スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの1993年に リリースされたデビュー盤。IRON MAIDEN型のパワー・メタル風の メロディック・デス・メタルだが、より叙情的なメロディを押し 出した、北欧のバンドらしいサウンドだ。この叙情的なメロディの 中で、MIKAEL STANNEの暴虐的なデス・ボイスが異彩を 放っている。アコースティック・ギターやバイオリンを導入し、 より叙情感を盛り上げている。楽曲の出来も素晴らしく、この 手のものではかなりと言うかトップ・クラスの出来だと言って 良いだろう。とにかく美しいし、楽曲の出来も良いので、 メロディック・デスが聴けるなら外すことはないだろう。[86]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1993年にリリースされた アルバム。実に中途半端なCD番号がついているのだが、 ジャケットの様子からすると恐らく自費出版だろう。明るいのりの 良いアメリカン・ハード・ロックで、キャッチーなメロディは中々 良い出来だ。JASON RIEKのボーカルは幾分軽いが、バンドの 方向性としてとしては合っているし、透った伸びのある声で、 非常に聴きやすい。似たり寄ったりのものが多いが、曲の出来は 悪くなく、Tell Me等は中々の佳曲だ。全体的に標準点以上の 出来だし、次作に期待出来るだけの作品に仕上がっている。[83]
詳細は良く判らないが、ドゥーム・メタル・バンドで、 NUCLEAR BLASTからリリースされている事とメンバーの 名前からするとドイツ近辺のバンドだろう。方向的には SOLITUDE AETURNUSのような暗く沈み込むドゥーム・サウンドで、 楽曲はもっとスロー・テンポが中心だ。楽曲は、あまり バラエティさはなくワン・パターンで最後まで聴くのは若干 辛いが、荒涼とした静寂感が漂っていて非常にドゥーミィで 悪くない。ボーカルも、あまりうまいとは言えないが雰囲気は 出ているし、所々ギターの詫びしさを感じさせる音色は 素晴らしいし、刻み込んでくるリフも良い。[80]
カナダのヘヴィ・メタル・バンドのデビュー盤。実に独創的な 世界を築いており、オルタナティヴ的なサウンドの上に QUEENSRYCHEタイプの楽曲と展開を構築していてなんとも 印象的だ。Far Cry等では中東的なギター・フレーズを入れて 来て、プログレッシヴ・ロック的なエッセンスも伺える。結構 地味な曲調が淡々と進む割には、サウンドにエッヂが効いていて、 グルーヴ感があり聴きごたえがある。メロディ・センスは かなりのものだし、ボーカルもハイ・トーンがきっちりと出ていて 文句ない。時にクラシカルに時にグランジ風のギター・ラインも 中々面白い。これでもう少し楽曲に地味さがなくなればかなり良い 線を行くだろう。[86]
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの1994年に リリースされたデビュー盤にその後リリースされた ミニ・アルバムをボーナス・トラックとして追加したもの。 ミニ・アルバムの方は、メンバー・チェンジ後の最初の 音源でだが、このミニ・アルバムの出来は、本編を上回る 出来であると言って良いだろう。とにかく楽曲が素晴らしく、 ブルータルな部分を持ちながらも、パワー・メタル的な楽曲の組み 立ての完成度は非常に素晴らしい。MIKAEL STANNEが DARK TRANQUILLITYに移籍してしまった為に、ボーカルには HENKE Fが加入しているが、中々にブルータルなデス・ボイスを 聴かせてくれている。[90]
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの 2ndアルバム。元DARK TRANQUILLITYでJESPER STROMBLADとは CEREMONIAL OATHでバンド・メイトだったANDERS FRIDENが加入し、 やっとパーマネントなボーカリストが決まったと言う感じだ。 デビュー盤後に出したミニ・アルバム、SUBTERRANEANはその 叙情性を究極にまで追及した作品でど肝を抜いたが、この作品では その路線を継承しつつもややハードで音に厚みを増し、展開をより 重視している作品に仕上がっている。故にSUBTERRANEAN程の 泣きまでには至っていないが、よりドラマティックな作品に 仕上がっている。この手の叙情派メロディック・デス・メタルの 中では群を抜く存在であることは間違いない。[90]
詳細は良く判らないがイギリスかノルウェイの メロディック・ブラック/ゴシック・メタル・バンドの様だ。 楽曲はメロディック・ブラック・メタルとゴシック・メタルの パートではっきりと分かれているので、その落差に少々違和感を 覚える。とはいうもののブラック・メタル系の曲は ヘヴィではあるがピアノを挿入するなどかなりメロディックであり 容認出来るレベルだ。ボーカル・スタイルはそれらにおいて完全に 使い分けており、それぞれ取り出して別のバンドだと言っても 通じるだろう。ゴシックの曲に関してもかなり叙情的な方向で 重さより陰鬱な美しさを感じさせる。女性のコーラスが 実に効果的でPrologueなどは実に素晴らしい。[84]
ノルウェーのブラック・メタル・バンドで、どうも1993年に作られた デビュー前のデモをCD化したものの様だ。デビュー盤では ゴシック色の強いスロー・テンポな楽曲が中心の耽美な 作品であったが、この作品ではまだそういった要素はなく、 ブラック・メタル本来の速いナンバーが中心になっている。 ブラック・メタル・ボイスも全開で、ブラスト・ビートを大幅に 取り入れ、ドゥーミィでヘヴィな内容だ。デビュー盤の様な ドラマティックな部分はなく、ブラック・メタル然とした 作品になっており、バンドの方向的変化が見られ興味深い。 1stにも収められていたHeart Of The Ageや ...And All This...といった新しい曲も収められているが、 このアルバムにおいてはやや毛色が違う印象はいがめない。 全体的に長めの曲が中心で、10分を超える曲もあり大作指向が 伺える。[68]
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの 3rdアルバム。これまでと同等以上にパワフルで疾走しており、 そのためANDERS FRIDENのデス・ボイスは更に破壊力を持って 咆哮出来ている。元々楽曲が良いので、 Dialogue With The Stars等でインストルゥメンタルを やっているのも悪くない。メロディ・センスの良さはここでも 変わらないし、アルバム自体の出来は素晴らしい。 DEPECHE MODEのEverything Countsも完全に自己のスタイルで 昇華してしまっている。全体的な出来のレベルは高いし、名作と 言って良いくらいの仕上がりになっている。[86]
元NIGHT RANGERのJESSE BRADMANとBOSTONのDAVID SIKESを 中心とした、アメリカのハード・ロック・バンドの1stアルバムで プロデュースもこの二人が担当している。叙情的だがパワフルな 楽曲をJESSE BRADMANの力強いボーカルで歌い上げている。 JESSE BRADMANの人脈でだろうが、NIGHT RANGERのBRAD GILLISと JEFF WATSONもゲスト参加している。他にもMARTY FRIEDMANが 参加していたりとなかなか豪華なゲスト陣だ。アメリカの ハード・ロックらしいのりの良い楽曲に、憂いのあるメロディも 持っており、全曲とは言えないのだがなかなか良い出来だ。[82]
アメリカのヘヴィ・メタル・プロジェクトのアルバム。BON JOVIの Runawayの共作者であるギタリストのGEORGE KARAK、 SHOTGUN SYMPHONYのボーカリストのTRACY WHITE、同じく ベーシストのED AVILA、同じくドラマーのRON SIVULICH JR、 ARCARAのギタリストのSTEPHEN DeACUTIS、そしてARCARAにゲスト 参加していたキーボードのBENNY HARRISONと言う、 ニュー・ジャージーのメロディアス・ヘヴィ・メタル系の名だたる ミュージシャンによるプロジェクトで、それに見合った内容に 仕上がっていると言って良いだろう。憂いを帯びた、叙情的で ポップでキャッチーなメロディは良く出来ていて聴き易い。 TRACY WHITEの伸びやかな透ったボーカルが雰囲気を盛り 上げていて良い感じだ。叙情派アメリカン・ハード・ポップが 好きならば、聴いて損のないアルバムだ。[86]
スウェーデンのメロディック・ブラック・メタル・バンドの デビュー盤。方向的にはいわゆるスラッシュ・メタル型 メロディック・デス・メタルで、AT THE GATES、DISSECTION等が 好きならば結構気に入るはずだ。非常にタイトでビートの効いた サウンドは破壊力があった凄みが感じられる。ARMAGEDDONの JONAS NYRENがARMAGEDDON参加前にこのバンドに在籍しており、 デビュー・ミニ・アルバム、STREAM OF DISPRAISED SOULSで 歌っていたが、このミニ・アルバムが日本盤では全曲 ボーナス・トラックとして集録されている。バイオリンを織り 交ぜたりしながら、暴虐さ溢れるメロディを紡いでいく様は、 アイデアも色々練り込まれていて圧巻ではるし、演奏もそれに 見合うだけのものはあるが、もう一捻り欲しい所だ。[82]
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの 4thアルバム。バンドとしては大きなメンバー・チェンジがあり、 ドラマーだったBJORN GELOTTEがギタリストに転向、新たに ドラマーに元SACRILEGEのDANIEL SVENSONとベーシストに PETER IWERSが加入している。特にDANIEL SVENSONのドラムは 素晴らしく、サウンドがより締まっている。楽曲的には、そろそろ ワン・パターンに感じて来た感も無きにしもあらずだが、 これまでよりアグレッシヴな曲作りが何とか功を奏している。 楽曲の出来も良いし、この手のバンドとしては トップ・クラスである事を十分証明しているだけのアルバムには 仕上がっている。[84]
イギリスのゴシック・メタル・バンドのデビュー盤。方向的には、 女性ボーカルを擁した、ニュー・ウェーブ系のサウンドで、 CANDIAの透ったボーカルが良く映えている。あっさりとした中にも 扇情感を醸し出しているし、BOB GARDENERのドラムがテンポの 良く、中々味わい深い作品に仕上がっている。プロダクション 的には、今一つと思えなくもないし、どうしてもチープな 感はいがめないが、決して酷いと言うレベルではない。この 手のものとしては、最もメタル色の薄い作品の一つだが、叙情的な 楽曲の出来は悪くないし、じっくりと聴かせてくれる作品だ。[84]
ノルウェイのスラッシュ・メタル・バンドの2ndアルバム。 デス・メタルっぽいサウンドを想像させるジャケットだが、その 方向性は古典的な正統派スラッシュ・メタルだ。とにかく早くて ブルータルなサウンドは、初期DEATH ANGELやPOSSESSEDと言った バンドを好きなリスナーの心をくすぐるものがある。 メジャーどころの理路整然とした様な作品と比べると、混沌とした 印象を受けるサウンドだが、攻撃的で、その有り余るパワーは十分 感じる事が出来る。HAZARDOUS PUSSY DESECRATORのシアトリカルな ボーカルも、その雰囲気をより倍加させている。[84]
イギリスのゴシック・メタル・バンドのアルバム。方向的には、 女性ボーカルを擁した、ニュー・ウェーブ系のゴシック・メタル 作品だ。CANDIAの流麗なボーカルにニュー・ウェーブ系の サウンドなので、かなり聴き易い作品だと言って良いだろう。 全体的に淡白な作品ではあるが、テンポが良いし、中々聴き 応えのあるアルバムに仕上がっている。キーボード等は、今一つ チープな感がいがめないのだが、出来は悪くない。この 手のものとしては、かなりヘヴィ・メタル色の薄い作品だが、 叙情的な楽曲の出来は悪くないし、それなりに聴きどころはある。 [83]
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドのデビュー盤。 方向的には、パワー・メタル的な臭いヨーロピアン・メタルに 北欧らしい透明感を持ち込んだサウンドだ。同系統の作品に 比べると、音は妙にクリアな割には、プロダクションが今一つで、 何か妙な違和感を受ける。やや、ジャーマン・パワー・メタル的な エッセンスもあり、非常に芋臭いアルバムに仕上がっている。 HEIMDALLの様なもろの路線ではないのだが、この臭さを愛する 人には訴えるものがあるはずだ。北欧的なクリアさが、幾分聴き 易いものにしているが、全体的にバランスの悪さを感じる。 メロディ・センス等には、期待を抱かせるものもあるが、今一つ やりたい事がうまく出来なかった様に思えて仕方がない。[80]
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの 2ndアルバム。バイキング・メタル・バンド、MITHOTYNと ブラック・メタル・バンド、THE PRIMORDIALのメンバーからなる プロジェクト・バンドだ。パワー・メタル型 メロディック・デス・メタルで、方向的にはIN FLAMES等に近いが、 もっと速くて扇情的でブルータルだ。IN FLAMESに比べると、やや チープに感じる部分がないでもないが、のりと勢いはこちらの 方があって、聴きごたえのあるアルバムに仕上がっている。特に ギター・メロディは秀逸で、この手のものとしては良く出来た 作品だ。[84]
ドイツのゴシック/パワー・メタル・バンドのボーナスCD付きの 2枚組みアルバム。方向的にはかなりパワー・メタル色の 強いもので、何と言ってもユニークなのは、サウンドの中心に バグ・パイプを添えている事だろう。7人のメンバー中3人が 管楽器と言う珍しい編成にケルト風のスカートと言う衣装は、正に 民族音楽的なエッセンスを撒き散らしている。ギター、ドラム、 ベースは正にパワー・メタル的なサウンドを築いており、ここに 被さって来る管楽器が独特の風味を醸し出している。衣装や サウンドは色物的な感じがしなくもないが、発想としては 悪くないし、オリジナリティが感じられる。[81]
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの 5thアルバム。バックがパワー・メタル的な事はこれまでと全く 変りはないが、全体的に楽曲の変化を抑えながらもわびさびを 効かせた作品となっている。メロディは全体的にポップで聴き 易くなって来ており、その分パンチに欠ける様な 気がしないでもない。クリア・ボイスが持ち込まれているため、 尚更そう言った感じがするかも知れない。それでも彼等らしい、 攻撃的なアグレッシブさは失われておらず、ギター・リフには フックが非常に良く感じられる。ただ楽曲が均一的で、もう少し 変化が欲しいと言う感があるのはいがめない。[87]
詳細は全く不明だが、 ゴシック/メロディック・デス・メタル・バンドのアルバム。 デス・ボイスのLUCA LIOTTIを中心に、LEONARDO MORETTIの クリア・ボイスとオペラティックなソプラノを聴かせてくれる CECILIA BONINSEGNIとANNA VIGNOZZIと言う2人の女性ボーカルを フューチャーしている。バックのサウンドは、哀愁漂う パワー・メタル型のデス・メタルだが、ゴシック・メタルらしく より陰鬱なパートを入れたり、耽美な色合いを打ち 出したりしている。この手のものとしては、最もヘヴィ・メタル 然とした音を聴かせてくれているだけに、聴き応えのある アルバムに仕上がっている。[84]
アメリカのハード・ロック・バンドの2ndアルバム。BON JOVIの デビュー時の名曲、RunawayをJON BON JOVIと共作した ギタリスト、GEORGE KARAKと元SHOTGUN SYMPHONYのボーカリスト、 TRACY WHITE等を中心としたバンドだ。Runawayの セルフ・カバーとも言えるRunaway 2000が集録されているが、 どうしても古臭さは感じるものの、ピアノを導入部に持って 来たりして、今風な感じのするアレンジに仕上げている。これを 除けば、全体的に楽曲も今一つ面白味に欠けるし、灰汁もないので 盛り上がりに欠ける作品となってしまっている。昔の曲だけで 勝負するにしても、Runaway1曲だけでは少し辛いところだ。[76]
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの 2ndアルバム。元ARMAGEDONのボーカリスト、JONAS NYRENが 在籍していた事でも知られるバンドで、方向的にはARMAGEDONにも 通ずるスラッシュ・メタル型のメロディック・デス・メタルだ。 ARMAGEDONと比べると、よりブルータルな色合いを打ち 出しており、どちらかと言うとAT THE GATESやDISMEMBERを思い 起こさせると言った方が近いだろう。前作と比べると、こう言った ブルータル性をより色濃くしており、この手のものでは最も 攻撃的な作品に仕上がっていると言って良いだろう。非常に 凶悪さを感じさせながらも、メロディを部分部分で混ぜてくる 辺りは中々のものだ。[81]
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドのライヴ盤。 2000年に行われた日本での公演模様を収めたものだ。あえて手を 入れなかったのだろうが、割と生々しい音作りとなっており、 彼等のライヴ演奏のアグレッションが良く伝わっている。その 一方でプロダクションに不満が残る作品で、ややこもった様な サウンドや、楽器のバランスの悪さ、距離を感じるボーカル等、 もう少し手を入れた方が良かったのではないかと思える。特に 彼等のサウンドはクリアな方が合っていると思えるだけに尚更だ。 楽曲の出来を始め、ライヴ演奏とも良かったと思えるだけに、 もっと良い作品になったと思えるのだが。[82]
アメリカのヘヴィ・ロック・バンドのデビュー盤。この 手のものとしては、グランジやオルタナティヴ・ロックの影響が 強く出ているヘヴィ・ロックといって良いだろう。ロックンロール 的エッセンスも強く押し出しているが、その割にはミクスチャー 的な雑多さを感じさせないのは好感が持てる。モダンでヘヴィな サウンドながら、オルタナティヴ・ロック的なクールさを見せ、 メロディにはキャッチーさが感じられ、意外と聴き易い作品に 仕上がっている。飛び抜けた楽曲はないが、幾分憂いを帯びて、 郷愁も感じさせる、味わいがあって悪くないアルバムだ。[82]
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの2年振りの 6thアルバム。基本的にはアグレッシヴな叙情派の メロディック・デス・メタルと、これまでの延長線上と 言えるものだが、よりモダンでモダンなニュー・メタル的 エッセンスが加えられており、これまでとはかなり違った雰囲気の 作品に仕上がっている。サウンド・プロダクションにもその辺りは 色濃く反映されていて、作り過ぎとも感じる位だ。 メロディック・デス・メタルからより幅を広げて行こうとする 姿勢は見えるが、まだ完全には消化出来ておらず、ややともすると 過渡期的な作品と捕らえられるだろう。[83]
スウェーデンのデス・メタル・バンドの1stアルバム。方向的には ブラスト・ビートを前面に配した、グラインド・コア系の デス・メタルだ。北欧のこの手のバンドとして珍しいのは、一切 メロディを持ち込んでいない事で、徹頭徹尾、グラインド・コアに 徹しているのには、潔さを感じる。オーセンティックでとにかく 早いので、聴き応えがあるが、グラインド・コアが好きでないと 聴いていて厳しいのも確かだ。驚くべきはその演奏力で、これだけ グラインド・コアを前面に押し出していながら、全く乱れのない 演奏には恐れ入る。特にドラムはライヴでこれを続けてやれば かなり疲れるだろうに。[80]
アメリカのデス・メタル・バンドのアルバム。MORBID ANGELの ボーカリスト兼ベーシストのJARED ANDERSONによる ソロ・プロジェクトで、ギターも彼自身で演奏している。 音楽的にはMORBID ANGELと同じく、如何にもアメリカらしい グラインド・コア系のテクニカル・デスと言えるものだ。 ギター・ソロはMORBID ANGELのギタリスト、ERIK RUTANが 演奏しており、その点は不安はない。とにかくブルータルで高速の ブラスト・ビートを前面に配した激烈なサウンドは流石と 言ったところで、凄まじいの一言に尽きるが、聴き手をかなり 選ぶのは間違いない。[84]
アメリカのデス・メタル・バンドの2002年にリリースされた 5thアルバム。方向的にはグラインド・コア系の ブラスト・ビートを前面に押し出した、ブルータルな デス・メタルだ。フロリダのテクニカル・デス・メタルとは少し 違い、おどろおどろしさを感じさせる悪魔的な雰囲気を醸し 出している。スラッシィーなリフも取りこみ、ブラスト・ビートと 兼ね合わせて、ひたすら凶悪で攻撃的なサウンドを 聴かせてくれている。決して速いだけに拘らず、粘質的な楽曲が その不気味な世界観を際立たせているのが、このバンドの 面白いところだ。[82]