SHADOW GALLERY / SHADOW GALLERY

アメリカのプログレッシヴ・メタル・バンドの1992年に リリースされたデビュー盤。丁度、DREAM THEATERが IMAGES AND WORDSでブレイクしだした頃で、MAGNA CARTA レーベルの第2弾作品として、プログレッシヴ・メタルの次代の 旗手として注目された作品だ。DREAM THEATERやその他の バンドより、更にプログレッシヴ・ロック的な色合いが強い作品と 言って良いだろう。プログレッシヴ・メタルらしい難解さはより 際立っており、少し取っ付き難いアルバムかも知れない。17分にも 及ぶ、The Queen Of The City Of Iceを始め、全体的に大作指向が 感じられる楽曲が並んでいる。[82]

SHADOW KING / SHADOW KING

アメリカのハード・ロック・バンドの1991年にリリースされた 唯一のアルバム。元FORIGNERのボーカリスト、LOU GRAMMを 中心に、元WHITESNAKE、DIOのギタリスト、VIVIAN CAMPBELL等と 組んだバンドだ。LOU GRAMMが中心なだけあって、方向的には FORIGNER的な洗練されたハード・ロックを聴かせてくれている。 キーボード・パートが少ない分だけ、FORIGNERよりはもっと タイトな感じがする作品に仕上がっているが、彼らしいメロディに 溢れている。LOU GRAMMのエモーショナルなボーカルも健在で、 FORIGNER時代からの彼のファンであれば、十分納得の行く 作品だろう。[82]

RING OF ROSES / SHADOWLAND

イギリスのシンフォニック・ロック・バンドの1992年に リリースされたデビュー盤。PENDRAGONのキーボード、 CLIVE NOLANによるバンドだけあって、当然音楽的にはPENDRAGONを 思わせるものがある。この手のシンフォニック・ロックの中でも 最も爽やかさを感じさせる叙情的なメロディを特徴としている。 全体的には、憂いの入ったドラマティックな楽曲が中心だが、 The Whistleblower等の様な憂いはほとんどない楽曲もある。 PENDRAGONのファンには十分満足の行く作品だと思うし、 メロディ・センス等は流石だと思うが、ややインパクトに 欠けるのも否定出来ない。[79]

THROUGH THE LOOKING GLASS / SHADOWLAND

イギリスのシンフォニック・ロック・バンドの1994年に リリースされた2年振りの2ndアルバム。PENDRAGONのキーボード、 CLIVE NOLAN、THRESHOLDのギタリスト、KARL GROOMを中心とした バンドだ。THRESHOLD的なダイナミズムを感じさせる 部分もあるが、あの様なプログレッシヴ・メタル的な エッセンスはなく、PENDRAGONの音楽性をほぼそのまま引き継いだ 音楽性と言って良いだろう。前作よりはKARL GROOMの ギター・プレイが前面に出て来ており、ハードでより ダイナミックな作品になったが、基本的には爽やかさを感じさせる シンフォニックな作品と言って良いだろう。[80]

AMERICA THE VIOLENT / SHAKE THE FAITH

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた デビュー盤。ギタリストにはBLACK'N BLUEのTOMMY THAYERも 参加している。方向的にはパンキッシュな ハード・ロックンロールを基調としたヘヴィ・メタルだが、 バット・ボーイズ・ハードロックンロールのバンドと比べると、 もっとオーソドックスにパンク色を押し出したものとなっている。 それ故、サウンド自体は今風だが、楽曲に古臭さが感じられ、 それが受け入れられるかどうかが評価の分かれ目だろう。破天荒で 勢いは感じられるし、出来自体は決して悪くないのだが。[80]

SECOND COMING / SHOTGUN MESSIAH

スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドの1991年にリリースされた 2ndアルバム。方向的にはワイルドでテンポの良い ヘヴィ・メタルで、北欧のバンドと言うよりはアメリカのバンド 的な作品と言って良いだろう。TIM SKOLDのボーカルが、 ハスキーな事もあって、よりワイルドな感じが強くなっている。 どちらかと言うとテンポの良さを押し出した作品で、のりの良さが 良く出ている。やや土臭くいが、ギターの処理等では結構モダンな 部分もあり、かなりめりはりの効いた作品に仕上がっている。 楽曲の出来にはやや波が感じられるが、エッヂの立った中々面白い アルバムだ。[81]

VIOLENT NEW BREED / SHOTGUN MESSIAH

スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた 3年振りの3rdアルバム。メンバーはギタリストのHARRY CODYと ボーカリストのTIM SKOLDだけになっており、最早二人の プロジェクトと言ってしまっても良いだろう。北欧の バンドでありながら、アメリカを拠点に活動し、アメリカ的な ヘヴィ・メタルを聴かせてくれていたが、今作ではスウェーデンに 戻って作成されている。こう言った環境の激変もあってか、 音楽的には大きく変化しており、前作までの面影はほとんど 感じられない。彼等らしいワイルドなロックンロールと言う持ち 味は残しながらも、インダストリアル・ロック的な手法を取り 入れ、かなり作り込まれた作品となっており、これまでの ファンにとってはかなり戸惑う作品だろう。[80]

SHOTGUN SYMPHONY / SHOTGUN SYMPHONY

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1993年にリリースされた デビュー盤。方向的には憂いを帯びた叙情的なメロディの ヘヴィ・メタルで、特にオープニングのHighway To Tomorrowは ドラマティックなイントロから格好の良いサビまで実に 素晴らしく、佳曲と言えるだけの楽曲だ。ただし、これに続く 楽曲がなく、その後は平凡な内容に終始してしまっている。決して 悪い出来ではないのだが、Highway To Tomorrowが印象的であれば ある程、他の楽曲がかすんで見えるのは皮肉な話だ。結局 Highway To Tomorrowだけの隠れた一発屋と言う感じの 作品ではあるのだが、とは言えこれだけでも十分価値がある。[83]

WELCOME TO THE MADHOUSE / SHY

イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた 5年振りの5thアルバム。ボーカリストのTONY MILLSが脱退し、 元TROUBLEのWARDIが加入して初のアルバムとなるが、ボーカルの 交代もあってかその音楽性は大きく変わっている様に感じられる。 元々アメリカナイズされたハード・ポップを 聴かせてくれていたが、その憂いを帯びた叙情的なメロディは 減退し、よりブルージィでロックンロール色を増した 作品になっていると言って良いだろう。元々のファンからすると、 彼等の魅力はその憂いを帯びたキャッチーな メロディだっただけに、不満の残る作品であるかも知れないが、 出来自体は決して悪くない。[80]

BREAK YOUR SOUL / SHOTGUN WEDDING

ドイツのヘヴィ・メタル・バンドのアルバムで、男女の ボーカリストを取り揃えたツイン・ボーカルという変わった 編成になっている。メインのボーカルはGOTZ VOLLMANNで INA SCHURMANNはコーラス担当言ったところだ。サウンドは適度に ポップで適度にヘヴィ、適度にメロディックで、こう書くと一見 バランスが良いように思えるが、実のところ単に平均的で 平凡なだけだ。ポイントになるところがないので印象が散漫で 個性が見えないが、キャッチーなメロディ・センスはあると 思うのでそれが曲作りに生かせるようになれば期待出来る。[79]

HALLUCINATION / SHAW BLADES

STYX、NIGHT RANGERという、かつてそれぞれが在籍したバンドに 復帰し、過去のバンドとなった感のあるDAMN YANKEESの TOMMY SHAWとJACK BLADESというアメリカ人コンビによる プロジェクト・バンドのアルバム。方向的にはアコースティックな 普通のアメリカン・ロックという感じで、HR/HM系にはあまり 縁のないと言った感じのサウンドのアルバムに仕上がっている。 やさしく、けだるく、どことなくほのぼのとした楽曲群で 占められており、心に染みいる曲は悪くないがやはり ハード・ロックから離れた存在の作品だ。[83]

LIVE IN LONDON / SHOTGUN SYMPHONY

アメリカのハード・ロック・バンドのライヴ盤。スタジオ盤1枚で 早くもライヴ・アルバムをリリースと相成ったが、制作が決定した 当時、随分早くからリリース・ノートに載っていたのににも 関わらず、中々出ないので危惧していたが、日本でのリリース元を ZEROからテイチクに変えての発売と相なった。発売まで時間が かかったのはそういう辺りに問題があったのかも知れない。 TRACY WHITEのボーカルはいまいち線が細いが、バンドの カラーには合っている。ボーナス・トラックの新曲はどうって 言うことのない曲。ライヴは全曲1stからでやはりちょっと 厳しいが、出来自体は悪くないし何と言っても名曲 Highway To Tomorrowが光っている。[84]

CARVED IN STONE / SHADOW GALLERY

アメリカのプログレッシヴ・ハード・ロック・バンドの2nd アルバム。前作よりプログレッシヴ的なサウンドになったが、 元々が結構ストレートだったのでそれほど難解という 感じはしない。最近のQUEENSRYCHEをよりプログレッシヴにした 様なメロウな感じの部分もある。楽曲、演奏ともレベルは高いが、 このプログレッシヴ度が増した事に対して好き嫌いが分かれるかも 知れない。緻密でドラマティックな展開に空間的な広がりを 感じさせる楽曲は壮大で中々圧巻ではある。ピアノを入れたりと それなりに短調にならないようにという工夫は伺える。[86]

BURNED DOWN / SHEELA

ドイツのヘヴィ・メタル・バンドのデビュー盤。キーボードを 配した叙情的なメロディのヘヴィ・メタルで、憂いを帯びた メロディは中々美しい。かなりハードな味付けでテンポも良く、 結構聴きごたえのある作品に仕上がっている。 アメリカン・ハード・ロック的なセンスを感じるが、そこに ヨーロッパ的な湿り気を帯びたメロディをうまく マッチさせている。楽曲の出来にはやや波がある様に感じるが、 Reno等は名曲と言えるレベルの出来だ。WOLFGANG WEBERの ボーカルも良いし、コーラスもきっちりはまっており効果的だ。 所々、ブルージィなエッセンスも感じるが、優れた メロディ・センスの素晴らしいアルバムだ。[89]

EXCESS ALL AREAS / SHY

イギリスのバンドの1987年にリリースした3rdアルバム。 N.W.O.B.H.M.末期に登場したがそれらのバンドとは一線を画し、 キャッチーでコマーシャルな楽曲はイギリスらしい叙情感を所々 覗かせながらも、アメリカ向きのバンドだった。この作品は バンドにとっても最も勢いに乗っていた頃で、 ソング・ライティングにもそうそうたるメンツが揃っている。 パーティ・ロック風のBreak Down The WallはDON DOKKENだし、 名曲とも言えるEmergencyは今やアダルトなロック・シンガーに 転進して大成功を収めたMICHAEL BOLTONが書いている。 キーボードの味付けが程よいポップな楽曲は粒が揃っていて 中々の名作である。ボーナス・トラックはいずれも 12インチ・シングルに収められていたものだが、アルバムに 入っていてもおかしくないクオリティを持っている。[90]

BRAVE THE STORM / SHY

イギリスのハード・ポップ・バンドのメジャー第一弾となる 1985年にリリースされた2ndアルバム。N.W.O.B.H.M.末期に 登場し、キャッチーでポップな楽曲と言う、これまでの N.W.O.B.H.M.バンドとはまた違った方向性を見せている。全体的な 完成度や楽曲の出来という点ではEXCESS ALL AREASに劣るが、その 卓越したメロディ・センスはこの作品でも変わらず良く出ている。 キャッチーで愁いのあるメロディの楽曲は十分良く出来ているし、 この手のハード・ポップ・アルバムとしては申し分ない出来だ。 ボーナス・トラックで収められているライヴの Behind Closed Doorsは中々良い曲だし、アルバムに 入れなかったのはもったいない位だ。[86]

SOUNDS OF MEMORY(CHAPTER...ECHO) / SHADE

詳細は良く判らないが、恐らくポーランドの メロディック・デス・メタル・バンドのアルバム。バックは ザクザクとリフを刻みこんでくるパワー・メタル型で、ときには キーボードを押し出したり、ところによってはゴシック・メタル 的な荘厳な雰囲気を醸し出している部分もある。 クリア・ボイスもたまに差し挾むが、メインはやはり デス・ボイスで、これが咆哮型の強烈なものだ。扇情的な メロディ・ラインにははっとさせられるものがあるし、 キーボードの使い方も効果的で、全体的に出来は悪くない。[82]

MAD AS A HATTER / SHADOWLAND

イギリスのポンプロック・バンドPENDRAGONのキーボード CLIVE NOLAN率いるシンフォニック・ロック・バンドの 3rdアルバムだが、ギターが名曲PARADOXを生んだ プログレッシヴ・ヘヴィ・メタル・バンドTHRESHOLDの KARL GROONということもあってかなりヘヴィな内容だ。まぁ、 それもPENDRAGONに比べればという話であって、どこまで ヘヴィ・メタル系のファンに訴えるものがあるかは疑問だが、 エッヂが効いた叙情的なギター・メロディはさすがだ。2ndが 1stに比べて幾分中途半端な印象を受けたが、 ポンプ・ロック的なメロディはより洗練されPENDRAGONとは また少し面持ちの違う美しい作品だ。[82]

FORGET THE RAIN / SHOTGUN SYMPHONY

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの2ndアルバム。全体的に ボーカルにエフェクトが入っていることと、何となく落ち着いて もやっとした感はあるが、雑誌での批評ほどデビュー盤から大きな 変化があるとは言えないだろう。確かに楽曲によっては全く 別物といっても良い物もあるが、グルーヴィな方向へと行ったとは 思わない。前作でのHighway To Tomorrowの様な メロディアス・ヘヴィ・メタルの名曲と言えるような曲がないのは 残念な気がするが、全体的にそれほど悪い出来ではない。ただ、 前作でもHighway To Tomorrowが飛び抜けた楽曲であっただけに、 これはと言う楽曲が全くないのも確かだ。[78]

CHANGES / SHEELA

ドイツのメロディアス・ハード・ロック・バンドの2ndアルバム。 ボーカルはANDREAS KEPPLERに変わったが、ややDON DOKKEN風の 声質で割と上手いし、バンドの方向性にもあっている。1stに 収録されていたRenoの様な名曲といえる様な曲はないが、全体的に 出来は悪くない。ヒップ・ホップ調なものから、 プログレッシヴ色の見えるものまで割と多彩な作品に 仕上がっている。ドイツのバンドというよりはアメリカの バンド風で洗練された作品だ。やや散漫な感じがあり、1stの様な 名曲がないぶんやや盛り上がりに欠けるきらいがあるが。[81]

FIREDANCE / SHIVA

1982年にリリースされたN.W.O.B.H.M.バンドがリリースした唯一の アルバムにシングルの曲をボーナス・トラックとしてつけて CD化したもの。系統的にはプログレッシヴ・ロック系といえるが、 割とロックンロール色が強く、LIMELIGHT等程プログレッシヴ臭く 感じない。それでもSTRANGER LANDS等はそこはかとなく プログレッシヴ・ロックの香りが漂っている。特に プログレッシヴ的な色合いが出ている曲は、他の曲に比べて あっさりしていて、趣が違ってくる。この手のものとしては プロダクションはましな方で、演奏も割ときちんとしている。 但し、声域があまり広くなく、不安定なボーカルに不満が 残ることは確かだ。[77]

SHOOTING GALLERY / SHOOTING GALLERY

元HANOI ROCKSのギタリスト、ANDY McCOY率いる ハード・ロックンロール・バンドの1992年にリリースした 1stアルバム。HANOI ROCKSのメイン・コンポーザーとでも言うべき 人だけあって、彼のソング・ライティングのセンスは確かだ。 それでも、彼の作品としてはややまとまり過ぎという感が なきにしもあらずだ。ボーカルのBILLY G.BANG!にMICHAEL MONROの 様な破天荒さが感じられないところも大きかもしれないが、 HANOI ROCKSにあったパンキッシュな感覚を押さえている事が 一番の原因だろう。HANOI ROCKSのDon't Never Leave Meを新たに 録音収録している。[83]

SHOUT / SHOUT

アメリカのハード・ロック・バンドのデビュー盤。とは言っても、 このバンドは一度解散しており、このアルバムはその解散前の 1986年から1988年までに録音されたマテリアルを マスタリングしたものだ。1980年代中頃の作品だけあって、 いかにもといった感じのその当時の叙情的な泣きを持った メロディのアメリカン・ハード・ロックだ。キャッチーで、 当時ではかなり洗練されていたと感じさせる楽曲はなかなかの 出来だ。マスタリングしたおかげもあるのか、情感溢れる演奏も 良い結果を導き出している。ボーカルのJOHN LEVESQUEの声質は ややGENE SIMONSを想像させる。[86]

ON THE LINE OF FIRE / SHOTGUN SYMPHONY

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの3rdアルバム。 デビュー盤では名曲Highway To Tomorrowを擁したキャッチーで メロディアスなヘヴィ・メタルを聴かせてくれていたが、前作では 何を血迷ったのが一転シアトル風のダークな方向へと 転身してしまっていた。今作では無事と言って良いのか、 デビュー盤の頃のメロディアス・ヘヴィ・メタルに戻っており、 叙情的で美しい音色を聴かせてくれている。 Highway To Tomorrowまでの名曲はないが、全体の楽曲の出来は デビュー盤より随分上がっていて、聴きごたえがある。後は 迷わずこの路線を突き進んでくれる事を祈るだけだ。[85]

SHADOWS OF STEEL / SHADOWS OF STEEL

詳細は全く判らないが、多分イタリアの プログレッシヴ・メタル・バンドの変形デジパックとでも言うべき 変ったパッケージのアルバム。ボーカルが仮面を被っているのは CRIMSON GLORYの真似かと思わなくもないが、音楽的には RHAPSODYの系統であり、ジャーマン・パワー・メタルの エッセンスを取り込んだサウンドだ。WILD STEELの優しく奏でる ハイ・トーン・ボーカルはバンドの色に合っていて結構良い。 前面に押し出されたキーボードが少しあざとく感じる 部分もあるが、ギター共々結構良い出来で、思わぬ拾い物と 言ったところだ。やや一本調子と言った感が無きにしも あらずだが、いかにも叙情的といった雰囲気を湛えていて美しい 楽しみだ。[86]

SHYBOY / SHYBOY

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドのデビュー盤。ワイルドな ハード・ロック・ナンバーがあったかと思えばキーボードを フューチャーしたキャッチーな メロディアス・ナンバーがあったりと始めはやや散漫な 感じがする。だが、このメロディアス・ハード・ナンバーが なかなか素晴らしい出来だ。いかにもアメリカのバンドらしい 叙情的なメロディには聴き惚れてしまう。ワイルドな部分は意外に つまらないので、もっとこういった叙情的な面に的を絞って行った 方が良い様に思える。コーラス・ハーモニーもなかなか出来が 良く、メロディ・センスの良さを伺える作品だ。[84]

SHAVE / SHAVE

ノルウェイの3人組みのハード・ロック・バンドの1996年に リリースされたデビュー盤。いわゆる北欧メタルというような 叙情さはなく、叙情的な感じはあるものの、どちらかというと 渇いた明かるい、アメリカ的な感じのするメロディの楽曲が 揃っている。これに独自の感じを与えているのは、 Christer Lunderのハモンド・オルガンだ。Until Then等には グランジ的な感じがする物もあるし、ファンキーな楽曲もある。 ベースの音をかなり前に出しているので、ビート感が強く出ていて ファンキーさをより強く打ち出せている。派手さはないし、 どことなく気だるくほのぼのとした感じのする作品だが、出来 自体は決して悪くない。[79]

THE ELECTRIC SLEEP / SHEAVY

カナダのドゥーム・メタル・バンドの2bdアルバム。やや サイケデリックがかった感じで、ヘヴィ・ロックと言う感じだ。 重厚なサウンドは最近、ストーナー・ロックとも言われる サウンドで、気だるい不思議な世界を作り上げている。方向的には 明らかに初期BLACK SABBATHを意識しており、特に STEVE HENNESSEYのボーカル・スタイルはOZZY OSBOURNE そのものである。もし、今、初期BLACK SABBATHが活動していれば こんな感じになるだろうと思わせるようなサウンドだ。気だるさを 感じさせるサウンドの割にはのりも良いし、メロディも 悪くないし、楽曲もまずまず良く出来ている。[84]

FREEZE / SHEBANG

オランダのヘヴィ・メタル・バンドの1996年にリリースされた デビュー盤。自主制作盤だが、プロダクションの出来はそう言った レベルを超えた仕上がりになっている。楽曲、演奏とも、骨太で パワフルながらも、思ったよりメロディはしっかりと打ち 出されている。BERT VERSCHOORのやや野太い感じのするボーカルが 意外に楽曲にはまっている。ブルージィなバラード・ナンバー、 Lovin' You(Is Easy)等を入れたりとあまり一本 調子になっていない所も評価出来る。これと言った飛び抜けた 楽曲がないのは残念だが、フックがあって、全体的に中々良く 出来ている。[82]

ONCE BITTEN...TWICE... / SHY

3年前に解散した、N.W.O.B.H.M.バンドの1983年にリリースされた デビュー盤。この手のものとしては最もキャッチーなバンドの 一つで、非常に印象的で美しいメロディの ハード・ポップ・ナンバーをやっている。その後の比べると、 残念ながらプロダクションの悪さはかなりのものなのだが、楽曲の 出来に関しては最高傑作と言っても良いくらいレベルは高い。現 SIAMのTONNY MILLSのボーカルも楽曲に良く合っている。彼等の メロディ・センスが堪能出来る作品で、非常に良質のポップな 楽曲が並んでいる。音の悪ささえ気にならないのであれば、 是非とも聴いて欲しい作品だ。[87]

TYRANNY / SHADOW GALLERY

アメリカのプログレッシヴ・ヘヴィ・メタル・バンドの3rd アルバム。これまでの作品と比べて、よりメタリックな 音作りになっており、よりヘヴィ・メタル的な色合いの濃い 作品になっている。とは言っても、スペイシーなサウンドは 変っておらず、方向的に大きな変化はない。これまでは プログレッシヴ的な要素が鼻についたが、より自然に 聴けるようになっている。楽曲は2部構成の ロック・オペラになっており、より壮大さを増して叙情味溢れる 良い出来だ。完成度が上がり、盛り上げるべき所ではきっちりと 盛り上げてつぼをついたアルバムに仕上がっている。 DREAM THEATERのJAMES LaBRIEとROYAL HUNTのD.C.COOPERがゲスト 参加している。[86]

LIVE IN LONDON / SHEER GREED

DEF LEPPARDのPHIL COLLENやL.A.GUNSのPHILIP LEWISを輩出した、 N.W.O.B.H.M.バンド、GIRLの中心人物だったGERRY LAFFYと同じく GIRLに在籍した弟のSIMON LAFFYによるバンドの1993年に リリースされたライヴ・アルバム。1992年に地元ロンドンで 行われたライヴの模様を収めたものだ。JERRY LAFFY自身が ボーカルを兼任しており、うまいとは言えないが、意外と扇情的で 中々聴ける。録音状態は悪くないし、クリアなサウンドだが、やや 離れた所から録音した様にはっきりと感じ取れて少し残念だ。 War Baby等の扇情的な楽曲は中々聴きごたえがあるが、それ以外の 楽曲は今一つ物足りなさを感じる。[78]

TWILIGHT / SHADOWS OF STEEL

ドイツのパワー・メタル・バンドの2枚組みミニ・アルバム。 方向的には、いわゆるジャーマン・パワー・メタルと 言うやつだが、この手のものに多い大仰的な部分は割と押さえ 気味だ。むしろより流麗で自然なパワー・メタルを 聴かせてくれているのだが、さびになると急に 大仰になったりしてしまうのが少し残念だ。CRIMSON GROLY風に 仮面を被ったWILD STEELのボーカルは高音も割と出ているので 悪くない。楽曲に特に目新しさはないが、叙情的なメロディは 美しいし、出来自体は悪くない。どちらかと言うと盛り上げている 部分より、抑え目に流している部分の方が自然で気持ち良く 聴ける。プログレッシヴ・メタル的な色合いを出している、 ANDREW MC PAULSのキーボードは味わいがあって良い。[80]

REGENERATION/LIVE IN EUROPE / SHY

先頃黄金期のメンバー編成で復活した、N.W.O.B.H.M.バンドのレア 音源集とライブの2枚組みアルバム。レア音源集は、未発表 バージョンと未発表曲からなっており、特に興味深いのは、 TONY MILLS脱退後、JOHN WARDIを加えて作成された5thアルバム、 WELCOME TO THE MADHOUSEに集録されている楽曲が、TONY MILLSの ボーカルで録音されている事だろう。未発表曲は、 没になっていただけあって、特にどうこう言う 程のものでもないが、彼等らしいキャッチーなメロディ・センスは 良く出ている。ライヴは音質は今一つだが、選曲は悪くないし、 中々興味深い音源だ。[78]

STEEL AND STARLIGHT / SHOK PARIS

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1987年にリリースされた アルバム。VIC HIXのボーカルを始め、全体的にパワフルな 作品で、勢いの感じさせるアルバムに仕上がっている。全体的に B級の芋臭さがそこはかとなく感じられるし、まだまだ粗削りに 思える部分もあるので、万人受けは到底しない様には思うが、 扇情的なメロディの楽曲は中々良い出来だ。素材的には 悪くないし、もうちょっと垢抜けていれば、もっと受けたと 思えるだけに、埋もれていったのは惜しい存在だ。もう少し プロダクションが良ければ非常に面白いアルバムだったと 思うのだが。[80]

LET THE HAMMER FALL / SHY

N.W.O.B.H.M.の再結成第1弾アルバム。さすがにTONY MILLSが 復帰しただけあって、全編彼等らしい雰囲気に溢れているのだが、 最初はどことなく妙に明るくて違和感を憶える作品だ。 中盤になると、叙情的でポップなメロディはさすがと 思わせるものに仕上がっている。特にAll Your Love Tonightや Time After Time等は、彼等らしい愁いを帯びた絶品の ハード・ポップ・ナンバーだ。昔の方向性そのままに 再現されており、旧来のファンには十分満足出来るアルバムに 仕上がっていると言って良いだろう。TONY MILLSの昔と変わらない ハイ・トーン・ボーカルも懐かしさを感じさせてくれる。[84]

SHOGUN / SHOGUN

N.W.O.B.H.M.バンドの元TOKYO BLADEのボーカリストの ALAN MARSH、ドラマーのSTEVE PIERCE、ベーシストの ANDY WRIGHTON等が、TOKYO BLADEを脱退した後結成したバンドで、 1986年にリリースされたデビュー盤。方向的にはやや TOKYO BLADEに近く、叙情的でアメリカナイズされたキャッチーな メロディの作品だ。プロダクションはTOKYO BLADEの作品よりも 悪く、非常にチープだ。アメリカの産業ロック的な泣きの メロディは、悪くないし、それなりに印象的でもある。但し、 ALAN MARSHのボーカルとプロダクションがかなり足を 引っ張っているのも確かだ。[78]

MOVING FORCE / SHAKRA

スイスのハード・ロック・バンドの2ndアルバム。スイスの バンドは、GOTTHARD、CHINA等、アメリカナイズされたセンスを 持つ、ヨーロッパでは一味違ったバンドが結構いるが、この バンドも方向的にはGOTTHARDに近い、アメリカの叙情派 ハード・ロック・バンドと言う感じのさせる音楽をやっている。 ハードでドライヴ感たっぷりの楽曲は、非常に出来が良く、中々 格好の良い作品に仕上がっている。メロディアスな ロックンロール・ナンバーは爽快で実に格好良い。 PETER WIEDMERのTOMMY HEART似のボーカルがまた楽曲に合っていて 良い味を出している。[86]

OUTERLIMITS / SHOW-YA

日本のヘヴィ・メタル・バンドの1989年にリリースされた アルバム。日本のレディース・バンドとしては最も活躍した バンドだが、特にこのアルバムはその中でも代表作の1枚と言って 良いだろう。彼女等の代表曲の一つである限界Loversを始め、 楽曲の出来は悪くない。特に祈りや野生の薔薇、 戒厳令の街-Cry For The Freedom-と言ったメロディを押し出した 楽曲は中々良いが、その一方でのり中心のOut Of Limits辺りは 今一つだ。寺田恵子のボーカルは透っていてメロディアスな楽曲に 良く映えている。べたな日本語の歌謡メタルとも 言えるものなので、抵抗のある人も多いかもしれない。[82]

SEA OF DESIRE / SHOTGUN SYMPHONY

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの4thアルバム。2ndアルバムで ダークな作品を作って失望を呼んで以降は、順当にメロディアスで 爽やかでキャッチーなメロディの楽曲を聴かせてくれており、この 作品もその路線の範疇の作品だ。言わば前作の延長線上と 言えるもので、その点に置いては安心して聴く事が出来る アルバムに仕上がっている。デビュー盤では、名曲とも言える Highway To Tomorrowを産んだが、それ故にその印象が強すぎて、 それを超える楽曲が作れないと言うジレンマに陥っており、この アルバムでもそう言った印象を拭えない。Believe In Meを始め、 楽曲は良く出来てはいるのだが、インパクトがなく、DOMAIN等と 同じ運命を辿ってしまうのではないかと心配しない訳でもない。 [83]

HEROES / SHADOWS OF STEEL

ドイツのパワー・メタル・バンドのミニ・アルバム。方向的には、 いわゆるジャーマン・パワー・メタルと言われるこれまでの路線を 引き継いだものだ。今作よりキーボードがANDREW MC PAULSから FRANCIS SCARLETに交代しており、かなり表面に出て来ている 印象を受ける。Welcome To Heaven等では、このキーボードが良い 味付けになっており、面白味を感じる。Heroesはかなり ジャーマン・パワー・メタル然とした楽曲だが、それ以外では割と 流麗な作品に仕上がっていて、STRATOVARIUSっぽく感じる 楽曲もある。全体的にこれと言ったものはないが、出来は悪くない アルバムだ。[80]

CELESTIAL HI-FI / SHEAVY

カナダのヘヴィ・ロック・バンドの3rdアルバム。前作ではかなり 音を歪ませた作品であったが、今作はよりストレートな 音作りをしている。方向的には前作と変わらない、サイケデリック 色の強いヘヴィ・ロックで、いわゆるストーナー・ロックと 呼べるものだ。ストレートなサウンド・プロダクションになった 分、STEVE HENNESSEYのボーカルは、非常にOZZY OSBOURNE的で、 よりBLACK SABBATH的な作品に仕上がっている。カナダのバンドと 言う事もあって、アメリカ的な洗練さがあり、意外とキャッチーな メロディで、中々面白い作品に仕上がっている。楽曲の出来も中々 良いし、この手の作品の中でも非常に質の高い作品だ。[85]

THE LIVE SIDE / SHAKRA

スイスのハード・ロック・バンドのライヴ盤。スイスの ハード・ロック・バンドと言うと、アメリカナイズされた叙情的な ハード・ロックと言う印象があるが、ご多聞に漏れず、この バンドも同様の傾向の音楽性を有している。洗練された メロディに、エッヂのたったサウンドが中々格好良く、こうやって ライヴを聴くと実に良く映えている。PETE WIEDMERのやや ハスキーなボーカルが、非常に良く合っていてセクシーだ。 演奏力は中々高く、こうやってライヴ盤を聴いてもスタジオ盤に 見劣りしない。ライヴの生々しさもあって、聴きごたえのある ライヴ盤に仕上がっている。[86]

WHEN 20 SUMMERS PASS / SHELTER

アメリカのハード・コア・パンク・バンドの6thアルバム。 方向的には、キャッチーでポップなメロディを持った、いわゆる メロコア的な色合いの強いハード・コア・パンクだ。こう言った 作品の中では、最もパンク的な色合いを強く出しているバンドの 一つと言えるもので、それ故メロコアが好きでないとかなり厳しい 作品と言って良いだろう。とは言え、キャッチーなメロディは 非常に聴き易いし、のりも良く出ていてこの手のものとしては十分 評価に値する出来である事は間違いない。軽快でシンプルだが、 それ故勢いは感じさせてくれるアルバムに仕上がっている。[81]

16 SUNSETS IN 24 HOURS / SHALLOW

イギリスのヘヴィ・ロック・バンドのデビュー盤。方向的には オーセンティックなヘヴィ・ロックで、ミドル・テンポのやや ダークなイメージも受けるサウンドだが、意外にキャッチーさを 感じさせるメロウなメロディは、この手のバンドとしてはやや 異彩を放っていると言って良いだろう。ただ、楽曲の展開の付け方 さび等、盛り上げ方に今一つアイデアが貧弱で、どこを切っても 怠惰な感じのするアルバムとなってしまっている。もう少し サイケデリックさを強く押し出す等、工夫次第ではいくらでも 聴きどころを作れると思えるだけに残念だ。 グルーヴィでありながら左程ブルージィさはなく、それが中々 面白い味わいとなっていて、出来は決して悪くないが。[80]

DESOLATION / SHELLYZ RAVEN

詳細は全く不明だが、ゴシック・メタル・バンドのアルバム。 ジャケット自体は非常に下品で、ちょっと敬遠したくなる様な 感じだが、それに反して内容は叙情的で非常に美しい。方向的には ニュー・ウェーブ系のゴシック・メタルと言う感じだが、意外と ギターが出る場面では押し出されていて、流麗過ぎると言う 感じはない。ボーカルは女性のクリア・ボイスのみで、叙情さを 否応にも増している。ややニヒルな感じのする作品だが、それ程 シアトリカルな感じはしないので、割と聴き易い作品だと言って 良いだろう。楽曲の出来も悪くないし、ANNEKE VAN GIERSBERGENが 加入した頃のTHE GATHERING辺りが好きなら、より流麗な 作品ではあるが結構聴けるだろう。[88]

6 TRACK MINI-ALBUM / SHADOWKEEP

イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの1999年にリリースされた 自費出版のミニ・アルバム。その音楽性は、如何にもと言った 感じの正統派ヘヴィ・メタルで、初期QUEENSRYCHEの フォローワーとしては、最もらしいと言った感じの作品に 仕上がっている。ROGUE M.のボーカルはハイ・トーンを駆使した シアトリカルなボーカルで、これも実にJEFF TATE的なのだが、 高音は苦しげなのに張り切り過ぎと言う感じで、癇に障る。 楽曲のレベルは残念ながら本物には及ばないが、それなりに ドラマティックで扇情感があって、聴き応えはある。とは言え、 QUEENSRYCHEのデビュー・ミニ・アルバムの様に、これと言う 楽曲がないのは辛い。[70]

FEW AND FAR BETWEEN / SHUTDOWN

アメリカのハード・コア・パンク・バンドの2000年に リリースされた2ndアルバム。ニューヨークの ハード・コア・パンクらしく、アップ・テンポの攻撃的な サウンドとリフが前面に押し出されている。AGNOSTIC FRONTの ROGET MIRETがプロデュースしている事からも、そう言う サウンドである事は想像出来る。幾分キャッチーさを感じさせる メロディも持っているが、AGNOSTIC FRONT等の様に、 ハード・コア・パンクとしてもよりパンク的な方向性と言って 良いだろう。ハード・コアが好きでないと聴けないかも 知れないが、攻撃的でグルーヴ感もあって、のりは良い。[80]

LEGACY / SHADOW GALLERY

アメリカのプログレッシヴ・メタル・バンドの3年振りとなる 4thアルバム。方向的にはこれまでの延長線上と言えるもので、 ドラマティック、緻密な構成の楽曲が並んでいる。大作指向と 言うのもこれまで通りで、First Lightは34分にも及んでいる。この 曲が結構聴き応えがあるのだが、途中で数分間無音状態を続けたと 思ったら、長々とSEを入れたりしており、下手な小細工が楽曲の 雰囲気を壊す結果となっていて残念だ。ドラマティックで メロディも良く、楽曲の構成も前作辺りから改善が見られた通り 自然で聴き易く、中々完成度の高いアルバムに仕上がっている。 [86]

POWER RIDE / SHAKRA

スイスのヘヴィ・メタル・バンドの3rdアルバム。スイスの バンドに多い、アメリカナイズされたキャッチーで メロディアス・ハードな作品で、方向的には前作の延長線上と 言えるだろう。前作もかなり素晴らしい作品だったが、その 完成度は更に増しており、スイスのヘヴィ・メタル史上でも名作と 言えるだけの作品に仕上がっている。適度に憂いがあり、 キャッチーなメロディは素晴らしく、フックも効いており非常に 聴き応えがある。エッヂの立ったプロダクションが功を 奏しており、非常に格好の良いアルバムだ。PETE WIEDMERの ハスキーで泥臭さを感じさせるボーカルも伸びがあって 味わいがある。[90]

STRAIGHT HEARTED ONES / SHEELA

ドイツのヘヴィ・メタル・バンドの2000年にリリースされた 4年振りの3rdアルバム。方向的には、憂いを現じてはいるものの、 これまでの延長線上と言える、オーセンティックでメロディアスな ヘヴィ・メタルを聴かせてくれている。これまでと比べると、 Symbols Breakdown等はモダンなサウンド処理がなされており、 歳月の経過を感じさせる作品だ。デビュー盤ではRenoと言う佳曲を 擁していただけに、盛り上がりと言うものが感じられたが、 今作では前作と同じ様に平均的な楽曲ばかりが並んでいるだけに、 今一つ盛り上がりに欠けるのは確かだ。叙情派のメロディアスな ヘヴィ・メタルとしては、洗練されていてレベルも決して 低くないだけに惜しいところだ。[80]

BOMBS AWAY! / SHANGHAI

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの10年振りのアルバム。 クレジット上はキーボードを兼任するオリジナル・メンバーの JODI REESEとなっているが、実際はW.A.S.P.のMIKE DUDAが プレイしている様だ。如何にも1980年代的な、骨太で メロディアスなロックンロール調のヘヴィ・メタルで、非常に 懐かしさを感じさせるアルバムに仕上がっている。華美でエッヂの 効いたサウンドののりの良い作品で、JAYDEのパワフルで 伸びのあるボーカルも良く合っている。楽曲の出来も良く、これが L.A.メタル全盛期ならもっと注目を浴びたバンドだと 思えるのだが。[83]

RITUAL / SHAMAN

ブラジルのパワー・メタル・バンドのデビュー盤。元ANGRAの ボーカリスト、ANDRE MATOS、ベーシスト、LUIS MARIUTTI、 ドラマー、RICARDO CONFESSORIにLUIS MARIUTTIの弟、 HUGO MARIUTTIをギタリストに加えたバンドだ。言わばANGRAが 分裂する形で誕生し、一方のANGRAが従来の路線を引き継ぎながらも 新しいボーカリスト、EDU FALASCHIのボーカルを活かしたより ストレートなヘヴィ・メタルを聴かせてくれていたのに対して、 こちらは旧来のANGRAが持っていたシンフォニックさと ファンタジックさをより特化した作品と言えるだろう。ピアノや オーケストレーションを多用している辺りにも、そう言った辺りが 良く伺える。ANDRE MATOSの独特の歌唱法はここでも前面に 出ているので、彼のボーカルが好きか嫌いかによってその評価は 判れてくるかも知れない。[84]

THE ART OF BALANCE / SHADOWS FALL

アメリカのメロディック・デス・メタル・バンドの2年振りの 3rdアルバム。その母体となっているのはAFTERSHOCKで、 それからも判る様に、彼等の音楽性の基盤となっているのは ニュー・スクール・ハード・コアである。AFTERSHOCKが そうであった様に、メロディック・デス・メタルと ニュー・スクール・ハード・コアの曖昧な境界に存在する バンドだが、AFTERSHOCKと比べるとよりスラッシュ・メタル的な エッセンスを強く打ち出している。それ故、AFTERSHOCKでの憂いと 哀愁はあまり感じられず、より攻撃的イメージを受けるアルバムに 仕上がっている。[81]

UNFINISHED BUSINESS / SHY

イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの3年振りの7thアルバム。 前作、LET THE HAMMER FALLが基本的には未発表曲と アウトテイクを集めたものであった事を考えると、実質的な再結成 第1弾と言えるアルバムだろう。ボーカリスト、TONY MILLESの 脱退で大きく運命を変えてしまった彼等だが、まさしくそのときの 続きであるかの様な内容である。N.W.O.B.H.M.後期に登場し、その 中では最もハード・ポップ的なエッセンスの強い バンドであったが、ここで聴かれるのはまさしく彼等らしい ポップで叙情的な憂いを帯びたメロディが満載された、良質の ハード・ポップを聴かせてくれている。昔からの彼等のファンには 十分に満足の行くものだし、彼等を知らない若いハード・ポップの ファンにも是非聴いてもらいたい作品だ。[88]

SPLASHED / SHAMELESS

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドのアルバム。ベーシストの ALEX MICHAELを中心とするプロジェクトで、BIG BANG BABIESの ギタリスト、KERI KELLIとB.C.、PRETTY BOY FLOYDの ボーカリスト、STEVE SUMMERS等が参加している。この参加 メンバーから想像が付く通り、如何にもL.A.的なエッセンスを 感じさせるものとなっている。具体的に言えば、正にPOISON的な バッド・ボーイズ・ハード・ロックンロールで、明るくのりの良い キャッチーな楽曲が並んでいる。POISONではお馴染みのバラードも 挿入されており、POISONのファンならば聴いてみて損はない。[81]

SYNCHRONIZED / SHEAVY

カナダのヘヴィ・ロック・バンドの3年振りの3rdアルバム。 STEVE HENNESSEYのボーカル・スタイルが非常にOZZY OSBOURN 的であるため、BLACK SABBATH的な雰囲気をより感じさせる。 デビュー当事は大胆にエフェクトを掛けたり、よりスペイシーな 感じのするヘヴィ・ロックを聴かせてくれていたが、年々素朴で シンプルにBLACK SABBATH的な音楽性を強めており、今作でも それは顕著に出ていると言って良いだろう。ギター・メロディを はっきりと打ち出すことによって、初期のOZZY OSBOURNEの様な 感じをさせるところもある。楽曲、演奏的に取っても、この手の BLACK SABBATHフォローワーとしては出色の出来である事は 間違いない。[87]