APHRODISIAC / FM
イギリスのハード・ロック・バンドの1992年にリリースされた
4thアルバム。N.W.O.B.H.M.期に登場し、良質のハード・ポップを
聴かせてくれたが、前作辺りからそう言った方向性からやや違った
方へと向き出しており、叙情的でキャッチーなメロディを
聴かせながらも、ブリティッシュ・ブルーズ的な臭いのする作品に
仕上がっている。アダルトでクールな感じのする
ブリティッシュ・ロックと言った感じで、派手さはないが、
メロディを始め、楽曲の出来は良い。ややBAD COMPANYっぽさも
感じる作品で、楽曲の出来も悪くないし、味わい深いアルバムに
仕上がっている。[83]
ACOUSTICAL INTERCOURSE / FM
イギリスのハード・ロック・バンドの1993年にリリースされた
ライヴ盤。いわゆる通常のライヴ盤ではなく、
アルバム・タイトルが示す通りのアコースティック・ライヴ盤だ。
1992年にイギリスで行った公演の模様を収めたもので、大半が
カバーと言う構成になっている。BAD COMPANYやFREEと言った、
ここ最近の作品で感じられるブリティッシュ・ブルーズの影響を
伺わせる選曲もあって、なるほどと思える一面もあると同時に、
METALLICAのEnter Sandmanをカバーしていて、今一つ意味不明な
部分もある。とは言え、アコースティック・ライヴらしい
しっとりした雰囲気が良く出ていて、悪くない出来だ。[81]
CLOSER TO HEAVEN / FM
イギリスのハード・ロック・バンドの1993年にリリースされた
5thアルバム。デビュー当時のハード・ポップ路線から、ここ最近
ブリティッシュ・ロック的な方向へと転換を図っていたが、
今作では前作のアコースティック・ライヴの影響もあってか、
Closer To Heaven等は、よりしんみりとした叙情的で長閑な
じっくりと聴かせると言った感じの楽曲だ。むしろ全体的には
ハード・ロック然とした作品になっているが、APHRODISIACで
聴かれた様なクールさは減退し、出来自体は良く出来ていると
思うが、今一つ面白味にも欠ける様な気がする。[80]
DEAD MAN'S SHOES / FM
イギリスのブルージィなハード・ロック・バンドの5thアルバム。
元々N.W.O.B.H.M.末期に登場したハード・ポップ系統の
バンドだったのだが、前作辺りからそう言った方向性も
変質して来ており、どちらかと言うとブルージィな方向へと
走っていると言えるだろう。原点回帰とか言って
ブルーズ・ロックに走ってしまうバンドがたまにいるが、そう
言ったものの中ではそれなりに良い結果をだした数少ない
例だろう。音楽性自体はクールな感覚を湛えており、
BAD COMPANYに類似した洗練された作品で、昔からのファンには
苦しいかも知れない。[84]
PARAPHERNALIA / FM
前作DEAD MAN'S SHOESと同時に制作されているので、
DEAD MAN'S SHOESと方向的には全く同じ路線だ。そういった
意味では前作のファンはまず外すことはないだろう。ブルーズ色の
強い、ソウルフルな内容で、落ち着いたアダルトな作品だ。楽曲の
出来も安定しているし、プロダクションもしっかりしていて、
安心して聴くことが出来る。日本盤には1989年のライヴが
ボーナスCDとして付いているが、まだキャッチーなメロディの
ハード・ロックをやっていた頃で、この新作とはかなり趣が違う。
今のFMしか知らなければBad Luck等を聴けばちょっと
カルチャー・ショックを受けるかも知れない。[84]