TEMPLE OF THE DOG / TEMPLE OF THE DOG

アメリカのプロジェクトの1991年にリリースされたアルバム。 MOTHER LOVE BONEのボーカリスト、ANDREW WOODがドラッグで 亡くなった事により作成されたトリビュート作品だ。 SOUNDGARDENのボーカリスト、CHRIS CORNELLとドラマー、 MATT CAMERON、MOTHER LOVE BONEのギタリスト、STONE GOSSARDと MIKE McCREADY、ベーシスト、JEFF AMENTによるプロジェクトだ。 MOTHER LOVE BONEのメンバーは、後にPEARL JAMで活躍する 事になるし、SOUNDGARDENもシアトル系のバンドとしては最も メタルよりのサウンドで知る人も多いだろう。こう言う事実からも 判る通り、音楽的にはオルタナティヴ・ロックをややハードにした サウンドだが、非常にエナジーの感じられるもので、 CHRIS CORNELLのソウルフルな熱唱が素晴らしい。特に11分にも 及ぶReach Downは、ミドル・テンポでカオチックな楽曲であるの、 決して聴き開きさせない。[88]

IN TOP DEEP / TEN FOOT POLE

スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた アルバム。方向的にはD.A.Dの流れを汲む、パンキッシュな ハード・ロックンロールと言ったところだ。特にLASSE HOLMGRENの ボーカル等、特にそう言った色合いを感じさせるものだ。D.A.D程 パンキッシュにやっているわけではないし、哀愁を感じさせる 部分もなく、むしろアメリカナイズされたヘヴィ・メタルと言う 部分が見受けられる作品となっており、北欧的な色合いは全く 感じられない。全体的にテンポが良く、のりの良い、エッヂの 立ったワイルドなサウンドで、楽曲も悪くないし聴き応えもある。 [82]

THE GREAT RADIO CONTROVERSY / TESLA

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1989年にリリースされた 2年振りの2ndアルバム。デビュー作でのスマッシュ・ヒットに 続き、Love Songのシングル・ヒット等、彼等の代表作と言って 良いアルバムだ。ブルージィなエッセンスを持ち込みながらも、 あくまで扇情的でハードなヘヴィ・メタルと言う基本線を崩さず、 泥臭い硬派なサウンドを聴かせてくれている。バラードの出来も 素晴らしく、静かな導入から、徐々に盛り上げて行き、叙情的で ハートフルなギター・ソロへと繋いでいくLove Songの構成や、 そこからピアノをフューチャーした非常に哀愁の強いParadiseに 続く展開等、最早圧巻と言う他ない。バランスも良く、楽曲の 出来も素晴らしいし、JEFF KEITHのオーセンティックなボーカルを 始め、名盤と呼ぶに相応しい出来だ。[95]

FIVE MAN ACOUSTICAL JAM / TESLA

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1990年にリリースされた ライヴ盤。1990年に行われたアメリカでの公演の模様を 収めたものだ。ただし、アルバム・タイトルが示す通り、通常の ライヴ盤とは異なり、アコースティック・ライヴの模様を 収めたものだ。言わば企画盤的とも言える作品だが、 シングル・カットされたFIVE MAN ELECTRICAL BANDのカバー、 Signsの大ヒットにより、彼等の最も売れた作品となった。今では アコースティック・ライヴ盤を出す事自体は珍しくないが、この 作品が出た頃はまだそう言った風潮がなかった頃で、この アルバムのヒットがアンプラグドものの走りとなり、その流行を 産んだと言って良いだろう。スタジオ盤で見せるヘヴィな面とは 異なり、ほのぼのとした雰囲気も感じられ、会場ののりの良い 雰囲気も出ていて中々優れたライヴ盤である事は間違い無い。[90]

PSYCHOTIC SUPPER / TESLA

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1991年にリリースされた 2年振りの3rdアルバム。前作とアコースティック・ライヴ盤の 大ヒットにより成功を収めたが、そのため売れ線を意識する事を 嫌ってか、若干方向つけられてアルバム作りがなされている様に 感じられる。音楽的にはあくまでもベースは、彼等らしい ブルージィな色合いを持ちこんだ、扇情的な ヘヴィ・メタルなのだが、前作でのLove SongやParadiseの様な バラードを一切廃し、あくまでもヘヴィな作品作りを狙った アルバムと言って良いだろう。その心意気は買うし、全体的な 出来も相変わらずレベルは高いのだが、 一本調子になってしまっているのが難点と言えるだろう。[85]

BUST A NUT / TESLA

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた 3年振りの4thアルバム。方向的にはこれまでの延長線上とも 言える、ブルージィなエッセンスを加えた、扇情的でアメリカの バンドらしいヘヴィ・メタルを聴かせてくれている。前作では バラードを廃して、必要以上にヘヴィな作品作りを行ったため、 一本調子な作品となってしまっていたが、今作では アコースティック・ギターの比重が上がり、もう少し バラエティさの感じられる作品となっている。特にTry So Hardの 様な、土臭い素朴な楽曲等は顕著な部分と言って良いだろう。 とは言え、Love SongやParadiseの様なバラードは無く、 FIVE MAN ACOUSTICAL JAMっぽさを持ちこんだ作品と言える。[86]

PLACTICE WHAT YOU PREACH / TESTAMENT

アメリカのスラッシュ・メタル・バンドの1989年にリリースされた 3rdアルバム。彼等らしい速くてヘヴィなサウンドは健在だが、 よりメロディを押し出した作品になっており、純然とした スラッシュ・メタルからややパワー・メタル的なエッセンスを取り 入れ出した様に感じる。特にアコースティック・ギターを大胆に フューチャーしたバラード、The Ballad(A Song Of Hope)を やっている辺りはその変化が顕著に現れた部分と言って 良いだろう。そのため、彼等の扇情的な音楽性がよりはっきりと 打ち出される結果となっており、好き嫌いが分かれる作品と 言えるかも知れない。[82]

SOULS OF BLACK / TESTAMENT

アメリカのスラッシュ・メタル・バンドの1990年にリリースされた 4thアルバム。一風変わった特徴的なリフに、CHUCK BILLYの透った 独特のシャウトは健在で、彼等らしいオリジナリティは変わらず 貫かれている。前作ではややメロディを押し出し過ぎたと言う 反省があったのか、今作ではデビュー当初のより攻撃的な路線に 少しだけ揺り戻した様に感じられる。扇情的でありながら、 CHUCK BILLYのボーカルがクールな雰囲気の漂わせ、彼等らしさは 十分感じられるものの、楽曲の出来やリフの印象度は今一つで、 残念ながら彼等の作品としては今一つと言う感の強いアルバムだ。 [80]

THE RITUAL / TESTAMENT

アメリカのスラッシュ・メタル・バンドの1992年にリリースされた 2年振りの5thアルバム。スラッシュ・メタルとしては冬の時代とも 言える頃と言う事もあってか、その方向性を大きく変えている。 スラッシュ・メタル的なリフはほとんど聴かれなくなっており、 従来からのスピード感も押さえたミドル・テンポ中心のヘヴィな 作品に仕上がっている。おどろおどろしさも感じる様な、ある意味 思い切ったイメージ・チェンジではあるのだが、旧来の ファンからすると戸惑いの憶える作品だろう。重厚さは良く 出ているし、彼等の作品と思わなければ決して悪くない アルバムだが。[80]

RETURN TO THE APOCALYPTIC CITY / TESTAMENT

アメリカのスラッシュ・メタル・バンドの1993年にリリースされた ミニ・アルバム。ライヴが4曲、新曲2曲の全6曲と言う 構成になっている。ギタリストのALEX SKOLNICK等が脱退し、 混乱を極めていた時期だけに、その健在振りをアピールした作品と 言って良いだろう。デビュー以降、徐々に方向性を見誤って行った 感があるが、ライヴで改めてOver The WallやThe Hauntingと 言った楽曲を改めて聴かされるとそれが良く判る。 Reign Of Terrorもそれにあわせた様な、コアで速いナンバーで、 Return To SerenityはThe Ballad(A Song Of Hope)的な バラードだ。[84]

LOW / TESTAMENT

アメリカのスラッシュ・メタル・バンドの1994年にリリースされた 2年振りの6thアルバム。スラッシュ・メタル界で最もテクニカルな ギタリストだったALEX SKOLNICKが脱退し、元FORBIDDENの GLEN ALVELAISが加入したがあっと言う間に脱退、元OBITURY、 DEATH、CANCERのJAMES MURPHYが加入している。ALEX SKOLNICKに 劣らぬテクニックの持ち主だけに、その穴を十分埋めていると 言えるだろう。むしろ、最もメロディ指向の強かった ALEX SKOLNICKがいなくなった事で、CHUCK BILLYと ERIC PETERSONのヘヴィネス指向が強く出る事となった音楽性の 変化の方がその影響は大きいだろう。[82]

FORMALDEHYDE / TERRORVISION

イギリスのブリット・ポップ・バンドの1993年にリリースされた 2ndアルバム。この手のバンドとしては、かなりハードな 音作りで、それが今一つバンドの音楽性に馴染んでいない感じだ。 部分的にはグランジ的な影響もあったりと、ブリット・ポップの バンド群とはやや一線を画した音楽性を模索しているように 思えるが、まだ自分達の音楽を確立するまでには至っていないと 言う感じだ。とは言え、EMI UKがこのバンドの為に設立した レーベルからのリリースで、レコード会社の期待の高さも判ろうと 言うもので、素材的には素晴らしいものがあると思う。全体的に あっさりしているが故、印象が希薄だったりするが悪くない 作品だ。[78]

LIVE AT THE FILLMORE / TESTAMENT

アメリカのスラッシュ・メタル・バンドのフルレンスとしては 初めてのライヴ盤。演奏もしっかりしているし、録音もそれほど 悪くはないのだが、TESTAMENTというバンドの音楽性の問題か、 全体的に何か物足りなさを感じるのが残念だ。だがその演奏は十分 迫力があり、扇情感がほどよく感じられる。長さ的にもやや中途 半端に終わってしまっていて、これからと言う感じになってきた 所で終わっていて、一枚では幾分物足りなく感じられる。これと 言った名曲がないので、盛り上がりきる前に終わったと言うのが 大きいだろうし、そのことが現在のTESTAMENTの立場を 象徴しているのかもしれない。[83]

TIME'S MAKIN' CHANGES THE BEST OF TESLA / TESLA

アメリカのヘヴィ・メタル・バンド10周年記念ベスト・アルバム。 新曲はCastles In The Sandの1曲だけだが、これはTESLAとしては どうという事のない曲なので、残念ながら初心者用入門 アルバムとして以上の価値はあまりないと言って良いだろう。 とは言え、ヒット曲、名曲と言えるものは網羅されており、 ベストとしての選曲は文句ない。硬派なヘヴィ・メタル・バンドで 同時期にデビューしたL.A.メタルのバンド群とはまた一線を 画していただけに、メジャーからドロップしてしまったのは全く 残念な話だ。THE GREAT RADIO CONTROVERSYのツアーでのライヴも 非常に素晴らしく、ライヴ・パフォーマーとしてのも 一流なだけに、ベスト盤よりライヴ盤を出して欲しかった。[85]

TEN / TEN

マンチェスター出身のボーカリスト、GARY HUGHESを中心とする イギリスのヘヴィ・メタル・バンドのデビュー盤。音楽的には ミドル・テンポ中心のブルージィなハード・ロックで、叙情的かつ ポップ・センス溢れる楽曲が揃っている。落ち着いた雰囲気ながら エモーショナルかつソウルフルで盛り上がりがあり、 GARY HUGHESのボーカルが良く映えている。楽曲、 プロダクションとも完成度は非常に高く、哀愁のあるメロディを じっくりと聴かせてくれるアルバムに仕上がっている。 GARY HUGHESのメロディ・センスの良さが出た作品で、叙情派 メロディアス・ハードが好きならばお奨めだ。[90]

LIVIN' IT UP / TERRA NOVA

オランダのハード・ポップ・バンドのデビュー盤。軽快で キャッチーな良質のポップ・センス溢れる楽曲がずらりと 並んでいる。疾走感のあるロックンロール風のナンバーから しっとりとしたバラードまで、バラエティ豊かに、佳曲と 言えるだけの楽曲が並んでいる。演奏、コーラスも そつなくこなし、ちょっとしゃがれ声のFRED HENDRIXのボーカルも 味があって良い作品に仕上がっている。全体的に良く 作られていて、面白味に欠けると言う感じもしなくはないが、 デビュー作でこれだけの完成度はたいしたものだ。[86]

THE NAME OF LOVE / TEN

GARY HUGHESを中心とするイギリスの メロディアス・ハード・ロック・バンドの来日記念の ミニ・アルバム。1stシングルのThe Name Of Loveの シングル・バージョンに未発表曲が一曲、ライヴが2曲、 The Name Of Loveのカラオケ・バージョンと言う 構成になっている。The Name Of Loveはともかくとして、 未発表曲もライヴも実に良い出来で、ファンなら是非 押さえておいた方が良いだろう。未発表曲の When Only Love Can Ease The Painは暖かくて壮大な スロー・バラードで、アルバムに入っていてもおかしくない 曲だ。[84]

THE NAME OF LOVE / TEN

GARY HUGHES率いるイギリスの メロディアス・ハード・ロック・バンドの2ndアルバム。優しく 憂いに満ちたメロディは秀逸で非常に美しい。GARY HUGHESの ボーカルも楽曲にあっているし、ギターの音色も情感豊かで バンドとしてのパッケージも良い案配だ。 プロダクションも良いし、適度にハードで適度にポップ、全体的な バランスも素晴らしい。あえてあげるだけの欠点はないし、 名盤といえるだけの出来だ。落ち着いた佳曲といえるだけの楽曲が ずらりと並んでおり、叙情的な作品が好きならば買って 決して損はないだろう。[92]

BLACK AND WHITE / TERRAPLANE

イギリスのハード・ロック・バンドの1986年にリリースされた デビュー盤。後にTHUNDERを結成するボーカリスト、 DONIEL BOWES、ギタリスト、LUKE MORLEY、ドラマー、GARY JAMES 等が在籍しており、言わばTHUNDERの前身バンドとも言って良い バンドだろう。DANIEL BOWESのボーカルはここでも相変わらず 素晴らしいし、楽曲もTHUNDERの様な枯れたブルージィ色は 余りなく、アメリカナイズされているものの、その後のTHUNDERに 通ずる部分もあり、出来は悪くない。N.W.O.B.H.M.末期の、 ヘヴィ・メタル・バンドには辛い時代に健闘しただけの 内容ではある。[85]

MOVING TARGET / TERRAPLANE

後にTHUNDERの母体となったN.W.O.B.H.M.末期に活躍した ブリティッシュ・ハードーロック・バンドの1987年に リリースされた2ndアルバム。デビュー盤はやや若さを 感じさせるが、後のTHUNDERを思わせるようなブルーズ色のある ハード・ロック・アルバムだった。この作品ではキーボードを 前面に押し出してポップ色をより色濃くし、デビュー盤に比べれば THUNDER的な色合いは薄い。それでもDANIEL BOWSEのボーカルは 変らずだし、枯れた味わいを出したときはさすがとは 思わせるものはある。そういった楽曲はともかくとして、出来は 決して悪い訳ではないがやや平凡な印象は拭えない。[80]

DEMONIC / TESTAMENT

アメリカのスラッシュ・メタル・バンドの復活第一作目。 デス・ボイス的な指向を強めていたが、CHUCK BILLYの地響きを たてるような歪んだボーカルは咆哮型デス・ボイスと言って 良いものだ。ALEXが作り出していた流麗なメロディー・ラインは 全くなくなり、攻撃的でスラッシィな強烈なリフが 中心になっている。パワフルかつ圧倒的なエネルギーで 迫ってくる様は圧巻ですらある。方向的にかなり変化してきている バンドだが、これはこれで良く出来た作品だ。メンバーは CHUCK BILLYとERIC PETERSONを除き、安定しないのがやや 不安だが。[85]

BREAK AWAY / TERRA NOVA

オランダのハード・ロック・バンドの2ndアルバム。前作より更に アメリカ指向が強くなっており、楽曲によっては優しいバラード Only For You等はJOURNEYを思い起こさせるようなものもある。 アップ・テンポのものは軽快かつポップでRON HENDRIXの キーボードが効果的に雰囲気を盛り上げている。 叙情的ではあるが、前作に比べ哀愁味が大幅に減退し、明るく 優しい雰囲気の作品になっている。楽曲の出来、演奏なども良い 出来なのだが、何処かで聴いたようなものが多く、 オリジナリティはほとんど感じられない作品だ。[81]

THE ROBE / TEN

イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの3rdアルバム。方向的には これまでの延長線上と言えるもので、ワン・パターンとさえ言える 叙情的で哀愁のメロディは今作でもまるで変わりなく、 飽きさえしなければ十分楽しめる内容だろう。ただ、必要以上に 長い楽曲があって、聴いててだれてくる感がなきにしもあらずで、 もう少しコンパクトな曲作りにして欲しかった。プロダクション 等、本当に良く作ってあるが、その反面無機質な感じを受け、 味気無さがあるのも確かだ。多少あざとらしくも感じるほどの 優しく、甘いサウンドだが、アルバムの出来自体は良く 出来ている。[84]

NEVER SAY GOODBYE / TEN

イギリスのメロディアス・ハード・ロック・バンドの2枚組み ライヴ盤。わずか3枚のアルバムで2枚組みライヴとは早い様な 気もするのが、彼等の曲は全体的に良く出来ているだけに、 こうして聴いても、不可分は感じない。楽曲は一曲一曲取れば、 メロディアスで叙情的で美しく、非常に素晴らしいのだが、 パターンの少なさが災いして、聴いていて飽きてくるのが 問題だろう。特に2枚組みと言う長い調尺であれば尚更で、もう 少しコンパクトな作品でも良かったと思える。演奏の出来は非常に 安定していて、GARY HUGHESのボーカルの出来もスタジオ盤に 負けていない。安心して聴けるだけの内容の作品には 仕上がっているし、それだけの実力はあると思うが。[82]

SHAVING PEACHES / TERRORVISION

イギリスのブリット・ポップ・バンドの4thアルバム。この手の バンドとしては最も叙情的で哀愁味のある楽曲が素晴らしい。 HypnotisedやCan't Get You Out Of My Mindと言ったそういう 感じのない楽曲もあるが、そのメロディ・センスは十分評価に 値すると思う。In Your Shoesの様に、哀愁味と言うよりは憂いを 強く感じさせるような楽曲も非常に良い。これも彼等の メロディ・センスの素晴らしさの賜物といえるだろう。 Swings And Roundabouts等に、非常にノイジィな ギター・メロディを入れてきたりもするが、全体的に ハード・ロック的なエッセンスは非常に薄い。とは言え、この メロディは一聴の価値はあると思えるだけの素晴らしい作品だ。 [89]

SPELLBOUND / TEN

イギリスのハード・ロック・バンドの4thアルバム。過去3作は短い スパンでリリースしてきた上に、音楽性は割と狭いバンドなので、 ワン・パターンと言う感じが非常に強くなってきていたが、 今作ではその反省もあったのか、若干趣を変えている。 メロディアスなハード・ロックで、基本的なメロディと言うものは 変わり映えしないのだが、これまでの路線に色々と新たな アイデアを付け加えている所に好感が持てる。バイオリンの大仰な インストルゥーメンタル、March Of The Argonautsで始まり、 バグ・パイプ風のRamembrance For The Braveや、それに続くRed 等はアイリッシュ・トラッドを感じさせる様なサウンドだ。 Spellbound等は明らかにWHITESNAKEで、苦笑ものだが、全体的には これまでのどの作品よりも聴き飽きさせない。[86]

WINNER TAKES ALL / TECH-9

オランダのハード・コア・バンドの2ndアルバム。 ボーカル・ラインはいかにもハード・コアらしいと言う 感じのもので、楽曲自体もそう言った路線だ。だが、 ギター・リフがかなり金属的な音に仕上げられており、かなり ヘヴィな作品に仕上げられている。バックの音はリフをザクザクと 切り刻んでおり、かなりスラッシュ・メタル的で、歌メロを 除けば、ヘヴィ・メタル方面のリスナーにも結構聴ける作品と 言って良いだろう。SICK OF IT ALLやAGNOSTIC FRONTと言った ハード・コア・バンドが好きならば、結構気に入るはずだ。[81]

MAKE MY DAY / TERRA NOVA

オランダのヘヴィ・メタル・バンドの3rdアルバム。 方向性としては、これまで同様ポップな完成度の高い 作品であるが、これまでよりややヘヴィな ギター・プレイもあったりと、幅が広がったように思える。 オランダらしい、甘いポップなHere's To Youから、 ハモンド・オルガンを大幅にフューチャーした、ヘヴィな インストルゥメンタル・ナンバーのAnomalyまでバラエティに 富んでいる。全体的に良く出来ているのだが、今一つアルバムの 流れが感じられないし、平均的で、飛び抜けた楽曲がない様に 感じられる。[82]

TERRA FIRMA / TERRA FIRMA

スウェーデンのヘヴィ・ロック・バンドのデビュー盤。元々は ST.VITUSのLORD CHRITUSとUNLEASHEDのFREDDIE EUGENEによる サイド・プロジェクトだったものだが、正式に 活動するようになった様だ。方向的には、よりドゥーム色の強い ヘヴィ・ロックと言う感じで、1970年代のBLACK SABBATH的な 雰囲気も楽曲によっては強く感じさせる。激しく打ち付ける ドラムに、呪術的な雰囲気を醸し出すギター・メロディで、この 手のバンドとしては、非常にパワフルでアグレッシヴさを 感じさせるサウンドだ。展開があって、練られている楽曲の出来、 アグレッシヴな演奏も中々のものだし、めりはりが効いていて、 聴きごたえがあるのも好感が持てる。特に ...And The 8th Seal Was Her'sの出来などは素晴らしい。[85]

THE ENDLESS BASIS / TERRA ROSA

日本のヘヴィ・メタル・バンドの1987年にリリースされた デビュー盤。実際には、その後に録音し直したり、ミックスし 直してメジャーから再リリースされたものだ。後に、虹伝説でも 知られるキーボードの岡垣正志を中心とした様式美系 ヘヴィ・メタルをやっている。女RONNIE JAMES DIOと称される 赤尾和重の男顔負けのパワフルなボーカルは素晴らしいし、 波はあるが楽曲の出来も中々良い。The Endless Basisを始め、 様式美系のリスナーには訴えるものがあるはずだ。大作、もの 言わぬ顔も美しいキーボードを始め、扇情的でドラマティックだ。 [82]

HONESTY / TERRA ROSA

日本のヘヴィ・メタル・バンドの1989年にリリースされた 2ndアルバム。方向的には、初期RAINBOWと言った感じの、様式美 ハード・ロックをもっとヘヴィ・メタル的に処理された様に 感じられる。デビュー盤よりも、演奏、プロダクションを始め、 完成度がずっと上がっていて中々良いアルバムだ。女 RONNIE JAMES DIOと称される、赤尾和重の女性離れしたパワフルな ボーカルも素晴らしい。Mr.Freelanceを始め、楽曲の出来も 中々で、11分以上に及ぶ大作、EVELYNは非常にドラマティックな ナンバーだ。日本語と英語の楽曲が入り交じっているが、その辺に 抵抗感が無ければ結構いけると思う。[84]

SASE / TERRA ROSA

日本のヘヴィ・メタル・バンドの1990年にリリースされた最後の 作品となる3rdアルバム。方向的には初期RAINBOWの影響も見える クラシカルなヘヴィ・メタルと言う感じだが、Carry It Out等、 この作品では初期のDIOと言った感じもある。女 RONNIE JAMES DIOと言われるだけあって、赤尾和重のパワフルな ボーカルは女性離れしていて凄まじい。前作と比べると、 決して悪くはないのだが、楽曲的にはやや面白味が減っており、 その一方で完成度はより上がっている。これまで同様英語と 日本語の曲が混合しているが、日本語の歌詞の方が自然に 聞こえる。[83]

THE GATHERING / TESTAMENT

アメリカのスラッシュ・メタル・バンドのアルバム。オリジナルな メンバーは、最早ボーカルのCHUCK BILLYとギタリストの ERICK PETERSONの2人だけと言って良いだろう。今作では、前作に 引き続きJAMES MURPHYが参加している外、ドラムがGRIP INC.の DAVE LOMBARDO、ベースがDEATH、SADESのSTEVE DiGIORGIOと言う 凄いラインナップになっている。この2人がリズム隊だけあって、 もう圧巻としか言い様がないほどリズムの刻み方は凄い。 JAMES MURPHYのギターもさすがと言わざるを得ないし、演奏の方は 高過ぎると言っても良い程非常にレベルが高い。CHUCK BILLYの ボーカルは、ここ最近彼のボーカル・スタイルらしい、やや デス・ボイスっぽい咆哮型のボーカルだ。前作に比べれば、より スラッシュ・メタル的な方向へ揺り戻している感じだ。[83]

FEAR THE FORCE / TEN

イギリスのハード・ロック・バンドのミニ・アルバム。 タイトル・トラックは4thアルバム、SPELLBOUNDに 収められていたもので、未発表曲が2曲、SPELLBOUNDの収録曲の バージョン違いが3曲の、計6曲と言う構成になっている。 未発表曲のXanaduは明るくのりの良い ハード・ロック・ナンバーで、明らかに彼等の曲としては異質で、 アルバム未収録であるのもうなずける曲だ。もう1曲の未発表曲、 Rainbow In The Darkはスロー・バラードで、こちらの方がまだ 彼等らしいが、楽曲としての面白さは今一つで、アルバムから 落ちたと言うレベルだ。残りのWe Rule The Night、Red、 Till The End Of Timeはアコースティック・バージョンで、却って 楽曲の魅力が失われている様に思える。ファン向けの コレクターズ・アイテム的作品で、出来としては今一つだ。[76]

INNOCENT LOSER / TEDDY ANDREAS

アメリカ人ボーカリストの1996年にリリースされた ソロ・アルバム。何故か韓国のレーベルより、ひっそりと リリースされているが、ベースをCHUCK WRIGHT、DUFF McKAGANが 弾いている他、ドラムはMATT SORUM、GREG BISSONETTE、 PAT TORPEY、ギターにSLASH、STEVE LUKATHERと言った豪華な ゲスト陣が参加している。サックスやトランペットも 導入しており、方向的にはリズム・アンド・ブルース的な色合いの 作品に仕上がっている。如何にもアメリカ的で、埃っぽい 感じのする楽曲群で、彼のしゃがれたボーカルが良い味わいを 出している。[80]

GREAT GONZOS!THE BEST OF TED NUGENT / TED NUGENT

アメリカのハード・ロック・バンド、MR.BIGのボーカリストによる 1981年にリリースされたベスト盤にボーナス・トラックを3曲 追加して、リマスターしたもの。ボーナス・トラックは、ライヴ 2曲に新曲が1曲と言う構成になっている。ライヴは1977年から 1978年と言う、彼のソロ時代、最も充実していた時期のライヴを 録音したものの様で、Yank Me, Crank MeとHomeboundが 集録されている。どちらかと言うと、ブギー調ののりの良い ハード・ロックをやっていたが、新曲のGive Me Just A Littleも そう言った部分が見える。但し、よりアップ・テンポな作品で、 今一つ平凡な感じがする。[81]

PRIMAL / TERRA ROSA

日本のヘヴィ・メタル・バンドのレア・トラック集。1984年に 制作されたTERRA ROSA Iと1985年に制作されたTERRA ROSA IIの 2本のデモ・テープに、未発表曲、ライヴ音源を合わせたものだ。 あくまでもコレクターズ・アイテム的なアルバムでしかないが、 特にTERRA ROSA IIでは後にDEAD ENDを結成する、ギタリストの 足立祐二が復帰するなど、中々興味深い音源だ。プロダクションは デモ・テープとは侮れない位出来は良いし、足立祐二のギター、 岡垣正志のキーボード、女性版RONNIE JAMES DIOと言われた 赤尾和重のボーカルと演奏を始め、初期RAINBOW型の楽曲とも レベルの高さは確かだ。[78]

SLAUGHTERHOUSE SUPREMACY / TERROR 2000

スウェーデンのスラッシュ・メタル・バンドのデビュー盤。 SOILWORKのボーカリスト、SPEED STRID、ドラマー、HENRY RANTAと DARKANEのギタリスト、KLAS IDEBERGを中心とした プロジェクト・バンドだ。方向的にはいわゆるデスラッシュと 言われるものだが、バックのサウンドはよりスラッシュ・メタル 然としたサウンドとなっている。SPEED STRIDのボーカルは SOILWORKと同様の歪んだデス・ボイスだが、シャウトする タイプなので、こうして聴いてみても違和感はない。 ギター・ソロに愁いのあるメロディを挟みながらも、疾走感のある 勢いを感じさせるエッヂのあるサウンドは迫力があって 圧倒される。アルバムを通して聴いていると、楽曲に変わり 映えがなくやや単調と言う感もあるが、出来は悪くない。[80]

BABYLON / TEN

イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの5thアルバム。方向的には、 初期から貫かれている叙情的な哀愁のメロディの ヘヴィ・メタルだ。割とワン・パターン的なバンドで、この 作品でもそれは変わりない。前作ではバイオリンを入れたり、 バグ・パイプ風のサウンドを入れたり、アイリッシュ・トラッド 的な色合いを打ち出す事によって、新味を加えていたのに対して、 今作ではそう言うアイデアを凝らす事は全くされておらず、聴き 飽きた彼等の世界が展開されているだけだ。楽曲的にも、 これまでの作品と比べるとお世辞にも良く出来ているとは言えず、 中途半端な印象だけが残ってしまう作品になってしまっている。 [77]

TEER / TEER

アメリカのハード・ロック・バンドのデビュー盤。キャッチーで 愁いを含んだ叙情的なメロディのハード・ロックで、NOW & THEN 所属のアーティストらしい作品だ。ボーカリストのDAN MICHAELSの 声質は、FIREHOUSEのC.J.SNAREを思い起こさせる様な独特の ハイ・トーンで、面白い味わいになっている。個性や新味には 欠けるが、逆にすんなりと聴けるところでもある。 つぼにはまった楽曲は流石と思わせるところがあるが、やや 面白味に欠ける楽曲も散見される。メロディ・センスは悪くないと 思えるだけに、楽曲のレベルが安定してくればかなり面白い作品を 作れると思うが。[82]

LIVE...FINAL CLASS DAY / TERRA ROSA

日本のヘヴィ・メタル・バンドの1992年にリリースされた ライヴ盤。1992年に大阪で行われた解散コンサートの模様を 収めたものだ。ドラマティックな様式美はここでも見事に 再現され、Why Don't You Leave Meにおける泣きのギター・ソロ 等は非常に素晴らしいし、岡垣正志のキーボードも ドラマティックさをより引き立てている。それにも増して賞賛に 値するのは、女RONNIE JAMES DIOと称された赤尾和重のパワフルな 熱唱だろう。もの言わぬ顔を始め、実に格好の良いライヴを 聴かせてくれているだけに、これを最後に解散してしまったのは 非常にもったいない様な気がする。[84]

BACK TO EDEN / TERRY BROCK

現SIGN、元STRANGEWAYSのアメリカ人ボーカリストの初の ソロ・アルバム。アメリカらしい叙情的なメロディの爽やかな ロック・アルバムで、JOURNEY等に通じる様な産業ロック的な エッセンスの感じられる洗練された作品に仕上がっている。彼の ソウルフルなボーカルが、そう言った楽曲に命の息吹を与え、 エッヂが良く立っている。この手の作品を作るだけあって、 楽曲の方も整っていて中々素晴らしい出来だ。余計なMCを 入れていたりするのは興醒めだが、彼のボーカリストとしての 実力を感じさせてくれる。[84]

HARMS WAY / TERRA FIRMA

スウェーデンのドゥーム・メタル・バンドの3年振りの 2ndアルバム。元COUNT RAVREN、SAINT VITUSのボーカリスト、 LORD CHRITUSと元UNLEASHEDのギタリスト、FREDDIE EUGENEを 中心としたバンドだ。LORD CHRITUSのボーカルが、非常に OZZY OSBOURNE的なので単純にドゥーム・メタルとして受け 止めたくなるが、実際はBLACK SABBATH的な色合いそのままと 言ったものとは違い、かなりオリジナリティを打ち 出したものとなっている。最近のストーナー・ロックにも近い ヘヴィ・ロックで、ギター等はMETALLICAっぽさも感じさせる。 サイケデリックで歪ませたサウンドはダイナミズムに溢れている。 楽曲の出来も素晴らしく、特に出だしの彼等としては毛色の違う メランコリックなインストルゥーメンタル、Freebassingから Groundmanに至る展開は圧巻だ。[91]

REGULAR URBANS SURVIVORS / TERROR VISION

イギリスのブリット・ポップ・バンドの1996年にリリースされた 2年振りの3rdアルバム。音楽的には、一般的な ブリット・ポップ・バンドとはやや一線を画しており、かなり ハードな音作りがなされている。楽曲的にはグランジ的な エッセンスもあり、ポップなサウンドでありながらも一風変わった 音楽性だと感じさせる作品だ。今作では、オーケストレーションを 持ち込む等、更にアイデアが盛り込まれており、中々面白い アルバムに仕上がっている。彼等らしい憂いに満ちた メロディ・センスは悪くないし、楽曲にもフックが出てきており、 聴き応えは増しているが、楽曲の出来にやや波が感じられる。[80]

FAR BEYOND THE WORLD / TEN

イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの6thアルバム。方向的には デビュー当時から貫かれている、甘い叙情的なメロディの ヘヴィ・メタルだ。前作ではそんな中でもオリジナリティの欠如が 著しかったし、楽曲の出来も非常に中途半端だった。それに対して 今作では、それ以前の良質なメロディのヘヴィ・メタルと言う 本質に立ちかえっていると言って良いだろう。そう言う意味では 初期からのファンに取っては十分満足出来る内容であると 言えるが、その一方でGARY HUGHESの書く楽曲の ワン・パターンさは相変わらずで、SPELLBOUNDでの様な アイデアもないところに限界が感じられる。[80]

REPLUGGED LIVE / TESLA

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの2枚組みライヴ盤。1996年に 解散して以来、5年振りとなるオリジナル・メンバーでの復活 ライヴ・ツアーの模様を収めたものだ。 FIVE MAN ACOUSTICAL JAMでアンプラグド・ライヴの流行の 切っ掛けをを作り、ライヴ・バンドとしても定評のあった バンドだが、結局アコースティックではない通常のライヴ盤を作る 事無く解散したため、復活してライヴ盤を作成してくれたのは実に 嬉しいし、それに違わぬ内容だと言って良いだろう。Paradiseが 入っていないのは残念だが、SignsやLove Songと言ったヒット曲を 始め、ベストと言える選曲になっている。[85]

FIRST STRIKE STILL DEADLY / TESTAMNET

アメリカのスラッシュ・メタル・バンドのアルバム。過去の楽曲を セルフ・カバーで録音し直したもので、全てTHE LEGACYと THE NEW ORDERからの楽曲でなっている。言わば彼等の一番 良かった時代の楽曲な訳で、そのクオリティの高さは疑い 様もない。ザクザクと切り刻むリフは攻撃的で非常に格好良く、 彼等の魅力を存分に伝えてくれる作品に仕上がっている。彼等の 初期において、メロディ面において重要な役割を果たし、後に SAVATAGEに加入するギタリストのALEX SKOLNICKとドラマーの JOHN TEMPESTAが参加し、かつての姿を思い起こさせる陣容だ。 [90]

FASTER DISASTER / TERROR 2000

スウェーデンのスラッシュ・メタル・バンドの2年振りの 2ndアルバム。SOILWORKのボーカリスト、SPEED STRID、ドラマーと DARKANEのギタリスト、KLAS IDEBERGを中心とした プロジェクト・バンドだ。スピード感を前面に押し出した、 ブルータルでコアなスラッシュ・メタルだ。ある意味、前作と 比べるともっと古臭さを感じさせるスタイルで、1980年代の オールド・スクールを上手く現代にアレンジした作品と言って 良いだろう。楽曲、演奏のレベルも高いし、古き良き スラッシュ・メタルのファンならば、十分満足出来るアルバムに 仕上がっている。[84]

REV / TEN FOOT POLE

アメリカのパンク・ロック・バンドの1994年にリリースされた デビュー盤。スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドとは同名 異バンドで、こちらは純然としたパンク・ロックだ。 ロックンロールを基調としたアップ・テンポのサウンドで、かなり メロディアスで憂いを感じさせる部分がある。そのため、 メロディック・ハード・コアと思わせるところもなくはない。 メロディ等は中々良い出来だし、勢いもあるので一気に 聴かせてくれるが、ヘヴィ・メタル的な要素は全くないので、 あくまでもロックンロール系のパンク・ロックが好きならばと言う 前提になるが。[79]

CRAVEMAN / TED NUGENT

アメリカのヘヴィ・メタル・バンド、DAMN YANKEESの ボーカリストによる7年振りの12thソロ・アルバム。元々ソロで 活動していたベテランだけに、こちらの方が本業と言っても 良いだろう。齢50才を超えた大ベテランとは思えない程ハードで アグレッシヴなアルバムで、そのエナジーとパワフルさは 感嘆させられる。基本的にはハード・ロックンロールを 基調としたもので、ドライヴ感とのりの良さを感じさせるものに 仕上がっている。楽曲自体は取りたてて目新しいものがある 訳ではないが、ガツンと来るパワーがあり、ぐいぐいと引っ張って 来て聴き応えのあるアルバムだ。[83]