DEMOLITION & HIT AND RUN / GIRLSCHOOL
N.W.O.B.H.M.バンドの1980年にリリースされたデビュー盤、
DEMOLITIONと1981年にリリースされたアルバム、HIT AND RUNを
カップリングしてCD化したもの。女性メタル・バンドの先駆者的な
存在のバンドで、方向的にはMOTORHEADのサポートを得ていた
事もあって、ワイルドなのりの良さを持っている。それと同時に
N.W.O.B.H.M.のバンドらしい、メロディアスな一面も兼ね
備えている。Race With The Devil等は中々良い曲だが、如何せん、
女性メタル・バンドと言う物珍しさから、色物的な受け取られ方が
強かったため正当な評価を得られなかったのは残念だ。更に
この後、作品のクオリティも徐々に下がっていったので、バンドが
浮上する余地は余りなかったが。[83]
TOOLBOX / GILLAN
再結成DEEP PURPLEを脱退した後の第2弾となる1991年に
リリースされたソロ・アルバム。最初にDEEP PURPLEを脱退後
組んでいたバンド名義でリリースされている。前作では非常に
ソウルフルな方向性で、如何にも普段やらないことをやったという
感じだったのだが、今作は昔のバンド名義だけに、かつての
バンドとしての制作的なニュアンスが強く、中々良い
ハード・ロック・アルバムに仕上がっている。ブルーズ色のある
楽曲を始め、ボーカルとも充実していて出来が良い。生々しい
音作りが臨揚感を産んでおり、アルバムの方向性にあっている。
[85]
THE HANGOVER / GILBY CLARKE
元GUNS 'N' ROSESのアメリカ人ギタリストによる
2ndソロ・アルバム。方向的にはラフなロックンロールと言った
感じでGUNS 'N' ROSESの様なハードさは感じられない。時折
ブルージィさを感じさせてくれる土臭いアルバムに
仕上がっている。思ったよりもポップでキャッチーなサウンドで、
GUNS 'N' ROSESとはやや違った方向性の作品と言って良いだろう。
全体的にリラックスした雰囲気で、ソフト過ぎると言う
感じもするが、軽快な作品が好きであれば結構聴けるだろう。
楽曲によってはTHE WiLDHEARTSっぽいところもあったりする。[77]
KING BISCUIT FLOWER HOUR PRESENTS / GIRLSCHOOL
女性だけで結成され、MOTORHEADのLEMMYに見出された
N.W.O.B.H.M.バンドのラジオ番組用に収録されたライブ音源を
CD化したもの。このバンドはN.W.O.B.H.M.の多くのバンドが
持っていた、特有のわびしさがなく、どちらかというと
アメリカ的な印象を与えるハード・ロックンロールだ。
4thアルバムをリリース後、1984年にアメリカで行ったライヴで、
バンドの中心人物だったKELLY JOHNSONの在籍末期時の作品だ。
音質はこの手のバンドとしては非常に良く、このバンドとしても
むしろスタジオ・アルバムより良いくらいと言ってもよいだろう。
演奏もまずまずだし、ファンならば聴く価値はあるだろう。[78]
SHEER GREED / GIRL
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの1980年にリリースされた
デビュー盤。N.W.O.B.H.M.バンドの四天王の一つとも言える
バンドで、その後DEF LEPPARDに加入するPHIL COLLENやL.A.GUNSに
加入するPHILIP LEWISが在籍していた伝説的なバンドだ。その後
L.A.GUNSでも演奏された名曲、Hollywood Teaseを始め内容は中々
濃い作品だ。Hollywood Teaseは中々ハードな曲だが、全体的には
あくまでもロックンロール的な色合いが強く、中には気だるさを
感じさせるようなStrawberriesの様な曲まである。楽曲の出来も
中々悪くないし、PHILIP LEWISのワイルドな中々味があって良い
出来だ。[82]
RUBBER / GILBY CLARKE
元GUNS N'ROSESのアメリカ人ギタリストによる3rd
ソロ・アルバム。いわゆるアメリカン・ロックンロールとでも
言えば良いような内容だが、GUNS N'ROSEとはやや趣を異にする。
特にTrash等は軽い跳ねる様な楽曲で、かなりキャッチーな楽曲と
言って良いだろう。ギター・サウンドはそれなりにハードだが、
楽曲にハードさを感じない所が、この異質感を醸し出している。
中には埃っぽい素朴なアメリカン・ロック・ナンバーがあり、
キャッチーさの中にも穏やかで気だるさを感じさせてくれる。
派手さには欠けるが楽曲の出来は決して悪くない。[80]
WAYSTED YOUTH / GIRL
N.W.O.B.H.M.バンドの1982年にリリースされた2ndアルバム。短い
バンド生命を象徴するかのように急失速し、このアルバムで
解散してしまう事になる。このアルバムリリースしてしばらくして
PHIL COLLENはDEF LEPPARDに移籍し、バンドの終止符が打たれた。
1stであったグラム的なイメージは大きく後退し、より骨太な
ハード・ロックロールと言う感じの作品になっている。その分
きらびやかな感じのする1stに比べて地味な印象を受ける
作品かもしれないが、楽曲の出来自体は決して悪くない。ただ
出来得ればもう少しサウンドの厚みがあればもっとパワフルさを
感じる事が出来たのではないだろうか。[80]
KILLING TIME / GIRL
現DEF LEPPARDのPHIL COLLEN、L.A.GUNSのPHILIP LEWISを擁した
N.W.O.B.H.M.バンドの当時の未発表曲やアルバム未収録を集めた
アルバム。RUSS BALLARDのカバー、Love Is A GameとKINKSの
カバー、You Really Got Meだけが既発音源で、それ以外は全て
未発表音源だ。同じくRUSS BALLARDのカバー、Julietを除けば、
方向的には2ndと1stの中間的な印象を受ける。未発表音源は全て
2ndアルバムの録音前に録音されたもので、当然そう言う
感じになるのだろう。楽曲によってはもう少し厚い音作りをした
方が良いのではないかと思えるものが何曲かあるが、出来自体は
それ程悪くない。[75]
DESTINATION:INSECURE / GIANTS CAUSEWAY
詳細は全く不明だが、ゴシック・メタル・バンドのアルバム。
方向的にはかなりゴシック・ロック色が濃いもので、
TYPE O NEGATIVE的なエッセンスも感じられる。KALLEとKAROの
男女のクリア・ボイスによるツイン・ボーカルで、耽美さが良く
出ていて、バンドの雰囲気に良く合っている。気だるく
サイケデリックな雰囲気さえ漂う、サウンドは中々
聴きごたえがある。ヘヴィ・メタル的な感覚は薄いので、
こういったゴシック・ロックに免疫がないと
戸惑うかもしれないが、この手のものとしては中々良く
出来ている。楽曲の出来もまずまずだし、全体的に良いアルバムに
仕上がっている。[84]
99 LIVE / GILBY CLARKE
アメリカのバット・ボーイズ・ハード・ロックンロール・バンド、
GUNS 'N ROSESの元ギタリストによるライヴ盤。ギターは、自身と
L.A.GUNSのTRACII GUNS、ドラムは元KISSのERIC SINGERと中々興味
深いメンバーだ。これまでのソロ・アルバム以外からも
SLASH'S SNAKEPITだけでなく、KILL FOR THRILLS時代の楽曲も
演奏されている。ブリット・ポップっぽいロックンロールで、甘く
物悲しいメロディは、もっとロックンロール的ではあるが、
TERRORVISIONを思い起こさせる部分もある。やや盛り上がりに
欠ける様な感じもするが、楽曲が良いので聴き飽きさせない。[82]
II / GIUNTINI PROJECT
イタリア人ギタリスト、ALDO GIUNTINIによる
プロジェクト・バンドの5年振りとなる2ndアルバム。ボーカルには
BLACK SABBATHのTONY MARTINが取っているが、彼にこう言った
メロディアスなナンバーを歌わせると中々映えている。方向的には
様式美的な正統派ヘヴィ・メタルと言った感じで、楽曲の出来も
良いが、TONY MARTINが加わることによって、更に印象
深いものになっている。ギタリストのプロジェクトとは言え、
あくまでも歌ものとして作られているだけの事はある。全体的に
非常に良く出来た、エッヂの立ったメロディアスなヘヴィ・メタル
作品だ。[87]
THE TAPES VOLUME 3 / GILLAN
イギリスのハード・ロック・バンド、DEEP PURPLEの
ボーカリスト、IAN GILLANを中心としたバンドの初回限定の
2枚組みアルバム。どう言う経緯でCD化されたのか判らないが、
未発表テイクやアルバム未収録のレア・トラックを集めたものの
第3弾となる企画作品だ。これまで同様、バンドとしては中核を
担っていたベーシストのJOHN McCOY秘蔵の音源だけに、当然彼が
在籍時の音源が中心となっていて、ギターはBERNIE TORMEと
現IRON MAIDENのJANICK GERSが半分ずつ弾いている。初回限定盤の
ボーナスCDは、FOR GILLAN FANS ONLYが付いており、中々貴重で
お得なアルバムだ。[81]
BLOOZE / GILBY CLARKE
アメリカのバット・ボーイズ・ハード・ロックンロール・バンド、
GUNS N' ROSESの元ギタリストによるミニ・アルバム。全て未発表
音源で、Tijuana Jailのライヴ、Skin & Bonesの
プラグド・バージョン、未発表曲のMelting My Cold Hear、
T-REXのカバー、Life's A Gas、CHEEP TRICKのカバー、
He's A Whoreの全5曲と言う構成になっている。Tijuana Jailは
10分近くにも及ぶ熱いギター・プレイを聴かせてくれているし、
未発表曲のMelting My Cold Hearも悪くない出来だ。カバー曲も
単純にヒット曲に走らず、地味な選曲をしているところ等面白い。
[82]
GRIEVOUS ACOUSTIC BEHAVIOUR(LIVE AT THE 12 BAR) / GINGER
元THE WiLDHEARTSのイギリス人ボーカリストによる初の
ソロ・ライヴ盤。1998年にイギリスで行われた
アコースティック・ライヴの模様を収めた2枚組みの作品だ。
THE WiLDHEARTS時代の楽曲を含めながら、
アコースティック・ライヴらしいほのぼのとした雰囲気を湛えた
作品に仕上がっている。バーで行われたライヴだけに、観客との
近い位置関係を思わせるもので、MCでの観客との掛け合いの
アット・ホームさがそう言ったほのぼのさを増していると言って
良いだろう。ハードな部分は全くないが、聴いていて楽しく幸せな
気分になってくる作品だ。[83]
III / GIANT
アメリカのロック・バンドの9年振りの3rdアルバム。最近では
MEGADETHからポップス、カントリーまでと言った、幅広い
プロデューサー活動で知られる、元WHITE HEARTのギタリスト兼
ボーカリストのHANN HUFFを中心としたバンドだ。音楽的には、
彼等らしい1980年代に主流であった、ややハードさを兼ね備えた、
キャッチーなメロディアス・ロックと言って良いだろう。
楽曲の出来は中々のもので、特に産業ロック的な洗練された
メロディは流石と言えるだけのものがあり、昔の彼等の
ファンであれば十分満足が行く内容のアルバムに仕上がっている。
[84]