スウェーデンのデス・メタル・バンドの2ndアルバム。方向的には グラインド・コア系の様なコアなサウンドと言うよりは、 スラッシュ・メタル系のデス・メタルで、 メロディック・デス・メタルと言う様なメロディアスさはないが、 攻撃的ながらかなり聴き易い作品に仕上がっている。 JOHNNY DORDEVICのデス・ボイスも、パワフルながらあまり 歪ませておらず、同様に聴き易い方なので、SLAYER等の ブルータルなスラッシュ・メタルが好きならば、結構 聴けるはずだ。激烈で攻撃的で、中々格好の良いアルバムに 仕上がっている。[83]
アメリカのハード・ロック・バンドの1993年にリリースされた 3rdアルバム。DONNIE VIEのヘロイン中毒もあって、前作では 非常にヘヴィな内容の作品となってしまっていたが、それを乗り 越えてのリリースだった。にも関わらず、今度はディールを 失ったり、メンバー・チェンジと言った事等に悩まされる 事になるとは皮肉なことだ。THE BEATLESの影響を受けた、 ポップでキャッチーなナンバーのアルバムである事には 変わりないが、ドラッグ問題もあって前作での非常にヘヴィな 雰囲気はなくなっており、和やかな雰囲気を感じるアルバムに 仕上がっている。楽曲のレベルは高く、彼等ならではのさすがと 言えるだけの内容だ。[85]
アメリカのハード・ロック・バンドの1994年にリリースされた 未発表音源集。そのアルバム・タイトルが示す通り、デビュー前に 録音された初期の音源集だ。デビュー後に比べると、あの流れる 様な楽曲の完成度にはやはり劣ってしまうが、DONNIE VIEと CHIP Z'NUFFのメロディ・メイカー振りは十分感じられるだけの 作品に仕上がっている。始めて聴くならば、もちろんデビュー 以降のアルバムを聴くべきだが、ファンにとっては貴重な アルバムだ。デビュー前の音源と言っても、デモと言った様な レベルを上回っていると言っても良い。[80]
アメリカのハード・ロック・バンドの1994年にリリースされた 3rdアルバム。ドラッグ問題、メンバー・チェンジ、ディールを 失うと言った様々な問題を抱えていたが、それも一段落しての 再出発とも言える作品だ。前作では彼等にしては少し明る過ぎると 言う感もなくはなかったが、今作では適度に湿り気を帯びて、 彼等らしいTHE BEATLESの影響が感じられるポップでキャッチーな メロディが良く映えている。楽曲の出来も彼等だけあって、 安心して聴けるだけのレベルの美しい叙情的なものに 仕上がっているし、彼等のファンならば十分納得出来るだけの アルバムだ。[84]
アメリカのハード・ロック・バンドの未発表音源を集めた企画盤。 DONNIE VIEのドラッグ問題でごたごたする前の 楽曲もあるのかどうか判らないが、TWEAKEDで見せた暗く淀んだ 気だるい作風とは打って変わって、明るさを感じさせる優しい メロディに満ち溢れている。THE BEATLESの影響を受けた良質の ハード・ポップ・サウンドは相変わらずさすがと思わせるし、 企画盤でこれほどの作品を出せる事に感心させられる。通常の アルバムと言っても通用しそうな位のクオリティはあるし、単純に 未発表音源集と侮れない仕上がりだ。[85]
スウェーデンのデス・メタル・バンドの4thアルバム。コアな デス・メタル・バンドとして昔は期待された彼らだが、その方向は デス・メタルから遠く離れてしまった。ギター・メロディはより メロディを押し出したのりの良いものになっている。L-G PETROVの ボーカルは、もはやデス・ボイスと呼べるものではなく、 ノイジィに機械処理されているが、野太いラウダーなものだ。 楽曲は全体的にうねりを出しており、非常にドゥーミィな作品に なっている。ドーム・メタルというにはかなりアップ・テンポな サウンドで、ヘヴィ・ロックの様なサイケデリック色もあまり ない。とにかくスピィーディで、疾走感たっぷりなので、これは これで十分面白いのだが、旧来のファンは少し面食らう 作品だろう。[82]
ドイツのパワー・メタル・バンドの1995年にリリースされた デビュー盤。いわゆるジャーマン・パワー・メタルのような大仰な メロディのものではなく、HELLOWEENの影響外のバンドだ。 扇情的で割とリフを押し出した、ミドル・テンポから アップ・テンポの勢いを感じさせる作品で好感が持てるのだが、 いかんせん肝心のメロディがつまらないところが結構ある。楽曲の 流れの悪さも気になるところだし、ギター・ソロもつまらない。 ギター・リフは結構のりを感じさせてくれて良い出来なので もう少しメロディ・センスが磨かれれば良い作品になると思う。 [71]
アメリカのプログレッシヴ・ハード・ロック・バンドの1993年に リリースされたデビュー盤。あえてたとえるなら今の RUSHともいえる様なサウンドで、より叙情的なメロディに主眼を 置いていると言って良い。MARILLIONのSTEVE ROTHERYが プロデュースを手がけており、内容的にも プログレッシヴ・ロック的な色合いの濃い作品となっている。 ヘヴィな展開をやろうとしているところでは、どうしても線の 細さを感じる場合があるが、流麗で優しい叙情的な世界を 形作っている。もう少しめりはりの効いた音作りが出来ると かなり良くなったのだが。[78]
アメリカのプログレッシヴ・ヘヴィ・メタル・バンドの 2ndアルバム。エッヂの効いたサウンドだが、全体的にそれ程 ヘヴィさは打ち出していない。ボーカルのTED LEONARDはあまり 力強さはなく、線の細いタイプなので、これ以上バックが ヘヴィだとボーカルが負けてしまうので致し方ないだろう。 とはいうものの、割と通った高音のボーカルが出せるので、 こういう透明感のあるサウンドにはある程度合っている。 叙情的で、メロウな楽曲は割と良い出来なのだが、ヘヴィな曲が 今一つ中途半端な感じがする。楽曲はある程度オリジナリティも 出せているし、決して悪い出来ではない。[79]
詳細は全く判らないが、多分ギリシャの ゴシック・メタル・バンドのデビュー盤。ゲストとして男性 クリア・ボイスをかなりの割合で入れているが、メインはあくまで ELISABATHのソプラノだ。声質は奇麗な通った声なのだが、若干 歌いなれていないような不安定さを感じてしまう。楽曲は この手のものとしては重過ぎずもせず、軽すぎずもせずという 感じで、今一つ耽美さも出せていないのが不満だ。結局 ELISABETHのボーカルに美しさを見出すしかないのだが、あまり うまいと言えないので焦点がぼやけてしまっているような 気がする。メロディに幾分荘厳さはあるが、それ程重要な 訳ではない。[75]
デンマークのハード・ロック・バンドの1stアルバム。実際には JACKALのボーカルが入れ替わったと言うメンバー編成なのだが、 ボーカリストがバンド名の使用権を持っているために、バンド名を 変更する事ととなった。と言う事で、音楽的方向性はJACKALを 継承するかと思いきや、JACKALのIRON MAIDEN型北欧メタル的な 色合いは全くなくなっている。どちらかと言うと、今のアメリカ 風のオルタナティヴ・ロックがかったハード・ロックと言った方が 正しいだろう。楽曲の出来は決して悪くないのだが、昔のJACKALを 期待するファンには肩透かしとなる内容だろう。[81]
アメリカのハード・ロック・バンドの3年振りとなる4thアルバム。 CHIP ZNUFF、DONNIE VIEコンビのメロディ・センスの 素晴らしさは、ここでも変る事無くいかんなく発揮されている。 THE BEATLESやCHEAP TRICKの影響が見える、甘く切ないメロディは 非常に素晴らしい。CHEAP TRICKのRICK NIELSENがゲスト 参加しており、Everything Works If You Let Itを カバーしているのもその影響だろう。JAMES YOUNG GROUPの アルバム、RAISED BY WOLVESに楽曲を提供した事もあってか、 STYXのJAMES YOUNGも参加している。 ANIMALS WITH HUMAN INTELLIGENCE辺りと比べると、随分陽気な 印象を与える楽曲だけで構成されている。そういう楽曲の中にも 切なさが感じられる所が彼等の良い所だろう。これまでの 作品からすると、かなりハードで厚い音作りになっていて、 エモーショナルさは増している。ところによってはボーカルを 歪ませたりしているが、悪くはない。[84]
イギリスのゴシック・メタル・バンドのデビュー盤。方向的により 正統派ヘヴィ・メタル的で、そこにゴシック的な耽美さが味付け 的に付け加えられている。荘厳的な部分は全くない訳ではないが、 耽美な音色のキーボードを被せて来るものの、あまり耽美過ぎると 言う事もなく、そう言った色合いはかなり薄いと言って良いだろう。 アップ・テンポの楽曲が中心で、かなりテンポ良く楽曲が進んで 行くので、聴いていて飽きさせない。その一方で、The Forgotten 等はMy Dying Bride的でダークさを醸し出している。楽曲や バックはあまり文句はないのだが、残念なのは STEPHEN JOHN TOVEYで、いわゆるクリア・ボイスなのだがかなり 下手だと言う事だ。これがもう少し安定感があればかなり良い 作品になったと思えるだけに残念だ。[83]
アメリカのハード・ロック・バンドの1989年にリリースされた デビュー盤。THE BEATLES風で、甘く切ないメロディが特色の バンドだが、デビュー盤であるこの作品では、まだその オリジナリティをはっきりと確立仕切れていないと言う印象を 受ける。グラマラスでより普遍的なハード・ロックといえば聞えは 良いが、彼等としては今一つ印象の薄い作品と言えるだろう。とは 言え、She Wants More等にその後の片鱗も伺えて、流石とは 思わせるものはあるし、DONNIE VIEのハスキーな甘い歌声は ここでも良い味を出していて、出来は決して悪くない。[80]
イギリスのブラック・メタル・バンドのミニ・アルバムで、97年に 自殺したメンバー、CERNUNNOSのトリビュート・アルバム。全曲 新曲と言う訳ではなく、古い音源を取り混ぜながらの 作品になっている。7トラック、2トラックがSEなので、実際は 5曲しか収録されていない。SODOMのカバー、The Conquerorを始め 全体的にブラック・メタルらしいおどろおどろしい雰囲気が良く 出ている作品だ。失踪する叙情的でダークなメロディに、強烈な スクリーミングのブラック・メタル・ボイスは如何にもと言った 感じで、ブラック・メタルが好きでないと少し受け付けないかも 知れない。しかし、その破壊力はさすがで、出来自体は決して 悪くない。[79]
アメリカのプログレッシヴ・ヘヴィ・メタル・バンドの 3rdアルバム。方向的には、シンフォニック・ロック的な楽曲に、 メタル風の色彩を味付けしている様な感じだ。起伏は少ないが、 DREAM THEATREの落ち着いた感じの雰囲気を思い 起こさせなくもないが、流麗なサウンドとTED LEONARDの透った ボーカルは、明らかにFATES WARNING風だ。よりヘヴィな DOUGLAS A.OTTのギターが厚みを付けている。しかし、弦楽器 奏者が1人しかいないのは、ライヴでは苦しいかもしれない。 叙情的で、爽やかなサウンドで非常に聴き易い作品で、中々質の 高いアルバムに仕上がっている。[84]
元ARMORD SAINT、現FATES WARNINGのベーシスト、JOEY VERA、 FATES WARNINGのボーカリスト、RAY ALDER、AGENT STEELの ギタリスト、BERNIE VERSAILES、FACE TO FACEのドラマー、 PETE PARADAによるプロジェクト・バンドのアルバム。方向的には モダン・ヘヴィネスと言えるものだが、ヘヴィ・メタルの テイストはしっかりと残っている。BRUCE DICKINSONのソロで、 そう言った系統の楽曲に、よりめりはりを付けたような感じだ。 全体的に叙情的で愁いがあって、楽曲によってはRAY ALDERが 歌っているだけあって、I Don't Need等、QUEENSRYCHE的な 感じのするものもある。[86]
アメリカのハード・ロック・バンドの10thアルバム。方向的には これまでと全く変ることなく、パワー・ポップとも言える様な THE BEATLESの影響を受けた、キャッチーな作品だ。甘く切ない メロディはさすがと言えるだけのもので、どの楽曲を取っても 素晴らしいアルバムに仕上がっている。DONNIE VIEとCHIP ZNUFFの メロディ・センスの素晴らしさを堪能十分出来る。DONNIE VIEの 少しハスキーで粘着質なボーカルとコーラスも非常に良い感じで、 彼等のファンならば十分満足出来るレベルと言って良いだろう。 メロディだけでなく、フックも十分あって、引き付けるだけの 魅力がある。[88]
スウェーデンのデス・メタル・バンドの6thアルバム。とは 言っても、今やこのバンドがデス・メタルであったのも過去の話と 言えるだろう。この作品でのその方向性は、ヘヴィ・メタル色の 強いロックンロールと言った感じで、ラウドでヘヴィなアルバムに 仕上がっている。L-G PETROVのボーカルも、怒号の様な ボーカルだが、デス・ボイス的な感じはしない。楽曲によっては 非常にダークだが、そう言ったものより、むしろテンポの良い 楽曲の方が面白さが出ている。デス・メタルから離れていった後の 作品としては、最も聴きごたえのあるアルバムだが、中盤以降やや 中だるみと言った感じもしなくはない。[80]
スウェーデンのデス・メタル・バンドの1994年にリリースされた 企画盤。1992年にリリースされたオムニバス盤、GODS OF GRIND、 1993年にリリースされたミニ・アルバム、HOLLOWMAN、1994年に リリースされたミニ・アルバム、OUT OF HANDの収録曲からなる 作品だ。10曲中、8曲がアルバム未収録曲で、これらの ミニ・アルバムを集める必要がない事を考えると、有り難い 企画だ。コアなサウンドのバンドで、この作品でもそう言う面影が 残っている楽曲もあるが、全体的にブルータリティと言う面はこの 頃になると落ちて来ている。グラインド・コアと言うよりは スラッシュ・メタル的な色合いが強く、結構聴き易い。[80]
スウェーデンのデス・メタル・バンドの1990年にリリースされた デビュー盤。ブルータルなデス・メタルだが、北欧らしい 荒涼感があり、凶悪な雰囲気を醸し出している。バックの サウンドはスラッシュ・メタル的で、かなり速いが ブラスト・ビート等は使われていないので、それなりに聴き 易さはある。後によりロック的な判り易い方向に向かって行った 一方、そのエナジーは失われて行ったが、この作品ではまだ 若かりし日のカオスの様な暗黒のサウンドを聴かせてくれている。 ダークな楽曲は、タイトな演奏もあってめりはりが感じられ、 中々格好の良い作品に仕上がっている。[84]
スウェーデンのデス・メタル・バンドの1993年にリリースされた 3rdアルバム。これまでは凶悪さを感じさせるスラッシュ・メタル 型のデス・メタルだったが、今作ではよりシンプルでコアな 方向へと変化している。その迫力は変る事はないが、ギターの 重厚さが感じられなくなり、ある意味彼等自身の持ち味を 見失っていると言う感じがする。ある意味ハード・コア的であり、 ある意味モダン・ヘヴィネス的で、悪い意味でPANTERA等に インスパイアされてしまった様な気がする。元々のファンがこう 言った変化を望むとは思えないし、勘違いしているとしか言い 様のない作品だ。[75]
アメリカのプログレッシヴ・メタル・バンドの4thアルバム。 方向的にはこれまでの延長線上ともいえる作品で、 DREAM THEATERの落ち着いた風の楽曲に、後期RUSHっぽい演奏、 FATES WARNINGのRAY ALDERっぽいTED LEONARDのボーカルと言った 辺りは変わりない。目新しさはあまりないが、叙情的で牧歌的な 楽曲で、ほのぼのとしていながらも近未来的な洗練さを 感じさせてくれるサウンドのアルバムに仕上がっている。 テクニカルな演奏、落ち着いてはいるがめりはりのある楽曲とも 十分納得の行くだけのレベルには達しているし、安心して 聴いていられる。[81]
詳細は良く判らないが、ゴシック・メタル・バンドの 2ndアルバム、GONEからの1stシングル。シングル・カット曲の タイトル・トラックに、Close(My Love)の エディット・バージョンの全2曲と言う構成になっている。 愁いのあるメロディのゴシック・メタルだが、全体的にテンポが 良く、特にアップ・テンポのNew Downはかなり普通の ヘヴィ・メタルと言った感じの色合いが強い。ややCHARONっぽさを 感じさせるサウンドだが、MIKA TAURIAINEN透った クリア・ボイスがまた違った趣を感じさせる。メロディ等は 秀逸だし、ヘヴィ・メタル色の強いゴシック・メタルとしては かなりグレードが高い。[85]
フィンランドのゴシック・メタル・バンドの2ndアルバム。方向的には あまりヘヴィな感じはないのだが、初期のPARADISE LOSTの流れを汲む パワー・メタル系のゴシック・メタルと言って良いだろう。同郷の CHARON辺りにも通ずるものがあるが、もっとソフトでロマンティックな 作品に仕上がっている。ミドル・テンポで流れが良く、叙情的で流麗な 作品に仕上がっており、MIKA TAURIAINENの透ったクリア・ボイスが、 バンドの淡い雰囲気を助長している。やや一本調子で聴いていて飽きて 来るところがなきにしもあらずだが、メロディの出来等中々のもので、 ゴシック・ロック的な色合いはほとんどないが、ロマンティック派の ゴシック・メタルが好きなら聴いて損はない。[84]
ノルウェイのメロディック・デス・メタル・バンドの 2ndアルバム。この手のものとしては、やや歎美で憂いが強く、 ゴシック・メタル的なエッセンスも若干感じられなくはない。 メロディ自体は流麗だが、シンフォニックなキーボードから エッヂの効いたギターへドラマティックな楽曲がダイナミックに 展開していて聴き応えがある。女性の悲鳴等を挿入し、 シアトリカルな色合いが、CRADLE OF FILTH的な感じがする。 OLE ALEXANDER MYRHOLTによるだみ声のデス・ボイスが ブラック・メタル的な狂気を感じさせるので、そう言った感が一層 強い。[81]
スウェーデンのデス・メタル・バンドの7thアルバム。一時期 デス・メタルからの脱却を試みていた彼等だが、今作では 従来からのスラッシュ・メタル型のブルータルなデス・メタルを 聴かせてくれている。ややモダンな感じを受けるところもあるし、 意外と聴き易いリフだったりするが、昔のファンからすると、 彼等としては久々に攻撃的で格好の良いアルバムと言って 良いだろう。デス・ボイスのディストーションも スラッシュ・メタルでも良く聴けるレベルで余り酷くなく、中々 パワフルで聴き応えがある。方向的にはSLAYERに近く、 破壊力のあるアルバムに仕上がっている。[85]
フィンランドのメロディック・デス・メタル・バンドの デビュー盤。方向的には、パワー・メタル的なエッセンスを強く 押し出したメロディック・デス・メタルだが、MITHOTYN等にも 通ずる部分のある、北欧らしい独特の民族音楽色があり、その ジャケットを見ても判る通り、バイキング・メタルと言っても 良いだろう。楽曲によってはこう言うバイキング・メタル的な色が 薄くなり、どちらかと言うとジャーマン・パワー・メタル的な エッセンスが出てくる部分がある。ボーカリスト、JAN MAENPAAは デス・ボイスとクリア・ボイスを併用し、上手いと言う 訳ではないが、メロディアスさを打ち出す部分での変化を 入れていて悪くない。[83]
アメリカのハード・ロック・バンドの11thアルバム。 THE BEATLESやCHEAP TRICKの影響を受けた、ポップ・センス溢れる パワー・ポップ的な作品である事はこれまでと変わりない。 DONNIE VIEとCHIP ZNUFFのメロディ・センスの素晴らしさは 相変わらずで、彼等のファンならば十分満足出来るだろう。 どことなくオーソドックスさを感じさせながら、オリジナリティも 確立しており、実に味わい深い。気だるさと憂いを含んでていて、 楽曲の出来も非常に良いだけに、本国でももっと評価されてもと 思えるだけのレベルの高さを見せてくれているアルバムだ。[85]
ノルウェイのバイキング・メタル・バンドの6thアルバム。 MITHOTYNの様な、勇壮さを押し出したタイプの バイキング・メタルとは違い、サウンド自体はより ブラック・メタル然としていると言った方が良いだろう。静と動の 対比を入れ、ゴシック風味のある静かで不気味なパートを入れて 来たりする。この不気味で不穏な静けさと、攻撃的で邪悪な動的な 部分がコントラストを描き、非常に壮大でドラマティックさを 感じさせるアルバムになっている。ブラック・メタルとしての 禍禍しさがそこはかとなく漂い、非常に危険な雰囲気が良く 出ている。[85]
フィンランドのゴシック・メタル・バンドの3rdアルバム。 方向的にはCHARON等と同じく、ポップ色の強いアップ・テンポの ゴシック・メタルだが、CHARONと比べるとよりポップな感じを 受ける。その分メタル色は希薄に感じられるが、聴き易い 作品である事は確かだ。キャッチーなメロディは非常にポップで、 一般のポップ・ロック・ファンにも十分聴ける作品だと言って 良いだろう。スロー・テンポな楽曲もあり、CHARON程のテンポ 良さはなく、やや落ち着いてしまっている様に思える 部分もあるし、ゴシック・メタルのリスナーには少しソフト 過ぎるかも知れない。[85]
アメリカのプログレッシヴ・メタル・バンドの6thアルバム。 方向的にはこれまでの延長線上と言えるもので、この 手のものとしてはDREAM THEATERよりはFATES WARNINGやRUSH的な 色合いを感じさせるもので、シンフォニックで壮大さを感じさせる 作品に仕上がっている。その分DREAM THEATERの様なテクニカルな 演奏や派手な展開と言ったものはそう多くないので、どうしても 地味な印象を受けるのはいがめないが、洗練された メランコリックな楽曲は中々良く出来ている。元々センスの 良かったバンドだけに、期待を超える程でもないが、ファンならば 十分納得の行く出来だ。[82]