DEAD FLOWERS / EDAN
アメリカのハード・ロックンロール・バンドの1992年に
リリースされたアルバム。方向的には純然としたロックンロール
系で、ややグラマラスな感じもするサウンドだ。
メンバー・ショットを見るとHANOI ROCKSの影響を
受けていそうにも見えるが、パンキッシュなところは全くなく、
アメリカらしい渇いた感じがする作品に仕上がっている。こういう
タイプのサウンドだと、もっとピアノを前面に押し出した方が良い
様な気がする。楽曲的には悪くないが、派手さがないのでもう少し
インパクトが欲しい様な気がする。[80]
THE SPECTRAL SORROWS / EDGE OF SANITY
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの1993年に
リリースされた3rdアルバム。
メロディック・デス・メタルとしては、最も古参のバンドの
一つだが、次作以降に比べると、ブルータルな色合いをまだ十分
出している。楽曲によってはブラスト・ビートを差し
挟みながらも、叙情的で愁いを含んだメロディを奏で、醜と美の
対比が体現されていると言って良いだろう。
パワー・メタル型とはまた違い、純然とダークで愁いを帯びた
メロディを奏でて来る辺りはオリジナリティを感じさせる。
MANOWARのBlood Of My Enemiesをカバーしているが、
中々はまっている。[82]
PURGATORY AFTER GLOW / EDGE OF SANITY
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの1994年に
リリースされた4thアルバム。方向的には、これまでの
延長線上で、ブルータル性とメロディアスさと2極面を対比して
描き出している。今作ではDAN SAWNOはデス・ボイスだけでなく、
クリア・ボイスも取り入れる様になっており、BLACK TEARSでは
全てクリア・ボイスだけになっている。気だるく話す様な
歌声だが、きちんとそれで通して歌えているし、下手ではないので
悪くない。楽曲の出来も、前作より更に完成度が上がり、彼等の
スタイルがここで結実したと言っても良いだろう。[84]
THE UNTHINKABLE DEED...... / EDWIN DARE
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた
デビュー盤。後にMOGG/WAY等でも活躍し、一躍その名を知られる
ギタリスト、JEFF KOLLMANに、ARTENSIONのメンバーとして
迎えられたKEVIN CHOWNと、実力派のメンバーが
揃っているだけに、演奏的なレベルは非常に高い。特に
ボーカリストのBRYCE BARNESはJEFF TATEばりのハイ・トーンを
聴かせたかと思うと、ミドル・レンジでも良く透った
声をしていて、非常に素晴らしい歌唱を聴かせてくれている。
方向的には、アメリカのバンドらしい叙情的なメロディを持った、
正統派ヘヴィ・メタルで、出来は中々良いのだが、アレンジ面で
まだまだ不満が残る部分もある。[83]
CANTBREAME / EDWIN DARE
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの2ndアルバム。
デビュー盤では変にコマーシャリズムを意識して、どうも今一つ
煮えきらないアルバムになってしまっていたが、今作ではそう
言った部分が吹っ切れたのか、非常にアグレッシヴな
ヘヴィ・メタル作品となっている。いわゆるQUEENSRYCHE系と
言われている様な方向性が感じられるのだが、バンドとしてはそう
言う意識はあまりない様で、それらの一群のバンドには
収まりきれない幅広さを持っている。楽曲、演奏は飛抜けて良い
出来だし、JEFF TATE系のボーカリスト、BRYCE BARNES、
ギタリスト、JEFF KOLLMANのテクニカルなギター・プレイを始め
各メンバーの力量も凄い。残念ながらラスト付近での曲がちょっと
弱いがそれを補ってあまりある出来なのは確かだ。[90]
CRIMSON / EDGE OF SANITY
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの
5thアルバム。ボーナス・トラックを入れても収録曲は僅か2曲で、
本編はタイトル・トラックのCrimsonのみで構成されており、40分
近い大作になっている。これだけ長い楽曲だけに、単調にならない
様にと言う配慮があってかと思われるが、起伏を付けるために、
今までの作品より随分ブルータルな部分が顔を出している。
これまでの彼等は、メロディアスなメロディと曲展開を
持っていたが、ある意味ここではそういう面は随分後退したと
言って良いだろう。だが、こういうブルータルな部分はさほど
面白くなく、メロディアスさが減少したことは取りも直さず
面白みが減ったと言う結果になってしまっている。結局曲は冗長に
過ぎなくなり、何度も聴こうという気は失せるアルバムだ。元々
プログレッシヴ・ロックをやっていたDAN SWANOの趣味が
出たのか、難解で複雑にはなっている。[75]
INFERNAL / EDGE OF SANITY
メロディック・デス・メタルの走りともいえる、スウェーデンの
デス・メタル・バンドの6thアルバム。前作で、大作主義を
打ち出し、40分を超えるたった1曲だけの
アルバムだったりしたが、基本的にそんな長い曲をやっても間が
持たないだけなので、今作は普通の構成に戻したことは正解だ。
DAN SWANOのデス・ボイスは相変わらずだし、叙情的なメロディが
中心にある事に変わりはないが、その叙情的で耽美な傾向は
やや減退し、今作ではどちらかというと力強さがあり、
メロディアスなスラッシュ・メタル風な色彩を感じさせる
部分もある。[83]
CRYPTIC / EDGE OF SANITY
メイン・コンポーザーであり、北欧
メロディック・デス・メタル・シーンの大立て者、DAN SWANOの
脱退に伴いバンドも終焉を迎えるかと思われたが、
新ボーカリストを加えて通算7作目となるアルバムを発表した。
メイン・コンポーザーの脱退で、方向性の変化は想像に
難くなかったが、やはりこれまでの方向性とはかなり
変えてきている。バックはスラッシュ型のサウンドで、これまで
メロディを聴かせる事を主題に置いていたのに対して、のりで
聴かせるという感じになっている。ROBBAN KARLSSONの
デス・ボイスは咆哮型で破壊力があり、今のバンドの色にはより
あっているだろう。楽曲の出来はまずまずというところだが、
これまでのファンがメロディを期待するなら肩透かしを食らう
事になる。[76]
VAIN GLORY OPERA / EDGUY
ドイツのパワー・メタル・バンドのデビュー盤。叙情的な
メロディの臭いパワー・メタルで、ジャーマンっぽくもあるが、
やや北欧がかっている感じもする。特にVain Glory Operaの
イントロなどは、EUROPのFinal Count Downを思い
起こさせたりもするが、全体的にはもっとパワー・メタル
然としている。ボーカルのTOBIAS SAMMの声質はPAVLOV'S DOGの
DAVID SIRCANPUを思い起こさせる部分もあるが、あれほど超人的な
声ではない。様式美然とした壮大な楽曲をやっているのだが、
まだまだアイデアが消化しきれていない若さ的な部分も
感じられる。[82]
WHEN WATER BECOME ICE / EDDY ANTONINI
イタリアのヘヴィ・メタル・バンドSKYLARKのキーボード、
EDDY ANTONINIの初のソロ・アルバム。イタリアの
ヘヴィ・メタル系人脈という事でLABYRINTHのOLAF TORSEN等が
参加している。叙情的で壮大なメロディのネオ・クラシカルな
ヘヴィ・メタルで、歌メロはジャーマン・パワー・メタルっぽい
大仰な楽曲が中心だ。そういう意味ではSTRATOVARIUSよりもっと
クラシカルでキーボードが全面に出ている作品と言って
良いだろう。I Want Youのカバーを途中で入れていたりするので、
ジャーマン・パワー・メタル的な色彩も強く見える。バック自体の
演奏に関しては中々見事なものだが、ボーカルは透った
声質ではあるものの、ややひ弱な感じがしてバックに
負けているのは残念だ。EDDY自体も一曲リード・ボーカルを
取っているが、この作品の中ではそれ程悪くない。J.S.BACH等の
クラシック曲を入れていたりするが、それ程違和感を感じない。
ボーカルが弱い事もあって、一発凄いインパクトはないのだが、
良く出来た作品ではあると思う。[82]
MY TIME TO DIE / EDWIN DARE
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの3年振りの3rdアルバム。
ベースのKEVIN CHOWNがARTENSIONに加入し、ギターの
JEFF KOLLMANの活発なソロ活動もあいまって、バンドの相続は
危惧されていたが、こうして健在振りを見せてくれた事は、非常に
喜ばしい事だ。特に、前作、CANTBREAKMEが傑作と言えるレベルの
非常に優れた作品であっただけに尚更だ。今作では、その
前作からは幾分の変化が見られるが、特に大きな問題は、非常に
キャッチーな作風となっている事だ。前作では、非常に
ヘヴィ・メタル然としためりはりの効いたサウンドだったが、
今作では良い意味での緊迫感がなくなってしまっている。決して
悪い出来ではないが、今一つ感情移入出来ず、感情を揺さぶられる
事もないのが残念だ。[81]
SCREAMING FOR THE TRUTH / EDGE OF SPIRIT
日本のハード・コア・パンク・バンドのデビュー盤。しかし、その
内容ははっきり言ってメロディック・デス・メタルだ。叙情的で
美しいギター・メロディを配したパワー・メタル系のサウンドで、
その出来は海外のメロディック・デス・メタル・バンドと比べても
かなりレベルは高い。SHO ISOMOTOのデス・ボイスは、唸る様な
咆哮とシャウトを併用したもので、場面場面で使い分けていく。
とにかくメロディ・センスの良さは秀逸で、ドラマティックな
楽曲は良く出来ている。これで、何故ハード・コアと
言われているのか、そちらの方が不思議な位だ。凡百な
メロディック・デス・メタルを聴くくらいなら、こちらの方を聴く
事をお勧めする。1200円と言う値段設定も驚異的で、非常に
良心的なアルバムだ。[86]
THE SAVAGE POETRY / EDGUY
ドイツのパワー・メタル・バンドのアルバム。1995年に
リリースされたデビュー盤を再録音し直したものだ。
ボーナス・トラックとして4曲オリジナル・バージョンが
集録されているが、この5年間の成長が聴き比べれば一聴して
判る。よりドラマティックでジャーマン・パワー・メタル然とした
作品に仕上がっている。TOBIAS SAMMETの伸びのある透った
ハイ・トーン・ボーカルも素晴らしいし、最近の
ジャーマン・パワー・メタル・バンドとしては最もレベルの高い
バンドの一つと言って良いだろう。アレンジし直している事で、
楽曲もより高いレベルに引き上げられており、彼等の実力は十分
伺える。[81]
SUNRISE IN EDEN / EDENBRIDGE
オーストリアのシンフォニック・メタル・バンドのデビュー盤。
元々ソロとして活躍していたギタリスト、LANVALL率いるバンドの
作品だけあって、彼のギター・プレイは確かだ。この
手のものとしてはネオ・クラシカル的な色合いは薄く、より純然と
叙情派のヘヴィ・メタル的な作品となっている。女性
ボーカリスト、SABINE EDELSBACHERのボーカルは線が細そうだが、
透った声質でバンドの方向性に良くあっている。ドラマティックで
流麗なメロディは中々良く出来ているし、オリエンタル風の
メロディを入れる等、アイデアも悪くない。やや流麗過ぎる
感じもするので、もう少しフックが欲しい気もするが、出来は
悪くない。[82]
MANDRAKI / EDGUY
ドイツのヘヴィ・メタル・バンドの6thアルバム。音楽的には
メロディアスなパワー・メタルと言えるもので、いわゆる
ジャーマン・パワー・メタルの様な臭い大仰さを感じる
部分も多々あるが、よりヨーロッパのバンドらしい憂いのある
メロディをより押し出した作品と言って良いだろう。目新しさは
全くないが、メロディを中心に楽曲の出来はかなりレベルが高い。
TOBIAS SAMMETのボーカルも、ややBRUCE DICKINSONっぽく
感じられるところがあるものの、パワフルでより高音の伸びも
良く、雰囲気を中々良く盛り上げてくれており、彼の歌唱力の
進歩は著しい。[83]
ARCANA / EDENBRIDGE
オーストリアのヘヴィ・メタル・バンドの2ndアルバム。
方向的には完全に前作の同一線上と言える内容となっており、
ジャーマン・パワー・メタルの影響を受けた
シンフォニック・メタルだ。このバンドの一番の特徴は、女性
ボーカリストのSABINE EDELSBACHERで、線がかなり細いが、透った
女性らしいハイ・トーンを聴かせてくれている。こう書くと、
NIGHTWISH辺りにも通じそうだが、TARJAのボーカル程
特徴的ではなく、さらりと流してしまえそうなのが、
フックのなさにも繋がっていると言えるだろう。とは言え、
全体的な出来は決して悪くないし、SABINE EDELSBACHERは美しい。
[80]
APHELION / EDENBRIDGE
オーストリアのヘヴィ・メタル・バンドの3rdアルバム。女性
ボーカリスト、SABINE EDELSBACHERを擁し、NIGHTWISHと
比較される事も多いが、NIGHTWISHと比べるとオペラティックな
ボーカルは控えめで、より幻想的な雰囲気を醸し出し、随分聴き
易いのは確かだ。それ故、NIGHTWISHの様な強烈な灰汁がなく、
NIGHTWISH程のインパクトはどうしても感じられない。音楽性
自体は、前作の延長線上と言えるもので、ネオ・クラシカル的な
エッセンスを取り込んだ、シンフォニック・メタルと
言えるもので、楽曲の印象度をどうやって上げるかと
言ったところが課題だ。[80]