PANTERA、MINISTRY、MACHINE HEAD、MEGADETH、BIOHAZARD、 SEPULTURAといったそうそうたる面子が曲を提供している映画の サウンド・トラック。それぞれのバンドのアルバム未収録のものを 中心に収められているが、ここで注目すべきはMEGADETHの 未発表曲であるDIADEMSだろう。で、これがさして 面白くもないので、このアルバムにどれほど価値を見出せるかと 言うとかなり苦しいところだ。PANTERAなどは普段とは一風 変わった楽曲をやっていて、これはこれで珍しいだろうが、所詮 コレクターズ・アイテム位の価値しかないだろう。[72]
ラジオのD.J.を題材としたアメリカ映画のサウンド・トラック。 映画に合わせたのか、曲間に映画の登場人物によるしゃべりを 入れるというユニークなスタイルをとっている。映画のために 新しく録音されたものと、既存のものがミックスされているが、 新音源として最も注目に値するのはSTATUS QUOのカバーを OZZY OSBOURNEが歌い、バックをTYPE O NEGATIVEが演奏すると言う 一見信じられないような組み合わせによる Pictures Of Matchsick Menだろう。STATUS QUOとかけ離れた 存在のように思える両者だが、実際STATUS QUOというのは クレジットを見るまで気がつかないくらいだ。TYPE O NEGATIVEが 演奏すれば、それはまさにTYPE O NEGATIVEの 世界になっているし、OZZY OSBOURNEの個性はやはり 変りようがないが、これらが混在一体となっていく様は奇妙でいて 自然でもある。後、メタル系で取りたてるとするとROB ZOMBIEと 映画の主人公HOWARD STERNによる The Great American Nightmareだ。新曲としては、後は メロコア等が占めており、やや趣を異にしているが、後半は メタル系の既発曲によるメドレーが登場したりそれなりに楽しめる 事は楽しめる。[82]
19年前に公開され、サウンド・トラックも爆発的にヒットした アメリカのアニメーション映画の続編のサウンド・トラック。 前作では、SAMMY HAGARやBLACK SABBATH、BLUE OYSTER CULT、 NAZARETH、JURNNEY、CHEAP TRICKと言った、ハード・ロック勢を 中心とした作品だったが、今作では世相を反映してかなり趣の 異なった作品となっている。元SHOTGUN MESSIAHのTIM SKOLDも 在籍しているKMFDM改めMDFMKや、HATE DEPTのダンサブルな インダストリアル・ロック、DAYS OF THE NEWや QUEEN OF THE STONE AGEと言ったゴシック・ロック的なバンド 等が参加している。ヘヴィ・メタル的であると言えるのは、 PANTERAとMACHINE HEAD、PUYA位で、このアルバム注目すべきは むしろBILLY IDOLの7年振りの新曲となるBuried Aliveと BAUHAUSの17年振りの新曲、The Dog's A Vapourだろう。純然と ヘヴィ・メタルが聴きたいと言う人には不向きな作品ではあるが、 中々面白い人選だし、出来も良くて聴きごたえがある。[86]
映画、DRACULA 2000のサウンド・トラック。参加アーティストは ヘヴィ・ロックやラウド・ロックを中心としたもので、SLAYER、 MONSTER MAGNET、PANTERAと言った、ヘヴィ・メタル系の リスナーにも馴染みの深いバンドもいる。特に興味深いのは PANTERAのAvoid The Lightで、荘厳で叙情的なメロディを 導入すると言う思い切った新しい試みをしているが、これが ダークでメランコリックで中々格好良い。SLAYERのBloodlineは ややメロディが強く打ち出されているし、MONSTER MAGNETの Heads ExplodeはTHE DOORSっぽいキーボードを入れているが、 それぞれいかにも彼等らしい楽曲に仕上がっている。そんな中でも 一番格好良いのはROB ZOMBIEの弟、SPIDERを中心とする POWERMAN 5000のUltra Megaで、WHITE ZOMBIEっぽいラウドで ダンサブルなアップ・ビートを聴かせてくれている。[85]
アメリカのプログレッシヴ・メタル・バンドのデビュー盤。 FATES WARNINGのギタリスト、JIM MATHEOSを中心とした プロジェクトで、そこにDREAM THEATERのドラマー、 MIKE PORTNOYと元DREAM THEATERのKEVIN MOOREがボーカリスト兼 キーボードとして参加している。ベーシストはGARDIAN KNOT、 元CYNICのSEAN MALONEがゲスト参加している。このメンバーを 見ても判る通り、方向的にはテクニカルな プログレッシヴ・メタルをやっている。とは言っても、 DREAM THEATERの様な洗練された感じではなく、どちらかと言うと ダークでカオティックさすら感じさせるものとなっている。 DREAM THEATERを期待すると肩透かしを食らうだろうが、中々聴き 応えのあるアルバムに仕上がっている。[87]