TORTURA INSOMNIAE / EBONY TEARS
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの
デビュー盤。バックはアップ・テンポのパワー・メタル型の
THE EVERDAWNの様なサウンドで、そこにSKYCLADの様な
トラッド調のバイオリンを重ねている感じだ。もちろん
SKYCLAD等よりは遥かにアップ・テンポなのだが、そういう
意味ではオリジナリティの欠如を感じる。女性ボーカルを
含めてクリア・ボイスを入れることも、今や取りたてて
珍しくないし、数年前ならば驚くべき新星だったのだろうが、
現在においては予定調和を超えるだけの作品かというと、
苦しいだろう。とはいうものの、楽曲の出来、演奏においては
かなりのハイ・レベルを保っており、単純にアルバムの完成度を
取ればかなりの高さであり、非常に良く出来た作品であることは
間違いない。JOHNNY WRANNINGのデス・ボイスも吐き捨て型で
破壊力がある割には聴きやすいタイプだ。[85]
A HANDFUL OF NOTHING / EBONY TEARS
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの
2ndアルバム。前作では、トラッド調のバイオリンを入れたり、
女性ボーカルを入れたりと色々小手先のアイデアを取り
込んでいたが、今作ではそう言った部分がごっそりと抜け
落ちている。これが吉と出るか、凶と出るかは微妙なところで、
押しまくる攻撃的なタイプで通していると言う感じを受ける。
前作での耽美的な部分が好きであるならば、少々期待外れに
終わるかも知れない。方向的にはいわゆるパワー・メタル型の
メロディック・デス・メタルで、THE EVERDAWNが一番
近いだろう。[84]
ON THE EVE OF THE GRIMLY INVENTIVE / EBONULAKE
詳細は全く不明だが、プログレッシヴ/デス・メタル・バンドの
アルバム。ブラスト・ビートを交えたデス・メタルだが、
方向的にはメロディック・デス・メタルでも、それ程疾走する
ブルータルなタイプでもない。非常にシアトリカルで、演劇的な
要素を前面に押し出したサウンドで、かなりユニークな作品と
言って良いだろう。専任ボーカルが2人いる所なども
徹底していると言って良い。デス・ボイスと女性ボーカルの
ツイン・ボーカルだが、決して耽美さを誘う様なものではない。
不安感を誘う様な、シアトリカルな楽曲は、確実に聴く人を
選ぶだろう。[79]