ソヴィエとのヘヴィ・メタル・バンドの1989年にリリースされた デビュー盤。まだヘヴィ・メタル未開の地と言った印象を 持たれていた当時のソヴィエとで、BON JOVIのJON BON JOVIと RICHIE SAMBORAのバック・アップの元、のBRUCE FAIRBAIRNを プロデューサーに迎え、いきなりメジャー・デビューとこれ 以上はないと言って良い位の好条件でデビューしている。この アルバムの良いところは、特にBangで使用される、独特の パーカッションで、ソヴィエとっぽさを感じさせる事だろう。こう 言った楽曲がもっと多いと面白いのだが、残念ながら多くの楽曲は アメリカナイズされたどうと言う事のないものが多く、折角の 個性を確立するまでに至っていない。[81]
スイスのハード・ロック・バンドの1992年にリリースされた デビュー盤。KROKUSのCHRIS VON ROHRのプロデュースによる 作品だが、KROKUSよりはもっと叙情的なメロディを押し出した 作品だ。Downtowns等、楽曲によっては、リズム&ブルース的な 色合いがあって、むしろWHITESNAKEっぽく 感じられたりするところがある。DEEP PURPLEのHushを カバーしたりしているし、イギリスのハード・ロックから影響を 受けていると言って過言ではないだろう。Angel等における、 STEVE LEEのボーカルがDAVID COVERDALEっぽかったりするので、 尚更そう言う感じがする。エッヂの効いたハードなサウンドで、 中々聴きごたえのあるアルバムに仕上がっている。[86]
スイスのハード・ロック・バンドの1994年にリリースされた 2ndアルバム。前作に引き続いて、元KROKUSのCHRIS VON ROHRが プロデュースしている。前作では、リズム&ブルース的な 色合いがあり、ともすればWHITESNAKEを想像させる様な 部分もあったが、今作ではそう言った色合いがやや減じ、より 普遍的でブルージィなハード・ロックと言う感じの作品に 仕上がっている。叙情的なメロディを持ちながらも、 エッヂのたったサウンドにフックのある楽曲は、実に聴き 応えがある。STEVE LEEのパワフルなボーカルがまた効果的で、 実に格好が良い。面白いのは、THE BEATLESのCome Togetherを カバーしていて、如何にも彼等らしいハードな アレンジになっている。[84]
スイスのハード・ロック・バンドの3rdアルバム。今や プロデューサーとして名を馳せている、元KROKUSの CHRIS VON ROARによるプロデュース作品だ。その関係もあるのか BON DYLAN、LED ZEPPELINに混じってKROKUSのカバー曲も 聴かせてくれている。デビュー・アルバム等では幾分 WHITESNAKEっぽいという感じもしたが、そう言うブルージィさは 味付けとしてうまく生かすにとどまっていて、より正統的な ハード・ロック作品に仕上がっている。楽曲も洗練されているし、 演奏力も高く、中々レベルは高いアルバムだ。[86]
スイスのハード・ロック・バンドの来日記念盤となる ライヴ・ミニ・アルバム。ミニ・アルバムという関係上、 どうしてもぶつ切れと言った感じで収められているが、録音状態も 良いし、ソリッドでエモーショナルさが良く出ていて、その ライヴ・パフォーマンスのレベルに高さが感じられる作品だ。来日 記念と言う、企画盤とは思えぬ出来栄えで、是非ともフルレンスの ライヴ・アルバムを期待したくなるだけの内容となっている。 元々楽曲の出来は素晴らしかったし、演奏力も高いと伺えるだけの アルバムを作っていただけに、それに違わぬ作品だと言って 良いだろう。[86]
DAN SWANOプロデュースによる、スウェーデンの メロディック・デス・メタル・バンドのデビュー作。ボーカルの MATTE ANDERSONは低く太く唸るようなデス・ボイスと、 クリア・ボイスの両方を使い分けている。バックはザクザクと リフを切り刻んで来るパワー・メタル・タイプで、中々格好が 良い。攻撃的なリフと泣きのメロディの組み合わせが 素晴らしいし、楽曲的にはAMORPHISを攻撃的にしたようで、 良い出来だ。ただし、デス・ボイスがこの手のものとしてもなお、 聴きがたいのが難点で、クリア・ボイスとの落差も激しすぎる。 [83]
元NAPALM DEATHのJASTIN BROADRICK率いる、イギリスの ヘヴィ・インダストリアル・ロック・バンドの4thアルバム。 音楽的には、MINISTRYとは少し違い、ミドル・テンポ中心の 威圧感あるサウンドで、J.K.BROADRICKのボーカルは呪術的に シャウトする。新たにドラマーとしてB.MANTIAが加入しており、 生々しいインパクトのあるサウンドになっている。変化がないので 最後まで聴くのは少し辛いが、サンプリングに重ねたヘヴィな ギター・サウンドは独自の世界を構築しており、 おどろおどろしさを感じさせ、その世界観は圧巻だ。[82]
オランダのデス・メタル・バンドの4thアルバム。 JAN-CHRIS DE KOEIJERの咆哮型のデス・ボイスはともかく、楽曲は 完全にドゥーム/パワー・メタル的な方向へとシフトしている。 ダークさはあまりなく、サイケデリックな色調の落ちた ヘヴィ・ロック風とも言えるが、荘厳さを持ったキーボードが 不思議とマッチしているのは面白い。デス・ボイスもそれ程 きつくなく、かなり聴き易い作品になっているし、メロディは かなりはっきり押し出しているので、割と一般受け出来る 作品だろう。グルーヴィ感があるので、のりが良くてテンポが良く 聴かせてくれる作品だ。[84]
スイスのハード・ロック・バンドの3rdアルバムからのシングル。 若干ブルージィな部分もみえるハード・ロックンロールだが、 相変わらず、このバンドのレベルの高さを感じれる出来だ。 しんみりとしたアコースティック・バラードの タイトル・ナンバーは実に美しい。収録曲のうち、 シングル・カットのOne Life, One SoukとKROKUSのカバー、 Sweet Little R'R'はアルバムに収録されているし、 LED ZEPPELINのカバー、Immigrant Songは同じく日本盤の ボーナス・トラックとして収められているので、日本盤の 3rdアルバムを持っていれば購入する価値はあまりないのだが。 [85]
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの 2ndアルバム。オープニング・ナンバーのAbandonではビートの 効いたリズムをやるかと思えば、MATTE ANDERSSONが クリア・ボイスで哀愁のメロディを切々と歌い、THOMAS HEDERの DREAM THEATER風のキーボードが入ったりとデス・メタル外への クロス・オーバーがひしひしと感じられる作品だ。更に Rotten In Deaceのリフは明らかにMEGADETHだし、借り物的な 印象は拭えないが、これまでの メロディック・デス・メタル・アルバムとはかなり一線を画した 作品になっている。ただ唯一デス・ボイスを使っている事を 除いて、スラッシィかつプログレッシヴ・メタル的な作品であり、 叙情的でドラマティックなアルバムに仕上がっている。[84]
詳細は良く判らないが、恐らくスペインの ゴシック/ドゥーム/メロディック・デス・メタル・バンドの 1995年にリリースされたアルバム。ボーカルのAMON LOPEZは 咆哮するデス・ボイスとクリア・ボイスを使い分けるが、この デス・ボイスが中々聴きがたい。そこはかとなく、ブルータルな 香りがあり、この手のものとしてはより メロディック・デス・メタル的な指向が強い作品と言えるだろう。 ザクザクとリフを切り刻んだりして、それ程耽美なわけではない。 楽曲の出来は今一つで、メロディにも捻りが足りないし、まだまだ 改善の余地がある。[64]
地元スイスでは絶大な人気を誇るハード・ロック・バンドの新曲 4曲を含むアコースティック・ライヴ・アルバム。同郷の元 KROKUS、ASIAのギタリストMANDY MEYER等のゲストを迎えて、 8人編成という大所帯のライヴになっている。 アメリカン・テイストを持ったバンドだけに、こういう アコースティック作品では何となくほのぼのとした雰囲気を 湛えている。元々ライヴ・パフォーマンスには定評のある バンドだっただけに、こうやってアコースティック・ライヴを 聴いても安心して聴いていられる。今回はアコースティックという 企画がまずあってのライヴなのだろうが、通常の ライヴ・アルバムもそのうち是非出して欲しいバンドだ。[81]
今や伝説ともいえるアメリカの プログレッシヴ・デス・メタル・バンド、CYNICの元ベーシストで 現在大学で教鞭を取っていると言う、SEAN MALONEによる プロジェクト・アルバム。参加メンバーが、同じく元CYNICの SEAN REINERT、元WATCHTOWER、SPASTIC INKのRON JARZOMBEK、 KING CRIMSONのTREY GUNN、DREAM THEATERのJOHN MYUNGと言った テクニシャン揃いと言うのも凄い。方向的には プログレッシヴ・ロックとフュージョンの融合と言った感じの インストルゥーメンタルのテクニカル・ロック・アルバムで、 ヘヴィ・メタル的な要素はあまりない。静けささえ感じさせる様な サウンドの中で、テクニカルな演奏を繰り広げていく様は圧巻だ。 ある意味ではCYNICの音楽性を継いでおり、フュージョンも聴ける ファンであるならば納得できる作品だろう。[86]
オランダのヘヴィ・ロック・バンドの6thアルバム。前作辺りから 出て来ていた方向転換を更に押し進めた作品だと言って 良いだろう。重厚なサウンドに初期BLACK SABBATHを思わせる様な ギター・メロディを差し挟んできたりする。ストーナーと言う程 サイケデリックな感じはなく、よりストレートだが、手を 入れるべき所では大胆に手を入れている。ヘヴィでテンポの良い 歪ませたサウンドは小気味良いし、バンドの存在感が十分 感じられて出来は悪くない。J.C.DE KOJYERの ボーカル・スタイルには少し好き嫌いが分かれるかも知れないが、 泥臭い重量感には好感が持てる。[82]
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドのデビュー盤。 方向的には、いわゆるモダン・ヘヴィと言うやつだが、より スラッシュ・メタル的なサウンドだ。PHILIP ANSELMOにも通ずる 様な、KRISTIAN LAMPLIAの怒りを含んだ吐きつけるような ボーカルに、ザクザクと切り付けてくるようなスラッシュ・メタル 的なリフはテンポの良さを感じさせる。こう言った方向性では 斬新さを感じさせるのは難しいが、スラッシュ・メタル的な 小気味良さが中々気持ち良い。楽曲の出来も悪くないし、結構 聴きごたえのあるアルバムに仕上がっている。[81]
イギリスの2人組のインダストリアル・ユニットの3年振りの 5thアルバム。インダストリアルと言っても、NAPALM DEATH 人脈なだけあって、のりの良さはなく、非常にダークな方向性は 変わらない。それでも、I, Me, Mineは、これまでの中ではかなり のりのある曲で、一風変った感を受ける。ダークでダウナーな インダストリアル・サウンドは、とても一般受けするとは 思えないが、不思議な味わいがある。無機質で、非常にクールな サウンドは、機械的な冷たさを十分伝えてくれる作品で、一種、 退廃的な美を感じさせるアルバムに仕上がっている。[82]
スイスのハード・ロック・バンドの4thアルバム。これまで、 ゲスト的立場で延々と参加し続けていた元KROKUSのギタリスト、 MANDY MEYERが今作より正式にクレジットされている。方向的には よりアメリカナイズされた感じのする作品で、所々で後期BON JOVI 的な香りがする部分もある。メロディの良さは相変わらずさすがと 思わせる所があるが、これまでの作品からするとかなり地味な 感じを受ける。前作がアコースティック・アルバムであった 影響があるかどうか判らないが、より普遍的なロックに近づいた 様な感じがする。彼等らしい叙情的なメロディを持ちながらも、 渇いた明るいメロディがあったりもする作品で、良く 出来ているとは思うが、これまでのファンが、G.以上に手放しで 受け入れられるかと言うと疑問だ。[82]
元ALLMAN BROTHERS BANDのWARREN HAYNES、ALLEN WOODY等による、 アメリカのブルーズ・ロック・バンドの2枚組みライヴ盤。昨年の 大晦日に行われたアトランタでのニュー・イヤーズ・ライヴの 模様を収めたものだ。タイトに黙々と演奏している様は、背筋に ゾクゾクと来るくらい素晴らしい。特に30分近く続く、締めの Afro-Blue等は、圧巻と言う他はない。クールな楽曲は非常に格好 良いし、BLACK SABBATHのWar Pigsをカバーしたりしているので、 メタル系のリスナーにも聴きごたえはあるはずだ。とにかく硬派な サウンドで、ブルーズ・ロックが好きならばお奨め出来る。[85]
オランダのデス・メタル・バンドの1999年にリリースされた 2ndアルバム。ジャケット違いのボーナス・トラック付きの デジパックの限定盤だ。方向的にはブラスト・ビートを多用した ブルータルなデス・メタルだが、きちんとメロディが 入れられていて、その分EMPERROR等の様な ブラック・メタルっぽさも感じさせる。メロディを保ちながらも 破壊力のあるサウンドを奏でる様は圧巻で、ドラマティックに 展開して行くところも中々良い感じだ。こう言う部分がもっと 先鋭化して行くと面白い存在になると思うが、HENRIの デス・ボイスが今一つ合っていない様な気がしないでもない。[80]
アメリカのドゥーム・ロック・バンドのデビュー盤。 THE OBSESSEDのベーシスト、GUY PINHASとドラマー、GREG RODGERS 等によるバンドで、THE OBSESSED同様、初期BLACK SABBATHの 音楽性を継いだものと言えるだろう。よりサイケデリックで ヘヴィな作品で、グルーヴ感よりも重厚さを重視した作品 作りとなっている。その分、よりコアに感じるアルバムで、のりは 残念ながらストーナー系程良くないが、元々そう言った部分に 主眼を置いている訳ではないし、BLACK SABBATHの ヘヴィ・ロックたるエッセンスを良く出していると思う。[86]
日本のプログレッシヴ・メロディック・デス・メタル・バンドの デビュー盤。かなり変則的なフレーズが随所に飛び出して来て、 この手のものとしては最もプログレッシヴ・ロック色の強い作品と 言って良いだろう。部分的にはフュージョンっぽさも 感じるところがあって、CYNICの影響がかなり強いと思われる。 歌詞は昔の日本の怪奇的な部分を歌っており、デス・ボイスと 松岡明子のクリア・ボイスの絡みが中々面白い。シンフォニック 的な部分から大胆に展開してみたりとアイデアは中々良いが、少し 未整理に感じる部分がなくもない。プロダクション的にも改善の 余地は感じるが、シアトリカルでアイデアは悪くない。[82]
元ALLMAN BROTHERS BANDのWARREN HAYNES、ALLEN WOODY等による、 アメリカのブルーズ・ロック・バンドの3rdアルバム。 方向的には、よりホワイト・ブルーズ・ロック的な色合いが濃く、 FREEやBAD COMPANY的な色合いが感じられる。特に、 No Need To Sufferは哀愁漂う佳曲で、THUNDER辺りのファンにも 十分訴えるものがあるはずだ。アダルトな侘しさと哀愁をまとった 骨太のブリティッシュ・ブルーズは実に味わい深く、雰囲気が良く 出ている。楽曲によってはALLMAN BROTHERS BAND的な 部分もあって、ブリティッシュ・ブルーズだけではなく、アメリカ 南部風の雰囲気も味あわせてくれる[82]
アメリカのハード・ロック・バンドの1996年に自費出版で リリースされた、再結成第1弾となる15年振りの7thアルバム、 TASTY SECONDSを再リリースしたもの。ゲストとして、かつて メンバーであった元TWISTED SISTERのドラマー、JOE FRANCOと ギタリスト、BRUCE KULICKの他、元RAINBOWのキーボード、 DAVID ROSENTHAL等が参加している。方向的には、叙情的な メロディのアメリカン・ハード・ロックで、キャッチーさと ワイルドさを感じさせてくれるアルバムに仕上がっている。 アメリカらしいカラッとした叙情的なメロディ等は流石と 思わせてくれるし、悪くないアルバムだ。[81]
アメリカのドゥーム・ロック・バンドの2ndアルバム。 グルーヴィーでサイケデリックな、如何にもと言った感じの 作品だ。とは言っても、世にいるストーナー・ロックや ヘヴィ・ロックのバンドとは大きな異質感を感じさせてくれる。 サイケデリックさにドライヴ感を付けるバンドも多い中で、重厚で 沈み込む様なBLACK SABBATH的なリフをあくまでも中心に 据えている。初期BLACK SABBATHの呪術的で重厚なサウンドが、 ここに引き継がれていると言って良いだろう。トリップ感の 感じられる。現代的なストーナー・ロックとしてのスタイルを 持ちつつも、その源流にあるBLACK SABBATHの香りを色濃く 感じさせる作品に仕上がっている。[85]
スイスのハード・ロック・バンドの5thアルバム。これまでの 作品と比べると、朗らかでライトな感覚に溢れた、より アメリカナイズされたサウンドと言う印象を受ける。野球のあまり 盛んでないヨーロッパのバンドでこのタイトルは、如何にも アメリカ・マーケットを意識している様な気もするが、そう言った 事を抜きにしても流石と思わせるだけの作品に仕上がっている。 STEVE LEEのハートフルなボーカルもあいまって、非常に情感 豊かなアルバムとなっており、中々聴き応えがある。キャッチーな メロディを配し、時には明るく、時には愁いのあるメロディを 擁した、バラエティ豊かなメロディアス・ハード・ロックの 秀作だ。[87]
アメリカのヘヴィ・ロック・バンドの2ndアルバム。如何にも アメリカの現代のヘヴィ・ロック・バンドらしい、クールで ヘヴィなサウンドを聴かせてくれている。ALICE IN CHAINS辺りの 流れを組んでいるが、よりリフを押し出し、グルーヴ感を 感じさせるアルバムに仕上がっている。ビートが利いていてのりが 良く、スピリチュアルでヘヴィなリフはヘヴィ・メタル側の リスナーにも十分受けるだろう。JAMES HEADFIELDS風のSULLYの ボーカルを含め、この手の今風のヘヴィ・ロックとしては、最も ヘヴィ・メタル色の強い作品で、中々格好の良いアルバムに 仕上がっている。[88]
イギリスのデス・メタル・バンドのデビュー盤。如何にも コアっぽいセンスの悪いジャケット通り、グラインド・コア系の デス・メタルを聴かせてくれている。中ジャケットの血まみれの ライヴ写真を見ても判る通り、ブラスト・ビートを前面に押し 出した、非常にブルータルな作品に仕上がっている。典型的な CANNIBAL CORPSE系の真性デス・メタルで、破壊力もあるのでこの 手のものが好きならお奨め出来るが、到底一般受けしない内容だ。 ツイン・ボーカルの形態を取っており、BABY SLICEDの地を這う 様なデス・ボイスの咆哮も迫力があるし、これにMR GOREの シャウトがあいまって破壊力たっぷりだ。[81]
オランダのデス・メタル・バンドの4thアルバム。方向的には スラッシュ・メタル系のデス・メタルと言えるもので、強烈な アグレッションを振りまく凶悪なリフと、憂いを湛えたメロディの ギター・ソロで構築された、作品に仕上がっている。攻撃的で ブルータルなリフは非常に強力だが、その叙情的なメロディ性を 決して損なっていない事は評価出来る。メロディも中々良く 出来ており、スラッシュ・メタル系のデス・メタルとしてはかなり レベルの高いアルバムだと言って良いだろう。THE SERPENT KINGの デス・ボイスは、かなりディストーションの効いたもので、好き 嫌いが分かれるかもしれないが、攻撃性も良く出ている。[82]
スイスのハード・ロック・バンドのバラード集。全18曲のうち、 カバーが1曲、新曲が1曲、リミックスが2曲、ミックス違いが2曲、 アルバム未収録曲が2曲と言う構成になっている。 ROLLING STONESのカバー、Ruby TuesdayはSTEVE LEEのボーカルを 活かした、枯れた感じのアレンジになっており、彼等らしい 内容となっている。新曲のLooking At Youは、厚いコーラスを 施した、非常にアメリカ的な憂いを含んだナンバーだ。アルバム 未収録曲では、He Ain't Heavyはさして大した事のない バラードだが、ボーナス・トラックのTimeはアップ・テンポの キャッチーなナンバーで、アルバムの趣旨である バラードではないが、彼等らしい楽曲だ。[82]
スペインのハード・ロック・バンドのデビュー盤。スペインと 言うと、巻き舌で独特なイントネーションを感じさせる、叙情的な メロディのヘヴィ・メタルを想像させるが、このバンドにはそう 言った部分は全くなく、全体的にかなりアメリカナイズされた 洗練されたメロディを主体としたハード・ロックをやっている。 産業ロック系とでも言うべき、キャッチーで叙情的なメロディを 前面に押し出したハード・ロックだ。この手のものとしてもかなり 甘めのメロディで、TERRA NOVA辺りにも通ずる部分がある。聴き 易いハード・ロックで、メロディ自体はやや甘過ぎる様な 気もするが、出来自体は悪くない。[80]
アメリカのテクニカル・ロック・バンドの4年振りの2ndアルバム。 わずか1枚のアルバムで解散した伝説的な プログレッシヴ・デス・メタル・バンド、CYNICのベーシスト、 SEAN MALONEを中心としたプロジェクトだ。方向的には フュージョン色の強いインストルゥーメンタルで、彼らしい テクニカルな演奏や、プログレッシヴな音楽性が顔を見せてくる。 CYNIC程の派手さはないが、落ち着いた雰囲気の中にも一筋縄で 行かないところがある。メンバーもKING CRIMSONのBILL BRUFORD、 元CYNICのギタリスト、JASON GOBEL、元GENESISのギタリスト、 STEVE HACKETT、FATES WARNINGのギタリスト、JIM MATHEOS等が 参加している。[85]
オランダのヘヴィ・メタル・バンドの3rdアルバム。楽器演奏 以外のパフォーマンスを行う女性を含む変わった編成のバンドで、 内ジャケットではそのLILITH DELILAHが火を吹いているシーン等が 収録されている。そう言ったものも含めて、ルックス的には 全体的におどろおどろしく妖しいエクストリームなエッセンスを 感じさせるのだが、音楽的には以外や非常にオーソドックスな ヘヴィ・メタルを聴かせてくれている。1980年代の アグレッションを効かせたB級ヨーロピアン・メタルと言った 感じで、こう言った臭いヘヴィ・メタルが好きならば聴いて 損はないはずだ。[82]
スイスのハード・ロック・バンドの2年振りの6thアルバム。今や スイスの国民的バンドとなっているが、それに違わぬ質の高い メロディアス・ハード・ロックを聴かせてくれている。特に What I Like等は非常にThe Beatlesっぽいメロディ等があったり、 大衆性と言う意味ではかなりのレベルにあると思う。アメリカ的な センスも感じさせる非常に質の高いメロディで、エッヂの立った サウンドで聴き応えもある。情感も良く出ていて、 メロディアス・ハードとしてはかなりレベルが高いのは 間違いないが、ややバラードが多過ぎると言う感じがあり、特に 終盤は逆に盛り上がりに欠ける結果になっているのが残念だ。[86]
日本のヘヴィ・メタル・プロジェクトのアルバム。元ANTHEMの ボーカリスト、森川之雄と虹伝説やHUGHES TURNER PROJECT等の 活動で知られるギタリスト、梶山章によるプロジェクトだ。 梶山章が曲を書いているので、当然基本的には後期RAINBOWや DEEP PURPLEっぽさを感じさせるものだ。そこに梶山章の エモーショナルなギター・プレイと、森川之雄のパワフルな ボーカルが一体となって、実に聴き応えのある作品に 仕上がっている。楽曲は適度にポップでバラエティにも 富んでおり、RITCHI BLACKMOREのフォローワーとしては群を抜いた 存在と言って良いだろう。[87]
アメリカのヘヴィ・ロック・バンドの3年振りの3rdアルバム。 これまでと比べると、今作ではかなりヘヴィ・メタル的な色合いを 強くしており、スラッシュ・メタル的なエッセンスを持ち込み、 リフを刻みながらもギター・メロディもきちんと押し出して来る。 そこにモダンなヘヴィ・ロックらしいうねりも入ってくるので、 ある意味ブラック・アルバム以降のMETALLICAをソフトにした様な 感じを受けるアルバムとなっている。ボーカルがJAMES HEADFIELDS 的なので、尚更そう言う感じを受ける。今の ヘヴィ・ロックとしては最もヘヴィ・メタル的だが、出来れば もっとサウンドを厚くして欲しかった気もするが。[83]
カナダのパンク・ロック・バンドの4thアルバム。音楽的には GREEN DAY等に通ずる様なポップなパンク・ロックで、非常に聴き 易い作品に仕上がっている。こう言った作品はGREEN DAY以降、 もう珍しいものではなくなってしまっているだけに、 パターン化されてどこかで聴いた事がある様な気がするのだが、 ポップ・センスの確かさは間違いない。ハードな部分もあるが、 ハード・ロックとは全く質が異なるものなので、ハード・ロック 系のファンが聴いて面白いかどうかは微妙だが、出来は良い事は 確かだ。ただ、ジャケットの趣味の悪さには少し引いてしまう。 [80]