CHANGE DIRECTION / DGM
イタリアのヘヴィ・メタル・バンドの1997年にリリースされた
アルバム。イタリアのバンドらしいプログレッシヴさを感じる
作品で、キーボードがかなり全面に押し出されている。全体的に
プログレッシヴ・メタルという訳ではなくて、どちらかと言うと
正統派という感じだが、プログレッシヴ的なエッセンスを持ち
込んでいると言う風だ。全体的にどことなくチープな
感じがするのだが、更にLUCIANO REGOLIのボーカルはいまいち
不安定で、お世辞にも上手いとは言いがたい事が、こういった
部分に輪をかけていると言って良いだろう。メロディ・センスは
悪くないと思うので、もう少し全体的な完成度を上げる事と、
ボーカルを何とかすれば結構良くなるだろう。[74]
WINGS OF TIME / DGM
イタリアのプログレッシヴ・メタル・バンドの2ndアルバム。
前作は、プロダクションを始め、全体的に完成度を上げる必要性が
感じられる作品だったが、今作では正に完成度が上がっており、
前作で感じられた欠点が解消されたと言ったところだ。特に
LUCIANO REGOLIのボーカルは、同一人物とは思えないほど
上達しており、中々良い作品に仕上がっている。愁いを帯びた、
叙情的なメロディのアルバムで、楽曲によっては
シンフォニック・ロック的なエッセンスもある。全体的な出来は
中々良いのだが、どうもまとまり過ぎで、今一つこれと言った心を
沸き立たせるものがないのが残念だ。WHITESNAKEの
Fool For Your Lovingをカバーしているが、バンドのイメージには
今一つそぐわないのでやめた方が良かった。[82]
DREAMLAND / DGM
イタリアのプログレッシヴ・メタル・バンドの2年振りとなる
3rdアルバム。音楽的にはDREAM THEATERの影響の感じられる
プログレッシヴ・メタルだが、多くのDREAM THEATERの
フォローワーの様に、単純に物真似に終わっておらず、
彼等としての特徴は出ている。イタリアのバンドながら、
ジャーマン・パワー・メタル的な色合いも無く、ヨーロッパの
バンドらしい洗練された叙情的なメロディを前面に押し出した
作品で、このメロディとテクニカルな演奏が絶妙に
マッチしていると言って良いだろう。憂いを帯びていた美しい
メロディは素晴らしく、非常にクオリティの高いアルバムに
仕上がっている。[87]
HIDDEN PLACE / DGM
イタリアのプログレッシヴ・メタル・バンドの2年振りの
4thアルバム。DREAM THEATERの影響を感じさせる様なテクニカルな
演奏のプログレッシヴ・メタルだが、かなりパワフルな作品に
仕上げている。洗練されたヨーロッパ的な憂いを纏ったメロディを
持ちながら、ヘヴィなサウンドで迫ってくる辺りは中々
迫力がある。楽曲の構成や展開も中々良く考えられており、
バラエティも豊かでバンドとしての成長を感じさせるところだ。
パワー・メタル的なエッセンスを持ちこむ辺りも、単なる
DREAM THEATERのフォローワーで終わっておらず、好感が
持てるところだ。[86]