詳細は良く判らないが、スウェーデンの新人バンドで自費出版 アルバムのようだ。一応アメリカ風のハード・ロックなのだが、 全体的に取り纏めがなく散漫な感じを受ける。ファンキーさを 出した曲や、ほのぼのとした曲ははっきりと言ってつまらない。 唯一ブルージィ色が見える曲はKRISTIAN HERMANSONが DAVID COVERDALE的な声質をしていることもあって、後期の WHITE SNAKE的な色彩が見えて面白い。楽曲的には産業風な キャッチーさがなくもないが曲にこれっといったものが 感じられないのが残念だ。[80]
オランダのハード・ポップ・バンドのアルバム。楽曲は軽快なAOR サウンドのものが並ぶのだが、方向的にはいわゆる ハード・ポップと言うよりも、むしろ10年位前のトップ40向けと 言う感じで、今一つフックは感じられないものの非常に聴き易い アルバムに仕上がっている。しっとりと落ち着いた大人の サウンドと言う感じで、ハード・ポップという程 ハードでもないので、かなり軽いものでも大丈夫という人でないと 厳しいかも知れない。楽曲自体はこの手のものとしては中々良く 纏まっていると思えるし、出来は決して悪くない。[82]
スウェーデン出身でL.A.在住のプロデューサー、 ソング・ライター、シンガーと多彩な活動をしている ミュージシャンのアルバム。これまではPLANET 3で 活動していたが、このアルバムにはそのお蔵入りとなったテイクも 収められている。重厚なサウンドのAORの世界が展開されていて、 楽曲的にはCHICAGO等に近いものも多い。叙情的で流麗な メロディはミドル・テンポ中心で派手さはないが、じっくりと聴き 込める良質なものに仕上がっている。日本盤では何故か ジャケットが差し換えられたが元の物の方が良かったと思う。[89]
スイスのシンフォニック・ロック・バンドで、1996年に リリースされた2ndアルバム。この手のバンドの多くは、割と さらりと流しているバンドが多くて物足りなさを感じるのだが、 この作品は割とハードだし、楽曲も派手なので聴きごたえがある アルバムに仕上がっている。ALUISIO MAGGINIのボーカルは あくまでも他のシンフォニック・ロック・バンドと大差無く、 落ち着いたしんみりとしたものだ。キーボードが前面に 押し出されているし、ギターの泣きも心をくすぐるものがあり、 叙情的でメタル系の人にも割と受け入れ易いサウンドだろう。[85]
北欧のメロディアス・ハード・ロック・バンド、FORTUNEの ボーカリスト、BENNY SODEBERGのソロ・プロジェクト・バンド。 バックにGLORYのJAN GRANWICK、元EUROPEのJOHN LEVINと IAN HAUGLANDと北欧メタルではかなり名の通ったメンツが 集まっているが、実際それにそぐわない出来になっている。 FORTUNEの1stで見せた美しい流麗でポップなメロディを取り 入れながら、もっとハードでフックの効いた サウンドになっている。このメンツで叙情的でポップで憂いにある メロディのハード・ロック・アルバムを作るとこうなるという 想像を具現化してくれている。少し甘すぎるという感もあるが、 扇情的な部分もあり楽曲は良く出来ているし、プロダクションも しっかりしており、北欧のハード・ポップが好きなら 外すことはないだろう。[89]
アメリカのヘヴィ・ロック・バンドの3rdアルバム。方向性的には いわゆるストーナー・ロック風のものだが、もう少し めりはりがある。埃っぽく南部的な雰囲気があるのため、渇いた 印象を与えていて、憂うつさをそれ程引き出す事はない。この手の 作品に違わず、全体的にミドル・テンポだけだが、楽曲は 変化があって決して単調になっていない。ドゥーム・メタル的な 色合いは全く無いので、MONSTER MAGNET辺りが好きでないと少し 辛いかもしれないが、作品の出来自体は良い出来だ。楽曲も 悪くないし、これと言って盛り上がるところがある訳ではないが、 色々とアクセントが付けられていて引き付けるところはある。[82]
FORTUNEのボーカリスト、BENNY SODEBERG率いる、スウェーデンの ヘヴィ・メタル・バンドの2ndアルバム。FORTUNE自体解散した 訳ではないので、当初はプロジェクト的な作品だろうと思えたが、 FORTUNEの活動は再開されず、再びこのバンド名義でアルバムが リリースされた。FORTUNEに比べると、より透明度の高い サウンドに、郷愁をそそるようなメロディで、前作に比べると 哀愁度はかなり下がり、アンニュイな感じのする楽曲が 中心となており、ややアメリカ的なエッセンスを感じる。 ギタリストとして元TALISMANのFREDRIK AKESSONが加入して、 泣きのギター等も聴かせてくれているが、方向的な相性は 悪くない。[81]
SHADOWLAND、ARENA,PENDRAGON等のCLIVE NOLANとRICK WAKEMANの 息子、OLIVER WAKEMANを中心とするイギリスの シンフォニック・ロック・プロジェクトのアルバム。その他の参加 メンバーは元MAGNUMのBOB CATLEY、元YESのPETE BANKS、 LANDMARQのTRACY HITCHING、PENDRAGONのPETE GEE、SHADOWLANDの IAN SALMON、元THRESHOLDのJON JEARY、RICK WAKEMANと多彩な ゲストによって構成されている。ややシアトリカルだが、まさしく シンフォニック・ロックと言える様な叙情的で美しいアルバムに 仕上がっている。優しく心地良いサウンドは引き 込むものがあるし、楽曲の出来も悪くない。[81]
アメリカのテクニカル・プログレッシヴ・メタル・バンドの デビュー盤。キーボードにDREAM THEATER的な色合いも見えるが、 流麗で叙情的なメロディでありながら、メタルらしい ギター・サウンドを聴いていると、どちらかと言うと FATES WARNINGを想像させる部分が大きい。全体的に、より プログレッシヴ・ロック的なエッセンスに溢れた作品だが、 聴き易くて好感が持てる。コーラスは今いちだし、まだ全体的に こなれていない様にも感じられるが、演奏は しっかりしているし、アイデア等にもセンスの良さが 感じられるので、これからが楽しみな素材だ。中東的な イメージをさせるメロディのインストルゥーメンタル・ナンバー、 East Of Knowing等、楽曲の出来も中々良い。[85]
イギリスのプロジェクト・バンドのアルバム。CLAM SARAGE事、 THE WiLDHEARTSのボーカリスト、GINGER、CLINT ABUSE事、 元LIFE, SEX & DEATHのベーシスト、ALEX KEIN等による覆面 バンドだ。とにかく変な作品で、女性ボーカルを使った アコースティック作品と言うところまでは良いとして、ループを 使ったり、スペイシーなサウンドで飛んでみたり、ポップな メロディを挟み込んだり、オペラを入れたり、とにかく奇妙な 作品と言って良いだろう。ある意味、プログレッシヴ・ロックと 言っても良い作品で、こう言うアイデアを出して 具現化するところは凄い。[84]
スウェーデンのヘヴィ・ロック・バンドの4年振りとなる 4thアルバム。音楽的にはインダストリアル・ロックをベースとした ヘヴィ・ロックで、ラウドでテクノっぽいジャングル・ビートを 押し出したグルーヴ感溢れる作品に仕上がっている。 ヘヴィ・メタル的なスラッシィなギター・リフや、ノイズっぽい サウンド、ラップ的なエッセンスを持ったボーカル、民族楽器を 使ったトライバル風の味付け等、ミクスチャー的なアイデアを 上手く融合させている。全体的にダークさが感じられる楽曲だが、 妙にポップさがあって意外と聴き易い。特にミクスチャー的な 手法も、取り入れているものも目新しくはないのだが、こうやって 組み合わせると面白い。[84]