SO EXACTRY WHERE ARE WE? / LIGHTSPEED

カナダのプログレッシヴ・ロック・バンドの1994年に リリースされた4年振りの2ndアルバム。方向的には、叙情的な メロディで、プログレッシヴ・ロックと言っても、いわゆる アメリカン・プログレッシヴ・ロックと言って良い様な非常に聴き 易い作品だ。複雑なところは全くなく、変拍子等を想像して プログレッシヴ・ロックはどうも、と言う人にも安心して聴ける アルバムに仕上がっている。憂いのあるメロディは、どちらかと 言うとヨーロッパのバンドに通ずるものがあり、そう 言ったところがKANSASやBOSTONと言ったバンドと一線を画す 事になっている。透明感のあるメロディは実に美しく、楽曲出来も 素晴らしいし、心洗われる作品だ。[90]

PSYCHOSCHIZOPHRENIA / LILIAN AXE

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1993年にリリースされた 4thアルバム。方向的には、ポップで叙情的なメロディの 作品だが、聴き流せてしまいそうな単純に奇麗な、あるいは格好 良いと言った作品に終わっていないところがこのバンドの魅力と 言って良いだろう。ある意味KING'S Xっぽさも感じられるが、 もっとダークでヘヴィなものとなっている。Stop The Hateでは 憂いのこもったメロディながら、変なうねりがグルーヴィ感を 出しているし、型にはまらず多様性を感じさせてくれるアルバムに 仕上がっている。楽曲の出来も良いし、ところによっては煽情感を 醸し出しながら、聴き手を引き込んで行く。[85]

LIMELIGHT / LIMELIGHT

イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの1980年にリリースされた 唯一のアルバム。N.W.O.B.H.M.のバンドとしては、最も プログレッシヴ・ロックよりのバンドとして知られている バンドで、特にMan Of Coloursは ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック的な色合いの濃い 楽曲だ。こう言ったヘヴィ・メタル色がない楽曲がある一方で、 Metal Manの様なヘヴィ・メタル色を出した 楽曲もあったりするところがユニークだ。シングルのみで リリースされたAshes To Ashesがボーナス・トラックとして 収録されているが、バンドとしてはかなり毛色の違う楽曲だが、 UFOのDoctor, Doctorを思わせ、ネタがばればれだが中々格好 良い。[85]

DANGEROUS ATTRACTIONーSPECIAL EDITIONー / LION

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1987年にリリースされた デビュー盤。N.W.O.B.H.M.バンド、TYTANの元ボーカリスト、 KAL SWAN、元STEELERのドラマー、MARK EDWARDSを中心に 結成されたバンドで、KAL SWANとギタリストのDOUG ALDRICHは BAD MOON RISINGを結成している。BAD MOON RISINGと比べると、 全体的に軽やかな仕上がりで、のりが良く出ている。 ヘヴィなだけでのりの今一つ感じられないBAD MOON RISINGよりは 遥かに良い出来だと言って良いだろう。SPECIAL EDITIONと お題目が付いているが、アニメーション映画、TRANSFORMERSの テーマ曲が追加されているだけだ。とは言え、この曲は今まで 映画のサウンドトラックでしか聴く事が出来なかったものなので、 価値はある。[86]

HOT TONIGHT / LIONHEART

イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの1984年にリリースされた 唯一のアルバム。元IRON MAIDENのギタリスト、DENNIS STRATTONが 結成したバンドだが、その方向性はIRON MAIDENの全く逆を行く様な 内容だ。キーボードを導入した、キャッチーでポップな アメリカン・ハード・ポップと言った楽曲は、明らかに意識して 新しい事をやろうとした結果だろう。IRON MAIDENの ファンからすると拒否反応を起こしそうな話だが、しかしこれが 中々秀逸なハード・ポップで、AOR的なエッセンスが良く 出ている。N.W.O.B.H.M.のハード・ポップ系のバンドとしては SHYと並ぶ位の高品質なアルバムに仕上がっている。[85]

LIONSHEART / LIONSHEART

イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの1993年にリリースされた デビュー盤。N.W.O.B.H.M.バンド、GRIM REAPERの 元ボーカリスト、STEVE GRIMMETTを中心に結成されたバンドだ。 ジャーマン・パワー・メタルっぽさを感じさせる、GRIM REAPERの 様な色合いとは異なり、如何にも正統派と言った感じの様式美 ヘヴィ・メタルを聴かせてくれている。楽曲を書いているのが ギタリストのMIKE OWERSなのだから、GRIM REAPERと違った 毛色になるのはある意味当然と言って良いだろう。やや ブリティッシュ・ブルーズ色の感じられる楽曲で、 STEVE GRIMMETTのパワフルなボーカルが良く映えている。[83]

PRIDE IN TACT / LIONSHEART

イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた 2ndアルバム。前作でソング・ライティングの大部分を担っていた ギタリストのMIKE OWERSと、ベーシストのSTEVE OWERS兄弟が あっと言う間に脱退し、今作では元KILLERSのNICK BURRが 加入している。曲を書く人間が変わったのだから、当然と言えば 当然だがその方向性に変化が見られる。よりブルーズ・ロック的な 色合いが濃くなっており、その分様式美的な色合いは 薄くなっている。楽曲のテンポもややアップ・テンポ 気味になっており、のりが良くなった様に感じられる。前作とは 趣の違った作品となってしまったが、作品の質としては決して 低くない。[82]

YOUNG GODS / LITTLE ANGELS

イギリスのハード・ロック・バンドの1991年にリリースされた 2ndアルバム。ほぼ壊滅状態であったイギリスの ハード・ロック・シーンにTHUNDERと共に1990年代期待の星として 登場したが残念ながらその期待に添うまでの結果は残せなかった。 ブリティッシュ・ブルーズ的なエッセンスも持ちながら、 アメリカナイズされた明るいのりの良いハード・ロックンロールに 仕上がっている。アメリカ市場も意識しながらも、 ブリティッシュらしさを押し出した作品となっている。 ホーン・セクションを導入したりと色々工夫も見えるのだが、こう 言う作品が受けないところにイギリスハード・ロック・シーンの 苦悩が感じられる。[83]

JAM / LITTLE ANGELS

イギリスのハード・ロック・バンドの1993年にリリースされた 3rdアルバム。詳しいクレジットがないため詳細は不明だが、 ライヴ・ミニ・アルバムが付いた2枚組みの限定盤だ。方向的には 前作の延長線上と言えるものだが、よりホーン・セクションを 前面に押し出したものとなっている。明るく軽快で爽やかな ハード・ロックで、聴いていて楽しい作品だ。全体的にテンポは 抑え目と言う感じがするが、ほのぼのとしていて安心して 聴いていられる。ライヴの方も、ホーン・セクションもきちんと 持ち込み、彼等らしい魅力の感じられるパフォーマンスを 聴かせてくれている。[82]

VIVID / LIVING COLOR

アメリカのミクスチャー・ロック・バンドの1988年に リリースされたデビュー盤。ハード・ロックを基調とした、 黒人らしいファンク・ロックとのミクスチャー・ロックで、非常に のりの良い作品となっている。ハードに演奏されているが、楽曲 自体は明らかにファンク・ロックなので、ファンク・ロックが 聴けないと苦しいかも知れない。ELECTRIC BOYSのデビュー盤等と 比べると、より黒人らしいファンキーさがあって、ハード・ロック 的なエッセンスもそれ程強く出ていない。如何にもアメリカの黒人 音楽らしい作品で、アメリカ市場でヒットとしたのも頷ける。[83]

TIME'S UP / LIVING COLOUR

アメリカのミクスチャー・ロック・バンドの1990年に リリースされた2ndアルバム。方向的には前作の延長線上と 言えるもので、ファンク・ロックがその中心となっている。そこに ハード・ロック的な味付けがされており、グルーヴ感をより醸し 出している。前作と比べるとややグルーヴ感が減じた感じで、 楽曲によってはもたった印象を受けるものもある。その分黒人 ブルーズ的な色合いが強くなっており、ある意味音楽的な幅が 広がったとも言えるだろう。前作と比べると、やや楽曲に波がある 様に感じられるが、作品のクオリティは決して低くない。[81]

GIVE'EM THE AXE / LIZZY BORDEN

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた、 4曲入りデビュー・ミニ・アルバム。L.A.メタルの バンドとしては、最も正統派のヘヴィ・メタルと言える部類の サウンドで、LIZZY BORDENのボーカル・スタイルもあって、やや シアトリカルな雰囲気さえある。楽曲は悪くはないが、特別どうと 言う程のものでもなく、むしろ注目はなんと言ってもRAINBOWの カバー、Long Live Rock N Rollだろう。演奏は結構 ちゃんとしているのだが、録音状況は悪く、プロダクションは 今一つだ。一方で、その効果もあってか、勢いと荒々しさは 感じさせてくれる。[78]

MASTER OF DISGUISE / LIZZY BORDEN

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1989年にリリースされた 4thアルバム。最早バンドの形態はなく、ボーカリストで中心 メンバーであったLIZZY BORDENのソロ・プロジェクトと 化している。アグレッシヴさが全く消え、ホーンが 導入されてたりとこれまでのヘヴィ・メタル然とした アルバムとは、かなり趣の違うアルバムとなっている。演劇的な シアトリカルな要素はそれ程変わらないのだが、こういう楽曲で トータル・コンセプト的なイメージを打ち出すには、曲が あまりにもポップ過ぎるのが難点だ。出来は決して 悪くないのだが、今一つインパクトに欠けるアルバムだ。[78]

MANACE TO SOCIETY / LIZZY BORDEN

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1986年にリリースされた 2ndアルバム。バンドとしては最も勢いのあった頃の作品で、特に Notoriousはバンドの代表曲の一つと言って良い佳曲だろう。 非常にシアトリカルな方向性で、やはりこういう音楽性は一般に 受け入れられるのは難しいだろうし、LIZZY BORDEN自身の ヒステリックなボーカルには拒否反応を起こす人も居るだろう。 演劇的な構成で、コンセプト・アルバム的要素が強いが、 ばらばらに聴いてもそれ程気にならない。バラードのBloody Mary 等、楽曲の出来は良いし、作品の出来は中々だ。[86]

ASHES TO ASHES / LIMELIGHT

N.W.O.B.H.M.バンドの1984年にリリースされたアルバム。実際には 1980年にリリースされた唯一のアルバム、LIMELIGHTに1982年に リリースされたシングル、ASHES TO ASHESを加えたもので、かつて 日本でCD化されたものとは何曲かがリミックスされていて、曲順が 違うだけだ。日本ではAshes To AshesがUFOのDoctor Doctorに 似ていると言う事で知られているが、実際の音楽性は N.W.O.B.H.M.のバンド中では最もプログレッシヴ・ロックよりだと 言って良いだろう。特にMan Of Coloursはプログレッシヴ・ロック 色が強く、陰鬱なキーボードを配したメランコリックな ナンバーで、N.W.O.B.H.M.の中でもかなり異色だと言って 良いだろう。[87]

LOVE YOU TO PIECES / LIZZY BORDEN

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1985年にリリースされた初の フル・アルバムに、デビュー・ミニ・アルバムを併せて 集録しているが、リミックスしている様だ。シニアトリカルで 演劇的な手法は、この作品ではまだまだ荒削りな印象を受けるが、 LIZZY BORDENの音楽性は良く出ていると言って良いだろう。 むしろ、その荒々しさがかえってのりを出しており、 シアトリカルな聴き難さを押える効果が出ている。その後の作品と 比べると、まだ叙情的な部分が大きく、プロダクションも 悪いので、楽曲によってはN.W.O.B.H.M.の影響を感じる 部分もある。[80]

BREAKING OUT / LIONS PRIDE

詳細は全く判らないが、恐らくベルギーの ヘヴィ・メタル・バンドの1984年にリリースされたアルバム。 方向的には、N.W.O.B.H.M.に受けたであろうサウンドの正統派 ヘヴィ・メタルだ。B級臭いが、ドラマティックで展開のある 楽曲で、扇情的な作品だ。パワフルなWILLY BECKERSの ボーカルは、はっきり言って下手なのだが、雰囲気には何とか 合っていて我慢できる程度だ。楽曲中で転調が所々出て来るが、 それ程派手ではなくて、あまり気にならない。録音の状態はあまり 良いとは言えず、B級臭さに拍車をかけているのは残念だ。[78]

VISUAL LIES / LIZZY BORDEN

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1987年にリリースされた 3rdアルバム。RANDY RHOADSに師事し、後にOZZY OSBOURNE BANDに 加入するJOE HOLMES在籍時の唯一のアルバムだ。扇情的な ギター・ソロに非凡さは伺えるものの、後にOZZY OSBOURNE BANDに 加入すると言う事を想像させる様な、目立ったプレイは 残念ながらない。曲作りにもあまり参加していないので、これを 聴いただけではJOE HOLMESの実力は計りがたいと言って 良いだろう。若干灰汁がなくなって聴き易くなっており、名作 MENACE TO SOCIETYには及ばないが、LIZZY BORDENの シアトリカルなサウンドは健在で出来自体は悪くない。[82]

LIGHT / LIGHT

オランダのプログレッシヴ・ロック・バンドのデビュー盤。今や シンフォニック・ロックの砦とも言うべきSI MUSIC所属の バンドだ。方向的には正しくその路線と言った感じの シンフォニック・ロック・バンドなのだが、かなりヘヴィな サウンドで、この手のものとしては幾分ダークな感じがする作品に 仕上がっている。MARIO DRIESSENの奏でるギター・メロディは、 叙情的な部分においてはハード・ロック方面にも 訴えるものがあるが、構成は割と変則的に展開して行くのでその 辺りは少しきつい。オーケストラの導入も割合効果的だし、 全体的に良く出来たアルバムだ。[85]

LIVE TONGUE / LIVE TONGUE

アメリカのハード・ロックンロール・バンドで恐らく 自費出版によるデビュー盤。収録曲のうち、2曲は更に リミックスしたものを重複して収録しており、実際には ミニ・アルバムに近いと言って良い作品だろう。ワイルドで エッヂの効いた、のりの良いハード・ロックンロール作品に 仕上がっている。荒々しくグルーヴィで迫力があり、 MOTLEY CRUEやSKID ROWとはまた違った魅力が感じられる作品だ。 リミックスは中々強烈で、Hammerがインダストリアル風、 Homelessがオルタナティヴ風に仕上げている。[78]

ON SECOND THOUGHT / LIGHTSPEED

アメリカのプログレッシヴ・ロック・バンドの2ndアルバム。 全体的に流麗で、非常に美しいメロディで叙情感溢れる楽曲は中々 美しい。プログレッシヴ・ロック的な要素はあるが、特に複雑な 展開といったものは希薄で、むしろライトなハード・ポップという 感じだろう。ハード・ロックというほどにはハードでは ないのだが、それなりに音は厚く作られている。前作と比べると さらりと流せてその分、印象は薄いかもしれないが、楽曲自体は キャッチーでメロディは秀逸だ。産業ロック的なヒット曲指向の 楽曲が並んでいて、非常に聴き易い作品だ。[82]

LION'S SHARE / LION'S SHARE

スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドで7年振りの2ndアルバム。 楽曲の曲調、ボーカルの声質等ややDREAM THEATERに似ている 気もするが、あれほどプログレッシヴ的な感じはなく、結構 ヘヴィなリフもある。変拍子もあるが、これがちょうど良い アクセントになっている感じだ。重厚なギター・リフが ヘヴィ・メタル的な色彩を強めていて、ここにJAMES LaBRIEっぽく メロディを歌い、曲がドラマティックに進むところなどは中々 良い。楽曲の出来自体も決して悪いものではないし、 DREAM THEATERよりもっとヘヴィ・メタル然としている方が 好みという向きには合うだろう。[86]

NO STRINGS ATTACK / LIESEGANG

元MOTORHEAD、NINA HAGENのイギリス人ギタリストの初の ソロ・アルバム。元XEROと、N.W.O.B.H.M.系統のファンには 懐かしい名前だが、殆どの人にはむしろJOHN WETTONや GLEN HUGHESと言ったゲスト陣の方に目が行くだろう。そういう ゲストにアルバム・ジャケットから想像すると、落ち着いた ロック・アルバムを想像させるものがあるかも知れないが、 実際にはもっとヘヴィでエモーショナルなサウンドに 仕上がっている。特にGLENN HUGHESが歌っている楽曲は、彼の ボーカルもあって非常にソウルフルだ。扇情的で情感も豊かで、 非常に良く出来たアルバムに仕上がっている。[87]

ROMANCING THE NIGHT / LITTERER

アメリカのハード・ロック・バンドのアルバム。1987年に リリースされたデビュー盤と1988年にリリースのミニ・アルバムを カップリングしたものだ。メンバーの5人のうち4人の ファミリー・ネームが同じで、これをバンド名にしているが、 恐らく兄弟だろう。メロディアスなハード・ポップで、 Rock On Through The Night、Broken Hearts、Rock This City、 Ghost Town Park等の哀愁を感じさせる楽曲は、臭さも感じるが心 引くものがある。アルバム・ジャケットのセンスは悪いし、 全体的には爽やかな楽曲も含めてチープで垢抜けていないが、 メロディ・センスには見るところがあるし、B級の掘り出し物的な アルバムだ。[85]

RED MORNING SKY / LIVING SORROW

詳細は良く判らないが、ドイツの ゴシック/メロディックデス・メタル・バンド。ダミ声の咆哮型 デス・ボイスだが粘質的で結構味が有り、ボーカル・ラインも ちゃんとしているし、クリア・ボイスも使うがまともで、 RENE ROSEはこの手のものとしては良い出来だ。キーボードには ゴシック的な音色を感じさせるが、楽曲自体はそれによって ゴシック的だったりそうでなかったりする。大作 Forbidden Dreams等でのクリア・ボイスと叙情感溢れる哀愁の メロディのマッチングは素晴らしい。良いメロディ・センスを しているし、もう少しアレンジが良くなれば素晴らしい作品を 作るだろう。[87]

LIFE AFTER DEATH / LIFE AFTER DEATH

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドのアルバム。ARMORED SAINTの 元ドラマー、GONZO SANDOVALを中心としたニュー・バンドだが、 このアルバム制作後GONZOは脱退し、バンド名も変えて現在は 活動している。とは言っても、このアルバムではGONZOはあまり 曲作りに関係していないので、たいした影響はないだろう。 明らかにTHIN LIZZYを意識したサウンドに楽曲で、 ギター・ハーモニーやボーカル・ラインがそのもの言っても差し 支えのない部分がそこかしことある。それでいてCREAMの Sunshine Of Your Loveまでカバーしてしまうところなど圧巻だ。 オリジナリティは全く感じられないが、アイデアは買えるし 悪くないアルバムだ。[80]

TWO / LIONS SHARE

スウェーデンのメロディアス・ヘヴィ・メタル・バンドの 2ndアルバム。キーボードがかなり前面に出されており、 プログレッシヴ・ロック的な色合いを強く見せている。 キーボードがかなり前面に押し出されていて、軽めだった1stに 比べれば、Shadows等の様にヘヴィなギター・リフを 取り入れている曲があり、かなり重厚さを増しているように 思える。ドラマティックな曲は臨揚感が出て効果的だが、 そうでない曲はかえって聴きどころがなくなって散漫になった 印象も受ける。アルバムの流れが出来ればこういった点も 改善されるのではないだろうか。[82]

THREE DOLLER BILL, Y'ALL$ / LIMP BIZKIT

アメリカのバンドのデビュー盤だが、多岐のジャンルに渡っている そのサウンドは中々ユニークで一言では現し難いものだ。 スクラッチャーとしてラップ・バンドのHOUSE OF PAINの DJ LETHALが加わっており、ボーカルのFRED DURSTのスタイルも 明らかにラップだ。楽曲的にはハード・コアでもあるし、 ヘヴィネスという感じもあるし、グランジ的な事もやっている。 気だるさを感じさせるような事もやればいきなり攻撃的な部分も 出してくる。GEORGE MICHAELのFaithのカバーなどその極みと 言っても良いだろう。決してヘヴィ・メタルという 感じはないが。[78]

UNDER FIRE / LIONSHEART

N.W.O.B.H.M.バンド、GRIM REAPERのボーカリストだった STEVE GRIMMETT率いるイギリスのヘヴィ・メタル・バンドの 3rdアルバム。デビュー直後にソング・ライターのOWERS兄弟が 脱退するという前途多難なスタートを切ったが、今作でも ギタリストが元TYKETTOのBROOKS ST.JAMESに交代している。 BROOKS ST.JAMESが曲を書いているだけあって、全体的に TYKETTOっぽい内容になっている。アメリカ風の洗練された 叙情的なメロディが漂っており、これまでの作品とはやや趣が 異なる。方向性は変ったものの、BROOKS ST.JAMESの作り出す メロディはなかなか質が高く、これはこれで良い作品だ。[83]

LIQUID TENSION EXPERIMENT / LIQUID TENSION EXPERIMENT

KING CRIMSONのTONY LEVIN、DREAM THEATERのMIKE PORTNOY、 JOHN PETRUCCI等によるプロジェクト・バンドの インストルゥーメンタル・アルバム。演奏はともかく、楽曲的には 部分部分でDREAM THEATER的なエッセンスが感じられるが、 KING CRIMSONやDREAM THEATERとは一歩も二歩も違った フィーリングの作品に仕上がっていると言って良いだろう。 そういう意味では、特にKING CRIMSONのファンからすると期待した 内容とは違うと言う結果になるかも知れない。流麗でポップな 部分もあればテクニカルな部分もあり、あまりハードさは 感じさせない作品に仕上がっている。[78]

DEUX EX MACHINA / LIV KRISTINE

北欧メロディック・デス・メタル・バンドTHEATRE OF TRAGEDYの 女性ボーカリストによるソロ・アルバム。デス・ボイスがないのは もちろんだが、むしろヘヴィ・メタル的な色合いも非常に薄い。 THEATRE OF TRAGEDYよりもっと耽美だが、ゴシック・メタル的な 荘厳さはなく、非常にニュー・ウェーブ的な色合いが強い。 DIE LAUGHINGの様なテンポの良さもないが、彼女の儚げな ボーカルは不思議な雰囲気を醸し出していて悪くない。淡々と 進んでいくので盛り上がりと言うものは感じられないのだが、 美しい事は間違いない。楽曲の出来も悪くないので、美しさに 浸るのであれば結構いけると思う。[82]

MASTER CONTROL / LIEGE LORD

アメリカのパワー・メタル・バンドの1988年にリリースされた アルバム。方向的にはIRON MAIDEN型のパワー・メタルと言って 良いだろうが、もっと正統派パワー・メタル的なエッセンスが 強い。特にこのアルバムから加わったボーカリスト、 JOSEPH COMEAUのボーカル・スタイルがBRUCE DICKINSONに 似ているため、そういう印象を強く与えるのだろう。RAINBOWの Kill The Kingをカバーしているが、この曲だけは何故か ボーカル・スタイルを変えている。ドラムがややもたる 事はあるが、全体的に演奏も良いし、楽曲もこれはと言った物が 無いが悪くはない。METAL BLADEからリリースされ、 プロデュースをTERRY DATEが担当しているだけあって、この頃の この手のバンドとしては、プロダクションが格段に良い。[78]

LIVESAY / LIVESAY

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1996年にリリースされた自費 出版によるデビュー盤。アメリカのバンドらしい叙情的な ヘヴィ・メタルで、ややB級臭さはあるがキャッチーで楽曲の 出来は中々良い。イントロからさびにいたるまでその流れを含めて 意外に良く出来ており、このバンドのメロディ・センスの良さが 伺える。演奏的にも割と良く出来ていて、PETE WHITEのボーカルも 楽曲に合っていて中々のものだ。Evil Eyesのキーボード等がやや チープで洗練さが足りないと言う感じもなくはないが、それ程 気になるものではない。GREGG LIVESAYのギターが美しい メロディをより際立たせていて、中々掘り出し物と言ったところの 作品だ。[84]

BISCUITS / LIVING COLOUR

アメリカのミクスチャー・ロック・バンドの1991年に リリースされた来日記念の企画盤。ファンキーな ブラック・ミュージックとロックを混ぜ合わせた様なサウンドで、 JAMES BROWN、JIMI HENDRIX等のカバーを含めたミニ・アルバムに ボーナス・トラックとして未発表のライヴ音源を9曲 追加したものだ。元々ハードな音楽性も持っていたが、ライヴでは 更にLED ZEPPELINのThe Oceanをカバーしており、そう言った 部分を更に体現している。割とハードな音楽性の中にも ファンキーな部分が根っこにあり、ソウルフルな感じを 強くさせている。こう言った部分が楽しめるなら、結構 ハード・ロックっぽい部分もあるので、それなりに 楽しめるだろう。[78]

WITHIN SIGHT / LIFEFORCE

詳細は全く不明だが、恐らくオランダかドイツの ハード・ロック・バンドのアルバムだろう。方向的には産業ロック 的な面を強くしていた、後期のHEARTと言う感じで、 MARIJ SNELS-DRIESSENのボーカル・スタイルもそれをかなり 意識している事が伺える。全体的によりヘヴィーで、Love Me等、 楽曲によっては更に叙情的な部分を打ち出している部分も 見られるが、HEART風のキャッチーなメロディが配されている。 アップ・テンポなナンバーでは、MARIJ SNELS-DRIESSENの 歌いまわしが気になる部分もあるが、声質もきれいで悪くない。 楽曲の出来はHEARTまでとは言えないが、それなりの 出来ではあるので、それなりに聴けるアルバムだ。[80]

FALL FROM GRACE / LIONS SHARE

スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドの3rdアルバム。 これまでの作品では、よりプログレッシヴ・メタル的な匂いを放つ アルバムだったが、今作では重量感のある激しい音作りで、より ヘヴィ・メタル的な面を強調した作品と言って良いだろう。 エッヂの効いたリフがより全面に押し出されており、 KAY BACKLUNDのキーボードがプログレッシヴ・メタルっぽさを 散りばめながらも、パワフルで重厚な作品に仕上がっている。 彼等の音楽性としては、畑違いのレーベルとでも言うべき CENTURY MEDIAから離れ、ほぼ自主制作に近い形になっている。 CITY BOYSのカバー、The Day The Earth Caught FireはQUEEN的な コーラスを入れた、この作品中でも最もプログレッシヴなもので、 如何にも彼等らしい仕上がりだ。JUDAS PRIESTのカバー、 A Touch Of Evilもキーボードを大幅に取り入れて、彼等らしい 味付けがなされている。ボーナス・トラックとなっているバンドの タイトル・ナンバー、Lions Shareがこれまでの彼等に最も近い 雰囲気を出している。[83]

FIELDS OF YESTERDAY / LILLIAN AXE

アメリカのハード・ロック・バンドの再結成第1弾となる、 7年振りの5thアルバム。解散後から書き溜めていたマテリアルと 言う事だけあって、7年と言う歳月の流れにも、彼等のサウンドは 失われてはいない。キャッチーなメロディの中にも、彼等らしい 独特なフックのある楽曲は、今聴いてもユニークだし、 色褪せていない。ピアノによる泣きのメロディのバラード、 When It Rains等は圧巻と言っても良いだろう。彼等特有の灰汁の 強さが全体を覆っており、聴く人間を選り分けるかも知れないが、 楽曲の出来も良いし、素晴らしいアルバムに仕上がっている。[84]

UNEARTHED-RAIDERS OF THE LOST ARCHIVES / LIONHEART

元IRON MAIDENのギタリスト、DENNIS STRATTONがIRON MAIDEN 脱退後に結成したN.W.O.B.H.M.バンドの2枚組み未発表音源集。 デビュー前に録音されたものと、結局発表される事無く 解散してしまった2ndアルバムからなっている。方向的には IRON MAIDENとは全く違った方向性を目指した彼等らしい サウンドで、中々興味深い作品だ。内容的には、玉石混合と言った 感はいがめないのだが、メロディアスでキャッチーな楽曲は決して 悪くない。2ndアルバムでもプロダクションに差があるのは 残念だが、お蔵入りになったのだがら仕方ないだろう。叙情的で 憂いがあって、アメリカナイズされた楽曲が並んでいる。[82]

SIGNIFICANT OTHER / LIMP BIZKIT

アメリカのミクスチャー系バンドの2ndアルバム。方向的には、 ラップ、ヒップ、ホップ、グランジ、ヘヴィ・ロック等を取り 混ぜたものだ。FAITH NO MORE等よりヘヴィ・メタル色が薄いので、 メタル系のリスナーにはそれ程馴染めない作品かもしれない。 全体的にミドル・テンポ中心となっており、前作であった ハード・コア色がなくなっているため尚更気だるさを湛えた様な サウンドになっている。それでもヘヴィ・ロックらしい サイケデリックで重厚なギターが随所に出て来るので、 聴きごたえは十分ある。楽曲の出来は悪くないし、 オリジナリティも感じられて悪くない作品だ。[81]

2 / LIQUID TENSION EXPERIMENT

DREAM THEATERのドラマー、MIKE PORTNOY、ギタリスト、 JOHN PETRUCCI、キーボード、JORDAN RUDESSとKING CRIMSONの ベーシスト、TONY LEVINによるプロジェクト・バンドの 2ndアルバム。前作は、セッション的な要素が強く、楽曲の 出来としてはかなり物足らない作品であったが、今作ではかなり 練り込んで作られており、さすがと言えるレベルのアルバムに 仕上がっている。Acid Rainを始め、楽曲にはフックがあって、各 メンバーの技術力の高さも良く出ている。展開があって、全曲 インストルゥーメンタルだが、決して聴き飽きさせないアルバムで 素晴らしい出来だ。[89]

DREAD / LIVING COLOUR

アメリカのミクスチャー・バンドの1993年にリリースされた アルバム。来日公演に向けた日本独自の企画盤で、1993年に 行われたシカゴとパリでのライヴの模様を収めたものに、 アコースティック・スタジオライヴを4曲、アルバム未収録曲を2曲 収めたものだ。ファンキーながら、ハードなサウンドは十分 ハード・ロック系のリスナーにも通用するし、中々に 聴きごたえがある。普段がハード一辺倒のサウンドだけに アコースティック・ライヴは不思議な感じを受ける。未発表曲は このバンドとしたら特にどうと言うほどでもないが、17 Days等は KING'S Xっぽくて出来は悪くない。[80]

STAIN / LIVING COLOUR

アメリカのミクスチャー・ヘヴィ・ロック・バンドの1993年に リリースされた3rdアルバム。黒人のバンドらしい、 ファンキーなのりのヘヴィ・ロックで、跳ねるようなサウンドが 結構心地良い。エモーショナルで、エナジーを感じさせる熱さが 感じられるアルバムに仕上がっている。Leave It Aloneや Ignorance Is Blissを始め、楽曲の出来は悪くないし、デビュー 当時より、自らの音楽性を消化して、こ慣れてきているように 思える。Bi等は、FAITH NO MOREを思わせる様な部分もあるが、 全体的にもっとファンキーな作品に仕上がっている。[83]

DARKEST HOUR / LIVESAY

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの4年振りの2ndアルバム。 Darkest HourでのTONY STAHLのキーボードは、如何にも DREAM THEATERと言った感じのフレーズがふんだんに 散りばめられており、悪い意味で影響を受けたのではと 思わせるが、それ以降では前作の延長線とも言える様なアメリカの バンドらしい叙情的なヘヴィ・メタルを聴かせてくれている。やや ブルージィな色合いを感じるが、ブルーズに走り過ぎていると言う 程でもないので、それ程違和感は感じないだろう。ボーカリストは ANTHONY CROSSに代わっているが、特別上手いと言う 感じではないが、声に艶があって悪くない。[83]

BLACK / LITA FORD

アメリカ人女性シンガーによる1995年にリリースされた 4年振りとなる6thアルバム。4年振りと言っても、これまでもそう 変わらないペースでリリースしていたので、順当と言っても 良いだろうか。伝説の女性ハード・ロック・バンド、RUNAWAYSの メンバーだった人で、前々作ではOZZY OSBOURNEとのデュエット 曲、Close My Eyes Foreverで良く知られるところだろう。 前作でもヒットに恵まれたが、メジャーからドロップしてしまい、 この頃のヘヴィ・メタルに対するレコード会社の待遇が窺い 知れる。今作ではこれまでよりもよりロック然とした 作品となっており、楽曲によってはブルーズ色を強く打ち 出している。シンプルな感じになったとは言え、ハードな部分が 決して失われた訳ではない。ただ、楽曲の魅力としてはこれまでの 作品と比べるとこれと言った飛び抜けたものが感じられない。その 他注目されるのは、KATMANDU以降、一線から姿を消してしまった DAVE KINGがゲスト参加している事だ。[79]

DEAL WITH THE DEVIL / LIZZY BORDEN

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの11年振りの復活第1弾となる 5thアルバム。ボーカリストのLIZZY BORDENを中心に、末期には 彼のソロ・プロジェクト的なバンドとなっていたが、今作でも 多くのミュージシャンが参加しており、プロジェクトとしての 復活となっている。後にRANDY RHOADSにも教えを受けていた ギタリストのJOE HOLMESがOZZY OSBOURNE BANDに迎えられた事で 知られる様になった。L.A.メタルのバンドとしては異色の バンドだったが、ここで聴かれるサウンドは、当時の彼らしい シアトリカルで湿り気のあるヘヴィ・メタルを 聴かせてくれている。ALICE COOPERのGeneration Landslideや BLUE OYSTER CULTの(This Ain't)The Summer Of Love、 SCORPIONSのWe'll Burn The Skyと言ったカバーも収められていて 出来としては悪くない。[81]

PRIDE / LIVING COLOUR

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1995年にリリースされた ベスト盤。ミクスチャー的な色合いが強く、非常にファンキーな サウンドを聴かせてくれているバンドらしい作品に 当然なっている。これを最後にバンドは解散してしまったが、 最後に相応しいベストな選曲がなされており、初心者が彼等の 音楽に触れると言う意味では持って来いだろう。ファンキーで エナジー溢れる熱いサウンドは彼等の凄さを再認識させてくれる。 ここで注目されるのは未発表曲が4曲収められている事だが、 彼等としては可もなし、不可もなしと言ったレベルの楽曲だ。[80]

ENTRANCE / LION'S SHARE

スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドの2年振りとなる 4thアルバム。元々プログレッシヴ・メタル的な音楽性を持った バンドだったものの、前作ではそう言った部分を薄めてきており、 今作では更にそれを押し進めた作品と言って良いだろう。 MATS OLAUSSONがゲスト参加しているものの、キーボードの KAY BACKLUNDが居なくなった事と、ボーカリストが 元NIVAのTONY NIVAに交代しており、彼の透明感のある透った 声質を活かすためにそう言った方向性を選んだのだろう。より オーセンティックでストレートなヘヴィ・メタルになった分、 もう少し変化が欲しい感じがする。[80]

THE SYNPHONY GOES ON / LIAR SYMPHONY

ブラジルのヘヴィ・メタル・バンドのアルバム。方向的には 北欧メタルやジャーマン・メタルの影響を受けた、メロディアスな 正統派ヘヴィ・メタルと言えるものだ。別に巻き舌と言う 訳ではないが、部分的にはスパニッシュ・メタルっぽさを伺わせる B級感がある。曲にはそれなりにフックもあるし、 メロディ・センスも良いし、バックの演奏も悪くない。にも 関わらず、今一つのりきれないのは、VILLO NOLASCOの平坦な ボーカルのせいだ。全体的な出来自体は決して悪くないのに、 声域が狭く、ボーカル・ラインのドラマティックさの欠如が 致命的と言って良いだろう。[72]

LIVE 2002 / LILLIAN AXE

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの2枚組の初のライヴ盤。 PSYCHOSCHIZOPHRENIA以降、10年近く新作を発表出来ないと言う 不遇を託っているが、こうやって改めて過去の楽曲を聴くと、 彼等が如何に素晴らしいバンドであったかと言う事が良く 感じられる。彼等の最高傑作、POETIC JUSTICEからの選曲が 少ないのは残念だが、それだけに彼等が良い楽曲を数多く 排出している事が判る。彼等独特の憂いを帯びた扇情的な メロディは、こうやってライヴで聴いても実に素晴らしい。 RON TAYLORのボーカルも良く情感を出しており、雰囲気を盛り 上げてくれる。[84]

METEORA / LINKIN PARK

アメリカのヘヴィ・ロック・バンドの3年振りの2ndアルバム。 基本的にはオルタナティヴ・ロック的などことなく憂いを 感じさせる楽曲をベースとして、ヘヴィなサウンドに仕立てた今の ヘヴィ・ロックらしいクールさを兼ね備えた作品で、そこにラップ 的な手法も加え、刺激的で聴き応えのあるアルバムに 仕上げている。適度にコマーシャル性も兼ね備えていて、3分 前後にコンパクトにまとめられた楽曲は、その中に強弱の切り 換えがなされており、テンポ良く切り替わって行き、聴き 飽きさせない。流石、デビュー作で1500万枚もの売上を 記録しただけの事はあると思える内容だ。[86]