LONG COLD WINTER / CINDERELLA

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1988年にリリースされた 2ndアルバム。デビュー盤では、AC/DCっぽさも持った、 ハード・ロックンロール的な作品で、好評を博したが、今作では やや方向性が変ってきている。中心人物で、全曲書いている TOM KEIFERの趣味が出てきたのか、これまでの ハード・ロックンロール的な部分を中心に残しながらも、 ブルージィな色合いが感じられる。特にそれが顕著なのは、 タイトル・トラックでバラードのLong Cold Winterだ。 LED ZEPPELINのSince I've Been Loving You的な味わいのある 曲だ。デビュー盤とはやや雰囲気が変ってしまったが、その出来は 決して悪くない。[85]

HEARTBREAK STATION / CINDERELLA

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1990年にリリースされた 3rdアルバム。路線的には、ブルーズさを見せていた前作の 方向性をより押し出した形となっており、土臭いアメリカ南部的な 香りをさせるハード・ロックンロール・アルバムに 仕上がっている。アコースティック・ギターを多用したりとより 素朴な感じのアルバムに仕上がっている。ここまで来ると、 果たして元のファンがついてこれるか心配だが、アルバムの出来 自体は中々良い。TOM KIEFERの特徴的なボーカルは相変わらずで、 おかげで楽曲にめりはりが出ている様に感じられる。[83]

STILL CLIMBING / CINDERELLA

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた、 4年振りとなる4thアルバム。2nd以降の、ブルージィさを持ち 込んだハード・ロックロールはここでも健在だ。 ホーン・セクションが多用され、前作で多用された アコースティック・ギターもHard To Find The Words等で 使われているが、全体的にハードな作りになっている。方向的には LONG COLD WINTERに最も近く、ブルージィなエッセンスを 持ちながらも、ハード・ロックンロールとしての持ち味も 失われていない。全体的に良く出来てはいると思うが、残念ながら これと言った楽曲がない。[82]

MAGIC & MADNESS / CIRCUS OF POWER

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1993年にリリースされた 3rdアルバム。グルーヴィでブルージィなヘヴィ・メタルだが、 この手のものとしてはグルーヴィさが足りないように思える。やや 泥臭さを感じさせるアメリカンヘヴィ・メタルだが、あまり突き 抜けて極めてしまったと言う感じは全く無いので、やや中途半端に 思えなくもない。何となく気だるさを感じさせる、ハードなロック 作品で、楽曲によってはオルタナティヴ的な印象もあるが、 テンポの良い楽曲もあって、そういうところではHANOI ROCKSを アメリカナイズさせた様なハード・ロックンロールと言う 感じのするアルバムだ。[81]

PARADISE LOST / CIRITH UNGOL

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1991年にリリースされた アルバム。方向的には、いわゆるヨーロピアン・ヘヴィ・メタルと 言うやつで、臭いパワー・メタルが全体を覆っている。しかし、 その割には叙情的なメロディと言う感じが今一つ希薄で、全体的に 扇情的で緊迫感に満ちた作品となっている。とは言え、楽曲に 面白味は足りないし、今一つ聴きどころのない作品だ。 ギター・リフ等、部分的には聴きどころが全くない訳でもないが、 作品としての面白味はまだまだだ。ヨーロッパのバンド程、突き 抜けて臭さを追求できれば、またある意味で聴く部分もあったと 思うが。[78]

HANDS OF FAITH / CIRCLE OF SOUL

アメリカのハード・ロックンロール・バンドの1991年に リリースされたアルバム。音楽的には、ビートの効いたのりの良い アメリカン・ハード・ロックンロールだ。楽曲はさほど悪くないと 思うのだが、ありきたりでこれと言うものはあまり感じられない。 だが、タイトで、ホーン・セクションを導入して、結構 グラマラスなところもあって、それなりに聴きごたえはある。 Shattered Faithの様などことなく憂いを感じさせる様な楽 曲があったり、それなりに変化はある。ややハスキーなボーカルは 味があるし、それなりに聴きどころはある。[78]

FROST AND FIRE/KING OF THE DEAD / CIRITH UNGOL

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1977年にリリースされた 2枚のアルバムをカップリングしたもの。その後、N.W.O.B.H.M. 的なヨーロピアン・ヘヴィ・メタルをやる事で名を知られたが、 ここでは古臭くてオーセンティックな ヘヴィ・メタルをやっている。曲、演奏ともさほど面白い 訳ではないし、プロダクションもかなりチープなので、あまり お奨めし難いが、What Does It TakedeGREG LINDSTROMの キーボード等が醸し出す雰囲気は悪くない。まだ ヨーロピアン・メタル的な雰囲気はないので、それ程臭く 感じられず、逆にその後の作品より聴き易いかも知れない。[74]

STILL CLIMBING / CINDERELLA

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた 4thアルバム。AC/DC型縦のりヘヴィ・ロックンロールを見せた デビュー盤での成功が、バンドに非常に強いイメージを 付けているため、その後のブルーズ・ロック的な路線は、決して 悪くはなかったが今一つしっくりと来ない部分もあったのは 確かだ。今作では、2nd以降では最もデビュー盤の雰囲気に 近づいており、これまでのブルーズ・ロック路線との折衷という 感じで中々興味深い作品になっている。しかし、ヘヴィ・メタル 的な色合いにはやや不似合いな部分もあって、諸手を挙げてと 言うレベルまでには至っていない。[83]

VICES / CIRCUS OF POWER

アメリカのハード・ロックンロール・バンドの1990年に リリースされた2ndアルバム。骨太で反骨精神剥き出しの、 とんがったサウンドは中々グルーヴィでのりが感じられる。 スローなラヴ・バラードもあって、ある程度バラエティにも 富んでいるので、それほど飽きは来ない。若干 ブルージィなところもあるロックンロール・アルバムで、泥臭い 感じもする。特にALEX MITCHELLのボーカルが、ややだみ声の 野太いもので、そう言った感をより一層強くさせる。楽曲の出来も 悪くないし、独特の味わいが感じられる作品に仕上がっている。 [82]

LIVE AT THE KEYCLUB / CINDERELLA

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドのライヴ盤。1998年に アメリカで行われたライヴの模様を収めたもので、ベスト盤は 別として、再結成後としては初めての音源だ。初期の楽曲が 中心で、ハード・ロックンロール然としている曲が結構あるので、 ドライヴ感も結構ある。ブルーズ然とした楽曲とがそれなりに 混じっているので、それなりに目先が変るのが良い 結果になっていると思う。TOM KEIFERのあの独特のボーカルも 昔のままだし、ライヴの質も高いし、中々良いライヴ盤に 仕上がっていると言って良いだろう。ベストに近い選曲だし、 楽曲の質の高さを感じさせてくれる作品だ。[86]