FORM OF RELEASE / PURGED

オーストラリアの モダン・ヘヴィネス/スラッシュ・メタル・バンドのデビュー盤。 全体的にモダン・ヘヴィネス的なグルーヴ感をより押し 出しているのだが、楽曲的にはベースはスラッシュ・メタルだ。 前半はTESTAMENT的な曲もあるが、大方はMETALLICAと言って 良いだろう。DARREN ROSSのボーカル・スタイルも JAMES HEADFIELDSそのもので、METALLICAのフォローワー的な 作品だ。これといったところが今一つないが、プロダクションも 良く、勢いもあって割と良い出来だ。BLACK ALBUMまでの METALLICAが好きな人は一聴の価値があるだろう。[82]

GREED / PULKAS

イギリスのモダン・ヘヴィネス/ヘヴィ・ロック・バンドの デビュー盤。PANTERAの様な怒りを感じさせない訳ではないが、 むしろもっとおどろおどろしく異質な感じがする。より グルーヴィ感を強く打ち出したサウンドであり、のりが非常に 良い。一曲一曲を取れば、動と静のある翳りを持ったサウンドは 表情豊かで中々面白いが、全体的に楽曲を取れば、同じパターンの 繰り返しと感じなくもない。EARACHEと言うレーベルからすれば かなり異色のバンドと言って良いだろう。全体的に出来は 悪くないし、ある程度オリジナリティも持っている。[82]

ON THE RUN / PUSH

デンマークのハード・ロック・バンドの3rdアルバム。 ボーカリストのMARTIE PETERSの声質は、元WHITE LIONの MIKE TRAMPそっくりで、Witin' In Line等と言った楽曲は WHITE LIONっぽさを湛えていて、WHITE LIONのアルバムと 言われればそう聴こえるだろう。楽曲的にはもっとポップな 感じがあるが、この辺りのバンドに多大な影響を受けた事は 間違いない。MARTIE PETERSの甘くハスキーなボーカルは MIKE TRAMP同様味わいがあるので、彼のファンならば一聴の 価値はあるだろう。楽曲も適度にキャッチーで愁いを持った 爽快さを感じさせてくれる。[84]

MTJ / PULLING TEETH

日本のヘヴィ・ロック・バンドの3rdアルバム。方向的には ハード・コア的な楽曲で、勢いの良い早い楽曲で一気に 聴かせてくれる。全体的に楽曲は短く、10曲で22分と言う、 ミニ・アルバムと言った方が正しそうな尺だ。楽曲的には ハード・コア的だが、ザクザクと切り刻んで来るリフ等は中々 重厚で、サウンドは結構ヘヴィ・メタル的だ。ベースが意外と 前面に押し出されるパートがあり、この泰治のベースが中々 ユニークなものとなっている。ボーカルは吐き捨て型のシャウトを 聴かせてくれており、全体的に攻撃的な作品に仕上がっている。 [78]

THE SUPER COMMAND / PUFFBALL

スウェーデンのハード・ロックンロール・バンドの3rdアルバム。 スウェーデンのハード・ロックンロールと言うと THE HELLACOPTERSが思い出されるが、彼等のサポートも務めたと 言う事で、必然的にそう言う路線を期待するところだろう。そう 言った部分も無きにしは在らずなのだが、むしろ THE HELLACOPTERS等よりはずっとパンク色の濃い作品だと言って 良いだろう。THE HELLACOPTERSもコアな部分はあるが、もっと ハード・ロックンロール的な色合いが濃いだけに、メタル側の リスナーももっと聴き易いはずだ。逆に言えばこのバンドは パンクが基本となっているので、パンクがある程度聴けないと 厳しいかも知れない。[80]

ENHANCED SAMPLER / PUDDLE OF MUDD

アメリカのオルタナティヴ・ロック・バンドの サンプラー・シングル。デビュー盤、COME CLEANから Out Of My HeadとNobody Told Meの全2曲と言う 構成になっている。収録曲がシングル・カットされたBlurryや Drift & Die、She Hates Meと言った楽曲でないだけに、楽曲の 魅力としては今一つと言う感じがするが、サンプル盤と言う 性質上、仕方ないところかも知れない。音楽的には、この手の オルタナティヴ・ロックとしてはかなりハードな色合いを 感じさせるサウンド作りになっていて、NIRVANA辺りの影響が強く 出ていると言って良いだろう。[78]

LEAVE THEM ALL BEHIND / PUFFBALL

スウェーデンのハード・ロックンロール・バンドの4thアルバム。 パンキッシュなハード・ロックンロールだが、バンドの歴史は 古いだけあって、最近の北欧ハード・ロックンロールのバンドとは 音楽性をやや異にしている。最近のバンドの様な憂いは ほとんどなく、明らかにMOTORHEADの影響を受けたと感じられる、 爆走型のハード・ロックンロールだ。しからもかなり楽曲が速く、 パターンを限定してしまっているところが面白い。それ故聴き 進むと同じ様な楽曲が並んでいる様にも感じられるのだが、この ワン・パターンのノリと勢いがこのバンドの味と言っても 良いだろう。[83]

4TH LOVE OF THE GAME / PUSH

デンマークのハード・ロック・バンドの4thアルバム。 デンマークのボーカリストと言うと、WHITE LIONのMIKE TRAMPを 思い出させるが、このMPのボーカル・スタイルはまさしく彼を 連想させる。ハスキーで決して上手いと言う訳ではないのだが、 ハートフルで実に味わいがある。ただ残念なのは、MIKE TRAMPに 比べても彼のボーカルは十分下手な事だろう。楽曲自体もポップで どことなく憂いを帯びたメロディの楽曲は、後期WHITE LIONを思い 起こさせるので、WHITE LIONのファンなら十分楽しめるだろう。 ややこもった音質で、望めるならもう少しプロダクションを 良くして欲しい。[83]

TEETH SELLS..., BUT WHO'S PULLING? / PULLING TEETH

日本のヘヴィ・ロック・バンドのアルバム。過去の楽曲を現在の メンバーで録音し直した、ベスト盤的な位置付けの作品で、新曲は 全く含まれていない。アルバム・タイトルがMEGADETHのそれを もじっているのは一目で判るのだが、音楽的には共通点はないと 言って良いだろう。ハード・コアをベースとした ラウド・ロックで、日本のヘヴィ・ロック・バンドとしては トップ・クラスにいるだけに、海外のバンドと比べて 遜色はまるでない。分厚いサウンドは迫力があってパワフルだし、 リフ等も中々面白くてオリジナリティを感じるだけのものを 持っている。[82]

FOR WHOM ARE TEETH PULLED? / PULLING TEETH

日本のヘヴィ・ロック・バンドの5thアルバム。元々は ハード・コア色の強いラウド・ロックをやっていたのだが、 今作ではよりスラッシィなリフと哀愁を感じさせるメロディを押し 出しており、あまりハード・コア的な感じはさせない。 Pulling Teeth等で使われているこのメロディ等では、 マカロニ・ウエスタンっぽくて非常に面白い味わいを出している。 ここにアグレッションの効いたリフが入って来たり、 場面によってはドラムとベースの掛け合いを前面に押し 出したりと、これまでと比べると非常に捻りの効いたアルバムに 仕上がっており、それがまた独特の味わいを出している。[82]