イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの1981年にリリースされた デビュー盤。いわゆるN.W.O.B.H.M.初期に登場したバンドの 一つだが、このバンドが同時期の他のバンドから特徴 付けているのは、ポップとも言える程、叙情的なメロディを前面に 押し出した音楽性だろう。しかしその音楽性故か、メジャーから デビューを果たしたものの、本国ではほとんど話題になることなく IRON MAIDEN等の影に隠れて消えていった。そう言う音楽性を受け 付ける土壌があった日本だけで唯一話題になった位だろう。 序盤はやや異質な曲もあるが、それ以降は如何にも彼等らしい 哀愁味たっぷりの、美しいメロディの楽曲が並んでいる。 プロダクションはやや悪いが、当時のN.W.O.B.H.M.ものとしては 十分満足行くレベルだろう。[82]
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの1991年にリリースされた 再結成第1弾となる10年振りの2ndアルバム。主要メンバーであった CHRIS TROY、TINO TROYの兄弟に、元IRON MAIDENのギタリスト、 DENNIS STRATTONを加えて再結成されている。方向的には、 デビュー盤で聴かせてくれていた、哀愁味たっぷりの叙情的な 美しいメロディが主体となっているので、昔のファンからすると 嬉しい限りだろう。前作であったプロダクションの弱点も、流石に ここまで時代が流れると遥かに良くなっているし、それだけ 完成度が上がっている。彼等が目指したものに一歩近づいたと 言えるが、その一方で1980年代初期の垢抜けなさが残っている。 全体的にやや統一性が欠け、発散してしまっている様に 感じられるのも残念だ。[83]
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの1993年にリリースされた 2年振りの3rdアルバム。これまでCHRIS TROYがリード・ボーカルを 兼任していたが、ある意味それが弱点ともなっていただけに、 今作より専任ボーカリストを入れている。その後 RITCHIE BLACKMORE'S RAINBOWに加入するDOOGIE WHITEが 来日公演ではボーカルを取っていたが、このアルバムでは既に COLIN PEELにスイッチしている。前作よりは更に彼等らしい 哀愁味たっぷりの叙情的なメロディの作品に仕上がっている。 前作より、より垢抜けた作品に仕上がっており、洗練された分だけ 好感が持てる。特にCry For The New WorldやLetting Goは 素晴らしく、彼等の代表曲と言えるだけの佳曲だ。[86]
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの1993年にリリースされた ミニ・アルバム。DOOGIE WHITEに続いてCOLIN PEELも早々と 脱退し、ボーカリストの安定しないバンドだが、COLIN PEELに 代わり、MARK THOMPSONーSMITHが加入している。彼のボーカルは COLIN PEELよりソウルフルだが、バンドの方向性には 合っているので、この交代は決して悪い結果になっていない。特に タイトル・トラックのOnly The Children Cryは素晴らしく、 彼等らしい哀愁のこもった美しい楽曲に仕上がっているので、 彼等のファンであれば十分納得出来るだろう。他の楽曲も特筆する 程ではないが、彼等らしさがあって決して悪くはない。[84]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1989年にリリースされた デビュー盤。音楽的にはいわゆるMOTLEY CRUEのフォローワーと 言えるもので、VINCE NEILのボーカル・スタイルそっくりな STEVE SUMMERSの歌い方や、金髪を一人だけ入れるメンバー 構成まで一緒で、ここまでくると少しあざとく思えなくもない。 アップ・テンポでのりの良い、ワイルドな ハード・ロックンロールで、出来自体は決して悪くないので、 MOTLEY CRUEのファンであれば聴いても決して損はしないだろう。 既に大成功している先人がいるので、どうやってオリジナリティを 出して行くかが大きな課題となるだろう。[80]
デンマークのヘヴィ・メタル・バンドの1990年にリリースされた 3年振りの3rdアルバム。ALAN OWENの脱退に伴い、専任の キーボード奏者がいなくなってしまったが、キーボードがかなり 前面に押し出されたものとなっている。彼等らしい キャッチーさもあるのだが、その一方でかなりソウルフルな 音作りがなされており、かなり扇情的に感じられる作品に 仕上がっている。ROGER GLOVERがプロデュースしており、その 影響も出ているのかも知れないが、DEEP PURPLEっぽい エッセンスも感じられる部分がある。そこに、北欧のバンドらしい 哀愁味が加えられており、これはこれで面白い。[84]
デンマークのヘヴィ・メタル・バンドの1992年にリリースされた 2年振りの4thアルバム。前作ではかなり憂いの効いた扇情的な 楽曲が多かったが、今作では明るい楽曲も増え、より現在の スタイルに近くなった作品だと言えるだろう。RONNIE ATKINSの ボーカルは、上手いと言うタイプではないものの、非常に ソウルフルで、彼等のエッヂの立ったサウンドには良く 合っている。楽曲の出来も安心して聴いていられるし、ドライヴ 感のあるプロダクションが効を奏している。興味深いのが JOHN SYKESのバラード、Please Don't Leave Meをカバーしている 事で、これが中々良い出来だ。[84]
デンマークのヘヴィ・メタル・バンドの1992年にリリースされた ミニ・アルバム。内容的にはいわゆる アコースティック・アルバムと言うやつで、アップ・テンポの ソウルフルでドライヴ感のある作品を作っている普段の彼等とは また違った味わいが感じられ、中々興味深い作品に 仕上がっている。特に秀逸なのはSINーDECADEでカバーされていた JOHN SYKESのPlease Don't Leave Meで、オリジナルやカバーとは 違った魅力を引き出している。あくまでもお遊び的な 作品ではあるが、ほのぼのとしたものから、哀愁を 感じさせるものまで、幅もあって悪くない作品だ。[83]
デンマークのヘヴィ・メタル・バンドの1993年にリリースされた アルバム。内容的には企画盤的要素の強い、いわゆる アコースティック・アルバムと言うやつで、前年にリリースされた 同様のミニ・アルバム、OFFSIDEの発展系とも言える作品だろう。 OFFSIDEを作ったからフル・アルバムで作ろうと考えたのだろうが、 OFFSIDEと内容が重複しているのはあまり嬉しくない。新しい ファンならばこちらを入手すればOFFSIDEは必要ないのである意味 親切かも知れないが。とは言え、未発表曲が多く、彼等のファンに 取っては興味深い内容である事は確かだ。彼等のキャッチーな メロディ・センスがこう言う作品では際立った感を受ける。[84]
デンマークのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた 2年振りの5thアルバム。方向的には前作の延長線上と 言えるもので、叙情的でキャッチーなメロディと、意外とハードな サウンドが同居した、彼等らしいサウンドを聴かせてくれており、 中々聴き応えのあるアルバムに仕上がっている。 RONNIE ATKINSは、綺麗と言う感じの声質の ボーカリストではないが、ソウルフルで彼等の楽曲に良く 合っている。ややほのぼのとしたミドル・テンポのナンバーが 増えた気もするが、楽曲の出来を含めてレベルの高い作品と言って 良いだろう。[85]
OZZY OSBOURNEのアメリカ人ギタリスト、ZAKK WYLDE率いる ハード・ロック・バンドの唯一のアルバム。その後、 OZZY OSBOURNEだけでなく、自らのバンド、 BLACK LABEL SOCIETYでも活動しているが、この作品におけるその 音楽的方向性はどちらでもない。その後、 BLACK LABEL SOCIETYでも見られるストーナー・ロックっぽさは 若干感じられるが、どちらかと言うと、よりサザン・ロック的な 色合いの強いサウンドで、埃っぽさを感じさせる、如何にも アメリカ南部的なサウンドを聴かせてくれている。ハードで ソウルフルな作品で、エネルギッシュな感じのするのりの良い 作品で、聴き応えは中々ある。[82]
アメリカのハード・コア・パンク・バンドの1987年に リリースされたアルバム。後によりスラッシィで インダストリアルな方向に向って行くが、ここで聴かれる サウンドはよりハード・コア然としたものだ。その インダストリアル・スラッシュ的な音楽性で彼等を聴いている ヘヴィ・メタルのリスナーも多いだろうが、ここまで遡った 作品となると、ハード・コア・パンクが好きでないと聴くのは少し 辛いだろう。プロダクションもあまり良いとは言えず、かなり 荒削りな作品と言った印象を受ける。勢いだけは感じられるが、 それだけの作品で、まだまだと言ったところだ。[38]
アメリカのハード・コア・パンク・バンドの1993年に リリースされた2年振りとなる5thアルバム。方向的には前作の 延長線上とも言える作品だが、よりギター・リフを前面に押し 出したアルバムとなっている。スラッシュ・メタル的に ざくざくとしたリフを切り刻み、モダン・ヘヴィネス的にヘヴィな アグレッションを聴かせてくれており、それ程パンキッシュな 色合いを強く押し出していないので、ヘヴィ・メタル側の リスナーにも十分聴けるだろう。ただし、バックはともかく楽曲 自体はそれ程ヘヴィ・メタル的なエッセンスが 感じられるものではない。[81]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1992年にリリースされた デビュー盤。方向的にはミクスチャー的な音楽で、ファンクや ラップ、ヘヴィ・ロック的なエッセンスを感じさせる作品だ。 スピード感のあるのに、3分前後の楽曲ばかりが並んでおり、 非常にテンポの良さを感じさせてくれる。 ファンキーっぽさはあるものの、全体的に攻撃的で聴き 応えがあるので、単なるミクスチャーと聴き流してしまう様な 事はないだろう。メロディを押し出すところでは、非常に強く押し 出してくるので、単純に攻撃的で 終わってしまっていないところにも好感が持てる。[81]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1985年にリリースされた デビュー盤。方向的にはプログレッシヴ・ハード・ロックとも 言えるもので、当時のヘヴィ・メタル・バンドとしては、最も プログレッシヴ・ロック的な色合いの強いバンドと言って 良いだろう。JOE ZUJKOWSKIのキーボードが前面に押し 出されており、叙情的なプログレッシヴ・ハード・ロックを 聴かせてくれている。時にはプログレッシヴ・ロックらしい 変則的な部分も見え隠れするが、全体としてはすっきりとした メロディを中心とした聴き易い作品でもある。 ボーカルはMESSAGEのDEAN FASANOで、彼の透ったハイ・トーンが 透明感を増して叙情感を盛り上げている。ドラマーは、その後 ボーカリストに転向してDANGER DANGERに加わるTED POLEYだ。[84]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1988年にリリースされた 3年振りの2ndアルバム。ボーカルはDEAN FASANOから RUSSELL ARCARAに、ドラマーがTED POLEYからMICHAEL STERLACCIに 交代している。RUSSELL ARCARAのボーカルは、DEAN FASANOと 比べるとよりパワフルで、プロダクションもあって流麗な感じを 受けたデビュー作より、メリハリのある作品に仕上がっている。 前作ではかなりプログレッシヴ・ロックの趣味が色濃く出ており、 プログレッシヴ・ロック風のキーボードが前面に出ていたが、 今作ではそう言ったエッセンスは幾分控えめになっており、 Tomorrow Never Comesの様な、アコースティック・バラードも 入っていて、全体的なバランスが良くなっている様に感じられる。 フックがあって、バラエティさ、完成度も増して中々の佳作に 仕上がっている。[87]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1991年にリリースされた 3年振りの3rdアルバム。方向的には前作の延長線上とも 言えるものだが、前作よりも更にプログレッシヴ・ロック的な 色合いは薄れており、純然とヘヴィ・メタルと言って良い 内容になっている。もちろんJOE ZUJKOWSKIの派手なキーボードも 要所要所には出てくるが、よりギターを前面に押し出した メロディアス・ヘヴィ・メタル作品に仕上がっている。 ギタリストが元T.T.QUICKで、後にNUCLEAR ASSAULTに加入する DAVID DiPIETROに交代しているのも大きな影響を 与えているだろう。洗練されたメロディに、フックのある楽曲は 中々聴き応えがあって素晴らしい。[85]
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドの1984年にリリースされた 唯一のアルバム。EUROPE、BISCAYA、200VOLT等と伴に、初期 北欧メタルを支えたバンドの一つだが、それらのバンドの中でも 最もN.W.O.B.H.M.の影響を強く受けたバンドと言って良いだろう。 ロックロールを基調としながらも、煮え切らない憂いがあって、 如何にもN.W.O.B.H.M.的なメロディだが、北欧らしくより泣きの 強い叙情的な作品に仕上がっている。初期北欧メタルとしても プロダクションが酷い方なのだが、それがより一層N.W.O.B.H.M. 的なイメージを与えてくれる。それらを考えると、B級と 言わざるを得ないところだが、メロディの素晴らしさ、荒々しい 迸るエナジーが単なるB級作品の域に留まらせてはいない。 N.W.O.B.H.M.のリスナーからすると素晴らしい内容と言えると 思うが、チャンスに恵まれず消えていったのは残念だ。[93]
詳細は良く判らないがボーカルのLASSE E.ENGSTROMを中心とした 北欧のハード・ロック・プロジェクトのミニ・アルバム。彼以外に SNAKE CHAMER、BAD HABIT、ACES HIGHと言ったバンドのメンバーが 参加している。LASSE E.ENGSTROMのボーカルは、さして 上手くもないのだが、ワイルドなダミ声がそれなりに楽曲に 合っている。ワイルドでアップ・テンポな明るい ハード・ロックで、ラストのバラードもそつなくこなしているが これと言ったものが感じられない。全体的にキャッチーな メロディが配されており、それなりに聴ける作品ではあるが。[79]
アメリカのプログレッシヴ・ロック・バンドのデビュー盤。 セッション・ドラマーとしてKING CRIMSONのPAT MASTELOTTOが 全曲参加している。かなりヘヴィなサウンドがふんだんに織り 込まれているが、初期KING CRIMSONの様な要素はない。全体的に むしろフュージョン風のテクニカル・ロックと言った方が近いかも 知れない。適度にハードで適度にポップでかつ複雑な展開もあると 言う感じでメタル側からでも結構聴き易い作品だと思う。但し、 プロダクションが今一つチープな感じがするのは残念し、ラストの 23分にも及ぶ大作Redemptionは理解不能だが。[80]
N.W.O.B.H.M.バンドの4thアルバム。楽曲は前作と比べると 若干ものによって差があるが、方向的には変化がなく、 相変わらずのPRAYING MANTIS調の哀愁のこもった叙情的で美しい 調べが並んでいる。GARY BARDENが加入しての第一弾となるが、 彼のボーカルも心配されたほど酷くはなく、バンドのイメージを 壊す事はないものの、やはり最初はどうしても気になる 部分がある。こういうポップ・センス溢れる叙情的で美しい曲は、 うまいボーカルで聴きたいものだが、聴きなれればそれなりに 味がある。楽曲の出来はさすがと思わせるだけの超一品の出来で、 実に素晴らしい。[84]
デンマークのヘヴィ・メタル・バンドのライヴ盤。最新作、 SCREAMにおけるツアーの地元コペンハーゲンでのライヴの模様を 収録したものだ。選曲、演奏を始め、全体的に可も無し不可も 無しと言ったところで、安定感はあるが今一つ消化不良の様に 感じられる。Please Don't Leave Meは、全体の流れからすると 馴染まないし、入れなかった方が良かったのではないだろうか。 音は割とクリアだが、どうもライヴの臨揚感が今一つで、盛り 上がりに欠けるのはいかんともし難い。RONNIE ATKINSの ボーカルは意外に無難にこなしていると思うが。[80]
N.W.O.B.H.M.バンドのライヴ盤。昨年、クラブ・チッタで行われた 来日公演の模様を収録したもので、初回限定盤のみ 2枚組となっている。物議を醸したGARY BARDENの加入だが、この ライヴを聴く限りではそれほど大きな違和感は感じられない。 ただし、コーラス部分の出来はさすがと思わせるだけの 素晴らしいものなので、それに見劣りすると感じるところも 無きにしもあらずなのだが。それよりも、むしろドラミングの方が きちんとリズムを刻めておれず、GARY BARDENより寧ろ CLIVE BURRを交代した方が良いかも知れない。[81]
アメリカのハード・コア・パンク・バンドのアルバム。 これまでよりもかなりヘヴィな音作りがなされており、 サンプリングを多用してインダストリアル・ロック的な エッセンスも加えられている。ザクザクと刻まれる ギター・リフは攻撃的で、スラッシュ・メタルが壊滅状態の中で、 これだけ破壊力のあるスタイルを作り上げているのは賞賛に 値する。人工的だがそれが殆ど気になる事はなく、快作と言える 作品に仕上がっていると言って良いだろう。サンプリングだとか ハード・コアということで身構えてしまう人も多いかも 知れないが、意外とメロディが押し出されていて侮れない アルバムだ。[89]
アメリカのハード・コア・バンドの1992年にリリースされた ミニ・アルバム。その翌年に、インダストリアルでスラッシィな 感覚をより顕著にした傑作、CLEANSINGをリリースするのだが、 ここではまだそう言った部分はあまり感じられないアルバムだ。 とは言うものの、ハード・コアにとらわれない、ダンサブルな リフと言い、ファンキーでインダストリアルな感覚と言い非常に 斬新でユニークなセンスの出ているアルバムに仕上がっている。 ほとんどがリミックスという事で、企画盤的色合いが濃いし、 あまりメタル的色合いは感じられないが。[76]
N.W.O.B.H.M.バンドの1981年にリリースされた1stアルバムで、 以前にも日本盤でCD化されたが、今回のCD化で特筆すべき事は、 1980年にリリースされた2枚組みシングルのCHEATEDから3曲 ボーナス・トラックとして収められていることだろう。 Flirting With SuicideとPanic In The Streetsのライヴは スタジオ版の音質からすると十分満足の行くものだし、 アルバム未収録だったThirty Pieces Of SilverはLetting Goで さびが流用されてる様な気がしないでもないが、 PRAYING MANTISらしい佳曲だ。既に日本盤で持っている人には この3曲だけで奨めるのは少し苦しいがマニアは持っていて 損はない。[84]
元WHITE WOLFのカナダ人ボーカリストDON WOLFの ソロ・プロジェクト・バンドによる1stアルバム。 POINT OF POWERで一緒だったKENNY "KAOS" LONEYと全曲 共作していて、この二人のプロジェクトと言って良いだろう。 メンバー・ショットもこの二人のみだが、すっかり薄くなった DON WOLFの頭が哀愁をそそる。一方、楽曲の方はWHITE WOLFの 叙情的な哀愁のあるメロディに比べると、やや明るめの曲調が 多めだ。もちろん、You Know I Knowの様な泣きの美しい メロディの曲もあるが、全体的に考えればWHITE WOLFとはやや 趣が異なるだろう。[80]
詳細は全く判らないが、多分北欧のゴシック・メタル・バンド。 メンバーは3人しかいなく、多くの部分を ゲスト・ミュージシャンでカバーしているところを見ると、 バンドとしての実態はあまりないのかもしれない。 クリア・ボイスのみで、静かに淡々と進むが、全体的に ヘヴィさはなく、アコースティックが中心になっている。 バイオリン、チェロ、フルート、リコーダと構成は割と ユニークだ。耽美さはあるが、それ程目立ったものでもなく、 叙情的なギター・ソロとバイオリンが目立っている。 ニュー・ウェーブ的で、出来自体悪くない。[82]
初期北欧メタルの頃から活躍するデンマークの ベテラン・ヘヴィ・メタル・バンドの新作。前作でそれまでの ドラマティックでメロディアスな方向からややそれてしまった 感があったが、今作では再びそういったエッセンスを交え、更に ポップなメロディがより顕著になっている。このよりポップな 感覚がやや厄介で、時によっては甘ったる過ぎるという感じが どうしてもしてしまう。それでも、前作に比べれば、これまでの ファンの希望によりそう内容だし、楽曲の出来だって結構良いのは 確かだ。KISSのカバーのHardluck Womanもそつなくこなしていて 悪くない。[84]
NARITAのギタリストHENRIK POULSENを中心とした プロジェクト・バンドのアルバム。新旧のNARITAのベーシスト CHRISTIAN D.RAJKAI、KARSTEN LAGERMANN、同じく元NARITAの ALLAN SORENSEN、ROYAL HUNTのANDRE ANDERSENN、元ELEGYの EDUARD HOVINGAといったおなじみのメンバーで構成されている。 ここで評価したいのはEDUARD HOVINGAのボーカルで、ELEGYでの 没個性的な味気ない歌唱に比べれば、ここでのパフォーマンスは 意外と面白い。割と扇情的で起伏のある楽曲には 結構あっているというか力を引き出せる ボーカリストなのかもしれない。楽曲はあちらこちらでどこかで 聴いた事があるようなメロディが飛び出すが、ハードで フックがあって出来は良い。NARITAともROYAL HUNTともELEGYとも 一味違う作品に仕上がっている。[88]
元GAMMA RAYのRALF SCHEEPERSとSINNERのMAT SINNERによる ドイツのヘヴィ・メタル・プロジェクト・バンドのアルバム。 曲作りの中心はMAT SINNERだと想像するのだが、彼にしては意外と GAMMA RAYっぽく聞えるし、サウンドもかなりヘヴィだ。 GAMMA RAYっぽく聞えるのは、やはりRALF SCHEEPERSという ボーカリストの個性のなせる技だろう。全体的に楽曲は JUDAS PRIESTっぽく感じるし、RALF SCHEEPERSも場面によっては ROB HALFORDっぽい歌いまわしをしている。メロディの良さは流石 MAT SINNERというところで、楽曲、演奏とも出来はなかなか良い。 [84]
N.W.O.B.H.M.バンドの5thアルバム。ボーカルはGARY BARDENから TONY O'HORAに交代している。GARY BARDENの参加が決して 失敗だったと言うつもりはないが、元々タイプ的にはあまり 合っているとは言えない両者だっただけに、このボーカル交代は むしろ望むべき姿だと言っても良い。特にTONY O'HORAの ボーカルはCOLIN PEALに似た感じで、バンドの方向性に 合っていると言って良いだろう。彼等らしい哀愁味のある叙情的な メロディは相変わらず絶品で、メロディ・センスの素晴らしさは 変わりないのだが、A CRY FOR THE NEW WORLDに比べると、心を 揺さぶるような名曲はなく、楽曲的な出来は残念ながら 素晴らしいとまでは言えない。[83]
デンマークのヘヴィ・メタル・バンドのベスト盤。未発表曲は 新曲のForever And Eternal1曲で、その他にはバンドの アルバムとしては未収録だった、GASOLINの トリビュート・アルバム、FI-FIに収められていた Det Bedste Til Mig Og Mine Vennerがボーナス・トラックとして 収録されている。Forever And Eternalは彼等らしいバラードで 中々の佳曲だが、同タイプのSavage Heartをその直後に続けて 収録せずにもっと後に回すとかした方が 良かったのではないだろうか。 Det Bedste Til Mig Og Mine Vennerはピアノの弾き語りで 始まり、ハードに展開する楽曲でやや彼等らしくない曲だが、 アレンジは雰囲気が出ている。[82]
デンマークのヘヴィ・メタル・バンドの2ndアルバム。元NARITAの HENRIK POULSEN、KARSTEN LAGERMANN、FLEMMING OLSENと元 ROYAL HUNTのTONNI RAHM、元ELEGYのEDUARD HOVINGAと言う メンバー構成で、このメンバーでNARITAの再結成と 言われていたのが、HENRIK POULSENのプロジェクトであったこの バンドで正式に活動する事になったようだ。方向的には NARITAっぽい楽曲もなくはないが、全体的に前作を押し進めた 様なキャッチーさを持った楽曲で構成されており、このバンド名で 続けたのは正しいと言って良いだろう。ELEGYでは今一つ 馴染めなかったが、前作でその実力ぶりをいかんなく発揮した、 EDUARD HOVINGAのボーカルはここでも健在で良い出来だ。EUROPEの カバー曲、Seven Doors Hotelははまり過ぎと言う感じだが、 そのためにオリジナル曲が何となく霞んでしまったのは残念だ。 楽曲自体も前作と比べるとやや面白味に欠ける。[83]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの9年振りの2ndアルバムとなる 再結成後、初のミニ・アルバム。元BIG BANG BABIESのKERI KERIが 加わり、音に厚みを増している。方向的には元々MOTLEY CRUEを 意識したものだったが、バラエティさは増したものの、この 作品でもその方向性は変わりない。殆どの楽曲を新加入の KERI KERIが書いているが、バンドの方向性を損なっていないのは 評価できる。特にEverybody Needs A Hero等は如何にもと言った 感じをさせてくれる。ただ、ジャケットのセンスは最悪で、中 ジャケのビジュアル系の様なメンバー・ショットの方が遥かに 使えたと思うのだが。[81]
デンマークのヘヴィ・メタル・バンドのアルバム。これまでも 良質のアルバムを出してきたが、この作品はその中でも最高傑作と 言っても良いだけの出来に仕上がっている。これまでの路線を 継承しながらも、扇情的でエッヂのたったサウンドは、 ゾクゾクする程格好良い。適度にキャッチーで印象的なメロディは 素晴らしく、Snakes In Edenのさび等は最高だ。その他にも、 When The Angels Cryを始め、佳曲と言える楽曲がずらりと 並んでいる。アコースティック・バラードのWith These Eyesも RONNIE ATKINSが切々と歌い上げていて素晴らしい出来だ。情感 豊かで楽曲の出来も素晴らしく、傑作と言って良いアルバムに 仕上がっている。[89]
デンマークのヘヴィ・メタル・バンドのアルバム、 ANYTHING WORTH DOING IS WORTH OVERDOINGよりの1stシングル。 シングル・カットのタイトル・トラックの他にSpooked、 Come To Toughのライヴ・トラックの3曲入りと言う 構成になっている。アルバム未収録音源と言う事ではライヴの 方と言う事になるのだが、1997年に行われた公演の模様を 収録されたもので、荒々しくヘヴィな仕上がりになっている。 ほとんど生採りと思える様なプロダクションで、録音状態は 悪くないが、バランスが今一つ悪いように思える。[78]
N.W.O.B.H.M.バンドのデモ音源を集めた2枚組みアルバム。音源は 全てデビュー盤のTIME TELLS NO LIESをリリースした後の1981 年から1983年までに録音された幻の2ndアルバムや、元 IRON MAIDENのドラマー、CLIVE BURRやGRAND PRIXの ボーカリスト、BERNIE SHAWと結成した、STRATUSの前身 バンドであるESCAPEの音源を収めたものだ。この時代のこの バンドのデモ音源だから、当然の事ながらプロダクションは 悪いが、同時代の他のN.W.O.B.H.M.バンドの正式にリリースされた 音源と比べて決して劣る程のものではない。美しい哀愁に満ち 溢れたメロディは今聴いても良い出来だし、資料的価値だけに 止まらない魅力がある。[80]
ドイツのハード・ロック・バンド、SINNERのMAT SINNERと 元GAMMA RAYのRALF SCHEEPERSのコラボレートによるバンドの 2ndアルバム。如何にもヘヴィ・メタルらしい重厚なサウンドに、 MAT SINNERらしいメロディが散りばめられている。こう言う タイプのサウンドにすると、今一つMAT SINNERの メロディ・センスが生きない様な気もするが、エッヂがたった 楽曲は、扇情感があって出来は悪くないし、格好が良い。 RALF SCHEEPERSのボーカルも、こう言った方向性に割りと 合っているし、中々聴きごたえのある作品には仕上がっていると 思う。[82]
ドイツのハード・ロック・バンドのアルバム。MICHAEL DUDEKと 言うボーカリストと楽器全般を担当しているFRANZ ZELLNERと言う 二人組のコンビによるアルバムだ。方向的にはキャッチーな メロディの叙情的なハード・ロックと言った感じの作品で、 ヘヴィさはそれ程しないものの、楽曲自体はSCORPIONSっぽさを 感じさせるところがある。全体的には、より ハード・ポップがかっており、その割にはフックがあって 扇情的だ。楽曲の出来は中々のものだし、愁いがかった楽曲は格好 良く、意外と聴きごたえのあるアルバムに仕上がっている。[83]
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの2年振りにリリースされた 6thアルバム。次から次へとボーカルが交代すると言う状況だった 彼等としては、始めてメンバーが固定されたアルバムだ。 如何にもと彼等らしい言った感じの、叙情的で哀愁漂うメロディの 作品で、これまでのファンには安心して聴ける作品だと言って 良いだろう。それ故その半面新味に欠け、何か聴いた事がある様な 感じの楽曲がずらりと並んでいる感はいがめない。特に前作に 比べてもバラエティさに欠けるので、そう言った感がより一層強く 感じられる。固定されたとは言え、TONY O'HORAのボーカルに 今一つフックが感じられないので尚更だ。それに余りにも洗練され 過ぎていて淡白に感じられてしまうのが残念だ。[83]
スウェーデン人セッション・ギタリスト、TOMMY DENONDERによる ハード・ロック・プロジェクトのデビュー盤。 アメリカナイズされた叙情的なメロディアス・ハード・ロックで、 キャッチーでエモーショナルな楽曲は中々素晴らしい。 GEIR RONNINGとPIERE WENSBERGと言う二人の リード・ボーカリストを起用しているが、そのおかげか厚い コーラスは聴き応えがある。二人とも透った伸びのあるボーカルを 聴かせてくれており、交代でボーカルを取る事にそれ程違和感は 感じられない。全体的にミドル・テンポ中心であるために、 しっとりとした楽曲が多く、やや盛り上がりに欠ける 気がしないでもないが、Starry Eyes等、ブルージィで エモーショナルな色合いが楽曲にフックを与えている。楽曲には アダルトな雰囲気があって中々質の高いアルバムに 仕上がっている。[84]
デンマークのヘヴィ・メタル・バンドのアルバム。 Violent TribeではRAINBOWのGates Of Babylonっぽいメロディも 飛び出して来たりするが、全体的にはこれまでの延長線上と言える 様な彼等らしい作品に仕上がっている。そう言う意味では 目新しさもないのだが、彼等のファンもそう言うものはあまり 望んでいないだろうし、内容的には安心して聴いていられる アルバムと言って良いだろう。スリリングでキャッチーな メロディの楽曲は悪くないし、ポップな楽曲から、ハードな ナンバーまで、硬軟取り混ぜてバラエティ豊かで聴き応えのある アルバムだ。[83]
デンマークのヘヴィ・メタル・バンドの1990年にリリースされた ミニ・アルバム。そのアルバム・タイトルが示す通り、クリスマス 向けの企画盤で、In Santa's ClawsとA Merry Jingleと言う2曲の クリスマス・ソングに、Eye Of The StormとRed, Hot And Heavy、 Rock The Houseの3曲のライヴ・バージョンを含む全5曲と言う 構成になっている。クリスマス・ソング自体は、クリスマスらしい 雰囲気も出ているし、企画ものとして十分楽しめるだろう。 ライヴは、1990年にデンマークで行われたフェスティバルの模様を 収録したもので、静かなEye Of The Stormで情感を盛り上げながら 入っていく構成も悪くない。[80]
ドイツのヘヴィ・メタル・バンドの3rdアルバム。GAMMA RAYの ボーカリスト、RALF SCHEEPERSとSINNERのベーシスト、 MAT SINNERによるプロジェクト・バンドだが、今や本職以上に 人気を得ていると言って良いだろう。方向的にはこれまでの 延長線上と言えるもので、JUDAS PRIESTのフォローワー的な 作品だ。ROB HALFORDのボーカルに優るとも劣らない、 RALF SCHEEPERSのボーカルは素晴らしく、彼がいるからこそ実現 出来る作品だと言って良いだろう。ややパターンに はまってしまっていると言う感のするところもあるが、その 完成度は非常に高い。[84]
デンマークのヘヴィ・メタル・バンド、NARITAの元ギタリスト、 HENRIK POULSENとオランダのヘヴィ・メタル・バンド、ELEGYの 元ボーカリスト、EDUARD HOVINGAを中心としたバンドの 3rdアルバム。EDUARD HOVINGAはこのバンドを始めて、ELEGY時代と 比べて意外な実力者ぶりを見せてくれており、正に彼の才能を発揮 出来るバンドと言って良いだろう。これまでの作品もキャッチーな メロディを中心としたものだったが、今作ではそう言った面をより 一層進めており、ライト感覚溢れるポップな作品に 仕上がっている。前作と比べると、楽曲によってはややポップ 過ぎる気がしないでもないが、メロディ・センスの素晴らしさは 流石と言ったところだ。[84]
アメリカのヘヴィ・ロック・バンドの2年振りとなる6thアルバム。 ベースとなっているのはハード・コア・パンクだが、意外と メロディが前面に押し出されており、モダン・ヘヴィネスやメタル 色もあって、ミクスチャー的な作品に仕上がっている。 スラッシィなリフが導入されていて、攻撃的で硬派な作品に 仕上がっているが、キャッチーなメロディなので結構聴き易い アルバムだ。スラッシュ・メタルよりのハード・コア辺りが 好きならば聴いても損はしないだろう。中々良い 作品ではあるのだが、唯一の弱点はジャケットのセンスが悪すぎる 事だろうか。[82]
RAINMAKER、TALK OF THE TOWN、RADIO ACTIVE等で知られる スウェーデン人ギタリスト、TOMMY DENANDERによる プロジェクト・バンドの2ndアルバム。彼の作品と言うと叙情的で キャッチーなハード・ポップがすぐに思い浮かぶが、この作品も 当然その路線と言って良いだろう。前作ではやや アメリカナイズされた産業ロック的な色合いも感じられてが、 今作ではより哀愁を打ち出した、北欧的なハード・ポップで、 むしろTALK OF THE TOWN等に近い内容と言って良いだろう。 彼らしい素晴らしいメロディ・センスに溢れており、楽曲の出来は 流石と言ったところだ。前作同様、GEIR RONNINGと PIERE WENSBERGと言う二人のリード・ボーカリストを 起用しているが、二人とも伸びのある透った声質で似ているので 違和感はないし、コーラスで強みを発している。[85]
デンマークのヘヴィ・メタル・バンドの2年振りの9thアルバム。 全体的な音の作りは、よりモダンでヘヴィなものになっているが、 彼等らしいキャッチーさを持った叙情的なメロディは健在だ。特に ヘヴィネスな印象を与えるHe Who Never Lived辺りは流石に 違和感を感じなくもないが、こう言った曲でもそう言った音楽性は 決して失われてはいない。Playing God等、如何にもと言った 憂いを帯びたパワフルなナンバーもある。後半になると、 彼等らしい楽曲かどうかは別として、前半であったモダンで ヘヴィネスな部分は押さえられ、よりオーソドックスな スタイルになっている。[83]
ドイツのヘヴィ・メタル・バンドの4thアルバム。元々はSINNERの ベーシスト、MAT SINNERと元GAMMA RAYのボーカリスト、 RALF SCHEEPERSによるプロジェクトと言う形で始まったが、今や ドイツで最も人気のあるヘヴィ・メタルと言えるまでの ステータスを持ち、こちらの方が本業と言って良い 状態になっている。ROB HALFORDよりROB HALFORDらしい RALF SCHEEPERSのボーカルを始め、実にJUDAS PRIESTらしい サウンドを聴かせてくれているが、そこにジャーマンらしい メロディを盛り込んでおり、決して物真似だけに 終わっていないところに好感が持てる。[85]
イギリスのハード・ロック・バンドのデビュー盤。 元BALANCE OF POWERのキーボード、IVAN GUNNを中心とした バンドだ。IVAN GUNN脱退後のBALANCE OF POWERが メロディック・メタルへと路線を変えていったのに対して、 IVAN GUNNがBALANCE OF POWERのクリエイティブ面の中心を 担っていただけに、ここで聴かれるのは初期BALANCE OF POWERの 産業ロック的なポップ色を強く打ち出した、叙情的なメロディの ハード・ロックを聴かせてくれている。MATT MITCHELLの ハスキーなボーカルに好き嫌いが判れるかも知れないが、楽曲の レベルも高いし、流石と思わせるだけの内容だ。[85]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの7thアルバム。その音楽的 方向性はモダン・ヘヴィネスとハード・コアのエッセンスを取り 入れたヘヴィ・メタルで、ボーカルにはややラップ的な部分も 感じられる。グルーヴ感を押し出した、パワフルでエナジー ほとばしるサウンドは中々聴き応えがある。昔から比べると、 それ程ファンキーさはなく、より剛直な音楽性になって来たと 言って良いだろう。それ故男臭さを感じる様になったが、昔の キャッチーさも上手く残していて、意外と聴き易さも感じられる。 [82]
デンマークのヘヴィ・メタル・バンドのライヴ盤。2001年に 行われた東京と大阪での公演と2002年に行われたドイツでの公演の 模様を収めたものだ。初期と最近の楽曲がほとんどで、わざわざ 2つのツアーの公演から収録した割には、選曲のバランスが悪くて 別々の公演の音源を取り混ぜたのは却って失敗している様な 気がする。公演の切れ目で音が切れるし、これなら一つの公演を 通して録音した方が良かったと思えるだけに、理解に苦しむライヴ 作品だ。ただ、それを除けば演奏やプロダクションは きちんとしているだけに、少し勿体無い結果としか言い様がない。 [80]
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの3年振りの7thアルバム。 メンバーはTINO TROY、CHRIS TROY兄弟とDENNIS STRATTONの 3人だけとなっている。今作では専任のボーカリストは置かず、 元RAINBOWでゲスト参加と言う形で再び参加したDOOGIE WHITE、 元URIAH HEEP、GARY MOOREのJOHN SLOMANを迎え、更に自らも ボーカルを取っている。中核のメンバーがそのまま 残っているので、意外や明るい楽曲もあったりするが、基本的には 彼等の音楽性はそのまま変わらず、哀愁を満載した叙情的な メロディをこれでもかと聴かせてくれるスタイルは不変なので、 これまでのファンが聴いても十分納得出来るだろう。楽曲自体の 出来は、やや斑が感じられなくもなく、彼等としては平凡な部類の 作品と言えなくもない。[83]