イギリスのハード・ロック・バンド、LED ZEPPELINの 元ボーカリストによる1990年にリリースされた2年振りの 5thソロ・アルバム。拡散的な音楽性を見せながらも、 ブリティッシュ・ブルーズをベースにしたハード・ロックを 聴かせてくれていたLED ZEPPELINとは異なり、ソロになってからの 彼はヘヴィではあるがファンキーなサウンドに終始していたが、 この作品もその延長線上と言える作品に仕上がっている。旧来の LED ZEPPELINのファンには、こう言った音楽性には違和感を 感じるかも知れないが、過去に囚われずに貫く姿勢は好感が 持てるし、出来も中々のものだ。[82]
イギリスのハード・ロック・バンド、LED ZEPPELINの 元ボーカリストによる1993年にリリースされた3年振りの 6thソロ・アルバム。LED ZEPPELIN解散後、それぞれ LED ZEPPELINとは異なったスタンスで活動して来たが、彼はその 中でも最も成功を収めたと言って良いだろう。幾分 ヘヴィではあるものの、ファンキーな色合いを押し出したロック 作品を聴かせてくれている。これをハード・ロック側の LED ZEPPELINファンが聴いて楽しいと思えるかどうかは甚だ 疑問だが、アルバム自体の出来は流石と思わせるものだけはある。 [81]
アメリカ人ギタリストの1994年にリリースされたソロ・アルバム。 大ベテランとも言うべき、ブルーズ・ロックのギタリストだが、 ベテランらしい枯れた深みのあるブルーズの味わいと、彼の熱い ギター・プレイが魅力的だ。インストルゥーメンタル・ナンバーも 2曲含まれているが、基本的には歌ものと言って良いだろう。とは 言え、安易にポップなものには走らず、あくまでも ホワイト・ブルーズ・ロックを前面に押し出した 作品となっている。ベーシストのLIVINGSTONE BROWNがボーカルを 取っている様だが、しゃがれたソウルフルなボーカルがまた 味がある。[82]
オランダのヘヴィ・メタル・バンド、ZINATORAの 元キーボードによる1991年にリリースされた初のソロ・アルバム。 この作品では、キーボード、ボーカルはもちろん、ギター、 ベースも演奏しており、マルチ・ミュージシャン振りを 見せてくれている。方向的にはZINATORA的な部分はなく、かなり QUEEN的な色合いの濃い作品に仕上がっていると言って 良いだろう。特にコーラスの使い方等はそう言った色合いが 強いし、メロディにもそう言った部分がある。だがQUEENと 比べると、より叙情的で砂糖菓子の様な甘い メロディとなっており、それがこの作品の特徴となっている。[80]
オランダのヘヴィ・メタル・バンド、ZINATORAの 元キーボードによる1993年にリリースされた2年振りの 2ndソロ・アルバム。デビュー盤ではほとんどのパートを 自らこなし、まさしくソロ・アルバムと言った様相だったが、 今作ではバンドに近い形態となっている。彼の音楽の根底には、 QUEENと言うルーツが存在するが、彼の声質もあって、より 甘ったるい感じのする作品に仕上がっている。前作と比べると、 アコースティック・ギター等も導入していたりと、より幅の 広がりの感じられる作品で、QUEENと言う色合いも前作程強い 訳でもない。[82]
オランダ人ボーカリストによる1994年にリリースされた ミニ・アルバム。元ZINATORAのキーボード奏者としても知られる マルチ・ミュージシャンで、これはそのアルバム・タイトルが示す 通り、デモが3曲、ライヴが3曲の全6曲と言う構成になっている。 デモはソロ・デビュー作からのI Belive In YouとOne Day、 Heaven Is Callin'で、ほぼ完成に近い仕上がりだ。ライヴは 1994年に行われたMEGA ROCK EXPERIENCE FESTIVALに 出演したときの模様を収めたもので、彼のソロとしては初のライヴ 音源だけにコレクターズ・アイテムとは言え興味深い。[80]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1992年にリリースされた デビュー盤。ロック界で知る人ぞ知る超大物プロデューサー、 BOB ROCKが自らギタリストとして結成したバンドで、当然 プロデュースも彼自身がやっている。方向的にはロックンロールを 主眼に置いたもので、のりの良いものに仕上がっている。 バット・ボーイズ・ハード・ロックンロールとは違い、やや ブルーズっぽいエッセンスが少しだけ感じられ、THE QUIREBOYSを アメリカ風にしてブルーズ色を薄くした感じと言えば 良いだろうか。楽曲的には飛び抜けた曲はないが、彼が プロデュースしているだけあって、安心して聴いていられる 出来だ。[80]
ドイツのハード・ポップ・バンドの1992年にリリースされた 2ndアルバム。音楽的にはややアメリカナイズされたキャッチーな メロディのハード・ポップを聴かせてくれている。Heavenの様な 泣きのバラードから、Hot Nights In Africaの様な アップ・テンポののりの良い楽曲までバラエティも豊かだ。 この手のものをやっているだけあって、メロディ・センスは流石と 思わせるものがある。ROKO KOHLMEYERのボーカルはやや ねちっこいところがあって、それ故の情感も感じられる。 楽曲によっては、JADED HEARTっぽさも感じられる部分もある 作品だ。[84]
ドイツのハード・ポップ・バンドの1994年にリリースされた 2年振りの3rdアルバム。叙情的で憂いを帯びたメロディは 変わりないのだが、今作ではかなりダークな雰囲気に満ちた 作品となっており、そのポップ性はかなり影を 潜めてしまっている。時代の流れに逆らえなかったと 見るべきなのかも知れないが、彼等の持ち味の半分をなくしたも 同然で、彼等のファンからすると残念な傾向と言えるだろう。 メロディ・センスは相変わらず流石と思わせるところがあり、 楽曲的には決して悪い作品ではないだけに何とも惜しまれる。[80]
ドイツのヘヴィ・メタル・バンドの1993年にリリースされた デビュー盤。方向的には非常にオーセンティックで ドラマティックなヘヴィ・メタルをやっており、ロック・オペラ 的な楽曲はSAVATAGE辺りに近いと言えるだろう。特にやや だみ声っぽいJAN BARNETTのボーカルが、そう言った感をより一層 強くしている。そこにジャーマン・メタルらしい叙情性加えた、 ややダークな感じのするヘヴィ・メタルだが、 Candle In The Rainの様な、やや趣の異なる バラードもやっていたりする。FREDY DOERNBERGのキーボードは、 ややプログレッシヴ・メタル的な色合いを付けている部分もある。 [82]
ドイツのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた 2ndアルバム。前作ではかなりSAVATAGE的なオーセンティックで ドラマティックなヘヴィ・メタルを聴かせてくれていたが、 今作ではやや趣が異なりSAVATAGE的な色合いはかなり減じている。 そのためロック・オペラ的な感じは残ってはいるものの、 プログレッシヴ色が強くなっている楽曲もあり、よりバラエティに 富んだものとなっていると言って良いだろう。Missing You等は これまでとは全く異なる楽曲もあり、逆に 散漫になってしまっているところもあるのだが、出来自体は 悪くない。[80]
オーストラリアのハード・ロック・バンドの1992年に リリースされたデビュー盤。方向的にはキャッチーなメロディの いわゆるメロディアス・ハード・ロックと言うやつで、叙情的で ポップなメロディが中々秀逸だ。全体的にレベルはまずまず 高いものの、平均的で飛び抜けた楽曲はないが、変に捻りを 入れていたりしていないし、キャッチーで聴き易い作品に 仕上がっていると言って良いだろう。楽曲によっては憂いを 効かせていて、こう言ったメロディアス・ハード・ロックの ファンに対しては全方位的に対応していると思うので、聴いて 損はないと思う。[83]
アメリカのハード・ロック・バンドの1992年にリリースされた デビュー盤。いかにもアメリカのバンドらしいハード・ロックで、 熱さの感じられるパワフルなサウンドを聴かせてくれている。 楽曲、演奏の出来も中々のものだし、プロダクションも十分満足 出来るだけのレベルで、中々質の高い作品に仕上がっていると 言って良いだろう。基本的には陽気でのりの良い楽曲ばかりで、 Rob The Cradle等はVAN HALENっぽさを感じさせるものがある。 こう言ったアメリカ的な能天気さを感じさせる、のりの良い エモーショナルなハード・ロックが好きならば聴いても 損はないはずだ。[81]
デンマークのヘヴィ・メタル・バンドの1993年にリリースされた デビュー盤。ANDRE ANDERSENのキーボードを前面に押し出した、 北欧のヘヴィ・メタル・バンドらしい、憂いのかかった叙情的で 洗練されたメロディで、彼等の特徴とも言える甘いメロディを 兼ね備えたそのスタイルはその後もずっと引き継がれている。 重厚なコーラス部は良いとして、場面によっては HENRICK BROCKMANNのボーカルが、ややだみ声がかって舌足らずな 感じがして、悪くはないがやや不満が残るところだ。やや甘過ぎる メロディも好き嫌いの分かれそうなところだが、レベルの高さを 感じさせる作品だ。[82]
デンマークのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた マキシ・シングル。2ndアルバム、CLOWN IN THE MIRRORからの 先行シングルとなるタイトル・トラックに、既発曲の アコースティック・バージョンが4曲、未発表曲の ボーナス・トラックが1曲の全6曲と言う構成になっている。 北欧メタルらしい憂いを帯びたメロディの楽曲は、 アコースティックが良く映え、ANDRE ANDERSENがピアノで 演奏しているため、アルバム程キーボードがが強過ぎもせず、 丁度良い具合だ。アコースティック作品としてはもう少しギターを 押し出しても良い様な気がするが、悪くない作品だ。[82]
デンマークのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた 2ndアルバム。方向的には前作の延長線上とも言える、 ANDRE ANDERSENのキーボードを前面に押し出した、クラシカルで 甘美なヘヴィ・メタルを聴かせてくれている。北欧メタルらしい、 叙情的な憂いを帯びたメロディだが、このバンドならでは砂糖 菓子の様な華美で甘いメロディが全面的に散りばめられており、 前作以上に好き嫌いの分かれそうなアルバムに仕上がっている。 とは言え、洗練された楽曲を始めその完成度は前作を 上回るものとなっており、前作のファンならば十分満足の行く 作品と言って良いだろう。[83]
フィンランドのハード・ロック・バンドの1993年にリリースされた デビュー盤。北欧と言うイメージからはかなりかけ離れていて、 泥臭くてブルージィなサウンドをやっている。タイトでのりが 良く、予備知識がなければ、どちらかと言うとアメリカのバンドの 様に思える。全体的にのりが良いのはもちろん、特に秀逸なのは オリジナルの雰囲気を見事に打ち壊している、SHOCKING BLUEの カバー曲であるVenusだ。重厚なギター・リフを用い、破壊的で 荒々しいVenusは何とも言えない味がある。MOUNTAINのカバー、 Never In My Lifeも聴きごたえたっぷりで、中々格好の良い作品に 仕上がっている。[82]
一月の来日公演でいきなりボーカリストがアメリカ人の D.C.COOPERに変わっていたのには驚いたが、ボーカルとしての 力量はずっと上だったので納得の行くものだった。 これはそのときのライヴと新録の企画盤だが、D.C.COOPERに 変わって初めての音源ということで非常に興味深い。 ライヴに行った人間ならどういったものだか判っているので、 興味の対象は唯一ボーカルの入った新録 Far Awayということになるだろう。この曲は阪神大震災を モチーフに書かれたもので、スロー・テンポの暗い曲だが 出来はまずまず。ボーカルもそつなく こなしているというところか。[79]
スウェーデンのスラッシュ・メタル・バンドの2ndアルバム。 楽曲的にはSLAYER的なコアなスラッシュ・メタルと言った 路線なのだが、いろいろと自らのアイデアも取り込んでいる。 かなりテクニカルで変則的なメロディは難解であり、決して聴き 易いと言うものではないが、バイオリンを導入したりと所々で 聴かせるクラシカルな部分との対比は中々面白い。 アコースティック・ギターの流麗なメロディを絡めたりと全体的に 構成は悪くないと思うが、問題はリスナーがテクニカルで変則的な メロディに耐えれるかどうかだろう。[76]
デンマークのヘヴィ・メタル・バンドの3rdアルバム。 アメリカ人のD.C.COOPERがボーカリストとして加入しての初の アルバムだが、このボーカルの交代はバンドにとって良い 結果をもたらしたと言って良いだろう。彼のボーカリストとしての 実力もさる事ながら、表現力の豊かさが楽曲に命を与えている。 方向的にはこれまで同様、ドラマティックで叙情的ながら非常に 判り易いサウンドに仕上がっており、より完成度が増した作品だ。 中心人物のANDRE ANDERSENのキーボードは、ここでも実力を 発揮しているが、これまで同様目立ち過ぎで あざとらしくもあるのが気にかかる。[85]
イエスのトリビュート・アルバムにも参加していたが、 元ALLIANCE、GTRのアメリカ人ボーカリストの4thソロ・アルバム。 プログレッシヴ・ロック的な要素はほとんどなくなり、どちらかと 言うとキャッチーでシンプルなロック・アルバムに 仕上がっている。優れたメロディ・センスを感じさせる楽曲で、 アレンジも素晴らしい。叙情的で、哀愁を感じさせる部分などは 秀逸と言っても良い位だ。個々の楽曲は良く出来ているし、 シングル・チャート向きと言ってもおかしくない内容である。彼の 透ったボーカルがまた楽曲に良くあっており、安心して聴ける アルバムに仕上がっている。[84]
アメリカのプログレッシヴ・ロック・バンドの2ndアルバム。 デビュー盤でボーカルを担当していたLANA LANEを始め3人が抜け、 メンバー補充をしていないので現在は4人編成となっている。主要 メンバーであるERIK NORLANDERは、前作リリース後、 ソロ・デビューしたLANA LANEのアルバムにも参加しており、 発展的な独立だったのだろう。LANA LANEのアルバムは、HEART風の 美しいハード・ロック・アルバムだったが、こちらはより ブリティッシュ・トラッド的な色合いを感じる、かなり プログレッシヴ・ロック色が強いアルバムだ。[84]
ROBERT PLANTがJIMMY PAGEと劇的な再合体を果たす前の1993年に リリースされたソロ・アルバムFATE OF NATIONSからの 1stシングル。彼のソロ時代はLED ZEPPELINとは明らかに異質な 世界を目指していたが、ここでもそれは変わりない。 このシングルで興味深いのはむしろシングル・カットされた曲 自体よりも、その他の曲だろう。21 YearsやDark Moonの アコースティック・バージョンの生めかしいボーカルもそうだが、 名曲中の名曲、胸いっぱいの愛をの アコースティック・バージョンが最も異彩を放っている。ここでも ZEPPELINとはまた違った方向性を見せながらも、彼のボーカルは 非常に味わい深い。ハード・ロック的な色合いは殆どないので、 それ系統の人にはあまり面白いものではないかも知れないが。[76]
デンマークのメロディアス・ヘヴィ・メタル・バンドの2枚組みの ライヴ盤。先頃行われたばかりの日本公演の模様を収めたものだ。 楽曲の良さは言うに及ばずだが、この完成度の高いライヴは賞賛に 値すると言って良いだろう。ANDRE ANDERSENの キーボード・プレイは言わずもがなだが、D.C. COOPERの ボーカルは特に本当にライヴなのかと疑う程完成度が高い。 ソロ・パートやSEまで完全盤と言う内容で、ライヴに行かなかった 人もその全容を知ることが出来る。おまけのボーナス・トラックの 新曲は特に可もなく不可もなくというところだ。[86]
バンド名を見れば一目瞭然だが1980年代前半にRAINBOWを 首になったBOBBY RONINELLIとその兄弟を中心としたバンドの デモ・テープにライヴ音源を付け足してCD化したもの。ここで 注目したいのはBAD LANDSやBLACK SABBATHで活躍するRAY GILLENが ボーカルを取っている貴重な音源だということだ。録音状態は やや不満が残るが、全体的に演奏も良く出来ていて、このバンドが デビューすることなく消えていったのは残念だ。 TEDDY RONDINELLIのギターはときによってRICHIE BLACKMOREを 思わせるプレイも出てくるが、楽曲はRAINBOWというよりはもっと アメリカンなハード・ロックという感がある。ライヴでは一曲 TEDDY RONDINELLIが歌っているが、これは興をそがれるので 止めたほうが良かったのではないだろうか。[85]
L.A.メタルのB級バンド的な扱いを受けているバンドだが、 このバンドがかつて在籍していたメンバーの活躍でそれなりに 名前は通っているほうだろう。このアルバムは再結成後初の アルバムだが、解散前の昔のテイクを集めた ライヴ・アルバムらしい。ここで注目すべきはやはり PAUL SHORTINOの非常にエモーショナルなボーカルだろう。 実力のあるボーカリストだが、ここでもソウルフルな素晴らしい ボーカルを聴かせてくれる。楽曲は全体を通して素晴らしいとは 言えないが、そのプレイはエッヂが立っていてより 引き立てている。[79]
デンマークのメロディアス・ヘヴィ・メタル・バンドの最新 アルバムからの先行シングル。内容はMessage To Godの エディット・バージョンにアルバム未収録曲の The Final Lullaby、既発のFar Awayの アコースティック・バージョンの3曲という構成だ。未発表の The Final Lullabyは、アルバムに収められていてもおかしくない 出来のバラードで、ROYAL HUNTらしい美しいメロディは十分 味わえる。Far Awayもアコースティックでやるには映える 曲だし、唯一アルバムに収められているMessage To Godは 文句のない出来で、このバンドのレベルの高さを伺える。ただ、 このくらいの長さではやはり物足りなく感じるし、パターンに はまりすぎている感じもしなくはないが。[82]
アメリカ人ギタリストによる3rdソロ・アルバム。作品的には いわゆるギター・インストルゥーメンタルと言うやつで、この 手のものとしてはかなりメタリックで、緊迫感のある メロディアスな作品となっている。しかし、最初から最後まで 変化が少なくて、どこを切っても同じような気がするのは、この 手の作品の宿命と言ってしまっても良いだろう。楽曲や演奏は それなりに楽しめるのだが、延々と変化なく進むのではさすがに 最後には飽きてくる。こう言う作品を作る位だから、テクニック 的には不満はないし、全体的に出来は悪くないのだから、もう一つ 何か決め手が欲しいところだ。[80]
HELLOWEENのドイツ人ギタリストによる初のソロ・アルバム。 いかにもHELLOWEENらしい大仰なメロディの楽曲が中心だが、 もっとクラシカルでオーソドックスな楽曲までと、これまでの 活動内容よりやや幅を広げた様な作品になっている。ボーカルが 入っているものが中心だが、ソロ・アルバムという事もあって インストルゥーメンタルも3曲入っている。面白いのは Searching For Solutionsで、コーラス部分を除いて ROLAND GRAPOWとRALF SCHEEPERSが交互に歌っているところだ。 ROLANDのボーカルもそれ程酷くはないのだが、やはりRALFの ボーカルと聴き比べると苦しいと言わざるをえない。HELLOWEENと 比べるとやや物足りなさを感じるが、ファンにはそれなりに 楽しめる作品のはずだ。[78]
デンマークのメロディアス・ヘヴィ・メタル・バンドの 4thアルバム。路線的にはこれまでと全く変らぬ、甘ったるい 叙情的でキャッチーかつ扇情的な哀愁のメロディを持ったもので、 ファンにとっては安心して聴いていられる内容だ。ポップながら ネオ・クラシカル的な色合いを持った旋律は美しいし、 ANDRE ANDERSENのキーボードを中心とした演奏も 変らずもがなだが、この甘ったるさ故に拒否反応も 出てくるのではないだろうか?メロディ・センスも全体的な 完成度も間違いなく素晴らしいのだが。[85]
元GTR、3のアメリカ人ボーカリストによる1993年にリリースされた 1stソロ・アルバム。内容は アメリカン・プログレッシヴ・ロックという感じで、2ndよりは プログレッシヴ然としている。楽曲はキーボードが思ったより 前面に出ており、ポップで叙情的なメロディのものだ。全体的に ポンプ・ロックの様な感じの整い過ぎてかえって地味な印象を 受ける楽曲が多いが、Another Manの様な大仰な大作もある。元々 メロディ・センスは見るべきところがある人なので、そういった 面では安心して聴けるが、もう少しフックの強さが欲しいような 気がする。[80]
アメリカのハード・ロック・バンドのデビュー・ミニ・アルバム。 ボーカリスト、ANDREA MANTHEYとギタリスト、BERND MANTHEYは どうも夫婦の様だ。艶やかで力強いANDREA MANTHEYのボーカルは 中々良い具合だし、楽曲の方もそれに見合ったキャッチーな メロディのワイルドなハード・ロック・ナンバーだ。楽曲は 洗練されていて、アップ・テンポでのりがあるのも評価できるし、 全体的な完成度も高く、この手のものとしては期待した通りの 出来だと言って良いだろう。JIMI HENDRIXのカバー、 Purple Hazeでもバンドの持ち味を十分生かしている。[82]
IRON BUTTERFLYにも在籍していた、アメリカの シンガー・ソング・ライターの1996年にリリースされた久々の アルバム。方向的には彼のソロとしての路線を 踏襲したものであり、キャッチーで叙情的なハード・ポップが 中心となっている。憂いを帯びた哀愁のメロディで、彼の 声質もあってかなりクールでアダルトな落ち着いた雰囲気がある。 故に、派手さはそれほどではないが、フックがあって決して こじんまりとしてしまっていないところに好感が持てる。いかにも アメリカ・ロック的な伸びやかな楽曲もあり、聴いていてなかなか 気持ちが良い。[83]
ドイツのハード・ポップ・バンドの4thアルバム。メンバーは RICKY LEEとROBERT KOHLMEYERの二人だけになっており、ドラムを 除いて全てがROBERT KOHLMEYER担当している。元々かなり甘い 叙情的なハード・ポップをやっていたものの、前作でかなり ヘヴィネスな方向へ進み、ファンの落胆を買ったが、今作では 初期とはまた少し違うもののトラッド的な雰囲気も感じる ロック・アルバムに仕上がっている。キャッチーなメロディの 朗らかな楽曲が並んでおり、全体的な出来は悪くない。情感豊かな アメリカン・ロック的な楽曲もあったりと、幅の広がりが伺える 作品だ。[84]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンド、WHITE ZOMBIEの ボーカリストによる初のソロ・アルバム。方向的には WHITE ZOMBIEの延長線上ではあるが、よりインダストリアル調を 強め、ダークな作品に仕上がっている。そのためWHITE ZOMBIE 等よりおどろおどろしい作品になっているが、WHITE ZOMBIEとは やや趣が変わる事になって、これはこれで悪くない。あの独特の グルーヴィ感も決してWHITE ZOMBIEに劣っている 訳ではないのだが、重々しい雰囲気のためにややのりが悪いように 思える。楽曲の出来は悪くないのだが、アルバムの構成としてやや 単調な感じがして、もう少し変化が欲しい。[83]
ノルウェイのヘヴィ・メタル・バンド、TNTのギタリストによる 初のソロ・アルバム。テクノ系のヒップ・ホップと言った感じの Shuffle Off To Buffaloで幕を開け、不吉な予感を憶えたが、 それはその後も変る事はなかった。わざわざソロ・アルバムを 作るのだから、TNTと同じ方向性にする必要性はないとは 思うが、あまりにも掛け離れ過ぎているように思える。ヘヴィな ギター・ソロもあったりするのだが、総じてヘヴィ・メタルとは 違う世界だ。決して悪い出来の作品ではないのだが、何故彼が今 これを作のか、その意義が判らない。Love Keeps Calling等は中々 素晴らしい楽曲だとは思うが。[80]
ジャーマン・パワー・メタル・バンド、HELLOWEENのドイツ人 ギタリストによる2ndソロ・アルバム。前作でもかなり クラシカルな香りがするアルバムではあったが、今作ではより ネオ・クラシカル的な素要が表に出た作品に仕上がっている。 HELLOWEEN的なジャーマン・パワー・メタルと言った部分は ほとんどないが、その出来はかなり素晴らしい。 インストルゥメンタルもListen To The Lyrics、1曲だけで、 完全に歌ものとして仕上がっている。ボーカルにMICHAEL VESCERA 他、ROUGH SILKのFERDY DOERNBERG、MIKE TERRANA、更には JENS JOHANSSONもゲスト参加している。非常にメロディアスで ヘヴィな作品に仕上がっており、演奏、楽曲ともかなりのレベルに 仕上がっている。日本盤にはボーナス・トラックとしてJOURNEYの Separate Waysが収められているが、これは残念ながら今一つ 面白味に欠ける。[86]
デンマークのヘヴィ・メタル・バンドの5thアルバム。 D.C.COOPERが脱退し、ボーカリストとして新たに元ARTENSIONの JOHN WESTが加入しての初のアルバムだ。バンドの支柱である ANDRE ANDERSENがいる限り、バンドの方向性は 変わらないだろうが、ボーカルの交代がどれだけ影響を及ぼすかは 気になるところだ。さすが実力者だけあって、こうやって聴いても JOHN WESTのボーカルに違和感は一切窺えない。ただ、 D.C.COOPERのボーカルが結構個性的であったため、やや 無個性になった様にも感じるが、より自然になった分、これは痛し 痒しだろう。ANDRE ANDERSENのキーボードを前面に押し出した、 愁いを含んだ甘いメロディは相変わらず良く出来ている。[84]
アメリカのプログレッシヴ・ロック・バンドの3年振りの 3rdアルバム。今や、LANA LANEのバック・バンドで、そのブレイン 的な役割を担っている事で有名になってしまっている、 キーボードのERIK NORLANDERを中心とするバンドだ。LANA LANEと 比べると、ずっとプログレッシヴ・ロック然とした作品だが、 今作ではかなりエッヂの効いた作品作りになている。 MARK McCRITEのギター等は、中々ハードなプレイで、 LANA LANEでの活動が微妙に影響を与えていると言って 良いだろう。メンバーはがらりと変ってしまっていて、もう ERIK NORLANDERのソロ・プロジェクトと言った方が良いだろう。 ゲスト・ミュージシャンも沢山参加しており、LANA LANEで 一緒にやっているNEIL CITRONを始め、元VENGEANCEの ARJEN ANTHONY LUCASSEN、元SHARK ISLANDのGREG ELLIS、 元THE FIRMのTONY FRANKLINにLANA LANE自身も参加している。[84]
元GRAND PRIX、McAULEY SCHENKER GROUPのアイルランド人 ボーカリストによる初のソロ・アルバム。 McAULEY SCHENKER GROUPが崩壊して7年、表立った 活動はなかったが、久々に健在振りを示してくれている。 ソロ・アルバムと言う形を取っているが、実際は元SURVIVORの ギタリスト、FRANKIE SULLIVAN、KISSのPSYCHO CIRCUSで ソング・ライティングを行っていた、CURT CUOMOによる コラボレーション作品と言っても良いだろう。如何にも アメリカン・ハード・ロックと言った感じだが、SURVIVORっぽさは それ程強くなく、どちらかと言うとよりロックンロール的な 要素があったりと、CURT CUOMOの影響が強い様に感じられる。 適度にバラードも織り交ぜられており、それなりに安心して聴ける 作品ではあるが、これと言った飛び抜けた楽曲もない。[80]
アイルランド人ギタリストの、2枚組みライヴ盤。ラジオ 放送用に、1971年から1986年にかけて集録されていた音源から チョイスされたものだ。方向的には、いわゆるブルーズ・ロックと 言うやつだが、かなりハード・ロック色の濃いものだが、やや ブルーズ的な色合いが濃い楽曲が中心になっている。 What In The World等は、LED ZEPPELINのナンバーを思い 起こさせる部分がある。寄せ集め的な作品なので、やや盛り 上がりに欠ける様な感じもするが、出来は中々良い。特に 1970年代の音源が中心であるのに、BBC放送用とあって、 録音状態が非常に良いのが大きい。[81]
何故か韓国のレーベルからいきなりCD化されたが、カナダの プログレッシヴ・ハード・ロック・バンドの1977年に リリースされたアルバム。哀愁味たっぷりの、叙情的なメロディの プログレッシヴ・ハード・ロック作品だ。年代通りの 古臭さはあるし、プログレッシヴ・ハードとしても、それなりに キーボードを押し出している方だが、それが気にならなければ、 哀愁の叙情派メロディが好きならば訴えるものがあるはずだ。 Ride Away等、楽曲は粒が揃っているし、 Marie(Where Have You Gone?)と言ったバラードを除けば、 全体的にアップ・テンポが中心で、一気に聴かせてしまうのが 良い。[87]
アメリカのヘヴィ・ロック・バンドの3年振りのアルバム。 今作ではMOTHER SUPERIORのメンバーがそっくり加入しているが、 そこはあくまでもHENRY ROLLINSのバンドと言う事で、 MOTHER SUPERIOR的なブルージィでBLACK SABBATHっぽさは微塵も 感じられない。勢いとのりがあって、非常にエネルギッシュな アルバムに仕上がっている。Are You Ready?等は、 WARRIOR SOULっぽいパンキッシュなヘヴィ・ナンバーでありながら メロディアスなギター・ソロを聴かせてくれていたりする。熱さを 感じさせるソリッドな作品で、楽曲を始め全体的に良く 出来ている。[83]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンド、IMPELLITTERIの ボーカリストによる初のソロ・アルバム。TRIBE OF GYPSIESの ギタリスト、ROY Zがプロデュース、作曲、演奏と全面的に製作に 関与している。その他、元OZZY OSBOURNE、BAD LANDSの ギタリスト、JAKE E.LEEがゲスト参加している。ROY Zが一緒に 曲を書いていると言っても、当然TRIBE OF GYPSIESの様な タイプのものではなく、モダンでヘヴィでメロディアスな ヘヴィ・メタル作品だ。そういう意味ではBRUCE DICKINSONでの 仕事に近いといえるが、もっとアップ・テンポな作品作りで、 IMPELLITTERIをもっとボーカル中心にした様な作品だ。[81]
イギリスのプログレッシヴ・ロック・バンド、元PINK FLOYDの中心 人物による2枚組みソロ・ライヴ盤。2000年に行われた アメリカでのツアーの模様を収めたものだ。彼のソロ作品と PINK FLOYDの楽曲からなっており、彼の魅力を余す事無く伝える、 長大な作品に仕上がっている。PINK FLOYDの名曲中の名曲、 Another Brick In The Wallを始め、選曲を始め、非常に 素晴らしいライヴ盤と言って良いだろう。楽曲によって緊張感と 開放感を与えてくれ、聴き応えが非常にある。ポップさを 持ちながらも、彼の凄さを感じさせるライヴは圧巻で、 ファンのみならずとも聴いて欲しい作品だ。[92]
デンマークのヘヴィ・メタル・バンドのミニ・アルバム。新曲が 2曲にライヴが2曲、Follow Meのアコースティック・バージョンの 全5曲と言う構成になっている。Intervention(Part 1)は、正に Part 1と言った作品で、7分近く延々と インストルゥーメンタル・パートが続いた後で、ボーカルが入ると フェード・アウトしてしまう。次作では恐らく完全な形で 収録されるのであろうが、予告編としてはファンの期待を 煽るだけの内容と言って良いだろう。ボーナス・トラックの U-TURNは、彼等としては少し特異な、ブルージィなバラードだが、 これも中々良い楽曲だ。ライヴは2000年に行われたドイツでの 公演の模様を収めたもので、録音状態も良いので聴き応えがある。 [84]
デンマークのヘヴィ・メタル・バンドの6thアルバム。音楽的には 叙情的なメロディの北欧らしい洗練されたメロディの ヘヴィ・メタルと言ったところだが、これまでキーボードの ANDRE ANDERSENの露出の高さにややうざったさを 感じるところもあった。もちろんこの作品でも彼のキーボードは それなりに前面に出て来ているが、これまでよりは 抑え目になっており、バランスが非常に良くなった様な気がする。 甘過ぎるメロディも控えめになっており、随分と聴き易くなった 様な印象を受ける。ある意味、幾分彼等らしさが失われている 訳で、ファンにとってはそう言う部分は不満に感じるかも 知れないが、より普遍的な作品に仕上がってと言って良いだろう。 上手いが地味だったJOHN WESTのボーカルとの取り合わせも 前作より遥かに良くなっており、前作よりは良い出来だと思う。 [86]
アメリカのヘヴィ・ロック・バンドの5thアルバム。方向的には 1970年代的エッセンスの強く香るヘヴィ・ロックで、 LED ZEPPELINやTHIN LIZZY、BLACK SABBATHの影響が感じられる アルバムに仕上がっている。とは言え、アップ・テンポの ハード・ロックンロールと言う要素が強い楽曲も多いので、 それ程ドゥーム・ロックやストーナー・ロックと言う 感じはないが、Going Out Strange等、単体でとれば非常に ドゥーミィだ。時にはファンキーであったり、ラウドであったり、 グルーヴィであったり、サイケデリックであったりと、中々面白い アルバムに仕上がっている。[82]
デンマークのヘヴィ・メタル・バンドのアルバム。新曲はなく、 言わば企画盤的な作品ではあるが、ミニ・アルバムの INTERVENTION、アルバムのTHE MISSIONと合わせて3部作的な 意味合いがあるらしい。INTERVENTIONで7分も延々と前奏を 続けながら、ボーカルが入った途端にフェード・アウトして謎を 呼んだInterventionの完全版が収録されており、興味はここに 尽きると言って良いだろう。14分にも及ぶ、ドラマティックで 壮大なナンバーだが、構成も見事で決して飽きさせない。残りは ライヴ4曲とバージョン違いが4曲、イントロが丸々削られた Interventionのラジオ・エディットと言う構成になっているが、 まぁおまけみたいなものだ。[81]
スウェーデンのハード・ロックンロール・バンドの2ndアルバム。 THE HELLACOPTERSに代表される様な、ハード・コア的な エッセンスを持ち込んだ爆走型ハード・ロックンロールとは違い、 ヘヴィ・ロック的なエッセンスを持ち込んだ、1970年代的な サイケデリックさとドゥーミィさを押し出した ハード・ロックンロールだ。スペイシーな浮揚感のある サウンドは、HAWKWIND辺りの影響も感じられ、中々面白い作品に 仕上がっている。非常にトリップ感のあるサウンドで ストーナー・ロックと言っても良いだろう。ハープによる インストルゥーメンタル・ナンバー、Harp等、非常に怪しさを醸し 出している。[89]
デンマークのヘヴィ・メタル・バンドのベスト盤。発表作品順に 収められているため、彼等の音楽性の変化や、ボーカルの 交代による影響が良く判って面白い。選曲も悪くないだけに、こう 言う構成は、これはこれで判り易くて初心者入門用としても 良いかも知れない。未発表音源としては、INTERVENSIONに 収められていた、U-Turnのバージョン違いとして、 インストルゥーメンタル・バージョンが収められている。 どちらかと言うとじっくりと聴かせる曲で、ボーカル・パートを 他の楽器で補っていると言う感じがするだけに、何か カラオケ・バージョンと言う気がする。[80]
イギリス人ロック・ミュージシャンのソロ・アルバム。今は亡き、 THIN LIZZYのボーカリスト、PHILIP LYNOTTのCrying Diamondsや DAVID BYRONのLearn The Dance、PETE GREENのHauntedと言った 曲をカバーとして取り上げている。そのPETE GREENや JEFF DOWNESがゲスト参加しており、アコースティック・ギターも 使って、素朴な感じのする古き良きブリティッシュ・ロックの ファンには嬉しい作品だろう。内容的にもファンク色をやや強めに 打ち出した、オールド・タイプのブリティッシュ・ロックと言う 感じで、中々郷愁を感じさせてくれるアルバムに仕上がっている。 [80]
元LED ZEPPELINのイギリス人ボーカリストによる9年振りとなる 7thソロ・アルバム。これまでのソロ・アルバムと比べると、その 心境の変化がはっきりと伺える作品と言って良いだろう。 これまでと比べると、Morning DewやSong To The Sirenと言った カバーを多用したアルバムとなっているだけに、変化が 感じられるのは当たり前かも知れないが、方向的にはどちらかと 言うと、これまでのソロと言うよりは、JIMMY PAGEとの共作である WALKING INTO CLARKSDALEの延長線上と言えるだろう。これは これまでソロではLED ZEPPELINの影を否定し続けて来ただけに、 大きな変化と言える。やや地味な感じもする作品だが、 ブルージィで憂いがあって幻想的な内容となっており、深い 味わいのあるアルバムに仕上がっている。[84]
ドイツのヘヴィ・メタル・バンドの6thアルバム。 ドラマティックなヘヴィ・メタルと言う点ではこれまでと 変わらないのだが、デビュー当時のSAVATAGE的な色合いがまた 濃くなっていると言って良いだろう。コンセプト・アルバムで ロック・オペラっぽくなっているのだが、それ以上にJOHN OLIVAが プロデュースに関係したり、ゲスト参加したりしている点が大きく 影響しているのかも知れない。但し、コンセプトに沿って様々な エスニック風のエッセンスを加えたりと、単なる物真似で 終わらず、オリジナリティを出そうとしている辺りは評価出来る。 [82]
オーストラリアの バッド・ボーイズ・ハード・ロックンロール・バンドの 18年振りとなる5thアルバム。如何にも埃っぽい、 サザン・ロックっぽさも感じさせる作品で、ミドル・テンポの 曲によっては、部分的にAC/DCっぽさを感じさせる部分もある。 ワイルドでタフなサウンドは、デビューから四半世紀 過ぎているとは思えない程、エネルギッシュでパワフルだ。 時代に迎合して音楽性を変えていたりと、昔と 変わってしまっている事も再結成したものには少なくないが、 こうも見事に昔のバット・ボーイズ・スタイルを再現してくれると 拍手を送りたくなる。[86]
イタリアのヘヴィ・メタル・バンドのデビュー盤。正統派の 勇壮なパワー・メタル的だが、そこにイタリアにおける シンフォニック・メタル的なドラマティックでメロディアスな エッセンスを持ち込んでいる。部分的にはMANOWARっぽさを 感じさせる様なボーカル・ラインやコーラスもあったりするのが 特徴的だ。全体的にアップ・テンポで勢いが良いので、パワフルで 勇壮な感じがより増してくる。やっている事等は判るのだが、 残念ながらそれについて行けていないのがボーカリスト、 GIUSEPPE "CIAPE" CIALONEの力量で、MANOWAR的なハイ・トーンを 使うには少し不安定だ。[81]
アイルランド人ギタリストのソロ・アルバム。既に本人は 故人となっているので、未発表音源を集めた作品となっている。 方向的にはいつものブルーズ・ロックとは異なり、 アコースティック・ギターを中心とした、 ブリティッシュ・トラッド・フォークと言ったものなので、彼の 哀愁を感じさせるギター・プレイを期待すると外すかも 知れないが、全体的に地味だがしみじみとした楽曲が並んでおり、 これはこれで味わいがある。普段とは趣が違うが、単に未発表 音源を集めたのとは違い、方向性にも統一性があってきちんとした アルバムに仕上がっている印象を受ける。[80]
デンマークのヘヴィ・メタル・バンドの2年振りの7thアルバム。 元ARTENSIONの元ボーカリスト、JOHN WESTが加入して随分経つが、 これまではD.C.COOPERに比べると、実力的には決して 劣っていないものの、彼の声質も相俟ってやや地味な印象を 与えがちなところがあった。今作ではそれもやっと小慣れて来た 感じで、彼のボーカルの持ち味が良く出ていて、彼の表現力が 上手く活かされていると言って良いだろう。アレンジ面でも、 ドラマティックさを押し出そうとするあまり、大仰過ぎて独り 善がりと言う感じを受けるところもこれまで多々あったが、 楽曲が良く練られていて過剰さはそれ程感じられない。基本的には これまでの延長線上と言えるもので、ジャズ等を持ち 込んだりしていたりもするが、ファンの期待を裏切らないだろう。 [85]