SOUL DECAY / ESPINOZA
元NASTY IDOLSのギタリスト、PETER ESPINOZAを中心に、
元BEWARPのボーカリスト、BOBBY等、元中堅バンドの
ミュージシャン等で結成されたスウェーデンの
ヘヴィ・メタル・バンドのデビュー盤。しかし楽曲はそういう、
メンバーの経歴からは外れて、かなりヘヴィでスラッシィな作品に
仕上がっている。特にボーカルが元あのBEWARPとは思えない様な、
野太い声で歌っているので、BEWARPとかを意識していると外す
事になるだろう。曲は荒っぽさを感じるし、やりたい事は判るが、
楽曲に面白味が欠け、今一つ楽しめないアルバムだ。[75]
HYP-SELFNOSIS / ESCAPE
カナダのハード・ロック・バンドの1994年にリリースされた
アルバム。泣きのメロディが全編にヒューチャーされており、
キーボードも効果的に導入されているし、ポップでキャッチーな
メロディは親しみやすい。CHUCK THOMPSONのボーカルは
まずまずというレベルだが、湿った声質はある程度バンドの
カラーにも合っていて悪くない。サウンドはエッヂが効いていて、
かなり厚目の作りで扇情感を感じさせてくれる。一方でチープで
臭く感じる部分もあるし、曲の作りもまだ甘くB級と言わざるを
得ないのだが、日本人向けの憂いのあるメロディで結構聴ける。
[86]
ESCAPE / ESCAPE
カナダに同名のバンドがいるが、これはそれとは異なるドイツの
ヘヴィ・メタル・バンドで、1989年にリリースされた多分唯一の
アルバム。メロディアスで叙情的なヘヴィ・メタルで、全体的に
どことなくチープさが漂うがサビは中々印象的だ。
Joachim Weberのボーカルはややダーティで、内容からすると
それ程外れたタイプでもないのだが、平坦に感じられるのは
いかんともしがたい。楽曲はアップ・テンポで扇情的な部分もあり、
キャッチーなメロディ・センスがあって、十分
格好の良いものだし、アレンジも悪くない。B級メタルの
掘り出し物的な作品で、もう少しプロダクションが良ければ
かなり良い作品になっただろう。[87]
SOMNIUM OBMUTUM / ESTATIC FEAR
詳細は全く判らないが、
ゴシック/メロディック・デス・メタル・バンドのアルバム。
プロローグたるDes Nachtens Suss Gedoneを除けばわずか
3曲なのだが、32分を超えるSomnium Obmutumを始め大作指向である
事は間違いない。とはいうものの、Somnium Obmutumは
組曲でこそないものの、パート、パートでぶつ切れで完全に
独立しており、わざわざ一曲としての体裁をとっている理由が良く
判らない。BEOWULFはデス・ボイスとクリア・ボイスを使い分け、
女性ソプラノをゲストとして迎える構成をとっており、この女性
ソプラノがなかなか美しい。デス・ボイスは低く吐く出す様な
感じで、それ程不快感を煽るものではない。
アコースティック・ギターとフルートが耽美的な色合いをだし、
こういった部分のメロディはなかなか美しい。全体的にはそれ程
耽美な色合いは強くなく、よりメロディック・デス・メタル的だ。
楽曲としての構成は疑問に感じるがメロディ等は結構良く
出来ている。[82]