アメリカのパワー・メタル・バンドの1989年にリリースされた アルバム。方向的には扇情的なパワー・メタルで、時折 ザクザクとしたスラッシィなリフも聴かせてくれている。この リフ・ワークが中々秀逸で、楽曲を印象的なものにしていると 言って良いだろう。かなりクールな感じのする部分もあり、 JOEL DuBAYのボーカルがそう言った感をより助長している。 それ故、シアトリカルに感じられる部分もあり、好き嫌いが 分かれるかも知れない。ジャケットも含めて、全体的にダークな 感じのする作品なので、どうしてもマイナー臭くなってしまうが、 楽曲の出来を含めて、アメリカのパワー・メタル・バンドとしては ユニークだし、レベルも高い作品だ。[85]
カナダのヘヴィ・メタル・バンドの1992年にリリースされた デビュー盤。WHITE WOLFの元ボーカリスト、DONNY K.WILKを 中心としたバンドだ。骨太でワイルドなロックンロール色の強い ヘヴィ・メタルを聴かせてくれている。全体的にキャッチーな メロディを配しており、意外と洗練された部分も感じられる。 ドライヴ感溢れるサウンドで、勢いが良く、のりの感じられる アルバムに仕上がっており、ソウルフルなDONNY K.WILKの ボーカルが、そう言った感を助長していると言えるだろう。その 一方で彼の野太いボーカルが芋臭さも醸し出しており、痛し痒しと 言ったところだろうか。[80]
アメリカのバット・ボーイズ・ハード・ロックンロール・バンドの 1985年にリリースされたデビュー盤。L.A.メタル後期に GUNS'N'ROSES等と供に、 バット・ボーイズ・ハード・ロックンロールの一大ムーヴメントを 作り上げたバンドで、その成功にそぐわぬ中々良質のアルバムに 仕上がっている。まだデビュー仕立ての初々しさが出ているが、 それはそれで悪くない。定番とも言えるバラードの I Won't Forget Youや初のヒット曲となったTalk Dirty To Me、 タイトル・トラックのLook What The Cat Dragged In等、楽曲の 出来は中々レベルが高く、流石と言ったところだろう。もっと ワイルドさを感じさせる様な勢いが強く出ていれば、より 素晴らしい作品になっていただろう。[84]
アメリカのバット・ボーイズ・ハード・ロックンロール・バンドの 1988年にリリースされた3年振りとなる2ndアルバム。前作では Talk Dirty To Meのスマッシュ・ヒット等で一躍注目を集めたが、 今作ではEvery Rose Has It Thornの大ヒットを始め、その地位を 確固たるものとした、彼等の代表作とも言える作品だ。 デビュー作からスパンを開けてのリリースとなったが、それだけ 楽曲のクオリティの高さを上げたと言えるだろう。彼等の定番と 言える、キャッチーでお気楽でのりの良いナンバーを中心とし、 そこにEvery Rose Has It Thornの様な心に染み入るバラードを 挟んでいて、つぼを押さえた作品となっている。[88]
アメリカのバット・ボーイズ・ハード・ロックンロール・バンドの 1990年にリリースされた2年振りとなる3rdアルバム。前作での 爆発的なヒットでスターダムとしてのその地位をより 強固なものにしたが、ここでもそれだけの作品を作り上げている。 とは言え、ヒット曲満載だった前作と比べるとやや スケール・ダウンした様に感じられるところがあるのは確かだ。 もちろんSomething To Believeの様な彼等らしいバラードや、 Unskiny Bopの様な素晴らしい楽曲もあるし、平気的なレベルも 高い訳なのだが、飛び抜けた楽曲が少ないと言う印象を受ける。 [86]
アメリカのバット・ボーイズ・ハード・ロックンロール・バンドの 1993年にリリースされた3年振りとなる4thアルバム。ギタリストの C.C.DEVILLEが脱退し、ソロ等で活躍するRICHIE KOTZENが今作では 加わっている。クリエイティヴ面での主軸とも言える 人だっただけに、その影響の程が気になるところだが、正しく それが彼等の音楽性に影響を与えたと言って良いだろう。一言で 言うと、バット・ボーイズ・ハード・ロックンロール的な色合いは 無くなってしまったと言っても良い。よりブルーズ色の強い 作品となっており、これはこれで決して悪くない作品なのだが、 彼等らしさと言う点ではそれが感じられない。もちろん BRET MICHAELSのボーカルも健在ではあるが、問題作と言わざるを 得ないだろう。[81]
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた デビュー盤。北欧のバンドらしいメロディ・センスではあるが、 どちらかと言うとドライヴ感の感じられるエッヂの立った ヘヴィ・メタルを聴かせてくれている。特にアップ・テンポで のりの良いOut In The NightやRock Dollと言った楽曲ではそう 言った感が強い。JONAS BLUMのアグレッシヴで扇情的な ボーカルに、分厚いコーラスが中々良い味わいを出している。 それを活かすだけの曲と言うとまだまだ限られており、アレンジ力 等はかなり高いと思えるだけに、楽曲のレベルがもう少し上がれば かなり良くなると思える。[80]
カナダのハード・ロック・バンドの1996年にリリースされた アルバム。STRANDEDやTHE DISTANCE等でも活躍する、ギタリスト、 KENNY KAOS等を中心とするバンドだ。カナダのバンドらしい 洗練されたメロディの作品で、For Youでは同郷の先輩である LOVERBOYのボーカリスト、MIKE RENOが共作しており、流石に そこではLOVERBOYっぽさも感じさせる。空間の広がりを 感じさせる、アメリカのバンドっぽさも 感じさせるところがあるが、全体的には叙情的なメロディを押し 出した作品で、Hearts Gone Crazyの様なアップ・テンポの楽曲は メロディ・センスの良さを伺わせてくれる。 Read Between The Lines等は非常に扇情的で、中々の佳曲だ。[82]
ドイツのプログレッシヴ・ヘヴィ・メタル・バンドのデビュー盤。 プログレッシヴ・ヘヴィ・メタルと言っても、いわゆる テクニカルなものではなく、あくまでも楽曲が主体になっている。 ドラマティックではあるが、華やかさと言うよりは非常に扇情的な 内面に篭った作品だ。DAVID CURSAMP似のVOLKERのボーカルは うまいと言うよりは非常に味があると言ったタイプで、絡み付く 様なけだるいボーカルがこのバンドの特色を非常に良く引き 立てている。ほとんどが6分以上の長めの曲で構成されており、 全体的に暗い感じをさせる作品だが、メロディが良いし、耳を引き 付けて離さないので飽きさせることはない。オリジナリティは特に 飛び抜けており、非常に聴きごたえのある作品だ。[91]
ドイツのパワー・メタル・バンドの1994年に制作された 自費出版によるデビュー盤。方向的には正統派と言える様な 感じで、いわゆるジャーマン・パワー・メタルとは違い、大仰な メロディやツー・バスを派手に入れたりはしていない。キーボード 奏者を含めた5人組で、楽曲はメロディアスで部分部分的には気を 引くものがあるが、一曲でとると展開に少し無理があったりと 面白味に欠ける。録音は非常に生々しいと言えば聞こえは良いが、 多分ほぼ一発禄りと思える様なラフなもので、所々バランスの 悪さが気になるし、改善の余地が多分にある。[72]
GORDON W.CHAPMANのソロ・プロジェクトで彼がボーカル、ギター、 ベースを全て担当しており、ドラマーのJOHN GARRET GORMANのみが ヘルプすると言う形になっている。どうも自費出版のようだが、 出来としてはそのような事は感じさせない素晴らしい完成度だ。 1990年の作品だがその後の活動状況は良く判らないので、 残念ながら今はもう活動していないのかもしれない。楽曲は メロディアスな正統派ヘヴィ・メタルであり、名曲とも言える Dreams Come Trueを始め粒がそろっている。ギター・プレイは ネオ・クラシカル風だがそれほど突出しすぎていないし、 ボーカルも伸びやかではりがあって悪くない。アメリカの アーティストだが内容は全体的に欧州風で、まとまった素晴らしい 作品だ。[89]
ドイツのメロディアス・ヘヴィ・メタル・バンドの2ndアルバム。 このバンドの良いところは、何と言っても扇情的なまでに 哀愁感漂うメロディとその完成度の高さだろう。 VOLKER WALSEMANNのボーカルは地味さを感じさせるがが、扇情的で 非常に個性的な歌唱を聴かせて、バンドのカラーに良く 合っている。そしてMARCO AHRENSのギターが扇情的に奏でる メロディも素晴らしいし、このバンドは自ら表現しようとしている 音楽を奏でる術を知っている。楽曲的には前作より幅を広げた 感じで、大作主義的だが、ドラマティックに構成されていて 緊張感を保っている。The Heroes Returnなどに聴かれる叙情的な 郷愁感はとにかく素晴らしいし、オリジナリティというものが 確立されていて、素晴らしい作品だ。[96]
元ANTHEMのボーカリスト、森川之雄率いる日本の ヘヴィ・メタル・バンドの自費製作のミニ・アルバム。 ヘヴィだが、非常にグルーヴィなのりの良い ハード・ロックンロール的な雰囲気さえ漂う パワー・メタルという感じだ。全体的に一本調子という感は いがめないが、バンドとしての特色は良く出ている。森川の ボーカルは、しゃがれたシャウトが中心で、 歌い上げるというところが少ないのはちょっともったいない 気もしないではない。楽曲は格好良く、結構良い出来の アルバムに仕上がっている。[78]
元ANTHEMのボーカリスト、森川之雄率いる日本の ヘヴィ・メタル・バンドのミニ・アルバム。 デビュー・ミニ・アルバムに続く自費製作の作品で、森川の ボーカルは更に野生味を増し、楽曲も非常にラフでのりの良い、 パワフルなハード・ロックンロールという感じで全体的に ワイルドな雰囲気に包まれている。デビュー盤よりも尚一層 ヘヴィかつグルーヴィな作品となっており、Holy Crime等は初期 ALICE IN CHAINSにも通ずるようなメロディとグルーヴィさが 感じられる。非常に聴きごたえのある迫力に満ちたアルバムで、 出来は中々良い。[82]
元ANTHEMのボーカリスト森川之雄率いる日本の ヘヴィ・ロック・バンドのアルバム。これまで2枚の ミニ・アルバムをリリースしていたが、フル・アルバムとしては 初めてのアルバムとなる作品だ。ヘヴィネスなサウンドながら PANTERAの様に力で押し切るのではなく、ちゃんとメロディが 中心にある。そのため、パワフルな印象を受けるが、意外と聴き 易い作品に作り上げる事に成功している。Nonsense Verse?等、 のりも結構あって、テンポ良く進んでいく。楽曲の出来も 悪くないし、日本のバンドとしては出色の一枚と言える作品に 仕上がっている。[83]
アメリカのサザン・ロック・バンドの1976年にリリースされた アルバム。非常にアメリカ南部的な土臭い ブルーズ・ロックをやっており、結構ハードな作品 作りになっている。全体で32分と結構短めの作品だが、そう言った 中でも5分を超える楽曲が3曲もある。Free ManやMoovingを始め、 かなり印象的なメロディやさびがあって良い出来だ。その一方で SAXONのThe Eagle Has Landedを思わせる様な出だしの、憂いを 含んだWanderingがあったりと一本調子になっていない。楽曲の 出来は結構良い線を行っているし、演奏にもめりはりがあって中々 良いアルバムだ。[83]
アメリカのサザン・ロック・バンドの1977年にリリースされた アルバム。方向的には前作と同じく、非常にアメリカ南部的な 土臭いブルーズ・ロックをやっているが、ややシンプルで 洗練された作品作りになっている。そういう意味ではやや 泥臭さがなくなり、なんとなくあっさりとしたアルバムだと言って 良いだろう。アコースティック的な部分が大きくなりハードなと 言うよりは、しみじみと聴かせる部分も多い。楽曲の出来も まずまずで、決して悪い作品ではないが、ややインパクトには 欠ける。よりメロディを主体に押し出しており、聴き易い 作品ではあるが。[83]
詳細は良く判らないが、ブラジルのヘヴィ・メタル・バンドの 1998年にリリースされたミニ・アルバム。方向的には ジャーマン・パワー・メタルと言えるもので、ANGRAに影響を 受けたバンドの一つと言って良いだろう。Shadows And Doubtsや The Real Way Of Life等は、後期QUEENSRYCHE的と言った 感じがあって、部分的にはプログレッシヴ・メタル的な エッセンスも若干感じられるが、ANGRAよりもよりヘヴィ・メタル 的だと言って良いだろう。カバーのMoscowは、元曲にに 似つかわしくない程ヘヴィ・メタル的な色彩に満ちたアレンジを 施していて面白い。[82]
元ANTHEMのボーカリスト、森川之雄率いる日本の ハード・ロック・バンドの2ndアルバム。これまでの作品より、 かなりロックンロール色が強くなって来ている。かなり キャッチーでポップな作品で、骨太でパンキッシュな ハード・ロックンロールは今の時流に乗った方向性に思える。 楽曲にはフックがあって、適度にグルーヴィなので、聴き易い上に のりも良く出ている。THE HELLACOPTERS辺りのリスナーにも受け 入れられそうなサウンドで、これまでのファンには、こう言う 方向性に向いた事に関しては賛否両論があるだろうが、出来自体は 悪くないと思う。[82]
ドイツのプログレッシヴ・メタル・バンドの3rdアルバム。 方向的にはこれまでの延長線上と言えるものだが、これまでがより 流麗な音作りをしていたのと比べると、ややドラマティックで、 プログレッシヴ・メタル的な色合いがより濃い作品に 仕上がっていると言って良いだろう。扇情的で楽曲の出来は これまで同様に素晴らしく、彼等の実力の高さを見せ 付けてくれている。VOLKER WALSEMANNのボーカルは相変わらず 素晴らしいし、オリジナリティのあるクオリティの高い楽曲に 演奏力も文句はないし、この手のバンドとしては非常に高い レベルのアルバムに仕上がっている。[87]
アメリカのバッド・ボーイズ・ハード・ロックンロール・バンドの レア音源集。1994年に現MR.BIGのギタリスト、RICHIE KOTZEN 脱退後、BLUES SARACENOを迎えて作成されたが、レコード会社の 方針によりお蔵入りとなったもので、それにMTVでの アンプラグド・ライヴ音源や、デモ音源などを加えたものだ。 RICHIE KOTZEN参加時のNATIVE TONGUEは、かなりブルージィな作品 作りがなされており、彼等としてはかなり毛色の違った 作品であったのに対して、こちらはかなり以前のスタイルに近い アルバムだ。と言っても、NATIVE TONGUE的な色合いは 残しており、初期ののりと言ったものはあまり感じられない。 楽曲の出来は悪くないと思うが、もう少しフックとのりが欲しいと 感じられる作品だ。[80]
アメリカのバット・ボーイズ・ハード・ロックンロール・バンドの アルバム。新曲が5曲とライヴが13曲と言う変則的な作品で、全て オリジナル・ラインナップでの編成で録音されている。新曲は Power To The Peopleはモダンな雰囲気があって、今一つ 彼等らしくない気がする楽曲だが、それ以外は如何にもと言った 感じの彼等らしさを感じさせる。The Lsat Song等は中々良い バラードだし、I Hate Every Bone In Your Body But Mineでは C.C.DEVILLEがボーカルを取ると、これだけ彼等らしく 感じなくなると言う趣向が面白い。ライヴはプロダクションは ともかく、彼等の全盛時を思い起こさすのりの良いライヴを 聴かせてくれている。[83]
アメリカのサザン・ロック・バンドの1982年にリリースされた 6thアルバム。音楽的には元々ブギー色のあるブルージィな サザン・ロックを聴かせてくれていたが、ここではかなりポップな 方向性へと転進しており、サザン・ロックっぽいテイストを一部に 残しながらも、キャッチーな叙情性のかなり産業ロック的な色合い 強いアルバムとなってしまっている。Love On Fire等は、 キーボードを前面に押し出した、憂いを帯びたメロディの ポップ・ソングだし、出来は決して悪くないのだが、昔を知る 人間に取ってはこの変身はかなり違和感を感じる内容だと言って 良いだろう。[78]
ドイツのプログレッシヴ・メタル・バンドの2年振りの 4thアルバム。これまでと比べると、ややDREAM THEATER色を 増している様に感じられるが、基本的にはこれまでの延長線上と 言えるもので、ややダークさを感じさせる、どちらかと言うと ヘヴィ・メタル色の強いプログレッシヴ・メタルと言えるだろう。 プログレッシヴ色が増した分だけ、変則的な感じのする アルバムとなっており、通りが悪くなっている様にも感じるが、 メロディの出来等は相変わらず素晴らしい。VOLKER WALSEMANNの 独特の憂いを帯びた伸びのあるボーカルが、バンドの特色を良く 出しており、このオリジナリティは貴重だ。[85]
フィンランドのゴシック・メタル・バンドのデビュー盤。 SENTENCEDのボーカリスト、V.LAIHIALAがギタリストとして 結成したプロジェクトだ。CHARONのベーシスト、J.KUKKONENと ボーカリスト、J.P.LEPPALUOTOが加わっている。元々SENTENCED 自体がメランコリックなヘヴィ・メタルへとその方向性を 移しており、CHARONのメンバーと組むのは違和感は 全くないところだ。ここで聴かれるのも、SENTENCEDを ベースにして、CHARONの音楽的要素を持ちこんだ、 メランコリックでロマンティックでゴシック・メタルと言って 良いだろう。全体的にCHARON色が強いけれども、それよりも抑え 気味なので非常に地味に感じられるところがあるが、出来は中々 良い。[85]