KILLINGH TIME / SWEET SAVAGE

現DEF LEPPARDのギタリストVIVIAN CAMPBELLが在籍し、 METALLICAがKilling Timeをカバーして一躍名をはせた、 N.W.O.B.H.M.期に活躍した北アイルランドのバンドの再結成後初の そしてバンドとしても初のアルバム。バンドは一度解散後、 RAY HALLERとDAVID BATESの二人がJOHN HARV HARBISONという ボーカリストとEMERALDというバンドを結成するもSWEET SAVAGEを 再結成するも失敗。一方この再結成でRAY HALLERがボーカルを 兼任したために自動的に首になったJOHN HARV HARBISONは DEN OF THIEVESに加入するが、再結成SWEET SAVAGEに失敗した 他のメンバー達もDEN OF THIEVESに参加している。この DEN OF THIEVESは2枚のアルバムを発表しているが、これが 録音状態が最低ながら哀愁のメロディを含んだ中々マニア向けの 良いアルバムだったのだが、そのバンドをやめて作った アルバムがこれでは少々頭が痛い。録音状態がいかにも N.W.O.B.H.M.的なものであるのはともかくとし、楽曲も特別 酷いという訳ではないのだが、特に見るべきものもない。 過去の勲章に過度の期待を抱かないほうが良いだろう。[74]

SWEET VINE / SWEET VINE

アメリカのサザン・ロック・バンドのデビュー盤。かなり ブルージィで土臭いアメリカン・ロックで、 THE BLACK CROWESよりは埃っぽくないし、能天気な感じもしない。 方向的にはPRIDE AND GLORYとかと近い感じだが、もっと郷愁を 誘う部分がある。どちらかというと軽い感じのするサウンドだが、 しんみりとするボーナス・トラックであるThree Times Deniedの アコースティック・バージョンは中々味わい深く、こういう部分を もっと強調しても良かったのではないかと思う。他の楽曲も決して 悪い訳ではないが、こういう変化があった方がもっと めりはりがついたことは確かだ。[78]

BLINDMAN'S JUSTICE / SWEDISH EROTICA

スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた 3rdアルバム。オリジナル・メンバーはついにMORGAN LE FAY 一人のみになり、新たに元MADISONのANDERS MOLLER、元TREATの JAMIE BORGER、元ALIENのKEN SANDIN等が加入している。 やっている音楽はメンバーのこういった経歴からはあまり 想像がつかないような骨太のアメリカン・ヘヴィ・メタルという 感じだ。グルーヴィでハードなサウンドは中々気持ち良く、 最近ではかえって新鮮な内容だ。ミドル・テンポの楽曲が 中心だが、のりと勢いを感じさせる作品で、むしろしんみろとした バラードのToo Good To Be Trueが場違いで余計な感じがする 位だ。[81]

METALIZED / SWORD

カナダのパワー・メタル・バンドの1986年にリリースされた アルバム。パワフルで正統派の如何にもと思わせる様な ヘヴィ・メタルで、この頃のものとしては中々良く出来ている。 RICK HUGHESのボーカルも、ハイ・トーンを織り交ぜながら、やや しゃがれたボーカルを駆使して、強力な破壊力を出している。少し ダークな感じのする部分もあるが、リフ、メロディともそれなりに 良く出来ている。楽曲の出来は決して悪くはないが、今一つ 面白味に欠けるのは遺憾ともし難い。プロダクションは割と良く 出来ているし、演奏も悪くないので、勢いだけでも十分聴かせる 事が出来ているが。[81]

THE BREATH OF LIFE / SWEET PARTY

詳細は全く不明だが、テクノ系ゴシック・メタル・バンドの アルバム。非常にシアトリカルな作品で、ISABELLE DEKEYSERの 可愛らしい声が、狂気の世界をより倍加させている。全体的に テクノ調で、それ程重苦しい雰囲気はないにも関わらず、非常に ダークでおぞましさを感じさせる辺りは、非常にユニークだと 言えるだろう。あまりにもシアトリカル過ぎて気持ち悪いので、 この世界を受け入れられる人はあまりいないだろうが、出来自体は それ程悪くない。全体的に気だるさを感じさせるバックは、淡々と 進んでいき、ボーカルの作り出す狂気に添えられている感じだ。 [72]

ONE WITH THE SWAN / SWAN CHRISTY

詳細は全く不明だが、恐らくギリシャの ゴシック・メタル・バンドのアルバム。シアトリカルで プログレッシヴな作品で、一種独特の雰囲気を持っている。 KOSTAS MAKRISのクリア・ボイスは割とノーマルな ボーカルなので、かなり聴き易い。TASOS ILIOPOULOSの バイオリンも悪くないが、部分によってはもう少し露出度が大きい 方がより雰囲気を出せた様に思える。IRAKLIS GIALANTSIDESの ギターがかなり正統派のメロディアス・ヘヴィ・メタル的なので、 そう言った感がより一層強い。特にギター・ソロ等では哀愁を 効かせたギター・メロディは、普通のヘヴィ・メタルのファンにも かなり聴けるはずだ。これらを考えるとよりオペラチックだが、 LACRIMOSAに系統が近いので、全体的な出来も結構良いので、 LACRIMOSAが好きならば結構気に入るはずだ。[85]

MORIBUND TRANSGORIA / SWORDMASTER

スウェーデンのブラック・メタル・バンドの3rdアルバム。 ブラスト・ビートを駆使する辺りにブラック・メタルらしさを 感じるが、バックのサウンド自体はこの手のもの特有の荒涼感 等なく、意外に聴き易い感じもする。WHIPLASHERの ブラック・メタル・ボイスはだみ声と言うレベルで、むしろ楽曲に 合っている位だ。全体的に疾走型のスラッシュ・メタル、 パワー・メタルと言った感じで、勢いが感じられるし、楽曲には フックがあって、中々格好の良いアルバムに仕上がっている。 NIGHTMAREの奏でるギター・メロディは泣きがあって、扇情感を 増しているし、楽曲、演奏とも中々レベルの高い作品だ。[86]