アメリカのプロジェクトの1991年にリリースされたアルバム。 MOTHER LOVE BONEのボーカリスト、ANDREW WOODがドラッグで 亡くなった事により作成されたトリビュート作品だ。 SOUNDGARDENのボーカリスト、CHRIS CORNELLとドラマー、 MATT CAMERON、MOTHER LOVE BONEのギタリスト、STONE GOSSARDと MIKE McCREADY、ベーシスト、JEFF AMENTによるプロジェクトだ。 MOTHER LOVE BONEのメンバーは、後にPEARL JAMで活躍する 事になるし、SOUNDGARDENもシアトル系のバンドとしては最も メタルよりのサウンドで知る人も多いだろう。こう言う事実からも 判る通り、音楽的にはオルタナティヴ・ロックをややハードにした サウンドだが、非常にエナジーの感じられるもので、 CHRIS CORNELLのソウルフルな熱唱が素晴らしい。特に11分にも 及ぶReach Downは、ミドル・テンポでカオチックな楽曲であるの、 決して聴き開きさせない。[88]
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた アルバム。方向的にはD.A.Dの流れを汲む、パンキッシュな ハード・ロックンロールと言ったところだ。特にLASSE HOLMGRENの ボーカル等、特にそう言った色合いを感じさせるものだ。D.A.D程 パンキッシュにやっているわけではないし、哀愁を感じさせる 部分もなく、むしろアメリカナイズされたヘヴィ・メタルと言う 部分が見受けられる作品となっており、北欧的な色合いは全く 感じられない。全体的にテンポが良く、のりの良い、エッヂの 立ったワイルドなサウンドで、楽曲も悪くないし聴き応えもある。 [82]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1989年にリリースされた 2年振りの2ndアルバム。デビュー作でのスマッシュ・ヒットに 続き、Love Songのシングル・ヒット等、彼等の代表作と言って 良いアルバムだ。ブルージィなエッセンスを持ち込みながらも、 あくまで扇情的でハードなヘヴィ・メタルと言う基本線を崩さず、 泥臭い硬派なサウンドを聴かせてくれている。バラードの出来も 素晴らしく、静かな導入から、徐々に盛り上げて行き、叙情的で ハートフルなギター・ソロへと繋いでいくLove Songの構成や、 そこからピアノをフューチャーした非常に哀愁の強いParadiseに 続く展開等、最早圧巻と言う他ない。バランスも良く、楽曲の 出来も素晴らしいし、JEFF KEITHのオーセンティックなボーカルを 始め、名盤と呼ぶに相応しい出来だ。[95]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1990年にリリースされた ライヴ盤。1990年に行われたアメリカでの公演の模様を 収めたものだ。ただし、アルバム・タイトルが示す通り、通常の ライヴ盤とは異なり、アコースティック・ライヴの模様を 収めたものだ。言わば企画盤的とも言える作品だが、 シングル・カットされたFIVE MAN ELECTRICAL BANDのカバー、 Signsの大ヒットにより、彼等の最も売れた作品となった。今では アコースティック・ライヴ盤を出す事自体は珍しくないが、この 作品が出た頃はまだそう言った風潮がなかった頃で、この アルバムのヒットがアンプラグドものの走りとなり、その流行を 産んだと言って良いだろう。スタジオ盤で見せるヘヴィな面とは 異なり、ほのぼのとした雰囲気も感じられ、会場ののりの良い 雰囲気も出ていて中々優れたライヴ盤である事は間違い無い。[90]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1991年にリリースされた 2年振りの3rdアルバム。前作とアコースティック・ライヴ盤の 大ヒットにより成功を収めたが、そのため売れ線を意識する事を 嫌ってか、若干方向つけられてアルバム作りがなされている様に 感じられる。音楽的にはあくまでもベースは、彼等らしい ブルージィな色合いを持ちこんだ、扇情的な ヘヴィ・メタルなのだが、前作でのLove SongやParadiseの様な バラードを一切廃し、あくまでもヘヴィな作品作りを狙った アルバムと言って良いだろう。その心意気は買うし、全体的な 出来も相変わらずレベルは高いのだが、 一本調子になってしまっているのが難点と言えるだろう。[85]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた 3年振りの4thアルバム。方向的にはこれまでの延長線上とも 言える、ブルージィなエッセンスを加えた、扇情的でアメリカの バンドらしいヘヴィ・メタルを聴かせてくれている。前作では バラードを廃して、必要以上にヘヴィな作品作りを行ったため、 一本調子な作品となってしまっていたが、今作では アコースティック・ギターの比重が上がり、もう少し バラエティさの感じられる作品となっている。特にTry So Hardの 様な、土臭い素朴な楽曲等は顕著な部分と言って良いだろう。 とは言え、Love SongやParadiseの様なバラードは無く、 FIVE MAN ACOUSTICAL JAMっぽさを持ちこんだ作品と言える。[86]
アメリカのスラッシュ・メタル・バンドの1989年にリリースされた 3rdアルバム。彼等らしい速くてヘヴィなサウンドは健在だが、 よりメロディを押し出した作品になっており、純然とした スラッシュ・メタルからややパワー・メタル的なエッセンスを取り 入れ出した様に感じる。特にアコースティック・ギターを大胆に フューチャーしたバラード、The Ballad(A Song Of Hope)を やっている辺りはその変化が顕著に現れた部分と言って 良いだろう。そのため、彼等の扇情的な音楽性がよりはっきりと 打ち出される結果となっており、好き嫌いが分かれる作品と 言えるかも知れない。[82]
アメリカのスラッシュ・メタル・バンドの1990年にリリースされた 4thアルバム。一風変わった特徴的なリフに、CHUCK BILLYの透った 独特のシャウトは健在で、彼等らしいオリジナリティは変わらず 貫かれている。前作ではややメロディを押し出し過ぎたと言う 反省があったのか、今作ではデビュー当初のより攻撃的な路線に 少しだけ揺り戻した様に感じられる。扇情的でありながら、 CHUCK BILLYのボーカルがクールな雰囲気の漂わせ、彼等らしさは 十分感じられるものの、楽曲の出来やリフの印象度は今一つで、 残念ながら彼等の作品としては今一つと言う感の強いアルバムだ。 [80]
アメリカのスラッシュ・メタル・バンドの1992年にリリースされた 2年振りの5thアルバム。スラッシュ・メタルとしては冬の時代とも 言える頃と言う事もあってか、その方向性を大きく変えている。 スラッシュ・メタル的なリフはほとんど聴かれなくなっており、 従来からのスピード感も押さえたミドル・テンポ中心のヘヴィな 作品に仕上がっている。おどろおどろしさも感じる様な、ある意味 思い切ったイメージ・チェンジではあるのだが、旧来の ファンからすると戸惑いの憶える作品だろう。重厚さは良く 出ているし、彼等の作品と思わなければ決して悪くない アルバムだが。[80]
アメリカのスラッシュ・メタル・バンドの1993年にリリースされた ミニ・アルバム。ライヴが4曲、新曲2曲の全6曲と言う 構成になっている。ギタリストのALEX SKOLNICK等が脱退し、 混乱を極めていた時期だけに、その健在振りをアピールした作品と 言って良いだろう。デビュー以降、徐々に方向性を見誤って行った 感があるが、ライヴで改めてOver The WallやThe Hauntingと 言った楽曲を改めて聴かされるとそれが良く判る。 Reign Of Terrorもそれにあわせた様な、コアで速いナンバーで、 Return To SerenityはThe Ballad(A Song Of Hope)的な バラードだ。[84]
アメリカのスラッシュ・メタル・バンドの1994年にリリースされた 2年振りの6thアルバム。スラッシュ・メタル界で最もテクニカルな ギタリストだったALEX SKOLNICKが脱退し、元FORBIDDENの GLEN ALVELAISが加入したがあっと言う間に脱退、元OBITURY、 DEATH、CANCERのJAMES MURPHYが加入している。ALEX SKOLNICKに 劣らぬテクニックの持ち主だけに、その穴を十分埋めていると 言えるだろう。むしろ、最もメロディ指向の強かった ALEX SKOLNICKがいなくなった事で、CHUCK BILLYと ERIC PETERSONのヘヴィネス指向が強く出る事となった音楽性の 変化の方がその影響は大きいだろう。[82]
イギリスのブリット・ポップ・バンドの1993年にリリースされた 2ndアルバム。この手のバンドとしては、かなりハードな 音作りで、それが今一つバンドの音楽性に馴染んでいない感じだ。 部分的にはグランジ的な影響もあったりと、ブリット・ポップの バンド群とはやや一線を画した音楽性を模索しているように 思えるが、まだ自分達の音楽を確立するまでには至っていないと 言う感じだ。とは言え、EMI UKがこのバンドの為に設立した レーベルからのリリースで、レコード会社の期待の高さも判ろうと 言うもので、素材的には素晴らしいものがあると思う。全体的に あっさりしているが故、印象が希薄だったりするが悪くない 作品だ。[78]
アメリカのスラッシュ・メタル・バンドのフルレンスとしては 初めてのライヴ盤。演奏もしっかりしているし、録音もそれほど 悪くはないのだが、TESTAMENTというバンドの音楽性の問題か、 全体的に何か物足りなさを感じるのが残念だ。だがその演奏は十分 迫力があり、扇情感がほどよく感じられる。長さ的にもやや中途 半端に終わってしまっていて、これからと言う感じになってきた 所で終わっていて、一枚では幾分物足りなく感じられる。これと 言った名曲がないので、盛り上がりきる前に終わったと言うのが 大きいだろうし、そのことが現在のTESTAMENTの立場を 象徴しているのかもしれない。[83]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンド10周年記念ベスト・アルバム。 新曲はCastles In The Sandの1曲だけだが、これはTESLAとしては どうという事のない曲なので、残念ながら初心者用入門 アルバムとして以上の価値はあまりないと言って良いだろう。 とは言え、ヒット曲、名曲と言えるものは網羅されており、 ベストとしての選曲は文句ない。硬派なヘヴィ・メタル・バンドで 同時期にデビューしたL.A.メタルのバンド群とはまた一線を 画していただけに、メジャーからドロップしてしまったのは全く 残念な話だ。THE GREAT RADIO CONTROVERSYのツアーでのライヴも 非常に素晴らしく、ライヴ・パフォーマーとしてのも 一流なだけに、ベスト盤よりライヴ盤を出して欲しかった。[85]
マンチェスター出身のボーカリスト、GARY HUGHESを中心とする イギリスのヘヴィ・メタル・バンドのデビュー盤。音楽的には ミドル・テンポ中心のブルージィなハード・ロックで、叙情的かつ ポップ・センス溢れる楽曲が揃っている。落ち着いた雰囲気ながら エモーショナルかつソウルフルで盛り上がりがあり、 GARY HUGHESのボーカルが良く映えている。楽曲、 プロダクションとも完成度は非常に高く、哀愁のあるメロディを じっくりと聴かせてくれるアルバムに仕上がっている。 GARY HUGHESのメロディ・センスの良さが出た作品で、叙情派 メロディアス・ハードが好きならばお奨めだ。[90]
オランダのハード・ポップ・バンドのデビュー盤。軽快で キャッチーな良質のポップ・センス溢れる楽曲がずらりと 並んでいる。疾走感のあるロックンロール風のナンバーから しっとりとしたバラードまで、バラエティ豊かに、佳曲と 言えるだけの楽曲が並んでいる。演奏、コーラスも そつなくこなし、ちょっとしゃがれ声のFRED HENDRIXのボーカルも 味があって良い作品に仕上がっている。全体的に良く 作られていて、面白味に欠けると言う感じもしなくはないが、 デビュー作でこれだけの完成度はたいしたものだ。[86]
GARY HUGHESを中心とするイギリスの メロディアス・ハード・ロック・バンドの来日記念の ミニ・アルバム。1stシングルのThe Name Of Loveの シングル・バージョンに未発表曲が一曲、ライヴが2曲、 The Name Of Loveのカラオケ・バージョンと言う 構成になっている。The Name Of Loveはともかくとして、 未発表曲もライヴも実に良い出来で、ファンなら是非 押さえておいた方が良いだろう。未発表曲の When Only Love Can Ease The Painは暖かくて壮大な スロー・バラードで、アルバムに入っていてもおかしくない 曲だ。[84]
GARY HUGHES率いるイギリスの メロディアス・ハード・ロック・バンドの2ndアルバム。優しく 憂いに満ちたメロディは秀逸で非常に美しい。GARY HUGHESの ボーカルも楽曲にあっているし、ギターの音色も情感豊かで バンドとしてのパッケージも良い案配だ。 プロダクションも良いし、適度にハードで適度にポップ、全体的な バランスも素晴らしい。あえてあげるだけの欠点はないし、 名盤といえるだけの出来だ。落ち着いた佳曲といえるだけの楽曲が ずらりと並んでおり、叙情的な作品が好きならば買って 決して損はないだろう。[92]
イギリスのハード・ロック・バンドの1986年にリリースされた デビュー盤。後にTHUNDERを結成するボーカリスト、 DONIEL BOWES、ギタリスト、LUKE MORLEY、ドラマー、GARY JAMES 等が在籍しており、言わばTHUNDERの前身バンドとも言って良い バンドだろう。DANIEL BOWESのボーカルはここでも相変わらず 素晴らしいし、楽曲もTHUNDERの様な枯れたブルージィ色は 余りなく、アメリカナイズされているものの、その後のTHUNDERに 通ずる部分もあり、出来は悪くない。N.W.O.B.H.M.末期の、 ヘヴィ・メタル・バンドには辛い時代に健闘しただけの 内容ではある。[85]
後にTHUNDERの母体となったN.W.O.B.H.M.末期に活躍した ブリティッシュ・ハードーロック・バンドの1987年に リリースされた2ndアルバム。デビュー盤はやや若さを 感じさせるが、後のTHUNDERを思わせるようなブルーズ色のある ハード・ロック・アルバムだった。この作品ではキーボードを 前面に押し出してポップ色をより色濃くし、デビュー盤に比べれば THUNDER的な色合いは薄い。それでもDANIEL BOWSEのボーカルは 変らずだし、枯れた味わいを出したときはさすがとは 思わせるものはある。そういった楽曲はともかくとして、出来は 決して悪い訳ではないがやや平凡な印象は拭えない。[80]
アメリカのスラッシュ・メタル・バンドの復活第一作目。 デス・ボイス的な指向を強めていたが、CHUCK BILLYの地響きを たてるような歪んだボーカルは咆哮型デス・ボイスと言って 良いものだ。ALEXが作り出していた流麗なメロディー・ラインは 全くなくなり、攻撃的でスラッシィな強烈なリフが 中心になっている。パワフルかつ圧倒的なエネルギーで 迫ってくる様は圧巻ですらある。方向的にかなり変化してきている バンドだが、これはこれで良く出来た作品だ。メンバーは CHUCK BILLYとERIC PETERSONを除き、安定しないのがやや 不安だが。[85]
オランダのハード・ロック・バンドの2ndアルバム。前作より更に アメリカ指向が強くなっており、楽曲によっては優しいバラード Only For You等はJOURNEYを思い起こさせるようなものもある。 アップ・テンポのものは軽快かつポップでRON HENDRIXの キーボードが効果的に雰囲気を盛り上げている。 叙情的ではあるが、前作に比べ哀愁味が大幅に減退し、明るく 優しい雰囲気の作品になっている。楽曲の出来、演奏なども良い 出来なのだが、何処かで聴いたようなものが多く、 オリジナリティはほとんど感じられない作品だ。[81]
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの3rdアルバム。方向的には これまでの延長線上と言えるもので、ワン・パターンとさえ言える 叙情的で哀愁のメロディは今作でもまるで変わりなく、 飽きさえしなければ十分楽しめる内容だろう。ただ、必要以上に 長い楽曲があって、聴いててだれてくる感がなきにしもあらずで、 もう少しコンパクトな曲作りにして欲しかった。プロダクション 等、本当に良く作ってあるが、その反面無機質な感じを受け、 味気無さがあるのも確かだ。多少あざとらしくも感じるほどの 優しく、甘いサウンドだが、アルバムの出来自体は良く 出来ている。[84]
イギリスのメロディアス・ハード・ロック・バンドの2枚組み ライヴ盤。わずか3枚のアルバムで2枚組みライヴとは早い様な 気もするのが、彼等の曲は全体的に良く出来ているだけに、 こうして聴いても、不可分は感じない。楽曲は一曲一曲取れば、 メロディアスで叙情的で美しく、非常に素晴らしいのだが、 パターンの少なさが災いして、聴いていて飽きてくるのが 問題だろう。特に2枚組みと言う長い調尺であれば尚更で、もう 少しコンパクトな作品でも良かったと思える。演奏の出来は非常に 安定していて、GARY HUGHESのボーカルの出来もスタジオ盤に 負けていない。安心して聴けるだけの内容の作品には 仕上がっているし、それだけの実力はあると思うが。[82]
イギリスのブリット・ポップ・バンドの4thアルバム。この手の バンドとしては最も叙情的で哀愁味のある楽曲が素晴らしい。 HypnotisedやCan't Get You Out Of My Mindと言ったそういう 感じのない楽曲もあるが、そのメロディ・センスは十分評価に 値すると思う。In Your Shoesの様に、哀愁味と言うよりは憂いを 強く感じさせるような楽曲も非常に良い。これも彼等の メロディ・センスの素晴らしさの賜物といえるだろう。 Swings And Roundabouts等に、非常にノイジィな ギター・メロディを入れてきたりもするが、全体的に ハード・ロック的なエッセンスは非常に薄い。とは言え、この メロディは一聴の価値はあると思えるだけの素晴らしい作品だ。 [89]
イギリスのハード・ロック・バンドの4thアルバム。過去3作は短い スパンでリリースしてきた上に、音楽性は割と狭いバンドなので、 ワン・パターンと言う感じが非常に強くなってきていたが、 今作ではその反省もあったのか、若干趣を変えている。 メロディアスなハード・ロックで、基本的なメロディと言うものは 変わり映えしないのだが、これまでの路線に色々と新たな アイデアを付け加えている所に好感が持てる。バイオリンの大仰な インストルゥーメンタル、March Of The Argonautsで始まり、 バグ・パイプ風のRamembrance For The Braveや、それに続くRed 等はアイリッシュ・トラッドを感じさせる様なサウンドだ。 Spellbound等は明らかにWHITESNAKEで、苦笑ものだが、全体的には これまでのどの作品よりも聴き飽きさせない。[86]
オランダのハード・コア・バンドの2ndアルバム。 ボーカル・ラインはいかにもハード・コアらしいと言う 感じのもので、楽曲自体もそう言った路線だ。だが、 ギター・リフがかなり金属的な音に仕上げられており、かなり ヘヴィな作品に仕上げられている。バックの音はリフをザクザクと 切り刻んでおり、かなりスラッシュ・メタル的で、歌メロを 除けば、ヘヴィ・メタル方面のリスナーにも結構聴ける作品と 言って良いだろう。SICK OF IT ALLやAGNOSTIC FRONTと言った ハード・コア・バンドが好きならば、結構気に入るはずだ。[81]
オランダのヘヴィ・メタル・バンドの3rdアルバム。 方向性としては、これまで同様ポップな完成度の高い 作品であるが、これまでよりややヘヴィな ギター・プレイもあったりと、幅が広がったように思える。 オランダらしい、甘いポップなHere's To Youから、 ハモンド・オルガンを大幅にフューチャーした、ヘヴィな インストルゥメンタル・ナンバーのAnomalyまでバラエティに 富んでいる。全体的に良く出来ているのだが、今一つアルバムの 流れが感じられないし、平均的で、飛び抜けた楽曲がない様に 感じられる。[82]
スウェーデンのヘヴィ・ロック・バンドのデビュー盤。元々は ST.VITUSのLORD CHRITUSとUNLEASHEDのFREDDIE EUGENEによる サイド・プロジェクトだったものだが、正式に 活動するようになった様だ。方向的には、よりドゥーム色の強い ヘヴィ・ロックと言う感じで、1970年代のBLACK SABBATH的な 雰囲気も楽曲によっては強く感じさせる。激しく打ち付ける ドラムに、呪術的な雰囲気を醸し出すギター・メロディで、この 手のバンドとしては、非常にパワフルでアグレッシヴさを 感じさせるサウンドだ。展開があって、練られている楽曲の出来、 アグレッシヴな演奏も中々のものだし、めりはりが効いていて、 聴きごたえがあるのも好感が持てる。特に ...And The 8th Seal Was Her'sの出来などは素晴らしい。[85]
日本のヘヴィ・メタル・バンドの1987年にリリースされた デビュー盤。実際には、その後に録音し直したり、ミックスし 直してメジャーから再リリースされたものだ。後に、虹伝説でも 知られるキーボードの岡垣正志を中心とした様式美系 ヘヴィ・メタルをやっている。女RONNIE JAMES DIOと称される 赤尾和重の男顔負けのパワフルなボーカルは素晴らしいし、 波はあるが楽曲の出来も中々良い。The Endless Basisを始め、 様式美系のリスナーには訴えるものがあるはずだ。大作、もの 言わぬ顔も美しいキーボードを始め、扇情的でドラマティックだ。 [82]
日本のヘヴィ・メタル・バンドの1989年にリリースされた 2ndアルバム。方向的には、初期RAINBOWと言った感じの、様式美 ハード・ロックをもっとヘヴィ・メタル的に処理された様に 感じられる。デビュー盤よりも、演奏、プロダクションを始め、 完成度がずっと上がっていて中々良いアルバムだ。女 RONNIE JAMES DIOと称される、赤尾和重の女性離れしたパワフルな ボーカルも素晴らしい。Mr.Freelanceを始め、楽曲の出来も 中々で、11分以上に及ぶ大作、EVELYNは非常にドラマティックな ナンバーだ。日本語と英語の楽曲が入り交じっているが、その辺に 抵抗感が無ければ結構いけると思う。[84]
日本のヘヴィ・メタル・バンドの1990年にリリースされた最後の 作品となる3rdアルバム。方向的には初期RAINBOWの影響も見える クラシカルなヘヴィ・メタルと言う感じだが、Carry It Out等、 この作品では初期のDIOと言った感じもある。女 RONNIE JAMES DIOと言われるだけあって、赤尾和重のパワフルな ボーカルは女性離れしていて凄まじい。前作と比べると、 決して悪くはないのだが、楽曲的にはやや面白味が減っており、 その一方で完成度はより上がっている。これまで同様英語と 日本語の曲が混合しているが、日本語の歌詞の方が自然に 聞こえる。[83]
アメリカのスラッシュ・メタル・バンドのアルバム。オリジナルな メンバーは、最早ボーカルのCHUCK BILLYとギタリストの ERICK PETERSONの2人だけと言って良いだろう。今作では、前作に 引き続きJAMES MURPHYが参加している外、ドラムがGRIP INC.の DAVE LOMBARDO、ベースがDEATH、SADESのSTEVE DiGIORGIOと言う 凄いラインナップになっている。この2人がリズム隊だけあって、 もう圧巻としか言い様がないほどリズムの刻み方は凄い。 JAMES MURPHYのギターもさすがと言わざるを得ないし、演奏の方は 高過ぎると言っても良い程非常にレベルが高い。CHUCK BILLYの ボーカルは、ここ最近彼のボーカル・スタイルらしい、やや デス・ボイスっぽい咆哮型のボーカルだ。前作に比べれば、より スラッシュ・メタル的な方向へ揺り戻している感じだ。[83]
イギリスのハード・ロック・バンドのミニ・アルバム。 タイトル・トラックは4thアルバム、SPELLBOUNDに 収められていたもので、未発表曲が2曲、SPELLBOUNDの収録曲の バージョン違いが3曲の、計6曲と言う構成になっている。 未発表曲のXanaduは明るくのりの良い ハード・ロック・ナンバーで、明らかに彼等の曲としては異質で、 アルバム未収録であるのもうなずける曲だ。もう1曲の未発表曲、 Rainbow In The Darkはスロー・バラードで、こちらの方がまだ 彼等らしいが、楽曲としての面白さは今一つで、アルバムから 落ちたと言うレベルだ。残りのWe Rule The Night、Red、 Till The End Of Timeはアコースティック・バージョンで、却って 楽曲の魅力が失われている様に思える。ファン向けの コレクターズ・アイテム的作品で、出来としては今一つだ。[76]
アメリカ人ボーカリストの1996年にリリースされた ソロ・アルバム。何故か韓国のレーベルより、ひっそりと リリースされているが、ベースをCHUCK WRIGHT、DUFF McKAGANが 弾いている他、ドラムはMATT SORUM、GREG BISSONETTE、 PAT TORPEY、ギターにSLASH、STEVE LUKATHERと言った豪華な ゲスト陣が参加している。サックスやトランペットも 導入しており、方向的にはリズム・アンド・ブルース的な色合いの 作品に仕上がっている。如何にもアメリカ的で、埃っぽい 感じのする楽曲群で、彼のしゃがれたボーカルが良い味わいを 出している。[80]
アメリカのハード・ロック・バンド、MR.BIGのボーカリストによる 1981年にリリースされたベスト盤にボーナス・トラックを3曲 追加して、リマスターしたもの。ボーナス・トラックは、ライヴ 2曲に新曲が1曲と言う構成になっている。ライヴは1977年から 1978年と言う、彼のソロ時代、最も充実していた時期のライヴを 録音したものの様で、Yank Me, Crank MeとHomeboundが 集録されている。どちらかと言うと、ブギー調ののりの良い ハード・ロックをやっていたが、新曲のGive Me Just A Littleも そう言った部分が見える。但し、よりアップ・テンポな作品で、 今一つ平凡な感じがする。[81]
日本のヘヴィ・メタル・バンドのレア・トラック集。1984年に 制作されたTERRA ROSA Iと1985年に制作されたTERRA ROSA IIの 2本のデモ・テープに、未発表曲、ライヴ音源を合わせたものだ。 あくまでもコレクターズ・アイテム的なアルバムでしかないが、 特にTERRA ROSA IIでは後にDEAD ENDを結成する、ギタリストの 足立祐二が復帰するなど、中々興味深い音源だ。プロダクションは デモ・テープとは侮れない位出来は良いし、足立祐二のギター、 岡垣正志のキーボード、女性版RONNIE JAMES DIOと言われた 赤尾和重のボーカルと演奏を始め、初期RAINBOW型の楽曲とも レベルの高さは確かだ。[78]
スウェーデンのスラッシュ・メタル・バンドのデビュー盤。 SOILWORKのボーカリスト、SPEED STRID、ドラマー、HENRY RANTAと DARKANEのギタリスト、KLAS IDEBERGを中心とした プロジェクト・バンドだ。方向的にはいわゆるデスラッシュと 言われるものだが、バックのサウンドはよりスラッシュ・メタル 然としたサウンドとなっている。SPEED STRIDのボーカルは SOILWORKと同様の歪んだデス・ボイスだが、シャウトする タイプなので、こうして聴いてみても違和感はない。 ギター・ソロに愁いのあるメロディを挟みながらも、疾走感のある 勢いを感じさせるエッヂのあるサウンドは迫力があって 圧倒される。アルバムを通して聴いていると、楽曲に変わり 映えがなくやや単調と言う感もあるが、出来は悪くない。[80]
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの5thアルバム。方向的には、 初期から貫かれている叙情的な哀愁のメロディの ヘヴィ・メタルだ。割とワン・パターン的なバンドで、この 作品でもそれは変わりない。前作ではバイオリンを入れたり、 バグ・パイプ風のサウンドを入れたり、アイリッシュ・トラッド 的な色合いを打ち出す事によって、新味を加えていたのに対して、 今作ではそう言うアイデアを凝らす事は全くされておらず、聴き 飽きた彼等の世界が展開されているだけだ。楽曲的にも、 これまでの作品と比べるとお世辞にも良く出来ているとは言えず、 中途半端な印象だけが残ってしまう作品になってしまっている。 [77]
アメリカのハード・ロック・バンドのデビュー盤。キャッチーで 愁いを含んだ叙情的なメロディのハード・ロックで、NOW & THEN 所属のアーティストらしい作品だ。ボーカリストのDAN MICHAELSの 声質は、FIREHOUSEのC.J.SNAREを思い起こさせる様な独特の ハイ・トーンで、面白い味わいになっている。個性や新味には 欠けるが、逆にすんなりと聴けるところでもある。 つぼにはまった楽曲は流石と思わせるところがあるが、やや 面白味に欠ける楽曲も散見される。メロディ・センスは悪くないと 思えるだけに、楽曲のレベルが安定してくればかなり面白い作品を 作れると思うが。[82]
日本のヘヴィ・メタル・バンドの1992年にリリースされた ライヴ盤。1992年に大阪で行われた解散コンサートの模様を 収めたものだ。ドラマティックな様式美はここでも見事に 再現され、Why Don't You Leave Meにおける泣きのギター・ソロ 等は非常に素晴らしいし、岡垣正志のキーボードも ドラマティックさをより引き立てている。それにも増して賞賛に 値するのは、女RONNIE JAMES DIOと称された赤尾和重のパワフルな 熱唱だろう。もの言わぬ顔を始め、実に格好の良いライヴを 聴かせてくれているだけに、これを最後に解散してしまったのは 非常にもったいない様な気がする。[84]
現SIGN、元STRANGEWAYSのアメリカ人ボーカリストの初の ソロ・アルバム。アメリカらしい叙情的なメロディの爽やかな ロック・アルバムで、JOURNEY等に通じる様な産業ロック的な エッセンスの感じられる洗練された作品に仕上がっている。彼の ソウルフルなボーカルが、そう言った楽曲に命の息吹を与え、 エッヂが良く立っている。この手の作品を作るだけあって、 楽曲の方も整っていて中々素晴らしい出来だ。余計なMCを 入れていたりするのは興醒めだが、彼のボーカリストとしての 実力を感じさせてくれる。[84]
スウェーデンのドゥーム・メタル・バンドの3年振りの 2ndアルバム。元COUNT RAVREN、SAINT VITUSのボーカリスト、 LORD CHRITUSと元UNLEASHEDのギタリスト、FREDDIE EUGENEを 中心としたバンドだ。LORD CHRITUSのボーカルが、非常に OZZY OSBOURNE的なので単純にドゥーム・メタルとして受け 止めたくなるが、実際はBLACK SABBATH的な色合いそのままと 言ったものとは違い、かなりオリジナリティを打ち 出したものとなっている。最近のストーナー・ロックにも近い ヘヴィ・ロックで、ギター等はMETALLICAっぽさも感じさせる。 サイケデリックで歪ませたサウンドはダイナミズムに溢れている。 楽曲の出来も素晴らしく、特に出だしの彼等としては毛色の違う メランコリックなインストルゥーメンタル、Freebassingから Groundmanに至る展開は圧巻だ。[91]
イギリスのブリット・ポップ・バンドの1996年にリリースされた 2年振りの3rdアルバム。音楽的には、一般的な ブリット・ポップ・バンドとはやや一線を画しており、かなり ハードな音作りがなされている。楽曲的にはグランジ的な エッセンスもあり、ポップなサウンドでありながらも一風変わった 音楽性だと感じさせる作品だ。今作では、オーケストレーションを 持ち込む等、更にアイデアが盛り込まれており、中々面白い アルバムに仕上がっている。彼等らしい憂いに満ちた メロディ・センスは悪くないし、楽曲にもフックが出てきており、 聴き応えは増しているが、楽曲の出来にやや波が感じられる。[80]
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの6thアルバム。方向的には デビュー当時から貫かれている、甘い叙情的なメロディの ヘヴィ・メタルだ。前作ではそんな中でもオリジナリティの欠如が 著しかったし、楽曲の出来も非常に中途半端だった。それに対して 今作では、それ以前の良質なメロディのヘヴィ・メタルと言う 本質に立ちかえっていると言って良いだろう。そう言う意味では 初期からのファンに取っては十分満足出来る内容であると 言えるが、その一方でGARY HUGHESの書く楽曲の ワン・パターンさは相変わらずで、SPELLBOUNDでの様な アイデアもないところに限界が感じられる。[80]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの2枚組みライヴ盤。1996年に 解散して以来、5年振りとなるオリジナル・メンバーでの復活 ライヴ・ツアーの模様を収めたものだ。 FIVE MAN ACOUSTICAL JAMでアンプラグド・ライヴの流行の 切っ掛けをを作り、ライヴ・バンドとしても定評のあった バンドだが、結局アコースティックではない通常のライヴ盤を作る 事無く解散したため、復活してライヴ盤を作成してくれたのは実に 嬉しいし、それに違わぬ内容だと言って良いだろう。Paradiseが 入っていないのは残念だが、SignsやLove Songと言ったヒット曲を 始め、ベストと言える選曲になっている。[85]
アメリカのスラッシュ・メタル・バンドのアルバム。過去の楽曲を セルフ・カバーで録音し直したもので、全てTHE LEGACYと THE NEW ORDERからの楽曲でなっている。言わば彼等の一番 良かった時代の楽曲な訳で、そのクオリティの高さは疑い 様もない。ザクザクと切り刻むリフは攻撃的で非常に格好良く、 彼等の魅力を存分に伝えてくれる作品に仕上がっている。彼等の 初期において、メロディ面において重要な役割を果たし、後に SAVATAGEに加入するギタリストのALEX SKOLNICKとドラマーの JOHN TEMPESTAが参加し、かつての姿を思い起こさせる陣容だ。 [90]
スウェーデンのスラッシュ・メタル・バンドの2年振りの 2ndアルバム。SOILWORKのボーカリスト、SPEED STRID、ドラマーと DARKANEのギタリスト、KLAS IDEBERGを中心とした プロジェクト・バンドだ。スピード感を前面に押し出した、 ブルータルでコアなスラッシュ・メタルだ。ある意味、前作と 比べるともっと古臭さを感じさせるスタイルで、1980年代の オールド・スクールを上手く現代にアレンジした作品と言って 良いだろう。楽曲、演奏のレベルも高いし、古き良き スラッシュ・メタルのファンならば、十分満足出来るアルバムに 仕上がっている。[84]
アメリカのパンク・ロック・バンドの1994年にリリースされた デビュー盤。スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドとは同名 異バンドで、こちらは純然としたパンク・ロックだ。 ロックンロールを基調としたアップ・テンポのサウンドで、かなり メロディアスで憂いを感じさせる部分がある。そのため、 メロディック・ハード・コアと思わせるところもなくはない。 メロディ等は中々良い出来だし、勢いもあるので一気に 聴かせてくれるが、ヘヴィ・メタル的な要素は全くないので、 あくまでもロックンロール系のパンク・ロックが好きならばと言う 前提になるが。[79]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンド、DAMN YANKEESの ボーカリストによる7年振りの12thソロ・アルバム。元々ソロで 活動していたベテランだけに、こちらの方が本業と言っても 良いだろう。齢50才を超えた大ベテランとは思えない程ハードで アグレッシヴなアルバムで、そのエナジーとパワフルさは 感嘆させられる。基本的にはハード・ロックンロールを 基調としたもので、ドライヴ感とのりの良さを感じさせるものに 仕上がっている。楽曲自体は取りたてて目新しいものがある 訳ではないが、ガツンと来るパワーがあり、ぐいぐいと引っ張って 来て聴き応えのあるアルバムだ。[83]