CYBERCHRIST / PHANTOM

アメリカのパワー・メタル・バンドの1993年にリリースされた 2年振りとなる3rdアルバム。JUDAS PRIEST辺りの流れを汲むと 思われる様な、ヒステリックなハイ・トーンをヘヴィ・メタルを 聴かせてくれているが、よりアップ・テンポで、非常にドライヴ 感覚に溢れた作品だ。そのため、非常にのりが良くなっており、 パワフルで聴き応えのあるアルバムに仕上がっている。 FALCON EDDIEの金属的なボーカルには、ROB HALFORD同様、好き 嫌いが分かれるかも知れないが、作品には良く合っている。 Cyberchristの様な楽曲によっては、叙情的なメロディも 聴かせてくれていて、意外と幅の広がりを持っているのは好感が 持てる。ある意味、やや旧態然とした時代遅れ的な ヘヴィ・メタルで、B級臭さもあるのだが、力強さとエナジーが 溢れ、勢いが感じられる。[81]

BUILT TO PERFORM / PHANTOM BLUE

アメリカの女性ヘヴィ・メタル・バンドの1993年にリリースされた 4年振りとなる2ndアルバム。音楽的にはワイルドなロックンロール 色の強いヘヴィ・メタルで、中々聴き応えのあるアルバムに 仕上がっている。女性のヘヴィ・メタル・バンドと言うと、珍しい 上に、どうしてもルックス優先で技術的にも侮られる事が多いが、 巷にごろごろしているバンド等より、彼女等の方が遥かにレベルが 高いと言って良いだろう。ソリッドで、エッヂが立っており、 ドライヴ感溢れるソウルフルな作品となっている。特に GIGI HANGACHの伸びのあるパワフルなボーカルが、そう言った面を より強固にしている。THIN LIZZYのカバー、Bad Reputationも バンドのカラーに合ったアレンジとなっているし、非常に格好の 良いアルバムだ。[87]

PHANTOM'S OPERA / PHANTOM'S OPERA

アメリカのハード・ポップ・バンドのデビュー盤。かつて BON JOVIのALEC JON SUCHが同名のバンドに在籍していたが、その バンドのメンバーであったJACK YOUNGが加入して名前もそこから 流用したらしい。SYMPHONY XのMICHAEL ROMEOが在籍していた事で 名前を知られるようになったが、かつて誰それがいたというのは 結構イメージ的に厄介な事で、このバンドもこういった事から イメージされるのはバンドの特色的にあまり有り難い 事ではないだろうか。美しい叙情的なメロディのハード・ポップで 如何にもLONG ISLANDらしいアーティストだと言える。叙情的で 憂いを帯びたメロディは日本人向きだし、全体的な構成、完成度も かなり高いので一聴の価値はある。[86]

SO LONG TO BROADWAY / PHANTOM'S OPERA

かつてBON JOVIのメンバーも在籍し、SYMPHONY Xのギタリスト MICHAEL ROMEOが在籍していた、アメリカの ヘヴィ・メタル・バンドの2ndアルバム。メンバーが大幅に 入れ替わったこともあってか、6年前に作られた デビュー・アルバムとはかなり趣が変ってきている。前作では ポップながらもMICHAEL ROMEO的な色合いがそここことなく 感じられる作品であったが、今作ではキーボードをかなり前面に 押し出した甘ったるいロック・アルバムになっている。 VALENTINEにもっと泣きを入れたような楽曲で、非常に ポップで、1stを期待するのはちょっと違うかもしれない。[81]

PRIME CUTS & GLAZED DONUTS / PHANTOM BLUE

アメリカの女性ばかりで構成されたハード・ロック・バンドの プロモーション用に作成された未発表マテリアル集。現在は ベースのKIMがイギリスのWRAITHに参加しており他のメンバー、 バンド自体がどうなったのか消息を聞かない。これは1995年に 作成された様だが、参加メンバーは不明で、声からすると ボーカルは変っていないようだ。ドライヴ感のあるのりも 相変わらずだし、パワフルなボーカルも変わらないが、やや ダークな感じがしないでもない。BLACK SABBATHの Faries Wear Bootsをやっているのもそういった感を 強くしているかもしれない。出来自体はPHANTOM BLUEらしくて 悪くない。[83]

FOLLOWING DREAMS / PHANTOM'S OPERA

アメリカのハード・ロック・バンドの3rdアルバム。前作から 比べると、QUEEN的な色合いがより強くなっており、 楽曲によってはVALENTINEかと思わせる所が少なからずある。特に I'm So Tiredの出だし等は正にそのもので、VALENTINEの ファンならば少しは聴いてみる価値もあるのではないだろうか。 特にボーカルCOLIE BRICEの声質が、女性ボーカルを思わせる様な 線の細さが、VALENTINEと言う感じを増大させている。盛り 上げどころで扇情的なギターを聴かせる所はさすがだが、それ 以外では、まるで砂糖菓子のような甘さを感じさせて少し 辟易としない事もない。[79]

PROJECT X:PHENOMENA 1985-1996 / PHENOMENA

元WHITESNAKEのMEL GALLEYとその兄弟TOM GALLEYを中心とした プロジェクト・バンドのベスト・アルバム。これまで リリースされた3枚のアルバムに、未発表曲が3曲追加されている。 今は亡きCOZZY POWELL、RAY GILLANの二人の他にもGLENN HUGHESや SCOTT GORHAM、BRIAN MAY、O'RYAN、DON AIREY、MAX BACON、 NEIL MURRAY、JOHN WETTON、山本恭司等々と言った今を思えば、 参加メンバーもそうそうたるものだった。未発表曲のうちSlaveは まだリリースされていない、PHENOMENA IVからのトラックと 書かれているが、果たしてPHENOMENA IVがリリースされるか 気になるところだ。方向的にはあまりハードさは表に 出しておらず、叙情的でキャッチーな美しいメロディの幻想的な 楽曲がならんでおり、プログレッシヴ・ハード・ロックと 言ったところだ。時折差し挟まれる女性コーラスも良い 味付けになっている。派手さはないが、名曲と言っても良い、 Dance With The Devil等幻想的で美しいメロディを 堪能したいならばお奨めだ。[85]

INNERVISION / PHENOMENA

1993年にリリースされた、イギリスの ハード・ロック・プロジェクトの3rdアルバム。参加メンバーの 中にはA-HAのMICHAEL STURGIS、LEIF JOHANSENと元THIN LIZZYの SCOTT GORHAMと言う、後の21 GUNSのメンバーが3人もおり、この プロジェクトが21 GUNSの切っ掛けになったと言って良いだろう。 他のメンバーはMAMA'S BOYのKEITH MURELL、BRIAN MAY等と、 これまでの参加メンバーと比べると、BRIAN MAYを除けばやや こじんまりとしたプロジェクトという感が強い。スペイシーな 感じのする洗練されたハード・ロックで、What About Love等は 中々素晴らしい。特に今作ではMEL GALLEYが曲作りに 参加していない事もあって、よりハード・ロック色の薄い、より 流麗な作品と言っても良いが、憂いを帯びた美しいメロディの 楽曲が取り揃っている。[83]

CAUGHT LIVE! / PHANTOM BLUE

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドのライヴ・アルバム。1997年に 制作されたものだが、そのプロダクションは、残念ながら音の バランスが悪く、折角のギターの音がこもってしまっている。 女性ばかりのバンドながら、その実力を伺わせるような ライヴ・パフォーマンスを見せているだけに、この仕上がりは 非常に残念だ。楽曲の出来も素晴らしいし、GIGIのボーカルも 非常にエモーショナルで格好良いだけに非常に残念な事だ。継ぎ 接ぎだらけで、ぶつ切れなのも興を殺がれると言って良いだろう。 そのプロダクションさえ除けば、出来的には非常に 満足できるだけのライヴだと思うのだが。JANIS JOPLINのカバー、 Move OverのカバーもGIGIのボーカルの素晴らしさを十分 感じさせてくれる。[75]

UNDER A WILD SKY / PHOENIX DOWN

元ALICE COOPERのギタリスト、KANE ROBERTSによるアメリカの ハード・ロック・プロジェクトのアルバム。ALICE COOPER時代から ソング・ライターとしてその実力を知らしめて来た人だが、この 作品では彼自身だけでなく、元SURVIVORのJIM PETERIK、 DESMOND CHILDと言う外部のソング・ライターも起用している。 方向的には、彼らしいキャッチーでポップな雰囲気の溢れた 叙情的なアメリカン・ハード・ロックで、NOW & THENからの リリースに見合った内容になっている。同レーベルの作品と 比べると、楽曲にフックがあり、聴きごたえも十分だ。楽曲の質は 中々高く、湿り気のある アメリカン・メロディアス・ハード・ロックが好きならば十分 聴けるはずだ。[84]