イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの1980年にリリースされた 3年振りの2ndアルバム。デビューこそN.W.O.B.H.M.が起こる 前であったが、N.W.O.B.H.M.にその時流にのって最も活躍する事を 考えると、N.W.O.B.H.M.と言うムーブメントとは切っても切れない 関係だと言って良いだろう。とは言うものの、このバンドが最も 名前を知られているのは、裏方ながらBLACK SABBATHのキーボード 奏者として長年活躍しているJEFF NICOLSが前作ではメンバーに 加わっていた事だろう。そう言う事もあって、方向的には BLACK SABBATHの流れを汲むヘヴィ・ロックと言った感じだが、 もっとメロディを前面に押し出した作品に仕上がっている。[82]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1983年にリリースされた デビュー・ミニ・アルバム。これはそのミニ・アルバムに ボーナス・トラックを追加してCD化したものだ。 ボーナス・トラックとして収められているThe Prophecyは 2ndアルバム、RAGE FOR ORDERのシングル、 GONNA GET CLOSE TO YOUのB面に収められていたもので、 ミニ・アルバムとは時代的な差でやや違いを感じる楽曲だ。 楽曲的にはRAGE FOR ORDERよりTHE WARNING時代に近く、やや ヒステリックな感じもする扇情的なナンバーで、THE WARNINGに 入っていてもおかしくない内容だ。[84]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1988年にリリースされた 3rdアルバム。プログレッシヴ・ロック的なエッセンスを持ち 込みながらも、その音楽的な基盤はあくまでもヘヴィ・メタルで、 彼等のその音楽スタイルを突き詰めた作品だと言って良いだろう。 近未来的なストーリーの元、一つのコンセプト・アルバムに 仕上げられており、その先進的なサウンドが コンセプト・ストーリに非常に良くマッチしている。楽曲の出来は もちろん、トータル的に完成されており、彼等のその人気を 決定付けた、1980年代を代表する金字塔的傑作と言って 良いだろう。ストーリーに合わせて上手くSEを入れながら、 ドラマとして盛り上げて行く様は圧巻だ。[92]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1990年にリリースされた 4thアルバム。前作ではヘヴィ・メタル史に残る傑作と言える コンセプト・アルバムで大成功を収めたが、今作ではコンセプト 的な造りにはなっていない。基本的な音楽的路線としては、 プログレッシヴ・ロック的なフレイバーを持った、近未来的な 雰囲気のするヘヴィ・メタルで、言うなれば前作の延長線上と 言えるものだが、やや抑揚を押さえた作品に仕上がっている。 その分前作よりドラマティックさが減じた様に感じられ、やや 物足りなく感じるかもしれない。特にそれはDella Brown等に 現れていて、バラードとも言えるしっとりと落ち着いた 楽曲でありながら、7分もの尺がある。かなりクールに感じられる 作品で、こう言う変化がファンにとって望ましいかどうかは意見の 判れるところだろうが、その完成度はかなり高い。[91]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1991年にリリースされた ライヴ盤とそのライヴ・ビデオのボックス・セット。1991年に 行われたアメリカでのツアーの模様を収めたもので、EMPIREの リリースに伴うツアーでありながら、何故か OPERATION:MINDCRIMEがそっくりそのまま再現されている。 コンセプト・アルバムとして、ヘヴィ・メタル史上、屈指の作品と 言われるアルバムだけに、そこから漂う緊迫感と流れは 素晴らしいの一言に尽きる。臨場感もあってライヴ盤の 出来としても素晴らしく、彼等の最も輝いていた時期を象徴する 様なアルバムだ。[90]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた 4年振りの5thアルバム。その音楽的方向性は前作の延長線上と 言えるもので、前作で現れていた変化をより推し進めたものだ。 初期の正統派ヘヴィ・メタルからはプログレッシヴ・ロック的 エッセンスを取り入れ、どんどんと発散してきている印象を 受ける。時代的な音楽的背景もあるだろうが、かなりダークな 色調を感じさせる作品で、これは賛否両論の判れるところだろう。 こう言った楽曲のアレンジメントはともかく、メロディ等には 彼等らしいところが見えるし、GEOFF TATEの超人的なボーカルも 相変わらずだ。[84]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1993年に発売されたレア 音源集。その後、OZZY OSBOURNEに加入する事になるギタリスト、 RANDY RHOADSの若かりし日の頃の音源だ。彼の死後、彼の トリビュート作品として作成されたMETAL HEALTHが大ヒットとなり その認知度も一層高くなったが、彼が在籍時には大きなチャンスに 恵まれる事はなかった。彼等が活動していた1970年代後半は、 折からのディスコ・ブームもあり、結局日本でだけで2枚の アルバムをリリースする事となった。このときのアルバムから 4曲と、未発表曲5曲、バージョン違いが1曲と言う 構成になっている。ここで聴かれる彼のプレイは、まだまだ 未成熟な感じも受けるが、まさしく彼らしさは出ていると言って 良いだろう。楽曲自体はさして面白いものではないので、彼の 昔のプレイが聴けると言う以上の意義は見つけにくいかも 知れない。[80]
イギリスのハード・ロック・バンドの1990年にリリースされた デビュー盤。N.W.O.B.H.M.衰退後、イギリスの ハード・ロック・シーンはアメリカでのL.A.メタルの隆盛にも 関わらず長い間不振を極めていたが、そんな中でLITTLE ANGELSや THUNDER等と共に、新時代の旗手として登場したバンドと言って 良いだろう。しかし、結局彼等をもってしても音楽シーンの状況を ひっくり返す事は出来なかった。音楽的には、それまでの N.W.O.B.H.M.とは趣を変え、枯れた味わいの強い、ブルージィな ハード・ロックを聴かせてくれている。やや派手さには欠けるが、 そこはかとなくセンスの良さが表れていて、良いアルバムに 仕上がっている。[84]
イギリスのハード・ロック・バンドの1990年にリリースされた ライヴ盤。ライヴ盤と言ってもアルバムはまだ1枚しか 出していないだけに、そのほとんどがデビュー盤からの 楽曲となっている。いつどこで収録されたものかは全く クレジットがないので不明だが、恐らく幾つかのライブ音源を 切りはりしたものと思われる。しみじみとしたイギリスらしい ブルージィなハード・ロックンロールで、こうしてライヴで 聴いてみるとSPIKEのハスキーなボーカルが実に味わい深い。 ライヴ・バンドとしての実力の一端も伺えるが、30分強程度の 長さしかないのが残念だ。[82]
イギリスのハード・ロックンロール・バンドの1993年に リリースされた3年振りとなる2ndアルバム。1992年に行われた イギリスの公演の模様を収めた3曲入りシングルとの 2枚組となっている。方向的には全く前作の延長線上と 言えるもので、ブルージィな香りのする ハード・ロックンロールだ。THE BLACK CROWSに近いとも 言えるが、それよりはブリティッシュ・ブルーズ的な色合いを強く 打ち出している。SPIKEのしゃがれたボーカルは、相変わらず 枯れた味わいで、このバンドの雰囲気を非常に良く出していると 言って良いだろう。[83]
アメリカのヘヴィー・メタル・バンドの二度目の復活の第二弾 アルバム。かつてOZZY OSBOURNE BANDに加入する事になる、今は 亡きRANDY RHOADSが在籍していた事で知られるバンドだ。 どうしても名作、METAL HEALTHと比較してしまうが、楽曲的には 小粒な印象を受けるし、Loves A Bitchのようなタイプの 楽曲がないので単調に感じられる。Monday Morning Breakdown 辺りからバラエティさが増して来るが、それまでが だれてしまうのは如何ともし難い。良くも悪くもKEVIN DuBROWの 声質は個性的ではあり、この作品でもそれは変わらないが。[76]
イギリスのハード・ロック・バンドの最後のアルバム。今更多くを 語る必要もないと思うが、AIDSで他界したFREDDIE MERCURYの 存命中に取り掛かっていた、ニュー・アルバム用の音源等を集めた アルバムだ。単に未発表音源を寄せ集めたと 言うものではないので、その楽曲のクオリティは正に通常の新作と 言えるだけの出来に仕上がっており、FREDDIE MERCURYの歌唱を 十分堪能出来る。但し、最後のシークレット・トラックは、ただ 単純に長いだけで、FREDDIE MERCURYのトリビュートという以外の 意味を見つけ出す事は出来ないものだが。[86]
1970年代中頃からN.W.O.B.H.M.中期に活躍したイギリスのバンドの 1976年から1979年までのライヴからで構成されている。1980年に リリースされたライヴ・アルバムLIVE QUARTZをCD化したもので、 CD化にあたって収録曲数を倍に増やしており貴重な 作品だと言って良いだろう。後にBLACK SABBATHで Additionalプレイヤーとしてずっとキーボードを 担当することになるGEOFF NICHOLLSもこの当時在籍している。 ヘヴィなギター・サウンドが中心でこの当時としてはかなり メタル色の強い作品といえるが、ブギ調のものから ロックンロール調のものまでまだ方向性が少し 一定していないようにも思える。バランス的にはベースが前に 出過ぎているようにも思えるが、気にするほどでもないだろう。 録音状態もやはり良くないが、仕方がないところだろう。[78]
本策で7作目になるが、EMPIREより変質し出した音楽性が より顕著に現れた作品になっている。Heroの様な非常にポップ色が 強い作品や、オルタネイティヴ風の楽曲など、これまでには なかったような曲が数多く含まれている。もちろん QUEENSRYCHEらしい部分が皆無な訳ではないが、今作での変化は 劇的と言って良いほどの変りようだ。spOOL等はEMPIRE等に 入っていてもおかしくない曲だが、全体的に旧来のファンが このアルバムを受け入れられるか非常に疑問だ。しっとりとした 作品で、淡々と進んでいくので、それ程盛り上がりを 感じないし、地味な印象は拭えない。[78]
イギリスの代表的なロック・バンドのベスト・アルバム。 とは言え、バンドの楽曲からハードなナンバーを集めた企画盤的な 作品であり、Bohemian Rhapsodyと言った代表曲は 収められておらず、実際にベストと言う様な内容ではない。 こういう作品であるゆえに、帰ってハード・ロック側の人間が 聴くにはちょうど良い作品かもしれない。確固とした オリジナリティを築いていたバンドだけに、好き嫌いは 分かれるかも知れないが、気持ちの良いメロディにBRIAN MAYの ギター・プレイも聴きどころだ。 No One But You(Only The Good Die Young)という新曲と I Can't Live With Youを新たに採りなおして収録されている。 [84]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドのアルバム。無名時代の RANDY RHOADSが在籍し、彼への追悼盤となったMETAL HEALTHの 大ヒットでその名を知られるが、そのMETAL HEALTH時のメンバーで 復活した。その当時のリメイクが6曲入っていて、今聴いても良い 曲だったなと思えるのだが、その一方で新曲の出来は今一つで、 リメイクより面白いと思えるものが1曲もない。 ヘヴィ・メタルらしい楽曲群で、方向的に裏切る事はないのだが、 かつてあれだけの傑作アルバムを作ったバンドが、この程度の 曲しか作れないのは何ともわびしいものだ。リメイク・ナンバーで 昔を懐かしむのがこのアルバムの正しい楽しみ方だろう。[75]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの7thアルバム。ここ最近の 方向転換に落胆したファンも多かったが、CHRIS DeGAMOの脱退で、 メタル的な方向へと揺り戻される事を期待した人も多かったろう。 そう言った意味で、今作は悪い方に期待を裏切られたと言っても 良いのではないだろうか。CHRIS DeGAMOが脱退したにも関わらず、 その基本的な路線は大きく変ることはなく、オルタナティヴ的な ヘヴィ・ロックと言った感じだ。前作と比べれば、まだ小慣れて 来た感じで、アルバムの出来自体は良くなったと思うが、楽曲 自体も悪くはないが取りたててどうと言う程でもないし、旧来の ファンには失望の方が大きいだろう。[80]
イギリスのハード・ロック・バンドのベスト盤で、同名シリーズで 最後となるアルバム。アーティスト名に+と付いていることからも 判る様に、バンドの楽曲だけに止まらず、ギタリストの BRIAN MAYやボーカリストのFREDDIE MERCURYの ソロ・アルバムからの音源も集録されている。3枚目の ベスト盤とは言っても、さすがにこれだけのバンドとなると良い 楽曲がまだまだ沢山あると言った感じだ。初心者入門用にも決して 悪い作品ではないし、FREDDIE MERCURYの死後、1997年に 行われた、ELTON JOHNとのジョイント・ライヴの音源が 収められていて、これも興味深いところだ。[83]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドのライヴ盤。1991年に行われた ツアーの模様を収めたものだ。元々はビデオとパッケージされて 発売されたボックス・セットだったが、この度CDだけが 別売された。ここで注目されるのは、ボックス・セットでは 収められていなかったボーナス・トラックが2曲収録されている 事だろう。同じツアー中に演奏されたThe Lady Wore Blackと Roads To Madnessが収録されており、本編とはまた違う彼等の 魅力を伝えてくれている。10年も前のライヴだが、そのライヴの 凄まじさは決して色褪せる事は無く、名作と言うに相応しい 内容だ。[90]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの2枚組みライヴ盤。今年 アメリカで行われた公演の模様を収めたものだ。全時代的に 選曲されており、言わばベスト盤的な性格を持つ ライヴ盤となっている。The Lady Wore Blackや Queen Of The Reichと言ったデビュー・ミニ・アルバムからの 楽曲も含まれており、初期からのファンに取っては嬉しい選曲と 言って良いだろう。意外だったのはここ最近のダークでモダンな 楽曲で、Falling Dawnの様なヘヴィな楽曲を入れている おかげだろうが、こうやってライヴで聴くと意外と緊迫感があって 聴き応えがある。演奏、プロダクションとも素晴らしく、彼等の ファンならば十分満足出来るライヴ盤と言えるだろう。[87]