RECKLESS / RECKLESS
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた
デビュー盤。叙情的なメロディのヘヴィ・メタルで、北欧と
言うよりはアメリカン・ハード・ロック的なエッセンスの
感じられる作品だ。パワフルでエナジーの感じられるサウンドに、
洗練された叙情的なメロディは中々センスの良さを感じさせる。
PATRICK AXELSSONのソウルフルなボーカルも楽曲に良く
合っており、厚いコーラスも含め、エッヂの立った聴き応えのある
アルバムに仕上がっている。適度に湿り気があって、
メロディ・センスは素晴らしく、新人でこれだけの作品が作れれば
十分だろう。[83]
NEVER SAY SURRENDER / RED DAWN
元RAINBOWのキーボード、DAVID ROSENTHALを中心としたアメリカの
ハード・ロック・バンドの1994年にリリースされた唯一の
アルバム。ドラマーには同じく元RAINBOWのCHUCK BURGIが
参加している他、ベーシストには後にRAINBOWが
RITCHIE BLACKMORE'S RAINBOWとして復活した時に起用された
GREG SMITHが担当すると言う、まさにRAINBOW人脈のバンドだ。
音楽的には、DAVID ROSENTHALがRAINBOWに居た時代を考えても判る
様に、ここではキャッチーなハード・ロックを
聴かせてくれている。ただRAINBOWと違うのは、アメリカらしい
明るい楽曲も含まれている事だろう。LiarやPromises等は
RAINBOWらしいエッセンスも感じられるが、より
アメリカナイズされていて、それ程RAINBOW色が濃い訳でもない。
[82]
BLOOD SUGAR SEX MAGIK / RED HOT CHILI PEPPERS
アメリカのファンク・ロック・バンドの1991年にリリースされた
5thアルバム。音楽的にはサイケデリックなファンク・ロックで、
かなりファンク色の強い作品だと言って良いだろう。クランチで
ファンキーな楽曲は、サイケデリックな味付けがされていて
面白い。そう言う意味では基本的な路線の変更はないのだが、
これまでと大きく違うのはBreaking The Girlや
I Could Have Liedの様なバラードに初めて挑戦している
事だろう。そのおかげでアルバム中に変化が出ていて、新鮮な
雰囲気がある。彼等の従来からの楽曲も出来は良いし、
ファンク・ロックとしては素晴らしい作品だと言えるだろう。[83]
TIME TO CHOOSE / RENEGADE
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドの1993年にリリースされた
デビュー盤。方向的には憂いの効いた叙情的な透明感のある
メロディのヘヴィ・メタルで、如何にも北欧メタルと言った感じの
作品と言って良いだろう。幾分洗練された感のある、
アップ・テンポのキャッチーな楽曲で、センスは悪くない。
ドラマーから転向したと言うMAGNUS TALLAKERのボーカルも、甘い
声質で楽曲には良く合っている。楽曲によっては
アメリカン・ロックと言える様なものもあり、意外と幅広い
音楽性を見せてくれているが、その一方で平均的で飛び抜けた
楽曲がないのも残念だ。[81]
RAVAGES OF TIME / RENEGADE
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた
2ndアルバム。方向的には前作の延長扇情とも言える、
透明感のある叙情的なメロディのヘヴィ・メタルだ。前作と
比べると、全体的によりアップ・テンポで勢いのある作品に
仕上がっている。やや憂いは消え、ポップ感が増した分、
憂いは減じているので、どちらかと言うとアメリカナイズされた
様な印象を受ける。テンポが良くなった分、アグレッシヴさも
増して、楽曲ののりも出ていて、完成度も増している。哀愁味が
減った分、北欧メタルファンには残念かも知れないが、出来自体は
悪くない。[81]
WE ROCK THE NATION / RESTLESS
ドイツのヘヴィ・メタル・バンドの1985年にリリースされた
アルバム。方向的には如何にも1980年代前半の正統派
ジャーマン・メタルらしい作品で、ACCEPTのフォローワーと言って
良いだろう。CZEKIのボーカルも、UDO DIRKSCHNEIDERのスタイルを
完全に意識したものだが、残念ながら低音のパワフルさは本家の
様にはいかなかった様だ。ACCEPTと比べると、プロダクション
的にもかなりチープで、B級然としたアルバムである事は
いがめないが、変に上品にやるよりは遥かに好感が持てる。
テンションの高いパワフルさが勢いを出していて、悪くない
作品だ。[78]
V / RETURN
ノルウェイのハード・ロック・バンドの1993年にリリースされた
5thアルバム。音楽的には叙情的なメロディのキャッチーな
ハード・ロックだ。オープニングにいきなり
アコースティック・ギターをフュチャーしたバラードを持って
来るのには面食らったが、結局それ以降も
アコースティック・ギターを使い続けており、どちらかと言うと
北欧メタルと言うよりは、ヒット曲指向のメロディアス・ロックと
言った方が良いだろう。実際に本国ではヒット・チャートを賑わす
位の人気はある様だ。それだけにメロディ・センスは確かだし、
派手さは今一つないが、良くまとまったアルバムだ。[80]
PLAY GOD / REVEREND
アメリカのパワー・メタル・バンドの1991年にリリースされた
2ndアルバム。元METAL CHURCHのボーカリスト、DAVID WAYNEが
結成したバンドだ。方向的にはMETAL CHURCHにも通じる様な
スラッシィーなパワー・メタルを聴かせてくれているが、もっと
パワーを前面に押し出したストレートなもので、楽曲のフックは
METAL CHURCHと比べると今一つ及ばない感がある。METAL CHURCHの
成功に影響を受けてか、Blessingsの様なバラード系の
楽曲もあるが、DAVID WAYNEのボーカルが今一つ合っていない
部分もあるのが残念だ。全体的な出来自体は悪くないが、
残念ながらこの頃のMETAL CHURCHのクオリティには負けている。
[82]
LIVE / REVEREND
アメリカのパワー・メタル・バンドの1992年にリリースされた
ライヴ・ミニ・アルバム。元METAL CHURCHのボーカリスト、
DAVID WAYNEが結成したバンドだが、METAL CHURCHよりはもっと
パワフルさを前面に押し出したストレートな楽曲をやっているが、
それはこのライヴでも良く出ている。ややダークで
ミドル・テンポのSCATTERED WITSを除くと、やや一本調子と言う
感がどうしてもするのは如何ともし難いところだ。演奏の出来
自体は悪くないし、ライヴらしい生々しさもあって
ライヴ盤としては良い出来だ。ミニと言う短さもあって、
飽きてしまう前に聴き終わるのも功を奏しているかも知れない。
[82]
ONE HOT MINUTE / RED HOT CHILI PEPPERS
アメリカのロック・バンドのアルバム。こういう純粋には
ヘヴィ・メタル/ハード・ロックの範疇からは外れて来るバンドを
どうこう形容するのは難しいので、あまり突っ込んだ事は
書けないが、SAIGON KICK辺りにも通ずる様なセンスを持った
バンドであると思える。前作よりも楽曲は格段に良く
出来ているし、親しみが持てる。JANE'S ADDICTIONの
DAVE NAVAROが参加しているが、彼の加入もこういう点で良い
方向に向いたのではないだろうか。グルーヴィな感覚に溢れた
出来の良いロック・アルバムに仕上がっている。[84]
A GROANDER VISION / RELAYER
アメリカのプログレッシヴ・ロック・バンドの自費出版による
デビュー盤。4曲収録ながら20分を越すGrander Visionを始め、
全体で40分を超える大作主義的な傾向の作品になっているが、
意外と飽きさせないアルバムに仕上がっている。全体的には
明らかにYESの影響が色濃くあり、ギター・メロディ等においては
RUSHの影響も見て取れる。この手のものとしては割と
プログレッシヴ・ロックらしい変則的な部分が少なく、
ストレートで聴き易い部類に入るだろう。プロダクションも
自費出版というレベルを越えていて、思いのほか出来は良い。[84]
BLOOD / REDSEA
アメリカのハード・ロック・バンドのアルバム。非常に
ブルージィな埃っぽいハード・ロックで、タイプとしては
BADLANDSを想像させる。演奏、楽曲、ボーカル、どれをとっても
小型BADLANDSという感じのサウンドだ。あそこまでのクオリティを
望むのは無理があるかもしれないが、出来自体は決して悪くなく、
BADLANDSが好きな人には十分訴えるものがある筈だ。
ROBY KYLE BASAURIのボーカル・スタイルは今は亡きRAY GILLANを
思い起こさせるだけに尚更と言うところだ。楽曲の出来も良いし、
ソウルフルなサウンドには聴きごたえがあって、良い作品に
仕上がっている。[86]
RESURECTION / RED BARON
元LADYのCHRISTIAN REINHARDTを中心としたドイツの
ヘヴィ・メタル・バンドのデビュー盤。おどろおどろしたSEで
始まるが、楽曲自体はそれほどでもなく、1970年代の
ブリティッシュ・ハード・ロック風であり、ハモンド・オルガンを
大幅に導入しているところを始め、音作りは如何にもという
感じだ。JUDAS PRIEST風のJesus Save $や、MOUNTAINの
For Yasgur's Farm、URIAH HEEPのGypsyといったカバーも
そういった感を強くしている。故に、今のバンドと考えると
どうしても色物的な感じがするが、出来自体はまずまずだ。[77]
RESCUE / RESCUE
ドイツのハード・ポップ・バンドの1990年にリリースされた
デビュー盤。5年たってLONG ISLAND RECORDSから
再リリースされたが、まさにLONG ISLAND RECORDSが目を
付けそうな珠玉のハード・ポップ・ナンバーが並んでいる。
方向的にはキャッチーでメロディアスなハード・ポップで、
SEBASTIAN KINDERのキーボードを前面に押し出した哀愁の
ナンバーから爽やかな物まで、そのメロディ・センスは
素晴らしい。アメリカの産業ロック風で派手さはないが、全体的に
楽曲は良く出来ているし、この手ものでは中々の掘り出し物だと
言えるだろう。[90]
III / RENEGADE
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドの3rdアルバム。
方向的には、デビュー盤からすると、かなりカラーが
変わってしまっており、どちらかと言うと
メロディアスではあるけれど、明るくノリの良い作品に
仕上がっている。そう言った意味でも、THIN LIZZYの
The Boys Are Back In Townをカバーしているのもあながち
的外れなものではないと言えるだろう。その割には
Dancing For Awayの様な暗目の曲もやっていて、一貫性にやや
欠ける感じがする。楽曲的には可もなし不可もなしと言った
感じだが、Bad Reputationだけはキャッチーで、中々の
佳曲である。[79]
BUILDING THE BRIDGE / REO SPEEDWAGON
アメリカのベテラン・ロック・バンドによる6年ぶりの新作。
産業ロック的な整った楽曲だが、昔から比べるとそういった面影は
減り、どちらかといとアメリカらしい乾いた
土臭いものになっている。ポップ的な色合いは後退したものの、
リラックスした落ち着いた内容になっている。故に飛びぬけた曲も
ないし、地味に感じるのはいかんともし難いが、楽曲を始め
全体的に良く出来ている。KEVIN CRONINの甘いボーカルで歌う、
After Tonight等の優しいバラードは実に味がある。しかし、
アップ・テンポでこれという曲がないと少し辛い。[80]
PAIN & PLEASURE / RESISTENCE
詳細は良く判らないが、恐らくドイツのヘヴィ・メタル・バンドの
1995年にリリースされたミニ・アルバム。方向的には、良くも
悪くも正統派のヘヴィ・メタルと言った感じで、適度にヘヴィで
適度にメロディアスでそれなりに扇情感もある。楽曲はやや
QUEENSRYCHE系の範疇に引っかかる様なところもある感じで、その
出来はさびが今一つ印象に残らず、特別良いと言う訳ではないが
悪くない出来だ。NILS BRANDTのギター・ソロはメロディの出来も
良いし、結構聴きごたえがあるが、JACKIE LEE MANNの
ボーカルには不満が残る。全体的に物足りなさがなくもないが、
結構センスはあるし次作が楽しみと思わせてくれるものはある。
[83]
RED ROCKET / RED ROCKET
スウェーデンのハード・ロック・バンドのデビュー盤だが、
実際にはメンバーはボーカルのNINA FERNANDEZとそれ以外の
パートを全てこなしているPONTUS SVENSSONの二人だけで、
バンドとしての実態はまだ伴っていない。方向的には剛直で
パワフルでアメリカ的なハード・ロックだ。少しハスキーがかった
NINA FERNANDEZのソウルフルなボーカルは結構パワフルで、
アルバムの方向的にはあっている。録音状態がやや悪い
感じもするが、全体的にメロディアスかつパワフルな
そのサウンドはかなり聴きごたえがあるし、楽曲もまずまずの線を
いっている。[81]
KING BISCUIT FLOWER HOUR PRESENTS / RENAISSANCE
イギリスのプログレッシヴ・ロック・バンドのロンドンの
ROYAL ALBERT HALLで行われたライヴを、ラジオ番組
KING BISCUIT FLOWER HOUR放送のために録音された音源を
CD化したもの。元は2枚別々に発売されていたが、日本盤の発売に
あたってカップリングされ2枚組みでリリースされている。
バンドとしてももっとも脂の乗り切った頃のアルバムであるし、
ロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラとの共演と言う
ベストの状態のライヴであり、非常に素晴らしい出来の作品だ。
ANNIE HASLAMの素晴らしい歌唱はオーケストラをバックに一層
より映えて聞える。[90]
REGENCY / REGENCY
詳細は一切不明だが、どうやらフランス辺りの
プログレッシヴ・メタル・バンドの4曲入りミニ・アルバムの
様だ。方向的にはもろにDREAM THEATERタイプと言う奴で、
いわゆるフォローワーと言ってしまって良いだろう。紙ケースに
入れただけの薄いパッケージで少し不安を誘うが、内容自体は
意外に良い出来だ。特にプロダクションは思った以上に良く
出来ていて、JAMES LaBRIEタイプのボーカル、
OLIVIER GUILLAUMEは彼ほどとは言わないまでも、それなりに
歌えている。キーボードのフレーズも明らかにDREAM THEATERを
思わせるもので、オリジナリティは無く、少々あざとく
感じないでもないが、コピー・バンドと思えば良い出来だ。[80]
REACTION / REACTION
日本のハード・ロック・バンドの1988年にリリースされた3rd
アルバム。楽曲は特別抜きんでたものではないが、非常にのりの
良いハード・ロックンロールで、意外と聴き飽きないで最後まで
聴く事が出来る。楽曲は全曲日本語で、JUNYA KATOの歌唱は特別
うまいと言えるものではないが、楽曲の方向性に合っていて、
特にLeft Behind等、割合と自然に聴けてあまり気にならない。
帯びにはJOHN X.VOLATISが担当したと書かれているし、
ジャケットにはセルフ・プロデュースとなっており、別個に一応
彼の名前がクレジットには入っているのだが、実際にどの程度
関わっているのかは判らない。[78]
ALONE IN THE DARK / RESTLESS
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドのお蔵入りとなっていた、
デビュー盤を発掘したもの。L.A.メタル・バンドとしては、最も
叙情的でA.O.R的なサウンドだ。方向的にはMICHAEL LOADの
キーボードを全面に打ち出したもので、コーラースをふんだんに
取り入れた、ハード・ポップ的な作品に仕上がっている。
キャッチーなメロディは中々良く出来ていて、飛び抜けた
楽曲はないが、楽曲の出来も悪くない。
スロー・テンポではともかく、アップテンポの楽曲では
ROGER SOMMERSのボーカルは音程が今一つ不安定な残念だ。
もう少し洗練されていると、かなり良くなったとは思うのだが、
それでもB級臭さはあるものの悪くない作品だ。[79]
UNIVERSE / REINGOLD
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドのデビュー盤。
MIDNIGHT SUNのベーシスト、JONAS REINGOLDを中心とした
プロジェクト・バンドで、元YNGWIE MALMSTEENのGORAN EDMAN、
BAD HABITのJAIME SALAZAR、MIDNIGHT SUNのCHRIS PALM、
MAJESTICのPETER ESPINOZAが参加している。方向的には、
MIDNIGHT SUNよりも、ネオ・クラシカル的な色合いが強い作品に
仕上がっている。これだけのメンバーが揃っているだけに、
安心して聴けるアルバムで、GORAN EDMANのボーカルが冴え
渡っている。楽曲の出来には今一つ波を感じるが、メロディは
非常に良く出来ている。[83]
ALTITUDE IS EVERYTHING / RED ROCK ROOSTERS
アメリカのブルーズ・ロック・バンドの1998年にリリースされた
デビュー盤。通常なら、メタル系のリスナーにはあまり聴く
機会のないバンドであろうが、どう言う経緯かは判らないが、
AXEのBOBBY BARTHがバンドの正式なメンバーだ。そして、
プロデュースもBOBBY BARTH自身が行っている。
そのせいかどうかは判らないが、出だしなどは如何にも骨太の
土臭いブルーズ・ロックであるのに対して、楽曲が進むにつれて
叙情的で哀愁味を帯びていくようになる。この落差にやや戸惑う
部分もあるが、さすがBOBBY BARTHと言わせるだけの
メロディ・センスを発揮しており、中々味わい深い作品に
仕上がっている。[84]
BBC SESSIONS / RENAISSANCE
イギリスのプログレッシヴ・ロック・バンドの2枚組みライヴ盤。
イギリスの国営ラジオ局、BBCの放送用に録音された音源を
CD化したものだ。1975年から1978年までのライヴを
録音したもので、年代の古さの割にはラジオ放送用だけあって、
録音状態は非常に良い。シンフォニックでドラマティックな
サウンドは、彼等の世界を良く表している。ここにANNIE HASLAMの
美しいボーカルが絡んで来ると、何とも言えない叙情的で流麗な
音楽が構築される。叙情的でシンフォニックな
プログレッシヴ・ロックが好きならば聴く価値はある。[83]
TUSCANY / RENAISSANCE
イギリスのプログレッシヴ・ロック・バンドの再結成第1弾となる
17年振りのアルバム。オリジナル・メンバーは誰もいないが、ほぼ
全盛期のラインナップに近い形となっている。方向性としては
解散前のブリティッシュ・トラッド的な色合いのシンフォニックで
クラシカルな作品に仕上がっている。ANNIE HASLAMの美しい歌声も
健在で、彼等のファンとしては十分満足の行くものだと言って
良いだろう。叙情的なメロディは美しく、楽曲によっては空間的な
広がりを感じさせてくれる。もう少し愁いのある楽曲があっても
良かった様な気がするが、非常に良質のアルバムに
仕上がっている。[86]
CASTLE OF YESTERDAY / REPTILIAN
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドのデビュー盤。
元POLE POSITION、MAJESTICのボーカリスト、JONAS BLUM、
元MAJESTICのドラマー、JOEL LINDER、現MIDNIGHT SUNの
ベーシスト、JONAS REINGOLD、元POLE POSITIONのギタリスト、
LASSE BOQUIST等によって結成されたバンドだ。方向的には、
POLE POSITION的な色合いはなく、MAJESTICの音楽性を引き
継いだ、ネオ・クラシカル系のサウンドとなっている。
キーボードの音色を始め、MAJESTICと比べるとやや軽く感じられ、
重厚さが足りない様な気がするが、楽曲の出来自体は決して引けを
取っていない。MIDNIGHT SUNやTHE FLOWERKINGSで活動している
JONAS REINGOLDが今後もパーマネントなメンバーとして活動して
行くかどうかは疑問なところだが。[82]
NEW WORLD RAGE MUSIC / RED HARVEST
ノルウェイの
ゴシック/スラッシュ/プログレッシヴ/サイバー・ブラック・メタル・バンドの
アルバム。かつてリリースされたミニ・アルバム、
NEW RAGE WORLD MUSICをリマスターしてボーナス・トラックを
付けたものだ。元々ゴシック・メタルとスラッシュ・メタル的な
色合いの濃いバンドだったが、COLD DARK MATTER辺りから
よりサイバー・ブラック的な方向性を強く打ち出してきている。
プログレッシヴ的な色合いもあり、ところによってはCYNICを
ブルータルにした様に感じられる部分もある。DEVIN TOWNSEND的な
音の奔流に、攻撃的なブラスト・ビートを載せてくる辺りは
圧巻だ。[85]
COLD DARK MATTER / RED HARVEST
ノルウェイのサイバー・ブラック・メタル・バンドの
4thアルバム。まるでDEVIN TOWNSENDの様な、サウンドの奔流に、
ブラック・メタルらしいダークでブルータルさが持ち
込まれている。インダストリアル・ロックとブラック・メタルが
融合した作品で、機械的なサイバー・ブラック・メタルに
仕上がっている。これまでのゴシック・メタル的なエッセンスは
かなり殺ぎ落とされており、よりダークで混沌とした作品に
仕上がっている。そう言う意味ではNINE INCH NAILSにも通ずる
部分があり、非常にダークでクールなよりスラッシィな作品だ。
斬新的なエクストリーム・ミュージックで、ユニークな
内容となっている。[85]
MASQUERADE / REB BEACH
元WINGER、ALICE COOPER、現DOKKENのアメリカ人ギタリストによる
初のソロ・アルバム。一言で言ってしまえば、方向的には
キャッチーなアメリカン・ハード・ロックと言えるものだが、
WINGERやDOKKEN的な色合いはそれ程なく、かなり幅広い音楽性を
見せている。Dark Place等は、キャッチーなメロディを
入れてはいるが、かなりモダンなヘヴィ・ロックと言う
感じがするものだし、Masqueradeはブルージィな
ハード・ロックと言う風に、かなりバラエティ豊かな作品に
仕上がっている。この作品では彼自身がボーカルを取っているが、
アルバムの色合いには合っていると言って良いだろう。[82]
HUMANRACIST / REIGN OF EREBUS
イギリスのブラック・メタル・バンドのデビュー盤。方向的には
北欧型のブラック・メタルと言えるもので、キーボードを
フューチャーした荒涼としたメロディと、ブラック・メタルたしい
狂気を散りばめたアルバムと言って良いだろう。攻撃的な
ブラスト・ビートを前面に押し出したサウンドは、如何にも北欧の
ブラック・メタル・バンドらしい、カオチックで強烈な邪悪さを
滲ませている。この手のバンドだけに大衆性は全くないにしても、
アルバムの完成度の高さは新人としては郡を抜いているだけに、
このジャケットのチープさは非常に残念だし損をしていると思う。
[81]
THE ARRIVAL / REQUIEM
フィンランドのパワー・メタル・バンドのデビュー盤。音楽的には
ベースにジャーマン・パワー・メタルを敷きながら、そこに
北欧らしい哀愁味のある叙情的なメロディを被せていると
言うところだろう。そこに更にネオ・クラシカル的なギターを
加えている。こてこてで大仰なメロディを更にオペラティックに
仕上げているので、物凄く臭さを感じる作品となっている。
楽曲的には新鮮味は欠けるが、ドラマティックで出来自体は
悪くないし、アップ・テンポで扇情感もあるだけにぐいぐい
引っ張っていってくれるので、この芋臭さが気にならなければ十分
楽しめるだろう。[81]
THUNDERBLAZE / REPTILIAN
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドの2ndアルバム。
元POLE POSITION、MAJESTICのボーカリスト、JONAS BLUM、
元MAJESTICのドラマー、JOEL LINDER、現MIDNIGHT SUN、
OPAS ATLANTICA、THE FLOWER KINGSのベーシスト、
JONAS REINGOLD、元POLE POSITIONのギタリスト、LASSE BOQUIST
等によるバンドで、今作より元ESPINOZA、MAJESTICの
PETER ESPINOZAが加入している。JONAS REINGOLDが
参加しているものの、コンポーザーとしてはJOEL LINDERと
LASSE BOQUISTがイニシャティヴを取っている。前作での
ネオ・クラシカル的な要素はほとんどなく、キャッチーで叙情的な
メロディのヘヴィ・メタルを聴かせてくれている。
アップ・テンポでノリが良く、これはこれで悪くない出来だ。[80]