LET'S RUMBLE / LOVE/HATE
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた
3rdアルバム。ギタリスト、JOHN E.LOVEの脱退に伴い、ソロとして
活躍していたDARREN HOUSEHOLDERが新たに加入している。
バークレー音楽学院で講師までしていたと言うだけあって、彼の
ギター・テクニックは素晴らしく、エモーショナルな
ギター・プレイを聴かせてくれている。方向的にはラフで
ワイルドな、グラム・ロック的なエッセンスも持った
ハード・ロックで、前作の延長線上と言えるものだ。
JIZZY PEARLのだみ声がこう言ったワイルドさに良く合っており、
勢いを感じさせるエッヂのたった作品に仕上がっている。[82]
WASTED IN AMERICA / LOVE/HATE
アメリカのハード・ロック・バンドの1992年にリリースされた
2ndアルバム。その方向性は、ハード・ロックと言うよりは、
ハードなアメリカン・ロックと言う趣のサウンドで、やや
グラム・ロックっぽい音作りながらも、独特の叙情味を
持っている。ラフでワイルドだが、しっかりとした複雑な構成の
メロディ・ラインは独特の世界を築いていると言って良いだろう。
グルーヴィで、幾分うねった感じもあるが、L.A.のバンドらしく
暗さは感じさせない。楽曲の出来は結構良いが、曲によっては
捻り過ぎという感も若干ある。[82]
KISS THE GOAST / LORD BELIAL
スウェーデンのブラック・メタル・バンドのデビュー盤。
ボーカルはブラック・メタルのバンドにしてはそれ程
聴きがたいものではないし、全体的にアップ・テンポで
メロディアスなギター・パートは中々面白い。しかしスピーディな
主旋律はこの手のものとしてはかなりグラインド・コア色が
出ており、ブルータルな系統の作品が聴けないとかなり
不快だろう。フルートをメンバーに入れたりと、メロディアスな
系統としてのつぼはちゃんと押さえているので、グラインド・コア
系が聴けるのなら良いだろうが。[77]
LOVE CHILD / LOVE CHILD
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドのデビュー盤。北欧の
バンドだが、全体的にどちらかというと80年代の
アメリカン・ハード・ロックと言う感じがする作品だ。
Taste Of Love、Electricfield等はDOKKENの様な雰囲気もある。
ノリが良くてメロディ・センスには並々ならぬものを感じるし、
出来は非常に素晴らしい。今は流行らない感じの音だが、古臭い
感じもしないしメロディアスなヘヴィ・メタルが好きな人には
嬉しい作品だろう。北欧らしい哀愁は全くない訳ではないが、
バンドにおけるファクターはそれほど大きくないと言って
良いだろう。バンド名が少しださいし、北欧らしさはあまり
強くないが、近年の北欧のバンドとしては頭一つ抜けた存在だと
言って良い。[93]
LORDIAN GUARD / LORDIAN GUARD
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドのデビュー盤。N.W.O.B.H.M.の
影響を色濃く見せていたL.A.メタルでは特異と言えたバンド、
WARLORDのギタリスト、DESTROYERことBILL TSAMISの率いる新しい
バンドだ。最初出たものは音質がアマチュアのデモ・テープ並と
酷評されていたが、リマスターし直して再リリースされている。
それにしてもプロダクションはWARLORD当時とそれほど
変わらないので、リマスター前は余程酷かったのだろう。方向性
自体もWARLORDと全く同じで、その泣きの叙情さは大袈裟なほどで
美しい。ただ女性ボーカリストのボーカル・スタイルは延々と抑揚
無く歌うので興醒めする部分もある。むしろバック・コーラスの
方が美しい位だ。キーボードがチープなのも遺憾ともし難い
部分があるが、とは言うもののWARLORDのファンならばその郷愁は
十分味わえるはずだ。[85]
AWAKE / LONDON DRIVE
今は無きSIGN SIGNのBRYAN PORTERAも在籍していたことがある、
アメリカのハード・ロック・バンドの2ndアルバム。自費出版で
リリースされたデビュー盤全てを収録して、新曲8曲の
計18曲という構成になっているが、18曲というのはやはり少々
多すぎるという気もしなくもなく、もう少し絞っても
良かったのではないだろうか。ポップ・センス溢れる
ハード・ロックで、曲によってはブルージィな香りもする。
CARL WORDENのボーカルは高音も良く伸びていて、実力的にも
申し分なく安心して聴いていられる。ピアノがセンス良く
取り入れられており、メロディアスで中々良く出来たアルバムだと
思う。[83]
LOST WEEKEND / LOST WEEKEND
N.W.O.B.H.M.バンド、RHABSTALLIONのギタリスト、DAVIT THOMPSON
率いるイギリスのハード・ロック・バンドのデビュー盤。
方向的にはRHABSTALLIONとはかなり異なり、爽やかで軽やかな
ハード・ポップ風の楽曲からなっており、RHABSTALLIONを
期待するなら外すだろう。整った円熟味を感じるさせる楽曲は
それなりに良く出来ており、アメリカの爽やかで渇いた
ハード・ポップを感じさせる作品だが、RHABSTALLIONと言う経歴に
引かれるファンはそういないだろうし、路線の違いはあまり
影響ないだろう。ただこれと言ったものに欠けるし、何となく盛り
上がりに欠ける作品ではある。[79]
SINNERS IN THE HANDS OF AN ANGRY GOD / LORDIAN GUARD
L.A.メタルでは哀愁を振りまきN.W.O.B.H.M.を思い起こさせる様な
サウンドで異彩を放っていたWARLOADのWILLIAM J.TSAISと
女性ボーカルによるヘヴィ・メタル・ユニットの2ndアルバム。
ボーカルを除く全てのパートをWILLIAM J.TSAISが担当している。
楽曲は前作同様WARLOADをほとんどそのまま踏襲しながらも独自の
雰囲気を醸し出した作品で、音質の悪さ、ボーカルの下手さも
全く変っていない。そういう意味では、前作が好きだった人は
割と気に入るだろう。WARLOADと比べると、全体的に何をとっても
劣るのは少し頭が痛いが、あの仰々しいドラマティックな大層で
臭いメロディは健在であるので良しとしよう。[77]
SIX / LOVERBOY
カナダのハード・ロック・バンドの再結成第1弾となる10年振りの
6thアルバム。アップ・テンポでキャッチーなメロディののりの
良いサウンドは相変わらずだが、それ一辺倒となってしまっている
様な感じで、Gang In The Streetの様なキーボードを前面に押し
出した扇情的で愁いのあるナンバーが全くないのが残念だ。
MIKE RENOのボーカルを始め、演奏的には全く問題無いし、
楽曲的にもそれぞれまずまずの平均出来な出来ではあると思うが、
逆にこれと言った楽曲もない。昔に比べるとやや整い過ぎて、
勢いのある曲もないような気がする。[77]
LOUD & CLEAR / LOUD & CLEAR
L.A.のヘヴィ・メタル・バンドのデビュー盤。非常にキャッチーで
ポップなメロディの軽快なヘヴィ・メタルで、ボーカルの
JESS HARNELLのハイ・トーンもやや軽く感じるがなかなか聴ける。
コーラスを多用し、いかにもという感じの良いルックスも含めて
いかにも1980年代のL.A.メタルに出てきそうなバンドに、
アルバムだ。メロディ・センスの良さは間違いないのだが、やや
チープな感じがする部分があるのが残念だ。楽曲はDEF LEPPARDや
AUTOGRAPHを思い起こさせる部分もあるが、もっと普遍的で
あくがない。懐かしさも感じるような楽曲のでは良いし、演奏、
コーラスとも問題ないので、かなり楽しみなバンドではある。[85]
WHIRLYGIG / LOVEMONGERS
アメリカのロック・バンド、HEARTのANN WILSON、NANCY WILSON
姉妹によるアコースティック・バンドのアルバム。
アコースティック・アルバムと言っても、キーボードは
使われているし、サンプリング等も使われていて、いわゆる
アコースティック・ギターをかき鳴らしていると言う様なものとは
一味も二味も違う。楽曲によってはブルーズ色があったり、
トラッド・フォーク色があったりと、しっとりとしたアダルトな
作品に仕上げられている。どことなく気だるさを漂わせて、
HEARTとはまた違った趣のある作品になっているが、ANN WILSONの
ボーカルがもたらす洗練された叙情感は健在だ。[83]
ENGINE / LOUDNESS
日本のヘヴィ・メタル・バンドのアルバム。方向的には、ここ
最近のモダンなヘヴィ・ロック路線を更に押し進めたもので、
Burnin' Eye Balls等はオルタナティヴ・ロック的ですらある。
中東的なメロディを融合させたAce In The Hole等も中々
味わいがあって面白い。演奏的にはさすがと思わせるだけの
レベルで、高崎晃のギターはもちろん、柴田直人も山田雅樹もその
実力を遺憾無く発揮しているが、ドラムの本間大嗣が特に気を
吐いている。昔のジャパニーズ・ヘヴィ・メタルの代表格であった
頃の姿はもうないが、彼等だと思わなければ出来自体は中々良い。
[82]
BIG ONES / LOVERBOY
カナダのハード・ロック・バンドの1989年にリリースされた
ベスト盤。大ヒットと言える様なヒットはなかったが、
スマッシュ・ヒットを連発したバンドだけあって、
Working For The Weekend、Lovin' Every Minute Of It、
Hot Girls In Love、This Could Be The Night、
Heaven In Your Eyes等々と言った聴き馴染みのあるナンバーが
ずらりと並んでいるのは壮観だ。新曲が3曲収められているが、
どれも彼等としては特別どうと言う様な楽曲ではないのだが、
それでも彼等らしいフックのあるハードなナンバーに
仕上がっている。[82]
LOUDMOUTH / LOUDMOUTH
アメリカのヘヴィ・ロック・バンドのデビュー盤。方向的には、
如何にもアメリカのバンドらしい渇いた感じのする、タイトで
ヘヴィなロック・バンドだ。いわゆるストーナー・ロックと言った
様なバンドの様な、サイケデリックはなく、よりソウルフルで
ラウドでストレートだ。BOB FEDDERSONのボーカル・スタイル
等もあって、最近のMETALLICAにロックンロール的な楽曲を
ヘヴィ・ロック風に演奏させた様な感じもする。この
手のものとしてはロックンロール色が強いので、のりが非常に
良いし、聴きごたえもある。楽曲の出来も悪くないし、
MONSTER MAGNET辺りのファンには結構受け入れられると思う。[82]
UNHOLY CRUSADE / LORD BELIAL
スウェーデンのブラック・メタル・バンドの3rdアルバム。
基本的には荒涼感のあるメロディを入れていたり、
キーボードによるチープなオーケストラレーションがあったりと、
如何にもブラック・メタルらしい作品ではあるが、この
手のものとしては、パートによってはメロディはやや抑え目で、
よりブラスト・ビートを前面に押し出した、ブルータルで攻撃的な
作品に仕上がっている。そのため、時折出て来るドラマティックな
メロディが中々効果的で映えて聴こえる。
オーケストラレーションもかなり抑え目にしているので、
チープさがかなり減退しているのも良い。[81]
CALM BEFORE THE STORN / LOVERING
カナダのハード・ポップ・ユニットのアルバム。方向的には、
洗練されたAOR的なエッセンスを持ったもので、叙情的な
メロディに少し愁いをエッセンスとして加えた様な感じのものだ。
全体的にスロー・テンポ中心で、ややだるく感じられない
事もないが、そのメロディ・センスの素晴らしさは流石と
思わせるだけのものがある。ヘヴィ・メタル側の
リスナーからすると、少し弱過ぎると感じるかも知れないが、
キャッチーなメロディの楽曲は中々良く出来ている。
派手さはないが、じっくりと落ち着いて聴かせてくれる作品で、
欲を言えばこれと言った曲が1曲欲しかったところだ。[79]
PRESENCE OF MIND / LOST WEEKEND
イギリスのハード・ロック・バンドの3年振りの2ndアルバム。
N.W.O.B.H.M.バンド、RHABSTALLIONのギタリスト、DAVIT THOMPSON
率いるバンドだが、キーボードがかなり前面に押し出されていて、
方向的には前作の延長線上とも言える、キャッチーでポップな
ハード・ロックで、RHABSTALLIONとはかなり趣が
違うものとなっている。ミドル・テンポ中心の叙情的で爽やかな
メロディの楽曲がずらりと並んでおり、派手さはないが安定した
作品だ。前作よりプロダクションも楽曲の出来も良いと思うが、
これと言った楽曲がないために今一つ盛り上がりに欠けるのは
前作と変わらない。[81]
ENSLAVED + CONDEMNED / LOVE LIKE BLOOD
ドイツのゴシック/メロディック・デス・メタル・バンドの
7thアルバム。方向的にはNEW ORDER等のゴシック・ロック色の強い
作品で、そう言う意味では最近のPARADISE LOSTっぽさも少し
感じられる。ただ、バックはもっと
ゴシック・ロックっぽいもので、そこに割と耽美な感じのする
ギター・メロディがのって来る。極彩色に彩られた
オーセンティックでニヒリスティックなサウンドは、中々良く
出来ていると言って良いと思うし、楽曲によっては結構テンポの
良さが感じられて引き付けるものはあるのだが、今一つ楽曲に
決めどころがなく、面白味に欠けるのが残炎だ。[75]
AOR LIVE / LOUISIANA'S LE ROUX
アメリカのロック・バンドのライヴ盤。クレジットがないので、
いつ頃どこで録音した音源か不明だが、JEFF POLLARDと後にTOTOに
加入するFERGIE FREDERIKSENの両者のボーカルの音源が
収められている事から、複数の音源が使われているのは
間違いないし、後者はほぼ末期のものだと判る。それでいながら
バンドのクレジットを初期のものにしているのは謎だが、それでも
如何にも産業ロック的な味わいを感じさせる優れたロック
作品である事は間違いない。FERGIE FREDERIKSENが居たからと言う
訳でもないが、初期TOTO的なエッセンスも感じられるし、中々良い
楽曲が取り揃っている。[83]
AWAKENING THE WORLD / LOST HORIZON
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドのデビュー盤。
HAMMERFALLと人脈的に繋がるHIGHLANDERを前身とするバンドで、
北欧のバンドらしい叙情的なメロディを聴かせてくれていると
同時に、ジャーマン・パワー・メタル的な大仰で臭い
ドラマティックなエッセンスを感じさせてくれる。HAMMERFALLや
STRATOVARIUSと同系統の作品と言えるが、これらのバンドと
比べるとより北欧メタル然としており、ジャーマン臭さはそれ
程でもない。それ故、より透明感があって洗練された様な印象を
受け、聴き易い作品に仕上がっているし、楽曲にも適度に
フックがあって聴き応えがある。[84]
DARKDAYS / LOADED
アメリカのバッド・ボーイズ・ハード・ロックンロール・バンド、
GUNS'N'ROSESのベーシスト、DUFF MCKAGANによるバンドの
デビュー盤。彼のかつてのソロ・アルバム、BELIEVE IN MEでは
殆どの演奏を彼がこなしていたが、ここでもベース以外に
リード・ボーカルを兼任している他、ギターやピアノのプレイも
聴かせてくれている。GUNS'N'ROSESと比べると、あの様な
パンキッシュさは押さえられており、むしろ憂いも感じられる様な
よりメロディを押し出したロック・アルバムに仕上がっている。
部分的には今風らしく、オルタナティヴ・ロック的なエッセンスも
感じられるところもある。[84]
ABSTRACT SENSATION / LOYAL TO THE GRAVE
日本のハード・コア・パンク・バンドの初のフル・アルバム。
音楽的にはいわゆるニュー・スクール・ハード・コアと
言うやつで、非常にブルータリティ溢れる攻撃的な作品に
仕上がっている。リフ等はどちらかと言うともっと
カオチックではあるものの、SLAYER辺りにも通ずる様な
スラッシュ・メタル的で、それ程きつくデス・メタル色を押し
出している訳ではない。重厚なリフもあって、非常にヘヴィネスな
感じをさせるサウンドは強力で破壊力もある。MANABUの歪ませた
エクストリーム・ボイスもそう言った部分を助長しており、聴き
応えのあるアルバムだ。[82]
LIVE, LOUD AND LOOSE(1982ー1986) / LOVERBOY
カナダのハード・ロック・バンドのライヴ盤。1982年に行われた
カナダでの公演と1983年に行われたアメリカでの公演、1986年に
行われたアメリカでの2ヶ所の4っつのライヴ音源を集めたものだ。
1980年代前半から中頃にかけてと言うと、最もバンドに
勢いがあった時期で、Working For The WeekendやTurn Me Loose、
Lovin' Every Minuit Of It、This Could Be Night、
Hot Girs In Love等と言った、お馴染みのヒット・ナンバーが
ズラリと並んでいて、往年のファンには嬉しい作品だろう。
キーボードを前面に押し出した、1980年代の産業ロックの懐かしい
香りを感じさせてくれる作品だ。[82]
DISCーCONNECTED / LOUD & CLEAR
アメリカのハード・ロック・バンドの5年振りの2ndアルバム。
方向的には前作の延長線上と言える、叙情的なメロディの
キャッチーでポップなハード・ロックだ。AUTOGRAPHやDEF LEPPARD
的な印象を受けた前作と比べると、アップ・テンポの楽曲が
少なくなり、より落ち着いた感じのする叙情性が増していて、
むしろHAREM SCAREMっぽさを感じるアルバムに仕上がっている。
特に、分厚いコーラス・ハーモニー等は特にそう言う印象を
受けると言って良いだろう。ただ、HAREM SCAREM程洗練させた
アレンジではなく、もっとアメリカらしい軽快なキャッチーさを
押し出している。[83]
BIOSPHERE / LOUDNESS
日本のヘヴィ・メタル・バンドのアルバム。音楽的には昔を
イメージさせる様なところは余りなく、オリジナル・メンバーに
戻ってもやはり今風のモダンな作品を作っている。
ブルージィっぽさを感じさせる部分があるが、グルーヴ感を
感じさせる、モダンでヘヴィなヘヴィ・ロックに仕上がっている。
ある意味、今の風潮にあっているし、今のヘヴィ・ロックや
ラウド・ロックのファンが聴いても十分満足出来る
内容であることは間違いない。ただ、ヘヴィ・ロックに思い
入れのないオールド・ファンが、これをどの位受け入れられるかは
不明だ。[80]
A FLAME TO THE GROUND BENEATH / LOST HORIZON
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドの2年振りの2ndアルバム。
基本的には前作の延長線上と言える、叙情派のメロディアスな
ヘヴィ・メタルを聴かせてくれているが、よりアグレッシヴで
扇情的な作品に仕上がっている。それ故迫力が増し、聴き
応えのあるアルバムに仕上がっているが、あまりにも力み過ぎで、
余計な臭さを感じさせてしまうのは残念だ。非常に
ドラマティックで、キーボードによる装飾も悪くないのだが、
そこに楽曲の魅力が伝わり難い気をさせる。楽曲も全体的に
長過ぎるものが多く、もう少しコンパクトにまとめた方が
良いだろう。[82]
ANTES DE TIEMPO / LORIHEN
アルゼンチンのヘヴィ・メタル・バンドのミニ・アルバム。新曲、
3曲とカヴァー、4曲の全7曲と言う構成になっている。
Antes de Tiempoはイントロなので、純粋な新曲は2曲だけだ。
オーソドックスな正統派ヘヴィ・メタルで、アルゼンチンの
バンドらしくスペイン語で歌っており、多少芋臭くはあるものの、
この手のバンドとしてはまともな方で、プロダクションさえ
良くなれば飛躍的に良くなるはずだ。カバーはSKID ROWの
Slave To The GrindやQUEENのI Want It Allをカバーしている他、
祖国の代表的なバンドであるRATA BLANCAのAsesinosを
カバーしているのが興味深い。[77]