STRANGER IN THIS TOWN / RICHIE SAMBORA
アメリカのハード・ロック・バンド、BON JOVIのギタリストによる
1991年にリリースされた初のソロ・アルバム。方向的には
BON JOVIの様なハードさはほとんどなく、ややブルージィな
エッセンスを出した、枯れたアメリカン・ロックと言う感じの
作品に仕上がっている。しみじみとしたブルーズ・ロックで、
BON JOVIでのキャッチーな楽曲を期待すると外すだろう。BON JOVI
後期のよりアメリカン・ロック的な作品とも違い、もっと枯れた
味わいが出ており、うら侘しい情感の感じられるアルバムだ。
ボーカルも彼自身が取っているが、JON BON JOVIよりは上手い
位で、悪くない。[81]
THUNDER STEEL / RIOT
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1988年にリリースされた
4年振りの7thアルバム。ほぼ解散状態にあったのだが、実力派の
ドラマー、BOBBY JORZOMBEKとハイ・トーン・ボーカルを駆使する
TONNY MOOREが加入している。Sign Of The Crimson Storms等は
珍しいタイプの楽曲と言えるが、方向的には彼等らしい
アップ・テンポの疾走型ヘヴィ・メタルと言えるが、解散
状態だった4年間に古臭さがかなり抜けて、現代的な
ヘヴィ・メタルを聴かせてくれる様になっている。その分芋臭さは
抜け、より垢抜けた感じのするアルバムに仕上がっている。[82]
NIGHTBREAKER / RIOT
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1993年にリリースされた
3年振りとなる9thアルバム。TONNY MOOREは脱退し、新たに
ボーカリストとしてキーボードのMICHAEL DiMEOが担当している。
TONNY MOOREと比べると、MICHAEL DiMEOのボーカルは高音がやや
苦しそうだが悪くない。DEEP PURPLEのBurrnをカバーをしており、
Nightbreakerを始め、彼等らしい硬派なアップ・テンポの
ヘヴィ・メタルを聴かせてくれている楽曲もあるが、バラードの
In Your Eyesやミドル・テンポのMedicine Man等、全体的に
メロディを押し出した楽曲が主流になっており、方向性の変化が
感じられる作品となっている。[81]
THE DAILY HORROR NEWS / RISK
ドイツのパワー・メタル・バンドの1988年にリリースされた
デビュー盤。方向的にはいわゆるジャーマン・パワー・メタルとも
言えるもので、HELLOWEEN的なドラマティックなパワー・メタル的
エッセンスが感じられる作品だ。ただ、HELLOWEENと違うのは、
彼等の音楽的スタイルがリフを中心としており、HELLOWEENをより
スラッシュ・メタル的なものにしている事だろう。その分ハードで
コアな作品に仕上がっているが、HELLOWEENと比べるとメロディの
出来はまだまだと言う部分があるし、アレンジ面でまだまだ課題が
感じられる。とは言え、こう言ったアイデアは面白いと思うし、
それを如何に活かせるかで大きな成長を遂げれると思えるのだが。
[77]
HELL'S ANIMALS / RISK
ドイツのパワー・メタル・バンドの1989年にリリースされた
2ndアルバム。方向的にはジャーマン・パワー・メタル的な
エッセンスを持ちながらも、スラッシィなリフを中心とした
サウンドだ。基本的には前作の延長線上と言える作品だが、
前作よりもよりリフを前面に打ち出しており、攻撃的な
スラッシュ・メタルと言った方が良いだろう。ややコアな部分が
表に立っていて、やや芋臭さの感じられる
作品となってしまっている。ジャーマン・パワー・メタルと
スラッシュ・メタルの融合と言うアイデア自体は良いと
思うのだが、アイデアを活かしきれていないと言う印象を受ける。
[76]
RIVERDOGS / RIVERDOGS
アメリカのハード・ロック・バンドの1990年にリリースされた
デビュー盤。元々ベーシストのNICK BROPHYとボーカリスト兼
ギタリストのROB LAMOTHEと言う2人組みのユニットだったが、
WHITESNAKEを脱退したVIVIAN CAMPBELLが加入してデビューする
事となった。方向的にはブルージィなハード・ロックで、
WHITESNAKEと比べるとアコースティック・ギターも用いながら、
よりシンプルなブルーズ・ロックを聴かせてくれていると言って
良いだろう。アメリカ的な空間の広がりが感じられる
ブルーズ・ロックだが、楽曲によっては憂いがかなり効いている。
[81]
BONE / RIVERDOGS
アメリカのハード・ロック・バンドの1993年にリリースされた
2ndアルバム。前作では、VIVIAN CAMPBELLが参加したことで一躍
名をはせた感があるが、結局VIVIAN CAMPBELLの参加は
一時的だった。ハード・ロックとは言っても、かなり普遍的な
アメリカン・ロックと言った感じで、ソリッドな作品に
仕上がっている。NICK BROPYのギターのメロディアスな味付けが
実に良く、キーボードの微妙な味付けも良い感じだ。
派手さはないものの、しんみりと歌い上げるボーカルも情感が良く
出ており、じっくりと聴き込める味わい深い作品で、郷愁を誘う
楽曲の出来も素晴らしい。[87]
TRIALS OF TORMENT / RITUAL
ドイツのパワー・メタル・バンドの1993年にリリースされた
アルバム。ドイツと言っても、いわゆる
ジャーマン・パワー・メタルと呼ばれる様なものとは少し違い、
どちらかと言えばスラッシュ・メタルよりの正統派
パワー・メタルだ。メロディよりはのりが中心の
楽曲になっているのだが、それにしては今一つのり切れない。
ボーカルのJUAN RICARDOの声質もあって、ややエキセントリックに
感じるのも、聴くものを選ぶだろう。楽曲の出来はそこそこで、
それなりには聴けるが、平均的で面白味には少し欠ける。[79]
ABSOLUTELY / RIK EMMETT
カナダのメロディアス・ハード・ロック・バンド、TRIUMPHの
元ギタリストによる、1990年にリリースされた初の
ソロ・アルバム。前期TRIUMPHのメロディアス・ハード
路線だけではなく、後期TRIUMPHのハード・ポップ路線とも少し
違い、アメリカン・ロック的な色合いのあるアルバムに
仕上がっている。しかし、メロディのあちこちに彼らしい
キャッチーなメロディ・センスが伺える。そういう意味でも、
これはどちらかと言うと後期のTRIUMPH的な色合いがある訳で、
それを望むなら悪くない作品だと思う。これと言った
楽曲はないものの、平均的に良く出来ていて聴きやすい作品だ。[81]
2ND SHOT / RICK SANTERS
RICK SANTERSの個人名義のアルバムとなっているが、実際は
カナダのハード・ロック・バンド、SANTERSの3枚のアルバムから
選曲された編集盤の第2弾。SANTERSはRICK SANTERSとMARK SANTERS
兄弟を中心に80年代前半に活躍したバンドで、RICK SANTERSは
その当時、TRIUMPHのツアー・ギタリストとしても活躍している。
TRIUMPHと比べると、叙情的なメロディ等には
通ずるものがあるが、よりポップでキャッチーなサウンドで
固められている。アメリカン・ハード・ロック的な雰囲気で泣きの
楽曲は中々のものだ。Can't Shake Youを始め、楽曲の出来は中々
良く出来ているし、叙情派メロディアス・ハード・ロックが
好きならば満足出来る出来だろう。[87]
1ST SHOT / RICK SANTERS
カナダ人ボーカリスト、ギタリストのアルバム、と
言いたいところだが、実際は彼が率いていた
ハード・ロック・バンド、SANTERSでリリースした3枚の
アルバムからのコンピレーション盤だ。同時にもう一枚同様の
アルバムをリリースしており、このアルバムも楽曲としては申し
分ないが、どちらかと言うともう一枚の2ND SHOTの方が粒が
揃っている。とは言え、つぼを押さえたキャッチーな泣きの
メロディは今聴いても素晴らしいし、これでも十分満足
出来るだけのアルバムだと言って良いだろう。[85]
THE SPIRAL NOTEBOOK / RIK EMMETT
カナダのハード・ロック・バンド、TRIUMPHの元ギタリストの
ソロ・アルバム。TRIUMPHではポップ指向のRIK EMMETTとヘヴィ
指向の二人で対立することになり、脱退を余儀なくされたが、
バンドから離脱する原因となったようなポップなサウンドは、
このソロ・アルバムでも相変わらず健在ではある。とは言うものの
前作と比べると幾分ハードになり、それほど退屈すると言う
事はないだろう。TRIUMPH時代と比べるとより情感が増し、楽曲の
出来はさすがと思わせるものだけの事はある。落ち着いた雰囲気で
ハードさはあまりないが、出来は悪くない。[83]
THE BRETHREN OF THE LONG HOME / RIOT
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドのアルバム。RIOTに加入しての
初来日では最悪の評価だったMIKE DiMEOだが、THUNDER STEELでの
TONY MOOREのようなハイ・トーンは無理としても、これ位のキーで
スタジオ・アルバムならそれなりに歌えるということが
言えるだろう。いまやすっかりパワー・メタル的な方向性を打ち
出しているが、これはこれで悪くない。OUT IN THE FEELDの選曲は
コンセプト・アルバムということを考えなければそれほど
悪いものではないと思う。出来は決して悪い物ではないのだが、
逆にこれといったものもない。[79]
STRANGER IN US ALL / RITCHIE BLACKMORE'S RAINBOW
御大RITCHIE BLACKMOREがDEEP PURPLEを脱退し、再び自らのバンド
RAINBOWを伴っての第一弾となるアルバム。DEEP PURPLEでの
ラスト・アルバムとなったTHE BATTLE RAGES ONの
つまらなさから、彼ももう年を取ってしまってクリエィティブな
部分にはあまり期待は持てないのかなとか思えたが、単にやる
気がなかっただけではないかとこのアルバムを聴いて思える。
あの名作BENT OUT OF SHAPEと比較するのはちょっと
苦しいのだが、十分やる気を感じさせる良い
ハード・ロック・アルバムに仕上がっている。方向的には
JOE LYNN TURNER時代とRONNIE JAMES DIO時代の中間的な感じで、
DOOGIE WHITEもそつなくこなしていてさほど悪くはない。
おしむらくは名曲と呼べる飛抜けた曲がないことで、その分
RAINBOWの他のアルバムからは見劣りする事だろう。[87]
WAVE OF EMOTION / RICHIE KOTZEN
アメリカ人ギタリストのソロ・アルバム。POISONに一時期
在籍していたが、あっという間にクビになって再びソロ活動を
続けている。GREG HOWEとのコラボレート作品、TILT、
インストルゥーメンタル・アルバム、
INNER GALACTIC FUSION EXPERIENCEと立て続けに
リリースしている。ファンキーでソウルフルでブルージィな
彼らしいアルバムで、ハード・ロックからは外れた作品だ。
ブルージィ色が強い曲はともかくファンキーさが強い曲は、メタル
側のリスナーからすると聴いていて辛いだろう。このアルバムでも
彼自身がボーカルを取っており、格好の良いボーカルを
聴かせてくれている。[77]
TAMBORINE MOUNTAIN / RICK PRICE
オーストラリア人シンガーのアルバム。方向的にはAOR系の素朴な
ロックで、ハード・ロック的な素養は全くない。ピアノと
アコースティック・ギターを中心として、なんとなく
ほのぼのとした落ち着いた静かな曲が並んでいる。落ち着きすぎて
逆にメリハリがない位だし、ハード・ロック系のリスナーには
あまり興味の湧かない作品かも知れない。River Of Love等は、
優しさに溢れた叙情的なメロディの楽曲で、素朴なだけに却って
心に迫って来るものがある。ハード・ロックとはまた違った
メロディのセンスの良さが感じられる作品だ。[82]
IN CONCERT / RICK WAKEMAN
イギリスのプログレッシヴ・ロック・バンド、YESに復帰した
キーボード奏者のソロ・ライヴ盤。以前一度YESを脱退した後、
ソロ活動を行っていた時分のライブをラジオ番組の
KING BISCUIT HOUR放送用に収録した音源ををCD化したものだ。
当然と言えば当然だが、キーボードが前面に押し出された正しく
プログレッシヴ・ロックと言った内容のライヴで、その
キーボード・プレイは圧巻だ。ただし、あくまでも
プログレッシヴ・ロック然とした内容で、純粋な
プログレッシヴ・ロックが好きな人向けではあるが。[86]
RITUAL / RITUAL
スウェーデンのプログレッシヴ・ロック・バンドのデビュー盤。
楽曲はテクニカルな面も見せながらテンポ良く進んで行き、非常に
こぎみ良いサウンドだ。メロディは非常に判りやすい
印象的なもので、PATRIK LUNDSTROMの声質もあいまって、軽い
浮揚感を感じさせるが、場面場面ではハード・ロックにも
通ずる様なハードさを感じさせる部分もある。特に
Solitary Man、一種プログレッシヴ・ヘヴィ・メタルと呼べる様な
ヘヴィな展開がある。またPATRIK LUNDSTROMもそれに合わせて
時には軽やかに、時にはワイルドな歌唱を聴かせてくれる。[80]
SOMETHING TO SAY / RICHIE KOTZEN
Shrapnel系ギタリストとして名を売り、その後POISONに
加入したものの、すぐ脱退したアメリカ人の8thソロ・アルバム。
アルバムごとにテクニカルなギター・アルバムを作ったり、
ブルージィなロック・アルバムを作ったりと、方向性が今一つ
定まらないが、今作は前作の延長線上とも言える
ブルーズ/ロック・アルバムである。THE BLACK CROWESの
けだるさを抜いてめりはりを少しつけたような内容で、
ギター・アルバム的な色彩は丸でない。ブルーズ・ロックとしては
楽曲、内容はソウルフルでまずまず良く出来ている。[81]
AMONG THE ELEMENTS / RICOCHET
ドイツのプログレッシヴ・ヘヴィ・メタル・バンドの1995年に
リリースされたデビュー盤。いわゆるDREAM THEATER系の
バンドなのだが、その割には演奏がしおしおなのはいかんとも
しがたい。この手としては割と柔らかめで、難しい事はほとんど
やっていないのだが、むしろやりたくても
出来なかったのかもしれない。その意味では無理に難しい事を
やらなかっただけ正解だと思う。キーボードがもたっとした
音色で、むしろ邪魔に感じるのは何とかしてもらいたいし、
ボーカルもあんまりうまいとは言えない。でもその割に楽曲は、
それなりに聴ける出来に仕上がっていてメロディ・センスは
悪くないと思うのだが。[75]
FIRE DOWN UNDER / RIOT
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1981年にリリースされた
3rdアルバム。今も活動を続ける大ベテラン・バンドだが、この
頃は今とだいぶ感じが変わり、どちらかと言うとロックンロール
色の強い作品となっている。この頃から比べると音楽性は大きく
変化しており、今の彼等を求めるならば、到底お奨め出来ない。
楽曲によってはやや軽く感じなくもないが、のりの良さがあり、
曲の出来はまずまずで、音質は酷いと言うほどでもないが、
良くもない。ボーナス・トラックとして、その当時録音された
全くの未発表音源が5曲収録されていてお得だ。[82]
INISHMORE / RIOT
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドのアルバム。方向的にはやや
変化が感じられ、Angel Eyesを始め、YNGWIE J.MALMSTEENを思い
起こさせるようなクラシカルな楽曲が収められているが、そう言う
変化を選んだ真意が今一つ見えてこない。ボーカルのMIKE DiMEOも
彼としてはそれなりにこなしてはいるが、MARK REALEのギターに
負けていると言う印象はいがめない。確かに楽曲はそれなりに
良いし、出来自体も悪くないのだが、ほとんどにおいて可も無し
不可も無しという感じで、MARK REALEのギター以外に引き
付けてくれるものが感じられないのが残念だ。[79]
UNDISCOVERED SOUL / RICHIE SAMBORA
BON JOVIのギタリストの6年振りの2ndソロ・アルバム。
ハード・ロック的な要素はまるでなく、BON JOVI等よりよほど
静かで落ち着いた感じがする。You're Not Alone等のように少しは
ハードなギター・プレイを見せる部分もあるが、全体的に
アメリカン・ロックと言う感じの印象の方が強い。明るく渇いた
落ち着いた感じの楽曲が中心で、いかにもアメリカの広々とした
大地を思わせるようなブルーズ・ロックだ。楽曲の出来は
それなりに良いが、ファンからすると今一つ盛り上がりに欠け、
落ち着き過ぎと言う印象を受けるかもしれない。[80]
SHINE ON / RIOT
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドによるライヴ・アルバム。
今年の1月に行われた日本公演の模様を収めたもので、新作の
INISHMOREからの楽曲が中心だ。いつも問題にされるMIKE DiMEOの
ボーカルだが、自身が加入後の楽曲がほとんどだけあって、それ程
気になる所は多くない。BOBBY JARZOMBEKはPETE PEREZと
WATCH TOWERのギタリストである弟のWATCHTOWERの
RON JARZOMBERKと共にプロジェクト・バンドのSPASTIC INC.で
アルバムを出しているが、このアルバムでこのバンドのリズム隊が
とてつもなくうまいという事を認識させてくれた。さすがに
あれだけの力量があるだけあって、ライヴでもきっちりと
締まっている。[82]
UNDISCOVERED SOUL 1998 TOUR EDITIONAL / RICHIE SAMBORA
アメリカのハード・ロック・バンド、BON JOVIのギタリストの
1997年にリリースされた2ndアルバムに、ボーナスCDを付けた
2枚組みの来日記念盤。ボーナスCDは1991年にサンディエゴで
行われたライヴの模様を収めたもので、初めてのソロ・アルバムを
リリースした頃と言うだけあって、BON JOVIのヒット曲、
Bad MedicineやI'll Be There For Youをやっている。中々
パワフルな歌声で、彼が歌うBON JOVIの曲というのもまた違う
味があって良い。バンドより更に素朴さを感じさせる
アメリカン・ロック的なライヴはしみじみとしていて良い。[83]
THE HIGHEST LAW / RITUAL CARNAGE
日本のスラッシュ/デス・メタル・バンドの1stアルバム。バックの
サウンドは完全にスラッシュ・メタルで、この出来が中々
素晴らしい。この手のものとしてはかなりスピーディな
アップ・テンポの楽曲で構成されており、この疾走感には
圧倒される。ギター・リフも実に格好良いし、織り込まれている
メロディも実に良い。メロディがかなり全面に押し出されている
割には、ブルータリティな色合いがあり、軟弱な感じが
全くしないのは評価出来る。DAMIAN MONTGOMERYのボーカルも、
デス・ボイスと言うよりはシャウトに近く、聴きがたいと言う
感じがないし、サウンドに合った迫力があって良い。ただ、
全体的に音のバランスが悪いと言うのが非常に残念だ。[82]
BEST COLLECTION / RITCHIE BLACKMORE
DEEP PURPLE、RAINBOW等で活躍するイギリス人ギタリストの音源を
集めた1995年にリリースされたアンソロジー集。RAINBOW、
DEEP PURPLEでのライヴの他に、メジャー・シーンに登場する
以前のHEINZ、THE OUTLAWS、BOZ、SCREAMING LORD SUTHと言った
バンドでの音源も含まれている。DEEP PURPLE以前の音源は
ハード・ロックとは離れたサウンドで、資料的以上の
価値があるとは言い難い。StargazerやMistreatedのライヴは
いずれも15分の尺があり、特にイントロが冗長すぎると言う感が
拭えないが、こうやって大作、Stargazerのライヴを聴くと
圧巻だ。[79]
RITCHIE BLACKMORE AUTHOLOGY VOL.1 / RITCHIE BLACKMORE
DEEP PURPLE、RAINBOW等で活躍しているイギリス人ギタリストの
過去のマテリアルを集めたアルバム。RAINBOW、DEEP PURPLE時代の
ライヴに、有名になる以前に参加したHEINZ、THE OUTLAWS、
GLENDA COLLINSと言ったアーティストの音源と言った
構成になっている。DEEP PURPLE以前のものは、
ハード・ロックでもないし、はっきり言ってどうと言う
程のものではなく、彼がギターを弾いていると言う資料的な価値
以上のものはない。RAINBOW、DEEP PURPLE時代のライヴ音源は
やはり脂ののっていた時代だけに聴きごたえがある。特に幕開けの
SE、Over The RainbowからKill The Kingへの展開は今聴いても
素晴らしい。[79]
ANTHOLOGY VOL.2 / RITCHIE BLACKMORE
DEEP PURPLE、RAINBOW等で活躍しているイギリス人ギタリストの
過去のマテリアルを集めて1995年にリリースされたアルバムの
第2弾。音源はHEINZ、THE OUTLAWS、BOZ、THE LANCASTERS、
RONNIE JONES等、全てDEEP PURPLEに参加する以前のもので、
おおよそハード・ロックとは言い難い物ばかりだ。ただ、
RITCHIE BLACKMOREらしいギター・プレイもあり、特に
THE OUTLAWSのShake With Meは、当時としてはかなりヘヴィで
ノイジィなサウンドだし、THE BLACKMORE ORCHESTRAのGetawayも
DEEP PURPLEを思わせるギター・フレーズが飛び出してくる。
THE LANCASTERSのSatan's Holidayはクラシック曲をそのまま
使ったギター・インストルゥーメンタル・ナンバーだ。資料的な
価値と言う側面の大きな作品だが、それなりに興味深い作品だ。
[75]
SHINE ON / RIOT
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドのライヴ・アルバム。1998年の
1月に行われた、日本公演の模様を収めたもので、1998年に
リリースされた日本盤とはフォーマット違いになっている。
Watching The SignsとNightbreakerが外れ、代わりに
Swords And TequilaとOutlawが収録されている。両方とも、うまく
編集してあるので、流れ的にそれ程、気になる事はない。
INISHMOREからの楽曲が中心なので、古くからのファンにはやや
物足りない選曲かもしれないが、出来自体は決して悪くない。
既に日本盤を持っているファンが多いだろう事を考えると
コレクターズ・アイテムを超えないかも知れないが。[81]
RESTLESS BREED / RIOT
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1982年にリリースされた
アルバム。ボーナス・トラックとして、ミニ・アルバムの
RIOT LIVEを全曲収録している。今とはまだ方向性は全く違うが、
NARITA等の頃よりは、愁いの強いメロディの楽曲が中心で、
それまでのよりロックンロール色を全面に押し出していた
サウンドより聴き易いだろう。とは言っても、これまでの
ロックンロール色が全く消えてしまった訳ではない。荒々しさを
押えた作品作りになっているだけに、ロックンロール色の強い
楽曲は今一つめりはりに欠けるが、メロディ中心の楽曲はより
情感が出ているし、今は亡きRHETT FORRESTERのボーカルも味わい
深い。[81]
RETURN TO THE CENTRE OF THE ERATH / RICK WAKEMAN
イギリスのプログレッシヴ・ロック・バンド、YESの
元キーボードによるソロ・アルバム。25年前に作成され、1500万枚
以上を売り上げた大ヒット・アルバム、
JOURNEY TO THE CENTRE OF THE EARTHの続編となる作品だ。
ギター、ベース、ドラムに加え、ロンドン交響楽団、イギリス室内
合唱団まで加わった超怒級の構成だ。ナレーションが楽曲と交互に
入り、インストルゥーメンタルのものと、楽曲は
ボーカルのあるものからなっている。オーケストラを配した楽曲の
出来は素晴らしいし、合唱隊が非常に良い色合いを出している。
メタル系のリスナーで、一番気になるのは、OZZY OSBOURNEが
ゲスト・ボーカルとして参加しているBURIED ALIVEで、まるで彼の
曲の様にはまっている。更に合唱がOZZYのパートを歌うあたりは
圧巻とも言える感じで、一聴の価値はある。[85]
SONS OF SOCIETY / RIOT
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドのアルバム。方向的にはやや
クラシカルな感じのする、これまでの路線を踏襲した、
オーソドックスなヘヴィ・メタルだ。愁いを帯びたメロディの
楽曲は決して悪くないし、バックの演奏も全く問題無いのだが、
それにしてもこの盛り上がりのなさはどうだろう。MIKE DIMEOの
表現力のないボーカルが、悪い形で出てしまっており、
抑揚のなさばかりが感じられる。前作では、アイリッシュ的な
要素を持ち込んで、目新しさを感じさせたが、このアルバムは
悪い意味で工夫がない。部分部分を取れば、評価出来る
要素があるだけに、こう言う結果になってしまったのは残念だ。
[79]
RAW QUARTET / RIK EMMETT
カナダのハード・ロック・バンド、TRIUMPHの元ギタリストの
6thソロ・アルバム。ここ最近のソロ作品にそった方向性で、
TRIUMPH時代のメロディアス・ハードやハード・ポップと言った
部分は微塵も感じさせない、ブルーズ・ロック・アルバムだ。
インストルゥーメンタルのThe Lsat Goodbye等は、
Midsummer's Daydreamを思い起こさせる部分もあるが。全体的に
ロックンロール的な色彩が強いが、楽曲によっては結構
ハードだし、エモーショナルなギター・プレイを聴かせてくれる。
歌ものの比重も高いし、それなりに聴いてはいられるが、
特別どうと言う程の内容ではない。[80]
EVERY NEVER ALIVE / RITUAL CARNAGE
日本のデス/スラッシュ・メタル・バンドの2ndアルバム。
DAMIAN MONTOGOMERY SHAWのボーカルは、デス・ボイスと言う程
歪ませておらず、吐き捨て型の迫力のあるシャウトを
聴かせてくれているし、ネイティヴな英語が有益だ。方向的には
前作の延長線上と言えるもので、速くて攻撃的な怒涛の
スラッシュ・メタルを聴かせてくれている。SLAYER程、コアに
走らず、メロディ・ラインをきちんと押し出しており、この
手のものとしては聴き易くて聴きごたえのあるアルバムに
仕上がっている。METALLICAのHit The Lightをカバーしているが、
そこでも彼等のスタイルは変っていない。[81]
THE ORACLE / RING OF FIRE
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドのデビュー盤。その実態は
元YNGWIE J.MALMSTEENのMARK BOALSの2ndソロ・アルバム、
RING OF FIREから発展したバンドだ。彼の他にも元MOGG/WAYの
ギタリスト、GEORGE BELLAS、ARTENSIONのキーボード、
VITALIJ KUPRIJと言う、層々たる面子が集まっている。メンバーを
見れば判る通り、その音楽的方向性は如何にもネオ・クラシカルと
言ったものだ。これだけのメンバーだけに演奏的には文句の付け
様がないし、楽曲のクオリティも高く、ネオ・クラシカル系の
ファンであれば聴いて決して損はしない。エッヂが効いていて、
勢いの感じられるプロダクションも非常に良い。[86]
RIOT IN JAPANーLIVE!! / RIOT
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1992年にリリースされた
ライヴ盤。レーベルからリタイアし、リリースまで間が
開いてしまったが、1990年に行われた日本での公演の模様を
収めたものだ。DATのライン録りで、しかも2トラックなだけに、
プロダクションははっきり言って良いとは言えないが、酷いと言う
訳でもない。オバーダブも一切ないので、演奏自体にも粗が
目立つが、その分ライヴの生々しさもある。完成度はともかく、
ライヴをそのまま味わうと言う事では意義があるだろう。
MARK REALEのハイ・トーンも一応出ているし、選曲も新旧取り
混ぜて悪くない。[78]
THE GREATEST HITS...ALIVE / RICK SPRINGFIELD
オーストラリア人シンガー・ソング・ライターのライヴ盤。
2000年に行われたアメリカでの公演の模様を収めたものだ。
甘いマスクで俳優としても活躍し、1980年代に一世を風靡した、
Don't Talk To Stranger等のヒットで知られるシンガーで、往年の
ヒット曲を並べた、正にそのタイトルに相応しい内容だと
言えるだろう。ポップ・ソングではあるが、メロディアスで適度に
ハードで、結構聴き応えはあるはずだ。特にLiving In Ozや
Affair Of The Heart等は、憂いもあって日本人好みと
言えるだろう。全体的にメロディの秀逸で、パワー・ポップ辺りの
ファンならば今聴いても違和感はないだろう。[85]
UNITED BY FATE / RIVAL SCHOOLS
アメリカのオルタナティヴ・ロック・バンドのデビュー盤。
GORILLA BISCUITS、QUICKSANDの元ボーカリスト、
WALTER SCHREIFELSを中心とするバンドで、そう言った
ポスト・パンク的な風味も残しているが、どちらかと言うとより
オルタナティヴ・ロック色合いが強く出ていると言って
良いだろう。憂いを強く感じさせながら、変に洗練され
過ぎてもおらず、朴訥とした感じは好感が持てるし、楽曲の出来も
悪くない。ポスト・パンく的な色合いがあるため、結構ハードな
サウンドに仕上がっており、聴き応えもあるアルバムだ。[80]
BURNING LIVE IN TOKYO 2002 / RING OF FIRE
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの2枚組みライヴ盤。2002年に
行われた日本での公演の模様を収めたものだ。何よりも
特筆すべきは、ARTENSIONを含め、今まで何度となく来日する
機会がありながら諸事情で来日する事が出来なかった、
クラシック・ピアニストとしても知られる、ウクライナ人
キーボード、VITALIJ KUPRIJが来日を果たした事だろう。
2枚組みと言う事で、各自のソロ・パートも含め、ライヴの
大部分が納められているのは嬉しい。実力派のミュージシャン
達によるバンドだけあって、演奏的にもそのレベルの高さを
感じさせるライヴ・パフォーマンスだ。[86]
THROUGH THE STORM / RIOT
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの3年振りとなるアルバム。
ドラマーのBOBBY JARZOMBERKがHALFORDの活動のため参加出来ず、
今作より元RAINBOW、BLACK SABBATH、BLUE OYSTER CULTの
BOBBY RONDINELLIが加入している。BOBBY JARZOMBERK程の
テクニカルなドラマーではないが、BOBBY RONDINELLIも
ベテランらしい安定感が感じられる。MARK REALEの
ギター・プレイはこれまでと少し変化が感じられ、やや
MICHAEL SCHENKERっぽく感じられるところがあるが、UFOの
Only You Can Rock Meをカバーしている事を考えると、
意識してやっているのだろう。従来の彼等らしいところも
そこかしことあるのだが、その分彼等としての統一性が欠けている
様に感じられるのが残念だ。[80]
THE BIRTH OF TRAGEDY / RITUAL CARNAGE
日本のスラッシュ・メタル・バンドの3rdアルバム。日本の
スラッシュ・メタル界に置いては、最早飛び抜けた存在と言って
良いだろう。オールド・スクール系のスラッシュ・メタルで、古き
良き時代のスラッシュ・メタルを再現している。前作と比べると
よりシンプルでストレートになった印象を受けるが、こう言った
オールド・スタイルを目指す上で、意識してやっているのだろう。
そのためか、DANNY CARNAGEのボーカルも、だみ声を押さえて、
よりストレートなボーカルを聴かせる様になっている。ドラムの
パカパカした音だけがやや気になるのが残念だが、全体的な
レベルは高い。[82]
DREAMTOWER / RING OF FIRE
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの2ndアルバム。元
YNGWIE J.MALMSTEENのボーカリスト、MARK BOALSとARTENSIONの
キーボード、VITALIJ KUPRIJを中心とした
プロジェクト・バンドだ。今作ではGEORGE BELLASに代わって
TONY MacALPINEがギターを弾いている。楽曲自体はその
TONY MacALPINEとドラマーのVIRGIL DONATI。VITALIJ KUPRIJが
均等に書いているが、基本的にはネオ・クラシカル系の
テクニカルなヘヴィ・メタルと言ったところだ。唯一、
My Deja Vuだけはポップで意表を突かれるが、それを書いたのが
VITALIJ KUPRIJだと言うところが面白い。これだけのメンバーが
集まっているだけあって、さすがにレベルは高いのだが、
テクニカルな方向に頭が向き過ぎたのか、楽曲自体アレンジ不足と
言う気がしないでもない。[83]
TATTOOS AND ALIBIS / RICKY WARWICK
イギリスのヘヴィ・メタル・バンド、THE ALMIGHTYの
ボーカリストによる初のソロ・アルバム。やっている事は
THE ALMIGHTYとはかけ離れたもので、アコースティック・ギターを
中心とするハートフルなカントリー・ミュージックを
聴かせてくれている。DEF LEPPARDのボーカリスト、JOE ELLIOTTが
プロデュースしているだけあって、ボーカル・ライン等には
それっぽさを感じさせるところもある。ヘヴィ・メタル的な
エッセンスは全くないので、彼のファンが聴いたら面食らうかも
知れないが、非常に味わいのある渋いアルバムに仕上がっている
事は確かだ。[81]