパワフルに聴かせてくれている。Get Downでは 意外とメロウなメロディを入れて来りと、バラエティも豊かで 単調になっていないところが良い。メロ・コアっぽさも そこはかとなく感じるが、意外とハードでアメリカン・ポップな メロディアス・ハード辺りが好きならば聴いても損はないはずだ。 [85]