ノルウェイのパワー・メタル・バンドの1991年にリリースされた デビュー盤。静寂感を持ったサウンドは非常にユニークで、 寒々とした雰囲気を作り上げている。ROY S.KHANTATATのクールで 透ったボーカルが、そう言った感をより一層助長している。 楽曲は、こう言った静寂感を持った部分と暗い情念を感じさせる 激しさから構成されており、この組み合わせによって ドラマティックなものに仕上げられている。場面によっては、 アコースティック・ギターを効果的に入れてきたりと、中々考えて 作っているのも好感が持てる。楽曲だけに止まらず、TORE OSTBYの ギター・プレイ等、全体的に良く出来た作品で、デビュー盤で これだけの作品を作って来たのは驚異的だ。[89]
ノルウェイのパワー・メタル・バンドの1993年にリリースされた 2ndアルバム。方向的には前作の延長線上だが、より普遍的な 色合いが強くなっており、前作であった静寂感は大きく 減退している。そのため、バンドのオリジナリティと言った部分が 低くなっているのは残念だ。とは言っても、楽曲の出来を始め、 演奏、プロダクションとレベルが高い。更に、ROY S.KHANTATATの クールで透ったボーカルはここでも健在で、独特の味わいを 出している。ダークで冷たい感じのするプログレッシヴな パワー・メタルで中々良く出来たアルバムだ。[85]
BOBBY BLOTZER、TRACII GUNS、MICHAEL SCHENKERと言った一風 変った取り合わせによるプロジェクト・バンドの1991年に リリースされたアルバム。オリジナル曲はなく、TIM FEEHANや IAN HUNTER、DAVID BOWIEと言ったロック・ミュージシャンの 楽曲を取り上げている。確かにMICHAEL SCHENKERの ギターではあるが、こう言った楽曲では、ギターはあくまでも 脇役でしかない。むしろ、こういったプロジェクトに何故 MICHAEL SCHENKERが参加したのか謎な位だ。RICHARD BLACKの ボーカルはワイルドで、ロックンロール系の楽曲等は 中々いけている。[80]
アメリカのヘヴィ・ロック・バンドの1994年にリリスされた 4thアルバム。方向的には、BLACK SABBATH的なドゥーム・メタルを 基調としながらも、アメリカらしい渇いた埃っぽさを持った ヘヴィ・ロックだ。Albatross等は、OZZY OSBOURNEが歌えば初期 BLACK SABBATHと言って通るような楽曲だ。かと思えば、 アコースティック・インストルゥーメンタルのWithout Wingsと バラエティにも富んでいる。ヘヴィ・ロック的なサイケデリックと グルーヴィさも併せ持っているが、この手としてはやや押さえ 気味で、その辺りを良しとするかどうかで評価は少し分かれるかも 知れない。楽曲の出来も良いし、演奏、プロダクションと全体的に 良く出来ているアルバムだ。[83]
ポーランドのシンフォニック・ロック・バンドの未発表音源集で、 形式的にはこれが3rdアルバムになる。楽曲は総じて明るく落ち 着いた感じの、優しく美しいメロディで、ポンプ・ロックとはまた 一味違った静寂感を感じさせてくれるアルバムとなっている。 東欧のバンドの未発表音源と言う割りには、録音の状態もそれ程 悪くないし、通常のアルバムと言っても良い位のレベルの出来だ。 ボーカルはあまり旨いとは言えないのだが、囁く様な歌唱は 聴けない様なものではないし、方向性には合っている。全体的に キーボード中心で構成されており、しんみりと聴くには中々良い 作品だろう。[82]
スパニッシュ・ハード・ロックンロール・バンドのアルバム。 AC/DCなどよりは軽快でのりが軽く、どちらかと言うと バッド・ボーイズ系ハード・ロックン・ロールと言った感じだ。 スペインのバンドらしく、歌詞は全曲スペイン語なのだが、他の スペインのバンドの様な独特の巻き舌の発音ではないため、随分と 聴き易くなっていて、スペイン語だと言う事があまり 気にならない。全体的にワイルドでチープという感じで中々 味はある。当然目新しさは感じないが、楽曲もそれなりに良いし、 こういうロックンロールをやるセンスの良さは感じる。[81]
ノルウェイのパワー・メタル・バンドの3rdアルバム。 デビュー盤では音をかなり押さえた作りで静寂感を出し、 ドゥーム・メタル的な陰鬱さをたたえていたが、それ以降では 良くも悪くも音はより緻密になってきていて、より 普遍的になってきた様に感じられる。前作ではその緻密さがかなり 中途半端な感じを受けたが、この作品ではそれもだいぶ消化された 感がある。楽曲の方向性は1stから首尾一貫して扇情的で メロディアスであり、出来も中々良い。ROY S.KHANの透き通った ボーカルは個性的で不思議な魅力がある。[87]
スイスのテクニカル・スラッシュ・メタル・バンドの1991年に リリースされた4thアルバム。アグレッシヴでダークなサウンドは 決して聴き易いという類のものではないが、オリジナリティは 引き出している。とは言うものの、面白いかどうかとなると マニア向けと言ったところで、エッヂの効いたリフ等、 聴きどころはあるが、テクニカルで変則的な楽曲は 一般受けするとは言い難いところだ。THE BEATLESのI Want Youを カバーするアイデアは面白いと思うが、さすがにカラーが違い 過ぎて、消化仕切れていないと言う感はいがめない。[70]
アメリカのヘヴィ・ロック・バンドの7thアルバム。この手の バンドとしては割とサイケデリック色合いが希薄な内容だが、 やはりグルーヴィさは感じられる。以前よりBLACK SABBATH的な 要素が強くなっており、コアなサウンドからより硬質な ハード・ロックと言う風に変化している。ドゥーミィな 部分があるとは言え、どちらかと言えばアメリカ的な埃っぽさを 持ち合わせた渇いたサウンドには暗さは感じられない。 METALLICAのJAMES HETFIELDがMan Or Ashにゲスト 参加しているが、際立ってどうこう言う程の楽曲ではない。[82]
日本のハード・コア・パンク・バンドのアルバム。前作から ベース以外のメンバーが全員入れ替わったらしいが、あまりどう 言うバンドか良く知らないので、その音楽性にどの程度 影響があったのかは判らない。HIDEKIのボーカルは、PANTERA風の 怒りを感じさせるもので、ざくざくと切り刻んでくるヘヴィな リフもスラッシュ・メタル的で、この重厚なサウンドは ヘヴィ・メタル系のリスナーにも通用する部分があるだろう。 ただ、音楽の芯にある部分は、あくまでもハード・コアなので それが聴けないと少し辛いかも知れない。[77]
ノルウェイのパワー・メタル・バンドの4thアルバム。方向的には これまでと大きく変らず、叙情的かつ扇情的なメロディの ドラマティックな楽曲に、ROY S.KHANのねっとりとした無機質な ボーカルは健在だ。これまでの彼等の独特の妙に醒めた雰囲気と 言うのはやや希薄になった感もなくはないが、前作と比べると 勢いをより強調した感じになっている。楽曲のめりはりが はっきりしていて、落ち着いた感じはそれ程ないがそれ故に あっさりしている感もある。プロダクションも しっかりしているし、楽曲も練られていて良く出来ている。[85]
日本のネオ・クラシカル系ヘヴィ・メタル・バンドの初の スタジオ・アルバム。叙情的なメロディの楽曲は日本の バンドとしても抜きんでてるし、島紀史のギター・プレイを始め 演奏力も確かだ。大部分が日本語の曲だが、大方はそれ程 気にならない。方向的には初期RAINBOWやYNGWIE MALMSTEENを ベースにした様式美サウンドで、完成度が非常に高い。扇情的で 生々しいサウンドは真に迫ってくるものがあるし、キーボードを 配した大仰なメロディも出来が良い。日本のバンドだとか日本語の 歌詞だとか抜きにしてとにかく出来が良い。ボーカルが少し あざとく感じなくもないが、ネオ・クラシカル系が好きなら とにかく聴いてみて損はしないだろう。[87]
ノルウェイのメロディック・デス・メタルのデビュー盤。 デビュー盤と言っても、現在もMEYHEM、MORTEM、DIMMU BORGIR、 CRADLE OF FILTHと言ったバンドで活躍する、そうそうたる メンバーによって構成されているバンドだ。キーボードを大幅に 導入し、シンフォニックな色合いを強く打ち出しながらも、 アグレッシヴな作品に仕上がっている。DIMMU BORGIRも そうだったのだが、NAGASHの唸るような咆哮はサウンドに 負けているような気がする。バック・ボーカルとして参加している SARAHの無色透明な感じの透き通ったボーカルが非常に効果的な 味付けとなっていて、サウンドを盛り上げている。[84]
日本のヘヴィ・メタル・バンドのメジャー移籍第一段となる 2ndアルバム。いわゆるYNGWIE MALMSTEEN的なネオ・クラシカル 系の様式美サウンドで、前作と延長線上と言って良いが、 前作よりもジャパニーズ・メタル的な匂いが強い。特にSurrender 等はそう言った感が強いので、ジャパニーズ・メタルはどうもと 言う人にはちょっと鼻につくかもしれない。島紀史の ネオ・クラシカルなギター・プレイは相変わらず素晴らしいし、 尾崎隆雄のボーカルもMARK BOALS的で、実力的にも問題無いし、 バンドの色に合っている。新味と言うものはないが、楽曲の出来も 悪くないので、前作が好きなら楽しめるだろう。[84]
今年4月、交通事故で亡くなったイギリス人ドラマーの 遺作となってしまった5thソロ・アルバム。ベースはTHE SNAKESの NEIL MURRAYが、ギターはセッション・ギタリストの MIKE CASSWELL、ボーカルはARTENSIONのJOHN WESTが殆どを 担当しており、キーボードだけがMIKE BURNS、LONNIE PARKS、 KEN BOLEY等複数のミュージシャンによる構成となっている。参加 メンバー的には大物的な参加はなく、あくまでもCOZY POWELLの 作品と言った要素を強く打ち出しているようにも思える。その 割には殆どがボーカル入りの楽曲で、派手なドラミングもそれ 程なく、割と地味な作品に仕上がっている。ブルージィな楽曲の 出来はそれなりで、COZY POWELLのパワフルなドラミングも JOHN WESTのボーカルもそれなりに聴きごたえはあるが。[82]
カナダのハード・ロック・バンドの1982年にリリースされた デビュー盤。ジャケットのセンスは最悪だが、TRIUMPH、SANTERS 等を産み出した、さすがカナダのバンドと思えるような格好の良い ハード・ロック作品に仕上がっている。叙情的な メロディながらも、めりはりの効いた楽曲は聴きごたえがある。 CARL DIXONの透ったボーカルもバンドの方向性に良く合っていて、 効果的だ。楽曲の出来には波があるのは否定できないのだが、 Devil's Deck等つぼにはまった楽曲はこのバンドの可能性を 期待させるだけのものだ。未発表曲のDreamlandは結構ポップで 印象的で、これを元のアルバムで落とすくらいならば他に落とす 曲がいくらでもあるのではないかと思うのだが。[80]
カナダのハード・ロック・バンドの1985年にリリースされた アルバム。質の高いメロディアスなハード・ロックをやっており、 She's Gone等は非常に叙情的かつAOR的で、中々の佳曲だし、 Wrong Side Of Townはアップ・テンポでワイルドなのりがあって 実に格好良い出来だ。全体的に楽曲の出来は良いだけに、もう 少しこの楽曲の良さを生かす様な、ライヴ感の感じられる プロダクションになっていれば、もっと良くなった様に思える。 特にCARL DIXONのボーカルについてはこれが顕著に感じられ、彼の 声質自体は格好良いだけに、引っ込んだ感じがするのが残念だ。 [84]
日本のヘヴィ・メタル・バンドのミニ・アルバム。全てアルバム 未収録音源によるもので、Time To Dieのロング・バージョン、 彼等としては初期の楽曲でありながら、これまで録音される 事がなかったKing Of The Judas、 ギター・インストルゥーメンタルのWaltz For Masquerade、 1998年に行われたライヴからRun To The Sky、 Alone In Paradiseと言う、全5曲の構成になっている。 方向的には、彼等らしいいわゆるネオ・クラシカル系と 言うもので、楽曲の出来は悪くないし、島紀史のギターを始め、 演奏の出来は十分評価できる。[83]
日本のヘヴィ・メタル・バンドの3rdアルバム。方向的には これまでと変わることなく、正統なるYNGWIE MALMSTEEN フォローワーのネオ・クラシカル・メタルで、前作で取り 込んでいたジャパニーズ・メタルっぽさも若干残っている。 演奏的なレベルは、島紀史のギターを始め、十分満足出来るだけの レベルに達しているし、楽曲の出来も良いので、ネオ・クラシカル 系のリスナーであれば、聴いて決して損はないだろう。個人的には Lonely Last Journey等で感じられる、 ジャパニーズ・メタルっぽさをもっと押し出しても 良いのではないかと言う気もするが、良く出来たアルバムだ。[84]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンド、EDWINE DEARのギタリスト、 JEFF KOLLMANを中心とするプロジェクト・バンドの1stアルバム。 いわゆるギター・インストルゥーメンタルと言うやつで、バックの リズム隊は両者とも元YNGWIE MALMSTEEN、M.S.Gと言う経歴を持つ ベーシストのBARRY SPARKSとドラマーのSHANE GAALAASだ。 音楽的な方向性は、ジャズ色の強いフュージョンと言った感じで、 こう言った方向性の作品が好きでないと、単にこう言う ミュージシャンがやっているからと言うだけでは少し辛いかも 知れない。演奏はさすがと言えるだけのものはあるし、安心して 聴いていることは出来るが、少し趣味的過ぎると言ったところだ。 [80]
日本のヘヴィ・メタル・バンドのライヴ盤にボーナスCDを付けた 2枚組みアルバム。島紀史のギターはもちろんの事、演奏的な 出来に関してはかなりのレベルを誇っていて、十分納得が 行くだけのものに仕上がっている。島紀史のギターが売りの 一つなのだから、彼のギターが前面に出て来るのは当然としても、 尾崎隆雄のボーカルを何故これだけ押さえ気味にしているのか 非常に疑問だ。聴いた限りでは、それ程酷いとは思えないだけに、 却ってバランスを悪くしただけの様な気がしてならない。ボーナス CDは新曲が2曲にそのインストルゥーメンタル・バージョンが1曲と 言う構成になっている。When The Moon Criesは彼等らしい、 ネオ・クラシカルな楽曲で、Norman Islandは ギター・インストルーメンタルの小作品だ。[82]
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンド、ELECTRIC BOYSの元 ボーカリストによる初のソロ・アルバム。元々ELECTRIC BOYSの 音楽的方向性が、北欧でなくても特殊な程かなりファンキーで サイケデリックなものであったが、そのスタイルは彼のソロでも 変りはない。ELECTRIC BOYSと比べると、グラム・ロック的な 色合いが強くなったのが変化と言えるだろう。その分 古臭さがあって、1970年代的な臭いのするサウンドは、 モダンさがあったELECTRIC BOYSより好き嫌いが分かれるかも 知れない。Star等、楽曲によってはかなり DAVID BOWIEっぽいものもある。[81]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの2年振りの2ndアルバム。 前作では今のバンド名がアルバム・タイトルで、バンド名は PAVLOV'S DOGと名乗っていたが、同名の著名な プログレッシヴ・ロック・バンドが居たので恐らくクレームが 付いたのだろう。前作は非常に扇情的で格好の良い初期QUEENRYCHE 系正統派ヘヴィ・メタルを聴かせてくれていたが、基本的な路線は 前作を踏襲している。とは言うものの、今作では扇情さが薄れ、 ややのっぺりとした感じで、盛り上がりに幾分 欠けるものとなってしまっている。大仰さだけが表に出て、少し 鼻に付く様な感じがあり、この作品だけ聴けば十分な 出来ではあると思うが、前作と比べるとどうしても出来は劣る。 RICK FORSGRENのボーカルは相変わらず素晴らしく、安心して 聴いていられるが。[82]
デンマークのヘヴィ・メタル・バンド、ROYAL HUNTのベーシスト、 STEEN MOGENSENによるソロ・プロジェクト・バンドのアルバム。 ボーカリストには元RAINBOWのDOUGIE WHITEが取っており、その他 ゲストとしてROYAL HUNTのキーボード、ANDRE ANDERSEN、 ドラマー、ALLAN SORENSEN、ギタリスト、JACOB KJAER等が 参加している。ボーカリスト以外のROYAL HUNTのメンバーが 総参加しているとは言え、全曲STEEN MOGENSENが 書いているだけあって、ROYAL HUNTとはまた違った趣の作品に 仕上がっている。ミドル・テンポの哀愁漂うヘヴィ・メタルで、 ROYAL HUNTの様な甘いメロディとは違い、もっと冷ややかさを 感じさせる作品に仕上がっている。[84]
アメリカのハード・ロック・バンドの5thアルバム。 トリプル・ギター編成であるので、それなりにハードな音像を 見せてくれているが、全体的に非常にキャッチーでポップな 作品となっており、ヒット曲を産んでいるだけあって、一般向け 指向が非常に高いアルバムだ。ポップ界の大御所、ELTON JOHNも 参加しており、そう言った路線が強く感じられる。非常に印象的な メロディで、ハードでエッヂのたったサウンドも中々格好良い。 あまりにもヒット曲指向が見えて、受け付けない リスナーもいるかも知れないが、悪くないアルバムだ。[82]
日本のハード・コア・パンク・バンドの1993年にリリースされた アルバム。エッヂの効いたハードなサウンドで、扇情的な メロディも導入されていて中々聴き応えのあるアルバムに 仕上がっている。割とロックンロール色が強く、楽曲によっては ハード・コア・パンクと言うよりは、パンキッシュな ハード・ロックンロールと言う感じがする。とは言え、 GUNS N'ROSESの様なバッド・ボーイズ・ハード・ロックンロールと 言った様な色合いはなく、もっと速くて攻撃的な作品と言って 良いだろう。どことなく湿り気があって、アメリカの ハード・コア・パンク・バンドよりは取っ付き易い。[82]
アメリカのヘヴィ・ロック・バンドの4年振りとなる6thアルバム。 今作からはCORROSION OF CONFORMITYと言う本来のバンド名の 表記がなくなり、単純な略称のみとなっている。元々ハード・コア 的ではあったが、作品を進めるに連れBLACK SABBATH的な ヘヴィ・ロックに傾倒して行った。それから一転、長いブランクの 影響もあったのか、かなり趣の異なった作品に仕上がっている。 METALLICAとのツアーもあってか、PEPPER KEENANのボーカルは、 JAMES HEADFIELDSっぽい感じがあるし、楽曲もOver Me等はかなり 最近のMETALLICA的に感じられる。その一方で、Diablo Blvd等は サザン・ロックっぽさを押し出しており、これまでの彼等とは 一味も二味も違う作品に仕上がっているが、楽曲のクオリティが 高いくて良く出来ている。[86]
アメリカのヘヴィ・ロック・バンドの2ndアルバム。この 手のものとしては、ドゥーム系でもヒップ・ホップ系でもなく、 方向的にはオルタナティブ・ロックと言って良いだろう。 PEARL JAM等と言ったバンドを思い起こさせる様な、ダークさと 愁いを感じさせる楽曲で、ヘヴィでモダンな 音作りはなされているものの、ヘヴィ・ロック側の リスナーよりも、むしろオルタナティブ・ロック側のリスナーに 受けるのではないだろうか。こう言う作品だから、当然他の ヘヴィ・ロック・バンドと比べて派手さはないが、楽曲の出来も 良いし、中々良質のアルバムに仕上がっている。[85]
オランダのヘヴィ・メタル・バンド、ELEGYのイギリス人 ボーカリスト、IAN PARRYによるプロジェクト・バンドの 2年振りとなる2ndアルバム。ELEGYのギタリスト、 PATRICK RONDATとドラマー、DIRK BRUINENBERG、VANDEN PLASの ギタリスト、STEPHAN LILLとキーボード、GUNTER WERNO、 KAMELOTのギタリスト、THOM YOUNGBLOOD、VENGEANCEの ベーシスト、JAN BIJLSMAと言った、正統派の メロディアス・ヘヴィ・メタルのファンにはお馴染みのメンバーが 参加している。作品の内容としてもそれに見合うもので、 ドラマティックな楽曲に、エッヂの立ったオーセンティックな サウンドを聴かせてくれている。IAN PARRYのボーカルの 素晴らしさは相変わらずで、彼の歌唱の素晴らしさのためだけでも 聴く価値はある。[84]
アメリカのヘヴィ・ロック・バンドの初のライヴ盤。2001年に 行われたアメリカでの公演の模様を収めたものだ。 BLACK SABBATHの影響を受けた、1970年代的なヘヴィ・ロックを 聴かせてくれているが、いわゆるストーナー・ロックの様な ダウナー系の部分はあまりなく、もっと土臭い剛直な ヘヴィ・ロックを聴かせてくれている。METALLICAとも縁が 深いだけに、ボーカル・スタイル等にその影響を感じる 部分もある。スタジオ・アルバムでは整っている分だけ、今一つ 盛り上がりに欠ける気もするが、このライヴでの臨場感は 素晴らしく、会場での盛り上がりが非常に感じられる作品で、 ライヴ・バンドとしての面目躍如と言えるアルバムだ。[85]
日本のヘヴィ・メタル・バンドのベスト盤。新曲が3曲に、残りを ボーカル・パートを新しいボーカリスト、井上貴史で録音し 直したものだ。最新作ではNORIFUMI SHIMA WITH CONCERTO MOON 名義となっており、島紀史のプロジェクト 的なものとなっていたが、今作ではバンド的な位置付けに 戻したのだろう。しかし、その割にはやたらと島紀史のギターが 前面に出ており、バランスの悪さを感じさせるのは残念だ。 いくら島典史のワンマン・バンドとは言え、井上貴史のパワフルな ボーカル等は中々良いし、セルフ・プロデュースするならば、その 辺りに気を配ればもっと良いものとなったのではと思えるのだが。 [80]
アメリカのカオティック・ハード・コア・パンク・バンドの 3rdアルバム。音楽的にはハード・コア・パンク・シーンにおける デス・メタルやブラック・メタルに相当する、エクストリームな 音楽と言って良いだろう。カオティックと言うまさに混沌とした サウンドだが、グラインド・コアの様に、ブラスト・ビートを 使い、暴虐さを押し出している訳ではなく、変拍子や不況和音を 使い、破壊的な衝動を催させる不快感を感じさせてくれる。 アグレッシヴでプログレッシヴなエッセンスすら感じさせてくれる 凄まじさがあり、強烈な負のエナジーを感じさせる作品に 仕上がっている。[85]
デンマークのヘヴィ・メタル・バンド、ROYAL HUNTのベーシスト、 STEEN MOGENSENによるプロジェクトの2ndアルバム。前作では彼の ソロ・プロジェクトと言う形を取っていたが、今作では 元RAINBOWのボーカリスト、DOUGIE WHITEとのコラボレートと言う 形態になっている。そう言う意味もあってか、前作ではROYAL HUNT 風であったのが、今作ではRITCHIE BLACKMOREフレーズが前面に 押し出されている。1970年代っぽいハード・ロック風の 作りになっており、ROYAL HUNTとは色分けしている点でも、 DOUGIE WHITEを起用したこのプロジェクトの意義がはっきりと打ち 出せている。[84]
アメリカのハード・ロックンロール・バンドの2001年に リリースされた、11年振りの2ndアルバム。あの頃の ハード・ロックンロールと言われると、 バット・ボーイズ・ハード・ロックンロールの華やかなりし 時代だったが、ここで聴かれるのはオーソドックスな ハード・ロックンロールだ。ファンキーでグルーヴィな エッセンスを加えたのりの良いサウンドで、適度にキャッチーさも 感じられる。全体的にはこの手のものとしてはかなりソフトな 方だが、アコースティックや管楽器も取り入れて、バラエティが 豊かで悪くない作品だ。[80]
日本のハード・コア・パンク・バンドの初のベスト盤。新曲、 2曲を含む全20曲と言う構成だが、新曲の他は、 POSi-TRACTIONまでの8曲は現在のメンバーでの再録音、5曲が バージョン違いとその大半がアルバム未収録音源からなっている。 更に、初回限定盤として新曲と再録音によるボーナス・ディスクも 付いている。彼等らしいナンバーが並んでいる事は確かだが、 選曲的にこれでベストかと問われると判断出来ないのでそれは 譲る。音源の内容から考えると初心者入門用と考えるより、既存の ファン向けのレア・トラック集と考えた方が良いのかも知れない。 [82]
日本のヘヴィ・メタル・バンドの5thアルバム。音楽的には これまでと全く変わりなく、ワン・パターンとも言えそうな YNGWIE J.MALMSTEENのフォローワーと言える、ネオ・クラシカル 系のヘヴィ・メタルを聴かせてくれている。前作では NORIFUMI SHIMA WITH CONCERTO MOONと言う名義になり、ここ 最近ではギタリスト、島紀史のソロ・プロジェクトと言う形での リリースが続いたが、ライヴや企画盤を除けば久し振りに バンドとしての形態を整え、きちんとしたスタジオ・アルバムを リリースしたと言って良いだろう。その間にメンバーも大幅に 変わり、演奏面でのパワー・アップが感じられる。 ジャパニーズ・メタルっぽいエッセンスはやや減少したが、面影は 残している。[83]