TRACKS FROM THE DUST SHELF / GTS
元IF ONLY、AIRRACEらのメンバーで結成されたイギリスの
ハード・ポップ・バンドの恐らくデビュー盤。方向的には、
AOR系の憂いを帯びた軽目のハード・ポップだ。全体的にまとまり
過ぎに感じられ、無機質でこじんまりとした地味な印象がするのは
遺憾ともし難いが、メロディ・センスの良さとアレンジのうまさは
十分感じられる。インパクトはないが、爽やかで清廉な
メロディで、清々しさを与えてくれる。泣きのギター・ソロも
印象的だし、とにかく楽曲の出来は良いので、湿った産業ロックが
好きならお勧め出来る作品だ。[83]
KING BISCUIT FLOWER HOUR PRESENTS / GTR
YES、ASIAのギタリストだったSTEVE HOWEとGENESISの
ギタリストだったSTEVE HACKETTの二人のスーパー・ギタリストが
中心となり結成されたバンドのラジオ番組用に収録された1986年の
ライヴ音源をCD化したもの。他にも現在ソロ活動を行っている
MAX BACONがボーカルを取っていてクリアで力強い歌声を
聴かせてくれている。YES、GENESISのおなじみのナンバーを始め
STEVE HOWE、STEVE HACKETTのソロ・アルバムも含めた
構成になっている。そうそうたるメンバーだけあって、ライヴの
出来もまるで問題無いし、素晴らしい出来だ。
プログレッシヴ・ロックというよりはかなりポップな作品と
言えるだろう。[85]
TIME STOOD STILL / GTS
イギリスのハード・ポップ・バンドの1996年にリリースされた
2ndアルバム。AOR的な洗練されたメロディのハード・ポップで、
全体的にミドル・テンポで落ち着いた印象を受ける作品だ。非常に
良く出来た作品ではあるが、飛び抜けた部分はなく、聴き
流してしまえそうなのが残念だ。メロディ・センスはさすがと
思わせるような流暢さがあって良いのだが、それが逆に整い過ぎて
盛り上がりに欠けると言う結果にもなっている。せめてもう少し
緩急があれば、変化があって良かったのではないかと思える。
楽曲の出来を始め、プロダクションも悪くないし、一定の
レベルには達しているとは思うが。[80]