WICKED SENSATION / LYNCH MOB
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1990年にリリースされた
デビュー盤。元DOKKENのギタリスト、GEORGE LYNCHを中心に同じく
元DOKKENのドラマー、MICK BROWN等と結成されたバンドだ。
方向的には叙情的なメロディのコマーシャル性に溢れた
ヘヴィ・メタルだったDOKKENとは違い、ソリッドでエナジーに
溢れたロックンロール色のあるヘヴィ・メタルを
聴かせてくれている。キャッチーではあるが、ある意味DOKKENとは
対極を言った様な作品となっているが、ONI LOGANの
エモーショナルなボーカルもあって、非常にオーセンティックな
アルバムに仕上がっている。[83]
LYNCH MOB / LYNCH MOB
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1992年にリリースされた
2年振りの2ndアルバム。元DOKKENのギタリスト、GEORGE LYNCHを
中心としたバンドで、今作ではボーカルをONI LOGANから
ROBERT MASONに交代している。ONI LOGANが非常に
エモーショナルなボーカルであった事を考えると、そう言った
部分は残念ながら減じているのだが、ROBERT MASONのパワフルな
ボーカルもこれはこれで味があって決して悪くない。前作と
比べると、ミドル・テンポの楽曲が増え、よりバラエティに富んだ
グルーヴィな作品に仕上がっていると言って良いだろう。[82]
LYVE FROM STEEL TOWN / LYNYRD SKYNYRD
アメリカのサザン・ロック・バンドのライヴ・アルバム。1997年に
行われたライヴを収めたもので、立て続けにライヴ・アルバムが
リリースされているとは言え、ライヴ・パフォーマンスの
素晴らしさは変わらない。昔ほど泥臭さは感じられず、洒落た
感じを少し受けるが、そのソウルフルなサウンドは衰える
事はない。Saturday Night SpecialやFree Birdと言った名曲も
収められており、熱いライヴを展開している。南部らしい、やや
埃っぽいカラッとしたハードなロック・ナンバーは、今聴いても
絶品だ。録音状態も非常に良いし、選曲、演奏も悪くないので、
彼等のサウンドが好きならば聴いて損はない。[87]
ANOTHER TIME, ANOTHER PLACE / LYADRIVE
N.W.O.B.H.M.バンドの復活アルバム。とは言うものの、この
バンドの音源といえば1984年にリリースされたシングルと
コンピレーション位だから、再結成してアルバムまで
出してしまうというのはかなり驚きだ。唯一のシングルだった
Anytimeを再録音している他、当時の音源も、3曲
ボーナス・トラックとして収められており、それなりに貴重だ。
方向的には、この手のものとしてはありがちな叙情的な
ロックンロールで、取りたててどうこう言う程のものではないが、
当時の雰囲気を忠実に再現していてそれなりに郷愁に浸れる
作品だ。煮え切らない哀愁を湛えたOne Of These Days等は、中々
良い曲だし、決して悪い作品ではない。わざとかどうかは
判らないが、妙に音の外れたギターには苦笑させられるが。[79]
EDGE OF FOREVER / LYNYRD SKYNYRD
アメリカのベテラン・サザン・ロック・バンドのアルバム。
1977年に悲劇的な飛行機事故で解散し、10年以上経って
再結成しての5枚目のアルバムだ。ボーカルには、事故で
亡くなったRONNIE VAN ZANTに代わって、弟のJOHNNY VAN ZANTが
取っているし、ギタリストは元BLACKFOOTのRICKEY MEDLOCKEと
メタル側のリスナーにも良く知られたミュージシャンが
メンバーとして参加している。かなりバラエティ豊かな
作品になっているが、楽曲によっては非常にブルージィで哀愁を
感じさせる楽曲がある。Edge Of Forever等はWHITESNAKEの、
Mean Streets等はTHUNDERのファン等にも十分
通ずるのではないかと思える楽曲だ。[86]
EDEN / LYZANXIA
フランスのメロディック・デス・メタル・バンドの2ndアルバム。
プロデュースはIN FLAMESのFREDERIK NORDSTROMが
担当しているが、方向的にはIN FLAMESの様なパワー・メタル型と
言うよりも、AT THE GATESの様なスラッシュ・メタル型
メロディック・デス・メタルと言えるものだ。クリア・ボイスと
デス・ボイスを併用しているが、スラッシュ・メタルらしい
シャウトが一番中心となっており、これで統一してしまっても
良かった様に思える。下手にメロディに走ってしまう事無く、
攻撃的なリフを押し出して来るところなど、最近の
スラッシュ・メタルとしても秀逸だと言って良いだろう。[83]
MINDCRIMES / LYZANXIA
フランスのメロディック・デス・メタル・バンドの3rdアルバム。
方向的には、FREDRIK NORDSTROMがプロデュースしている事から
想像出来るスタイルと言えるもので、スラッシィな
メロディック・デス・メタルと言えるものだ。だが、ここで
聴けるものは、北欧メロディック・デス・メタルのスタイルを取り
入れながらも、よりその基盤をスラッシュ・メタルに移していると
言う事だろう。ボーカル・ラインやギター・メロディ等は、
ヨーロッパ的な叙情感と伴に、MEGADETH等を思い起こさせる
部分があるし、プログレッシヴ・メタル的な楽曲構成を取り、
こう言った先達の色々なエッセンスを取り入れながら、全く
独自のものを作り上げているのは評価出来る。[85]