GORKY PARK / GORKY PARK
ソヴィエとのヘヴィ・メタル・バンドの1989年にリリースされた
デビュー盤。まだヘヴィ・メタル未開の地と言った印象を
持たれていた当時のソヴィエとで、BON JOVIのJON BON JOVIと
RICHIE SAMBORAのバック・アップの元、のBRUCE FAIRBAIRNを
プロデューサーに迎え、いきなりメジャー・デビューとこれ
以上はないと言って良い位の好条件でデビューしている。この
アルバムの良いところは、特にBangで使用される、独特の
パーカッションで、ソヴィエとっぽさを感じさせる事だろう。こう
言った楽曲がもっと多いと面白いのだが、残念ながら多くの楽曲は
アメリカナイズされたどうと言う事のないものが多く、折角の
個性を確立するまでに至っていない。[81]
GOTTHARD / GOTTHARD
スイスのハード・ロック・バンドの1992年にリリースされた
デビュー盤。KROKUSのCHRIS VON ROHRのプロデュースによる
作品だが、KROKUSよりはもっと叙情的なメロディを押し出した
作品だ。Downtowns等、楽曲によっては、リズム&ブルース的な
色合いがあって、むしろWHITESNAKEっぽく
感じられたりするところがある。DEEP PURPLEのHushを
カバーしたりしているし、イギリスのハード・ロックから影響を
受けていると言って過言ではないだろう。Angel等における、
STEVE LEEのボーカルがDAVID COVERDALEっぽかったりするので、
尚更そう言う感じがする。エッヂの効いたハードなサウンドで、
中々聴きごたえのあるアルバムに仕上がっている。[86]
DIAL HARD / GOTTHARD
スイスのハード・ロック・バンドの1994年にリリースされた
2ndアルバム。前作に引き続いて、元KROKUSのCHRIS VON ROHRが
プロデュースしている。前作では、リズム&ブルース的な
色合いがあり、ともすればWHITESNAKEを想像させる様な
部分もあったが、今作ではそう言った色合いがやや減じ、より
普遍的でブルージィなハード・ロックと言う感じの作品に
仕上がっている。叙情的なメロディを持ちながらも、
エッヂのたったサウンドにフックのある楽曲は、実に聴き
応えがある。STEVE LEEのパワフルなボーカルがまた効果的で、
実に格好が良い。面白いのは、THE BEATLESのCome Togetherを
カバーしていて、如何にも彼等らしいハードな
アレンジになっている。[84]
G. / GOTTHARD
スイスのハード・ロック・バンドの3rdアルバム。今や
プロデューサーとして名を馳せている、元KROKUSの
CHRIS VON ROARによるプロデュース作品だ。その関係もあるのか
BON DYLAN、LED ZEPPELINに混じってKROKUSのカバー曲も
聴かせてくれている。デビュー・アルバム等では幾分
WHITESNAKEっぽいという感じもしたが、そう言うブルージィさは
味付けとしてうまく生かすにとどまっていて、より正統的な
ハード・ロック作品に仕上がっている。楽曲も洗練されているし、
演奏力も高く、中々レベルは高いアルバムだ。[86]
THE HAMBURG TAPES〜SPECIAL LIVE EDITION / GOTTHARD
スイスのハード・ロック・バンドの来日記念盤となる
ライヴ・ミニ・アルバム。ミニ・アルバムという関係上、
どうしてもぶつ切れと言った感じで収められているが、録音状態も
良いし、ソリッドでエモーショナルさが良く出ていて、その
ライヴ・パフォーマンスのレベルに高さが感じられる作品だ。来日
記念と言う、企画盤とは思えぬ出来栄えで、是非ともフルレンスの
ライヴ・アルバムを期待したくなるだけの内容となっている。
元々楽曲の出来は素晴らしかったし、演奏力も高いと伺えるだけの
アルバムを作っていただけに、それに違わぬ作品だと言って
良いだろう。[86]
SEA OF DREAMS / GODGORY
DAN SWANOプロデュースによる、スウェーデンの
メロディック・デス・メタル・バンドのデビュー作。ボーカルの
MATTE ANDERSONは低く太く唸るようなデス・ボイスと、
クリア・ボイスの両方を使い分けている。バックはザクザクと
リフを切り刻んで来るパワー・メタル・タイプで、中々格好が
良い。攻撃的なリフと泣きのメロディの組み合わせが
素晴らしいし、楽曲的にはAMORPHISを攻撃的にしたようで、
良い出来だ。ただし、デス・ボイスがこの手のものとしてもなお、
聴きがたいのが難点で、クリア・ボイスとの落差も激しすぎる。
[83]
SONGS OF LOVE AND HATE / GODFLESH
元NAPALM DEATHのJASTIN BROADRICK率いる、イギリスの
ヘヴィ・インダストリアル・ロック・バンドの4thアルバム。
音楽的には、MINISTRYとは少し違い、ミドル・テンポ中心の
威圧感あるサウンドで、J.K.BROADRICKのボーカルは呪術的に
シャウトする。新たにドラマーとしてB.MANTIAが加入しており、
生々しいインパクトのあるサウンドになっている。変化がないので
最後まで聴くのは少し辛いが、サンプリングに重ねたヘヴィな
ギター・サウンドは独自の世界を構築しており、
おどろおどろしさを感じさせ、その世界観は圧巻だ。[82]
SOUL SURVIVOR / GOREFEST
オランダのデス・メタル・バンドの4thアルバム。
JAN-CHRIS DE KOEIJERの咆哮型のデス・ボイスはともかく、楽曲は
完全にドゥーム/パワー・メタル的な方向へとシフトしている。
ダークさはあまりなく、サイケデリックな色調の落ちた
ヘヴィ・ロック風とも言えるが、荘厳さを持ったキーボードが
不思議とマッチしているのは面白い。デス・ボイスもそれ程
きつくなく、かなり聴き易い作品になっているし、メロディは
かなりはっきり押し出しているので、割と一般受け出来る
作品だろう。グルーヴィ感があるので、のりが良くてテンポが良く
聴かせてくれる作品だ。[84]
ONE LIFE, ONE SOUK / GOTTHARD
スイスのハード・ロック・バンドの3rdアルバムからのシングル。
若干ブルージィな部分もみえるハード・ロックンロールだが、
相変わらず、このバンドのレベルの高さを感じれる出来だ。
しんみりとしたアコースティック・バラードの
タイトル・ナンバーは実に美しい。収録曲のうち、
シングル・カットのOne Life, One SoukとKROKUSのカバー、
Sweet Little R'R'はアルバムに収録されているし、
LED ZEPPELINのカバー、Immigrant Songは同じく日本盤の
ボーナス・トラックとして収められているので、日本盤の
3rdアルバムを持っていれば購入する価値はあまりないのだが。
[85]
SHADOW'S DANCE / GODGORY
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの
2ndアルバム。オープニング・ナンバーのAbandonではビートの
効いたリズムをやるかと思えば、MATTE ANDERSSONが
クリア・ボイスで哀愁のメロディを切々と歌い、THOMAS HEDERの
DREAM THEATER風のキーボードが入ったりとデス・メタル外への
クロス・オーバーがひしひしと感じられる作品だ。更に
Rotten In Deaceのリフは明らかにMEGADETHだし、借り物的な
印象は拭えないが、これまでの
メロディック・デス・メタル・アルバムとはかなり一線を画した
作品になっている。ただ唯一デス・ボイスを使っている事を
除いて、スラッシィかつプログレッシヴ・メタル的な作品であり、
叙情的でドラマティックなアルバムに仕上がっている。[84]
MELANCHOLY / GOLGOTHA
詳細は良く判らないが、恐らくスペインの
ゴシック/ドゥーム/メロディック・デス・メタル・バンドの
1995年にリリースされたアルバム。ボーカルのAMON LOPEZは
咆哮するデス・ボイスとクリア・ボイスを使い分けるが、この
デス・ボイスが中々聴きがたい。そこはかとなく、ブルータルな
香りがあり、この手のものとしてはより
メロディック・デス・メタル的な指向が強い作品と言えるだろう。
ザクザクとリフを切り刻んだりして、それ程耽美なわけではない。
楽曲の出来は今一つで、メロディにも捻りが足りないし、まだまだ
改善の余地がある。[64]
D FROSTED / GOTTHARD
地元スイスでは絶大な人気を誇るハード・ロック・バンドの新曲
4曲を含むアコースティック・ライヴ・アルバム。同郷の元
KROKUS、ASIAのギタリストMANDY MEYER等のゲストを迎えて、
8人編成という大所帯のライヴになっている。
アメリカン・テイストを持ったバンドだけに、こういう
アコースティック作品では何となくほのぼのとした雰囲気を
湛えている。元々ライヴ・パフォーマンスには定評のある
バンドだっただけに、こうやってアコースティック・ライヴを
聴いても安心して聴いていられる。今回はアコースティックという
企画がまずあってのライヴなのだろうが、通常の
ライヴ・アルバムもそのうち是非出して欲しいバンドだ。[81]
GORDIAN KNOT / GORDIAN KNOT
今や伝説ともいえるアメリカの
プログレッシヴ・デス・メタル・バンド、CYNICの元ベーシストで
現在大学で教鞭を取っていると言う、SEAN MALONEによる
プロジェクト・アルバム。参加メンバーが、同じく元CYNICの
SEAN REINERT、元WATCHTOWER、SPASTIC INKのRON JARZOMBEK、
KING CRIMSONのTREY GUNN、DREAM THEATERのJOHN MYUNGと言った
テクニシャン揃いと言うのも凄い。方向的には
プログレッシヴ・ロックとフュージョンの融合と言った感じの
インストルゥーメンタルのテクニカル・ロック・アルバムで、
ヘヴィ・メタル的な要素はあまりない。静けささえ感じさせる様な
サウンドの中で、テクニカルな演奏を繰り広げていく様は圧巻だ。
ある意味ではCYNICの音楽性を継いでおり、フュージョンも聴ける
ファンであるならば納得できる作品だろう。[86]
CHAPTER 13 / GOREFEST
オランダのヘヴィ・ロック・バンドの6thアルバム。前作辺りから
出て来ていた方向転換を更に押し進めた作品だと言って
良いだろう。重厚なサウンドに初期BLACK SABBATHを思わせる様な
ギター・メロディを差し挟んできたりする。ストーナーと言う程
サイケデリックな感じはなく、よりストレートだが、手を
入れるべき所では大胆に手を入れている。ヘヴィでテンポの良い
歪ませたサウンドは小気味良いし、バンドの存在感が十分
感じられて出来は悪くない。J.C.DE KOJYERの
ボーカル・スタイルには少し好き嫌いが分かれるかも知れないが、
泥臭い重量感には好感が持てる。[82]
CHEMICAL GARDEN / GOOSFLESH
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドのデビュー盤。
方向的には、いわゆるモダン・ヘヴィと言うやつだが、より
スラッシュ・メタル的なサウンドだ。PHILIP ANSELMOにも通ずる
様な、KRISTIAN LAMPLIAの怒りを含んだ吐きつけるような
ボーカルに、ザクザクと切り付けてくるようなスラッシュ・メタル
的なリフはテンポの良さを感じさせる。こう言った方向性では
斬新さを感じさせるのは難しいが、スラッシュ・メタル的な
小気味良さが中々気持ち良い。楽曲の出来も悪くないし、結構
聴きごたえのあるアルバムに仕上がっている。[81]
US AND THEM / GODFLESH
イギリスの2人組のインダストリアル・ユニットの3年振りの
5thアルバム。インダストリアルと言っても、NAPALM DEATH
人脈なだけあって、のりの良さはなく、非常にダークな方向性は
変わらない。それでも、I, Me, Mineは、これまでの中ではかなり
のりのある曲で、一風変った感を受ける。ダークでダウナーな
インダストリアル・サウンドは、とても一般受けするとは
思えないが、不思議な味わいがある。無機質で、非常にクールな
サウンドは、機械的な冷たさを十分伝えてくれる作品で、一種、
退廃的な美を感じさせるアルバムに仕上がっている。[82]
OPEN / GOTTHARD
スイスのハード・ロック・バンドの4thアルバム。これまで、
ゲスト的立場で延々と参加し続けていた元KROKUSのギタリスト、
MANDY MEYERが今作より正式にクレジットされている。方向的には
よりアメリカナイズされた感じのする作品で、所々で後期BON JOVI
的な香りがする部分もある。メロディの良さは相変わらずさすがと
思わせる所があるが、これまでの作品からするとかなり地味な
感じを受ける。前作がアコースティック・アルバムであった
影響があるかどうか判らないが、より普遍的なロックに近づいた
様な感じがする。彼等らしい叙情的なメロディを持ちながらも、
渇いた明るいメロディがあったりもする作品で、良く
出来ているとは思うが、これまでのファンが、G.以上に手放しで
受け入れられるかと言うと疑問だ。[82]
LIVE...WITH A LITTLE HELP FROM OUR FRIENDS / GOV'T MULE
元ALLMAN BROTHERS BANDのWARREN HAYNES、ALLEN WOODY等による、
アメリカのブルーズ・ロック・バンドの2枚組みライヴ盤。昨年の
大晦日に行われたアトランタでのニュー・イヤーズ・ライヴの
模様を収めたものだ。タイトに黙々と演奏している様は、背筋に
ゾクゾクと来るくらい素晴らしい。特に30分近く続く、締めの
Afro-Blue等は、圧巻と言う他はない。クールな楽曲は非常に格好
良いし、BLACK SABBATHのWar Pigsをカバーしたりしているので、
メタル系のリスナーにも聴きごたえはあるはずだ。とにかく硬派な
サウンドで、ブルーズ・ロックが好きならばお奨め出来る。[85]
BLOODY BLASPHEMY / GOD DETHRONED
オランダのデス・メタル・バンドの1999年にリリースされた
2ndアルバム。ジャケット違いのボーナス・トラック付きの
デジパックの限定盤だ。方向的にはブラスト・ビートを多用した
ブルータルなデス・メタルだが、きちんとメロディが
入れられていて、その分EMPERROR等の様な
ブラック・メタルっぽさも感じさせる。メロディを保ちながらも
破壊力のあるサウンドを奏でる様は圧巻で、ドラマティックに
展開して行くところも中々良い感じだ。こう言う部分がもっと
先鋭化して行くと面白い存在になると思うが、HENRIの
デス・ボイスが今一つ合っていない様な気がしないでもない。[80]
I / GOATSNAKE
アメリカのドゥーム・ロック・バンドのデビュー盤。
THE OBSESSEDのベーシスト、GUY PINHASとドラマー、GREG RODGERS
等によるバンドで、THE OBSESSED同様、初期BLACK SABBATHの
音楽性を継いだものと言えるだろう。よりサイケデリックで
ヘヴィな作品で、グルーヴ感よりも重厚さを重視した作品
作りとなっている。その分、よりコアに感じるアルバムで、のりは
残念ながらストーナー系程良くないが、元々そう言った部分に
主眼を置いている訳ではないし、BLACK SABBATHの
ヘヴィ・ロックたるエッセンスを良く出していると思う。[86]
GONIN-ISH / GONIN-ISH
日本のプログレッシヴ・メロディック・デス・メタル・バンドの
デビュー盤。かなり変則的なフレーズが随所に飛び出して来て、
この手のものとしては最もプログレッシヴ・ロック色の強い作品と
言って良いだろう。部分的にはフュージョンっぽさも
感じるところがあって、CYNICの影響がかなり強いと思われる。
歌詞は昔の日本の怪奇的な部分を歌っており、デス・ボイスと
松岡明子のクリア・ボイスの絡みが中々面白い。シンフォニック
的な部分から大胆に展開してみたりとアイデアは中々良いが、少し
未整理に感じる部分がなくもない。プロダクション的にも改善の
余地は感じるが、シアトリカルでアイデアは悪くない。[82]
LIFE BEFORE INSANITY / GOV'+MULE
元ALLMAN BROTHERS BANDのWARREN HAYNES、ALLEN WOODY等による、
アメリカのブルーズ・ロック・バンドの3rdアルバム。
方向的には、よりホワイト・ブルーズ・ロック的な色合いが濃く、
FREEやBAD COMPANY的な色合いが感じられる。特に、
No Need To Sufferは哀愁漂う佳曲で、THUNDER辺りのファンにも
十分訴えるものがあるはずだ。アダルトな侘しさと哀愁をまとった
骨太のブリティッシュ・ブルーズは実に味わい深く、雰囲気が良く
出ている。楽曲によってはALLMAN BROTHERS BAND的な
部分もあって、ブリティッシュ・ブルーズだけではなく、アメリカ
南部風の雰囲気も味あわせてくれる[82]
COVER OF NIGHT / GOOD RATS
アメリカのハード・ロック・バンドの1996年に自費出版で
リリースされた、再結成第1弾となる15年振りの7thアルバム、
TASTY SECONDSを再リリースしたもの。ゲストとして、かつて
メンバーであった元TWISTED SISTERのドラマー、JOE FRANCOと
ギタリスト、BRUCE KULICKの他、元RAINBOWのキーボード、
DAVID ROSENTHAL等が参加している。方向的には、叙情的な
メロディのアメリカン・ハード・ロックで、キャッチーさと
ワイルドさを感じさせてくれるアルバムに仕上がっている。
アメリカらしいカラッとした叙情的なメロディ等は流石と
思わせてくれるし、悪くないアルバムだ。[81]
FLOWER OF DISEASE / GOATSNAKE
アメリカのドゥーム・ロック・バンドの2ndアルバム。
グルーヴィーでサイケデリックな、如何にもと言った感じの
作品だ。とは言っても、世にいるストーナー・ロックや
ヘヴィ・ロックのバンドとは大きな異質感を感じさせてくれる。
サイケデリックさにドライヴ感を付けるバンドも多い中で、重厚で
沈み込む様なBLACK SABBATH的なリフをあくまでも中心に
据えている。初期BLACK SABBATHの呪術的で重厚なサウンドが、
ここに引き継がれていると言って良いだろう。トリップ感の
感じられる。現代的なストーナー・ロックとしてのスタイルを
持ちつつも、その源流にあるBLACK SABBATHの香りを色濃く
感じさせる作品に仕上がっている。[85]
HOMERUN / GOTTHARD
スイスのハード・ロック・バンドの5thアルバム。これまでの
作品と比べると、朗らかでライトな感覚に溢れた、より
アメリカナイズされたサウンドと言う印象を受ける。野球のあまり
盛んでないヨーロッパのバンドでこのタイトルは、如何にも
アメリカ・マーケットを意識している様な気もするが、そう言った
事を抜きにしても流石と思わせるだけの作品に仕上がっている。
STEVE LEEのハートフルなボーカルもあいまって、非常に情感
豊かなアルバムとなっており、中々聴き応えがある。キャッチーな
メロディを配し、時には明るく、時には愁いのあるメロディを
擁した、バラエティ豊かなメロディアス・ハード・ロックの
秀作だ。[87]
AWAKE / GODSMACK
アメリカのヘヴィ・ロック・バンドの2ndアルバム。如何にも
アメリカの現代のヘヴィ・ロック・バンドらしい、クールで
ヘヴィなサウンドを聴かせてくれている。ALICE IN CHAINS辺りの
流れを組んでいるが、よりリフを押し出し、グルーヴ感を
感じさせるアルバムに仕上がっている。ビートが利いていてのりが
良く、スピリチュアルでヘヴィなリフはヘヴィ・メタル側の
リスナーにも十分受けるだろう。JAMES HEADFIELDS風のSULLYの
ボーカルを含め、この手の今風のヘヴィ・ロックとしては、最も
ヘヴィ・メタル色の強い作品で、中々格好の良いアルバムに
仕上がっている。[88]
MUTILATED IN MINUTES... / GOREROTTED
イギリスのデス・メタル・バンドのデビュー盤。如何にも
コアっぽいセンスの悪いジャケット通り、グラインド・コア系の
デス・メタルを聴かせてくれている。中ジャケットの血まみれの
ライヴ写真を見ても判る通り、ブラスト・ビートを前面に押し
出した、非常にブルータルな作品に仕上がっている。典型的な
CANNIBAL CORPSE系の真性デス・メタルで、破壊力もあるのでこの
手のものが好きならお奨め出来るが、到底一般受けしない内容だ。
ツイン・ボーカルの形態を取っており、BABY SLICEDの地を這う
様なデス・ボイスの咆哮も迫力があるし、これにMR GOREの
シャウトがあいまって破壊力たっぷりだ。[81]
RAVENOUS / GOD DETHRONED
オランダのデス・メタル・バンドの4thアルバム。方向的には
スラッシュ・メタル系のデス・メタルと言えるもので、強烈な
アグレッションを振りまく凶悪なリフと、憂いを湛えたメロディの
ギター・ソロで構築された、作品に仕上がっている。攻撃的で
ブルータルなリフは非常に強力だが、その叙情的なメロディ性を
決して損なっていない事は評価出来る。メロディも中々良く
出来ており、スラッシュ・メタル系のデス・メタルとしてはかなり
レベルの高いアルバムだと言って良いだろう。THE SERPENT KINGの
デス・ボイスは、かなりディストーションの効いたもので、好き
嫌いが分かれるかもしれないが、攻撃性も良く出ている。[82]
ONE LIFE ONE SOUL / GOTTHARD
スイスのハード・ロック・バンドのバラード集。全18曲のうち、
カバーが1曲、新曲が1曲、リミックスが2曲、ミックス違いが2曲、
アルバム未収録曲が2曲と言う構成になっている。
ROLLING STONESのカバー、Ruby TuesdayはSTEVE LEEのボーカルを
活かした、枯れた感じのアレンジになっており、彼等らしい
内容となっている。新曲のLooking At Youは、厚いコーラスを
施した、非常にアメリカ的な憂いを含んだナンバーだ。アルバム
未収録曲では、He Ain't Heavyはさして大した事のない
バラードだが、ボーナス・トラックのTimeはアップ・テンポの
キャッチーなナンバーで、アルバムの趣旨である
バラードではないが、彼等らしい楽曲だ。[82]
ANGEL'S TEARS / GOLDEN FARM
スペインのハード・ロック・バンドのデビュー盤。スペインと
言うと、巻き舌で独特なイントネーションを感じさせる、叙情的な
メロディのヘヴィ・メタルを想像させるが、このバンドにはそう
言った部分は全くなく、全体的にかなりアメリカナイズされた
洗練されたメロディを主体としたハード・ロックをやっている。
産業ロック系とでも言うべき、キャッチーで叙情的なメロディを
前面に押し出したハード・ロックだ。この手のものとしてもかなり
甘めのメロディで、TERRA NOVA辺りにも通ずる部分がある。聴き
易いハード・ロックで、メロディ自体はやや甘過ぎる様な
気もするが、出来自体は悪くない。[80]
EMERGENT / GORDIAN KNOT
アメリカのテクニカル・ロック・バンドの4年振りの2ndアルバム。
わずか1枚のアルバムで解散した伝説的な
プログレッシヴ・デス・メタル・バンド、CYNICのベーシスト、
SEAN MALONEを中心としたプロジェクトだ。方向的には
フュージョン色の強いインストルゥーメンタルで、彼らしい
テクニカルな演奏や、プログレッシヴな音楽性が顔を見せてくる。
CYNIC程の派手さはないが、落ち着いた雰囲気の中にも一筋縄で
行かないところがある。メンバーもKING CRIMSONのBILL BRUFORD、
元CYNICのギタリスト、JASON GOBEL、元GENESISのギタリスト、
STEVE HACKETT、FATES WARNINGのギタリスト、JIM MATHEOS等が
参加している。[85]
CONQUERORS DIVINE / GODDESS OF DESIRE
オランダのヘヴィ・メタル・バンドの3rdアルバム。楽器演奏
以外のパフォーマンスを行う女性を含む変わった編成のバンドで、
内ジャケットではそのLILITH DELILAHが火を吹いているシーン等が
収録されている。そう言ったものも含めて、ルックス的には
全体的におどろおどろしく妖しいエクストリームなエッセンスを
感じさせるのだが、音楽的には以外や非常にオーソドックスな
ヘヴィ・メタルを聴かせてくれている。1980年代の
アグレッションを効かせたB級ヨーロピアン・メタルと言った
感じで、こう言った臭いヘヴィ・メタルが好きならば聴いて
損はないはずだ。[82]
HUMAN ZOO / GOTHARD
スイスのハード・ロック・バンドの2年振りの6thアルバム。今や
スイスの国民的バンドとなっているが、それに違わぬ質の高い
メロディアス・ハード・ロックを聴かせてくれている。特に
What I Like等は非常にThe Beatlesっぽいメロディ等があったり、
大衆性と言う意味ではかなりのレベルにあると思う。アメリカ的な
センスも感じさせる非常に質の高いメロディで、エッヂの立った
サウンドで聴き応えもある。情感も良く出ていて、
メロディアス・ハードとしてはかなりレベルが高いのは
間違いないが、ややバラードが多過ぎると言う感じがあり、特に
終盤は逆に盛り上がりに欠ける結果になっているのが残念だ。[86]
GOLDBRICK / GOLDBRICK
日本のヘヴィ・メタル・プロジェクトのアルバム。元ANTHEMの
ボーカリスト、森川之雄と虹伝説やHUGHES TURNER PROJECT等の
活動で知られるギタリスト、梶山章によるプロジェクトだ。
梶山章が曲を書いているので、当然基本的には後期RAINBOWや
DEEP PURPLEっぽさを感じさせるものだ。そこに梶山章の
エモーショナルなギター・プレイと、森川之雄のパワフルな
ボーカルが一体となって、実に聴き応えのある作品に
仕上がっている。楽曲は適度にポップでバラエティにも
富んでおり、RITCHI BLACKMOREのフォローワーとしては群を抜いた
存在と言って良いだろう。[87]
FACELESS / GODSMACK
アメリカのヘヴィ・ロック・バンドの3年振りの3rdアルバム。
これまでと比べると、今作ではかなりヘヴィ・メタル的な色合いを
強くしており、スラッシュ・メタル的なエッセンスを持ち込み、
リフを刻みながらもギター・メロディもきちんと押し出して来る。
そこにモダンなヘヴィ・ロックらしいうねりも入ってくるので、
ある意味ブラック・アルバム以降のMETALLICAをソフトにした様な
感じを受けるアルバムとなっている。ボーカルがJAMES HEADFIELDS
的なので、尚更そう言う感じを受ける。今の
ヘヴィ・ロックとしては最もヘヴィ・メタル的だが、出来れば
もっとサウンドを厚くして欲しかった気もするが。[83]
FOOT IN MOUSE DISEASE / GOB
カナダのパンク・ロック・バンドの4thアルバム。音楽的には
GREEN DAY等に通ずる様なポップなパンク・ロックで、非常に聴き
易い作品に仕上がっている。こう言った作品はGREEN DAY以降、
もう珍しいものではなくなってしまっているだけに、
パターン化されてどこかで聴いた事がある様な気がするのだが、
ポップ・センスの確かさは間違いない。ハードな部分もあるが、
ハード・ロックとは全く質が異なるものなので、ハード・ロック
系のファンが聴いて面白いかどうかは微妙だが、出来は良い事は
確かだ。ただ、ジャケットの趣味の悪さには少し引いてしまう。
[80]