SUMOGRIP / LUCIFER'S FRIEND II
1970年代に活躍していたドイツのハード・ポップ・バンド、
LUCIFER'S FRIENDが名前を少し変えて、再結成しての初となる
アルバム。年齢的には当然なのだが、裏ジャケットの
おっさんばかりのメンバー・ショットや、若乃花が相撲を取っ手る
ジャケットには苦笑もので色物的に感じるかも知れない。しかし、
その内容はテンポの良い哀愁漂う美しいハード・ポップで非常に
秀逸だ。JOHN LAWTONのボーカルの声質も、ベテランとは思えない
若々しさを出しているし、扇情的な曲の出来も非常に良く、
レベルは中々高い。叙情的なメロディ・センスはさすがと
思わせるだけのものがあり秀逸だし、キーボードの味付けも
素晴らしい。[90]
TOTENTANZ / LUNATIC INVASION
ドイツのメロディック・デス・メタル・バンドのデビュー盤。
メロディック・デス・メタルとは言っても、随所に
ブルータリティな色合いが見え、非常に攻撃的な作品だ。とは
言うものの、バックはかなりはっきりとメロディを打ち
出しており、パワー・メタル的でその盛り上げ方は悪くない。
ドラムが刻むブラスト・ビートは酷く機械的かつ早く、とても
人間業とは思えない位で、このブラスト・ビートが少し嫌悪感を
催すかも知れない。キーボード部は中々ユニークで、その跳ねた
メロディが効果的に彩りを添えている。デス・ボイスは咆哮型で
特に論評するに値しないが、女性のノーマル・ボーカルを
入れたりとアイデア的にも悪くない。[82]
THE ANCIENT FOREST OF ELVES / LUCA TURILLI
イタリアのヘヴィ・メタル・バンド、RHAPSODYのギタリストによる
ソロ・アルバム、KING OF THE NORDIC TWILIGHTからの先行
シングル。シングル・カット曲のタイトル・トラック・ナンバーと
アルバム収録曲のバージョン違い、アルバム未収録曲の3曲と言う
構成になっている。The Ancient Forest Of Elvesは、如何にも
RHAPSODYらしいジャーマン・パワー・メタル風の楽曲で、バンドの
曲と言っても通りそうな、大仰でドラマティックなナンバーだ。
Warrior's Prideのデュエット・バージョンはオペラ風の
ボーカルを入れたキーボードを中心とした壮大なバラードだ。
アルバム未収録のKnight Of Immortal Fireも、アルバム
未収録なのが、惜しい様な壮大でドラマティックな
ファースト・ナンバーで、中々良い出来なのだが、何故これを
ソロでやらなければならなかったのか、意義が良く判らない。[81]
KING OF THE NORDIC TWILIGHT / LUCA TURILLI
イタリアのヘヴィ・メタル・バンド、RHAPSODYのギタリストによる
初のソロ・アルバム。北欧神話を基にした
コンセプト・アルバムで、方向的には、RHAPSODYに割合と近く、
わざわざソロでこう言う作品を作る意義が今一つ感じられない。
RHAPSODYよりは、更にジャーマン・パワー・メタル的で、
BLIND GUARDIANやSTRATOVARIUSっぽさを感じさせる部分もある。
ラストのKing Of The Nordic Twilightはオペラ・コーラスを
大胆に取り入れ、11分にも及ぶ壮大なナンバーに仕上がっている。
わざわざソロでやる様な作品でもないと思うが、楽曲の出来や
全体のアレンジは良く出来ている。[84]
EL GRINGO RETRO / LUKE MORLEY
イギリスのハード・ロック・バンド、THUNDERの元
ギタリストによる初のソロ・アルバム。はっきり言ってしまえば、
THUNDERのブルージィなハード・ロック色と言うものは
ここにはない。もちろんTHUNDER的なエッセンスが全く
失われてしまっている訳ではないが、どちらかと言うと
ラテンっぽいフレーバーのある、軽めのロック・アルバムと言った
感じのものだ。如何にもアダルトな洒落た渋いロックと言った
感じの作品で、THUNDERのファンの希望に全く沿うものと
言えないかも知れないが、優しくほのぼのとした雰囲気で、枯れた
味わいがあって、その出来は決して悪くない。[81]
SWEET DESIRE / LULLACRY
フィンランドのゴシック・メタルのデビュー盤。女性
ボーカリストのTANYAはTO/DIE/FORのアルバム、ALL ETERNITYに
ゲスト参加していた人物で、そう言う事もあってかその音楽性は
TO/DIE/FORに通ずるところがある。音楽的には、叙情的な
メロディのロマンティックなゴシック・メタルで、全体的に軽快で
テンポが良く、のりの良いアルバムに仕上がっている。
ゴシック・メタルのバンドとしては、その楽曲は割合と
メロディック・デス・メタルに近いので、ゴシック・メタルを普段
聴かない人にも結構聴けるはずだ。そう言う意味では
荘厳さはないし、耽美的な色合いも薄いので、ゴシック・メタルの
リスナーにはやや物足りないかも知れない。TANYAのボーカルは、
この手のもとしても個性的で中々面白い。[84]
BE MY GOD / LULLACRY
ファインランドのゴシック・メタル・バンドの2ndアルバム。
ボーカリストのTANYAはTO/DIE/FORの作品にゲスト
参加している事で知る人も多いだろう。方向的には前作の
延長線上とも言える、ロマンティックなゴシック・メタルで、
よりヘヴィ・メタル色が強い作品に仕上がっている。前作では
まだ今一つアレンジ的な部分で上手く纏めきれていない感じを
受けたが、今作では楽曲によりフックが出ており、聴き
応えのある作品に仕上がっている。アグレッションが
効いていて、同じロマンティック・ゴシック・メタルと言う
事では、CHARONのレベルに近づいている。[89]
DEMONHEART / LUCA TURILLI
イギリスのシンフォニック・メタル・バンド、RHAPSODYの
ギタリストによる3年振りの2ndソロ・アルバム、
PROPHET OF THE LAST ECLIPSEからの先行ミニ・アルバム。
シングル・カットののタイトル・トラックに、バージョン違いが
2曲、カバーが1曲、アルバム未収録曲が2曲の全6曲と言う
構成になっている。全体的にRHAPSODYでやっていても
おかしくない、壮大でシンフォニックなナンバーが並んでいる。
Prophet Of The Last Eclipseのエディット・バージョン等は、
作り過ぎで本編には使わなかったのだろうが、意外と普段とはやや
違った味わいがあって、帰って面白い。アルバム未収録曲は、
Rondeau in C Minorがイントロで、Black Realms' Majestyが
本編と言ったところだが、これを外すのは惜しく思える。[83]
PROPHET OF THE LAST ECLIPSE / LUCA TURILLI
イタリアのシンフォニック・メタル・バンド、RHAPSODYの
ギタリストによる3年振りの2ndソロ・アルバム。基本的には
前作の延長線上と言えるもので、STRATOVARIUSっぽさ等もあって
よりジャーマン・パワー・メタル的な色彩を強めたRHAPSODYと
言えるところだろう。全体的な整合感や、構成等はともかく、楽曲
単体で見れば、壮大でいかにも彼らしいメロディが満載され、
RHAPSODYのアルバムに入っていてもおかしくない
楽曲からなっており、ソロでやらなければならない意義はあまり
感じられない。それだけに、RHAPSODYのファンからすれば割と
安心して聴いていられる作品には違いない。[81]