イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの1993年にリリースされた 2年振りとなる3rdアルバム。1992年にイギリスで行われた公演の 模様を収めたライヴ盤をボーナスCDとして付けた 2枚組みとなっている。元々MOTORHEAD等の影響の見える、疾走型の ハード・ロックンロールを基調とした、剛直なヘヴィ・メタルを 聴かせてくれていたが、今作ではそう言う基本線は残しながらも、 もっとバラエティさの感じられる作品となっている。 Jesus Loves You...But I Don'tの様なバラードがあったり、 メロディを押し出した楽曲が見受けられるのが特徴と言って 良いだろう。[81]
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた 4thアルバム。元々MOTORHEAD的なハード・ロックンロールを 聴かせてくれていたが、ハード・ロックンロール的な色合いを 残しつつもどことなくキャッチーでよりヘヴィでメタリックな 音作りとなって来ており、今作もその延長線上と言って 良いだろう。パンキッシュでよりアグレッションの効いた サウンドとなっており、聴き応えのあるアルバムに 仕上がっている。初期とはまた違う意味で破天荒なのりを 感じさせる作品で、アップ・テンポの楽曲ばかりなので非常に 勢いが感じられる作品だ。[82]
アメリカのブルーズ・ロック・バンドの1990年にリリースされた デビュー盤。オールド・スタイルとも言えそうな、泥臭い ブルーズ・ロックを聴かせてくれている。もっと スッキリとさせて、ブリティッシュっぽさを入れると THE QUIREBOYSと言える様な音楽性だ。アメリカの牧歌的な 雰囲気が漂う、古き良きアメリカの音楽と言った感じの作品で、 非常に郷愁を誘う部分がある。まだ20歳前後の彼等が、これだけ 老成された音楽をやっていると言うのは、ある意味驚嘆すべき 事で、CHRIS ROBINSONのボーカルがより味わい 深いものにしてくれている。[85]
アメリカのブルーズ・ロック・バンドの1992年にリリースされた 2年振りの2ndアルバム。前作では、かなりシンプルさを感じさせる ブルーズ・ロックを聴かせてくれていたが、今作ではやや サザン・ロック的な色合いも感じるグラマラスな作品に 仕上がっている。ギタリスト片割れが元BURNING TREEの MARC FORDに交代しており、サウンドの変化が効果的に 現れていると言って良いだろう。若さとは裏腹に、非常に 老成された音楽を聴かせてくれており。前作の大ヒットにも特に プレッシャーを受けている様子は伺えない。特にCHRIS ROBINSONの ボーカルが特に印象的で素晴らしい歌声を聴かせてくれている。 [84]
アメリカのブルーズ・ロック・バンドの1994年にリリースされた 2年振りの3rdアルバム。これまでは割と確立されたスタイルの ブルーズ・ロックを聴かせてくれていたが、今作ではトロピカルな 雰囲気の感じられるHigh Head BluesやのんびりとしたNonーFiction 等、これまでよりバラエティの豊かな、音楽の幅の広がった作品に 仕上がっている。初期にあったFACESっぽさはどんどん 希薄になり、サザン・ロック的なエッセンスが強くなって 行っているだけに、楽曲単体で見るとどうしてもめりはりに欠け、 シングル向けにはどうしても弱い様な気がするが、全体的な出来は 決して悪くない。[81]
アメリカのクリスチャン・メタル・バンドの1993年に リリースされたデビュー盤。アメリカらしい洗練されたポップな ヘヴィ・メタルで、1980年代のL.A.メタルの残滓を思わせる様な 作品だ。クリスチャン・メタルらしく、清廉な感じのする ドラマティックな楽曲は、時に明るく、時に憂いを帯びて優しく 包み込んで来る。叙情的なメロディにフックのある楽曲は中々良く 出来ているが、グランジやオルタナティヴ・ロック全盛の 時代においては、こう言った秀逸なポップさを持ったバンドが あまり受け入れられないのを考えると何とも残念な事だ。[82]
イギリスのゴシック・ロック・バンドの1989年にリリースされた 2年振りの4thアルバム。パーマネントなドラマーがいない状態で、 この後GUNS 'N' ROSESに加わる事になるMATT SORUMが ツアー・メンバーとして加わるが、ここではヘルプを仰いで急場を 凌いでいる。憂いを帯びたグラマラスなサウンドの ゴシック・ロックで、ヘヴィな音作りがなされている。テンポが 良くてダイナミズム溢れる、サイケデリックな極彩色を思い 起こさせる作品に仕上がっている。IAN ASTBURYの独特の声質を 持ったボーカルが、オリジナリティを出していて味わい 深いものとなっている。[84]
イギリスのゴシック・ロック・バンドの1991年にリリースされた 2年振りの5thアルバム。ベーシストのJAMIE STEWARTと後に GUNS 'N' ROSESに加わるMATT SORUMが脱退し、IAN ASTBURYと BILLY DUFFYの2人だけになってしまい、前作同様ゲストで急場を 凌いでいる。これまで常に変化しつづけて来た彼等だが、今作では そう言う変化は小さく、ハードでヘヴィな基本的に前作の 延長線上と言えるものになっている。ゴシック・ロックに ハード・ロック的なエッセンスを持ち込んだもので、 サイケデリックでエモーショナルなアルバムに仕上がっている。 [82]
イギリスのゴシック・ロック・バンドの1994年にリリースされた 3年振りの6thアルバム。常に変化しつづけるバンドと言う イメージのあったバンドだったが、前作では遂にSONIC TEMPLEの 方向性を引き継いでおり、ハード・ロック的なエッセンスを持ち 込んだゴシック・ロックと言う自らの音楽性を定めたかの様に 思われたが、今作ではまたその方向性を大きく修正している。 時代を反映してか、シアトル系とでも言うべき、SOUNDGARDENや ALICE IN CHAINSっぽい、ダークさを持ち込んだ 作品となっており、そこにテンポの良いリズム感を出すと言う スタイルになっている。[81]
イギリスのハード・ロックンロール・バンドの1993年に リリースされた3年振りの4thアルバム。アメリカから登場した 多くのバット・ボーイズ・ハード・ロックンロールとは一線を 画し、パンキッシュな感じはあまりしない、どちらかと言うと ブリティッシュ・ブルーズの影響が感じられる作品となっている。 イギリスらしい裏侘しい憂いを湛えた素朴さを出した ハード・ロックンロールを聴かせてくれており、TYLAのハスキーな ボーカルもそう言った部分を助長させる情感を出している。素朴で シンプルな朴訥さを感じさせてくれる作品で、好感が持てる アルバムだ。[82]
アメリカのロック・バンドの1967年にリリースされた 2ndアルバム。単純に言ってしまえば、ブルーズ・ロックの影響を 強く醸し出した、サイケデリックなロック・アルバムと言えるが、 そう言った単純な言葉だけでは語れないオリジナリティが 彼等にはある。変則的なリズムの使い方、RAY MANZAREKの オルガンを中心とするトリップ感のある音作りと非常に 実験的でありながら、Love Me Two TimesやPeople Are Strangeが ヒットした事からも判る様に、楽曲に耳を引きつけて話さない 麻薬の様な魅力がある。そしてなによりも現代の詩人とも 言うべき、JIM MORRISONの歌詞と詠唱が彼等の魅力を更に 強いものとしている。[90]
アメリカのロック・バンドの1987年にリリースされた2枚組み ライヴ・ミニ・アルバム。1968年のアメリカでの公演の模様を 収めたものだ。Love Me Two TimesやPeople Are Strangeと言った 楽曲は納められていないが、初期の彼等の魅力を味わえるライヴと 言って良いだろう。同時期のライヴ音源で、当時リリースされた ABSOLUTELY LIVEと比べると録音状態はクリアでかなり良いと 言って良いだろう。これ位の内容であるならば、ミニ・アルバムと 言う短い作品にした理由は判らないが、全てとまでは 行かなくても、アルバム位の尺にして欲しかった様に思える。[84]
アメリカのロック・バンドの1991年にリリースされたアルバム。 ボーカリスト、JIM MORRISONをモデルとして作成された、映画の サウンドトラックとして編集されたものだ。選曲的には ベストとまでは言えないものの、The EndやLight My Fire、 L.A.Womanと言った代表曲も収められ、この映画で始めて彼等に 接した人にも十分お奨め出来る作品と言って良いだろう。更に ATLANTA SYMPHONY ORCHESTRA AND CHORUSの Carmina Burana:Introductionまで収録されている辺りは渋い 選曲だ。デジタル・マスタリングされているため、オリジナルより クリアの音になっているのも良い。[86]
アメリカのロック・バンドの1991年にリリースされた2枚組み ライヴ盤。1970年にリリースされたABSOLUTELY LIVE、1983年に リリースされたALIVE SHE CRIED、1987年にリリースされた LIVE AT THE HOOYWOOD BOWLと言う3枚のライヴ盤から選曲され 編集されたものだ。それぞれ1969年から1970年にかけて行われた アメリカ・ツアーの模様を収めたもの、収録時は不明だが デンマークでの公演の模様を収めたもの、1968年のアメリカでの 公演の模様を収めたものだ。一部カットされている楽曲 等もあるが、彼等のエレクトラ時代のライヴと言う事では、 これである程度網羅出来る。[85]
ロック・ミュージシャンのセッションによる1984年に リリースされたミニ・アルバム。元LED ZEPPELINのボーカリスト、 ROBERT PLANT、ギタリスト、JIMMY PAGE、SICKのギタリスト、 NILE RODGERS、元YARDBIRDSでソロ・ギタリストとして活躍する JEFF BECKと言う層々たるメンバーによる、正しく スーパー・セッションと呼べる作品である。RAY CHARLESを始め、 オールディーズと言われる1950年代前後のロックンロールの 楽曲ばかりをカバーしたもので、Sea Of Loveが大ヒットしたのを 始め、このアルバムも売れたのには、回顧主義をくすぐる古臭さを 忠実に再現したところに原因があるだろう。[87]
スウェーデンのハード・ロック・バンドの1994年にリリースされた アルバム。元SILVER MOUNTAIN、YNGWIE J.MALMSTEENのドラマー、 ANDERS JOHANSSONと元SILVER MOUNTAIN、YNGWIE J.MALMSTEEN、 DIOのキーボード、JENS JOHANSSON兄弟を中心とした プロジェクトだ。ベーシストにはTALISMANの中心人物で、 元YNGWIE J.MALMSTEENのMARCEL JACOB、元GREAT KING RATの ボーカリスト、LEIF SUNDIN等が参加している。楽曲自体は特に 面白いと言えるものではないが、ブルージィでオーソドックスな ハード・ロックを聴かせてくれており、安心して聴いている事が 出来る。インストルゥーメンタル・ナンバーも含み、二人の テクニカルな演奏も堪能出来るので、プロジェクトとしての意義は 出ているだろう。[80]
ドイツのヘヴィ・メタル・バンドの1980年にリリースされた デビュー盤。元UFO、SCORPIONSのギタリスト、MICHAEL SCHENKERを 中心としたバンドだ。UFOから失踪し、兄、RUDOLF SCHENKERの バンド、SCORPIONSでも長続きせず、遂に自らのバンドを結成した 訳だが、その彼の音楽を結実させた作品と言って良いだろう。 Armed And Ready、Cry For The Nations、Lost Horizonsを始め、 楽曲の充実はもちろん、彼のエモーショナルなプレイも存分に 味わえる名盤と言って良いだろう。特にInto The Arenaは、 ギター・インストルゥーメンタル史上の傑作と言える楽曲だ。唯一 GARY BARDENのボーカルが難点と言えるが、そんな事は些細な 問題と言えるだろう。[91]
アメリカのドゥーム・メタル・バンドの1994年にリリースされた 3年振りの3rdアルバム。元SAINT VITUSのボーカリスト、 SCOTT "WINO" WEINRICHを中心とするバンドだ。音楽的には 明らかにBLACK SABBATHの流れを汲む、古典的な ドゥーム・メタルなのだが、オルタナティヴ・ロック的な アメリカのバンドらしい気だるさを湛えながらも、スローで ヘヴィなサウンドを聴かせてくれている。パンク等の 影響もあってか、全体的に割と乾いた感じのする アグレッシヴなものとなっているため、BLACK SABBATH程 ダークさは感じないのが好みの判れるところだろう。[80]
アメリカのスラッシュ・メタル・バンドの1993年にリリースされた デビュー盤。実質はDEATH ANGELが名前を変えたもので、 ボーカリストのMARK OSEGUEDAが脱退しているが、ギタリストの ROB CAVSTANYがボーカリストを兼任しており、MARK OSEGUEDAが 居なくなった事を除けばメンバーは変わりない。むしろ音楽性の 変化の方が大きく、ベイ・エリアのスラッシュ・メタルらしい クランチ型スラッシュ・メタルを聴かせてくれていたDEATH ANGEL 時代とは違い、モダンなヘヴィ・ロックに近づいた作品と言って 良いだろう。Policyの様な憂いを帯びたうねりの感じられる 楽曲もあり、昔のファンには戸惑いを覚える作品かも知れないが、 クオリティは高い。[84]
オーストラリアのハード・ロックンロール・バンドの1994年に リリースされたデビュー盤。実質はTHE POOR BOYSとして2枚の ミニ・アルバムをリリースしたバンドが改名したものだ。 ドラマーはAC/DCのYOUNG兄弟の従兄弟であるJAMES YOUNGだが、 音楽的にはワイルドなハード・ロックンロールと共通する 部分もあるものの、あそこまでソリッドなものではなく、もっと アメリカナイズされたエッヂの効いたサウンドと言って 良いだろう。そう言う意味ではいわゆる バッド・ボーイズ・ハード・ロックンロールとは一線を画した サウンドだと言って良いだろう。[82]
アメリカのロックンロール・バンドの1992年にリリースされた デビュー盤。方向的にはオールド・スタイルのロックンロールと 言えるものだが、THE BLACK CROWSの様なブルージィで シンプルなものとは違い、もっと脳天気で 陽気なものとなっている。そう言う意味ではよりポップな アルバムと言えるもので、アメリカらしい売れ線のロックンロール 作品に仕上がっている。飛び抜けた楽曲はないが、全体的に効き 易い良く出来た作品である事には変わりない。キャッチーな メロディ・センスも十分評価出来るが、シングル向きにはどの曲も 今一つ弱い様に感じられる。[80]
イギリスのプログレッシヴ・ハード・ロック・バンドの1993年に リリースされたデビュー盤。方向的にはAORよりの爽やかな プログレッシヴ・ハード・ロックと言えるもので、系統的には SAGA等に若干近いと言えるかも知れないが、もっとイギリスらしい 叙情感を押し出したものと言えるだろう。派手さはないし、 シンフォニックな部分を強く押し出しているのでやや軽過ぎる 気もするが、Chain Reaction等は中々ドラマティックだし、 プログレッシヴ・ハード・ロックらしい変則的な 部分もあるものの、意外と聴き易いアルバムに仕上がっている。 [80]
アイルランドのハード・コア・パンク・バンドの1994年に リリースされた2ndアルバム。ハード・コア・パンクらしい 破天荒さはあるが、Screamager等はブリット・ポップの影響も 感じられ、かなりポップなメロディを押し出した聴き易い作品に 仕上がっている。Hellbelly等はワイルドなロックンロールの様に のりを感じさせるもので、様々な音楽的エッセンスを持ち 込みながらも、オリジナリティを感じさせる独自のサウンドを 築き上げている事には好感が持てる。こう言うユニークなセンスを そのまま楽曲の良さに結び付けており、意外と面白い アルバムとなっている。[82]
イギリスのロック・バンドの1993年にリリースされた3年振りの 6thアルバム。基本的には素朴なロック作品と言ったところだが、 まるでファンタジーを思わせる様な幻想的な部分があり、中々 面白いアルバムに仕上がっている。これまでと比べると、ロック 色は濃くなった様だが、トラッド的なエッセンスは決して 失われてはおらず、そう言うファンタジズムを感じさせていると 言って良いだろう。MIKE CSOTTの独特なボーカルがこう言った 風味を助長しており、チェロやグリーク、サックス等も使ってその 音楽感を見事に現している。シンフォニック・ロック的な色合いが 強く、シングル向きではないが、悪くない作品だ。[80]
イギリスのハード・ロックンロール・バンドの1993年に リリースされたデビュー盤。元QUIREBOYSのボーカリスト兼 ギタリスト、GINGERを中心とするバンドで、ブルーズ・ロックの 影響が強かったシンプルなハード・ロックをやっていた QUIREBOYSと比べると、よりパワー・ポップ色の強い ハード・ロックンロールとなっており、かなり音楽性が 異なっている。この後、よりハード・ロックンロール的な色合いを 濃くして行くが、この頃はまだかなりハードでヘヴィな 音作りをやっており、スラッシュ・メタルとのクロス・オーバー 的な部分も感じられるユニークな作品に仕上がっている。[83]
アイルランドのハード・ロック・バンドの1979年にリリースされた 2年振りのアルバム。BRIAN ROBERTSONが脱退し、元COLOSSEUM IIの GARY MOOREにギタリストが交代して作成された唯一のアルバムだ。 と言っても、クリエイティヴ面での中心はあくまで PHILIP LYNOTTだったし、音楽性の変化はあまりなく、前作の 延長線上と言って良いだろう。むしろサウンド面での変化が 大きく、GARY MOOREのギターの音色が非常に郷愁を 感じさせてくれている。組曲の Rosin Dubh(Black Rose)A Rock Legend辺りはGARY MOOREが 曲作りでイニシャティヴを取っているのだろうが、それでも PHILIP LYNOTTのボーカルの個性が強く出ていて、彼等らしさが 感じられるものとなっている。[82]
アイルランドのハード・ロック・バンドの1980年にリリースされた アルバム。ギタリストのGARY MOOREを解雇し、今作より PINK FLOYDのツアー・ギタリストだったSNOWY WHITEが 加入している。楽曲自体はPHILIP LYNOTTが中心に 書いているため、こう言ったメンバー変更もその音楽性には大した 影響を及ぼしていない。BRIAN ROBERTSONが脱退した前作辺りから その人気も斜陽を感じさせていたが、今作もその傾向に 歯止めがかからなかったと言って良いだろう。彼等の個性的な サウンドは決して失われていないのだが、全体的に楽曲が小粒と 言う感じを免れない。[80]
アイルランドのハード・ロック・バンドの1981年にリリースされた アルバム。ここ最近、大きなシングル・ヒットにも恵まれず、 やや低迷した感もあったが、その所為もあってか音楽性に大きな 変化を見せている。特に前作からゲスト参加している DARREN WHARTONのキーボードが大胆にフュチャーされており、 Angel Of Death等はこれまでの彼等に見られなかった 楽曲となっている。従来の彼等らしい楽曲もあり、決して 彼等らしさをなくしてしまった訳ではないが、残念ながら楽曲も 今一つぱっとせず、面白みに欠ける作品となってしまっている。 [78]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1992年にリリースされた デビュー盤。METALLICAのJASON NEWSTEDに見出されデビューした バンドだが、その音楽性は一筋縄では行かない一癖も 二癖もあるものとなっている。スペインの画家、SALVADOR DALIの 絵をジャケットにしているが、まさにその絵の様なアグレッシヴで アバンギャルドな作品に仕上がっている。スラッシュ・メタルと 言える様な攻撃的なリフとプログレッシヴ・ロックと言える様な 変則的な構成と展開が融合しており、非常に無機質な感じを与える アルバムだ。決して一般受けする様な作品とは言えないが、その アイデアは素晴らしいし、実際にこうした実現させてしまうのは 大したものだ。[87]
イギリスのプログレッシヴ・メタル・バンドの1994年に リリースされたデビュー盤。LANDMARQのボーカリスト、 DAMIAN WILSON、CASINOのギタリスト、KARL GROOMとベーシスト、 JOHN JEARYと言う、シンフォニック・ロック系の人脈による バンドだが、そのサウンドはかなりヘヴィ・メタル色を強く押し 出したものとなっている。Sanity's Endの様に、キーボードを 前面に押し出して来ると流石にプログレッシヴ・ロック色が 強くなって来る部分もある。全体的に憂いを帯びた扇情感のある 作品で、上手いとは言い難いが、DAMIAN WILSONのボーカルがそう 言った感を助長している。この作品の一番の聴きどころは Paradoxで、ドラマティックで彼等の魅力を現した佳曲だ。[86]
イギリスのハード・ロック・バンドの1991年にリリースされた 2枚組みのアルバム。1990年にリリースされたデビュー盤、 BACKSTREET SYMPHONYに、1989年から1990年にかけて行われた イギリスでの公演の模様を収めたライヴ盤が カップリングされている。元TERRAPLANEのメンバーそのままの バンドだが、キャッチーなハード・ポップと言う色合いの強かった TERRAPLANEとは、その方向性を大きく変えており、より ハード・ロック然とした作品に仕上がっている。今では 数少なくなった、伝統的で本物のブリティッシュ・ロックを 聴かせてくれている。[84]
イギリスのハード・ロック・バンドの1992年にリリースされた 2年振りの2ndアルバム。基本的には前作の延長線上とも言える、 オーソドックスなブリティッシュ・ロックを聴かせてくれている。 明るいのりの良いEverybody Wants Herの様な楽曲から、哀愁味を 湛えたアコースティック・ギターを効果的に使ったバラードの Low Life In High Placesまで幅の広さも感じさせてくれる。 ドラマティックなEmpty City等、渋さを感じさせてくれる実に 味わい深い楽曲だ。そして何より素晴らしいのは、DANIEL BOWESの 歌唱力と表現力で、楽曲の魅力をいや 増したものとしてくれている。[87]
ドイツのヘヴィ・メタル・バンドの1991年にリリースされた 3rdアルバム。ドイツのヘヴィ・メタル・バンドと言うと 色とりどりあれど、全体的に叙情的なメロディを押し出した楽曲と 言うイメージを受けるバンドが多いが、このバンドはそう言った バンドとは異なっており、ジャーマン臭さはそれ程感じられない。 明るくのりが良く、パワフルなサウンドを聴かせてくれており、 どちらかと言うとアメリカのバンド的な印象を受けるところが 大きいだろう。そう言う意味ではこれまでと全く変わらない音楽を 聴かせてくれており、エネルギッシュでエッヂの効いたサウンドは 格好良い。[80]
ドイツのヘヴィ・メタル・バンドの1993年にリリースされた 2年振りの4thアルバム。基本的にはこれまでの延長線上と言える 男臭い、ドイツのバンドとしては珍しい、よりのりを強く押し 出した作品と言えるだろう。音楽的にはパワフルでハードな ロックンロール色を打ち出したヘヴィ・メタルで、やや一本調子と 言う感じのするバンドなのだが、今作ではミドル・テンポの 8ーBaldやアコースティック・バラードのLoosen Up Your Gripの 他、Down In DesperationやMovin' Onと多めにバラードを入れて 来たり、これまでよりはややバラエティさが増した様に 感じられる。[82]
ドイツのパワー・メタル・バンドの1994年にリリースされた デビュー盤。と言っても、いわゆるジャーマン・パワー・メタルの 様な、大仰なメロディのドラマティックなヘヴィ・メタルと言う 訳ではなくて、むしろストレートなパワー・メタルと言って 良いだろう。バンド名自体はRIOTのアルバムから取ったらしいが、 それ程RIOTっぽい訳でもない。ドイツのB級ばんどらしい芋臭さも 感じさせるもので、速い楽曲を中心としたスピード感の感じられる 作品だが、楽曲の魅力が今一つ欠ける。NILS LANGEのボーカルは、 かなりだみ声が効いていて、あまり綺麗な感じはしないものの、 パワフルさは良く出ている。[78]
アメリカのプログレッシヴ・ロック・バンドの1993年に リリースされたアルバム。どうもこのCDは一回プレスだった様で、 すぐ廃盤になってしまったが、一年位してからようやく 再プレスされた。プログレッシヴ・ロックといってもアメリカ的な 陽気さが感じられるし、アメリカン・プログレッシヴ・ロックの 様な聴き易さはなく、楽曲は結構変わっている。 プログレッシヴ・ロックらしい変化が端々にあって、メタル 方面から聴くにはちょっと戸惑うかも知れない。その割には SETH KREISWIRTHのボーカルは、やや太目でパワーがある。[78]
ノルウェイのゴシック・メタル・バンドの デビュー・ミニ・アルバム。方向的にはいわゆるドゥーム系 ゴシック・メタルで、トリプル・ギターの重厚なサウンドに、 ホラーチックな不気味な静寂感とKARI RUESLATTENの美しい ハイ・トーン・ソプラノが、絶妙なマッチングでオリジナリティ 溢れる世界観を作り出している。その後の、女性ボーカルを フューチャーしたゴシック・メタルの走りとも言うべき、 記念すべき作品だが、そのレベルはかなり高い。この耽美で荘厳な 世界観は次作のTEARS LAID IN EARTHで完成される事になる。 楽曲の出来は良いし、オリジナリティもあるし、非常に ゴシック・メタルらしい作品で素晴らしい出来だ。[98]
イギリスのプログレッシヴ・ハード・ロック・バンドの ライヴ盤。このバンドの評価を大いに高めたと言って良い、名曲 Paradoxもライヴで完璧に演奏されていて、ライヴとしての クオリティは音質も含めて中々高い。まだ2枚しか スタジオ・アルバムを出していないので選曲できるほどの曲はない 訳だが、元々Paradoxを除けば飛び抜けた楽曲はないものの、粒は 揃っていたので捨て曲と言うレベルのものはない。ただ、やはり このバンドの問題としてParadoxとその他の楽曲の落差を 感じてしまう事がだろう。バンドとして冷めた雰囲気があるので、 このような扇情的な楽曲でないと面白味に欠ける感がするのは どうしてもいがめない。全体的に大作指向で、5曲しか 収録されていないが、とにかくParadoxを聴くだけでも 価値がある。[84]
オランダのゴシック・メタル・バンドの1995年にリリースされた 3rdアルバム。デス・メタル界では一大レーベルである CENTURY MEDIAに所属し、前作までは、男性ボーカリストを使い、 ゴシック・メタルでありながらも、メロディック・デス・メタル 的な要素を持っていたが、今作ではがらりと変って、デス・メタル 的な要素は全くない。ANNEKE VAN GIERSBERGENのボーカルは、 クリアで透明感のある、美しい女性らしいものだ。楽曲は どちらかと言うと、ニュー・ウェーブ的な色合いのあるものだが、 跳ねたリズムで聴き易く、それなりにメタル的な部分も 残している。荘厳と言うよりは、流麗と言った感じのさせる サウンドで、楽曲の出来も非常に素晴らしい。[91]
イギリスのオルタナティヴ・ロック・バンドの1993年に リリースされた2ndアルバム。サウンドはいかにも オルタナティヴ・ロック的で、この手のものとしては 扇情感があって、テンポも速い。JOHN WHITHYのボーカルは微妙に ビブラートしたりして、如何にもと言った感じだ。 オルタナティヴ・ロックではあるが、よりヘヴィでダークにした 感じの作品だ。展開は複雑なところもあって、 プログレッシヴ・ロック的なエッセンスも伺える。決して悪い 出来ではないのだが、ただ残念なのは、隠しトラックで15分以上 単調なリフを延々と続けており、常人の理解の範囲を超えている。 [78]
イギリスのロック・バンドの1991年にリリースされた 1stアルバム。FREE、BAD COMPANY、THE FIRMを渡り歩いた ボーカリスト、PAUL RODGERSがFACESのKENNY JONESと組んだ ユニットだ。どうも結局これ一枚きりで終わった様だが、その 醸し出す雰囲気はさすがと言えるものになっている。屈指の ボーカリストだけあって、PAUL RODGERSが歌うと、もうその世界が 出来上がってしまっている。楽曲自体は並の上と言った程度だが、 PAUL RODGERSが歌うだけで見栄えが全然違って来る。特別に 素晴らしい楽曲がなくとも安心して聴いていられる作品だ。[83]
デンマークのハード・ロック・バンドの1993年にリリースされた アルバム。方向的にはブルーズを基調とするハード・ロックで、 GREAT WHITEのブルージィ的な部分とロックンロール的な部分を 取り出したような感じだ。ボーカルはもっと乾いた感じだが、 バックはまさしくそれ自身と言った感じだ。ギター・ソロなど ハードな部分は幾分あるものの、GREAT WHITEよりは音がだいぶ 軽いので、それさえ気にならなければ大丈夫だろう。楽曲、演奏の 出来は悪くないし、ブルーズとロックンロールが好きならば 割といけるはずだ。[81]
イギリスのロック・バンドの1967年にリリースされた最後の アルバム。ERIC CLAPTON、JEFF BECK、JIMMY PAGEと言う、3大 ギタリストを排出したブリティッシュ・ロック・グループで、 シングル・ヒットもそれなりに飛ばしたが、スタジオ・アルバム 自体はこれを含めても2枚しかリリースしていない。JEFF BECKは 脱退し、このアルバムではJIMMY PAGEが専任のギタリストとして 弾いている。ヒット指向のバンドであったにも関わらず、この アルバムではあまり成功したとは言えず、解散に向かう事になる。 JIMMY PAGEがいたとはいえ、音楽性はLED ZEPPELINEと余り 近いとは言えないし、こう言うもたっとした音を今聴いても余り 面白くないだろう。[67]
今は亡きボーカリスト、故PHILL LYNOTT率いるアイルアンドの 代表的なハード・ロック・バンドのスタジオ・ライヴ・アルバム。 イギリスのラジオ局、BBCはFRIDAY ROCK SHOW、THE PEEL SESSION 等、数多くのスタジオ・ライヴの番組を持っていたお陰で、 DIAMOND HEAD等、こう言った貴重な音源が眠っている訳だが、この 作品に関しては、出来は悪くはないとは思えるが、 コレクターズ・アイテムの範疇を超えるとまでは残念ながら 言えない。GARY MOORE参加のものなど貴重な音源ではあるので、 決して価値がないとは思わないが。[78]
イギリスのハード・コア・パンク・バンドの3rdアルバム。この 手のものとしてはパンク色のかなり強い内容となっているが、 これまでの作品と比べると、随分メロディが前面に押し 出されていて、ハード・コアという要素は見え隠れするものの、 どちらかと言うとヘヴィ・ロックと言う感じのするアルバムに 仕上がっている。攻撃性はあるものの、メロディはイギリスの バンドらしい、どことなく湿った感じがするものだ。チェロを 大胆に取り入れたりと実験性も見え、楽曲も中々面白いし良く 出来たユニークなアルバムだ。[84]
ドイツの酔っ払い硬派ハード・ロックンロール・バンドの アルバム。明るく、のりが良く、攻撃的で疾走感のある ハード・ロックンロール・ナンバーが中心になっている所は これまでと全く変わりない。相変わらず重厚でヘヴィなリフが 気持ち良く疾走していて、全体的に安定した出来で安心して聴いる 事が出来る作品だ。Zero The HeroはBLACK SABBATHの BORN AGAINからのカバーと言う意外な選曲をやっており、疾走感は あまり感じられないものの、バンドに合ったアレンジとなっていて それなりに面白い仕上がりだ。[80]
アメリカのプログレッシヴ・ハード・ロック・バンドの ミニ・アルバムで多分デビュー作だろう。プログレッシヴと 言っても、構成などがそれ程複雑な訳ではないし、割と聴き易い 部類だろう。とは言っても、メロディアスで跳ねたリズムが あったり、叙情感のあるメロディがあったりと中々バラエティに 富んでいて、単調に陥らず、割と面白い作品だ。BUSTER CHERRYの 声質はちょっとクセがあって好き嫌いが分かれるかもしれないが 楽曲はなかなか良い。バンド名に引っ掛けて裏ジャケットに真実と 漢字で書いてあるのは少し笑えるが。[86]
イギリスのハード・ロックンロール・バンドの2ndアルバム。 デビュー当時はTHE BEATLES meets METALLICA等と 言われていたり、ロックンロール・スラッシュと言う風に 表現されていた。基本的な路線はそのデビュー盤と変らず、 ベーシックな部分は確かにロックンロールだが、より メロディアスでハードでブリット・ポップっぽいサウンドだ。丁度 ENUFF Z'NUFFをロックンロールにしてハードにするとこんな 感じだろうか。彼等のメロディ・センスの秀逸さはここでも 変わることはなく、良質の楽曲が並んでいる。テンポ、のりも 非常に良いので聴いていて飽きないのが良い。[83]
アメリカのスラッシュ・メタル・バンド、DEATH ANGELから名前を 改めての第二弾となるアルバム。デビューした当時、ドラマーの ANDYはまだ13才ということで話題になったが彼等も 10年選手になってしまった。音楽性もバンドの改名と伴に 変化しており、スラッシュ・メタルと言うよりはヘヴィな ロックンロールという風だ。シンプルなサウンドだがダークで いかにもベイエリアのバンドという感じはする。ただ、それらの バンドと違ってスピードがありグルーヴィさを打ち出せている 辺りはさすがだ。メロディもそれなりに出来てはいるが、ただ 前作よりは出来が落ちる。[80]
ノルウェイのゴシック・メタルの3作目となる2枚目の ミニ・アルバム。バンドのその特色となっていた非常に美しい ハイトーン・ソプラノを操るボーカリスト、KARIに代わって新しい ボーカルとしてANN-MARI EDVARDSENが加入しての試金石とも言える 作品だ。ボーカルのタイプ自体はそれ程大きく変わらないが、 前作と比べるとボーカルが引っ込んだような印象を受けるし、 KARIほど高音の伸びがない。ホラー的な要素がまし、ゴシック的な 耽美さが減ったのも問題だ。ボーカル主体の ゴシック・サウンドから新機軸を打ち出しての方向転換だが、 それが吉となるか凶となるか難しいところだ。[86]
イギリスのハード・ロック・バンドのベスト盤。アルバムを3枚 リリースしただけで少し早いかと思わなくもないが、良い バンドだけに中々素晴らしい楽曲が揃っている。それだけに、 メジャーのEMIからドロップしてしまったのは残念でならない。 既発曲以外に新らしいテイクは新曲2曲の再録1曲と言う 構成になっている。既発表の曲に関しては、非常に素晴らしい バンドなのは言わずもがななだけに、こうやってベストを聴くと 楽曲の良さが改めて認識できる。新禄ではIn A Broken Dreamが ベストの曲群に負けず劣らず非常に素晴らしい。枯れた ブルージィなバラードでこれだけでも聴く価値はある。その 一方で、Once In A LifetimeはTHUNDERにすると並だ。[88]
イギリスのプログレッシヴ・ハード・ロック・バンドの2nd アルバム。ドラマティックな楽曲で、DREAM THEATERよりは 哀愁があり、ストレートだ。前作ではParadoxという 名曲があったので全体的に締まった作品になったが、今作では これという曲がないためにいま一つ盛り上がらないうちに 終わってしまった感じだ。楽曲は前作の延長線上で憂いを帯び、 キーボードはより前面に押し出していて、GLYNN MORGANの憂いを 帯びた声質が割と合っている。出来自体は前作とそれほど 遜色ないのだが、やはりParadoxの分だけ弱い感じがする。[82]
イギリスのハード・ロック・バンドのライヴ・アルバム。通常の ライヴ盤と違い、前半はアコースティック・ライヴ、後半は通常の ライヴと言う変則的な構成になっている。THUNDERの枯れた魅力は アコースティックでやると非常に味わいがあるし、元々ライヴには 定評のあるバンドだけに圧巻ではある。とはいうものの、こういう 構成ではやや中途半端な感じもいがめないのは確かで、どちらかに 統一して欲しかった。JANIS JOPLINのカバー、Move Overは ちょっとバンドとカラーに合っていなくて、入れなくても良かった 様な気がする。日本独自の企画盤と言う事で、こういう アルバムになったのだと思うが。[83]
スウェーデンのグルーヴィなハード・ロック・バンドのアルバム。 少しブルージーな部分もあるアメリカン・ハード・ロックと言った 感じだ。あまりサイケデリックな部分はなく、全体的に 配されているハモンド・オルガンと歪んだギターは何となく 気だるさを感じさせるが力強く退屈させない。ミドル・テンポから アップ・テンポの楽曲で、ときにはヘヴィ・ロック風だったり、 BADLANDSを思い起こさせる部分がある。幾分 ファンキーさもあるが、TEMPLE OF THE DOGなどに通ずる 作風になっている。音はクリアだが土っぽく、何となく 1970年代っぽい印象を持たせるような作りの作品だ。[84]
イギリスのハード・ロック・バンドのの3rdアルバム。 ブリティッシュの地味な雰囲気を漂わせていると言う印象が 強いが、序盤は割とハードでめりはりを付けていると言う印象を 受ける。特にFly On The Wallではホーン・セクションを取り 入れてたりするので尚更だ。このバンドらしいブルージィな スロー・バラード・ナンバー、I'll Be Waiting辺りになると、 いつもの素晴らしいメロディ・センスを実感させてくれる。 ブルージィな香にDANIEL BOWESの枯れたボーカルが良く 映えており、派手さはないが、心打つメロディが全編に渡って 支配していてグレードが高い。今作でメジャー・ディールを 失ったが、そんな影響は微塵も感じさせない素晴らしい出来だ。 [89]
ノルウェイのメロディック・デス・メタル・バンドのデビュー盤。 RAYMOND I.ROHONYIというデス・ボイス・ボーカリストと LIV KRISTINE ESPENASというクリア・ボイスの女性 ボーカリストによるツイン・ボーカルの7人組で、ゴシック的な 耽美さを取り入れながらもあくまで基本では メロディック・デス・メタルである。LIV KRISTINE ESPENASの 美しいボーカルはドラマティックなサウンドに絶妙に マッチしている。KARI等に比べるとどちらかと言うと可愛らしいと 言う感じの声だが、これがなかなか良い声で、これで デス・ボイスさえなければと言う感じがしないでもない。楽曲は メロディック・デスとしては叙情的で中々良い出来のアルバムだ。 [93]
イギリスのハード・ロック・バンドのデビュー作。イギリスの バンドらしい哀愁に満ちた叙情的なメロディは非常に素晴らしい 出来だ。メロディの美しさ、洗練さでは北欧のバンドにも 通ずるが、その中でも最上級の部類に入ると言って良いだろう。 楽曲は非常にポップでキャッチーなメロディを持っており、AOR 風な作品だ。軽い曲調の中にも憂いがあり、泣きのメロディが 好きな人には訴えてくるものがあるだろう。IAN BENZIEの ボーカルは甘ったるいがバンドの方向性には合っていて 悪くはない。同レーベルのEYEWITNESSなどと比べるとしっとりと 落ち着いた感じがあり、こじんまりとした感を受けなくもないのが 難点だ。[88]
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの 4thアルバム。CHRISTOFER JOHANSSONのボーカルはデス・ボイスと 言う程のものではなく、スラッシュ・メタルで見掛けるレベルの ものだ。クラッシク的要素を取り入れ、男女のコーラスが 絡んできたりするがやや消化不足と言う所だろう。女性ソプラノが 絡んできて耽美な世界を構築している辺りは非常に美しくて良い 出来だ。キーボードのメロディも非常にクラシック的で、 クラシックとヘヴィ・メタルの融合的な色合いの強い作品だ。 アイデア的にはまだまだ練りが必要と思える所はあるが、 ユニークだしアイデアは買える。楽曲の出来もそれなりに良いし、 特にギター・ソロのメロディ・ライン等は結構格好良い。[88]
ノルウェイのゴシック・メタル・バンドの通算2枚目となる、 1stフルレンス・アルバム。ボーカルは女性ボーカルで今はもう 脱退しているKARIが担当している。トラディショナル・フォークに 影響を受けたハイトーン・ソプラノを駆使した歌声は非常に 澄んでいて美しい。ゴシック・メタルで最も美しいといえるこの 歌声が、楽曲に荘厳さと耽美さを醸し出している。アカペラの VandringからWhy So Lonelyにかけた展開はもう素晴らしいの 一言に尽きるだろう。美しさと共にホラー的な雰囲気があり、 耽美なサウンドを持っていて素晴らしい作品に仕上がっている。 ドゥーム/ゴシック・メタルが好きならば絶対に外せない一枚と 言えるだけの作品だし、ドゥーム・ゴシック・メタル史上最高 傑作と言って良いだろう。[100]
アメリカのスラッシュ・メタル・バンド、HEATHENの 元ギタリスト、DOUG PIERCY率いるバンドのデビュー盤。ザクザク 切り込んでくるリフは壮快で非常にパワーのあるサウンドを 聴かせてくれているが、ドラムの音がやや硬くて浮いた 感じがする。この欠点が解消されればかなり良くなったと 思えるだけに残念だ。楽曲的には、ベイエリア出身の DOUG PIERCYらしく、全体的にグルーヴィで緊張感があるので 退屈することはないだろう。楽曲自体の面白味は今一つと言う 感もなくはないが、TESTAMENT風の部分もあって、一気に 聴かせるだけのパワーはある。[84]
アメリカのハード・ロック・バンドの2ndアルバム。THIN LIZZYの カバー、It's Only Moneyをやっていることからも明らかな様に、 THIN LIZZYの影響が見え隠れする作品だ。如何にも THIN LIZZYっぽい曲が飛び出して来るので、そういうタイプの バンドかと思いきや、ダークな楽曲が入って来たり、 Pride Ran Deepの様な叙情的で扇情的な楽曲が入ってきたりと 今一つまとまりと言うものが感じられない。なんと言っても 酷いのは録音状況で、これはいかんともしがたいが、チープながら 美しいメロディは素晴らしいのだが。[84]
ドイツのヘヴィ・メタル・バンドのバラードばかり集めた企画盤。 収録曲のうち、既発の音源のリミックスが5曲と新録が5曲づつと 言う構成になっている。新曲のうち、LED ZEPPELINの That's The Way、NIGHT RANGERのLet Him Run、THE WHOの Behind Blue Eyesの3曲がカバーだ。しかし、これらはそれ程 バンドにあったアレンジとも思えないし、取ってつけた様なもので それほど良い選曲とはどうしても思えない。オリジナルでは Rescue Meが素晴らしく、パワー・バラードの非常に良い楽曲で、 新曲ではこれが救いだ。それを除けば、所詮企画盤の域を 出ておらず、それ程価値は高くない。[78]
イギリスのハード・プログレッシヴ・ロック・バンドの 2ndアルバム。前作はかなりハード・ポップよりの作品で、 今作でもそういう部分は感じられるのだが、よりAOR的であり シンフォニック的な作品に仕上がっている。 プログレッシヴ・ロック的な方向性も強いが、キーボードを除けば 左程難解と言う訳ではない。むしろどこか落ち着いた優しい 楽曲は、非常に聴き易く、それゆえに聴き流してしまいそうな 程だ。明るかった前作に比べると、より叙情さが増し、どことなく 儚さを感じさせるアルバムだ。出来自体の完成度はかなり 高いところにあると思うが、インパクトがなくてどことなく 物足りなく感じられるところがある。[85]
ノルウェイのゴシック・メタル・バンドのミニ・アルバムを 入れると4枚目の作品となる2ndアルバム。このバンドは、それまで デス・メタル系からの流れが主であった ゴシック・メタル・シーンにおいて、ハイ・トーン・ソプラノの 女性ボーカルをメインに起用するというエポック的なアイデアを 実践したバンドであり、その後THE GATHERING等のボーカルが 女性に変わる等、女性ボーカルを流行らせた原因とも言える バンドだ。その重要な役割を果たした女性ボーカルが、KARIから 前作よりANN MARI EDVARDSENに変わっているが、同時に バンドとしての方向性の変化を来している。 ANN MARI EDVARDSENもソプラノ系のボーカルを出せるが、 高音における美しさはKARIには及ばず、むしろ中音を中心にした ボーカル・ラインとなっている。その分ボーカルの前面への 露出度は押さえられていて、バックがもっと前面に出ると言う 構成になっている。そのサウンドは、ホラー的だった前作を引き 継いで、ここでも不気味な演出がなされており、KARI時代の 耽美的だったTHE 3RD AND THE MORTALファンにとっては少し 戸惑うところだろう。むしろ、今のTHE 3RD AND THE MORTALには、 そういう部分を多く求めるべきではなく、そういうところは ELBERETH等の後に続くバンドに求めるべきなのだろうが。言わば 新境地を目指した作品で、かなりプログレッシヴ・ロック的な 指向が出ており、ダークでおどろおどろしくもある。[83]
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンド、SIX FEET UNDER、 BALTIMOREの元ギタリストの初のソロ・アルバム。GLENN HUGHESの FROM NOW ONにも参加しているが、この作品でもそう言った部分が 見え、実際にSIX FEET UNDER等に比べるとソウルフルで FROM NOW ONに近い内容となっている。その一方で、Somedayと 言った愁いを含んだメロディの、北欧メタルらしい格好良い 楽曲もある。哀愁味のあるメロディだが、どことなく温かい ギターは中々味わいがある。北欧メタルというよりはブルージィな 雰囲気のあるハード・ロックで、落ち着いた作品に 仕上がっている。ボーカルはGORAN EDMAN ERIKとJALMARSSONが 参加している。[82]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの3rdアルバム。METALLICAの JASONのバック・アップの元デビューし、話題を得た。 デビュー盤でのその難解なアバンギャルドさには、形容し難い 突飛なオリジナリティがあったが、それ故に一般には受け入れられ 難い作品とも言えた。ここでもそのアバンギャルドさは 変わらずだが、もっと判り易いメロディを導入して随分と聴き 易いものになっている。それまでは、まだ自己のアイデアを十分 消化しきれていないと言う感じもあったが、この作品で自らの 音楽性を確立したと言っても良いだろう。[87]
ドイツのヘヴィ・メタル・バンドの2ndアルバム。プロデュースを MATT SINNERが担当しており、ドラマーには元SINNER、 MR.PERFECTのBERNIE VAN DER GRAAFが新メンバーとして 加入している。エッヂのたったエネルギッシュなサウンドは パワーを感じさせて中々良い出来だ。全体的にグルーヴ感があり、 非常にのりの良い作品に仕上がっている。人脈的にだけではなく、 ある意味SINNER的な作品で、そう言った作品が好きならば 結構いけるはずだ。楽曲の出来はまぁまぁと言ったところだが、 キャッチーなメロディに、勢いがあるので曲が引き立っている。 [82]
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた 恐らく自費出版のデビュー盤。後にPETE SANDBERGと行動を 伴にするJONAS REINGOLDが参加しているが、そう言う叙情的で 愁いのあるサウンドとは趣を異にしている。方向的には、明るい パーティ・ロック系バンドと言えるもので、ボーカルは DAVID LEE ROTHを思わせる声色で、そのサウンドに良く 合っている。ギターも意外と速弾き系でテクニカルだし、 ホーンなんかも多用していて、色々と工夫を凝らそうと言う意識は 買える。コーラスも決まっているし、初期VAN HALENまでとは 行かないが、悪くないアルバムだ。[80]
アメリカのハード・ロック・バンド、JOURNEYの元メンバー、 GREGG ROLIE等によるバンドの2ndアルバム。路線はJOURNEYと 比べると、より産業ロック的な色合いが強いが、そこはかとなく JOURNEYらしいアメリカン・ロック・フィーリングが感じられる。 1980年代のヒット曲を今聴いている様な、やや懐かしさを 感じさせる様なメロディの楽曲で、全体的な完成度、楽曲の出来は 非常に高品質だ。ヘヴィ・メタル系のリスナーにはロック然とし 過ぎているかも知れないが、思ったよりハードで良く出来た アルバムに仕上がっている。優しいメロディは心地良く、落ち 着いた気分にさせてくれる。[84]
イギリスのベテラン・ハード・コア・パンク・バンドの12th アルバム。この手のものとしてはかなりスラッシーな部類に入る 楽曲で構成されており、そのスピーディで激しいリフは スラッシュ・メタル系のファンにも十分聴きごたえのある 内容になっているはずだ。その演奏はかなり荒々しいのだが、 むしろそれによって下手なスラッシュ・メタル・バンドより迫力が 出ている位だ。楽曲的にはあきらかにパンキッシュな 作品ではあるのだが、その攻撃的なのりは非常に心を沸き 立たせてくれるものがある。[84]
イギリスのハード・ロックンロール・バンドの企画盤。あまり良い 形容は思い付かないが、ブリット・ロック系 ハード・ロックンロール・バンドと言う事になる。レーベルとの トラブルで、一時は解散すると言われていたが、無事解決して 自らのレーベルで再出発することになった。今回ファン・クラブ 用に限定発売されたものに新曲を加えて発売になったが、その クオリティは通常のアルバムにも劣らないほどレベルは高い。 優れたポップ・センスのメロディのヘヴィなロックンロールで 非常にくせがある。[84]
アメリカのブルーズ・ロック・バンドの4thアルバム。元々 ハード・ロックの範疇から外れるバンドであるので、そう言った 観点から述べるのは無理があるのだが、ただそういった要素が アルバム毎に薄れて行っているのは確かだ。泥臭い ブルーズ・ロックで演奏的には更に落ち着いたけだるい印象を 受けるが、時折見せるCHRIS ROBINSONのエネルギッシュな ボーカルの時のみが、唯一ハードさを感じさせてくれる。そう 言った事を求めなければ、演奏、楽曲とも安定してレベルが高く、 中々味わい深い良いアルバムに仕上がっている。[80]
SZUTER兄弟を中心とするアメリカのハード・ロック・バンドの デビュー盤。明らかにTHE BEATLESの影響を受けたと感じられる サウンドで、非常にキャッチーなメロディを持った ロック・アルバムに仕上がっている。そういう意味では ENUFF Z'NUFFに近いのかも知れないが、ENUFF Z'NUFFの様な どことなく哀愁を感じさせる部分は少なく、どちらかと言うと ラフな感じがあって、異質な雰囲気がある。いかにも1960年代風の サウンドで郷愁を感じさせるし、出来は悪くない。CHEAP TRICKに 影響を受けたそうで、そう言った部分も感じられるが、そう言った エッセンスはそれ程強くはない。[81]
アメリカのブルーズ・ロック・バンドのデビュー盤。ギタリストの JENNIFER BATTENはGITの講師と言う経歴を持っているだけに、 派手なギター・プレイが随所に出てくるが、全体的にはそう 言ったものを売りにしたハード・ロックと言う様な感じではない。 どちらかと言うとギター・プレイは押さえ目で、泥臭いが めりはりの効いたブルージィなアメリカン・ロックという感じだ。 女性ボーカル、KALIのハスキーな張りのあるソウルフル声は、 バンドのカラー的に良く合っている。全体的に出来は悪くないが、 これと言った楽曲もないので、今一つ盛り上がりに欠ける。[79]
アメリカのロック・バンドの2ndアルバム。内容的にはPEARL JAM 等を思い起こさせるような、若干オルタナティヴ・ロックっぽい サウンドだが、実際にはもっとハード・ロックよりで、両者の クロス・ーオーバーという風に感じられるアルバムに 仕上がっている。楽曲の端々にグランジ風のメロディを 感じさせるが、演奏はもっとハードで重厚で、インパクトがある。 GLEN TIMPTONが参加しているBlind等、彼のギターが前面に押し 出されていてかなりヘヴィな曲だ。楽曲も全曲とまでは言えないが 切迫感を持ったTrampoline等は聴きごたえがある。[82]
元KAIPAのギタリスト、ROINE STOLT率いる、スウェーデンの プログレッシヴ・ロック・バンドの3rdアルバム。ときには プログレッシヴに、あるいはポップに、シンフォニックに、 トラディショナルにと、自由自在に変化する様は圧巻だ。 シンフォニック・ロック的な美しさをベースに様々な可能性を 探ったアルバムと言って良いだろう。 プログレッシヴ・ロックらしい変則的な部分はあるが、 落ち着いた、親しみ易いメロディからなり、非常に完成された 作品で楽曲、演奏とも良い出来で安心して聴けるアルバムに 仕上がっている。[87]
元FIFTH ANGELのギタリストで2枚のソロ・アルバムを発表後、 自身のバンド名義での新作。ソロ1作目のOCTOGLOMERATEは何か 勘違いしたとしか言えないような作品だったが、SON OF MANでは 再びクラシカルな作品になっていたが、やはりボーカルがいない 事に対する限界を感じたのだろう。ATLANTIS RISINGのときの様に、 バンド名義にして元LYNCH MOBのROBERT MASONをボーカルに 入れている。クラシカルでアメリカ人とは思えないような、 欧州的な叙情感溢れるメロディはさすがだ。 ATLANTIS RISINGとまでは言わないが、楽曲の出来も悪くないし、 ROBERT MASONのボーカルにも不足はない。 プロジェクト・バンドみたいだが、JAMES BYRDには是非こう言った 路線で今後も活動して欲しい。[85]
ゴシック・ロック・バンド、FIELDS OF THE NEPHILIMの ボーカリストだったCARL McCOYによる新しいバンドの 1stアルバム。FIELDS OF THE NEPHILIMについては知らないので、 それについてはとやかくは書かないが、だいぶ変わったらしい。 ヘヴィなインダストリアル・サウンドをバックにCARK McCOYの 唸るようなダミ声がたたみかけてくる。インダストリアルと いっても、ギター・ラインなどはMINISTRYよりはずっと スラッシィでヘヴィ・メタル的だし、迫力あるCARL McCOYの凶悪な ボーカルがその感を強めている。ゴシック的な部分は全くない 訳ではなく、その暴力的なサウンドと合いまって独特の寂涼感と 陰鬱さを持った世界を作りあげている。[84]
イギリスのハード・ロック・バンドの4thアルバム。前作、 BEHIND CLOSED DOORSは非常に地味ながら、渋い素晴らしい アルバムだったが、今作ではむしろLAUGHONG ON JUDGEMENT DAYの 頃に若干揺り戻した感じがあり、前作で見せた渋さと地味さは 残しつつも、バラエティは少し豊かで、明るい曲調のものが増えた 様に感じられる。DANIEL BOWESのボーカルは、今作でも エモーショナルで素晴らしく、本当に上手いボーカリストと 言えるだけの技量を見せており、アルバムの出来がより映えたと 言って良いだろう。ただし、アルバム・ジャケットのセンスには 疑問を感じさせるが。[84]
もはやデス・メタルとは呼べなくなったスウェーデンの メロディアス・ヘヴィ・メタル・バンドの5thアルバム。 前作辺りからデス・メタルを脱した感があったが、この作品では さらにその方向を進め、遂に新たな世界を築くにいたった。 ボーカルは完全にノーマルなものへと化しているが、それを大胆に 削り、男女混声のオペラティックなコーラス隊が半分以上占める 荘厳な世界観を呈しており、その耽美なまでに美しく叙情的な サウンドで彼等は新しい可能性を切り開いた、金字塔とも言える 作品だ。ボーナス・トラックで意外にもSCORPIONSの FLY TO THE RAINBOWをカバーしているが、同時に CHRISTOFER JOHNSSONらしい選曲とも言える。ラストでコーラスに 持っていくのも実にらしいアレンジだ。残念なのは、これらの コーラスをライヴでは到底完全には再現出来ないだろう事だが、 とにかく傑作だ。[95]
DEEP PURPLEのメンバー達が関わった2枚の プロジェクト・アルバム、THE BUTTERFLY BALLと WIZARD'S CONVENTIONをカップリングしたもの。 THE BUTTERFLY BALLはDEEP PURPLEを脱退したROGER GLOVERが、 絵本のサウンド・トラックを作成した物で、GLENN HUGHESや DAVID COVERDALEも参加しているが、ここで興味深いのは RAINBOW加入前のRONNIE JAMES DIOが3曲歌っている事だろう。 イメージ・アルバムという事で、ハード・ロックとは掛け離れた 内容であるだけに、そういうものを期待していると必ず外すし、 それぞれのボーカルは興味をそそるが、コレクターズ・アイテムを 越えることは決してない。WIZARD'S CONVENTIONはもっと ロック的でこちらの方が聴けるだろう。EDDIE HARDINの ソロ・プロジェクトで、DAVID COVERDALE、ROGER GLOVER、 GLENN HUGHES、JOHN LORDを始め、IAN GILLAN BANDのメンバー等も 参加している。[79]
オランダのゴシック・メタル・バンドのアルバム、 MANDYLIONからのシングル。シングル・カット曲のLeavesに、 アルバム未収録曲が2曲と未収録バージョンが1曲の4曲と言う 構成になっている。新曲に関してはMANDYLIONでの路線からは 大きく変わってはいないが、Adrenalineにしても Thrid Chanceにしてもエレクトリックで若干ダンサブルな感覚が 強くなっているように思える。元々跳ねたような感じのある バンドなので、それ程気になる様なものでもないし、楽曲的にも 彼等の個性が出ていて悪くない出来だ。[83]
ノルウェイのゴシック・メタル・バンドの新譜に先駆けての シングル盤で、シングル・カットされたタイトル・トラックと、 前作のHorizonsのリミックスの2曲入りと言う構成になっている。 前作ではホラー的な方向へと変質して一部ファンを落胆させたが、 ここではキーボードをかなり押し出し、プログレッシヴ・ロック 的な要素が強く押し出されている。horizonsのリミックスでは、 その変化が顕著だ。静寂感を醸し出したそのサウンドは初期とは 完全に一線を画しているが、前作が少し中途半端な 感がいがめなかった事を考えると、やっと新たな方向性を 確立しだしたと考えても良いだろう。[85]
イギリスのゴシック・メタル・バンドANATHEMAを首になった ボーカリストDARREN.J.WHITEと同じくイギリスの メロディック・ブラック・メタル・バンドCLADLE OF FILTHの ギタリストP.J.、PAUL.R、キーボードのBENJAMINE RYANの3人の メロディ隊がジョインとしてのニュー・バンドの1stアルバム。 CRADLE OF FILTHのアルバムにDARRENがゲスト参加して バンド結成に至った様だ。ドゥーム色が非常に強い作品で ヘヴィな楽曲と静かな楽曲を交互に繰り返すコントラストは 見事だ。静かな楽曲には女性ボーカルを効果的に 挟んだりしているし、キーボードの味付けも良い具合で、ダークな 良く出来た作品だ。[86]
巨漢ボーカリストGARRY DALWAY率いるN.W.O.B.H.M.バンドの 1981年にリリースされたデビュー盤。当時のシングルから4曲 ボーナス・トラックが付けられている。1990年に突如復活して 2ndアルバムをリリースしたが、その後どうなったか、消息は 良く判らない。ロックンロールを主体としたサウンドで、 N.W.O.B.H.M.としてもよりのりをのりを押し出したアルバムに 仕上がっている。録音状態はやはり多少チープだが N.W.O.B.H.M.ものでは幾分ましなほうだ。マニア向けの域は 出ていないのだが、楽曲もそれなりだし、悪くない出来だ。[84]
アメリカの同名のプログレッシヴ・ロック・バンドのデビュー盤。 同じオランダの シンフォニック・プログレッシヴ・ロック・バンドとは同名の 別バンドだ。KANSASタイプの アメリカ・プログレッシヴ・ハード・ロックらしいキャッチーで やや軽めのサウンドが主体だが、楽曲は結構ひねりが効いている。 楽曲によっては湿り気を効かしていて、アクセントをつけている。 キーボードがその中心にいるが、中々センスの良いアレンジも 合間って、良い味を出している。あまりハード・ロック 向きではないかもしれないが、結構良く出来ている。[80]
オランダのゴシック・メタル・バンドのアルバム、 MANDYLIONからのシングル。シングル・カット曲の Strange Machinesのシングル、アルバム各バージョンの各2曲と In Motion #1とLeavesのライヴ・バージョンの全4曲と言う 構成になっている。Leavesのライヴ・バージョンは最新アルバム、 NIGHTTIME BIRDSとは別の音源で、こちらの方がより スタジオ・バージョンに近い仕上がりだ。観客の歓声も 入っておらず、ほとんどスタジオ・ライヴ的な雰囲気だが、 ANNEKE VAN GIERSBERGENのボーカルも完璧で、ライヴでもその 美声を変らず聴かせてくれている。[84]
INGMAR HJERTQVISTと言うスウェーデン人 シンガー・ソング・ライターによるのシンフォニック・ロックの プロジェクト・バンドによる1stアルバム。サポートとして THE FLOWER KINGSのROINE STOLT、PAR LINDAH PROJECTの PAR LINDH、元ENGLANDのJODE LEIGHと言ったミュージシャンが 参加している。そのサウンドは、ファンタジックで ドラマティックで派手さはないが適度に展開もある。軽めの暖かい 楽曲が中心だが、演奏はかなり派手でその実力の程を 見せつけている。楽曲、演奏と全体的なレベルが高い割には、 今一つ盛り上がりに欠けて地味に感じられる作品だ。[78]
イギリスのメロディアス・ハード・ロックロール・バンドの ベスト・アルバム。GINGER選曲による既存のアルバムからの 選曲によるものと、シングルのB面を集めたものによる2枚組み アルバムになっている。良く出来たメロディに、ノイジィでやや 歪んだ音像は独特の世界を作り出している。 Bad Time To Be Having A Bad Timeの様なむしろすっきりした 曲の方が少し違和感を感じるくらいだ。アルバムに 収められなかったとはいえ、このシングルB面集も中々良い 出来で、メロディ・センスの良さを実感させてくれる。 アルバムだけは全部持っているという人も買って聴く価値は 十分ある。[87]
ノルウェーのゴシック・メタル・バンドの3枚目の フル・アルバム。ボーカルをKARIよりANN-MARI EDVARDSENに 交代してから、プログレッシヴ・ロック的指向を強めていたが、 今作ではそういった色合いをより強く打ち出している。 シングル・カットされたSTREAM等はまだ聴きやすいのだが、 おどろおどろしい怪奇色のあるアバンギャルドな楽曲に 至っては、難解すぎて理解しがたい。初期の ゴシック・メタル・ファンとっては、より離れた存在に なってしまったといわざるをえない。ゴシックという存在を 抜きにして、まだアイデアを生かしきれていない感はあるが、 素材としてはそれなりに面白いと思う。[76]
カナダのヘヴィ・メタル・バンドの恐らくデビュー盤。 楽曲によっては哀愁のあるメロディを持っているが、 美しいというよりは非常に扇情的で気持ちを書き立てる。 ボーカリストのPETER CASTのZACHARY STEVENS風のだみ声で ねっちっこくシャウトする歌い方のせいだろう。全体的に渇いた 感じのさせるドラマティックな楽曲に、オルガン風のキーボードも 割と合っている。特に特殊なことをやっている訳ではないのだが、 これらがあいまって、一種独特の世界を作り上げている。楽曲は 全曲手放しで良いとは言えないが、割と良い出来の 曲がそろっている。[82]
先頃初のフルレンス・アルバムがリリースされた、スウェーデンの メロディック・デス・メタル・バンド。少なくともこの頃は TORNKVIST兄弟が中心となったプロジェクト・バンドで、その後 バンドとしての実態をもつにいたったのかは知らない。 ブラスト・ビートを用いながらも、 メロディック・デス・メタルらしいメロディアスな側面を持ち、 従来よりのパターンを踏襲しながらも、印象的で格好の良い ギター・メロディがその作品の質を引き上げている。 スラッシュ・メタル系のメロディック・デス・メタルが 好きであるなら間違いのない出来ろう。[85]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1981年にリリースされた デビュー盤。アメリカのヘヴィ・メタル・シーンが冷えていた 時代に、新人としてはY&Tと伴に牽引していたバンドと 言えるだろう。惜しむらくは、L.A.メタルの登場でシーンが盛り 上がって行った頃には、バンドとしてのパワーは失われており、 峠は過ぎており、成功を得る事は出来なかった事だろう。 方向的にはハード・ロック色の強かったY&Tとは違い、 ロックンロール色の強いサウンドを聴かせてくれている。 アップ・テンポの勢いを感じさせるのりの良い作品で、非常に ワイルドで破天荒な小気味良さを感じさせる作品だ。[82]
オランダのゴシック・メタル・バンドによる4thアルバム。 前作より加わった女性ボーカリストANNEKE VAN GLERSBERGENの 伸びやかで通った声と、ミドル・テンポで跳ねたようなサウンドが 特徴だ。前作より耽美的なゴシックさはやや減退して、より 普遍的な内容になっている。それ故に前作よりインパクトは薄く 感じるが、そのメロディの質の高さは一歩も劣っていない。 前作でもゴシック・メタルとはいえ、かなりオリジナリティの高い 独自の世界を築きあげていただけに、ゴシック色に こだわらなければ前作より楽しめるだろう。メロディ・センスの 良さを伺わせる作品で、全体的に良く出来た作品だ。[88]
アメリカのハード・ロック・バンドの1982年にリリースされた 2ndアルバムにボーナス・トラックとしてライヴを5曲付けて CD化したもの。N.W.O.B.H.M.華やかな時代に登場し、まだ L.A.メタルが始まる前で、Y & Tと共に次代を背負うバンドとして 期待されたが、結局その後Y & Tがそれなりの活躍をしたのに 比べて、このバンドはこのアルバムを境に急激に パワー・ダウンする事になった。内容はロックンロール調の のりの良いドライヴ感のあるハード・ロックだ。まだこの頃は 勢いが感じられて、楽曲の出来もまぁまぁ悪くない。 You Keep Me Hangin' Onをカバーしているが、これはそれ程 面白くない。[82]
ノルウェイのメロディック・デス・メタル・バンドの 2ndアルバムに続くミニ・アルバム。ゴシック・メタル風の サウンドで、女性ソプラノとデス・ボイスの構成はこれまでと 何ら変わりない。日本盤の2ndアルバムにはここから2曲、 ボーナス・トラックとして収められているが、それ以外は全て 未収録なのでそれだけでも価値はある。6曲中4曲が未発表曲で、 2曲が2ndアルバムからのリミックスという構成になっている。 リミックスはダンス・ミックス風に大胆なリミックスが 施されており、異彩を放っている。新曲は、デビュー当時より、 よりゴシック的な色彩を強め、幻想的な仕上がりになっている。 [84]
アイルランドのハード・ロック・バンドが1975年にリリースされた 5thアルバム。前作よりBRIAN ROBERTSONとSCOTT GORHAMという 二人のギタリストが加入した事により、ここに彼等のサウンドが 完成したと言ってよいだろう。ここで展開されるのはまさに 彼等のサウンドと言うべきもので、陽気なリズムに漂う不思議な 哀愁を醸し出した作品に仕上がっている。BOB SEGERのカバー、 ROSALIEのアレンジも彼等らしいテイストに仕上がっている。 もう一つ核となる名曲が欲しいと言う気もするが、楽曲の出来も その後の名作に決して劣っていないし、良く出来たアルバムだ。 [82]
パンクの生みの親とも言えるイギリスのパンク・ロック・バンドの 1993年にリリースされたライヴ盤。1978年にロンドンで行われた シークレット・ライヴの模様を収めたものだ。未発表曲、 Teenage Dreamで始まり、SWEETのヒット曲Ballroom Blitzまで カバーしているというかなり珍しい音源が集録された貴重な 作品だ。リリース後メンバー間で裁判になったという話だが、 日本盤リリース後、1年もせずに廃盤になったという事は、やはり そう言う問題が大きな影響があったのかも知れない。録音状態も それ程悪くないし、いかにもと言った感じの内容の作品だ。[80]
アイルランドのハード・ロック・バンドが1976年にリリースされた 6thアルバム。BON JOVI等、多くのバンドがカバーした、彼等の 代表曲とも言える、The Boys Are Back In Townを排出し、 彼等にとって出世作となった作品だ。方向的にはいかにも PHILL LYNOTTらしい、定番と言って良い、のりの良いがどことなく 侘しさを感じさせる、叙情的なロックンロール・ナンバーが取り 揃っている。前作からのSCOTT GORHAM、BRIAN ROBERTSONの ツイン・ギターのコンビも良く機能していて、バンドとしての 勢いが感じられる快作に仕上がっている。[87]
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの1990年にリリースされた ライヴ・ミニ・アルバムにアルバム未収録曲を3曲プラスして CD化したもの。デビュー盤後のツアーからのものだけあって、 やや貴重なライヴ・テイクと言えるかも知れない。 ロックンロール的なアティテュードを持ちながら、どことなく 哀愁を漂わせる叙情的なメロディは中々秀逸だ。特にグルーヴ感は 荒々しいまでののりを感じさせ、血を沸き立たせてくれる。 スタジオ盤でこれだけののりが出せていないのは少し残念だが、 こういったバンドこそライヴで見たい気にさせる。[86]
アイルランドのハード・ロック・バンドが1978年にリリースした ライヴ・アルバム。一度脱退したBRIAN ROBERTSONが再び復帰して 作成されたBAD REPUTATIONのツアーの模様を収録したものだが、 BRIAN ROBERTSONはこの後再び脱退して、RAINBOWのJIMMY BAINと WILD HORSESを結成し、THIN LIZZYはGARY MOOREを加入させる 事となる。今やGARY MOOREがいた事の方が有名だが、 バンドとしてはBRIAN ROBERTSONとSCOTT GORHAMがコンビを 組んでいた頃の方がそれを上回る充実度だったと言っても 良いだろう。この二人が組んだ事により、ほのぼのとしながらも どことなく哀愁を湛えた独特の世界を築きあげるに至ったからだ。 BRIAN ROBERTSONとバンドの関係が微妙だったこのライヴだが、 かえって緊張感が出て張りのある作品になっている。[86]
アイルランド人シンガーPHILIP LYNOTを中心とする ハード・ロック・バンドの1977年にりりーすされた8thアルバム。 BRIAN ROBERTSONの突然の脱退と復帰という突発事件も起き、 このアルバムのレコーディングの最後になってやっと BRIAN ROBERTSONが合流したため、これまでバンドの コンポーザーの一人という立場にもいた彼の曲は全く 入っていない。それゆえ、彼が作り出していたほのぼのとした 部分はかなり薄れ、バンドが持っていたカラーが やや曖昧になってしまっている。そしてBRIAN ROBERTSONは 脱退し、GARY MOOREが加入する事になる。[78]
イギリスのプログレッシブ・ヘヴィ・メタル・バンドの 3rdアルバム。この作品よりオリジナル・ボーカリストの DAMIAN WILSONが復帰しているが、元々ソフトで、あまり線の 太くない彼のボーカルが裏目に出ている部分が多々目に付く。 1stのParadox等ではそれでも、扇情的で粘質な歌声を聴かせていて 結構あっていたのだが、このアルバムではややあっさりした感じを 受ける。楽曲は、名曲Paradoxとまではいかなくても、いかにも このバンドらしい叙情的なもので、割とストレートで 聴きやすくて、出来は安定しておりまずまず良い。[78]
TORNKVIST兄弟率いるスウェーデンの メロディック・デス・メタル・バンドの1stアルバム。以前に リリースされたデビュー・ミニではバンドとしての体裁は 整っていなかったようだが、この作品では一応ラインナップは 固まった様だ。バックは、泣きのメロディを取り入れた スラッシュ・メタル型のもので、非常に格好良い作品に 仕上がっている。PIERRE TORNKVISTの拉げた様なデス・ボイスは 拒否反応を起す人が多そうだが、楽曲は叙情的な ギター・メロディーにザクザクと刻むリフがのってきて非常に 素晴らしい出来だ。[88]
イギリスのメロディアス・ハード・ロックンロール・バンドの 3rdアルバム。今作ではレコード会社が変った事もあってか、 かなり思い切った試みを行っている。DEVIN TOWNSENTが 参加しているが、ノイジィなサウンド作りは、まるで STRAPPING YOUNG LADをポップに仕立てたような感覚で、強烈に 印象的なものとなっている。これが一般的に受け 入れられるかどうか判らないし、THE WiLDHEARTSに限った 事でもないのだが、結構面白い事は確かだ。こういう事を取り 入れる事によって、わりとミドル・テンポの曲にはめりはりが 出ているように思える。[86]
フィンランドのハード・ロックンロール・バンドの3rdアルバム。 元々はHANOI ROCKSやMOTORHEAD等に影響を受けたバンドの様だが、 この作品ではかなり趣を変えており、かなりヘヴィ・メタル的な 色合いが濃い。STRATOVARIUSのTIMO TOLKIがプロデュースを 担当しているが、STRATOVARIUSとは全くかけ離れたサウンドで、 TIMO自身も演奏に参加しているBLONDYの名曲Call Meのカバーは、 インダストリアルっぽい色合いをみせてきて、意表をつかれる。 楽曲は意外にキャッチーなメロディも飛び出してきて、 味わいのある作品だ。ワイルドかつラウドで、非常にのりの良い 扇情的なアルバムに仕上がっている。[86]
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの レア・トラック集。THELIの日本盤のボーナス・トラックや IRON MAIDENのカバー・アルバムに収録されていた楽曲も 入っているが、企画盤としてはつぼを押さえた内容だ。 RUNNING WILDのUnder Jolly RogerやJUDAS PRIESTの Here Comes The Tearsのカバーも収められているが、もはや デス・メタルとは言えないだけに、もう少し何かアイデアがないと 楽しめない。せっかく、オリジナルで確立したアイデアを こういうところでうまく生かせていないのはもったいないと思う。 もちろん全く取り入れていない訳ではなくて、 Here Comes The Tearsのコーラスに混声合唱を入れて、 キーボードを導入したりしているのだが、どうせならもっと 原形が判らぬ位思いっきりやった方が 良かったのではないだろうか。Enter Transcendental Sleep等、 オリジナルの楽曲ではそういった部分をきちんと打ち 出せているだけに残念だ。録音されたのは全て1996年 以降のものなので、現在のTHERIONを味わう事が出来る。特に Enter Transcendetal SleepからUp To Netzachまでは混声合唱を 完全に前面に置いたものになっている。THE GOLDEN EMBRACEの サウンドトラック7曲はBARMBEK SYMPHONIC ORCHESTRAと混声合唱 以外はキーボードのみで、非常にダークな雰囲気を湛えている。 [83]
アメリカのロック・バンドの4thアルバム。斬新に処理された 音に、東洋志向があるバンドらしいメロディが非常に面白い調和を 生み出している。ミドル・テンポからスロー・テンポの中東っぽい サウンドは独特の雰囲気があり、民族楽器っぽい音を出している 事からかなり意識して音作りを行っている事が判る。音楽的には サイケデリックな中東音楽を重厚なロックで仕上げたという感じで 枠にはまらない作りが成功していると言って良い。緊張感と 扇情感があって、楽曲の出来も含めて出来は良いし、アイデアも 生きているので中々聴き応えのあるアルバムに仕上がっている。 [85]
ドイツのハード・ポップ・バンドの1995年にリリースされた 2ndアルバム。哀愁を帯びた叙情的なメロディの ハード・ポップで、優しい雰囲気を漂わせている。ポップで 産業ロック的な割に今一つチープで垢抜けない感じがするのは いかんともしがたいが、全体から醸し出される叙情的な匂いが なかなか良い。好み的にはもう少しめりはりが利いていた方が 嬉しいのだが、朗らかでどことなく寂しさを感じさせる メロディ・センスは評価に値する。もう少しプロダクションが 良ければかなり良くなったのではないかと思わせる。楽曲も 良いし、演奏も悪くないのでそういった面が改善されればかなり 期待出来る。[85]
ノルウェイのメロディック・デス・メタル・バンドの 2ndアルバム。女性ソプラノとデス・ボイスの ツイン・ボーカルで、それ故にややゴシック的な感じをさせる 部分もあるが、楽曲の全てにおいて、そういう耽美な姿勢が 貫かれている訳ではなく、部分部分で効果として使われているに 過ぎない。LIV KRISTINE ESPENIESの美しいソプラノは相変わらず 素晴らしく突出している。楽曲の出来も割と良いし、別にもっと ゴシック色を強くする必要性はあると思わないのだが、 デス・ボイスの必要性はあまり感じない。[83]
元PLAYERのPETER BECKETT等による二人組みのコンビによる イギリスのロック・バンドの9年ぶりの2ndアルバム。叙情的な メロディのロック・アルバムで、ややAORっぽく感じる 部分もあるが、もっとロック然としている。優しく伸びやかな 歌声にしっとりと落ち着いた楽曲は、派手さはないものの良く 出来ている。コーラスの具合など中々絶妙で、From Where I Stand 等はCHICAGOを思い起こさせたりもする。キャッチーでポップな いわゆる普通のロックなので、ハードなものを望むなら少し 退屈してしまうかも知れないが、クオリティは高い。[84]
イギリスのハード・ポップ・バンドHEARTLANDのCHRIS OUSEYが PORKER FACEのKENNY KAOSと組んだプロジェクト・バンド。 いかにもこの二人らしいポップ・センス溢れたキャッチーな メロディのハード・ポップ・チューンが並んでいる。 HEARTLANDより生々しい感じがあり、HEARTLANDが整い過ぎていたと 感じる向きには、むしろこちらの方がお奨め出来る作品だ。 生き生きとした雰囲気があり、この二人が組んだ効果が良く 出ている。CHRIS OUSEYのエモーショナルなボーカルもここでは 効果的だ。楽曲の出来もなかなか良い出来だし、思いのほか 聴きごたえのある作品だ。[85]
イギリスのハード・ロックンロール・バンドのこれまでの音源を 集めた4枚組みのアルバム。1枚目は1992年にリリースされた デビュー・ミニ・アルバムMONDO AKIMBO A-GO-GOで、2枚目は当初 ファンクラブ向けにリリースされたFISHING FOR LUCKIES、 3枚目は近頃発表された2枚組みのベスト・アルバムのアルバム 未収録曲を集めた2枚目がそれぞれ収められていて、音源的には それ程貴重ではない。最後の一枚だけが今回新たに構成された 先のベスト・アルバムには収録されなかったアルバム未収録音源を 集めたもので、コレクターズ・アイテムかここに収められている アルバムを持っていない比較的新し目のファン向きの作品と言って 良いだろう。[80]
イギリスのゴシック・メタル・バンドANATHEMAの元ボーカリスト DARREN WHITEとブラック・メタル・バンドCRADLE OF FILTHの 元ギタリストPAUL RYANと元キーボードBENJAMIN RYANの兄弟等を 中心としたヘヴィ・メタル・バンドの2ndアルバム。前作でRYAN 兄弟とともにCRADLE OF FILTHから来たPAUL Rは脱退してしまった 様だ。一昨年末のMY DYING BRIDEとのツアーではなかなかの ライヴ・パフォーマンスを見せてくれていたが、この作品を聴く 限りでも、やはりこのバンドはライヴ映えするバンドだと思える。 アルバムで聴くよりも、実際にライヴで聴くほうがその魅力を 堪能できるのではないだろうか。方向的には ドゥーム/ゴシック的な作品で、デビュー盤よりも 混沌としていて、より呪術的な雰囲気を感じさせる。 デビュー盤では静的なパートと動的なパートを交互に繰り 返すという手法を取っていたが、この作品では動的でヘヴィな 内容で固めている。デビュー盤では元々そういう部分が冗長に 感じられたので、むしろこういった方向のほうが好ましく 感じられる。ゴシックという様な耽美さを押し 出したものではなく、ダークでヘヴィな作品で、DARREN WHITEが ANATHEMAで目指していたサウンドに若干近いと言って良いだろう。 ヘヴィな叙情的なメロディはダークだが、なかなかパワフルで 力強い。[84]
詳細は良く判らないが、恐らくアメリカの プログレッシヴ・ヘヴィ・メタル・バンドのデビュー盤だろう。 方向的には非常にアグレッシヴな感じを打ち出しており、 めりはりのあるエッヂのたったハードなサウンドはこの手の プログレッシヴ・メタル・バンドの中でも特にヘヴィ・メタル的な 感覚を強く与えている。その一方でプログレッシヴらしい非常に 変則的で複雑な曲展開があり、プログレッシヴ的な要素をうまく 融合させる事に成功している。CHADD CASTERの ハイ・トーン・ボーカルもややあざとさは感じるが、良い出来だ。 楽曲の出来も緊張感があって、結構良く出来ているし、全体的な 演奏の出来も悪くないが、もう少し緩急が付いていれば更に 良かったと思うのだが。[89]
スウェーデンのロックンロール・バンドの2ndアルバム。非常に ハイ・テンポのパンキッシュなハード・ロックンロールで、 圧倒的な勢いを感じさせてくれる。楽曲自体はオーソドックスな 感じがするが、楽曲の出来もまずまず良く、何よりもこのテンポの 良さが楽曲の良さを一層際立てている。パンキッシュな 感じはするが味付け的でしかなく、基本はあくまで ハード・ロックンロールだ。ややもすると一本調子と言う 感じがしない訳でもないが、全体で30分弱という短さで、飽きる 前に終わらせている。それがこのバンドの限界という気もするが、 それをどう破っていくかが今後の課題ではないだろうか。[82]
N.W.O.B.H.M.バンド、TERRAPLANEの流れを汲む、イギリスの ハード・ロック・バンドの本国イギリスでのライヴの模様を 収めた、2枚組みライヴ・アルバム。従来より、ライヴの うまさには定評のあるバンドだけに、このライヴ・アルバムでも その凄さは十分堪能出来るだろう。DANIEL BOWESの渋味のある 情感のこもったブルージィなボーカルも実に素晴らしい。選曲も ベストといっても良いだけに、まさしく彼等の ライヴ・アルバムとして相応しい内容だ。録音状態も十分良く、 演奏も素晴らしいし、良く出来たライヴ・アルバムだ。[84]
アメリカのハード・ロック・バンドの2ndアルバム。今作でも 全曲ではないが、前作同様PAUL GILBERTがプロデュースに 関わっている。かなりポップ色が強い作品で、THE BEATLESの 影響をもろに出したアルバムだ。THE BEATLESらしいキャッチーな メロディにそれなりにハードさを打ち出した サウンドになっている。同じくTHE BEATLESの影響のある、 ENUFF Z'NUFFのどこか翳りを感じさせる様な部分はなく、なかなか 明るくて爽快だ。のりの良いポップなメロディは良く 出来ているし、デビュー盤よりもハードで、ギター・プレイも なかなかのものだ。[84]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1996年にリリースされた デビュー盤で、ドラムには元BADLANDSのJEFF MARTINが 参加している。アラビア風のメロディに、ザクザクと刻むリフ、 場面によってはプログレッシヴ・ロックと言っても良いほどの 全面に出てくるキーボードと、非常にユニークな個性がある。 荒々しい攻撃的なサウンドだが、その一方で緻密に構築された 作品に仕上がっている。攻撃的かつ斬新で、楽曲の出来も中々 素晴らしい内容で、非常に心を引き付ける作品だ。パターンに はまった作品が多いと感じる昨今では、この斬新さと オリジナリティだけでも十分に評価出来る。全体的な出来も全く 問題無いし、快作と言って良いアルバムだろう。[87]
イギリスのノイジィなハード・コア・パンク・バンドの4th アルバム。これまでよりも更にポップなサウンドになっており、 Church Of Noise等はブリッド・ポップと言っても良いような曲で THE WiLDHEARTS辺りを好きな人でも結構聴けるかもしれない。 全体的にポップで軽快で跳ねるようなサウンドだが、どことなく 憂いを含んだ明るくなりきれないメロディはいかにもイギリスの バンドといった所だろう。特に歌メロは非常にポップで、 甘すぎると感じるほどだ。ノイジィなギター・サウンドは健在で、 攻撃的な部分も所々顔を出す。出来としては悪くないが、もう少し 攻撃的であっても良いような気がする。[78]
イギリスのハード・ロック・バンドのデビュー盤。イギリス 出身だが、方向的にはアメリカン・ハード・ロックとも言うべき、 叙情的なメロディの、明るいカラッとしたハード・ロックで、 あまりイギリス的なイメージは受けない。プロデュースにSIAMの ANDY FAULKNERが担当しているほか、同じくSIAMのTONY MILES、 IAN RICHARDSONが参加しているが、サウンド的にはFIREHOUSEを よりハードにしたと言うようなイメージをした方が良いだろう。 One Way等はアコースティックを全面に押し出して、全く FIREHOUSEそのものをイメージさせられる。メロディの出来自体も 悪くないし、プロダクションも割と良く出来ているので、こういう アメリカン・ハード・ロックが好きな人にはお奨めだ。[83]
アメリカの伝説的なギタリスト率いるブルーズ・ロック・バンドの イギリスのラジオ局の放送用音源をCD化したもの。1967年と 1969年に出演した7回のスタジオ・ライヴを収めたものだ。既に 多くのテイクはアルバムとして発表済みだが、37曲中13曲は未発表 音源だ。ブルーズ・ロックと言っても当時最もハードな サウンドで、今聴いてもその熱さは十分伝わってくる。 スタジオ・アルバムよりも生々しく、ライヴ・アルバムよりも クリアで、スタジオ・ライヴと言う利点が良く生きている 作品だけに、この音源がリリースされた事はそれなりに 意義がある。DJのMCが入っているのが何とも不思議な感じだが。 [82]
イギリスのハード・ロック・バンドの6曲入り来日記念盤の ミニ・アルバム。The Only Oneは既にライヴ・アルバムに 収録されていたもののスタジオ・バージョンで Play That Funky Musicと伴に日本盤としては今まで 未収録だったものだ。残りは全てアコースティック・ライヴで FREEのMy Brother JakeやTHE WHOのI'm One等をカバーしている。 元々ブルージィで渋さを感じさせるバンドであっただけに、 こういった選曲がアコースティック・ライヴではなおさら渋さを 増し、しんみりとさせる作品に仕上がる結果となっている。 演奏は歌も含めて元々実力のあるバンドなだけに出来は非常に 良い。[80]
詳細は全く不明だが、恐らくフィンランドの ゴシック・ロック・バンドの1995年にリリースされたアルバムの 様だ。耽美で非常に静寂感を漂わせたサウンドで、淡々と 続いていく。ゴシック・メタルという程のヘヴィさは全く無く、 かなりキーボードが全面に押し出されている。美しい叙情的な 憂いを帯びた耽美なメロディが好きならば一聴の価値はある。 ある程度のヘヴィ・メタル的な要素を求めるならば静か 過ぎるという印象を受けるだろう。途中、シアトリカル的な 部分もあるが、決してイメージを壊していない。全体的な メロディは良いし、雰囲気もあって出来は中々良い。[87]
イギリスのハード・ロックンロール・バンドのライヴ音源を集めた アルバム。1993年から1996年にかけての音源で、ほとんどが イギリスのラジオ局、BBCの番組放送用に収録されたものの様だ。 そう言う事もあってか、メンバーはリリースして 欲しくなかったらしく、買うなと言っているアルバムなのだが、 録音状態はあまり悪くない。ただ、いくつものライヴ音源を 繋げているため、途中でぶつ切れになるのはやはり 興冷めしてしまう。それ故、コレクターズ・アイテムと言う 感が強いのだが、そういう部分に目をつぶれば、ライヴの出来も 良いし、悪くない作品だ。[84]
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの6th アルバム。前作では男女のクラシックの合唱隊を入れた、かなり 実験的な色合いの濃い作品だったが、今作では更にそれを押し 進め、CHRISTFER JOHNSSONのデス・ボイスは一切 無くなってしまった。叙情的で流麗なヘヴィ・メタルをバックに 言わば合唱隊がリード・ボーカルを取っていると言った風で、 前作であった脱デス・メタルはここで完成している。クラシックの 合唱隊を使うと言うアイデアを突き詰めていった訳で、これは これで彼等のと言うかCHRISTFER JOHNSSONの個性と言える。しかし その一方で流麗になり過ぎてフックが足りないと言う 感もなくはなく、この路線を続けるのであれば、聴き 飽きられたときが正念場だろう。その辺りは判っているのか、 The Wild HuntではゲストのRALF SHEEPERSにリード・ボーカルを 取らせている。もし今後、良いリード・ボーカルが見つかれば 加入と言う事もあるかもしれない。前作では弱点とも言うべき、 安っぽいキーボードが幾分改善されたのは評価出来るし、 ヴィオラ、チェロ、コントラバス等を持ち込んだのも良い 結果になっている。ここで注目されるのはボーナス・トラックに 日本が誇るヘヴィ・メタル・バンド、LOUDNESSのCRAZY NIGHTを カバーしている事だ。[83]
JADED HEARTのMICHAEL BORMANN、MICHAEL MULLER、SINNERの ALXANDER BEYRODT、VANIZEのANDRE HIGERSと言うドイツの ヘヴィ・メタル系のミュージシャンによるプロジェクト・バンドの アルバム。これらの参加メンバーから叙情的でメロディアスな ヘヴィ・メタルを期待するだろうが、それに対して幾分の満足と 幾分の失望感じている。まず、方向的には期待する通りの叙情的な ヘヴィ・メタルで憂いを施しながらも中々扇情的で良い作品だ。 はっとするようなメロディも飛び出てくるのだが、残念ながら 楽曲を通してそれが中々続かない。メロディと言う点では素材的に 悪いとは思わないので、楽曲に練りが足りないという 感じだろうか。時間的にどの程度費やしたのか判らないが、作り 込みが足りないと言う風な印象を受ける。JADED HEARTよりは 扇情的な作品に仕上がっていて、MICHAEL BORMANNのボーカルが より生きる作品になっていると思う。[86]
イギリスのパンク・バンドの1980年にリリースされた4th アルバム。SEX PISTOLS、CLUSHと並ぶパンク・バンドの大御所と 言って良いバンドだが、楽曲によってはかなりロックンロール的で それなりに聴き易い作品だ。このアルバム作成直前にベースの ALGY WARDはバンドを脱退し、N.W.O.B.H.M.バンド、TANKを 結成している。とは言うものの、このアルバムではそう言った 色合いは全くなく、TANKのパンキッシュなサウンドも、もっと 他から受けた影響による所が大きいのだろう。出来は悪くないと 思うが、今聴くとパンチに欠けるような気がする。[78]
イギリスのパンク・バンドの1977年にリリースされた 2ndアルバム。Problem Child等、確かにパンク然とした エッセンスに溢れた楽曲も多いが、全体的には今聴けばかなり ポップで聴き易いと言った感じの作品だ。如何にも1970年代的な 古めかしさを感じるし、今ではかなり時代遅れな感じをさせる サウンドには違いないが、ブリット・ポップ的な感じもあって、 それなりには楽しむ事が出来る内容だ。パンク的な破天荒さは、 昔はこうだったんだなと言う形骸的な気持ちしか沸いてこないが、 ロックンロール的なのりは十分あるし、楽曲の出来も悪くない。 [78]
大阪のサザン・ロック・バンドのデビュー盤。サザン・ロック、 ブルーズ・ロック、ハード・ロックのエッセンスに満ちた サウンドは非常にアメリカ南部的だ。日本のバンドで、これだけ アメリカ南部的なセンスを発揮出来るバンドがいるとは 思ってもいなかった。LYNYRD SKYNYRD等よりもよりラテン的で、 リズミカルなサウンドだ。埃っぽい渇いた楽曲は、非常に エモーショナルで好感が持てる。これだけの作品ならば、 アメリカ人に聴かせても十分通用するだろう。楽曲の出来も非常に 良いし、歌詞が全て英語でかつボーカルが凄く自然なのも良い。 [84]
ハード・ロック方面では最も著名なアメリカ人 セッション・ギタリストの一人、MIKE LANDAUが弟の TEDDY LANDAU等と伴に結成したロック・バンドの2ndアルバム。 JIMI HENDRIX EXPERIENCEを意識して作られたアルバムの様だが、 あそこまでエモーショナルではなく、より現代的なサウンドだ。 ブルージィだが、オルタナティヴ・ロック的なエッセンスが ふんだんに取り入れられており、ソウルフルなメロディの中にも 気だるさを感じさせる。方向的にはあまりハード・ロック的な 作品ではないのだが、音作りはそれなりにハードで、出来も 悪くない。[81]
元WHITESNAKEの2人のイギリス人ギタリスト、MICKY MOODYと BURNIE MARSDENを中心に結成されたバンドの1stアルバム。2人は 最近ではMOODY/MARSDENというバンド活動をしていたが、結局は うまく行かず出直しと言ったところだろう。バンド名を見れば 明らかだが、WHITESNAKE的なリズム&ブルース的な ハード・ロックのエッセンスに溢れている。これをWHITESNAKEへの オマージュと取るかどうかは別として、見え見えな作品に こだわりを持たなければ、出来は悪くないだけにそれなりに 楽しめるだろう。元VAGABONDのJOHNNY LANDEのボーカルも非常に DAVID COVERDALE的だ。キャッチーさもあって、結構楽曲の出来は 良いのだが、もう少し情感に訴えかけるような盛り上がりが 欲しい。[80]
イギリスのハード・ロック・バンド、WHITESNAKEの元ギタリスト、 BERNIE MARSDENとMICKY MOODYを中心としたバンドのライブ盤。 その二人がこの様なバンド名で活動しているのだから、何を やりたいかは見え見えなのだが、それでもスタジオ盤では オリジナル曲をやっていたのに対して、この作品では何一つ隠す 所なく、全ての自らが在籍していた頃のWHITESNAKEカバーと言う ジョークか本気か良く判らない作品だ。ノルウェイの ハード・ロック・バンド、VAGABONDの元ボーカルJOHNNY LANDEの 声は、VAGABOND時代からは想像もつかない程DAVID COVERDALE そっくりだ。キーボードはDON AIREYが担当していて、中々興味を 引く所だ。Ain't No Love In The Heart Of Cityや Don't Break My Heart Againと言った名曲も押えているので、 初期のWHITESNAKEファンならば結構来るものがあるだろう。 しかし、その一方で、もう少しエモーショナルさが欲しいし、やや 小粒にも感じるのだが。[78]
アメリカのハード・ロック・バンドの1983年にリリースされた 3rdアルバム。方向的には所謂ハード・ロックンロールで、前作の 延長線上と言った所だが、Witches' Brewの様な アコースティック・ギターで始まるダークな楽曲もある。 Hot Loveの様なアップ・テンポで勢いのある楽曲が少ないのが やや残念だが、ドライヴ感を出す所では出していて、出来は決して 悪くない。これと言った飛び抜けた楽曲がないので、全体的に 中庸に感じるが、もう少しStreet Fighterの様な扇情的な 楽曲があっても良かったのではないだろうか。[79]
ノルウェイのゴシック/デス・メタル・バンドの3rdアルバム。 これまでは女性ボーカルを使っていると言うだけで、それ程 ゴシック・メタル色のない、どちらかと言えば メロディック・デス・メタル然としたサウンドだったが、今作では はっきりと耽美なゴシック色を出してきている。先頃リリースした ソロ・アルバム同様、LIV KRISTINE ESPENIESのボーカルは 幽玄としていて素晴らしいが、インパクトのなさが物足りなさを 感じさせる。もう一枚のボーカリスト、RAYMOND I.ROHONYIも クリア・ボイスの占める割合が大きくなっているために良くも 悪くも聴き流せてしまうような作品になっている。全体的に軽めの サウンド作りで、優美さは出ているのだが、これも原因の一端と 言って良いだろう。全体的に美しいし、中にはゴシック・ロック 風の部分もあって、決して悪い作品ではないのだが。[84]
アメリカのハード・ロック・バンドの1984年にリリースされた ライヴ盤。方向的には、のりの良いハード・ロックンロールで、 やや古臭さも感じさせる様な土臭いものだ。L.A.メタル隆盛の 一方で、このバンドが下降線を辿っていったのは、RATT等の様な 洗練された部分がなく、この頃になると時代遅れの サウンドになったせいだと言っても良いだろう。とは言え、のりは 良く出ているし、ハードなサウンドと言い、楽曲の出来も含めて 決して悪い出来ではない。ボーナス・トラックには ラジオ・スポットまで含まれていたりするのが謎だが、硬派な 感じが良く出ていて、パワフルで格好の良いライヴだ。[83]
オランダのゴシック・メタル・バンドの4thアルバム、 NIGHTTIME BIRDSよりのシングル。シングル・カット曲の タイトル・トラックの他に、未発表曲2曲、デモ1曲と言う 構成になっている。未発表曲は、このアルバムでの彼等らしい サウンドで、静けさを感じさせる穏やかで叙情的な憂いを帯びた メロディで、アルバム中の他の曲と比べてもそれ程 見劣りはしない。In Power We Entrust The Love Advocatedは特に ANNEKE V.GIERSBERGENのボーカルが映えて、雰囲気が良く 出ている。Confusionデモ・バージョンはかなり完成品に近く、 特にどうという事はない。[85]
アメリカのブルーズ・ロック・バンドの5thアルバム。やや 南部っぽい埃っぽい渇いたサウンドで、如何にもアメリカの バンドらしい作品だ。今作では中々ハードな作品 作りがされており、ハード・ロック系のファンにはより強く 訴えるものがあるだろう。それを除けば基本的な路線はこれまでと 全く変わりなく、やや気だるさを感じさせる様な ブルーズ・ロックだ。楽曲の出来を始め、全体的にさすがと 思わせるだけの作品に仕上がっている。彼等のエナジーと 言うものが良く伝わってくる良い作品で、場面によっては BAD LANDSを思い起こさせる部分もある。[83]
アメリカのハード・ロック・バンドの1984年にリリースされた 4thアルバム。1980年代初頭、枯れてしまっていたアメリカの ハード・ロック・シーンでY&Tと共に健闘し、西のY&T、東の THE RODSと言われていたのもL.A.メタルの台頭で過去の 栄光となり、急激にパワー・ダウンしていってしまった後の 作品だ。方向的には前作的な部分を継承しながらも、より叙情的で メロディアスなものになっており、ハード・ロックロールと言う 印象は希薄になってしまっている。新しい方向性を模索していると 言えば聞えは良いだろうが、全体的に中途半端な感はいがめず、 まだまだ中途半端だ。Nuclear Skiesまで割り切った様な 楽曲ばかりになれば、それはそれでまた違った展望があったかも 知れないが、それでも活路を見出すのは難しかっただろう。[80]
オランダのゴシック・メタル・バンドの5thアルバム。方向的には 前作から出だした静寂感を踏襲しながらも、よりスペイシーで プログレッシヴ・ロック的な作品に仕上がっている。ギタリストが 一人になってしまったが、こういう方向に向かうのならば、さして 問題はないだろう。ANNEKE VAN GIERSBERGENの美しく透った ボーカルがより幻想的なイメージを強くしてくれる。叙情的で 憂いに満ちたメロディは、耽美で非常に美しいが、ヘヴィ・メタル 的な要素は殆ど無くなったと言って良いだろう。むしろ シンフォニック・ロックが好きな人向けと言っても 良いかもしれない。極際色感を感じさせる歪ませたギターが差し 挟まれるが、全体的に耽美でうらわびしさを感じさせ、中々良い 出来だ。[85]
オランダのゴシック・メタル・バンドの5thアルバムで、輸入盤で 2枚組みとしてリリースされたもの。日本盤との差異は、 タイトル・トラックであるHow To Measure A Planet?が 追加されているだけなのだが、この曲が30分位ある超大作だ。この 曲は、方向的にはアルバムの内容をそのまま現すもので、 プログレッシヴ・ロック色の強い幻想的でわびしさを感じさせる 様な楽曲だ。派手な展開がある訳ではないので、やや冗長な 感じはしなくもないが、サイケデリック味があり、悪くない 出来だ。ただ、終盤にSEの様に延々と音が続いていくのはさすがに 聴いていて少し辛い。[85]
詳細は全く不明だが、恐らくノルウェイの ゴシック/デス・メタル・バンドのアルバムだろう。まず、この アルバムで何が酷いかと言うと、GLENN NORDBOの デス・ボイスだろう。この聴くに堪えないデス・ボイスが結構 作品的価値を下げているのだが、デス・ボイスのパートが 少ないのが救いだ。それを除けば非常に美しい作品で、特に PETE JOHANSENのバイオリンは絶品だと言って良い。切なく ビブラートするこのバイオリンが、叙情感を盛り上げ、メロディの 美しさを倍加させている。どうも彼はゲストの様だが、これだけ バイオリン・パートが多くて、かつ効果的であるならば、是非とも パーマネントなメンバーになって欲しい。ボーカルとしては 女性ボーカリストのANITA AUGLENDが、全体的に主パートを 取っており、儚げなボーカルが、バイオリンと重なって如何にも 幻想的で美しい。INGFRID STENSLANDのキーボードが時折思い 出したように、緊張感のある音を差し挟んで来るのも悪くない。 耽美で、幻想的で、もしこれでデス・ボイスがなければと思う程 出来は評価出来る。[88]
イギリスのハード・ロックンロール・バンドの1998年に行われた 来日公演の模様を収めた初のライヴ盤。初回限定盤として、 GINGERがソロで行ったアコースティック・ギグを録音したCDが 付いた2枚組みとなっている。前作ではDEVIN TOWNSENTとの コラボレーションで、かなりノイジィなサウンドを 聴かせてくれていたが、ここでは従来通りの彼等のサウンドが 聴ける。ポップでキャッチーなメロディを主体とした、のりの良い ロックンロールが満載されている。だが、録音状態は今一つと言う 感もなくはなく、あまり手を入れてない割にはライヴ感が乏しい 様な感じがする。[78]
イギリスのハード・リック・バンドの5thアルバム、 GIVING THE GAME AWAYからの先行シングル・カット曲。 シングル・カットのタイトル・トラックに、未発表曲が2曲、 ライヴが2曲という構成になっている。未発表曲では、 Montana Mountain Womanはブルージィな アコースティック・バラードで、如何にも彼等らしい楽曲に 仕上がっている。アルバムから落ちただけあって、彼等として特に 素晴らしい楽曲とは言えないが、その出来は悪くない。もう一方の Duelling Harmonicasは完全に遊びで到底評価に値する 様なものではないのが残念だ。ライヴの With A Little Help From My FriendsとShe's So Fineはさすがと 思わせるものがあるが。[79]
スウェーデンのプログレッシヴ・ロック・バンドの5thアルバム。 元KAIPAのROINE STOLTが率いるバンドとして知られているが、 ヘヴィ・メタル系として注目されるのは、あのSPELLBOUNDの ボーカル、HASSE FROBERGが歌っている事だろう。 シンフォニック・ロックと言う事で、HASSE FROBERGのボーカルも それに合わせた、ボーカル・スタイルになっている。方向的には これまでの延長線上となるが、叙情的なメロディに緻密な展開が、 2枚組みでトータル150分と言う超大作を飽きさせずに 聴かせてくれる。静寂感を持った叙情的なメロディが中心だが、 押えるべき所は押えて、抑揚の付け方ががうまいから、 聴きごたえのある作品に仕上がっている。[85]
オランダのゴシック・メタル・バンドの5thアルバム、 HOW TO MEASURE A PLANET?からのシングル・カット。全て既発曲の バージョン違いで、HOW TO MEASURE A PLANET?から タイトル・トラック・ナンバーとFrail、4thアルバムの NIGHTTIME BIRDSよりShrinkの3曲という構成になっている。それ程 大きな変更が入っている訳ではないので、 コレクターズ・アイテムと言う範囲から出ているとは言い 難いだろう。方向的にどんどんメタルと言う範囲からは外れて 行っているバンドだけに、このバンドのファン向けとしか言い 様がないが、出来自体は素晴らしい。[85]
イギリスのハード・ロック・バンドの5thアルバム。従来から、 渋い、ブルージィなハード・ロックをやっていたが、その傾向は 今作でより強く打ち出されており、作品的に地味に感じてしまう 程だ。ここまで来ると、ハード・ロック的な要素は殆どなく、 どちらかと言うとブリティッシュ・テイスト溢れた ブルーズ・ロックと言って良いだろう。カバーの Play That Funky Musicはやや趣が違う感じがするが、それでも うまく調理したある。DANIEL BOWESのボーカルは相変わらず 素晴らしく、安定した内容を聴かせてくれている。[83]
HEARTLANDのボーカリスト、CHRIS OUSEYとPOKERFACEの ギタリスト、KENNY KAOSによるカナダのプロジェクト・バンドの 2ndアルバム。HEARTLANDはかなり甘口の、ハード・ポップで、やり 過ぎと言う気もしなくはなかったのだが、こちらは前作同様、 適度にハードで聴きごたえのある作品に仕上がっている。カナダの バンドらしい、叙情的なメロディは中々素晴らしく、哀愁を 感じさせてくれる楽曲などは非常に素晴らしい。 Under Her Spellは、元RAINBOWのDAVE ROSENTHALによる楽曲で、 勢いのあるハード・ロック・ナンバーだ。CHRIS OUSEYの ボーカルも相変わらず素晴らしいが、特に楽曲が彼のボーカルに 良く合っている。キャッチーな楽曲の出来も素晴らしいし、中々の 好作に仕上がっている。[86]
イギリスのパワー・ポップ/ハード・ロックンロール・バンドの 未発表音源集。このバンド程、レコード会社と揉めたりと、怪しい 音源が次々とリリースされるバンドも珍しいが、このアルバムも その1枚だと言って良いだろう。EAST WEST時代に録音された 音源が、WARNER MUSIC UKのライセンスでKURO NEKO RECORDSから リリースされると言う良く判らない経緯でリリースされた アルバムだ。FISHING FOR LUCKIESのアナログ盤や THE BAST OF THE WiLDHEARTS等で少しはカバー出来るが、7曲は 全くの未発表曲だ。彼等らしいパワー・ポップの楽曲群で、出来 自体は決して悪くない。[81]
詳細は良く判らないが、恐らくドイツのハード・ロック・バンドの 1998年にリリースされたアルバム。愁いを帯びたポップな メロディ・ラインを持った、キャッチーな楽曲がずらりと 並んでおり、出来は中々のものだ。Mad Dogではゲストによる ハモンド・オルガンが入っていて、良い味付けがされている。 Angel Calling等は佳曲と言っても良い出来の楽曲で、 メロディ・センスの高さを十分感じさせてくれる。 ANDREA BIANCHERIの甲高いボーカルに拒否反応を起す人はいるかも 知れないが、透った声質で悪くない。甘すぎると言う感じもする 部分はあるが、哀愁のハード・ポップが好きならば聴いても 損はないだろう。[87]
スウェーデンのハード・ロックンロール・バンドの3rdアルバム。 方向的にはこれまで同様、パンキッシュな ハード・ロックンロールだが、BOBA FETTのピアノがより前面に 押し出されており、よりロック色の強い仕上がりとなっている。 その分、かなり聴き易くなった感があり、より一般受けしそうな 感じがする。楽曲の出来も非常に良いし、のりも十分あって良く 出来たアルバムだ。やや飽きが来ない事もないが、枯れた Paul Stanley等は非常に良い味が出ている。渋味の出た、円熟さも 感じさせる様な作品で、中々味わい深い仕上がりになっている。 [85]
スウェーデンのデス・メタル・バンド、CROWN OF THORNSが バンド名を改めてリリースされた第1弾。方向的にはこれまでと 同じで、いわゆるスラッシュ・メタル型のデス・メタルだ。 この手のものではかなりブルータルな方向性ではあるが、 ブラスト・ビートがそれ程ないし、メロディもかなりはっきりと 打ち出されているので、聴き辛いと言う感じはない。 JANNE SAARENPAAのポコポコしたドラムの音は更により一層 際立って来ており、少し聴き苦しいのが残念だ。楽曲の出来は 良いし、これまでより一般受けしそうな内容に仕上がっていて、 中々良いアルバムだ。[83]
イギリス人ギタリスト、LEE HEARTを中心とする、IRON MAIDENの カバー・プロジェクトのアルバム。N.W.O.B.H.M.におんぶに 抱っこのLEE HEARTものではあるが、その中でも参加メンバーは 中々豪華だ。元PRAYING MANTIS、RAINBOWのDOOGIE WHITE、 GRIM REAPERのSTEVE GRIMMETT、元M.S.G.、PRAYING MANTISの GARY BARDEN、元GILLAN、OZZY OSBOURNEのBERNIE TORME、 元IRON MAIDENのPAUL DIANNO他、多彩なメンバーが参加している。 自分の持ち歌は他人に渡したくなかったのか、PAUL DIANNO時代の 曲は、全て本人が歌っている。歌唱力的には、STEVE OVERLAND、 DOOGIE WHITE、STEVE GRIMMETTが抜きんでている。しかし、こう 言うアルバムをわざわざ作る意義もが感じられない上に、 LEE HEARTがこう言ったアルバムを作った時点で、商業的な匂いを 感じずにはいられず、興味が半減してしまうのが残念だが。[77]
イタリアのヘヴィ・メタル・バンド、CROSSBONESの元ギタリスト、 DARIO MOLLO率いるプロジェクトのアルバム。ボーカルは 元BLACK SABBATHのTONY MARTINがとっている他、キーボードは 元RAINBOW他のDON AIREYが担当している。DARIO MOLLOの プロジェクトと言っても、やはり注目されるのはTONY MARTINEの ボーカルだろう。方向的には正統派の メロディアス・ヘヴィ・メタルで、これをときには切々と、 ときには力強く歌い上げるTONY MARTINのボーカルは素晴らしい。 これと言った楽曲はないものの、全体的に洗練された楽曲は 悪くない。[81]
イギリスのハード・ロック・バンドのアルバム未収録曲、 未発表曲を集めた企画アルバム。中にはアルバムに 集録されているものもあるが、概ねシングルにのみ 納められたものも多く、シングルを買っていないものには、 ありがたいアルバムだと言って良いだろう。アルバムから 落ちたものと言っても、そこはこのバンドだけあって、アルバムに 収録されている曲と比べても十分聴く価値のある内容だと 言えるだけの仕上がりだ。未発表曲は、今一つと言う 感のものもあるが、Hand In A Glove等、出来は悪くないし、 彼等のファンであるならば、それなりに満足できるだろう。[78]
イギリスのプログレッシヴ・ヘヴィ・メタル・バンドの1998年に リリースされた4thアルバム。ボーカリストとして 元SARGANT FURYのANDREW 'MAC' MCDERMOTTが加入しており、彼の ボーカルはフックが足りないのが気になるものの、バンドの 方向性からは外れていない声質だ。楽曲的には、これまでの路線を そのまま踏襲したものであり、Paradoxの様な名曲がない弱点が、 そのまま出ており、2nd以降のアルバムと変わらない印象を 与えるものとなってしまっている。素材的には悪くないものの、 この弱点を克服できなければ大きな展望は望めないだろう。[79]
詳細は全く不明だが、恐らくドイツのゴシック・メタル・バンドの 1997年にリリースされたアルバム。男女のクリア・ボイスを 導入した流麗なゴシック・メタルで、ストレートで聴き易い作品に 仕上がっている。LARS ESCHNERのキーボードが耽美さと シアトリカルさを若干引き出しており、これが聴き 流してしまいそうな中で微妙なフックを楽曲に付けている。 GUNNAR MOTHESのはっきりとしたクリア・ボイスにANTJE MOTHESの 儚げなボーカルがお互いを際ただせていて悪くない。楽曲は意外と 速くて、その出来は特別取りたてるものはないが、悪くない。 Soporificの様な印象的なさびとコーラスがもっと出せる 様になるとかなり良くなるだろう。[84]
カナダのハード・ロック・バンドの1989年にリリースされた デビュー盤。このバンドとしては唯一のアルバムで、次の作品では バンド名をWALL OF SILENCSに変更している。元MANNEQUINの ボーカリスト、BRIAN MALONEYとギタリスト、JIM HUFFに キーボードのSTUART ZALTZと言う編成で結成されている。 リズム隊がいないために、リズム隊とサックスをゲストで 賄っている。1980年代らしいアダルトなセンスが感じられる、 カナダのバンドらしい叙情的で、キャッチーなメロディの ハード・ロックだ。楽曲の出来も良いし、プロダクションも良く 出来ていて、悪くないアルバムだ。[83]
イギリスのハード・ロック・バンドの4年振りの2ndアルバム。 方向的には、哀愁の漂う叙情的でキャッチーなメロディの、 洗練されたアダルトなハード・ロックだ。キーボードが全面的に フュチャーされた、愁いを帯びたAOR系のハード・ポップが 好きならば、訴えるものがあるだろう。メロディ・センスの 素晴らしさは文句ないし、テンポ良く進んでいくので非常に聴き 易い作品だと言って良いだろう。前作と比べても、全体的な 完成度は上がっていて、中々良いアルバムに仕上がっている。 ハード・ポップ系のレーベルとして知られる、NOW & THENの バンドとしては、楽曲にフックがある方だ。[83]
フィンランドのハード・ロックンロール・バンドの4thアルバム。 ややパンキッシュに感じる部分もあって、THE HELLACOPTERS等に 通ずるところもあるのだが、もっとハード・ロック的だ。今作では 特にWasting The Dawn等、ゴシック・ロック的な色合いが更に 強くなっていて、メランコリックな印象を受ける。元々、豪奢な 感じのするサウンドだったが、そう言った部分により一層 磨きがかかっていると言って良いだろう。バンドの方向性にしては ゲスト・ミュージシャンが一風変っていて、ENTOMBEDの ALEX HELLIDとL-G PETROVが参加している。豪奢で耽美さも 感じさせるハード・ロックンロールで、オリジナリティがあって、 良く出来たアルバムだ。[84]
大阪のサザン・ロック・バンドの2ndアルバム。ツイン・ドラムの 5人組みと言う変則的な編成だが、内容は王道的な サザン・ロックだ。デビュー作よりはやや、ブルーズ的な エッセンスが強くなっており、サザン・ロック度はやや下がった 様な印象も無きにしもあらずだが、アメリカ南部的な埃っぽい 渇いた感じのする作品に仕上がっている。アメリカのバンドと 言っても通じそうな完成度で、ソウルフルで英語の歌詞を自然に 感じさせるMONJI KADOWAKIのボーカルは中々素晴らしい。全体的に レベルが高く、日本にもこう言うバンドが居るというのは驚嘆に 値すると言っても良いバンドだ。[83]
ノルウェイのブラック・メタル・バンド、DIMMU BORGIRの NAGASHことPSY COMA率いるプロジェクト・バンドの3rdアルバム。 元々はCOVENANTと言うバンド名だったが、同名のバンドが 存在したために、今作よりバンド名を変更している。 DIMMU BORGIRはシンフォニック・ブラック・メタルとしてはかなり 暴虐さを感じさせるバンドだが、こちらはそういう雰囲気は ほとんどない。かなりエレクトロニクスを前面に押し出した 作品で、Mirros Paradise等、楽曲によっては非常にダンサブルな ビートを聴かせてくれる。その一方で、Mannequinの様な メタリックなギターにオペラティックなコーラスと言う様な 楽曲もある。これまでの作品より、よりニュー・ウェーブ的な アルバムになっており、賛否両論にはなるだろう。しかし、こう 言った方向性の追求が、特殊である事と作品の出来を考えれば、 新境地を開拓したと言って良いし、中々面白いアルバムに 仕上がっている。ダークで禍禍しくも、美しく、ポップで ダンサブルなサウンドは、本国の一般チャート上位に入って来ると 言うだけの出来だ。[86]
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの変形 ミニ・アルバム。デビュー盤に収められていた A Hanmlet For A Slothful Vassalを除けば、ボーナス・トラック 等を集めたコンピレーション集だ。Der Tanz Der Schattenの シングル・エディット、ミニ・アルバム、A ROSE FOR THE DEADに 収められていたDER SPIEGEL、AEGISの日本盤に ボーナス・トラックとして収められていたSamantha、Viragoの 全5曲だ。取りたてて珍しい音源はないので、改めて 購入するまでもないので、VELVET DARKNESS THEY FEARの ジャケットを使った、変形ピクチャー・ディスクを目当てにする 位だろう。[80]
アイルランドのヘヴィ・ロック・バンドの5thアルバム。元々 パンキッシュなバンドではあったが、今作ではそう言った要素が より強くなった作品作りがなされている。ブリット・ポップ的な キャッチーさが影を潜め、よりハードで攻撃的なアルバムに 仕上がっている。もちろんグラマラスで愁いを含んだメロディが 全くなくなってしまった訳ではないし、Jam Jar Jail等、そう 言った部分が強く出ている楽曲もある。しかし、より ハード・コア・パンク的な攻撃性が強くなっており、 ロックンロール的な風味も強く、好みの判れるところかも 知れない。[82]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの復活第1弾となる 6thアルバム。元々ドイツを中心に活動していたバンドであり、 メンバーもTED BULLETを除けば全員ドイツ人だった。復活に 際して、中心人物であるTED BULLETを除いて一新されており、全員 アメリカ人で固められている。その音楽的方向性はこれまでと全く 変らず、コアでパンキッシュな味わいを持ちながらも、アメリカの バンドらしい叙情的なメロディを持ち合わせた作品に 仕上がっている。パワフルなサウンドとTED BULLETのボーカルに、 愁いを含んだメロディの楽曲が非常に味わい深い。[84]
アメリカのハード・ロック・バンドの3rdアルバム。方向的には これまで同様、パワー・ポップ的なキャッチーで甘く切ない メロディが満載された作品だ。アルバム・タイトルが示す通り、 正にCHEAP TRICKのサウンドを引き継いでおり、ENUGH Z'NUFF 等より、よりロックンロール的でのりの良いアルバムに 仕上がっている。PAUL GILBERT人脈で語られる事が多いが、 これまで以上にハード・ロック的な意識は希薄になっている。 メロディ・センスは素晴らしいと思えるだけの楽曲がずらりと 並んでおり、安心して聴いていられるアルバムだ。[84]
スウェーデンのプログレッシヴ・ロック・バンドの2枚組み ライヴ盤。1枚目は1998年に行われた北米でのツアーの模様を 2枚目は1999年に行われた日本公演を収めたものだ。スタジオ 盤ではボーカルを取っている元SPELLBOUNDのHASSE FROBERGは、両 ツアーとも参加しておらず、DESPERADOSのMICHAEL STOLLが ヘルプしており、現在ではMIDNIGHT SUNのJONAS REINGOLDが ヘルプしているそうだ。音源的には1公演のと言う訳ではなくて、 いくつかの公演の寄せ集めなのだが、切れ目はほとんど 判らないので気にならないだろう。非常に安定した演奏と 表現力で、彼等の実力の高さを窺わせてくれる作品に 仕上がっている。[82]
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの再結成第1弾となる4年振りの 6thアルバム。ギタリストとして新たに元WHATEVERの NICK PARSONSが加入しているが、その成果もあってか ギター・リフがこれまで以上に重厚で面白い。方向的には パンキッシュでロックンロールな色合いの強いヘヴィ・メタルで、 これまでの延長線上と言う感じだが、WHATEVER的なエッセンスが 強くなった分、ヘヴィ・メタル的な色合いが薄くなったと感じる 楽曲もある。そのためアグレッシヴさと言う点では減退した様に 感じるし、楽曲自体の出来も前作を超えるとは思わない。[82]
ノルウェイのゴシック/メロディック・デス・メタル・バンドの 2ndアルバム。方向的には、前作の延長線上と言えるもので、 ゴシック・メタル的な耽美さを取り入れた メロディック・デス・メタルに、泣きのバイオリンを入れた アルバムに仕上がっている。女性ボーカルのANITA AUGLENDと GLENN NORDBOのデス・ボイスのツイン・ボーカルは変わらないが、 相変わらずこのデス・ボイスが全ての雰囲気をぶち壊しているのは 残念でならない。PETE JOHANSENの美しい泣きのバイオリンは 相変わらず絶品で、これだけでも聴く価値があると言って良いし、 幻想的なキーボード・メロディ、ANITA AUGLENDの儚げな ボーカルも中々美しい。折角デス・ボイスとルックス以外は これだけ美しいのに勿体無いと思うのだが。[85]
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの 7thアルバム。オペラティックなコーラスをリード・ボーカルに 据えると言う独特のサウンドを構築し、今やデス・ボイスは完全に 廃され、メロディック・デス・メタルと言ってしまうのは少し 正しくないかも知れない。前作では余りにもこの手法を進め 過ぎたが為に、ヘヴィ・メタルとしての音楽性が 希薄になってしまっていたが、今作では揺り戻した形で 改善されている。そこにストリングス等も取り入れ、より シンフォニックなサウンドに仕上げており、荘厳さを伴った アルバムだ。最早メンバーとして固定されているのは CHRISTOFER JOHNSSONだけで、彼のソロ・プロジェクトと言っても 良い様な様相を呈している。[85]
ノルウェイのブラック・メタル・バンドの1998年にリリースされた デビュー盤。スウェーデンの メロディック・デス・メタル・バンドとは同名異バンドだ。 方向的には、ブラック・メタルらしい荒涼としたメロディながら、 ブラスト・ビートはそれ程きついものではなく、この 手のものとしてはややメロディック・デス・メタル的な エッセンスが強く感じられる。タイトでのりのあるリフが扇情感を 増しており、情感をより増している。ブラック・メタル・ボイスが 中心ではあるが、女性ボーカルをいれたりと、中々 ドラマティックな雰囲気の感じられる作品に仕上がっている。[84]
ドイツ人ギタリスト、MICHAEL SCHENKER率いる ハード・ロック・バンドの1980年にリリースされたデビュー盤。 UFOを脱退し、SCORPIONS経て初めて自己のバンドのアルバムとなる 訳だが、そのアルバムをボーナス・トラックを付けて デジタル・リマスタリングしたものだ。ボーナス・トラックは、 当時12インチEPとしてリリースされたHALF LIVEに集録されていた Armed And ReadyとInto The Arenaのライヴ・バージョン、 Cry For The Nationsのバージョン違いの3曲だ。GARY BARDENの ボーカルは、ライヴを聴くと特に苦しい様な気もするが、 MICHAEL SCHENKERの扇情的なギター・プレイは素晴らしい。特に Armed And ReadyはSEの導入部から入っていく展開が興味深い。 [85]
ドイツ人ギタリスト、MICHAEL SCHENKER率いる ハード・ロック・バンドの1984年にリリースされたライヴ盤。 4thアルバム、BUILT TO DESTROYリリースに伴う1983年に 行われた、ツアーの模様を収めたものだ。 デジタル・リマスタリングされて再発されたものだが、それに 伴って、当時同タイトルのビデオには集録されながらも、尺の 関係か、アルバムではカットされていたCry For The Nations、 Rock You To The Ground、Courvoisier Concerto、Red Sky、 Looking For Love、Armed And Readyがボーナス・トラックとして 補填されており、言わば完全盤とも言える作品だ。今回の 再発では、飛翔伝説はなかった事になっているので、GARY BARDEN 在籍時の初期のライヴの模様を伝える唯一の作品でもある。 GARY BARDENのボーカルにはやや不安を憶えるが、酷いと言う 程でもないので、上出来と言っても良いだろう。[83]
ドイツ人ギタリスト、MICHAEL SCHENKER率いる ハード・ロック・バンドの1983年にリリースされた4thアルバム。 当時、リリース直後にリミックスし直されて再発されると言う 奇妙な形態でリリースされたが、これはリミックスして出し 直されたものをデジタル・リマスタリングされて 再発されたものだ。ボーナス・トラックとして、 オリジナル・ミックスのものが5曲集録されている。残念ながら オリジナル・ミックスを全曲聴くには、当時廃盤になったものを 探すしかないのだが、この作品では特に手を入れられたものと言う 観点で選曲されている。Still Love That Little Devilでは、加入 直後のDEREK ST.HOLMESによってボーカルが取り直されているし、 Rock My Nights Awayではキーボードが大胆に取り 入れられている。Red Sky等は、如何にもと言った感じの 佳曲だし、Into The Arenaに並ぶインストルゥーメンタルの名曲、 Captain Nemoでは彼のギター・プレイが十分味わえ、彼の最後の 名作と言っても良いだろう。[86]
元UFOのドイツ人ギタリスト、MICHAEL SCHENKER率いる ハード・ロック・バンドの1982年にリリースされた3rdアルバムに ボーナス・トラックを付けて再発したもの。ボーカリストに GRAHAM BONNETを迎え、よりパワフルな作品に仕上がっているが、 GRAHAM BONNETの加入直後にドラマーのCOZY POWELLが脱退し、 TED McKENNAを迎えて録音し、リリース後にGRAHAM BONNETも脱退、 今度は再びGARY BARDENを迎える等、バンドは昏迷を極めていく 事になる。ボーナス・トラックは、シングル・カットされた DancerのB面に収められていたGirl From Uptownは、アメリカ 市場を意識したDancerのB面らしいポップな楽曲で、特にどうと 言う事はないものだ。しかし、何故DancerのGARY BARDEN バージョンがここでボーナス・トラックとして 入れられなかったのか謎だ。[82]
オランダのゴシック・メタル・バンドの恐らく新譜からの シングル・カット。シングル・カット曲の タイトル・トラック・ナンバーは、 ラジオ・エディット・バージョンで、よりコンパクトに まとめられたものだろうが、方向的には前作の延長線上と 言えるもので、スペイシーでプログレッシヴ・ロック色のある 楽曲に仕上がっている。その他、アルバム未収録曲が1曲、 ライブが1曲、CD-ROM用のビデオ・クリップが1曲と言う 構成になっている。Theme From 'The Cyclist'は、恐らくテレビか 映画のテーマ曲であろうが、興味深いのはギターが全く 入っていないインストルゥーメンタル・ナンバーだと言う事だ。 ホーン・セクションやバイオリン、チェロ、ピアノを主流にした、 幻想的なナンバーに仕上がっている。Leavesのライヴは1996年に オランダで行われた公演を収録したもので、ホーン・セクションが 大胆に取り入れられていて、アルバムとはかなり違った アレンジになっており、非常に面白い。[85]
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの 4thアルバム。方向的にはこれまでの延長線上と言えるもので、 スラッシュ・メタル・タイプのデス・メタルだ。これまでと 比べるとスピード感と攻撃性を増しており、ブラスト・ビートと 言えるものもあり、よりブルータリティな作品に仕上がっている。 これまでドラムのパカパカした軽い音作りに難を 感じなくもなかったが、今作ではそれが幾分解消されているのも 良い結果となっている。疾走感のあるスラッシィな楽曲に、意外と キャッチーさも感じさせるギター・メロディが中々良く 合っている。[84]
イギリスのハード・ロック・バンドのライヴ盤。もう既にバンド 自体は解散しているが、このアルバムは最後の日本公演を 収録したもので、日本独自の企画盤だ。元々 ライヴ・バンドとしても定評のある彼等だけに、DANIEL BOWESの 歌唱を始め、ここで聴かせてくれる演奏も実に充実している。 こう言う良質のバンドがメジャー・ディールを失い、経済的に立ち 行かなくなって解散しなければならなくなったと言うのは非常に 残念でならないと言う他ない。こうして聴かせてくれる最後の 日本公演の模様が、素晴らしいだけに感慨は尚更深く、 切なくさせる。[90]
オランダのゴシック・メタル・バンドのライヴ盤。1999年に 行われたオランダでのライヴの模様を収めたものだ。ここ最近は、 彼等のスタイルとしてはスペイシーなプログレッシヴ・ロックと 言った感じを色濃くさせているが、このライヴでも最近の楽曲が 中心となっている。アルバムでのスペイシーな静けさをそのまま 持ち込んでいる部分もあるが、場面によってはかなりヘヴィな アレンジを施しているところもあり、中々聴き応えが感じられる。 彼等のサウンドで最も重要な位置を占めている、女性ボーカル、 ANNEKE VAN GIERSBERGENの美声は何ら曇る事無く 聴かせてくれている。一種独特な不思議な雰囲気があり、流石と 言える様なライヴを聴かせてくれている。[85]
スウェーデンのブラック・メタル・バンドの1999年に リリースされたアルバム。方向的には、如何にもと言った感じの 初期北欧ブラック・メタル路線をそのまま体現した様な サウンドだ。ブルータルで荒涼としたメロディに、 ブラスト・ビートを織り交ぜたサウンドは凄まじい。ただ、 ブルータルなそのサウンド中に織り込まれている部分部分の メロディは中々良く出来ていて、単に荒涼としたサウンドで 終わってしまっていないところには好感が持てる。とは言っても、 北欧ブラック・メタルが聴けないとかなり厳しい作品である事には 違いはない。[81]
スウェーデンのプログレしヴ・ロック・バンドの6thアルバム。 日本盤の初回限定盤はボーナスCDが付いた2枚組みとなっている。 ライブ盤でも弾いていたが、今作より正式にMIDNIGHT SUNの ベーシスト、JONAS REINGOLDが加入している。 シンフォニックでありながら、複雑な プログレッシヴ・ロックらしい難解さも感じさせてくれる、 スペイシーで壮大なROINE STOLTらしい作品に仕上がっている。 それでいながらメロディは適度にキャッチーでコマーシャルで、 意外に聴き易く最後まで聴かせてくれる。ジャジィな色合いを 感じさせてくれるところが、これまでの作品と比べて新鮮さを 出している。[83]
詳細は全く不明だが、恐らくドイツのゴシック・メタル・バンドの アルバム。方向的には、ニュー・ウェーブ系と呼べるもので、 流麗なサウンドを聴かせてくれている。ISABELLE DEKEYSERの ボーカルは、例えるならばKATE BUSH的で、非常にシアトリカルな 雰囲気を作り上げている。そのため、好き嫌いが非常に分れそうな 感じがするが、独特の世界が広がっていてKATE BUSHの ファンならば結構聴けるかも知れない。全体的にミドル・テンポで シンセサイザーが前面に出たサウンドは、彼女のボーカルに 合っている。楽曲的な面白さと言う点では今一つと言う 気もするが、ユニークで悪くない作品だ。[81]
フィンランドのメロディック・デス・メタル・バンドの デビュー盤。方向的には、いわゆるIN FLAMES型のパワーメタル系 メロディック・デス・メタルをやっている。キーボードが 居るだけに、より甘美で甘いサウンドを聴かせてくれている。 それだけにやや華美に過ぎると言う気もしなくはないが、その メロディの充実振りは、それを補って余りある。疾走する哀愁の メロディは、そのセンスの素晴らしさを十分感じさせてくれるし、 近年のこの手の新人でもトップ・クラスと言って良いだろう。 オリジナリティと言う点は置いておいて、楽曲の出来は 素晴らしいし、扇情的な演奏もあって、少し出来過ぎと言う 気がする位だ。[86]
イギリスのハード・ロックンロール・バンドの再結成第1弾となる 7年振りの4thアルバム。中心人物であるボーカリスト兼 ギタリストのTYLAがいれば、あの方向性は大きく変るはずもなく、 昔のスタイルを踏襲した作品に仕上がっている。明るい陽気な アメリカ的なロックンロールに、どことなく侘しさを 感じさせてくれるメロディは相変わらずで、彼等らしい楽曲が ずらりと並んでいる。しゃがれたTYLAのボーカルもあって、非常に 渋い作品に仕上がっている。BACKYARD BABIESのDREGENとNICKEが ゲスト参加しているが、あれほどハードな部分はない。[83]
オランダのゴシック・メタル・バンドの6thアルバム。方向的には 最近の彼等のうら侘しさを感じさせるサウンドを踏襲したもので、 スペイシーな雰囲気を持ったプログレッシヴ・ロック的な色合いの 濃い作品だ。ヘヴィ・メタル的な要素がほとんど 消失してしまって、シンフォニックな感じが突出していたいた 前作と比べると、やや揺り戻した様な感じで、ヘヴィなギターも 聴く事が出来る。そう言う意味では、前作よりも NIGHTTIME BIRDSの方が近いだろう。ANNEKE VAN GIERSBERGENの ボーカルは、相変わらず美しく透っていて、叙情感を否応にも 増している。耽美で浮揚感のある美しい作品で、彼等の ファンであれば十分満足出来るはずだ。[87]
アイルランドのハード・ロック・バンドのライヴ盤。昨年行われた ヨーロッパでのツアーの模様を収めたものだ。中心人物である PHIL LYNOTTは亡くなっているので、当然彼抜きの編成だが、 意外とはまっている。特にJOHN SYKESのボーカルにそれ程違和感は 感じられず、これだけ良いプロダクションで彼等らしいライヴを 聴かせてくれているのは嬉しい限りだ。TOMMY ALDRIDGEのドラムは ちょっと色合いが違うなと言う感じがするが、それを除けば十分 満足の行く内容だ。楽曲的のもほぼベストと言えるもので、 全体的に流石と言えるだけの良く出来たアルバムに 仕上がっている。[82]
イギリスのハード・ロック・バンドの2枚組みライヴ盤。先頃 解散したが、イギリスで行われた本当に最後のショーの模様を 収めた1万枚限定のものだ。日本最後の公演も日本だけでだが ライヴ盤としてリリースされており、ファンならば当然両方 集めたいところだ。半分は通常のライヴ、残りは アコースティック・ライヴになっているので、企画として 重複していると言う感じはそんなにしない。彼等の素晴らしい ライヴ・パフォーマンスはここでも変らず、本当に惜しい バンドだったと思える内容に仕上がっている。[88]
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの 2ndアルバム。AT THE GATESの元ギタリスト、ANDERS BJORLERと 元ベーシスト、JONAS BJORLER兄弟とWITCHERYのギタリスト、 JENSEN RIFFを中心としたバンドだ。方向的には前作の延長線上と 言えるもので、スラッシュ・メタル系の メロディック・デス・メタルだ。暴虐さを感じさせる様な、 攻撃的なリフとメロディを聴かせてくれており、アップ・テンポで 勢いも感じられる。疾走感と叙情性を併せ持っており、楽曲の レベルはかなり高い。この手のものとしては群を抜いた出来で、 聴き応えのある素晴らしい作品に仕上がっている。[89]
アメリカのハード・ロック・バンドのデビュー盤。元TOUCHの キーボード、MARK MANGOLD、元STRANGEWAYSのボーカリスト、 TERRY BROCK、元ZEBRAのギタリスト、RANDY JACKSON、元STREETSの ベーシスト、BILLY GREER、元RAINBOWのドラマー、 BOBBY RONDINELLIと言った豪華なメンバーによる プロジェクト・バンドだ。方向的には叙情的なメロディの、産業 ロック的なアダルトな感覚が漂うハード・ロックだ。これだけの メンバーが集まっただけあって、楽曲の出来は素晴らしいし、 TERRY BROCKのボーカルもエモーショナルで、中々素晴らしい アルバムに仕上がっている。[86]
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの デビュー盤。方向的にはスラッシュ・メタル型の メロディック・デス・メタルで、リフを中心とした サウンドながらも、THE HAUNTED等に通ずる様なブルータルな 叙情性を感じさせてくれる。変則的な部分もあって、 アグレッシヴな感じを強く受けるが、生々しいサウンドと 合間って、それがフックを感じさせる。Betrayed By Godのさび 等は印象的だし、中々聴き応えのあるアルバムに仕上がっている。 まだまだ未整理に感じられる部分もあるが、迫力があって、 北欧らしい暴虐さを感じさせてくれる。[83]
アメリカのオルタナティヴ・ロック・バンドの3年振りとなる 3rdアルバム。方向的にはオルタナティヴ・ロックと ハード・ロックを融合させた様な、前作での路線を 踏襲しながらも、楽曲はよりキャッチーで ポップなものとなっている。オルタナティヴ・ロック的な素朴さを 感じさせる部分もあるが、そのためより万人受けする 作品となっている。その分、暗さが減じてオルタナティヴ・ロック 的な指向は低くなった様な印象を受ける。如何にもアメリカ的な ポップ性とロック性を兼ね備えており、中々良いアルバムに 仕上がっている。[84]
イギリスのパンク・ロック・バンドの1987年にリリースされた アルバム。半分はブートレグとして出回っていたSPUNKの音源を 公式リリースした未発表デモ音源集で、残り半分は半分は STEVE JONESやPAUL COCK等が参加したTHE EX PISTOLSの音源だ。 No FutureやAnarchy In The U.K.を含んでいて、唯一のアルバム、 NEVER MIND THE BOLLOCKSと重複しているが、かなりライヴ 感があって、エナジーが感じられるテイクだ。デモとは言え、 荒々しさは感じるもののそれ程プロダクションは悪くない。 1976年から1977年にかけて録音された、まだSID VICIOUSが 加入する以前の貴重な音源と言えるだろう。[80]
イギリスのパンク・ロック・バンドの1976年にリリースされた ライヴ盤。そのアルバム・タイトルが示す通り、ロンドンの チェルムスフォード刑務所にて、囚人を前に行われたライヴで、 そう言うライヴでMCの間にも怒号が飛び交うのは如何にも 彼等らしいと言った感じがする作品だ。プロダクションはお 世辞にもあまり良いとは言えないが、安定はしているので、 慣れてくればそれ程気にならない。むしろそう言ったチープさも 彼等のサウンドには合っている様な気がする。破天荒なステージの 様子が伝わって来るし、彼等ならではと言った感じのライヴ 作品だ。[80]
アメリカのハード・ポップ・バンドの3rdアルバム。バンド自体は 既に解散しており、これは1983年に録音されたままお蔵 入りとなっていた音源を掘り起こしたものだ。音楽的には、 TONY MONACOのキーボードを前面に押し出した、叙情的な メロディで軽めのサウンドのハード・ポップ作品だ。コーラスを 生かした美しいハーモニーが特徴的で、この手のものとしては かなりシンプルな楽曲からなっている。それ故派手さには 欠けるが、しみじみとした味わいのあるアルバムに 仕上がっており、ハードさはかなり控えめだが、良質のメロディの 楽曲がずらりと並んでいる。[82]
ドイツのハード・ロックンロール・バンドの1990年に リリースされた2ndアルバム。骨太で熱い ハード・ロックンロールだが、The Darker Side Of Yesterdayと 言った、愁いのある力強いパワー・バラードも入っていて、 一本調子になっておらず、バランスも悪くない。TED BULLETの ワイルドなボーカルがこう言ったサウンドに良く合っている。 勢いとのりは感じさせてくれるので、楽曲も引き立って来るが、 楽曲自体の出来はまずまずと言ったところだ。ドライヴ 感があって、ラフでワイルドな個性が出ているし、悪くない アルバムだ。[82]
アメリカのハード・ロック・バンドのアルバム。現TWO FIRESで 元THE STORMのボーカリスト、KEVIN CHALFANT、元BERLIN、Y & T、 ALICE COOPERのギタリスト、STEFF BURNS、JOURNEYのベーシスト、 ROSS VALORY、元JOURNY、TUBESのドラマー、PRAIRIE PRINCEと 言った層々たるメンバーによるバンドだったが、不遇にも アルバムもリリースする事が出来ずに消えて行った。この後、 KEVIN CHALFANTとROSS VALORYはTHE STORMを結成するわけで、 THE STORMやTWO FIRESの源流とも言えるバンドだ。この音源は バンドの1980年代中頃に録音されながら、お蔵入りとなっていた 音源を発掘したものだ。方向的にはTHE STORMよりもTWO FIRESに 近く、キャッチーなメロディの叙情的なアルバムに 仕上がっている。楽曲の質も高く、TWO FIRESの ファンであるならばその期待を裏切る事はないだろう。[84]
ドイツのハード・ロックンロール・バンドの1989年に リリースされたデビュー盤。この後よりハード・ロックンロール 的な色合いを強く押し出していく事になるが、この作品では 叙情的でメロディアスなギター・プレイもあったりして、まだ ヘヴィ・メタル的な要素も強く感じられる作品だ。Ready To Roll 等は、愁いも感じられ、叙情的な部分が強く押し出されている。 とは言っても、楽曲自体アップ・テンポでのりの良い ロックンロールがベースにある事は変わりない。全体的に楽曲は コンパクトに纏められており、小気味良く進んで行くところには 好感が持てる作品だ。[82]
ギリシャのゴシック/メロディック・デス・メタル・バンドの 1999年にリリースされた2ndアルバム。BILL Aのボーカルは 咆哮型のデス・ボイスで、サウンド全般に メロディック・デス・メタル的らしさが強く滲み出しているが、 バイオリンとチェロを兼任するGREG EMFIETZISのストリングを 中心に、I Am The Unknown Sky等、耽美なメロディを導入して ゴシック・メタル的な色合いの濃い楽曲もある。 Their Blood Be On Us等、この手のバンドとしては珍しく ブラスト・ビートを多用してきて、ブラック・メタルっぽさを 感じさせたりもし、こう言った発散した方向性がどう受取られるか、 難しいところだろう。[77]
スウェーデンのハード・ロックンロール・バンドの4thアルバム。 方向的にはこれまでの延長線上ではあるのだが、これまでよりも 数段とパンク色が減退し、その分哀愁が深まった サウンドとなっている。音作りのあり方もあって、元ENTOMBEDの NICK ROYALEがやっているとは思えない様な、何か非常に懐かしい 感じのする作品に仕上がっている。愁いを帯びたメロディで エネルギッシュで爆走する楽曲は郷愁を感じさせるし、この愁いを 帯びたメロディが実に良い出来だ。楽曲もコンパクトでテンポが 良くて聴き易く、実に格好良く、味わいのあるアルバムだ。[89]
アメリカのプログレッシヴ・メタル・バンドの2ndアルバム。 前作と比べると、かなりヘヴィな音作りがなされており、 JAMES HEADFIELDS風のボーカルも取り入れたりしている 部分がある。元々哀愁味の漂ったメロディのバンドだっただけに、 こう言ったヘヴィな音作りがかなり暗さを増している原因と言って 良いだろう。Reason For Changeで美しいピアノを 入れたりしているが、この暗さとヘヴィさの前に、その魅力が 今一つはっきりと伝わってこないのは残念だ。前作にも劣らぬ プログレッシヴ・メタル的な味付けのされた、叙情的なメロディの ヘヴィ・メタルを聴かせてくれているだけに、少しもったいない 感じがする。[82]
オーストラリアのパンク・ロック・バンドの2ndアルバム。 方向的には非常にメロディアスでポップなサウンドで、いわゆる メロ・コアと言われる様な作品に通じる作品だと言って 良いだろう。ロカビリーの影響が強いらしく、Riot On Broadway等 確かに今作でもそう言った部分が端々に見えるが、そう言った 要素は適度に抑えられていて鼻につく程でもない。それよりも ロックンロール的な部分を前に出す事によって、のりの良さと 勢いを感じさせる作品に仕上がっている。ヘヴィな色合いがする 部分もあり、中々バラエティに富んでいて面白い。[82]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの3rdアルバム。 YNGWIE J.MALMSTEENよりもYNGWIEらしいと言われるソロでも 活躍するギタリスト、JOE STAMP率いるバンドだが、その音楽性は ソロと大して変りはない。今作ではボーカリストに元OBSESSION、 LOUDNESS、YNGWIE MALMSTEENのMICHAEL VESERA、キーボードに 同じくYNGWIE MALMSTEENのMATS OLAUSSONが参加しているだけに 尚更だ。この手の元となったと言っても良い、RAINBOWの Kill The Kingをカバーしていたりと、ある意味オリジナリティに 乏しいのだが、楽曲の出来も悪くないし、演奏的にもレベルは 高く、完成度の高いアルバムに仕上がっている。[83]
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドのデビュー盤。 IN FLAMESのFREDRIK NORDSTROMがプロデュースしているが、 音楽的にはいも臭さを感じさせるB級メタル・バンドだ。北欧の バンドらしい哀愁味を感じさせる叙情的なメロディだが、やや ジャーマン・パワー・メタルの影響が見えるところがあって、 HAMMERFALLっぽさを感じさせる。ただHAMMERFALLの様な疾走感と 言うものはあまり感じられなくて、どちらかと言うとじっくりと 歌い上げると言う感じの作品となっている。L-G Perrsonの ボーカルは、やや野太さを感じさせる野生味を感じさせる声質で、 この手のバンドとしてはやや異質感を感じさせる。全体的に漂う B級臭さが、他のバンドとはまた違った様な印象を与えるのだが、 バイキング・メタルっぽい勇壮で民族的なエッセンスを感じさせる メロディも飛び出して来て中々ユニークだ。[82]
フィンランドのハード・ロックンロール・バンドの5thアルバム。 元々ゴシック・ロック色の強いハード・ロックンロールを 聴かせてくれていたが、今作ではその方向性をとことんまで突き 詰めたかの様に、非常にゴシック・ロック色の強い 作品となっている。まるでTYPE O NEGATIVEが ハード・ロックンロールを演奏しているかの様な作品で、非常に ディープで変態的なアルバムに仕上がっている。これまでの 作品がもっとハード・ロックンロール然としていたのに比べると、 正に自己の音楽性を極端にまでデフォルメしたと言って 良いだろう。特にThe Chairにおける哀感や、Brandon Leeでの 扇情感等は最高だ。扇情的でダークな雰囲気に満ち溢れており、 彼等のオリジナリティが非常に良く出ているし、JYRKIの野太い ボーカルがまたこの雰囲気に良く合っている。こう言う変わり種の 作品は、聴く人を選ぶかも知れないが、非常に素晴らしい アルバムだ。[91]
オーストラリアのパンク・ロック・バンドの来日記念 ミニ・アルバム。アルバムに収録曲のタイトル・トラックに、 ライヴが1曲、カバーが2曲、デモが3曲の全7曲と言う 構成になっている。方向的にはキャッチーでパンキッシュな ロックンロールで、部分的にはロカビリー的なエッセンスも 感じられる。彼等としてはやや畑違いとも思える、U2の Sunday Bloody Sundayをカバーしているが、意外とオリジナルに 忠実なものとなっている。THE BEATLESのカバー、 I've Just Seen A Faceはそれに比べると、彼等らしいロカビリー 的なエッセンスが感じられるものとなっている。[83]
オランダのゴシック・メタル・バンドの6thアルバム、 IF THEN ELSEからのシングル。シングル・カットの タイトル・トラックに、そのバージョン違いが5曲、新曲の Life's What You Make Itの全7曲と言う構成になっている。 Life's What You Make Itはややジャジーな感じを受けるが、 最近の彼ららしいゆったりとしたスペイシーな楽曲だ。Amityの バージョン違いは中々興味深く、Trip Pop Radio Mixはトリップ 感が増し、よりプログレッシヴ・ロック色を感じさせる。 Timecode Audio Remixはエコーを効かせてよりスペイシーな 仕上がりで、途中でダンサブルなパーカッションが入ってくるのが 奇妙だ。Extended Trip Mixはその両者の中間的な楽曲で、 Three People Remixは艶っぽさ感じさせる。[83]
スウェーデンのヘヴィ・ロック・バンドのデビュー盤。 ARCH ENEMYのMICHAEL AMMOTT率いるSPIRITUAL BEGGARSの ベーシスト兼ボーカリスト、SPICEがボーカリストとして 参加している。方向的にはSPIRITUAL BEGGARS同様、1970年代的な ヘヴィ・ロックを聴かせてくれているが、こちらの方がより ストレートで1970年代的と言う感じのする作品に仕上がっている。 オリジナリティと言う点は置いておいて、楽曲、 プロダクションとも素晴らしいと言って良いだろう。ヘヴィで エッヂが立っていて、非常に格好の良いアルバムとなっている。 エナジーに満ち溢れていて、古き良きヘヴィ・ロックが好きなら 聴いて損はない。[87]
アメリカのブルーズ・ロック・バンドの6thアルバム。元々 ハードなブルーズ・ロックをやっていたのだが、今作でもそう言う 部分は残しながらも、泥臭さは薄くなり、JIMMY PAGEとの コンピレーション・ツアーの影響か、アメリカのバンド的な部分を 残しながらも、トラディショナルで、かなりLED ZEPPELIN的な エッセンスを感じさせるアルバムとなっている。LED ZEPPELINの 様な、アップ・テンポでハード・ロック然とした 部分がないだけに、ややまったりとした様な感じに 終始しているし、もう少し変化が欲しいところではあるが、楽曲の 出来は悪くないし、彼等のレベルの高さは十分感じられる。[84]
イギリスのハード・ロック・バンドのライヴ盤。昨年惜しまれつつ 解散したが、これはタイトルを見れば判る通り、デビュー間もない 1990年に行われたイギリスでのフェスティバル、 MONSTERS OF ROCKでの模様を収めた音源を発掘したものだ。 She's So Fine、Backstreet Symphony、Higher Ground、 Don't Wait For MeはBACKSTREET SYMPHONY + "LIVE"に 収められており、初出の音源は3曲だけだ。とは言っても、 ライヴ・バンドとしても定評のあったバンドだけに、彼等の ライヴ・パフォーマンスの素晴らしく、聴き応えのある作品に 仕上がっている。[83]
スウェーデンのハード・ロックンロール・バンドの2ndアルバム。 音楽的には、THE HELLACOPTERSに代表される、パンキッシュな北欧 ハード・ロックンロールらしさの感じられる作品と言って 良いだろう。憂いの感じられるメロディに、グルーヴィでのりの 良さを感じさせ、中々面白いアルバムに仕上がっている。 パンキッシュなチープさと勢いが、哀愁のメロディと何とも 言えない絶妙のマッチングになっている。オープニングの Today We Killはインストルゥーメンタルだが、こう言った タイプのバンドがインストルゥーメンタルをやる意義が良く 判らない。[84]
イギリスのデス・インダストリアル・バンドのデビュー盤。 サンプリングを多用したサウンドで、この手のサウンドと言うと GODFLESH辺りを思い出すが、ブラスト・ビートを中心に、 非常に攻撃的なサウンドは、むしろサイバー・ブラック・メタル 辺りを思い起こさせる。デス・メタルらしいブルータルな楽曲を ベースに置きながらも、非常にハイでトリップ感を感じるサウンド 処理は斬新で興味深い。従来のデス・メタルは殺人や オカルティックな恐怖を感じさせるとしたら、彼等のサウンドは SF的な未知の恐怖を体現したと言っても良いだろう。95や Ode To Nashと言った、ノイズによるインストルゥーメンタル等は 最早表現しようがない。[84]
アイルランドのハード・ロック・バンドのベスト盤。 スウェーデンでのみリリースされた限定のボーナスCDが付いた 2枚組のアルバムだ。1枚目にも5曲ボーナス・トラックが 付けられており、特にGARY MOOREとのデュエットである Still In Love With Youのセッションが最大の聴きどころだ。 ボーナスCDの方は、いわゆるレア・トラック集と言えるもので、 バンドのシングルは言うに及ばず、PHILIP LYNOTTのソロ名義で リリースされたシングルの収録曲も収められている。 A Merry JingleはSEX PISTOLSとのプロジェクト、GREEDIESの ナンバーで、コレクターズ・アイテムとしては重宝する作品だ。 [80]
元ANTHEMのボーカリスト、森川之雄率いる日本の ヘヴィ・メタル・バンドの3rdアルバム。これまでも ロックンロール色のヘヴィ・メタルを聴かせてくれていたが、 今作ではよりパンキッシュで破天荒さを強く押し出しており、 Brandnew BloodやEye Of The Madness等はTHE WiLDHEARTSや北欧の ハード・ロックンロール・バンドを想像させる 様なものとなっている。それだけ楽曲のバラエティが 豊かになっているし、のりも良く出ている。森川之雄のパワフルな ボーカルがそれを倍化させており、中々聴き応えのあるアルバムに 仕上がっている。[82]
アメリカのハード・ロック・バンドの再結成第二弾となる アルバム。よりパンキッシュな色合いの感じられる ハード・ロックロール作品に仕上がっているが、こうして 聴いてみると、このバンドが以外に今風のロック・シーンにはまる 様な気がする。今の音楽事情がこのバンドに合って来た 面もあるだろうが、そう言ったモダンさを上手く消化して来ている 様に思える。パワフルさを感じさせながらも、どことなく 憂いがあって、キャッチーなメロディが際立っている。昔の 攻撃性は全く無くなってしまっているが、メロディは良く出来た 作品だ。[82]
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの デビュー盤。音楽的にはスラッシュ・メタル型のデス・メタルで、 この手のものとしても最もブルータルでアグレッションの効いた サウンドだと言って良いだろう。STEFAN HOLMとPATRIK PERSSONの ツイン・ギターによる切れ味の鋭いリフはタイトで破壊力があり、 NICKE GARBOWSKIの手数の多いドラミングが攻撃性をより 強めている。ここにEMBRACED、EVERGRAYのベーシスト、 MICHAEL HAKANSSON、ODIUMのボーカリスト、ANDERS SJOHOLMを 迎えており、テクニカルで非常に高品質な作品に仕上げている。 AT THE GATES辺りのファンであれば十分満足の行く内容と言って 良いだろう。[83]
スウェーデンのブラック・メタル・バンドのアルバム。方向的には いわゆるブラスト・ビートを前面に押し出した激烈な ブラック・メタルだ。北欧のブラック・メタル・バンドらしく、 それなりにメロディが押し出されているが、キーボードがない分、 荒涼とした感じはあまりしない。それだけより邪悪さと 荘厳さだけが前面に出ており、先鋭的な感じを受ける作品に 仕上がっている。激烈で破壊的な内容で、その分この 手のものとしてもよりアンダーグラウンド的な雰囲気が 強く漂っている作品だ。とは言え、楽曲、演奏ともレベルは 高いし、中々高品質のアルバムと言って良いだろう。[82]
イギリスのハード・ロック・バンドのライヴ盤。彼等の 最後となった2000年に行われたイギリスでのライヴの模様を 収めたもので、5000枚の限定盤だ。既にリリースされている 2枚組のTHEY THINK IT'S ALL OVER... ...IT IS NOWとタイトルも ジャケットも似ているが、これはそれに含まれていた アコースティック・ライヴの完全盤となるものだ。それ故、既出の 音源も含まれている訳だが、しんみりとした演奏にDANIEL BOWESの 素晴らしいボーカルが良く映えている。FREEのカバー、 My Brother Jake、STEALERS WHEELのカバー、 Stuck In The Middle、KINKSのLola等、半分以上がカバーなのも 興味深い。[87]
イギリスのハード・ロックンロール・バンドの再結成 第1弾となる、8年振りの3rdアルバム。如何にも彼等らしい、 ブリティッシュ・ブルーズ的な色合いのある、 ハード・ロックンロールを聴かせてくれている。SPIKEの しゃがれたボーカルも相変わらずで、枯れた味わいが良く 出ている。まさに昔の姿のままで復活したと言える作品で、彼等の ファンならばきっと満足出来る事だろう。楽曲も彼等らしい持ち 味を活かしていて、総じてレベルの高い作品だ。 オリジナル・メンバーはSPIKEとUFOのPHIL MOGGの甥である ベーシストのNIGEL MOGG、ギタリストのGUY GRIFFINの 3人だけだが、問題はない。[86]
イギリスのゴシック・ロック・バンドの再結成第1弾となる 7年振りの7thアルバム。中心人物であるボーカリストの IAN ASTBURY、後にGUNS 'N' ROSESに加わる事になるドラマーの MATT SORUM、ギタリストのBILLY DUFFYと最盛期の ラインナップで、音楽的にもその頃のサウンドを 踏襲したものとなっている。メランコリックでサイケデリックな 味わいを盛り込みながらも、よりストレートでハードな ゴシック・ロック作品に仕上がっている。IAN ASTBURYの独特の 声質も艶があるし、楽曲の出来も素晴らしく、War(The Process) 等は圧巻だ。[90]
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの デビュー盤。DARKANEのギタリスト、KLAS IDEBERGとベーシスト、 JORGEN LOFBERG、SOILWORKのドラマー、HENRY RANTA等が 在籍している。方向的にはスラッシュ・メタル型の メロディック・デス・メタルだが、HENDRIK SJOWALLのボーカルは かなり歪ませているものの、デス・ボイスと言う程 際立ってもいない。グルーヴ感等はモダンなヘヴィ・ロック的な エッセンスを取り入れたりしている成果だが、基本的なリフや メロディは昔ながらのスラッシュ・メタルと言う感じだ。 LED ZEPPELINのWhen The Levee Breaksをカバーしており、突飛な 選曲の様にも思えるが、彼等のサウンドに沿った大胆な アレンジがなされている。[83]
スウェーデンのゴシック・メタル・バンドの4thアルバム、MUSIQUE からの1stシングル。タイトル・トラックのシングル・カット 曲に、そのバージョン違いが2曲、Radio、Reverie、Imageの バージョン違いと言う全6曲の構成になっている。既に ゴシック・メタルと言うよりは、テクノやニューウェーヴ的な エッセンスが非常に強くなっているだけに、ここでのリミックスも よりそう言った色合いが強いものとなっている。特にRadio等は そう言った色合いが強く、ヘヴィ・メタル的な部分は全くないと 言っても良い位だ。LIV KRISTINEの線の細いボーカルならば、こう 言った楽曲も良く映えてくる。[80]
スウェーデンのプログレッシヴ・ロック・バンドの6thアルバム。 DREAM THEATERのドラマー、MIKE PORTNOY、SPOCK'S BEARDの ボーカリスト、NEAL MORSE、MARILLIONのベーシスト、 PETE TREWAVAS等と伴に、TRANSATLANTICと言うプロジェクトで アルバムをリリースした事で知る人も多いだろう。MIDNIGHT SUNの 中心人物であるベーシスト、JONAS REINGOLDやBAD HABITの ドラマー、JAIME SALAZAR、元SPELLBOUNDのボーカリスト、 HASSE FROBERGと言った、メタル側のミュージシャンも メンバーとして参加しているだけに馴染みのある人も居るはずだ。 シンフォニックで空間の広がりを感じる、オーソドックスな プログレッシヴで、洗練されたポップなメロディな分だけ聴き 易いが、今一つフックに欠ける気もする。[80]
スウェーデンのハード・ロックンロール・バンドの企画盤。 既発音源が中心だが、全てアルバム未収録のレア・トラック集で、 シングルにのみ収められていたものが5曲、未発表曲が1曲、 ライヴが1曲の全7曲と言う構成になっている。アルバム未収録曲と 言っても、どの楽曲も彼等らしいハイ・エナジーのパンキッシュな ハード・ロックンロールを聴かせてくれており、レベルはかなり 高くてアルバムに入っていても決しておかしくない楽曲だけに、 ファンならば聴いて損はないだろう。シングルを集める事を 考えれば、こう言う企画盤は有り難いし、内容が良いだけに 尚更だ。[83]
スウェーデンのヘヴィ・ロック・バンドの2ndアルバム。いわゆる 1970年代的なサイケデリックでカオチックなヘヴィ・ロックで、 ストーナー・ロック等と言われているバンドに通ずるサウンドだと 言って良いだろう。ただ、ストーナー・ロックの他のバンドと 比べると、よりアップ・テンポのサウンドで、むしろBADLANDSに 近い音楽性と言って良いと思う。特にボーカリスト、 MAGNUS EKWALLの声質が、RAY GILLANに近いため、そう言った感が より一層強くする。楽曲的にはBADLANDSよりサイケデリックでより のりを前面に押し出したものとなっている。ブルージィで 埃っぽく、渋さを感じさせるエナジーに満ち溢れた傑作と言って 良いだろう。[88]
アメリカのロック・バンドのデビュー盤。方向的には、 オルタナティヴ・ロックの影響を受けた、今風のモダンな アメリカン・ロックと言って良いだろう。気だるさを感じさせる ミドル・テンポの楽曲からなっており、特に哀愁を感じさせる UnstoppableやThings Don't Always Turn Out That Wayと言った、 哀愁味のある楽曲は特に味わい深い。ALEX BANDの情感のある 骨っぽいボーカルが、こう言った雰囲気を否応にも増しており、 楽曲の深みを増していると言って良いだろう。アコースティックが 多用されており、心に染み入る作品に仕上がっている。[85]
ノルウェイのゴシック・メタル・バンドの2000年にリリースされた 2年振りの4thアルバム。作品を出す毎に メロディック・デス・メタル的な色合いが薄くなって来ていたが、 今作ではそれがより顕著となっている。LIV KRISTINE ESPENIESと RAYMOND I.ROHONYIによる男女のツイン・ボーカルは、前作より クリア・ボイスのみとなっていたが、今作では LIV KRISTINE ESPENIESの儚げなボーカルがより前面に押し 出されており、そう言った感を強くさせる。楽曲的にはこれまでの 延長線上と言える作品だが、今作で大きく変化しているのは デジタル・ビートを大胆に取り込んでいる事だ。テクノ的な 色合いが強くなっている分、メタル色が薄くなっているが、美しい メロディは相変わらず良い出来だ。[80]
スウェーデンのパワー・メタル・バンドの2ndアルバム。 方向的には民族音楽的なエッセンスを盛り込んだ、 ジャーマン・パワー・メタルの影響を受けた叙情的な ヘヴィ・メタルだ。STRATOVARIUS等よりも、ツー・バスを 主体とした、大仰メロディのジャーマン・パワー・メタル的な 色合いが強く出ており、むしろHAMMERFALL等の方が感覚的に 近いだろう。そこにトラッド的なメロディを味付けにする 事により、幾分オリジナリティを見せる事には何とか出来ている。 ただ、楽曲的には画一的なジャーマン・パワー・メタルと言う 感じもあり、少し臭過ぎる。[78]
イギリスのハード・ロック・バンドの2枚組みライヴ盤。2001年に 行われたドイツとノルウェイでの公演の模様を収めたものだ。 元WHITESNAKEのギタリスト、MICKY MOODYとBURNIE MARSDENを 中心に結成されたバンド、THE SNAKESから改名しての初の アルバムだ。アルバム・タイトルが示す通り、ほとんど WHITESNAKEのカバー・ライヴと言えるものだし、Is This Loveまで カバーしている辺りは苦笑ものだが、そう言う事を考えなければ、 聴き馴染みのある楽曲も多いし、悪くない作品だ。ボーカルは、 現ARK MILLENIUMのJORN LANDEから、元SNAKES IN PARADISEの STEFAN BERGRENに交代しているが、JORN LANDE程 DAVID COVERDALEに似ていないものの、歌唱力自体はあるのでそれ 程気にならない。[80]
イギリスのプログレッシヴ・メタル・バンドの2年振りとなる 6thアルバム。元SARGANT FURYのANDREW 'MAC' MCDERMOTTが 前作より加入しているが、パンチ力は今一つだが表現力と言う 意味では前任者より効果的だろう。音楽的には、変にテクニカルに 走らず、叙情的なメロディを押し出したプログレッシヴ・メタルを 聴かせてくれており、これまでと変化のない延長線上の作品と 言って良いだろう。但し、これまでと比べると、よりエッヂの 効いた音作りがなされており、オーセンティックでダイナミズム 溢れる作品に仕上がっている。楽曲の出来も彼等の作品としては これまでの最高に近い出来で、楽曲、サウンドとも中々良い 出来だ。[84]
ノルウェイのブラック・メタル・プロジェクトのアルバム。 SATYRICONのボーカリスト、SATYR WONGRAVEN、MAYHEM、KOVENANTの ドラマー、HELLHAMMER等によるプロジェクト・バンドだ。 1998年から2000年にかけて録り溜めていたマテリアルを まとめたものだ。その割には音楽的な方向性の統一が取れており、 サイバー・ブラックとも言える様な、インダストリアル・ロックの エッセンスを取り込んだ、スラッシィなブラック・メタルを 聴かせてくれている。ブラスト・ビートを織り込んで、邪悪さを 感じさせる、ダークでブルータルな雰囲気を醸し出している。[84]
ノルウェイのゴシック/メロディック・デス・メタル・バンドの ライヴ盤。2000年にポーランドで行われた公演の模様を 収めたものだ。ここ最近、テクノ的な色合いを強めている 彼等だが、このライヴではそれ以前の耽美色を打ち出した、 ゴシック・メタル的な色合いの濃いメロディック・デス・メタルを 聴かせてくれている。LIV KRISTINEの透明感のあるか細い ボーカルを前面に押し出しているだけに、ライヴでの盛り上がりと 言う点では苦しいが、割とヘヴィな演奏が中心となっている。その LIV KRISTINEのボーカルは、ライヴでも安定感はあるので、彼女の 歌声が好きならば悪くないだろう。[84]
スウェーデンのシンフォニック・メタル・バンドの5thアルバム。 THELI以降、混声合唱をリード・ボーカルに据え、デス・ボイスは 廃されてしまったので、今更このバンドを メロディック・デス・メタルと言うのは少し的外れかも 知れないが、そのシンフォニックな音楽性は引き継がれている。 古代神話をテーマとした、叙事詩的でドラマティックな ヘヴィ・メタルで、CHRISTOFER JOHNSSONらしい オリジナリティのあるアルバムと言えるだろう。その壮大さは 作品を進める毎に増しており、彼の理想に近づいていると 思えるが、ややマンネリ感もなくはない。[83]
イギリスのハード・ロック・バンドの初のアルバム。このバンド 名義ではスタジオ盤は初めてとは言え既にライヴ盤を 出しているし、中心メンバーが元WHITESNAKE、THE SNAKESの ギタリスト、MICKY MOODYとBURNIE MARSDENと、THE SNAKESの 流れをそのまま継いだ、再出発的な色合いが強いアルバムだ。 THE SNAKESではWHITESNAKEそのものと言った音楽性を 見せていたが、今作でもその特徴は強いものの、より渋目の ブルージィなハード・ロックを聴かせてくれている。 THE SNAKESでのJORN LANDEに比べると、STEFAN BERGRENの ボーカルはあそこまでDAVID COVERDALE似ではないが、 ソウルフルなボーカルを聴かせてくれている。[78]
アメリカのヘヴィ・ロック・バンドのデビュー盤。メンバーは アルメニア系アメリカ人が中心となっているが、その 所為もあってか非常にエスニックな香りのする作品となっている。 ダークでメランコリックなモダン・ヘヴィ・ロックだが、この エスニック感が独特の味わいとグルーヴ感を出していると言って 良いだろう。ややオルタナティヴ・ロック的なエッセンスもあり、 現代アメリカ・ロック・シーンの良いところも取り入れながら、 こう言うオリジナリティも出しているところは評価出来る。単純に 流行を追いかけないで、そう言った部分を上手く消化しながら、 独自の世界を築き上げている。[85]
イギリスのヘヴィ・ロック・バンドの2ndアルバム。元々は SHALLOWと言うバンド名で活動していたが、同名のバンドがいると 言う事で、改名しての再出発となった。そのため、基本的な 方向性は前作と変わらず、オーセンティックなヘヴィ・ロックを 聴かせてくれている。そこにイギリスのバンドらしい、 ブリティッシュ・ロック的なメロウなエッセンスを持ち 込んでいる。全体的にサイケデリックな色合いもあり、 ドゥーミィな感じがあり、ストーナー・ロック的なエッセンスも 感じられるが、ブルージィさが独特の味わいを出していると言って 良いだろう。[82]
オランダのゴシック・メタル・バンドの3rdアルバム。音楽的には ニュー・ウェーヴ系のゴシック・メタルと言えるもので、 テクノ・ビートを押し出したサウンドを聴かせてくれている。 この手のものと言うとどうしても淡白になりがちだが、 エキゾチックな雰囲気に満ちており、ANNEKE VAN GIERSBERGENを もっと色っぽくした様なKEMI VITAの艶を感じさせるボーカルが 味わい深い。ユーロ・テクノ的な優美で、ゴシック・メタルらしい 耽美さを湛えており、清廉で美しいアルバムに仕上がっている。 難点を挙げるならば、ドラマーがいない事もあって、多用している 打ち込みがあまりにも人工的過ぎる事だろう。[88]
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの サンプル盤。5thアルバム、CROWNED IN TERRORのプロモーション 様に作成されたもので、タイトル・トラックを始め全4曲と言う 構成になっている。今作より元AT THE GATESのボーカリスト、 TOMAS LINDBERGが加入しており、その破壊力のあるデス・ボイスを 聴かせてくれている。基本的には前作の延長線上と言えるもので、 スラッシュ・メタル型のデス・メタルで、ブラスト・ビートも 用いていてブルータリティ溢れるものとなっている。より攻撃的で 破壊力のあるものとなっており、前作のファンであれば満足のいく 内容だろう。[82]
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの2年振りの 5thアルバム。元AT THE GATESのボーカリスト、TOMAS LINDBERGが 加入し、より破壊力が増している。方向的にはこれまでの 延長線上と言える、スラッシュ・メタル系の メロディック・デス・メタルだが、前作での変化を押し進めた 形で、よりストレートで剛直な感じのするものとなっている。それ 故にパワフルでスピード感が感じられ、切れがあるのだが、その 一方であまりにも押し一辺倒で流れが平坦と言う感じがし、もう 少し変化が欲しいと言う気もする。生々しいドライブ感のある 音作りになっており、エッヂが強烈に出ている。[82]
スウェーデンのヘヴィ・ロック・バンドの2ndアルバム。 ボーカリストのSPICEはSPIRITUAL BEGGARSのベーシスト兼 ボーカリストとして兼業していたが、SPIRITUAL BEGGARSは 脱退してこちらに専念する事になった。前作同様、1970年代の サイケデリックでトリップ感のあるヘヴィ・ロックを 聴かせてくれているが、今作ではよりスピード感を押し出した 形となっている。そのため、前作ではストーナー・ロック的な 色合いが濃かったが、今作ではロックンロール色が 強くなっている。かなり歪ませたサウンドは、サイケデリックさを 際立たせており、実に格好良いアルバムだ。[87]
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドのライヴ盤。 2000年に行われた日本での公演の模様を収めたものだ。 スラッシュ・メタル系のメロディック・デス・メタルで、この手の バンドとしては、最もブルータルな色合いを強く出している バンドと言えるだろう。実際、このライヴでもそれに見合う様な 攻撃的でアグレッシヴなライヴ・パフォーマンスを 見せてくれている。セルフ・カバーとも言えるAT THE GATESの Blinded By Fearを含め、一気に疾走していく様は圧巻だ。 プロダクション的にも問題ないし、彼等の魅力も十分出ている。 [83]
アメリカのパンク・ロック・バンドのデビュー盤。 ロックンロールを基調としたパンク・ロックだが、ノイジィで 不快感を催す様なメロディを入れて来たりして、今風の暴力的で クールな感じをさせるアレンジが施されており、中々面白い アルバムに仕上がっている。非常に前衛的な感じのする作品で、 ユニークではあるが、一般受けはあまりしなさそうだし、 ヘヴィ・メタル的なエッセンスはまるでないので、メタル側の リスナーにも向かないだろう。とは言え、新しいパンク・ロックの 形の一つとして、非常に面白い存在になり得ると思うバンドだ。 [81]
アメリカのブルーズ・ロック・バンドの2枚組みの初のライヴ盤。 どこでの公演を収録したかは判らないが、2001年に行われた ワールド・ツアーの模様を収めたものだ。これまでリリースされた 6枚のアルバムから満遍なく選曲され、正にベスト・アルバムとも 言うべき作品に仕上がっている。ライヴ・バンドとしての実力を 思う存分発揮している。バンドは活動休止 状態になってしまったが、彼等のこれまでの歴史を振り返る 意味でも相応しい作品である。どうせMy Morning Songを ボーナス・トラックとして付けてくれるなら、 Thorn In My Prideも付けて完全盤にして欲しかった。[85]
イギリスのハード・ロック・バンドの2001年にリリースされた ライヴ盤。2000年に行われたイギリスでの公演の模様を 収めたものだ。そのバンド名が示す通り、元URIAH HEEPの ボーカリスト、JOHN LAWTONとキーボード、KEN HENSLEYによる バンドだ。元々パーマネントなバンドではないので、ここで 演奏されているのもURIAH HEEPのナンバーばかりだ。JOHN LAWTON 在籍時はバンドとしての勢いは失って来ていたが、DAVID BYRON 時代のナンバーも含め、往年のURIAH HEEPのライヴの様な内容だ。 JOHN LAWTONの張りのあるボーカルも聴き応えがあって 素晴らしい。[82]
フィンランドのメロディック・デス・メタル・バンドの 2年振りとなる2ndアルバム。今作では2人のゲスト・シンガーが ボーカルをほぼ担当しており、PASI NYKANENがデス・ボイスを、 NIKLAS LSFELDTがクリア・ボイスを担当している。その事実からも 判る通り、クリア・ボイスが多用されており、この起用が アルバムで果たした役割は大きい。先達の影響が大きく見えた 前作に比べ、オリジナリティが感じられる。基本的には アップ・テンポの扇情感の感じられるヘヴィ・メタルだが、 クリア・ボイスのパートではオーソドックスなヘヴィ・メタルと 言う感じを強くさせるが、デス・ボイスを使ったエクストリーム 感漂うパートとの対比が上手く出ている。[85]
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの 2ndアルバム。方向的には、スラッシュ・メタル系の メロディック・デス・メタルと言えるもので、ブラスト・ビートも 交えながら、破壊力のあるリフを叩き出している。激烈な デスラッシュ・サウンドに、憂いを帯びたギター・ソロを載せて 来る様は圧巻だ。こう言った音楽をやっているので、当然 スピード・ナンバーが中心で、一気に聴かせてくれるが、 あちこちに捻りが入っていて、一筋縄で行かない部分もある。 METALLICAのCreeping Deathも彼等がカバーすると、余計に 破壊力が感じられる。[83]
フィンランドのメロディック・デス・メタル・バンドの 2ndアルバム。基本的にはメランコリックな メロディック・デス・メタルだが、ロックンロールのノリの良さを 上手く取り込みながらも、北欧らしい哀愁を随所に 散りばめている。ゴシック・メタルとロックンロールの融合を 試みたTHE 69 EYESのメロディック・デス・メタル版とも言うべき 音楽性で、先達の方法論を上手く取り入れ、独自のスタイルを 築いていると言って良いだろう。それもこれも、メロディの出来が 良く、上手く情感を出しているからこそ活きて来る。 アコースティック・ギターを所々差し挟んでくる来る事によって、 表現も豊かにしている。[82]
イギリスのハード・ロック・バンドのシングル。惜しまれながらも 解散したが、今回限定的に復活するにあたっての第1弾となる 音源だ。音楽的には、如何にも彼等らしい渋みを感じさせる、 ブルージィなハード・ロックを聴かせてくれている。 DANIEL BOWESの素晴らしい歌唱を始め、演奏的なレベルは元々 高かった人達だけに、こうして以前と変わらぬ音楽性の作品を 聴かされると、実に安心して聴いていられる。解散のブランクを 全く感じさせないハートフルでソウルフルな内容で、彼等の ファンにとっては十分満足の行くシングルと言って良いだろう。 [82]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの4thアルバム。 YNGWIE J.MALMSTEEN以上にYNGWIE J.MALMSTEENらしい、 ソロとしての活動でも知られるネオ・クラシカル系のギタリスト、 JOE STUMPを中心としたバンドだ。音楽的には当然これまでと 変わりなく、その彼らしいテクニカルで如何にもと言った フレーズが満載されている。ボーナス・トラックとしてRAINBOWの Starstruckをカバーしている辺りにもその意識が 感じられるだろう。ボーカルは元YNGWIE J.MALMSTEENの MICHAEL VESCERAだし、同じくキーボードにMATS OLAUSSONが 参加しており、YNGWIE J.MALMSTEENのフォローワーとして十分に 納得の行く内容だ。[83]
アイルランドのハード・ロック・バンド、THIN LIZZYのベーシスト 兼ボーカリスト、PHIL LYNOTTのソロ・ライヴ盤。1983年に 行われた、スウェーデンでの公演の模様を収めたものだ。 元WHITESNAKE、THIN LIZZY、TYGERS OF PANG TANGのギタリスト、 JOHN SYKESも参加している。構成的には、元GRAND SLAMの キーボード、MARK STANWAYによるキーボードがかなり前面に 出ている印象を受け、ややうざったい気もする。ライン録りの 様で、少しライヴとしての臨場感に欠ける気もしないではないが、 プロダクションは悪くない。彼の熱っぽいボーカルの魅力も良く 出ており、味わい深さも感じさせる作品だ。[83]
スウェーデンのブラック・メタル・バンドの5thアルバム。 ブラスト・ビートを前面に押し出しながらも、北欧らしい メロディと狂気を帯びた北欧型のブラック・メタル・バンドだが、 より激情に身を任せたドラマティックな色合いを見せている。 荒涼としたメロディではあるが、キーボードを入れていないので、 それ程薄っぺらさを感じさせない辺りが彼等らしいところであると 同時に、ややブラック・メタルのメイン・ストリームから 外れている様に感じる部分だ。EMPEROR等と比べると、より 叙情的で一般化し易いメロディは、背徳感に欠けるが出来が良い。 [82]
アメリカのヘヴィ・ロック・バンドのデビュー盤。如何にも モダンなアメリカ風のヘヴィ・ロック、ラウド・ロックらしい 内容だ。おおらかさを感じさせる楽曲や、アメリカらしい ニヒリスティックな憂いを帯びたメロディを、時には穏やかに、 時には激しく、静と動を上手く切り換えて聴かせてくれている。 ボーカリストのBERT McCRACKENも、それにあわせて時には スクリーミング入れたり、エモーショナルでカオティックな 雰囲気を作り上げるのに大きな役割を果たしている。これだけの 事をやっているのに、楽曲が今一つ地味に聴こえてしまうのが少し 残念だ。[81]
スウェーデンのハード・ロックンロール・バンドの2年振りの 5thアルバム。今や母国では絶大な人気を誇り、 スウェディッシュ・ハード・ロックンロールの代表格と言える バンドとなったが、それに恥じない素晴らしい出来だ。北欧らしい 憂いを帯びたメランコリックなメロディに、パンキッシュで 疾走感のある勢いの良いキャッチーな楽曲は、独特の味わいを醸し 出している。ポップ性等は非常にオールド・スタイル的で 60年代っぽさすら感じさせるのに、決して時代遅れと言う 感じをさせないアレンジ・センスは素晴らしい。ハイ・エナジーで 高レベルな作品で、傑作と言えるだけのアルバムに 仕上がっている。[89]
アメリカのハード・ロック・バンドの2年振りの2ndアルバム。 モダンなヘヴィ・ロック的なエッセンスを取り入れながらも、 キャッチーでポップな、独自のハード・ロックに昇華しているのが このバンドの特徴と言って良いだろう。ヘヴィなリフを入れて 来たかと思うと、アメリカ的な澱んだ憂いを帯びたメロディを 入れて来たりと、懐の広いサウンドを聴かせてくれて、中々面白い アルバムに仕上がっている。こう言ったアイデアを上手く 結実している辺りにセンスの良さを感じさせる。今は 廃れてしまった感のあるアメリカのハード・ロック・シーンだが、 こう言ったやり方なら上手く今の音楽シーンにもマッチ出来る様な 気がする。[84]
オランダのゴシック・メタル・バンドの2ndアルバム。方向的には かなりゴシック・ロックよりのサウンドと言えるものだ。特に ボーカリスト、MARCO C.D VELDEの声質はニュー・ウェーブ系の ゴシック・ロックを思わせるもので、シャウトしてもパワーが 抜けてしまう感じで、はっきり言えば下手だが、微妙にかかる ビブラートが面白い。バックのサウンド自体は特にギター等、場面 場面によってはかなりメタリックな音を出してくる。この手の ゴシック・ロックよりのバンドらしく、非常にメランコリックな メロディで、ドラマティックさを感じさせてくれる作品だ。[79]
ニュージーランドのハード・ロックンロール・バンドの デビュー盤。最近のハード・ロックンロールと言うと北欧の バンドが心境著しいが、このバンドは北欧のそれらのバンドとは 一線を画していると言って良いだろう。パンキッシュさも 感じさせる様なアップ・テンポのハード・ロックンロールだが、 ハモンド・オルガンを入れ、DEEP PURPLE等の影響を感じさせる、 1970年代のイギリスのハード・ロックを思わせる様な ブリティッシュ的なイメージを受けるのが面白い。プロダクション 的にもわざと音を歪ませたりして、そう言った雰囲気を 助長しているのが効果的だ。[89]
スウェーデンのハード・ロックンロール・バンドの2年振りの 3rdアルバム。北欧ハード・ロックンロールの一派で、前作の 流れを汲むものではあるが、よりオールド・スタイルな 感じのさせる作品に仕上げている。アメリカ的な泥臭さも 感じさせ、非常に渋くなった様に感じられる。特に象徴的なのは 元THE STROLEERSのHENRIK WINDが加入し、彼の ハモンド・オルガンを入れる事によって、サウンドのイメージを 変えている事だろう。クリエイティヴ面でも彼が主導権を 握っており、バンドに新しい風を吹き込んだと言って 良いだろうが、前作のファンにはちょっと戸惑いを 覚えるところだ。[82]
イギリスのハード・ロック・バンドの再結成第一弾となる 4年振りの6thアルバム。音楽的にはこれまでの延長線上とも 言える、ブルージィなハード・ロックを聴かせてくれており、 これまでと全く変わりのない、如何にも彼等らしいサウンドを 聴かせてくれている。どことなく憂いを帯びたブルージィな 楽曲は、情感たっぷりで実に味わい深い。DANIEL BOWESの ボーカルは相変わらず素晴らしい歌唱を聴かせてくれており、 雰囲気を実に良く盛り上げている。これまでのファンを何ら裏切る 事のない、実に感動的な満足の行くアルバムに仕上がっている。 [85]
スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドの2年振りの 2ndアルバム。ドラマーはSOILWORKのHENRY RANTA、DARKANEの ギタリスト、KLAS IDEBERGとベーシストのJORGEN LOFBERGと、 兼業ながら他のバンドで既に実績を築いている連中だけあって、 このバンドでもそれに違わぬ高品質の メロディック・デス・メタルを聴かせてくれている。基本的には SOILWORKやDARKANEがそうである様に、よりオーセンティックな ヘヴィ・メタルをベースにしており、切れ味の鋭いサウンドを 聴かせてくれているが、要所以外はメロディを抑え気味にしている 感じだ。そのため、より迫力のあるグルーヴ感が感じられる作品に 仕上がっているし、要所のメロディが際立って来る。[84]
スウェーデンのデス・メタル・バンドの2年振りの3rdアルバム。 WITCHERYのギタリスト、PATRICK JENSENと元AT THE GATESの ベーシスト、JONAS BJORLERとギタリストのANDERS BJORLER兄弟を 中心としたバンドで、この連中が組むのだから、当然 スラッシュ・メタル型のデス・メタルを聴かせてくれている。今や オールド・スタイルとなってしまったスラッシュ・メタルを エクストリーム・ミュージックに融合させる事で、新たな息吹を 与えていると言って良いだろう。リフをザクザクと切り刻み、 非常に格好の良いアルバムに仕上がっており、現代に見事に 融合したスラッシュ・メタル像を見せてくれている。[90]
アメリカのハード・ロックンロール・バンドの5thアルバム。 女性だけのバンドだが、パンキッシュで爆走型のロックンロールを 聴かせてくれており、非常にワイルドな作品に仕上がっている。 THE HELLACOPTERSのメンバーがゲスト参加している事からも判る 通り、まさに北欧ハード・ロックンロール的な音楽と言って 良いだろう。シンプルで判り易く、ワイルドに爆走するが、 どことなく憂いを帯びた情感に染みるナンバーは、これらの北欧の バンドに全く引けを取っていない。メロディも適度にキャッチーで 聴き易いし、この手の音楽が好きな人なら聴いて損はない。[82]
日本のヘヴィ・メタル・バンドの2年振りの4thアルバム。 GOLDBRICK、元ANTHEMのボーカリスト、森川之雄率いる バンドだが、現在では彼を除くメンバー全員が脱退している。 パンキッシュでキャッチーなロックンロール調のヘヴィ・メタルと 言う基本的な路線は変わっていないが、よりパワフルで エネルギッシュな作品に仕上げている。ややメロコア的な印象が 強くなり、その分聴いた事がある様なメロディが多い気がするのが 残念だが、メロディの出来自体は悪くない。もう少しバンドの オリジナリティが出せると面白いアルバムになったと思うのだが。 [81]
イギリスのプログレッシヴ・メタル・バンドの3年振りの 6thアルバム。ボーナス・シングルが付いた2枚組となっている。 基本的にはこれまでの延長線上と言えるもので、最近の彼等らしい ポップさを持った、聴き易いプログレッシヴ・メタル作品に 仕上がっている。その一方で、全体的にやや平均的な感じがあり、 やや盛り上がりに欠ける気がしないでもない。リフの使い方等、 楽曲にフックを付け様と言う努力は感じられるが、決して 悪くはないものの、メロディに今一つ魅力が足りないのが、 ポップで流麗になった分、より健著になった感がある。全体的に そつはないのだが、今一歩というもどかしさを感じさせる バンドだ。[81]