SYMPHONY OF DREAMS / IAN PARRY
オランダのヘヴィ・メタル・バンド、VENGEANCEの
元ボーカリストによる1993年にリリースされた初の
ソロ・アルバム。VENGEANCEではその解散により、ほとんど
活躍らしい活躍も出来ぬままバンドを去ったが、その後
リリースされたベスト盤に彼のボーカルで収録された楽曲が
収められ、その美声が一部で話題になった。この作品でも、彼の
透った素晴らしいボーカルが堪能出来、その実力者振りを
伺わせてくれる。楽曲はほぼ彼が書いており、ポップス的な
楽曲もあるものの、割合とヘヴィな楽曲もあって中々聴き
応えがある作品に仕上がっている。[82]
ARTISTIC LICENCE / IAN PARRY
オランダのヘヴィ・メタル・バンド、VENGEANCEの
元ボーカリストによる1994年にリリースされた2ndアルバム。
前作と比べると、よりハード・ロック色の濃い作品となっており、
聴き応えが増している。タイトな作品作りがなされており、
ハモンド・オルガン等も導入されている。キャッチーなメロディを
持ちながらも、パワフルさがあって、より力強く歌唱しており、
彼のボーカルが良く生きている。前作でややソフトだったと言う
不満を憶えた人には十分満足行く内容だと言って良いだろう。彼の
透ったボーカルとハモンド・オルガンの組み合わせが実に格好
良く、楽曲の出来も含めて中々の素晴らしいアルバムに
仕上がっている。[86]
NAKED THUNDER / IAN GILLAN
イギリス人ボーカリストの1990年にリリースされた
ソロ・アルバム。再結成DEEP PURPLEを一時期
ドロップ・アウトしていた時期の作品で、STEVE MORSE、
SIMON PHILIPS、ROGER GLOVER、TOMMY EYRE等が参加している。
元々ソウルフルなボーカリストだけあって、このアルバムの内容も
実にソウルフル作品に仕上がっている。DEEP PURPLEとはかなり
方向性を異にするし、サックスなどを交えており、それほど
ハード・ロック的と言う訳でもないので、DEEP PURPLEのファンが
聴くとやや期待外れかもしれない。[80]
THRU THE LOOKING-GLASS / IAN PARRY
オランダのハード・ロック・バンド、VENGEANCEのイギリス人元
ボーカリストの3rdソロ・アルバム。1作目がVEANGENCEの優れた
メロディ・センスを引き継いだ、良質の
ポップ・アルバムであったのに対して、2作目では多少
ハードになったものの、楽曲の出来がかなり劣っていると言う
印象を受けた。今作では前作より更にヘヴィになったが、
1stのころのような優れたメロディ・センスを持つ素晴らしい
アルバムに仕上がっている。声質もあって最近のMAGNUMを
ハードにしたような感じを受ける部分もある。惜しむらくは
一曲一曲取れば良い曲なのだが、アルバムを通すとどうも
まとまりに欠けるきらいがある事だろう。[87]
DREAMCATCHER / IAN GILLAN
イギリスのハード・ロック・バンド、DEEP PURPLEの
ボーカリストによるソロ・アルバム。ではあるのだが、いわゆる
ハード・ロック的な要素は全くない。ほのぼのとしたポップな
ロック・アルバムで、全体的に牧歌的雰囲気すら漂う作品である。
ブルーズ色のある楽曲もあり、全体的にアダルトな雰囲気が
漂っている。決して悪い出来の作品な訳ではないのだが、この
作品をDEEP PURPLEファンが聴いて面白いかというと、到底そうは
思えない。楽曲によってはかなりハードなギターを
入れているものもあるが、そういう方面では期待しない方が
良いだろう。[77]
DRIVERS EYES / IAN MCDONALD
元KING CRIMSON、FORIGNERのイギリス人ミュージシャンの初めての
ソロ・アルバム。アルバムとしてはFORIGNERのHEAD GAMES以来と
言う事になるので、実に20年振りの作品だ。流麗で叙情的な
サウンドのアルバムで、よりポップと言う事から言えば、
KING CRIMSONよりはFORIGNERの方が近いだろう。流麗で愁いを
帯びたYou Are A Part Of Me等は特にそう言った感じを受ける。
サックス、フルート、シンセサイザー、ギター、ベース、
ボーカル、パーカッション等々マルチ・ミュージシャン振りを
見せてくれており、彼の才能の素晴らしさを実感できる
アルバムとなっている。Forever And Ever等は、哀愁漂う情感
豊かな名曲で、全体的に楽曲のレベルは非常に高い。JOHN WAITE、
STEVE HACKETT、JOHN WETTON、LOU GRAMM、PETER FRAMPTONを
始め、そうそうたるメンバーが参加しており、素晴らしい作品に
仕上がっている。[87]
IAN PARRY'S CONSORTIUM PROJECT / IAN PARRY'S CONSORTIUM PROJECT
プロジェクトの形態を取っているが、イギリス人ボーカリストの、
ELEGY加入後初となる4thソロ・アルバム。ソロ・アルバムの
方向性としては徐々にヘヴィになってきていたが、ここでもより
ヘヴィな音作りになっている。VICTORYのTOMMY NEWTON、ELEGYの
DIRK BRUINENBERG、MARTIN HELLMANTEL、VANDENPLASの
STEPHAN LILL、VENGEANCEのBAREND COURBOIS、元VENGEANCEの
ARJEN ANTHONY LUCASSEN、TAMAS SZEKERES、PATRICK RONDAT、
KAMELOTのTHOMAS YOUNGBLOOD、と人脈の広さを伺わせるゲストが
参加している。叙情的で扇情的でオーソドックスな
ヘヴィ・メタルだが、ELEGYとはその音楽性の質を異にしており、
彼のパワフルなボーカルが良く生きている作品だ。楽曲の出来、
演奏ともかなり高いレベルのアルバムに仕上がっている。[86]
SPRIT/LIGHT/SPEED / IAN ASTBURY
イギリスのゴシック・ロック・バンド、THE CULTの
ボーカリストによるソロ・アルバム。方向的にはゴシック・ロック
的な色合いも感じるが、THE CULTよりもっとクールな感じのする
ロック・アルバムに仕上がっている。彼の独特の声質は
変るはずもなく、その存在感をここでも出している。
シンセサイザーによるビートが独特の風味を出しており、機械的な
冷たさを感じさせてくれる作品だ。愁いを含んだメロディの楽曲は
良く出来ているし、彼の持ち味が良く発揮出来ている。
THE CULTとは少し違った作品だが、彼のファンならば聴いて
損はないはずだ。[87]