WAITING FOR THE STORM / TUSH
ドイツのヘヴィ・メタル・バンドの1993年にリリースされた
デビュー盤。方向的には、扇情感の感じられる、ドイツらしい
芋臭さを感じさせるヘヴィ・メタルだ。正統派と言えば聴こえは
良いが、どちらかと言うと古臭いと言った方が正しいだろう。
RAINBOWのLong Live Rock'n'Rollをカバーしているところ等を
見ると、本人達は意識してやっているのかも知れないが、
それにしても洗練さが足りないと言わざるを得ない。
HANS WALTER GERMROTHの不安定なボーカルが、そう言ったB級感を
助長しているのは如何ともし難いところだ。
Long Live Rock'n'Rollになるといきなりまともな
ハード・ロックと言う感じになるだけに、この違和感は大きい。
[74]
RIVER DANCE / TURNING POINT
北欧のハード・ロック・バンドのアルバム。北欧のバンドだが、
GARY MOORE風のアイリッシュの牧歌的な哀愁を感じさせてくれる。
GARY MOOREに比べるとミドルからスロー・テンポ中心でもっと
トライバル風の感覚が溢れている。それにも関わらずメロディは
キャッチーで郷愁を誘うような切なさが感じられる。ハスキーな
TORD PERSSONのボーカルも、それにあった良い味を出している。
全体的なクオリティも高いし、アイリッシュ風のサウンドも
オリジナリティと言えるレベルに昇華されているが、それ故に好き
嫌いが分かれそうだ。ジャケットもバンドのサウンドに
マッチしたものになっている。[87]
TALES FROM A HAUNTED BOOK / TUSK
ドイツのメロディアスなヘヴィ・メタル・バンドの
デビュー・アルバム。LONG ISLANDのものにしてはあまり
ポップさを感じさせない。全体的にチープな感じのする哀愁の
ヘヴィ・メタルで、鼻にかかったようなしょぼいボーカルは若干
聴き苦しいが何となく許容出来てしまうようなサウンドだ。
全体的に垢抜けていなくてB級であることはいがめないが、
そこにまた魅力が見出せる。ギター・メロディ等は中々
見るものがあるので、プロダクションとボーカルがもう少し
良くなれば結構良い作品を作るだろう。[78]
THE PROCESS OF / TURMOIL
アメリカのハード・コア・バンドの2ndアルバム。方向的には、
かなりヘヴィ・メタル色の強いもので、スラッシュ・メタルや
モダン・ヘヴィネス的なエッセンスも伺える。デス・ボイスとも
言えそうな歪んだシャウトは迫力がある。かなりブルータリティで
激烈なサウンドは、それが故に聴くものを選ぶだろう。その割には
スピードに緩急を付けたりと、工夫も伺えるところは好感が
持てる。DEAD SERIOUS等よりも、ハード・コア的な色合いが強く、
パワーと勢いに関してはただただ圧倒されるだけだ。楽曲に
関してもめりはりがあるし、中々の力作と言って良いだろう。[80]
SCANDINAVIAN LEATHER / TURBONEGRO
ノルウェイのハード・ロックンロール・バンドの再結成
第1弾となる5年振りの5thアルバム。今、北欧では
THE HELLACOPTERS等、ハード・ロックンロールが隆盛を
極めているが、これらの北欧ハード・ロックンロールの祖とも
言うべきバンドで、かつその枠に収まっていない。憂いを帯びた
爆走型のハード・ロックンロールと言う形を作り上げながらも、
よりパンキッシュで1980年代的な懐かしい匂いを感じさせる作品に
仕上がっている。適度にキャッチーで破天荒な
ハード・ロックンロールで、聴き手をぐいぐいと引っ張って
行ってくれる。プロダクションはわざとしているのだろうが、
古ぼけたセピア色を感じさせる仕上がりだ。[82]