LYING WITH ANGELS / GERRY & SIMON LAFFY
イギリスのハード・ロック・バンド、GIRL、SHEAR GREEDの
GERRY LAFFY、SIMON LAFFY兄弟によるプロジェクト・バンドの
1994年にリリースされたアルバム。全編に渡って、
アコースティック・ギターが中心の、ほのぼのとした優しい
サウンドのアルバムに仕上がっている。GIRLを期待するならば
思惑は外れるだろうが、しみじみとした雰囲気は悪くない。とは
言っても、完全に普通のロックと言った感じで、ややハードな
部分もあるものの、ハード・ロック的な色合いは非常に薄い
作品だ。Sweet Jamaica等は、ラテン風のメロディが取り
込まれていて中々面白い。[80]
SACRED GROOVE / GEORGE LYNCH
元DOKKENのアメリカ人ギタリストによる1993年にリリースされた
初のソロ・アルバム。自らのバンド、LYNCH MOBのアルバムの
リリースの目処もたっていない状態で発表され、後にDOKKENの
再結成へと向かって行く訳だが。いわゆる
ギター・インストルゥーメンタルと言える楽曲もあるが、主体は
ボーカルが入ったもので、RAY GILLANやGLENN HUGHES、NELSON兄弟
等が取っている。方向的には、意外とメロディアスで、
LYNCH MOBよりはDOKKENに近い部分もある。中々グルーヴィで聴き
応えはあるし、LYNCH MOBよりはファンには嬉しい作品だろう。
[84]
KISS / GENE SIMMONS
アメリカのハード・ロック・バンド、KISSのメンバーが1978年に
それぞれのソロ・アルバムをリリースしたが、これはそのうちの
1枚で、中心人物であるベーシストのGENE SIMMONSによる
ソロ・アルバム。GENE SIMMONSのキャラクターには今一つ合わない
様な、ごく普通のアメリカン・ロックで、ハード・ロックと言う
部分は少ないため幾分拍子抜けするかもしれない。とは言え、
楽曲は悪くないし、GENE SIMONSらしいエッセンスに溢れた
作品ではある。他のメンバーがリリースしたアルバムと比べると
PAUL STANLEYについで最もKISSらしいアルバムだ。[80]
GWG / GENE WALK GROUP
GENE WALKというアメリカ人シンガーが中心となって1993年に
リリースされたハード・ロック・プロジェクト・バンドの
ミニ・アルバム。どういった人脈かは判らないがT.M.STEVENS等も
参加している。キャーッチーで格好の良い叙情的な
アメリカン・ハード・ロックで中々良い出来なのだが、肝心の
GENE WALK自身の歌唱力には大いに疑問をもたざるをえない。
メロディ、コーラスと言ったところが結構良い出来なだけに
残念だ。後半はNIGHT RANGER風の曲が出てきたりと方向的に
まとまりがなく、散漫な印象を受けるが、楽曲自体の出来は
悪くない。[83]
THE PENDULUM / GERARD
NOVELLA、EARTHSHAKERのキーボーディストだった永川敏郎率いる
日本のプログレッシヴ・ロック・バンドの再結成後初となる
3rdアルバム。当初アメリカ、フランス、ブラジルでのみの
リリースだったが、このたび本国日本でも
リリースされることになった。かなりヘヴィなセンスを持った
アルバムだが、それもキーボードの音の厚みによるもので、
ヘヴィ・メタルとはまた違ったものだ。扇情的な楽曲が並び、
ギターがいないことなどあまり感じさせない、重厚な
キーボードのプレイには圧倒される。美しい楽曲はセンスの
良さを感じさせ、実に格好良い。ROBIN G.SUCHYのボーカルには
少し不満が残らなくもないが、バンドの方向性からすると
割とあっている方だろう。[87]
BLACK SCIENCE / GEEZER
BLACK SABBATHのベーシスト、GEEZER BUTLER率いる
プロジェクト・バンドの2ndアルバム。BLACK SABBATH同様重厚な
雰囲気だが、その方向性はモダンで、いかにも1990年代を
感じさせる斬新なものだ。1stでもそういった傾向はあったが、
この2ndでよりその方向性を顕著にしている。その分、
オーバー・プロデュース気味で、今一つのりが悪くて味気なく
感じなくもない。その重厚なギター・リフは十分
ヘヴィ・メタル的だが、楽曲やその雰囲気はインダストリアル、
モダン・ヘヴィネスといった感が強く、前ボーカリストのいた
FEAR FACTORY等の雰囲気が強い。[81]
PANDORA'S BOX / GERARD
元EARTHSHAKERの永川敏郎率いる日本のプログレッシヴ・バンドの
EARTHSHAKER解散に伴う復活第2作。ギター・レスでキーボードが
前面にフューチャーされた物だが、非常に扇情的でギター・レスを
感じさせないキーボードが非常に効果的だ。そのキーボードが
奏でるメロディはときにより非常にハード・ロック的
アティチュードを持ち、ヘヴィ・メタル方面のファンにも
受け入れられる作品だろう。それを支えるリズム隊の出来も良く、
全体的に高品質の作品に仕上がっている。あまり線の太くない
透ったROBIN SUCHYのボーカルが少し入っているが、中途半端に
少し入れるくらいならむしろインストルゥーメンタルでも
良かったのではないだろうか。とはいえ、楽曲の出来、演奏ともに
素晴らしい出来で、高く評価の出来る作品には違いない。[90]
EVIDENCE OF TRUE LOVE / GERARD
元EARTHSHAKERのキーボード、永川敏郎率いる、日本の
プログレッシヴ・ロック・バンドの3曲入りミニ・アルバム。
DeliriumはPANDORA'S BOXのフランス盤に収録されていたもので、
日本盤では未収録だったものだ。Evidence Of True Loveは昔の
曲の焼き直しで、次に出る予定となっている昔の楽曲を
リレコーディングしたアルバムの予告編みたいなものだろう。
故に、純然たる新曲は、Dirty Huntersのみであるが、十分
価値はある。方向的にはPANDORA'S BOXと同方向の
作品ではあるが、よりキーボードを押し出した感じがする。
ギターレスだが、ハードでテクニカルなバンドであり、
ハード・ロック側のファンにも十分聴きごたえのある作品に
仕上がっている。[84]
ARCHIVE 1967-75 / GENESIS
イギリスのプログレッシヴ・ロック・バンドの古井希少音源を
集めた4枚組みのアルバム。その後、ソロとしても成功した
PETER GABRIELがボーカルを取っていた時代のもので、この後
PHIL COLINSがこのバンドに加入する事になる。2枚が
コンセプト・アルバム、THE LAMB LIES DOWN OF BROADWAYを
そのまま再現した1975年に行われたライヴをそのまま
収めたもので、非常に良く出来ているライヴだ。もう1枚が1970
年代初頭のライヴやシングルのB面等を収めたもので、残りの
1枚がデビュー盤のデモという構成になっている。このデモも
意外と悪くなく、結構聴きごたえはあるが、やはり2枚組みの
ライヴが本作の最も焦点になる作品だ。[84]
MERIDIAN / GERARD
元EARTHSHAKER、NOVELAのキーボード、永川敏郎が率いる日本の
プログレッシヴ・ロック・バンドの過去の楽曲を現在のメンバーで
録音し直した企画盤と言えるアルバム。ギターレスながらも、
非常にハードなそのサウンドは、ヘヴィ・メタル系のファンにも
結構聴けるはずだ。前作辺りに比べると、ベースの露出度がやや
低く、その分キーボードで重厚さを出している。永川敏郎の他、
人間椅子の後藤マスヒロと言うヘヴィ・メタル側でも名の通った
人達だけあって、ベースの長谷川淳も含めてその演奏力は
素晴らしい。ボーカルのROBIN SUCHYはゲスト扱いになっており、
通常はトリオ編成で行くと言う事だろう。テクニカルで美しく
ドラマティックな楽曲は非常に素晴らしいし、ヘヴィなアレンジも
実に良い。[86]
MERIDIAN SPECIAL LTD. EDITION / GERARD
元EARTHSHAKER、NOVELAのキーボード、永川敏郎が率いる日本の
プログレッシヴ・ロック・バンドの過去の楽曲を現在のメンバーで
録音し直したファン・クラブ向けのアルバム。日本盤とは選曲
自体は同じだが、Orpheus Part1〜3、Prelude、Melting Timeの
3曲はバージョン違いとなっている。Preludeはボーカルが抜かれ、
インストルゥメンタルに仕上げられている。Orpheus Part1〜3では
オペラティックなコーラスを入れたりとよりプログレッシヴ的な
アレンジになっている。Melting Timeではその差異は良く
判らなかったが、このくらいの差ならばよほどのファンでない限り
通常盤と両方入手する必要はないだろう。[85]
LYING WITH ANGELS / GERRY & SIMON LAFFY
N.W.O.B.H.M.の四天王と言われ、その後DEF LEPPARDに加入する
PHIL COLLENやL.A.GUNSに加入するPHILIP LEWISを輩出するGIRLの
中心人物だったGERRY LAFFYと同じくGIRLに在籍した弟の
SIMON LAFFYによるアルバム。エレキ・ギターも入っているが、
全体的にアコースティック色の強い作品で、ハード・ロック的な
色合いは全く感じられない、しんみりとしたアダルトな
ロック・アルバムと言って良いだろう。ピアノを中心とした
Blame It On The Pain等、流麗な美しい洗練された
アコースティック・メロディは非常に心洗われる。派手さは
全くないし、ハードでもないのだが、楽曲によってはじっくりと
聴き入ってしまうものもある。[80]
LIVE IN MARSEILLE / GERARD
元EARTHSHAKERのキーボード、永川敏郎率いる、日本の
プログレッシヴ・ロック・バンドのライヴ盤。日本では、
ファンクラブ限定盤としてリリースされており、フランス盤と
比べると、Revengeがボーナス・トラックとして加えられていて
お得だ。1998年にフランスで行われたライヴの模様を
収録したもので、このライヴでもボーカルはいない。ライヴでの
演奏力の高さは素晴らしく、これだけのライヴ盤を作れれば文句は
付けれないだろう。ボーカルがいないため、全曲
インストルゥーメンタルになってしまっているが、扇情感溢れる
サウンドで、そう言った事は気にならない。[82]
KEYBOARDS TRIANGLE / GERARD/ARSNOVA
日本のプログレッシヴ・ロック・バンド、GERARDとARSNOVAによる
カバー・アルバム。コラボレートと言う形ではなく、単独で
レコーディングして、それぞれ交互に1曲づつ集録されると言う
形になっている。EL&PのToccataやTarkusと言った割と一般的に
知られたもののみならず、BANCOの
La Conquisat Della Posizione Eretta、IL BALLETTO DI BRONZの
Epilogoの様な、その世界では有名だが、
プログレッシヴ・ロックに疎い人には馴染みのないものまで取り
上げている。演奏は、さすがと言えるだけのものはあるし、
元曲を知らなくても十分楽しめるだけの作品には仕上がっている。
[82]
GERARD / GERARD
日本のプログレッシヴ・ロック・バンドの1984年にリリースされた
デビュー盤。当時、NOVELAのキーボードだった永川敏郎が、
平行する形で作ったソロ・プロジェクト的なバンドだ。後に、
永川敏郎はEARTHSHAKERに加入して、メタル系のリスナーにも
知られる存在になったが、現在では人間椅子の後藤マスヒロ等と
伴に、再びGERARDを自らのバンドとして活動している。再結成した
GERARDは、EARTHSHAKERでの活動の影響もあってか、
ギターレスではあるが、中々重厚なサウンドでメタル側の
リスナーにも中々聴きごたえのある作品であるのに対して、この
作品ではよりプログレッシヴ・ロック然としたアルバムに
仕上がっている。やや録音のバランスが悪い様にも感じられるが、
永川敏郎のキーボードを始め、佐藤正治のドラムも
聴きごたえがある。[80]
EMPTY LIE, EMPTY DREAM / GERARD
日本のプログレッシヴ・ロック・バンドの1985年にリリースされた
2ndアルバム。元NOVELA、EARTHSHAKERのキーボード、永川敏郎を
中心としたバンドで、キーボードを前面に押し出した、
ドラマティックなアルバムだ。再結成ごとは異なり、今宵使者は
来たりぬを除き、藤村幸宏のボーカルが入ったものになっており、
日本語の歌詞に違和感を感じなくもない。Love Gameを除き、
永川敏郎が曲を書いており、優しく叙情的なメロディの楽曲は
ここでも健在だ。この頃の作品は、今と比べるとハードさは
ほとんど無く、どちらかと言うとシンフォニックな印象を受ける。
[81]
THE RUINS OF A GLASS-FORTRESS / GERARD
日本のプログレッシヴ・ロック・バンドの3年振りとなる
5thアルバム。元EARTHSHAKERのキーボード、永川敏郎率いるトリオ
編成のバンドで、ボーカルの入った楽曲もあるが、これまで以上に
インストルゥーメンタルの割合が高くなっている。かなり
リリカルでシンフォニックなパートがあって、今まで以上に起伏の
激しい作品となっており、インストルゥーメンタルが増えたからと
言って聴き飽きさせる事はない。バイオリンやハープシコードを
使ったりと、色々と趣向も凝らされているのも評価出来きる。
これまでよりメロディが洗練され、叙情的で美しいアルバムに
仕上がっている。[84]
CONGO / GENESIS
イギリスのプログレッシヴ・ロック・バンドの1997年に
リリースされたアルバム、CALLING ALL STATIONSからの
1stシングル。シングル・カット曲のタイトル・トラックに
Papa He Said、Banjo Manの全3曲と言う構成になっている。
ボーカリストがPHIL COLINSからRAY WILSONに代わってから初の
作品だ。PHIL COLINSが居た頃は元々ヒット曲指向の強かった
バンドではあったが、このアルバムでもそう言った傾向が一貫して
貫かれている様に感じる。あまり派手さはないが、叙情的で
ポップで楽曲の出来は悪くないし、特にBanjo Man等は面白い
出来だ。[83]
MY FAVORITE HEADACHE / GEDDY LEE
カナダのプログレッシヴ・ハード・ロック・バンド、RUSHの
ベーシスト兼ボーカリストによる初のソロ・アルバム。やや
RUSHっぽくないパートもあるのだが、メロディ等は最近のRUSHに
通ずるところのあるアルバムとなっている。基本的にはRUSHの
サウンドをベースとして、ソロ・アルバムとしての独自の
味付けをした感じだ。ドラマーは元SOUNDGARDEN、PEARL JAMの
MATT CAMERONで、意識した部分もあるだろうがより
オルタナティブ・ロック的な香りが強くなっている。RUSHの音楽と
遠く離れるものではないし、彼の独特のボーカルがあるだけに、
最近のRUSHのファンならばある程度納得出来る作品で、ここで付け
加えられている独自色でやや好みが振れるかも知れない。[81]
NUMBER 2 / GET ANIMAL
アメリカのロックンロール・バンドの2ndアルバム。
MORNING WINDOWのJEFF CONSIが参加しているが、実質的には、
PINK GIBSONのソロ・プロジェクト的なバンドだ。やや
パンキッシュで、グラム・ロック的なエッセンスも感じさせる
様な、メロディアスでハードなロックンロールだ。Je Raime Bebe
等はかなりハードだし、Better Red Than Dead等はL.A.GUNSにも
通じる様なメタリックでパンキッシュな感じもする
楽曲になっている。グラム・ロックの影響が強い事もあってか、
全体的にミドル・テンポの楽曲が中心だが、のりは結構良い。[80]
SIGHS OF THE WATER / GERARD
日本のプログレッシヴ・ロック・バンドの3年振りとなる
5thアルバム。元EARTHSHAKERのキーボード、永川敏郎率いる
バンドで、ドラマーは人間椅子の後藤マスヒロだ。キーボード
以外はリズム・セクションしかいない構成だが、これだけの
キーボードを聴かされれば、ギターがいない事に特に不満は
感じないはずだ。元々ボーカル入りとインストルゥーメンタルを
半々位でやるのが最近のパターンだったが、今作でも
インストルゥーメンタルとボーカル入りが交互に並んでいる。
全体的にヘヴィなサウンド作りになっており、メタル側の
リスナーにも十分聴けるはずだ。ダークさも感じさせる、
アグレッションの効いたサウンドは聴き応えがある。[82]
EPISODE 1 A HUMAN INTO DREAMS' WORLD / GENIUS A ROCK OPERA
イタリアのプログレッシヴ・メタル・バンド、EMPTY TREMORの
ギタリスト、DANIELE LIVERANIを中心としたプロジェクトの
アルバム。その内容は、メタル・オペラとも言うべきもので、
RING OF FIREのMARK BOALS、LANA LANE、KANSASのSTEVE WALSH、
元KING CRIMSON、URIAH HEEP、ASIAのJOHN WETTON、
CRIMSON GLORYのMIDNIGHT等々と言った多彩なボーカリスト達が、
それぞれの役に扮して歌い上げている。楽曲自体は、
プログレッシヴ・メタルがベースとなっており、元々
EMPTY TREMORでやっている事に近いのだが、よりテクニカルで
むしろDREAM THEATER等の方が近いと言えるだろう。[80]
GEOFF TATE / GEOFF TATE
アメリカのヘヴィ・メタル・バンド、QUEENSRYCHEの
ボーカリストによる初のソロ・アルバム。ヘヴィ・メタルの低迷に
呼応する様に、QUEENSRYCHE自身も迷走して行ったと言う
イメージを受けるが、メロディ辺りバンドとそう大差がある
事をやっている訳ではない。サウンド自体は、ヘヴィな部分もある
事はあるが、基本的にヘヴィ・メタルからは離れたもので、
アンビエントな雰囲気のある、ソフト・ゴシックっぽい幻想的な
作品と言えるだろう。ループを使ったりと、バンドでは出来ない
事に色々挑戦していると言う感じを受ける。彼のボーカル表現の
魅力が良く出ていており、味わい深い作品だ。[90]
SUPERSTAR DESTROYER / GENOCIDE SUPERSTARS
スウェーデンのハード・ロックンロール・バンドの4年振りの
3rdアルバム。基本的にベースにあるのはパンク・ロックで、
爆走型のハード・ロックンロールでありながら、他の
スウェーデンのバンドと比べると、明らかにパンキッシュに偏った
音楽性を有している。DISCHARGEやG.B.H.に影響を受けた事を強く
感じさせる作品で、哀愁等持ち込む隙はない。それ故、
THE HELLACOPTERS辺りのファンが期待すると、期待したものとは
異なるものを聴く事になるだろう。とにかくパワフルに最初から
最後まで爆走する姿は天晴れと言うしかないが、パンクにある程度
免疫がないと辛いかも知れない。[82]