FEAR NOT / FEAR NOT
アメリカのクリスチャン・メタル・バンドの1993年に
リリースされたデビュー盤。南部的なメンバー・ショットに、
サイケデリックなアルバム・ジャケットと泥臭いバンドを
想像させるが、実際そういう部分もあるものの、もっと普遍的な
アメリカン・ハード・ロック言った方が良いだろう。土臭い、
パワフルなアメリカン・ハード・ロックで、
クリスチャン・メタル・バンドとしてはやや変わり種と言った
感じだ。楽曲のレベルはそれなりで悪くないし、
クリスチャン・メタルということを考えなくてもそれなりに
楽しめるだろう。[81]
TUNNEL VISIONS / FERNGULLY
詳細は良く判らないが、ドイツの
ジャーマン・パワー・メタル・バンドの500枚限定プレスの
自費出版アルバムで、恐らくデビュー盤。ということで
プロモーション的な色合いが強く、まだまだ作り込みが足りないし
楽曲の練りも足りない事はいがめない。方向的にはメロディックな
正当的派ヘヴィ・メタルで、BLIND GUARDIANの影響が
少しあるようだが、それほどジャーマン・パワー・メタル的な
匂いはきつくない。音はクリアだがプロダクションがいまいち
良くなくて出だしの音の入り方など、下手な小細工をしないで
そのまま勢いに任せてやった方が良かった。楽曲的には扇情的で
勢いがあって決して悪くはない。もちょっと経験つんで、
ある程度のプロデュースを受ければかなり
良くなるのではないだろうかという期待は抱かせる。[77]
OBSOLETE / FEAR FACTORY
アメリカのエクストリーム系ヘヴィ・メタル・バンドの3rd
アルバム。ボーカルのBURTON C.BELLはモダン・ヘヴィネス風の
吐きつけるようなシャウトするタイプだが、変化を
うまくつけていて、単純にがなりつけている訳ではない。
テクノ的なエッセンスを持ち込んでいる事はかなり特異な
タイプだと言えるが、その一方でバックのサウンドは攻撃的で
ラウドな、いかにもヘヴィ・メタルらしいサウンドだ。これまでと
比べると、結構複雑で、このバンドが持っている実験音楽的な
部分がより押し進められた形と言っても良い。ベーシックな
部分は割とオーソドックス的に押えているので、ユニークながらも
この手の者としては割と聴ける方だろう。[81]
RESURRECTION / FEAR FACTORY
アメリカのテクノ/インダストリアル系ヘヴィ・メタル・バンドの
4曲入り来日記念シングル。シングル・カットの
タイトル・トラックを除けば全て未発表曲だ。Carsはテクノ
然とした、このバンドとしては珍しいポップな柔らかい曲調だが、
やはりこのバンドの真価としては、それ以降の
スラッシュ/インダストリアル的なサウンドにあると言って
良いだろう。Messiahはゲーム用に作られたもので、このゲームの
サウンドトラックに入っているらしいが、未聴だ。このMessiahと
Concertoの怒涛のリフは素晴らしく、CHRISTIAN OLDE WOLBERSの
地響きを立てるようなベースと、PRYMOND HERERAの破壊力のある
ドラムは圧巻だ。[80]
EQUILIBRIUM / FERGIE FREDERIKSEN
アメリカのロック・バンド、TOTOの元ボーカリストによる初の
ソロ・アルバム。方向的には彼のボーカルを全面に押し出した、
AORテイスト溢れるロック・アルバムだが、意外にハードな
サウンドとなっており、聴き応えのある作品に仕上がっている。
ポップなメロディは非常に素晴らしいし、彼の卓越したボーカルも
素晴らしく、楽曲の出来も申し分なく、非常にクオリティの高い
アルバムだと言って良いだろう。アダルトな雰囲気に満ちた、
心洗われる美しい楽曲群は文句の付け様がない。落ち着いた
作品で、じっくりと聴き込める素晴らしいロック・アルバムだ。
[88]
DIGIMORTAL / FEAR FACTORY
アメリカのヘヴィ・ロック・バンドの3年振りとなる4thアルバム。
スラッシィな感じを受けるリフとビートの作品だが、これまでの
作品と比べると、全体的にシンプルな音つくりがなされている。
ややダンサブルでのりの良さを感じさせ、What Will Become?等は
SEPULTULAっぽさを感じさせる部分もある。とは言え
シンプルになった分、メタルっぽさは薄れ、よりインダストリー
的な感じを受ける作品となっているが、後半になるとより激烈で
ヘヴィになって来て、凄まじさを感じさせてくれる。
ヘヴィ・メタルではないが、エモーショナルで攻撃的なサウンドは
通ずるものがある。[84]
CONCRETE / FEAR FACTORY
アメリカのヘヴィ・ロック・バンドのアルバム。バンドは既に
解散しており、これは1991年に製作され、お蔵入りになっていた
幻のデビュー盤だ。彼等の源流とも言える作品だけあって、
彼等のうちでも最も原始的で混沌とした作品と言えるだろう。
彼等らしいテクノやインダストリアル・メタル的なエッセンスを
前面に押し出しながらも、ブラスト・ビートを入れたり、
デス・メタル的なデス・ボイスによる咆哮を入れたりしている。
非常に先鋭的で、強烈なエナジーを感じさせる作品で、非常に
アバンギャルドなものに仕上がっている。その分、後々の作品と
比べると、非常に聴き辛いところもあるのだが、このパトスは
凄まじい。[86]