OUTRIDER / JIMMY PAGE
イギリスのハード・ロック・バンド、LED ZEPPELINの
ギタリストによるソロ・アルバム。LED ZEPPELIN解散後、
THE FIRMやサウンド・トラックの仕事はやっていたが、純然たる
ソロ・アルバムと言う意味では、これが初めての作品と言って
良いだろう。LED ZEPPELINでコンビを組んでいた、ボーカリストの
ROBERT PLANTやドラマーのJOHN BONHAMの息子、JASON BONHAM等を
ゲストに迎えて作成されている。方向的にはハードな
ブルーズ・ロックと言ったところで、そう言う意味では
LED ZEPPELINと同じ方向性と言う風に感じられるし、出来は
悪くないのだが、あの様なマジックを感じる事は残念ながらない。
[81]
GALLOWS POLE / JIMMY PAGE & ROBERT PLANT
元LED ZEPPELINのボーカリストとギタリストのコンビによる
アルバム、NO QUARTERからの1stシングル。
シングル・カットされたタイトル・トラックに、City Don't Cry、
アルバム未収録曲が2曲と言う構成になっている。注目したいのは
アルバムには収録されなかったLED ZEPPELIN時代のナンバー、
The Rain SongとWhat Is & What Shall Never Beの
セルフ・カバーだ。LED ZEPPELINの曲ではあるが、
LED ZEPPELINとはまた一味違う魅力が伺え興味深い作品だ。
The Rain Songはオーケストラを大幅に導入したりと落ち着いた
印象を受ける。[85]
NO QUARTER / JIMMY PAGE & ROBERT PLANT
元LED ZEPPELINのボーカルとギタリストのコンビが復活しての
アルバム。JIMMY PAGEはZEPPELIN後もPAUL RIDGERSや
DAVID COVERDALEという素晴らしいボーカリストと仕事をしたが、
どうもその魅力を発揮することなく終わった感がある。しかし、
ROBERT PLANTとの相性がよほど良いのか、ライヴでもこれほど
弾けるのかという印象を強く与えてくれた。このアルバムでは
アコースティック的な特色を強く打ち出しており、
ギター・プレイは残念ながらそれほど目立っていない。アラビア
風のアコースティック・サウンドを導入したりして実験的な
色合いも感じる作風だし、非常に意欲的に思える。ZEPPELINの曲も
これまでと違った魅力を伺えるが、初期のような動的なハードさは
当然ない。[87]
ARE YOU EXPERIENCED / JIMI HENDRIX
一大センセーションを起こしたアメリカの黒人ギタリストによる
1967年にリリースされたデビュー盤。楽曲はアメリカ盤と
同じもので、Purple Haze、Hey Joe、Foxy Ladyといった名曲群が
収録されており、これを聴くだけでも価値がある。その後、多くの
ギタリストに影響を与えた、非常にエモーショナルな
ギター・プレイは情感と迫力を感じさせ、一つのスタイルを
確立している。そして、そのプレイを生かせる楽曲を作れる
才能があってこそのアルバムだと言えるだろう。ハードで
ブルージィなロック・アルバムで、ハード・ロックの源流が
聴かれる。[90]
AXIS:BOLD AS LOVE / JIMI HENDRIX EXPERIENCE
知る人ぞ知るアメリカ人スーパー・ギタリスト率いるバンド、
EXPERIENCEによる1967年にリリースされた2ndアルバム。デビュー盤に
比べるとよりサイケデリックでエキセントリックな内容で、特に
スローなナンバーに優れた楽曲が多い。ERIC CLAPTONもカバーした
名曲、Little Wingは素晴らしいバラード・ナンバーだ。
Purple Haze、Hey Joe、Foxy Ladyが収められていた
デビュー盤よりは知名度の高い曲は少ないかも知れないが、十分にその
魅力は堪能出来る。ただ、ヘヴィなナンバーが少ないので、
ハード・ロック系のリスナーには少し物足りなく感じるかも
知れないが。[83]
ELECTRIC LADYLAND / JIMI HENDRIX
アメリカ人ギタリストの1968年にリリースされた3rdアルバム。
EXPERIENCE名義としては最後となる2枚組のアルバムを
デジタル・リマスターしたものだ。STEVE WINWOOD等の多数の
ゲストが参加しているが、サイケデリックでファンキーな
ブルーズ・サウンドは相変わらずだ。15分にも及ぶ
ジャム・セッションをそのまま収録したVoodoo Chileの生々しい
臨揚感は圧巻で、特にその魅力を発揮している。年々
ファンキーさが増しており、初期のPurple HazeやHey Joe、
Foxy Ladyと言ったハードな部分が減退しているので、
ハード・ロック系のリスナーには幾分寂しい作品だろう。[82]
THE ULTIMATE EXPERIENCE / JIMI HENDRIX
アメリカ人ブルーズ・ロック・ギタリストの生誕50周年として
1992年にリリースされたベスト盤。特にレア音源が集録されている
訳でもなく、内容的にはこれと言って目新しいものはないのだが、
今はアルバムからカットされてしまっている、GREAT WHITE等も
カバーした、Red Houseが入っているのが目玉だろう。選曲的には
バランス良く各アルバムから取っていると言う感じで、
Purple HazeやFoxy Ladyと言った、初期のハードな
ブルーズ・ロックの名曲も収められており、初心者入門用には
ちょうど良いアルバムだろう。[82]
STAGES / JIMI HENDRIX
アメリカ人ブルーズ・ロック・ギタリストの1992年に
リリースされた4枚組みライヴ・ボックス・セット。1967年の
STOCKHOLM、1968年のPARIS、1969年のSAN DIEGO、1970年の
ATLANTAとデビューから一年毎のライヴをそれぞれ
アルバム化している。全て未発表音源であり、各年のライヴを
追えると言うことで資料的な価値も高い作品と言って良いだろう。
録音状態も悪くないし、ライヴ・アルバムとしての出来も十分な
作品ではあるが、重複して収録されている曲も多いので、
どうせなら一公演全てを収めて欲しかった気がする。[80]
WALKING INTO CLARKSDALE / JIMMY PAGE/ROBERT PLANT
1970年代、最も売れたハード・ロック・バンドて、今なお多くの
ファンを引き付けるビッグバンドLED ZEPPELINのギタリスト
JIMMY PAGEとボーカリストROBERT PLANTによるプロジェクト
第2弾となるアルバム。前作はアコースティック中心で、かつ
リメイクも多かったので、純然たる新作というよりは、より
企画盤的な色合いが濃かったが、今作では全曲新作と、この
ユニットをより押し進めていったという二人の意志が伺える。
方向的にはHOUSE OF THE HOLY等の最もハード・ロック的な
色合いが薄い作品ではあるが、間違いなくLED ZEPPELINの
エッセンスを持った作品である。ほんわかとした雰囲気が
貫かれていて、ハード・ロック色が薄い故に少し受け入れ難いかも
知れないし、もっとパンチの効いた所を聴きたいと言う
所もあるかも知れないが。[84]
SHINNING THE LIGHT / JIMMY PAGE ROBERT PLANT
元LED ZEPPELINの2人によるユニットのアルバム、
WALKING INTO CLARKSDALEからの2ndシングル。
シングル・カットされたタイトル・トラックの他にライヴが3曲と
言う構成になっている。特に注目されるのは
How Many More TimesとNo Quarterと言うLED ZEPPELINの
ナンバーだろう。ROBERT PLANTはその喉の衰えを、JIMMY PAGEは
ギターの腕前に関して色々言われてはいるが、こうしてZEPPELIN
ナンバーを一緒に演奏すると違和感なく自然に感じられるのはこの
二人の音楽的な相性が良いせいだろうか。No Quarterでは、
ROBERT PLANTのボーカルが少し気になる部分もあるが、の美しい
サウンドは壮大で非常に素晴らしい。この2曲で20分
以上やっていると言うのも非常にらしくて良いし、結構
聴きごたえのある作品だ。[84]
THE BEST EXPERIENCE / JIMI HENDRIX
アメリカの黒人ブルーズ・ロック・ギタリストの2枚組み
アルバム。レア音源集である、FIRST AND LAST EXPERIENCEから
ベスト・セレクションされたアルバムだ。まだ無名だった1963年に
バッキング・ギタリストとして、サックス・プレイヤー、
LONNIE YOUNGBLOODの作品に参加していた時のGo Go Shoes、
Come On Baby、Sweet Thang、Nobody Can Change Meと言った
楽曲から、最も勢いのあった1968年頃のライヴまで
収められている。資料的な意味合いのものも多いアルバムだが、
彼らしいギター・プレイもそれなりに聴く事が出来るのも確かだ。
[75]
THE WORLD IS ROUND / JIMMY LAWRENCE
アメリカ人ボーカリストの1998年にリリースされたデビュー盤。
方向的には、爽やかで叙情的な、如何にもアメリカらしいと言った
感じのロック・アルバムだ。ミドル・テンポが中心の産業
ロック的な楽曲は、非常に聴き易くて心地良いものとなっており、
全体的にめりはりがあって、洗練されたアルバムに
仕上がっている。彼のややハスキーなボーカルも、高音に
伸びがあり、楽曲に良く合っていて中々良いアルバムに
仕上がっている。これと言った飛び抜けた楽曲はないものの、
平均的に良く出来ており、安心して聴いている事が出来る作品だ。
[80]
EMPIRES / JIMI SAMISON'S SURVIVOR
アメリカのハード・ロック・バンド、SURVIVORの後期
ボーカリストによるバンドのアルバム。SURVIVORの
オリジナル・メンバーが誰もいないにも関わらず、SURVIVORの
名前を使う事がどれだけ相応なのか悩むところだが、作品の
方向性としては、まさしくアメリカン・ハード・ロックと
言えるもので、SURVIVOR的だ。結構ハードな仕上がりで、
産業ロック的なメロディは、昔、SURVIVORが好きだった人にも十分
納得出来るアルバムに仕上がっていると言って良いだろう。これで
Burning HeartやEye Of The Tigerと言った名曲に匹敵する曲が
1曲あれば文句はないのだが。[84]
THE FIRST RECORDINGS / JIMI HENDRIX
アメリカ人ギタリストの1993年にリリースされた初期音源を集めて
CD化したもの。LONNY YOUNGBLOODと言うサックス奏者の
バック・ミュージシャンとして参加していたときのものが
中心だが、その9曲中、5曲がJIMI HENDRIX参加作品として後に
でっち上げられたものだ。そうと判っていながら、あえてそれを
含めた形でリリースする事には疑問を感じえないが、
JIMI HENDRIXが参加している音源が、貴重であることには
変わりない。楽曲自体は、当然後の彼の作品ほど
ハードではないが、ギターがかなり表に出て来ている様に感じる。
[77]
LIVE AT THE GREEK / JIMMY PAGE & THE BLACK CROWS
伝説的なイギリスのハード・ロック・バンド、LED ZEPPELINの
元ギタリストとアメリカのブルーズ・ロック・バンドによる
コラボレイトの2枚組みライヴ盤。1999年に行われたアメリカでの
ツアーの模様を収めたものだが、結局その後のアメリカ、日本での
ツアーはキャンセルとなってしまい、日本のファンにはこの
作品でしかその様子を窺い知れなくなったのは残念だ。ほとんどが
LED ZEPPELINのカバーだが、不安視されるJIMMY PAGEのプレイも
問題無いし、THE BLACK CROWSのプレイが素晴らしい。特に
ボーカルがLED ZEPPELINの曲をこれだけ歌えるとは恐らく誰も
想像しなかっただろう。Rock N' RollやStairway To Heavenと
言った日本人にも馴染みの深い楽曲が入っていないのは、この際
どうでも良い。[91]
ALBERT HALL EXPERIENCE / JIMI HENDRIX
アメリカ人ブルーズ・ロック・ギタリストの2枚組みライヴ盤。
EXPERIENCEと言うバンド形態での末期である、1969年に行われた
イギリスでの公演の模様を収めたものだ。これまで、様々な形で
リリースされて来た音源だが、初めて構成を変えずに2枚組みに
まとめた形になっている。ライヴ映画用に録音されたものだけに、
プロダクションもこの時代のものとしては状態はかなり良い
方だろう。ソウルフルでエモーショナルなギター・プレイを存分に
味わえるし、ハード・ロックのルーツ的なミュージシャンの
1人だけに、中々興味深いライヴ作品と言って良いだろう。[86]
FULL CIRCLE / JIM JIDHED
スウェーデン人ボーカリストによるソロ・アルバム。元ALIENの
ボーカリストとして知られる人だが、そう言った経歴通りの
ポップ・センス溢れる洗練されたハード・ロックをやっている。
TOMMY DENANDERがプロデュースしている辺りからもその音楽性が
想像出来るだろう。ウェットなメロディの爽快な楽曲を、彼の
ハートフルなボーカルが情感たっぷりに歌い上げている。
1980年代におけるアメリカのAOR系ハード・ロック的な
音楽性なので、もう少しハードな方が良いと思う
人もいるだろうが、あまりスポットライトが当たらないこの手の
作品としてはかなりレベルが高い。[85]