HIGH STAKES AND DANGEROUS / UFO

イギリスのハード・ロック・バンドの1992年にリリースされた 再々結成第1弾となるアルバム。オリジナル・メンバーは ボーカリストのPHIL MOGGとベーシストのPETE WAYだけで、これに 元WILD HORSESのギタリスト、LAURENCE ARCHERとドラマー、 CLIVE EDWARDSが加わっている。枯れたハード・ロックで、 PHIL MOGGのボーカルを始め、彼等らしさを感じさせる部分も 多々あるが、全体的にミドル・テンポで朗らかな感じのする作品に 仕上がっていると言って良いだろう。決して悪い作品ではないが、 往年の傑作と比べれば幾分物足りないかも知れない内容だ。[80]

LIGHTS OUT / UFO

イギリスのハード・ロック・バンドの1977年にリリースされた アルバム。MICHAEL SCHENKERと言う希代のギタリストに取っても、 名作中の名作と言えるアルバムで、名曲Lights Outを始め、 バラード、Try Meでの鬼気迫る彼のギター・プレイは圧巻としか 言い様がない。彼の精神的な不安定さが産んだ結果とは言え、もし McAULEY SCHENKER GROUPでもこう言う作品を作れていたら、彼の 運命も随分違うものになっただろう。どことなく愁いを帯びて 微妙にビブラートするPHILL MOGGのボーカルが、何とも言えない アクセントになっている。明るい曲調の中に、微妙に影を 落としている様は、味わいがある。[82]

PHNOMENON / UFO

イギリスのハード・ロック・バンドの1974年にリリースされた アルバム。MICHAEL SCHENKER加入後、初となるこのアルバムで、 名曲、Rock BottomとDoctor Doctorと言うアンセムを産み出した 記念すべきアルバムだ。この2曲と、他の楽曲のレベルの差がある 程度はっきり出ているため、聴いていて波があるのはいかんともし 難い。精神状態の悪さが、逆に良い影響を出すと言われる MICHAEL SCHENKERだが、ここでもその爆発的なエナジーが非常に 良く感じ取られる。Rock BottomとDoctor Doctorと言う、2曲の 名曲を聴くだけでも十分価値がある。特にRock Bottomでの ギター・プレイは凄まじいの一言である。[82]

WALK ON WATER / UFO

MICHAEL SCHENKERを含めた最強のメンバーで最結成した、 イギリスのハード・ロック・バンドの復活第一弾となるアルバム。 数々の名曲を産んできたが、今回の再結成では残念ながらその 期待に沿うものではないと言って良いだろう。再 レコーディングされた楽曲は、さすが今録音しただけあって、 非常に綺麗な音に仕上がっているし、名曲だけに確かに良いのだが 地味であり面白みに欠ける。1970年代後半に感じさせた様な パトスをこのアルバムからは感じる事が出来ないのである。 それ以外の曲は出来的に落ち、全体的にいまいちぱっとしない 作品だ。[78]

OBSESSION / UFO

イギリスのハード・ロック・バンドの1978年にリリースされた アルバム。LIGHTS OUTと並んでUFOが最も売れていた時期の、 ギタリストのMICHAEL SCHENKER在籍時、最後となる作品だ。 MICHAEL SCHENKERの精神的不安定さが、これらの神懸かり的な ギター・プレイを産み出したとするなら何とも皮肉な話だ。 One More For The Rodeo等で聴ける、MICHAEL SCHENKERの情感 溢れるギター・プレイは、やはり神の名に恥じぬ素晴らしい 出来だ。楽曲の方は、ミドル・テンポのものが多く、若干 中弛みしているよう気がするが残念だが。[83]

STRANGERS IN THE NIGHT / UFO

イギリスのハード・ロック・バンドの1979年にリリースされた ライヴ盤。再結成後を除けばMICHAEL SCHENKER在籍時の最後となる 音源で、彼の脱退後に発表されている。Doctor Doctor、 Rock Bottomを始め、UFOの代表曲とも言える楽曲が並び、 選曲的には申し分ない。Love To LoveでのPAUL RAYMON、 MICHAEL SCHENKERの組み合わせなど圧巻だ。ここでみせる MICHAEL SCHENKERのギター・プレイは凄まじいまでに光を 放っている。スタジオ・アルバムにない生々しい迫力を 感じさせるし、全てに於いてバンドの最高傑作と言っても 良いだろう。[90]

NO PLACE TO RUN / UFO

イギリスのハード・ロック・バンドの1980年にリリースされた 8thアルバム。MICHAEL SCHENKERの脱退でPAUL CHAPMANを新しい ギタリストに迎えての初の作品だ。元々PETE WAYやPHIL MOGGも 曲作りに絡んでいたので、方向的に極端に大きく変貌したと言う 訳ではないが、すっきりとした演奏に、幾分アメリカナイズされた ポップなメロディが中心となっており、ドライヴ感のある曲は なくなってしまっている。それ故に曲の持つ緊張感が感じられず、 リラックスした作品になっている。悪い作品と言う訳ではないが、 やはりMICHAEL SCHENKERの頃の熱さが感じられないのは残念だ。 [78]

MAKING CONTACT / UFO

イギリスのハード・ロック・バンドの1983年にリリースされた アルバムで、このアルバムでその歴史の幕を一度降ろす事になる。 ソング・ライティングにおいて重要な位置を占めていたPETE WAYが 脱退したにも関わらず、PAUL CHAPMANの書く曲も殆どなく、 新加入のNEAL CATARが全曲作曲に加わるという形によって、 方向性は大きく変化してきている。アメリカナイズされた内容で、 かつてのUFOを期待する者は戸惑う作品だろう。曲が悪いとは 思わないが、キーボードが大幅にフューチャされていたり、 バンドの持ち味にはあまり合っているとは思えないし、特にこれと 言った曲もない。[75]

MISDEMEANOR / UFO

イギリスのベテラン・ハード・ロック・バンドの1985年に リリースされたアルバム。空中分解して活動を停止するに 至ったが、日系2世ギタリストATOMIC TOMMY M等と活動を 再開しての作品。MICHAEL SCHENKERが在籍していた頃の様な エナジー迸る様な熱い作品とは打って変わり、アダルトでお洒落な 雰囲気を持ち込んだ作りになっている。ATOMIC TOMMY Mの ギター・プレイも確かに注目に値するのだが、この作品でもっとも 露出しイニシャティヴを取っているのはPAUL RAYMONDの キーボードである。ややブルージィな部分も若干見せたりするが、 やはりキャッチーなメロディに気が引かれる。PHIL MOGGの ソウルフルなボーカルは相変わらずだが、楽曲はややあざとく 感じる。[79]

MECHANIX / UFO

イギリスのハード・ロック・バンドの1982年にリリースされた アルバム。PAUL CHAPMANにMICHAEL SCHENKERのぎらぎらするような 情念を感じさせるようなギターは望むべくもないが、楽曲的には UFOらしいエッセンスが見える。曲作りの一端を担っていた PAUL RAYMONDが抜けたとはいえ、PAUL CHAPMANの書く曲も結構 さまになって来ている。ただ昔をなぞるのが嫌なのか、 ホーン・セクションを導入したりしているところは相変わらず 不満に思うが、変に複雑な事をやろうとしていない分だけ出来は 悪くない。We Belong To The Night等は中々のりが良くて、格好の 良い曲だ。[81]

HEADSTONE/THE BEST OF UFO / UFO

イギリスのハード・ロック・バンドの1993年にリリースされた 2枚組みのベスト盤。構成的には、1枚目が彼等としては最も 華やかな活動をしていた頃だった、MICHAEL SCHENKER在籍時代を 中心した選曲で、2枚目は半分がバンドのその後の活動と言う 感じの選曲となっている。だが、タイトルとは裏腹に、 MICHAEL SCHENKER GROUPやWILD HORSESと言った関連バンドの 音源まで収めているのには違和感を感じる。残りの半分が解散 直前に録音された未発表ライヴ・テイクで、このアルバムの目玉と 言うところだが、特にこれと言った程のものではない。[80]

ON WITH THE ACTION / UFO

イギリスのハード・ロック・バンドの1976年に行われた ロンドンでのライヴの模様をCD化したもの。何故今ごろ こういったものが出て来たのか判らないが、MICHAEL SCHENKER 在籍時のライヴで、STRANGERS IN THE NIGHTよりはやや古い 音源ということになる。楽曲はSTRANGERS IN THE NIGHTと 重なるものが多いが、DANNY PEYRONELの跳ねたのりの キーボードのためか、アメリカ的で随分違った印象を受ける。 録音状態はこの頃のものとしては悪くないし、MICHAEL SCHENKERの ギターもエモーショナルで聴きごたえがある。[82]

ON WITH THE ACTION - LIVE AT THE ROUNDHOUSE 1976 / UFO

イギリスのハード・ロック・バンドの1976年に行われたライヴを CD化したもの。缶入りボックス仕様で、All Or Nothingが ボーナス・トラックとして付いているが、ライナー・ノートが 一切ないのでやや不便だ。MICHAEL SCHENKER在籍時の ライヴとしては末期とも言えるSTRANGERS IN THE NIGHTの様な、 鬼気迫る演奏と言った部分はあまり感じられないが、安定した 演奏を聴かせてくれている。曲順がやや不満でもないのだが、 Doctor Doctorを始め、Rock Bottom等、代表曲がまんべんなく 入っている。録音状態もそれ程悪くないし、ライヴの出来としては 良い出来だと思う。[82]

IN SESSION AND LIVE IN CONCERT / UFO

イギリスのハード・ロック・バンドのスタジオ・ライヴ集。 イギリスのラジオ曲、での放送用に集録されたもので、1974年から 1977年までと言う、MICHAEL SCHENKER在籍時の貴重な音源だ。20年 以上前の音源としては、十分と言える位クリアな録音状態で申し 分ない。MICHAEL SCHENKERの神懸かりなまでのエモーショナルな ギターは素晴らしく、昔の彼は本当に素晴らしい ギタリストであったと実感できる。MICHAEL SCHENKERのギターの 素晴らしさのみならず、ボーカリストのPHIL MOGG、ベーシストの PETE WAY等も非常に良い仕事をしている。 スタジオ・アルバムよりも、生な分だけ臨揚感があり、 バンドとしてはより良い結果を生んでいると言って良いだろう。 Rock Bottom、Lights Out、Doctor Doctorを始め、定番とも 言える楽曲がずらりと並んでいるし、非常に聴きごたえのある 作品に仕上がっている。[87]

WEREWOLVES OF LONDON / UFO

イギリスのハード・ロック・バンドの2枚組みライヴ盤。1998年に 行われたライヴの模様を収めたもので、MICHAEL SCHENKERがまだ 在籍していたときのものだ。Doctor Doctorを始め、Lights Out、 Rock Bottom、Too Hot To Handle等、さすがと言えるだけの名曲が ずらりと並んでおり、これまでのライヴ盤と比べると、 WALK ON WATERの楽曲もそれなりに収められている。 MICHAEL SCHENKERのギター・プレイも、それからわずか2ヶ月後の 日本公演で、あの事件を起したとは思えないほど安定しているし、 全体的に演奏の出来は悪くない。その割には何だか間延びした ライヴで、今一つ盛り上がりに欠けると言わざるを得ない作品だ。 [79]

COVENANT / UFO

イギリスのハード・ロック・バンドのアルバム。付いては離れ、 離れては付いてと離散集合を繰り返したMICHAEL SCHENKERと PHIL MOGG、PETE WAYだが、再び活動を伴にする事になった。 MICHAEL SCHENKERがいなければこのバンド名を使えないと言う 事情で、PHIL MOGG、PETE WAYにしては仕方のない 選択だったのかも知れないが、その所為かかPAUL RAYMONDが 参加していない。全体的にミドル・テンポの ハード・ロックンロールと言う感じの楽曲が多く、昔のイメージを 強く打ちだそうと言う意識が感じられる。そして MICHAEL SCHENKERのギターが威力が発揮されていて、良い 事ずくめの様な気がするのだが、歌メロに今一つ面白味に 欠けるため、何だかバランスが悪い様に感じられる 作品となってしまっている。初回限定盤として1995年に行われた アメリカでの公演の模様が収められており、こちらは流石と言った 感じの出来だ。[78]

LIVE IN TEXAS / UFO

イギリスのハード・ロック・バンドのライヴ盤。1979年に行われた アメリカでの公演の模様を収めたものだ。ギタリストの MICHAEL SCHENKERの失踪に伴い、PAUL CHAPMANが プレイしているときのものだ。PAUL CHAPMANの熱い ギター・プレイはMICHAEL SCHENKERのそれとはまた違った 味わいがあるし、プロダクションの状況はかなり良く、 PAUL CHAPMANのライヴ作品としてはかなり価値の高い作品と言って 良いだろう。これだけの出来であるにも関わらず、わずか7曲で 32分程度と言う短さにはちょっと疑念を感じるが、良いライヴ 作品である事は間違いない。[80]

SHARKS / UFO

イギリスのハード・ロック・バンドの2年振りのアルバム。最早 このバンドとMICHAEL SCHENKERの関係は、不思議としか言い 様がないが、今作もその関係は続いている。MSGやソロを 併せると、非常に多作なMICHAEL SCHENKERだが、決してそれが良い 結果になっていないことは、各々のアルバムの曲を聴けば判る 事で、このアルバム自体も楽曲の出来自体はやや低調だ。 これまでの作品と比べると、音楽的には非常にブルーズ感が強く 出た作品となっており、PHILL MOGGのボーカルの魅力は良く 出ているし、MICHAEL SCHENKERのエモーショナルなギターも 良いのだが。[78]