THE COMPLICATED FUTILLTY OF IGNORANCE / FUDGE TUNNEL
イギリスのヘヴィ・ロック・バンドの1994年にリリースされた
3rdアルバム。方向的には、モダン・ヘヴィネスと
呼べるものだが、PANTERAの様な怒りを全面に押し出したものとは
また違って、ニュー・ウェーブ的なエッセンスも持っている。
とは言っても、これまでよりもかなりアグレッシヴでヘヴィな
サウンド作りをする様になってきており、かなりヘヴィ・メタル
側への歩み寄りが感じられるアルバムに仕上がっている。
エッヂのたったリフはスラッシュ・メタル的で、グルーヴィで
かなり聴き応えのあるアルバムに仕上がっている。[81]
THE AUTUMN YEAR / FURBAWL
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの1994年に
リリースされた2ndアルバム。JOHAN AXELSSONのデス・ボイスは、
歪ませてはいるものの、かなりノーマルなボーカルに近いもので、
この手のものとしてはかなり聴き易い方だろう。
モダン・ヘヴィネス的な怒りを感じさせるサウンドで、時には
メロディアスなギターを入れてきたり、ダークな展開を
見せてきたりと、割とユニークさを感じさせるアルバムに
仕上がっている。これと言った楽曲はないが、のりの良さが良く
出ていて、雰囲気の面白さは良く伝わってくるアルバムだ。[80]
TRAGEDIES / FUNERAL
詳細は良く判らないが、ノルウェーの
ゴシック/メロディック・デス・メタル・バンドのアルバム。
元THE 3RD AND THE MORTALのKARIにも劣らない
ハイトーン・ソプラノの女性ボーカリスト、TORIL SNYENと
デス・ボイスのツイン・ボーカルだが、楽曲とTORILのボーカルが
あまりにも耽美すぎてデス・ボイスが完全に浮いてしまっている。
5曲で約1時間と大作主義的傾向だが、ヘヴィで沈み込むような
スローな楽曲には特に展開がある訳でもなく、冗長な
感じがするのはいかんともしがたい。デス・ボイス、あまりにも
暗い楽曲と冗長であると難点が多いのだが、ゴシックの耽美さは
十分味わえる。[85]
CREEP DIETS / FUDGE TUNNEL
イギリスのパンク・バンドの1993年にリリースされた
2ndアルバム。1992年にリリースされたミニ・アルバム、
TEETH EPがボーナス・トラックとして集録されている。
パンクといっても、HELMETの様なハード・コア的なアルバムで、
ハード・ロック的な味付けもあり、メロディはどちらかと言うと
グランジっぽい、言わばミクスチャー・ロックとでも言える様な
作品だ。コアで攻撃的で、全体的に雑多とした感じがする
作品だが、出来自体は割と良い。特にギター・リフ辺りに
ヘヴィ・メタル的な雰囲気を匂わせていて結構聴ける。[79]
NEVER AGAIN / FUNHOUSE
詳細は良く判らないが、恐らくスウェーデンの
ゴシック・ロック・バンドの1996年にリリースされたアルバム。
方向的にはTHE CULTをより気だるく、耽美にかつヘヴィにした様な
感じのサウンドのアルバムだ。楽曲的には明らかに
ゴシック・ロックと言う感じだが、割と厚い音作りが
ヘヴィ・メタル側のリスナーにもTYPE O NEGATIVE等と同じ様に
受け入れられるのではないだろうか。MIKAEL HARTHE TJOBLOMの
ボーカルもIAN ASTBURYを低くした様な声質だ。歪ませたギターの
音色も幽玄とした雰囲気を倍加していて良い味が出ている。[84]
IN A WORD / FUDGE TUNNEL
イギリスのハード・コア・パンク・バンドの1995年に
リリースされたライヴ・アルバム。この手のものとしては
うねりまくった最もグルーヴィなバンドと言えるサウンドで、
それはライヴでより真価を発揮していると思う。ノイジィで
グルーヴィなサウンドは圧巻で、決してヘヴィ・メタル
的ではないが、ハードなサウンドも聴きごたえがある。一種、
ミクスチャ的とも言える音楽性は中々ユニークで面白い。独特の
味が出ていて、中々良い作品に仕上がっていると言って
良いだろう。聴いていて引き付けるだけのものがこの
アルバムにはある。[84]
FUNNY MONEY / FUNNY MONEY
アメリカのハード・ロックンロール・バンド、KIXの
元ボーカリスト、STEVE WHITEMAN率いるハード・ロック・バンドの
1stアルバム。方向的にはハードでのりのあるロックンロールで、
ボーカルが同じと言う事もあって、KIXにかなり近い印象を
受ける。KIX程、縦のりロックンロールと言う感じは受けないが、
それでもKIXの香りは十分するので、彼等のファンは聴いても
損はないだろう。楽曲の出来も中々良いし、STEVE WHITEMANの
ソング・ライティングのセンスはかなり評価出来る。アメリカの
バンドらしい、のりの良さがあって、良く出来たアルバムだ。
[84]
PURE SATANIC BLASPHEMY / FUNERIS NOCTURNUM
フィンランドのブラック・メタル・バンドのデビュー盤。
方向的にはEMPERROR等の流れを汲む、北欧ブラック・メタルと
言って良いだろう。荒涼としたRUHOのシンフォニックな
キーボードは正しくそれだし、TORMENTのドラミングは本当に
叩けるのかと言う位速い。楽曲自体はブラスト・ビートが
あくまでも中心で、それ程EMPERRORっぽさはなく、どちらかと
言うとMARDUK等に通ずると言える。荒涼としたメロディに、
攻撃的なブラスト・ビート、凶悪なブラック・メタル・ボイスと
正しくサタニックな雰囲気を醸し出している暗黒のサウンドだ。
[80]
SOMETHING LIKE HUMAN / FUEL
アメリカのオルタナティヴ・ロック・バンドの2ndアルバム。
オルタナティヴ・ロックらしいどこか醒めた様な斜に構えた愁いを
帯びたメロディのアルバムだが、よりモダンでヘヴィな
音作りがなされており、彼等らしいオリジナリティが感じられる
作品となっている。ヘヴィ・ロックとオルタナティヴ・ロックの
美味しいところを合わせた様な、如何にも今風の流行の音楽と
言った感じだが、楽曲の出来も、完成度も確かに売れるだけの
レベルには十分達している。PEARL JAMがヒットさせた路線を
上手く取り込んだ、ヘヴィ・ロック・アルバムに仕上がっている。
[83]
FROM THE ASPECT OF DARKLY ILLUMINATED / FUNERIS NOCTURNUM
フィンランドのブラック・メタル・バンドの2ndアルバム。
方向的には荒涼としたメロディと、ブルータルな
ブラスト・ビートによる凶悪さを感じさせる、いかにも
北欧ブラック・メタルと言った感じの作品だ。とは言え、この
手のものとしては、キーボードがかなり引っ込み気味で、
メロディは主にギターが体現しているため、荒涼さが今一つと言う
感じもする。吼えまくるボーカルと、ドラムが叩き出す狂気の
ブラスト・ビートが非常に邪悪さを出しているし、
アグレッションが効いていて、聴き応えのあるアルバムに
仕上がっているが、出来ればもう少しキーボードによる荒涼さを
加えて変化を付けたかったところだ。[80]
EVEN BETTER...LIVE! / FUNNY MONEY
アメリカのハード・ロック・バンドのライヴ盤。KIXの
元ボーカリスト、STEVE WHITEMANを中心としたバンドで、
音楽的にもより軽快さを押し出したものではあるが、それに
近いものと言えるだろう。ライヴだからと言って、変にKIXの
ヒット曲を入れたりしないところは好感が持てる。厚いコーラスを
効かせているところもそのままやっているし、演奏的にはきっちり
まとまっており、ライヴ・バンドとしての魅力は良く出ていると
思う。プロダクションは悪いと言う訳ではないが、距離感があって
妙に醒めて聴こえてしまうので、今一つ盛り上がりに欠けるのが
残念だ。[79]
CODE 666-RELIGION SYNDROME DECEASED / FUNERIS NOCTURNUM
フィンランドのブラック・メタル・バンドの3rdアルバム。
基本的には前作の延長線上と言えるもので、北欧
ブラック・メタルらしい、荒涼としたメロディの楽曲を
聴かせてくれているが、時によってはより普遍的な
ドラマティックさを見せる事もある。どちらかと言うと、より
デスラッシュ的な部分がある作品で、ブラック・メタルっぽくなく
感じる部分も少なからずあるのだが、アップ・テンポの
ブラック・メタル的な暴虐さは失われておらず、そのサウンドの
核となっているのは、あくまでもエクストリーム色溢れる
サウンドだと言って良いだろう。[80]