アメリカ人ギタリストの1985年にリリースされたデビュー盤。 いわゆるギター・インストルゥーメンタルで、ヒット作となり、 一躍ギター・ヒーローにのし上がった次作、 SURFING WITH THE ALIENと方向的には同じだが、 SURFING WITH THE ALIENが、内容をかなり整理して、キャッチーで 判り易い作品に作り上げているのに対して、この作品ではまだ テクニックが先走りしていて、やや難解な感じのする 作品となっている。ただ、SURFING WITH THE ALIENに通ずる様な、 彼らしい軽快でキャッチーなサウンドは随所に出て来て、 SURFING WITH THE ALIENの原点も感じられるアルバムだ。[78]
アメリカ人ギタリストによる1987年にリリースされた 2ndアルバム。方向的にはいわゆる ギター・インストルゥーメンタルと言うやつで、STEVE VAIに ギターを教えていたと言うだけあって、系統的にもやや近い。 フュージョン系と言った感じの作品だが、フュージョンに走り 過ぎず、ロックさを持ったドライヴ感覚のある作品に 仕上がっている。彼にとっては出世作とも言える作品で、 ギター・インストルゥーメンタル作品としては珍しく、 ビルボードのアルバム・チャート上位にまで進出するヒット 作となった。Surfing With The Alien等、明るくて軽くてのりの 良い楽曲は、馴染み易くて気持ちが良い。[86]
アメリカ人ギタリストによる1988年にリリースされた ミニ・アルバム。新曲The Crush Of Loveに、Ice Nine、 Memories、Hordes Of Locustsのライヴ・バージョンの全4曲と言う 構成になっている。新曲は方向的には大ヒットした前作の 延長線上と言えるもので、もう少し落ち着いた印象を 与えるものとなっている。ライヴ音源としては初めてのものだが、 安定していて流石と思わせるだけの演奏を聴かせてくれているし、 プロダクションも悪くない。但し、ボーカルがいないだけあって、 曲間のMCの盛り上げが下手で、臨揚感と言う意味では 寂しいものとなっている。[83]
アメリカ人ギタリストによる1989年にリリースされた 3rdソロ・アルバム。方向的には前作の延長線上と 言えるものだが、ボーカルが何曲か入っており、前作の様な フル・ギター・インストルゥーメンタルとはなっていない。 そのため、ややアルバムとしてのバランスの悪さが感じられるし、 前作のようなポップさを打ち出した作品とは違い、幾分 ギター・アルバムとしての演奏の難解さが持ち込まれている。 出来としては決して悪いとは思わないが、前作と比べると どうしても聴き易さと言う点で劣るので、面白味に欠けると言う 感じがする。[80]
アメリカ人ギタリストによる1992年にリリースされた 4thソロ・アルバム。前作では何曲かボーカル入りの 楽曲があったが、そのおかげで却ってバランスの悪さを感じる 様になってしまっていた。その反省もあってか、今作では全曲 ギター・インストルゥーメンタルとなっている。楽曲的には前作の 延長線上と言えるもので、楽曲のキャッチーさよりはもっと トータル・バランスを意識した作品になっている。 SURFING WITH THE ALIENの様な楽曲の面白味は感じないが、 雰囲気が良く出ていて、出来は決して悪くない。[82]
アメリカ人ギタリストによる1993年にリリースされた2枚組みの 5thソロ・アルバム。方向的には前作のそれを押し進めたもので、 SURFING WITH THE ALIENの様なテンポの良さも、キャッチーさも 一部の楽曲を除いて残念ながら感じられない。一貫してこう言う 方向性へと変化して来た訳なので、当然の帰結と言えば それまでだが、どうしても味気なく感じられてしまう。演奏的には 彼だけに、文句のつけ様もないのだが、妙にエコーを効かせた 部分があったりと、プロダクションのバランスの悪さが気になる。 2枚組みと言うのも、インストルゥーメンタルを聴き続けるのは 冗長だし、またボーカル入りの楽曲をやっているのも問題だ。[81]
アメリカ人ギタリストの1993年にリリースされたデビュー盤。 方向的にはいわゆるネオ・クラシカルと言うやつで、 YNGWIE J.MALMSTEENのフォローワーと言っても良い様な作品だ。 年齢的にはYNGWIE J.MALMSTEENより年上な位で、これだけの人が 良く今まで埋もれていたなと感じられる。今や往年の輝きが 感じられないYNGWIE J.MALMSTEENと比べれば、かつての幻想を追う 人にとっては彼の方がむしろ素晴らしいと言っても良いだろう。 全編ギター・インストルゥーメンタルなのだが、そのテクニック、 楽曲の出来とも十分納得の行く作品だと言って良いだろう。[84]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンド、JAG PANZERの 元ギタリストによる1991年にリリースされた3年振りの 2ndソロ・アルバム。いわゆるギター・インストルゥメンタルと 言うやつで、前作がかなりメタル的な ギター・アルバムであったのに対して、今作はかなりフュージョン 的な色合いが濃くなっている。MIKE VARNEY関連と言う事で、 テクニックもしっかりとしているし、意外と楽曲もそこそこ 良いのでまずまず聴ける作品に仕上がっている。しかし、彼の これまでの経歴を知っている人には、この作品は唐突に 思えるだろう。[80]
元THIN LIZZY、WHITESNAKEのイギリス人ギタリストによる1992年に リリースされたソロ・アルバム。実際には過去の音源を集めた 企画盤と言えるもので、新しい音源は全くない。ほとんどが TYGERS OF PANG TANGでの音源なのでソロ名義であるのも 疑問のあるところだが、貴重な音源が集録されている。初の ソロ・シングルで、後にTHIN LIZZY加入の布石となった、1982年に リリースされるタイトル・トラック曲である。このしみじみとした バラードにPHIL LYNOTTが参加した事がきっかけだが、これが初の CD化だ。残りはTYGERS OF PANG TANG脱退寸前のものばかりだが、 特にどうと言う楽曲はない。[81]
アメリカのハード・ロック・バンドの1991年にリリースされた デビュー盤。方向的には叙情的なメロディの、いわゆる アメリカン・ハード・ロックと言うやつで、最近こう言った タイプのバンドが減っているだけに、逆に新鮮に感じる 部分もある。Lorraineの様なアメリカらしいカラッとした ほのぼのとしたナンバーもあるが、そう言った楽曲はむしろあまり 面白くない。それよりもI Want LoveやParty For Your Lifeと 言った、キャッチーで格好の良い楽曲が素晴らしく、少しべた 過ぎると言う気もするが、1980年代を思わせる中々良質の メロディのナンバーが取り揃っている。[83]
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた デビュー盤。SILVER MOUNTAINの元ギタリスト、JONAS HANSSONを 中心に、ALCATRAZZのメンバー等と共に結成したバンドだ。北欧の バンドらしい叙情的なメロディではあるが、SILVER MOUNTAINとは やや趣を異にし、ややアメリカナイズされたコマーシャルさが 感じられる。楽曲自体、ロックンロール色が 強いものとなっており、テンポの良さが感じられる。MIKE STONEの ボーカルが、ややだみ声がかっているので、一層そう言った感が 強くする。それ故、SILVER MOUNTAINのファンからすると 期待したものとは違っているかも知れないが、その出来は決して 悪くない。[81]
アメリカのハード・ロック・バンド、BON JOVIの ボーカリストによる1990年にリリースされた初のソロ・アルバム。 映画、YOUNG GUNS IIに何曲か提供されており、半分 サウンド・トラックとなっている。方向的には、後期BON JOVIに 通ずる様な叙情的なアメリカン・ロックで、バンドのそれ程 ハードな部分はない。それ故、全体的に優しく朗らかな印象のする 作品に仕上がっている一方、変化に少し欠け、これと言った 決めになる楽曲がない。平均的に良く出来ていて、安心して 聴いていられるが、それ以上の感動というのは難しいかも 知れない。[80]
アメリカのクリスチャン・メタル・バンドの1984年に リリースされたデビュー盤。ギタリスト、JOSHUA PERAHIAを 中心としたバンドで、ギターをバリバリに弾く部分もあるが、割と 楽曲を中心に立てている。方向的にはメロディアス・ハードと 言った感じなのだが、この楽曲がほとんどがどうと言う事のない つまらない内容だ。プロダクションも今一つであるにも関わらず、 このアルバムの名をなさしめているのは名曲、 November Is Going Awayのおかげだ。扇情的な泣きのメロディは 美しく、この曲を聴くだけでも価値はある。[78]
アメリカのクリスチャン・メタル・バンドの1985年に リリースされた2ndアルバム。前作ではNovember Is Going Awayと 言う名曲を産んだが、逆に言えばそれ以外は楽曲的にはかなり 劣る作品だった。今作ではそれと対照的に、飛び抜けた名曲と 言うものは存在しないが、平均的で波がない。方向的には愁いを 持った叙情的なメロディのハード・ロックだ。前作と比べると JOSHUA PERAHIAのギターは、もちろん要所要所で 弾きまくっているが、全体では幾分控えめになっており、代わりに キーボードがかなり前面に押し出されている。プロダクションも 良くなっているので、全体的にそれなりに聴ける作品だ。[80]
アメリカのハード・ロック・バンドの1993年にリリースされた 1stアルバム。L.A.メタル・バンド、SWEAT SAVAGEの元 ボーカリスト、JOEY C.JONESを中心とするバンドで、元POISONの C.C.DEVILがゲスト参加している。音は軽い バッド・ボーイズ・ロックンロール的な明るいサウンドと、枯れた ブルージィなサウンドが混在しており、何とも言えない不思議な 雰囲気を醸し出している。曲にこれはといったものがないのが 残念だが、She Loves等、それなりに粒が揃っていて、それほど 悪いというわけでもない。但し、こういうサウンドで生き残れるか どうかは少々疑問ではあるが。[82]
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンド、元EUROPEの ボーカリストのソロ・アルバムだが、聴けばそういう事実など 吹飛んでしまうだろう。方向的には単なる アメリカン・ロック・アルバムで、EUROPEのあの美しいメロディは 影も形もない。これをEUROPEのJOEY TEMPESTの作品だと思って 聴けば多分失望させられることは必至だろう。内容的には ハード・ロックという事ですらないし、JOEY TEMPESTが こういう事をやりたいのなら今後ハード・ロック・ファンには 無縁のアーティストだと言うことになる。[71]
かつて一世を風靡したスウェーデンのヘヴィ・メタル・バンド、 EUROPEの元ギタリストの3年振りとなる3rdソロ・アルバム。とは 言うものの、彼のソロ作品もだいぶ趣を変えてきており、もはや このサウンドからはあのEUROPEのメロディ溢れるサウンドはあまり 想像出来ないアルバムとなっている。メロディアスな部分が全く 失われた訳ではないものの、ヘヴィネスな楽曲で、中には PAUL RODGERSがやってそうな楽曲もある。JOEY TEMPESTの 変身よりはましだとも言えるかも知れないが、旧来のファンには 少し辛い内容かもしれない。Shimmering Highsの様な曲は、 これでまた味があるのだが。[78]
RITCHI BLACKMOREのDEEP PURPLE脱退で、DEEP PURPLEの日本公演に 代役ギタリストとして参加するという思いもよらぬ 出来事があったが、再びソロ・アーティストとして活動を 再開した。ここ2作はボーカルを入れていたが、今作では インストルゥーメンタル中心の構成になっている。しかし、 出世作となったSURFING WITH THE ALIENとは趣を異にし、 陽気さというのは感じられず、スローなナンバーが中心でダークな 雰囲気がある。中にはブルーズの曲もあり、今までの楽曲からの 変化には面食らうだろう。[78]
ソロ・アルバムとしては久々の作品となる元RAINBOWの ボーカリストの2ndアルバム。これまでの彼の活動を考えると ポップでキャッチーな作風を考えてしまうが、この作品では これまでとは全く違う音楽にチャレンジしており、ブルージー色の 見えるロック・アルバムに仕上がっている。特にスローな ナンバーなどは如何にもBAD COMPANYを思い起こさせるもので、 それ故にRAINBOWや前のソロ・アルバムを期待して聴くと 外すことになるが、出来的には全く問題ない。ギターの AL PITRELLIは作曲を含めて良く彼の持ち味を出しているし、 ベースのGREG SMITH、ドラムのJOHN O'REILLYはその後RAINBOWに 加入して活躍している。特にGREG SMITHは来日公演でその腕の 確かさを披露している素晴らしいベーシストだ。[79]
元JOURNEYのアメリカ人キーボードによるソロ・アルバム。当初 北欧でのみリリースされていたが、その後内容を多少変え アメリカでもリリースされている。キーボードの奏者の ソロ・アルバムだけあって、全編にピアノがフューチャーされ、 アダルトな雰囲気のAORと言う感じの作品に仕上がっている。落ち 着いた感じの優しいサウンドは、JOURNEYの様な盛り 上がりはないものの、楽曲の出来は良く、心静かな音楽を 聴きたいときにはぴったりだろう。心が洗われるような しっとりとした軽快なポップ・アルバムだ。[84]
その昔、RASS BALLARD関係でRAINBOWと同時期にI Surrenderや Since I've Been GoneをやっていたHEAD EASTのアメリカ人 ボーカリストであり、最近17枚目のアルバムをリリースした クリスチャン・ロック・バンド、PETRAのボーカルの ソロ・アルバム。これといったものはないが、いわゆる アメリカン・ロックでキャッチーなメロディの楽曲は、 派手さはないものの粒が揃っている。前述のようなRAINBOW的な 部分はなくて、アメリカ風の明るく軽いノリのものが中心だ。 Show Me Tha Wayのような優しいメロディも良い。[82]
アメリカ人ギタリストによるギター・インストゥルメンタルの2nd ソロ・アルバム。この手のアルバムではテクニックばかりで、 肝心の楽曲はおざなりというパターンが良くあるが、この人の 場合、なかなかどうして良質のメロディが揃っている。 YNGWIE J.MALMSTEENタイプで、その影響は端々に見え、 オリジナリティと言う点では疑問符が付くが、最近のYNGWIEから 考えると、むしろこちらの方がテクニック的にも、楽曲的にも心の 琴線に触れてくるものが多い。ネオ・クラシカルな ギター・インストルゥメンタルのファンにはたまらない 内容だろう。[83]
先頃LONG ISLANDからリリースされたアメリカの ハード・ポップ・バンド、AUTODRIVEのメンバーと言う経歴で、 他の元メンバー達もこのアルバムに参加している。MARILLIONの 前座を務め、そのサポート中に作成されたアルバムだが、 MARILLION風のポンプ・ロックやAUTODRIVE風のハード・ポップとは 趣が違う。空間の広がりを感じさせるアメリカの ミュージシャンらしい清々しいサウンドで、叙情的で フォーク・ロック的な作品に仕上がっている。メロディは非常に 美しいので静かなメロウなものが聴けるならもってこいの 作品だろう。[88]
元SPEEDWAY BOULEVARDのアメリカ人キーボード・プレイヤーの 1993年にリリースされたソロ・アルバム。サウンド的には シンフォニック・ロックよりもプログレッシヴ・ロック色、 ポップス色を強くした感じで叙情味も醸し出している。当然ながら キーボードが前面に出ていて、いわゆるハード・ロック的な 色合いは全くないと言って良いだろう。かなりポップな 口当たりなので、テクニカルなキーボード・プレイの割には聴き 易いアルバムだ。ハード・ロック方面のリスナーとは縁遠い 作品だと思うが、流れるようなメロディで、出来自体は悪くない。 ドラムには元FIFTH ANGELのKEN MARYが全曲参加している。[78]
アメリカ人ギタリストの初のソロ・アルバム。かつて自己の バンド、JOHN BUTCHER AXISを率いて活動していた ブルーズ・ロック・ギタリストで、結構ハードな作品だが、 正にブルーズという感じで、ブルーズが聴けない人には 辛いところがあるだろう。例えるならばSTEVIE RAY BORN風で、 ヘヴィ・メタル系のバンドがやる様なブルーズ・ロックよりもっと 本格的なブルーズ作品だ。楽曲によってはホーン・セクションが 導入されていたりと、かなり本格的にやっている。演奏レベルは かなり高く、エモーショナルなギター・プレイを 聴かせてくれている。[81]
アメリカ人ギタリストによる3rdアルバム。今作では、実質的にも 名称的にもバンド編成となっており、バンド名義では初の アルバムだ。前2作ではYNGWIE J.MALMSTEEN風の ギター・インストゥルーメンタル・アルバムだったが、今作より バンド編成に変えたことによってボーカルも入れて、より通常の バンド風の作品に仕上がっている。YNGWIE J.MALMSTEEN風の 楽曲もあるが、むしろメロディアスな正当派ヘヴィ・メタルと 言った感じで、ノリも中々良い。全体的に扇情的なパワー・メタル 的でBRAIN SARVELAのボーカルもそれによくあっている。[87]
元SILVER MOUNTAINのギタリスト率いる自己のバンドの 2ndアルバム。基本的には前作の延長線上で、 SILVER MOUNTAINのような北欧美旋律系的要素もあるが、1stより もっとポップさを減退させた、いかにもハード・ロックらしい 骨太なサウンドになっている。全体的にプロダクション、 アレンジが1stより良くなっていて、完成度は上がっていると 思う。ボーカルとベースが交代しているが、新しいSTANLEY ROSEは タイプ的に前のボーカリストMIKE STONEと大きく違わないが、 もっと通ったパワフルなボーカリストで、アルバムの方向性からは 悪くない選択だろう。もっと北欧っぽい美旋律を求めるならば JONAS HANSSONの方向性は外れてきているとしか言い様がない。 [80]
元SILVER MOUNTAIN、YNGWIE J'MALMSTEEN'S RISING FORCE等に 在籍したJOHANSSONS兄弟を中心としたプロジェクト・バンドで、 THE JOHANSSON BROTHERS名義前作に続く2作目。ボーカルは M.S.G.への加入が決まった元GREAT KING RATのLEIF SUNDINが 前作に続き取っている。楽曲は非常にキャッチーなのだが、 その曲をベースにクラシカルであったり、ジャージィで あったりする演奏は圧巻だ。特に11分の大作Enigma Suite等は 凄いし、All Opposable ThumbsでのJENS JOHANSSONのキーボードも 聴きどころだ。楽曲の出来は特にこれと言ったものはないが、 悪いと言うものでもない。[83]
JOE STUMP'S REIGN OF TERRORのバンド名義のアルバム、 NIGHT OF THE LIVING SHREDからわずか半年でリリースされた 3rdソロ・アルバム。どういう経過かは判らないが、 JOE STUMP'S REIGN OF TERRORとはJOE以外メンバーが違うので、 バンドとは全く独立した活動なのだろう。ソロ名義と言うことで ギター・インストルゥメンタル・アルバムになっていて、 ボーカルを入れるかどうかで、バンドとの差別化を計るのかも 知れない。今やYNGWIEよりもYNGWIEらしいネオ・クラシカル 路線で、これまでよりさらにエモーショナルさを押し出した ギター・プレイだ。最近のYNGWIEに落胆するならばこの人の アルバムを聴けば良いだろう。但し、楽曲の練りという点では これまでの作品より一歩落ちる。[80]
アメリカン・ハード・ロック・バンドの再結成第一弾となる アルバム。解散前のメンバーそのままの再結成ということで、 相変わらずのアダルタな雰囲気たっぷりの、キャッチーで メロディアスな作品に仕上がっている。Separate Waysや Crying Nowと言った名曲に並ぶと言うまでの楽曲はないが、十分 素晴らしい出来で、旧ファンならずとも楽しめる作品だ。 バラードが少し多いという気がしないでもないが、それを歌い 上げるSTEVE PERRYのボーカルが合っていて佳曲が多い。彼等の メロディ・センスの素晴らしさが良く出ていて、地味な印象を 受けるものの完成度は高いアルバムだ。[88]
元EUROPEのスウェーデン人ギタリストによる4thソロ・アルバム。 EUROPEや1stソロ・アルバムのTOTAL CONTROLの様なアルバムは もう望むべくもないのだろう。THIN LIZZYをモダンにしたような スタイルで、ややアメリカナイズされた楽曲は旧来からのファンが どのくらい満足出来るか不明だが、これ単体で考えれば、 出来的にはそれほど悪くない。哀愁を感じさせるメロディも 幾分かあるのだが、モダンでヘヴィな作品作りでダークな印象を 与えている。楽曲によってはオルタナティヴ的な感が あるものすらある。KELLY KEELINのボーカルは確かに こういう作品に向いていると思うが。[77]
今更略歴を述べる必要もないだろう、元RAINBOWのアメリカ人 ボーカリストによるソロ・アルバム。前作辺りから、意識的か あるいは喉に変化があったのか、かなりハスキーでしゃがれ声に 感じる部分がある歌唱になっている。自身がRAINBOWに 在籍していた時の名曲Street Of Dreamsを始め、全曲カバーという 内容となっている。全体的にソウルフルに感じる部分が大きく、 洒落た作品に仕上がっている。DEEP PURPLEのカバー 等もやっているのだが、全体的にハード・ロック色はあまりなく、 どちらかと言うとR&B色が強いアルバムだ。[82]
BON JOVIのボーカリストのソロ・アルバム第2弾。前作は割と ハード・ポップ的な部分もあったが、この作品ではそういう部分は 削ぎ落ち、よりロック・アルバム的な指向が強くなっている。 ハードな部分はまるでなく、実に素朴な渇いた アメリカン・ロックで構成されている。そういう意味では楽曲は 割と良い出来なのだが、実に地味な作品と言わざるをえない。 August 7, 4:15の様な曲がもう少しあれば変化があって良かったと 思う。リラックスした雰囲気の洒落た作りの作品だが、平坦な 感じがして盛り上がりにかける。ややモダンなどんよりとした 音作りがそういった感を尚強くしているように思えるのだが。[78]
ASIA等のプログレッシヴ・ロック・バンドで活躍したイギリス人 ボーカリストの3年ぶりのソロ・アルバム。いかにも彼らしいと 言った感じのメロディの作品で、冷めて淡々としながらも、 伸びやかに透ったボーカルを聴かせてくれている。ASIAの様な ハードさはないが、非常に洗練された、お洒落で ポップ・センスのあるプログレッシブ・ロック・アルバムだ。実に 凛とした、都会の静けさを感じさせるような、叙情的な作品で、 感傷的に聴き入るにはもってこいの作品だ。アレンジも含めて、 楽曲の出来は良く出来ているし、中々素晴らしい作品だ。[86]
JUDAS PRIESTの新ボーカリストとも噂されたARTENSIONの アメリカ人ボーカリストによる初のソロ・アルバム。ARTENSIONが そうであったように、ここでもネオ・クラシカル系の テクニカル・ヘヴィ・メタルを展開している。楽曲の出来は決して 悪い訳ではないが、Veil Of The Blind等は曲としてまとまりに 欠ける感じで、全体的に出来はARTENSIONより落ちる。 演奏の方ではJOHN WESTのボーカルは問題無いし、バックは YNGWIE MALMSTEENのBARRY SPARKSやバンド・メンバーの MIKE TERRANAはともかく、その外の無名のミュージシャンも実力は 確かだ。[82]
アメリカ人のシンガー・ソング・ライターによるソロ・アルバム。 方向的には、非常にキャッチーでポップな明るい アメリカン・ハード・ロックで、さびのコーラスや、そこに連なる 部分などではDEF LEPPARDを思い起こさせる部分がある。楽曲 全体で見れば叙情的で昔のBON JOVIをもっと落ち着かせた様な 感じのもので、彼のボーカルもJOHN BON JOVIを意識した 唱法になっている。落ち着かせた感じといってもアダルトな 雰囲気はあまりなく、適度にめりはりが効いていてそれなりに ダイナミズムは感じられる。楽曲の出来も良い出来で、非凡な メロディ・センスを感じさせるし、出来は悪くない。[86]
アメリカのハード・ロック・バンド、BON JOVIのボーカリスト、 JON BON JOVIの初期音源集。彼の従兄弟で、 プロデューサーとしても著名なTONY BONGIOVIが、彼の無名時代に TONY BONGIOVIのプロデュースで録音された未発表音源を勝手に リリースしたと言う非常に危ない作品だ。BON JOVI結成前の 音源だが、基本的にはそれ程大きく路線は違う訳ではない。ただ、 よりAOR的な指向が前に出ていて若さが出ていて微笑ましい事は 確かだ。楽曲は取りたててこれといった程のものはないが、 それなりの出来ではある。ボーカルは元々うまい人ではないので、 ここで今更実感してもショックは少ないだろう。[74]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンド、ARMORD SAINTの 元ベーシストによる1994年にリリースされた初のソロ・アルバム。 最初の出だしこそ結構ハードでのりの良い楽曲があるが、その後は 何となく気だるさを感じさせるようなブルージィな感覚を持った のりの良いハード・ロック・ナンバーで固められている。この 落差には少し違和感を感じるし、ARMORD SAINTのファンからすると 期待したものとは違うと言って良いだろう。DAVE MUSTAIN風の ボーカルをやや普通にしたようなJOEY VERAのボーカルだが、こう 言う楽曲では単に灰汁が抜けたくらいにしか思えない。決して悪い 出来だとは思えないが、これと言ったものもないのは確かだ。[75]
アメリカのハード・ロック・バンド、BON JOVIのボーカリスト、 JON BON JOVIのデビュー前のデモ音源集第2弾。どうも内容を聞く 限りでは、前作より更に昔のものが中心の様だ。BON JOVIの デビュー当時の様なハード・ロック色はまるでなく、古臭い チープなパーティ・ロックで、出来としてもあまり 取るべきものはない。元々上手いタイプのボーカリストではない JON BON JOVIだが、ここではそれが更に顕著で聴いていて少し 辛い。Runawayのインストルーメンタル・バージョンが 入っているが、単にボーカル・パートをギターに置き 換えているだけだ。[10]
元EUROPEのスウェーデン人ギタリストによるライヴ盤。今年 行われた来日公演の模様を収めたものだ。バックは全て同郷の スウェーデン人からなっているが、元GREAT KING RATの ベーシスト、ANDERS FASTADER等中々の実力者ぞろいで、特に 元GREAT KING RAT、M.S.G.のボーカリストのLEIF SUNDINの 伸びやかな歌唱は素晴らしい。さすがにWishing Wellは オリジナルのPAUL RODGERSの情感の深さには及ばないが、 全体としては良い出来だ。主にFACE TH TRUTHとWORLDS AWAYからの 選曲だが、彼のギター・プレイは良く情感が出ている。[84]
アメリカ人ギタリスト率いるバンドの2作目。 インストルゥーメンタルでアルバムを作るときはソロ名義で、 歌ものをやるときはバンド名義でという 切り分けをしているようで、これはボーカル入りという事になる。 いわゆるYNGWIE MALMSTEENクローンとも言える人で、本家の衰えが 目立つ中、YNGWIEよりもYNGWIEらしいギタリストだ。こうやって 歌ものを聴くと、ボーカル・ラインにややアメリカン・テイストを 感じない訳でもないが、全体的にネオ・クラシカルな線は 崩れていない。ボーカルがBRIAN TROCHに交代しているが、やや めりはりを欠いたような感があるのが不満だ。[82]
BON JOVIのボーカリストによる2ndソロ・アルバム、 DESTINATION ANYWHEREからの2ndシングル。シングル・カット曲 のタイトル・トラックに、未発表曲のSad Song Nightと August 7, 4:15のアコースティック・バージョンと言う全3曲の 構成になっている。Sad Song Nightは単なる ロックンロール・ナンバーでさして面白いと言う 様なものではないが、August 7, 4:15は切々と歌う スタイルになっており、これがアコースティックのバックと 渾然一体となり、アルバムとはまた違った魅力を放っていて、 これだけは一聴の価値はある。[80]
自らのバンドSYKESを率いるイギリス人ギタリストの ソロ・アルバム。バラードばかりで構成された、言わば企画盤的な 作品で、彼の名曲Please Don't Leave Meも新たに 録音しなおしている。どちらかと言うと優しい雰囲気の 落ち着いたものが中心で、ゆったりと聴けるものが多い。 泣きの哀愁という感じの曲がないのが寂しいし、その分 バラエティに欠ける感もあるが、楽曲自体は割かし良く 出来ている。全体的に淡白な感じがあり、これはという部分を 感じさせるものが欲しかったような気がする。[83]
詳細は全く不明だが、どうもアメリカのハード・ロック・バンドの 1994年にリリースされたアルバムのようだ。女性二人を含む 7人組みで、メンバーの年齢層もかなり幅が広そうな感じだ。 全体的にのりの良い、軽快でややハードな アメリカン・ロックという感じで、割と整っていて出来は 悪くない。アコースティックも交えながら進行する、渇いた明るく のどかな雰囲気が感じられるが、このアルバムで面白いのは そういう路線から外れた楽曲だ。特にFaded Beautyはアルバムの 統一感からすると、これを入れるのは違和感を感ぜずには いられないのだが、扇情感たっぷりの疾走するギター・メロディが なかなか良い。[78]
アメリカ人ギタリストの通算7作目のソロ・アルバム。ここ最近は よりダークな感じのする作品を作っていて、彼の出世作 SURFFING WITH THE ALIENとはかなり方向性を 異にしていたのだが、本作ではそういった作風に立ち戻っており、 初期のファンを安心させるアルバムになっていると言って 良いだろう。軽快で爽やかな作風で、彼らしい、情感豊かな ギター・インストルゥメンタル・アルバムに仕上げている。 やや長すぎると言う感もなくはないが、所々アクセントを 入れてみたりと結構聴きごたえのある内容だ。[82]
アメリカ人ギタリストで、RAIN OF TERRORというボーカル入りの バンド名義の作品とギター・インストルゥメンタルのソロ作品を 平行してリリースし続けているが、こちらはソロとして 4枚目となるアルバム。YNGWIEタイプのネオ・クラシカル系の 作品だが、スラッシィなリフも入れたりと、単なるYNGWIE フォローワーに終わっていないところは評価出来る。YNGWIEにも 劣らぬギター・プレイは素晴らしいし、楽曲の出来も納得 出来るだけの作品には仕上がっている。全体的にアップ・テンポで 展開も持たせてあって、飽きさせぬような 作品作りにはなっているものの、もう少し彩り豊かにして 欲しかった。[83]
アメリカのロック・バンド、BABYS、BAD ENGLISHの 元ボーカリストによるソロ・アルバム。これまでの作品と 比べると、ピアノやアコースティック・ギターを大幅に導入して、 非常に素朴な作りのアルバムに仕上がっている。どことなく わびしさを感じさせるアメリカン・ロックで、アコースティック 色を強くしたことが一層そういった雰囲気を助長しているし、彼の ボーカルがまたそれに非常に合っている。今までの彼の作品では 最もハードでない作品の部類になるが、楽曲の出来も結構良いし、 悪くない出来のアルバムだ。ソロでもヒットを飛ばして知られる 人だが、そう言う楽曲はないものの素朴で良い作品だ。[82]
ASIA、UK等を渡り歩いたイギリス人ボーカリストの ライヴ・アルバム。ソロ・アルバムVOICE MAILとASIA、UK時代の 楽曲から構成されている。バックはアコースティック・ギターと キーボードのみで、このアコースティック・ギターとピアノも 彼自身が弾いているようだ。シンセサイザーは クレジットがないため誰が弾いているかは不明だが、それ程 露出している訳ではないので、ステージは恐らく彼一人しかいない 弾き語り状態だったのではないだろうか。しっとりとした雰囲気の ライヴが彼のボーカルに非常に合っていて、わびしさと ほのぼのとした雰囲気が入り交じる不思議な情景を醸し 出している。大ヒット曲のHeat Of The Momentもこういう切り口で 聴くと、また違った味がある。ASIA等のようなハードさは全く 感じられないが、優しい雰囲気に包まれた素晴らしいライヴだ。 [90]
アメリカのロック・バンドの1981年から1983年にかけて行われた ライヴの音源を集めて作られたライヴ・アルバム。彼等としては 最も脂ののっていた時期であったESCAPE、FRONTIERSでの ツアーで、Don't Stop Belivin'、Separate Ways、 Who's Crying Now、Open Armsと言ったそうそうたる楽曲が 並んでおり。まさにアルバム・タイトル通り、 GREATEST HITS LIVEと言った内容だ。死蔵されていた古いライヴ 音源ではあるが、録音状態は悪くないし、演奏の出来も十分評価 出来るだけの作品と言って良いだろう。STEVE PERRYの伸びやかな ボーカルも堪能出来るし、初心者入門用にもうってつけの 素晴らしいアルバムだ。[87]
元RAINBOWのアメリカ人ボーカリストによる4thソロ・アルバム。 ブルーズに傾倒したりと、RAINBOWでの彼の活動を知っている 人間には期待にそぐわない作品が続いてストレスが溜まる人も 多かったろうが、今作では久々にハード・ロックらしい方向性の 作品作りになっている。RAINBOWやその他のバンドっぽい楽曲が それ程沢山占められている訳ではないが、中盤の Game Of Rock'n RollやNo Room For Love辺りはいかにもらしい 楽曲だ。ここ最近感じられるボーカル・スタイルの変化はここでも 同じで、高音部もかなりだみ声になっていて、もう昔の様な歌唱は 無理なのかも知れない。[82]
アメリカ人女性シンガーのソロ・デビュー盤。プロデュースは DAKOTAのJERRY G.HLUDZIKが行っている他、同じくDAKOTAの JOHN LORANCEが曲作りで参加している。そう言ったところからも 判るように非常にハードなサウンドで、彼女の伸びやかで力強い ボーカルもあいまって、中々パワフルな作品に仕上がっている。 楽曲はやはり叙情的なアメリカン・ハード・ロックで、 ミドル・テンポの楽曲は今一つ面白くないのだが、のりのある 楽曲は中々の出来だ。楽曲にバラエティさを持たせたが故の 結果かもしれないが、一本調子に聞えても的を絞った方がまだ 良かった。[82]
アメリカのネオ・クラシカル系ヘヴィ・メタル・バンド、 ARTENSIONのボーカリストの2ndソロ・アルバム。前作で素晴らしい プレイを見せてくれていたギタリスト、GEORGE BELLASは同じく ARTENSIONのキーボード、VITALIJ KUPRIJのアルバムに 参加しているためか、今作では何曲か作曲しているものの レコーディングには参加していない。その代わりに、 KEVIN CHOWNの関係からか、元EDWIN DEARのJEFF KOLLMANギターを 弾いている。その性もあってか、前作からするとやや ネオ・クラシカル的な色合いは減退し、よりソウルフルで扇情的な ヘヴィ・メタル作品に仕上がっている。JEFF KOLLEMANのギターを 始め、演奏も素晴らしいし、楽曲の出来も悪くないし、良い メロディアス・ヘヴィ・メタル作品に仕上がっている。[85]
元RAINBOWのアメリカ人ボーカリストのソロ・アルバム。カバー 曲ばかりを収録したアルバム第2弾と言うことになるが、ロックの スタンダードと言える様なものを始め、古い楽曲が中心だった事は 変わりないが、前作から比べるとよりハード・ロックのファンに 馴染み深い楽曲が中心になっている。全体的な味付けも、 ハード・ロック的になっており、彼のファンのニーズには前作より 合っていると言って良いだろう。FREEのWishing Wellや FOREIGNERのWainig For A Girl Like You等も非常にハードな 味付けになっていて聴きごたえはある。UFOのRock Bottomや WHITESNAKEのFool For Your Loving、RAINBOWの Lost In Hollywoodと言ったおなじみのナンバーも 収録されている。しかし、彼が何故こういうアルバムを2作も 作らねばならないのか、その意義が判らない。梶山章や AL PITRELLI等も参加していて、選曲的には疑問に 感じるものもあるものの、決して悪い出来だとは思わないが。[79]
アメリカのハード・ロック・バンドのライヴ盤。1985年に行われた ライヴをラジオ番組KING BISCUIT FLOWER HOURの放送用に 収録したものだ。個人名義になっているが、これは彼が当時 率いていたVAN ZANTのライヴで、JOHNNY VAN ZANT BAND 時代のものもあるが、半数以上はVAN ZANTの楽曲だ。中には 未発表と思われる楽曲もあり、結構貴重な音源だ。叙情的で キャッチーなメロディのハード・ロックで、楽曲の出来は 素晴らしい。特に後半の展開は圧巻で、Rock Survivors、 She's Out With A Gun、In Your Eyes等素晴らしい佳曲がずらりと 並んでいる。JOHNNY VAN ZANT自身のボーカルに若干不満を 感じない訳でもないが、演奏も良いし、音質も十分過ぎるほどで、 彼のファンなら聴いて損はない。[87]
元SILVER MOUNTAIN、YNGWIE MALMSTEENのキーボード、 JENS JOHANSSONとドラマー、ANDERS JOHANSONのスウェーデン人 兄弟によるプロジェクトの3rdアルバム。ギターとベースには アメリカのヘヴィ・メタル・バンド、SYMPHONY Xの MICHAEL ROMEO、ボーカルには元MAIDSON、YNGWIE MALMSTEEN、 GLORYのGORAN EDMANと中々豪華なラインナップになっている。 方向的には、このメンバーからも想像が付くように、これまでの アルバムの中でも最もネオ・クラシカル色の強い作品に 仕上がっている。特にJENS JOHANSSONのキーボードが全面に押し 出されており、彼の実力が発揮されている。GORAN EDMANの ボーカルも素晴らしく、非常に良く出来たアルバムだが、 ネオ・クラシカル然としていて万人向けとは言い 難いかもしれない。ただ、この手の音楽のファンであるならば、 必ずや満足できるだあろうレベルのアルバムだ。[85]
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンド、SILVER MOUNTAINの 元ギタリストによる初のソロ・アルバム。合唱が入っているが、 全曲、ギター・インストルゥーメンタルで、 オーケストレーションを大幅に取り入れて融合している。いわゆる ネオ・クラシカルと言った感じの作品で、 速弾きはほとんどないが、情感を大切にした作品である。泣きの 叙情的なギター・メロディが至る所に配され、そこに被さって来る オーケストレーションが一体となった様は中々圧巻だ。アルバム 1枚聴けば、お腹いっぱいと言うタイプなので、そうしょっちゅう 聴きたいとは思わないが、出来は中々素晴らしい。[83]
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンド、SILVER MOUNTAINの 元ギタリスト、JONAS HANSSON率いるバンドの3rdアルバム。 方向的には、これまでの路線を踏襲した叙情的な北欧フレーバーの 感じられるものだ。RAINBOWの影響が感じられる、様式美 サウンドは悪くない。楽曲は、メロディも良いし、フックがあって 平均的に良く出来ているし、飛び抜けた楽曲はないが、安心して 聴いていられるだけの作品に仕上がっている。JONAS HANNSONの ギターだけではなく、DAVID SWAN MONTGOMERYのボーカルも 素晴らしいし、演奏、楽曲とも良く出来たアルバムだ。[83]
イギリスのロック音楽史上に名を残す、LED ZEPPELINの ベーシストの初のソロ・アルバム。LED ZEPPELINが解散して20年、 映画音楽をやったりはしていたが、本格的な活動がなかっただけに 正に待望の作品だと言って良いだろう。しかも、年取って落ち 着いた感じの作品になっているのだろうと言う想像は全く 裏切られ、非常にアグレッシヴな作品に仕上がっている。ベースを 中心したインストルゥーメンタルで、本当にやりたい事をやって 見せたと言うところだろう。それ故、彼のファン以外に、どれだけ 訴えるものがあるのかは疑問だが、ファンならばそんな事を抜きに 凄いと思える作品のはずだ。[85]
アメリカのシンガー・ソング・ライターによる2ndアルバム。 方向的には、前作同様キャッチーなメロディーのハード・ポップと 言う感じの作品で、それがより徹底されていると言って 良いだろう。My Country 'Tis Of Thee等は、売れ出した頃の BON JOVIのヒット曲と言う風の、愁いを含んだ メロディアス・ハードのナンバーだ。全体的に楽曲の質は 上がっており、甘いメロディが好きな人には聴く 価値があるだろう。ミックス・ダウンをTENのGARY HUGHESが 行っているが、それが功を奏したのか、やや生々しい音作りで、 扇情感があってフックが感じられる。彼のメロディ・センスの 良さが出た、中々好感の持てる良いアルバムに仕上がっている。 [86]
イギリス人ベーシスト、ボーカリストによるソロ・ライヴ盤。 1998年に行われたポーランドでの公演の模様を収録したものだ。 しかし、それにしてもここ最近の彼のライヴ盤と未発表曲集の リリース・ペースには凄まじいものがある。スタジオ盤よりも速い ペースでライヴ盤を出し続ける辺りは、少し疑問にも思える。 ASIA、UK、KING CRIMSONと言った名だたる プログレッシヴ・バンドを渡り歩いてきただけに、楽曲の出来は やはり安心して聴いていられる出来だ。アコースティックも大幅に 取り入れられているが、DAVID KILMINSTERのハードな ギターもあり、中々聴きごたえがある。ここ最近の彼のライヴ 音源としては、生々しくて臨揚感があって、出来は良い。ASIAの ヒット曲が省かれたのは、アルバムとしての統一性を考えると いたしがたないか。[83]
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンド、EUROPEの 元ギタリストによる、1990年にリリースされたミニ・アルバム。 全5曲のうち4曲は、アルバム・タイトル通り、1988年に行われた ストックホルムでのライヴの模様を収めたもので、それに 未発表曲が1曲と言う構成になっている。会場の熱気は今一つ 伝わってこないが、GORAN EDMAN、MARCEL JACOB等が サポートしていて、中々良いパフォーマンスを 聴かせてくれている。未発表曲のFree Birds In Flightは、 メロディアスでスリリングな インストルゥーメンタル・ナンバーで、悪くない。[82]
スウェーデン人ギタリストの5thソロ・アルバム。方向的には これまでの作品と趣を異にしており、かなりTHIN LIZZYっぽい アルバムに仕上がっている。ある意味ではJOHN SYKESっぽい 作品で、叙情派北欧メタルの旧来のファンからすると賛否両論に 分かれるアルバムだろう。Blackscape等は、 オルタナティヴ・ロック的な色合いも感じるし、 Freedom Is My TruthはかなりALICE IN CHAINSっぽい楽曲に 仕上がっている。彼自身がボーカルを取っているために、そう 言った感がより一層強くなっていると言って良いだろう。アルバム 自体の出来は悪くないので、そう言った要素を受け 入れられるかどうかが分かれ目だろう。[83]
元ASIA、UK、KING CRIMSONのベーシスト、ボーカリストによる 1980年にリリースされた初のソロ・アルバム。翌年にASIAを 結成する訳だが、Baby Come Backと言った様な、その源流が 感じられる楽曲もある。全体的には、もっとシンフォニックな 作品ではあるが、彼の涼やかなボーカルと、キャッチーで コマーシャルなセンスの溢れる楽曲が聴ける。全体を通すと、AISA 程ポップ過ぎると言う感じはなくて、もっと素朴な感じのする アルバムに仕上がっている。やや流麗過ぎる様な気もするが、 楽曲の出来もまずまずだし、悪くないアルバムだ。[82]
元RAINBOW、DEEP PURPLE、YNGWIE J.MALMSTEENのアメリカ人 ボーカリストによる6thソロ・アルバム。前作では再びカバー 作品を制作したが、今作ではHURRY UP AND WAIT同様の、 ハード・ロック然としたオリジナル作品となっている。日本の RAINBOWトリビュート・プロジェクト、虹伝説の縁でか、前作に 続いて梶山章がゲスト参加しているが、特筆すべきは彼が半分 以上の楽曲を書いている事だろう。それ故か、RAINBOW的な 味わいがあちこちに感じられ、中々感慨深い作品に 仕上がっている。そう言った意味でも梶山章がこのアルバムに 参加した意義は大きいと言って良いだろう。ギタリストには、 梶山章の他、AL PITRELLI、ANDY TIMMONS等も参加している。[85]
アメリカのハード・ロック・バンドの4年振りのアルバム。 バンドの要の一人でもあるボーカリストのSTEVE PERRYが脱退し、 新たにSTEVE AUGERIが加入した他、元OZZY OSBOURNE BANDの ドラマー、DEAN CASTRONOVOも加入している。NIGHT RANGERの JACK BLADESも曲作りに参加している事もあって、部分的には NIGHT RANGERっぽいところも見受けない訳ではないが、 NEIL SCHONらしいギター・フレーズも聴けて、全体的に 見るとらしい作品に仕上がっている。STEVE AUGERIのボーカルも 悪くないが、STEVE PERRY程の灰汁の強さがない分、やや印象が 薄くなってしまっている様な気がする。全体的に明るめの 曲ばかりで、愁いのある楽曲も欲しかった。[83]
元WHITESNAKE、THIN LIZZYのギタリストによる3年振りとなる ソロ・アルバム。その間にTHIN LIZZY再結成による 活動もあったが、方向的にはBLUE MURDER以降の彼のソロ 作品らしいアルバムとなっている。THIN LIZZY的なフレーズが ふんだんに取り入れながらも、打ち込みが多用されてたりと モダンな感じのする作品に仕上がっている。その割には新味も 感じないし、そう言った変革がお世辞にも上手く行っているとは 言い難い。キャッチーなメロディも悪くないし、グルーヴ 感もあって、決して悪い作品ではないのだが、今一つ決めに欠ける 気がする。[80]
元VAGABOND、THE SNAKES、ARKで現MILLENIUMのノルウェイ人 ボーカリストによる初のソロ・アルバム。THE SNAKESで DAVID COVERDALEばりのソウルフルなボーカルを 聴かせてくれていたが、この作品でもその素晴らしいボーカルは 全く変らない。FOREIGNERのカバー、Break It Upでは LOU GRAMMばりのボーカルを聴かせてくれているし、 上手いだけでなく器用さも感じさせてくれる。JOURNEYのカバー、 Edge Of The BladeやDEEP PURPLEのカバー、Burnでも中々 張りのあるパワフルな歌唱だ。その他にもJEFFERSON STARSHIPや CITY BOYとカバーが多いが、彼のボーカルを聴くためのアルバムと 思えば左程気にならない。[83]
イギリスのプログレッシヴ・ロック・バンド、ASIA、UKの 元ボーカリストによる3年振りのソロ・アルバム。VOICE MAIL、 ARKANGELと併せてのコンセプト・アルバムで、その完結編となる 作品だ。方向的には、彼らしいポップ・センスに溢れた作品で、 楽曲のレベルも中々高い。そう言う意味では、ASIAの ファンであれば十分満足出来るアルバムと言って良いだろう。 ASIA的なキャッチーな楽曲に、割とハードな音作りがされており、 本来ASIAが今、アルバムを出すなら、こう言う作品を出して 欲しいと思える作品だ。元THE BEATLESのRINGO STARRや JIM VALLANCE等が共作者としてクレジットされているが、楽曲に 不自然さは全くない。元SURVIVOURのJIM PETERIK、 GREG BISONETTE、FORIGNERのIAN McDONALD、KING CRIMSONの ROBERT FRIPP、元GENESISのSTEVE HACKETT等が参加している。[87]
アメリカのハード・ロック・バンドのアルバム。先行発売された 日本盤に対して、アメリカ盤では楽曲が何曲か入れ替えている。 バラードのI'm Not That Wayが削られて、World Gone Wildと Nothin' Comes Close、日本盤ではボーナス・トラックだった To Be Alive Againが加えられている。バラードが削られて、 アップ・テンポのナンバーが加えられただけに、 ロック・アルバムとしてのめりはりがより強く出ている。両方とも 彼等らしいキャッチーなメロディの楽曲だし、特に明るい楽曲が 多かっただけに、湿り気の感じられるWorld Gone Wildが 加えられたのは良い結果になったと思える。[88]
アメリカ人ギタリストの2枚組ライヴ盤。2000年に行われた アメリカでの公演の模様を収めたものだ。アメリカ的な暖かい 叙情的なメロディの楽曲が並んでいるが、ここで注目されるのは やはり彼のギター・プレイだろう。収録時間は2時間半近くにも 及び、その間ほとんどがギター・インストルゥーメンタルで 聴かせてしまう辺りは圧巻だ。とにかく延々とギターを弾きまくる そのパフォーマンスは素晴らしいが、流石に少し食傷気味とも 言えなくもないが、テクニックの垂れ流しで楽曲がつまらない 凡百のギタリストと違い、楽曲も良く出来ているだけにこれだけ 長い作品でも聴いていられる。[82]
元RAINBOW、DEEP PURPLEのアメリカ人ボーカリストによる ソロ・アルバム。前作でも参加していた元PRECIOUSのギタリスト、 梶山章が今作では作曲を含めて全面参加している。梶山章の参加が 多いに功を奏しており、梶山章の作るRITCHIE BLACKMORE的な 楽曲に、ストラトキャスターの音色がまさしくRAINBOWや DEEP PURPLEを思い起こさせる。これまでどうしてもブルージィな 楽曲が入って来て、バランスの悪さを 感じたりするところもあったが、この作品では音楽性に 統一感があり、また彼のボーカルが良く合っている。ライヴ 感のあるプロダクションも良く、素晴らしい作品に 仕上がっている。[85]
アメリカの3人のギタリストによる1997年にリリースされた ライヴ盤。G3と銘打って、1996年に行われたアメリカでの公演の 模様を収めたものだ。JOE SATRIANI、ERIC JOHNSON、STEVE VAIと 言う名うてのギタリストのコラボレート・ライヴで、それぞれの ステージが収められ、最後に3人でのセッションと言う 形になっている。それぞれのプレイと、カバー曲による3人の セッションが3曲ずつと言う構成になっている。さすがG3と 銘打つだけのライヴで、最後の3人によるJIMI HENDRIXの Red HouseやFRANK ZAPPのMy Guitar Wants To Kill Your Mania 等は圧巻だ。[81]
アメリカのプログレッシヴ・メタル・バンド、DREAM THEATERの キーボードによる2年振りの4thソロ・アルバム。彼の ソロ・アルバムと言う事で、当然キーボードを中心に置いた インストルゥーメンタル作品で、彼の超絶プレイを押し 出しながらも適度にポップで意外と聴き易いアルバムに 仕上がっている。楽曲の出来は悪くないし、単なるテクニックの 垂れ流しになっていないところは好感が持てる。TERRY BOZZIO、 STEVE MORSE、JOHN PETRUCCI、BILLY SHEEHAN等と言った、彼に 劣らぬミュージシャン達がゲスト参加しており、その競演も中々 興味深い。[82]
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンド、EUROPEの 元ギタリストによる1992年にリリースされた5年振りの 2ndアルバム。パワフルでテンポの良いヘヴィ・メタルで、 北欧らしい叙情的なメロディも聴かせてくれている。しかし、 それよりもTHIN LIZZYの影響が強く出ており、楽曲によっては 完全にそれっぽさが出ている。DON DOKKENで一緒だった ベーシスト、PETER BALTESが参加しているが、ここで 注目されるのは長年活動休止状態だった元DEEP PURPLEの ベーシスト兼ボーカリスト、GLENN HUGHESの復活で、久しぶりに 素晴らしい声を聴かせてくれている。ファンからすると、もう少し 北欧よりの哀愁味のある叙情派メロディを期待するかも 知れないが、出来は悪くない。[83]
元BABYS、BAD ENGLISHのアメリカ人ボーカリストによる4年振りの 7thソロ・アルバム。ソロでも1980年代にMissing Youの全米 ナンバー・ワン・ヒットで馴染みのある人も多いだろう。 ハートフルでアダルトなバラードが並んでおり、如何にも彼らしい アルバムに仕上がっている。1980年代のアメリカらしい、 洗練された叙情的なメロディのロック作品で、楽曲のクオリティは 非常に高く、ややハスキーで円熟味を感じさせるボーカルも含めて 安心して聴いている事が出来る。ややハードな部分も 見せてくれるが、基本的にはバラードが中心で、やや甘過ぎると 言う気もしなくはない。[83]
イギリスの伝説的なハード・ロック・バンド、LED ZEPPELINの 元ベーシストによる2年振りの2ndソロ・アルバム。方向的には 前作の延長線上と言える、ベースを前面に押し出したハードな サウンドを聴かせてくれている。但し、かなりジャジィな 音楽性となっており、その分非常にプログレッシヴ・ロック的な エッセンスの感じられる作品に仕上がっており、その分、やや 好みの判れる作品だと言って良いだろう。前作では全編 インストルゥーメンタルだったが、今作では彼自身がボーカルを 取った楽曲が含まれており、中々興味深いアルバムだ。[85]
MILLENIUM、ARK、元YNGWIE MALMSTEEN、VAGABOND、THE SNAKESの ノルウェイ人ボーカリスト、JORN LANDEによる 2ndソロ・アルバム。DAVID COVERDALE的なソウルフルなボーカルで 知れられている彼だが、この作品でもそのボーカルの持ち味を 存分に聴かせてくれている。基本的にはスロー・テンポから ミドル・テンポの壮大でドラマティックな叙情派ヘヴィ・メタルで 中々出来は良いのだが、残念ながら後半はややそのクオリティを 保持出来ていない。元TINDRUMのベーシスト、SID RINGSBY等も 参加しているが、注目されるのはやはり何と言っても JAN AKSEL "HELLHAMMER"で、彼はMAYHEMやCOVENANTと言った 畑違いとも思える活動をしているドラマーだ。[81]
アメリカ人ボーカリストの初のソロ・アルバム。伝説的な アメリカのパンク・ロック・バンド、RAMONESの 元ボーカリストで、生前にソロ・アルバムをリリースするために 作製されたものだ。彼自身は2001年に亡くなったため、最後の ソロ・アルバムと言って良いだろう。メロウでキャッチーな メロディのロックンロール色が強いパンク・ロックで、如何にも 彼らしい作品と呼べるアルバムに仕上がっている。如何にも 1970年代的と言った感じのポップなパンク・ロックで、好き嫌いは 分かれるかも知れないが、RAMONESのファンであれば十分 満足するだろう。[80]
アメリカのクリスチャン・メタル・バンド、JOSHUAの 元ギタリストによる初のソロ・アルバム。JOSHUAの後、M PIREで アルバムを1枚リリースしたが、それ以来の7年振りとなる作品だ。 ボーカリストのJERRY GABRIELを除いてM PIREのメンバー編成で、 楽曲自体もM PIREで見せたよりアメリカナイズされた方向性と 言って良いだろう。ただし、バラードの割合が多く、 ヘヴィ・メタルと言うよりは、もっとアメリカン・ロック的な 色合いが濃いアルバムで、それだけに派手さはないが、渋さを 感じさせてくれる味わい深い作品で、しみじみと聴かせてくれる。 [82]
アメリカのプログレッシヴ・ハード・ロック・バンドの ミニ・アルバム。STEVE PERRYがいなくなり、完全にNEIL SCHON 主導の体制になった事もあってか、非常にハード・ロック色の強い 作品に仕上がっている。その分、ヒット曲嗜好に囚われていない 為か、全体的に大作志向になっている。STEVE AUGERIの ボーカルは、STEVE PERRYと比べると灰汁はないが歌唱力は申し 分なく、ハードになった楽曲にも負けていない。 Intro:Red 13/State Of Grace等は、今までとかなりイメージが 違うか、それでもWalking Away From The Edgeを始め、彼等らしい メロディが随所に盛り込まれている。[85]
ROYAL HUNT、ARTENSIONのアメリカ人ボーカリストによる、 4年振りの3rdソロ・アルバム。ROYAL HUNTやARTENSIONと言った、 ネオ・クラシカルや様式美系のヘヴィ・メタルとは距離を置いた 作品で、ソウルフルでアメリカらしいオーセンティックな ヘヴィ・メタルを聴かせてくれている。そう言う意味では、前作を 更にバンドとは離れた方向性に持っていっている訳で、SAVATAGEの ギタリスト、CHRIS CAFFERY、HALFORDのドラマー、 BOBBY JARZOMBEKとギタリスト、METAL MIKE CHLASCIAKと言った、 バンドを離れた参加メンバーもそう言った方向性を 意識してのものだろう。その一方で、When Worlds Collideで ANDRE ANDERSENとVITALIJ KUPRIJ共演を実現させている辺りは中々 つぼをついている。[83]
イギリスのプログレッシヴ・ロック・バンド、ASIA、UKの 元ボーカリストによる2年振りのソロ・アルバム。 プロデューサーの1人にPENDORAGONのCLIVE NOLANが名を 連ねているが、そう言った部分の影響が強いのか、非常に シンフォニック色の強い作品に仕上がっている。やや オリエンタルなエキゾチックさを取り入れながらも、 イギリスらしい憂いに満ちたメロディを押し出している。全体的に しっとりと落ち着いた叙情的なナンバーを、彼が切々と歌い 上げると言うスタイルになっており、彼のボーカルを思う存分 堪能出来るが、その一方でポンプ・ロック的な色合いが強く、 スロー・テンポの曲が多過ぎる気もする。[84]
アメリカ人ボーカリストの2年振りの7thソロ・アルバム。 RAINBOWっぽさを伴ったIn Cold Bloodで幕を飽け、 HUGHES TURNER PROJECTとの切り分けはと感じたが、その後は ブルージィな泥臭さい楽曲もあり、割とバラエティは豊かだ。 全体的にはキャッチーなセンスは変わらないが、アメリカ的な 泥臭さを感じさせるかと思えば、ブリティッシュっぽい憂いを 出して来たりもする。そう言った相反する音楽性を備えながらも、 彼らしいアルバムに仕上がっている辺りは中々つぼを心得ている。 オーセンティックで適度にグルーヴ感もあり、聴き応えがある 作品だ。[83]