アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1993年にリリースされた デビュー盤。そのバンド名から判る通り、元WHITESNAKEの ギタリスト、STEVE VAIを中心としたバンドだが、実質は彼の ソロ・プロジェクトと言った方が正しいだろう。ソロでの活動も 長いだけに、当然こう言うプロジェクトを組む上でソロとの切り 分けがある訳だが、この作品ではそれはボーカル作品であると言う 事だろう。ボーカリストはソロや自らSTRAPPING YOUNG LAD等の バンドを率いる、異彩のギタリスト、DEVIN TOWNSENDで、他に 元U.K.、MISSING PERSONSのドラマー、TERRY BOZZIO、ソロで 活躍するT.M.STEVENSと言うメンバー構成になっている。 ボーカルが入るだけに、ソロ作品と比べるとギターをずっと 弾きまくっていると言う訳にもいかず、その辺りのバランスは きちんとしている。楽曲の出来自体は特別どうこう言う 程のものでもないが、悪くはない。[80]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1993年にリリースされた 2ndアルバム。実際はその間に発売されるはずだった、 ALL THOSE STRANGERSがお蔵入りなった事もあって、実に4年振りの 新作だった。方向的には前作の延長線上と言えるもので、彼等の 持ち味であるDAVY VAINの下手上手的な官能的なボーカルは、 ここでも十分魅力を発揮している。楽曲自体も、彼の粘着性のある 伸びのあるボーカルを活かすため、全体的にミドル・テンポを 中心とした、侘しさを感じさせる憂いのあるものとなっている。 彼のボーカルを聴けただけでも長い時間を待った価値があるし、 それだけの出来となっている。[85]
オランダ人シンガー・ソング・ライターの1994年にリリースされた デビュー盤、GAIAからの1stシングル。シングル・カットの タイトル・トラックに、アルバム収録曲が2曲の全3曲と言う 構成になっている。シングル・カットされたGaiaは彼らしい、 QUEEN的なドラマティックさを押し出したナンバーで、 オーケストレーションがそう言った大仰なドラマティックさをより 強調している。1997は曲と言うよりSEと言った方が良いだろう。 My Heart Is In Your Handsもオーケストレーションを導入した、 叙情的でドラマティックなナンバーだ。出来はともかく全て アルバムに収録されているだけに、わざわざこれを購入する 意味はないかも知れないが。[78]
オランダ人シンガー・ソング・ライターの1994年にリリースされた デビュー盤。方向的にはROBBY VALENTINEやMOZARTと同じく、 QUEENの影響を受けたドラマティックなロック作品だ。この手の アーティストとしては、より叙情性を押し出した音楽性で、それ 故にQUEENの大仰さがより浮き出す形となっている。この わざとらしい程に臭い大仰さが、聴けるかどうかがの分かれ 目になるだろう。特にオーケストレーションを持ち込んで、より 大仰さを感じるものになっているだけに尚更だ。全体的に憂いを 帯びた叙情的な作品だが、The Sunの様な脳天気さも感じさせる 明るい楽曲もある。[80]
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1990年にリリースされた デビュー盤。この後、バンド名をOPEN SKYZと改めてしまうので、 このバンド名義でリリースされた唯一のアルバムだ。音楽的には、 アメリカらしい叙情的なメロディの洗練されたヘヴィ・メタルだ。 適度に憂いもあって、1980年代には中堅バンドに良く見られた タイプの音楽性だが、この頃は逆にもう貴重と言えるバンドと 言っても良いかも知れない。Runnin' On Luck Againの様な憂いを 帯びた、アップ・テンポで勢いのある楽曲にはDOKKENを思い 起こさせる部分もある。全体的にはもっとポップ性に富む キャッチーで甘いメロディが主体となっている。[81]
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの1994年にリリースされた デビュー盤。元DEALARのボーカリスト、TREV SHORT、ギタリストの ASHLEY JON LIMER、ベーシストのPETE GENTIL、元TIGERTAILZの ドラマーANDY SKINNER等によるバンドだ。母体となったDEALARが N.W.O.B.H.M.のバンドだっただけあって、N.W.O.B.H.M.らしさが そこに感じられるものの、メロディ自体はもっと洗練されており、 どちらかと言うとよりアメリカナイズされたものとなっていると 言って良いだろう。折角都会的なセンスのあるハード・ポップを 聴かせてくれているだけに、プロダクション自体も良くないのは 残念だ。[82]
アメリカのハード・ロック・バンドの1988年にリリースされた 2年振りの8thアルバム。前作よりボーカリストが DAVE LEE ROTHからSAMMY HAGARに交代し、新たなスタートを切った 訳だが、方向的にはその前作の延長線上と言えるものだろう。 よりゴージャスな方向に向っていたDAVE LEE ROTH時代と 比べると、より整った産業ロック的色合いを濃くしている。 前作ではまだそう言ったアイデアが上手く機能していなかった様に 思えるが、今作ではそれが非常に自然に感じられ、彼等の 第2期としてのスタイルが結実したアルバムと言って良いだろう。 [84]
アメリカのハード・ロック・バンドの1991年にリリースされた 3年振りの9thアルバム。前作ではSAMMY HAGAR加入後の方向性を 決定付けたものの、やや整い過ぎていて中途半端でこじんまりした 印象も受けたが、今作ではよりグラマラスでエネルギッシュさを 感じさせるアルバムに仕上がっている。テンポも良くて、その分 よりのりの感じられる作品となっており、全体的に勢いが良く 出ている。楽曲自体は大きく変わる訳ではないが、ヘヴィで グルーヴ感も良く出ており、聴き応えのある内容で、アレンジと プロダクションが上手くいったアルバムと言って良いだろう。[87]
アメリカのハード・ロック・バンドの1993年にリリースされた 初のライブ盤。1982年に行われたアメリカでの公演の模様を 収めたもので、本編が2枚組で、ボーナス・シングルの付いた 3枚組と言う構成になっている。DAVE LEE ROTH時代の楽曲は流石に 少ないが、You Really Got MeやJump、Panamaと言った代表曲とも 言える楽曲も含まれており、ベストに近い内容と言って 良いだろう。流石大物バンドだけあって、プロダクションの方も 完璧で、彼等のライヴの凄さが良く伝わって来る。臨場感があって FOR UNLAWFULL CARNAL KNOWLEDGEでの勢いが、そのまま ダイレクトにライヴに出ている。[88]
カナダのヘヴィ・ロック・バンドの1994年にリリースされた デビュー盤。音楽的にはいわゆるミクスチャーと言われるものの 一つで、ヘヴィ・メタル、ラップ、オルタナティヴ・ロック、 ヒップ・ホップ等と言ったエッセンスが感じられる。特に楽曲 自体はオルタナティヴ・ロック的な感じが強いのだが、サウンド 自体はかなりメタリックだ。楽曲自体はかなり速く、リフも ザクザクと切り刻んでくるので、スラッシュ・メタル的でもある。 グルーヴ感が良く出ていて、ファンク色もありと本当に様々な 音楽性が混在しながらも、それを良く整理してアレンジしていると 言う感じで、中々ユニークな作品だ。[82]
1994年にリリースされたイギリスのヘヴィ・ロック・バンド、 BLACK SABBATHのトリビュート盤。CORROSION OF CONFORMITYや CATHEDRALと言った、彼等の流れを汲むバンドが当然 中心となっている。FAITH NO MOREやUGLY KID JOEと言った、 自身のアルバムで既にBLACK SABBATHをカバーしているバンドも 参加しており、このバンドの影響力の大きさを改めて 感じさせてくれる。この作品で興味深いのはBLACK SABBATHの ボーカリストだったOZZY OSBOURNEがTHERAPY?と、IRON MAIDENの ボーカリスト、BRUCE DICKINSONがGODSPEEDと一緒に レコーディングしてたりと面白い組み合わせでやっていたりする 事だ。[81]
アメリカのレーベル、EARACHEのアーティストによる1991年に リリースされたコンピレーション作品。既にコンピレーション 等でも発表されている音源を集めたもので、時代的にも更に 古いものも多く、エクストリーム・ミュージックの原初の姿を 見せてくれている。デス・メタルを中心とした、エクストリーム 系の代表的なレーベルだけあって、MORBID ANGEL、NAPALM DEATH 等々のグラインド・コア系のバンド等が参加している。現在の様に エクストリーム・ミュージック・シーンが細分化される前だけに、 ブラスト・ビートを中心とした、カオチックでブルータルな デス・メタルばかりで、この手の音楽になれていないと聴き 難いかも知れない。[62]
アメリカのレーベル、POLYGRAMの所属アーティストによる1988年に リリースされたコンピレーション・アルバム。流石 メジャー・レーベルだけあって、著名なバンドが揃っているが、 ヘヴィ・メタルと言う以外の共通点はない。収録曲も既に 発表されているものばかりなので、あまり有り難味はないだろう。 BON JOVIのヒット曲、Livin' On A Prayerを始め、WARLOCKの All We Are、TNTのEveryone's A Star等、それぞれのバンドの 代表曲とも言える楽曲が集められている。このアルバムで最も 注目に値するのはCINDERELLAのGalaxy Bluesで、この曲だけが 未発表l曲だが、特にどうと言う事はない曲だ。[78]
アフリカの飢餓難民への救済を目的とした、1986年に リリースされたベネフィット・チャリティ作品。言わば、 ヘヴィ・メタル版We Are The Worldと言えるもので、DIOの RONNIE JAMES DIO、Y & TのDAVE MENIKETTI、JUDAS PRIESTの ROB HALFORD、QUIET RIOTのKEVIN DuBROW、ROUGH CUTTの PAUL SHORTINO、QUEENSRYCHEのGEOFF TATE、DOKKENのDON DOKKENと 言った、数多くのボーカリストが交代で歌うStarsに、色んな アーティストのライヴが収められている。Starsでは ギター・ソロのリレーも豪華で、CRAIG GOLDY、DIOの VIVIAN CAMPBELL、NIGHT RANGERのBRAD GILLIS、JOURNEYの NEAL SCHORN、DOKKENのGEORGE LYNCH、YNGWIE MALMSTEEN等と 言った層々たる顔ぶれだ。RONNIE JAMES DIOが 中心となっているので、Stars自体はDIOっぽいドラマティックな ナンバーで、それ以外のライヴは単なるおまけと言う印象が強い。 [82]
1993年にリリースされた、アメリカの映画のサウンド・トラック。 ヘヴィ・メタルのビッグ・ネームが顔を揃え、このアルバムの為の 書き下ろしが並んでいるだけに、中々興味深い。DEF LEPPARDの Two Steps BehindはシングルのB面にも収められていた ナンバーだが、バージョン違いで、AEROSMITHのDream Onは彼等の 代表的なナンバーのライヴ、Fishboneが既発曲なのを除けば全て 未発表曲だ。AC/DC、ALICE IN CHAINS、MEGADETH、QUEENSRYCHE、 ANTHRAX、TESLAと層々たるバンドが顔を揃えている。楽曲的には これと言うものがないと言う気もするが、出来は悪くない。[80]
1992年にリリースされたコンピレーション・アルバム。L.A.の ミュージシャンを中心としたブルーズ・アルバムだ。 OZZY OSBOURNEのギタリスト、ZAKK WYLDE、NIGHT RANGERの ギタリスト、BRAD GILLIS、元OZZY OSBOURNEのベーシスト、 PHIL SOUSSAN、MR.BIGのギタリスト、RICHIE KOTZEN、TOTOの ギタリスト、STEVE LUKATHER、DOKKENのベーシスト、 JEFF PILSON、元DEEP PURPLEのボーカリスト、GLENN HUGHES、 QUIET RIOTのボーカリスト、KEVIN DUBROW、元DAVID REE ROTHの ドラマー、GREGG BISSONETTE、元DOKKENのギタリスト、 GEORGE LYNCH、MR.BIGのベーシスト、BILLY SHEEHAN、 NIGHT RANGERのギタリスト、JEFF WATSON、JUDAS PRIESTの ドラマー、SCOTT TRAVIS、元MR.BIGのギタリスト、PAUL GILBERT、 TONY MacALPINE等々多彩なメンバーが参加している。やっている 事は昔ながらのブルーズのカバーなので、あまり聴き 馴染めないかも知れないが、ルーツと言う点で興味深い作品だ。 [80]
1994年にリリースされたコンピレーション・アルバム。L.A.の ミュージシャンを中心としたブルーズの プロジェクト・アルバムだが、今作では1960年代後半に ERIC CLAPTONを擁して活躍し、ハード・ロックの源流となった ブルーズ・ロック・バンド、CREAMのトリビュート盤と言う性格を 持っている。JOURNEYのギタリスト、NEAL SCHON、MR.BIGの ギタリスト、RICHIE KOTZEN、元RAINBOW、DEEP PURPLEの ボーカリスト、JOE LYNN TURNER、元DEEP PURPLEのボーカリスト、 GLENN HUGHES、NIGHT RANGERのギタリスト、JEFF WATSON等が 参加している。名曲中の名曲、White Roomが入っていないのは 残念だが、CREAMの魅力は良く表現出来ていると思う。[83]
アメリカのレーベル、EARACHEのアーティストによる1992年に リリースされた、イギリスのヘヴィ・ロック・バンド、 BLACK SABBATHのトリビュート盤。ドゥーム・メタルの祖とも 言うべきバンドを題材に、エクストリーム系レーベルのバンドが カバーしているだけに、原初のドゥーム・メタル・シーンを 感じさせてくれるアルバムとなっている。CATHEDRAL等は、まだ その個性を確立出来ておらず、板に付いていないところ等は 微笑ましい。むしろドゥーム・メタルとしてのその佇まいを強烈に 示しているのはSLEEPだろう。その他のバンドは ドゥーム・メタルからは外れるバンドだけに、BLACK SABBATHの トリビュート作品としてはユニークなものとなっている。[80]
アメリカのヘヴィ・メタル専門レーベル、METAL BLADEによる 1982年にリリースされたコンピレーション盤。アメリカで ヘヴィ・メタルが盛り上がって行く過程において、その牽引的 役割を果たした伝説的なシリーズ作品で、ここから メジャー・シーンに飛び出して行ったバンドも多い。この作品で 最も注目に値するのはMETALLICAのHit The Lightsで、まだ MEGADETHのDAVE MUSTAINEが在籍していた頃の初期の音源が 収録されている。そのほか、BLACK N BLUEやMALICEと言った 中堅として活動したバンドも取り上げられている。最初の プレスではRATTやSTEELERも収録されていたが、契約上の問題で ここではカットされている。[80]
アメリカのヘヴィ・メタル専門レーベル、METAL BLADEによる 1982年にリリースされたコンピレーション盤の第2弾。 アメリカでの新人の発掘の場を与え、ヘヴィ・メタルの隆盛に 大きな貢献をした作品だが、今作では参加アーティストはやや 小粒と言う感がいがめない。一般的に知られているのは ARMORED SAINT位で、後はOBSESSIONやSAVAGE GRACE、WARLORDが 一部マニアに知られている位で、それ以外のバンドはほとんど 活躍らしい活躍もなしに消えて行ったバンドばかりだ。その他に、 若き日のMARTY FRIEDMANが参加しているALOHAも取り 上げられている。[78]
アメリカのヘヴィ・メタル専門レーベル、METAL BLADEによる 1982年にリリースされたコンピレーション盤の第3弾。アメリカ ヘヴィ・メタル市場における、これからデビューするための 場として提供され続けた貴重な作品だが、この作品での目玉は 何と言ってもSLAYERだろう。SLAYERが始めて録音した 音源とあって、このアルバムの存在価値は高いと言って 良いだろう。それ以外のバンドとなると、WARLORDと VIRGIN STEELEが多少知られる位で、ほとんどがデビュー出来ずに 終わったが、アメリカのヘヴィ・メタル創生期におけるシーンの 状況が伺える作品だ。[79]
アメリカのヘヴィ・メタル専門レーベル、METAL BLADEによる 1983年にリリースされたコンピレーション盤の第4弾となる アルバム。METALLICAやSLAYERを排出したシリーズで、徐々に パワー・ダウンして行ったが、この作品辺りまでは収録されている バンドもレベルは高い。METALLICAやSLAYERと言った、 超一線級とは言えないが、ドゥーム・メタルの走りとなった バンドの一つであるTROUBLEやLIZZY BORDENと言ったバンドが 収録されている。まだN.W.O.B.H.M.の影響等も強く感じられ、 プロダクションはお世辞にも良いとは言えないが、若いバンドの エナジーは伝わって来る。[80]
日本のレーベル、ソニーの所属ヘヴィ・メタル・バンドの紹介用 プロモーション・アルバム。全部で53曲も収められているため、 1、2分でカットされてフェード・アウトされるため、どうしても 興醒めしてしまうのだが、致し方ないところだろう。 メジャー・レーベルだけあって、OZZY OSBOURNE、WHITESNAKE、 METALLICA、POISON、MEGADETHと言った著名なバンドを始め、 中堅バンドまでずらりと並んでいるのは流石だと言えるだろう。 とは言え、手っ取り早く曲を確かめるには良いかも知れないが、 曲数を絞ってでもきちんと1曲丸々収録して欲しい気がする。[78]
イギリスのレーベル、NEAT Recordsによる1981年にリリースされた コンピレーション盤。N.W.O.B.H.M.を支えたインディ・レーベルの 雄が、N.W.O.B.H.M.の全盛期と言える頃に出した作品だけあって、 その内容は正に当時のIRON MAIDENやSAXONと言った大物に 続こうとするN.W.O.B.H.M.中堅シーンを現す様な内容だ。その 中にはRAVENやVENOMと言った馴染みの深いバンドも 含まれているし、ARAGORNやSATAN'S EMPIREと言った、ほとんど 活動らしい活動もなく消えて行ったバンドもある。後にFISTと 改名して活躍するAXEの代表曲のデモ、S.S.Giroと言った音源等も 含まれていて、中々貴重な作品だ。N.W.O.B.H.M.の作品らしく、 皆プロダクションは悪いが、ムーヴメントの熱気のは感じられる。 [87]
1994年にリリースされたオムニバス・ライヴ盤。1994年に アメリカで行われたデス・メタル、スラッシュ・メタル系の フェスティバルの模様を収めたものだ。アメリカの デス・メタル・バンド、SUFFOCATION、MALEVOLENT CREATION、 アメリカのスラッシュ・メタル・バンド、EXHORDERとイギリスの スラッシュ・メタル・バンド、CANCERの演奏がそれぞれ2、3曲 収められている。SUFFOCATIONやMALEVOLENT CREATIONと言った ブラスト・ビートを用いたブルータルなデス・メタル始め、 それぞれの演奏レベルも高いし、プロダクションも良く、強烈な エナジーを感じさせてくれる。[80]
1989年にリリースされたチャリティ・アルバム。ドラッグや アルコール問題への慈善団体へのチャリティと言う事もあって、 ドラッグやアルコールで不慮の死を迎えたミュージシャンのカバー 作品となっている。SKID ROWによるSEX PISTOLESのカバー、 Holiday In The Sun、SCORPIONSによるTHE WHOのカバー、 I Can't Explain、OZZY OSBOURNEによるJIMI HENDRIXのカバー、 Purple Haze、MOTLEY CRUEによるTOMMY BOLINのカバー、Teaser、 BON JOVIによるTHIN LIZZYのカバー、 The Boys Are Back In Town、CINDERELLAによるJANIS JOPLINの カバー、Move Overと参加しているバンドもカバーしている楽曲も 非常に豪華な内容だ。BON JOVIのドラマー、TICO TORRES、 JASON BONHAM、MOTLEY CRUEのドラマー、TOMMY LEEによる プロジェクトによるLED ZEPPELINのカバー、MOBY DICKも興味 深い。1980年代と言う、ヘヴィ・メタルの最も華やかな時期に、 その総括と言う意味でも、これだけのミュージシャンを集めて 作製されたのは意義がある。[83]
N.W.O.B.H.M.の1990年にリリースされた2枚組の コンピレーション盤。N.W.O.B.H.M.の10周年を記念して、 METALLICAのドラマー、LARS ULRICHが中心となって監修された 作品だ。有名、無名に関わらず選択している辺りはLARS ULRICHの ファン振りを見せているし、レーベルに囚われないで収録 出来ている辺りにこの作品を作った熱意も伺える。DEF LEPPARDや IRON MAIDENと言ったその後大スターとなったバンドのアルバム 未収録や未発表音源等が含まれていて、非常に貴重な作品だ。 WEAPONやSLEDGEHAMMER、A II Zと言った、その後も全く CD化されていないバンドもあり、ファンには垂涎の作品だ。[92]
ドイツのパワー・メタル・バンド、GAMMA RAY、HELICON、RAGE、 ノルウェイのパワー・メタル・バンド、CONCEPTIONによる1994年に リリースされた2枚組のライヴ盤。これらのバンドが出演した、 1993年に行われたドイツでのフェスティバルの模様を 収めたものだ。新人故に仕方ないだろうが、HELICONはわずか2曲、 CONCEPTIONも5曲しか取り上げられていない事を考えると、実質は GAMMA RAYとRAGEのライヴ盤をカップリングしたに近い様な印象を 受ける。特にGAMMA RAYとCONCEPTIONのライヴのクオリティの 高さが際立っており、新人のCONCEPTIONにとってはこうやって、 他のファンに聴いてもらえる意義は大きいだろう。[80]
1994年にリリースされた、スウェーデン、ノルウェイ、 フィンランドのヘヴィ・メタル・バンドのコンピレーション盤。 まだデビュー前のバンドが数多く収録されており、大成する バンドは全く現れず、今も活動を続けるバンドは皆無な事を 考えると、その作品としての使命を果たす事はなかった訳だが、 中々貴重な作品だった。特にLOVE CHILDや元ALIEN、 SNAKE CHAMERでその後MIDNIGHT SUNやJADEで活躍する ボーカリスト、PETE SANDBERGを迎えたBEWARP等、 スカンジナビアのヘヴィ・メタル・シーンのレベルの高さは十分 感じさせてくれる。[82]
イギリスのレーベル、NEAT Recordsより1982年にリリースされた コンピレーション盤。LEAD WEIGHTに続いてカセットで出された 作品をCD化したものだ。N.W.O.B.H.M.の牽引的な役割を果たした レーベルだけに、N.W.O.B.H.M.の原石とも言うべきバンドが 揃っている。RAVENやJUGUAR、VENOM、FISTと言った中堅として 活躍したバンドも含まれるが、シングルをリリースしただけで 消えて行ったバンドも多い。N.W.O.B.H.M.らしくプロダクションも 悪いが、当時のN.W.O.B.H.M.シーンの熱気みたいなものは良く 伝わって来る。N.W.O.B.H.M.ファンに取っては必聴の作品と言って 良いだろう。[89]
1994年にリリースされた、イギリスのハード・ロック・バンド、 DEEP PURPLEのトリビュート盤。GLENN HUGHESとJOE LYNN TURNERと 言う元DEEP PURPLEのメンバーが参加しているのには 苦笑させられるが、MR.BIGの元ギタリスト、PAUL GILBERT、 DOKKENのボーカリスト、DON DOKKEN、MR.BIGの元ギタリスト、 RICHIE KOTZEN、WINGERのベーシスト、KIP WINGER、WINGERの ギタリスト、REB BEACH、YNGWIE MALMSTEEN、元SILVER MOUNTAINの キーボード、JENS JOHANSSON、EUROPEの元ギタリスト、 JOHN NORUM、TONY MacALPINE、VINNIE MOORE、TNTの 元ボーカリスト、TONY HARNELL、TALISMANのボーカリスト、 JEFF SCOTT SOTOと言ったアメリカ、北欧の層々たる ミュージシャンが参加している。それだけに演奏を始め、 クオリティもレベルが高いし、源曲を崩さずに アレンジしているので安心して聴ける。[81]
1991年にリリースされたプロジェクトのアルバム。そのタイトルが 示す通り、クリスマス・ソングを題材とした作品だが、 プロデューサーをRALPH HUBERTが担当している事からも判る通り、 スラッシュ・メタルにアレンジして演奏すると言う、言わば馬鹿 企画と言って良いだろう。お祭り騒ぎの様なアルバムで、そんな 作品のクオリティ等語ると言う様な野暮な事はせず、純粋に 悪ふざけの企画を楽しめば良い。RAGEのボーカリスト、 JORG PEAVYを始め、LIVING DEATHやMEKONG DELTA、HOLY MOSESと 言った、ドイツのスラッシュ・メタル・バンドのメンバーが 参加している。[70]
METALLICA等を排出した、METAL BLADEの新人発掘用の コンピレーション・アルバム・シリーズの1984年にリリースされた 5作目。初期のものに比べれば、全体的に参加しているバンドも 小粒になって来た感はいがめないが、まだこれはと言ったバンドも 収められている最後の作品と言って良いだろう。とは言うものの、 出来自体は前4作と比べてかなり落ちる。FATES WARNING、 METAL CHURCH、OVER KILL、OMEN、VOIVODと言った、その後名の 知られたバンドも参加しているが、OVERKILLを除けばまだまだと 言った完成度だ。デビュー前で、まだ素人っぽさも残っており コレクターズ・アイテム以上の価値を見出すのは難しい。[72]
1985年にリリースされた、METAL BLADEの新人発掘 コンピレーション・アルバム・シリーズ6作目。もうこの 頃になると初期のシリーズに比べてマイナーなまま終わった バンドがかなり多くなって来ている。ある程度名前を 知られてるのはPOSSESSED、NASTY SAVAGE、HALLOW'S EVE、 DARK ANGELと言ったところだろう。しかし、はっきり言って DARK ANGELを除けばB級ばかりと言う印象は拭えない。HIRAX、 POSSESSEDと言ったマニア好みのバンドも納められているが、 一般の人にどれだけ受け入れられるか疑問だ。[70]
ゴシック・メタルの大御所とも言える、THE 3RD AND THE MORTALが 所属するレーベル、VOICE OF WONDERによる所属バンドの コンピレーション・アルバム。THE 3RD AND THE MORTALも2曲 提供しているが、既発表曲のみであまり価値はない。それ以外の バンドで、ある程度名前が知られてるのはSAGITTARIUS位だろう。 ゴシック・メタル色があるのはこれ位で、後は オルタナティヴ・ロックやミクスチャー的な作品が中心で、この レーベルの方向性は伺える。凡百な物も多いが、RED HARVEST等は プログレッシヴ・ロック的な味付けがあって面白い出来だ。あまり ヘヴィ・メタル系のアーティストはいないので、それを期待しない 方が良いだろう。[73]
アメリカのヘヴィ・メタル・レーベル、METAL BLADEの新人発掘 コンピレーション・シリーズの1986年にリリースされた第7弾。 METTALICA、MEGADETHを発掘して来たこのシリーズも、ここに 来て、ほとんど出がらしたと言える状態になって 来てしまっている。ある程度メジャー・シーンで活躍してると 言えるバンドはFLOTSAM & JETSAM位だが、この作品に 収められているI Live You Dieが非常につまらないので、 アルバムを通してこれと言う所が全くない状態だ。それ以外と 言うとある程度名を知られているのがHERETIC位と言う寂しい 内容だ。[68]
アメリカのヘヴィ・メタル・レーベル、METAL BLADEの新人発掘 コンピレーション・シリーズ・987年にリリースされた第8弾と 1988年にリリースされた第9弾をカップリングしたもの。 初期にあった新人発掘と言う功績は既になく、ただ出すだけの アルバムになってしまっている。この頃になると、C級 スラッシュ・メタル・バンドがほとんど占める 様になってしまっており、このアルバムに参加しているバンドで 後に出世したバンドは皆無だし、出世しそうなバンドも 収録されていない。若干名を売ったと言えばSACRED REICH 位だが、ここに収められているのはさして面白くない曲だし、 それ以外と言うとOLIVER MAGNUMが名前を知られている位だろう。 [67]
N.W.O.B.H.M.バンドのシングルの音源を集めた コンピレーション・アルバム。とにかく関心するのは良く版権を クリア出来たなという事で、リリースしたBRITISH STEELは かなりの苦労があったのではないかと思う。それだけに、かなり 貴重な音源を集まっていると言えるアルバムで、ファンには 泣かせる内容だ。既にCD化されている音源は、19曲中LEGENDの Heaven SentとGASKINのMoney Money、Queen Of Flamesだけだ。 PRAYING MANTISのPraying Mantisを始めMYTHRA、 HOLLOW GROUND、ANGEL WITCH、HERITAGEと言ったバンドの シングル音源で構成されている。マイナーなバンドが 中心ではあるが、N.W.O.B.H.M.でもある程度レベルの高かった バンドばかりだし、とにかくN.W.O.B.H.M.ファンは 買うしかないだろう。[91]
イギリスの大物中の大物ハード・ロック・バンド、LED ZEPPELINの トリビュート・アルバム。LED ZEPPELINが元々ハード・ロックの 枠に収まり切らないバンドでそれが題材とは言っても、これだけ ハード・ロックにはあまり馴染みのないバンドが揃っていると 聴くのに多少苦慮する。もちろんBLIND MELONや STONE TEMPLE PILOTS、HELMETのようなバンドも参加している 訳だが、しかしHELMETの場合、演奏はともかくこのボーカルに ROBERT PLANTを歌わせるのは無理があると言う程度の感想しか 出てこないし、結構評価の難しい作品だ。[79]
T.M.STEVENSの企画によるDEEP PURPLEのトリビュート盤。参加 ミュージシャンはギタリストにAL PITRELI、RICHI KOTZEN、 VINNIE MOORE、STEVIE SALAS等となかなか豪華な布陣だ。 ボーカルもJOE LYNN TURNER、元TNTのTONY HARNELL等が 務めているし、参加ミュージシャンという点では全く問題ない。 全体的にファンキーなアレンジがなされていて、この手の トリビュート盤では異彩を放っていると言って良いだろう。レゲエ 風のChild In Timeには苦笑させられるが、それ以外は 出来としては悪くない。後は、こう言うアレンジが 許せるかどうかと言うところにbゥかっているだろう。[80]
元TNTのRONNIE LE TEKRO率いるノルウェイの ハード・ロック・バンドの2ndアルバム。TNTとはだいぶ違った 方向性を求めており、北欧的な透明感はあるがポップ的な指向は あまりなく、むしろプログレッシヴ・ロック的な整合感を持った アルバムになっている。特に前作ではまだこういった方向性が あまり定まっていなかった所為もあり、それほど強く 感じなかったが、今作ではこういった部分がより強く 押し出されている結果になっている。TNTを期待すると外れる 事になるが、これはこれで味のある作品だと思う。[78]
デス・メタル・バンド等によるMETALLICAの トリビュート・アルバム。女性ボーカルのIDIOTS RULE、 ラップのPAGANDOM以外は当然デス・ボイスなのだがMETALLICAを 歌うのには無理を感じる。演奏はPAGANDOMを除いて割とまともに カバーしているのでMETALLICAの曲の良さは感じる。自己の アルバムでIRON MAIDENのHALLOWED BE THY NAMEを 完コピしながら、酷いボカールを聴かせていたCEREMONIAL OATHは ここでも同様の結果を見せている。マイナーなバンドが中心で、 割と名前を知られているのはIN FLAMES、 DARK TRANQUILLITY位だろう。IN FLAMESはまともなボーカルを 入れていて、コーラスとしてデス・ボイスを入れている以外は ほぼ忠実に演奏している。演奏力という点では DARK TRANQUILLITYが飛抜けている。この二組を除けばMETALLICAの コンピレーションという点を除けば取りたてるものは それほどないのだが、割とMETALLICAのエッセンスを 残しているのでデス・ボイスが我慢出来るならそう 悪くもないだろう。[80]
メロディック・デス・メタル界では知る人ぞ知る WRONG AGAIN RECORDS所属のアーティストによる コンピレーション・アルバム。IN FLAMES、DARK TRANQUILLITY、 DISSECTIONなどかなり名前の通ったバンドも数多く収録されている。 既発表曲もあるがIN FLAMESのDead Eternityは現ラインナップでの 現在、唯一の音源だし、W.A.R.の第一弾アーティストEUCHARISTは このアルバムだけに一時的に最結成して曲を提供している。楽曲の 出来はまぁ、凄いというほどのものでもないが 並以上ではあるので、入門用には良いだろう。[81]
オランダのハード・ロック・バンド、ZINATORAの元キーボード、 ROBBY VALENTINEの2ndソロ・アルバム。今回よりアーティスト名を ファミリー・ネームのみとした訳で、OPEN SKIESと名前を改めた 同名のアメリカのバンドとは全く関係ない。前作も QUEEN的であったのだが、今作ではよりQUEEN的なアレンジが 施されていて、ちょっとわざとらし過ぎると感じなくもない。 とはいうもののその楽曲の出来は非常に素晴らしいものであり、 良く出来たアルバムであるのは確かだ。彼の声質もあって、 ちょっと甘ったるい感じがし過ぎるするのが難点だが。[84]
オランダのハード・ロック・バンド、ZINATORAの元キーボードの シンガー・ソング・ライターによるマキシ・シングル。阪神 大震災の事を歌ったタイトル・トラックの新曲と、ライヴ3曲と 言う構成になっている。シングル曲のタイトル・ナンバーは全く 新しく書き下ろされた新曲で、これが中々素晴らしい出来だ。 QUEENばりの曲とコーラスが光っているし、メロディは非常に 美しく、心に染み入ってくる。ライヴの出来も良いしその魅力は 十分堪能出来ると思うし、ファンならば買っても損のない 作品だろう。ライヴでもそのコーラスがきちんとしているのは かなり驚異的だ。[85]
ドイツのテクニカル・ロック・バンドのデビュー作。いかにも QUEENSRYCHE風のWhen The Wind BlowsやDREAM THEATER風の Soul Survivesと、今一つオリジナリティは見えてこないし、 そこまでの完成度は残念ながらない。他の曲にしても秀でたと 言うところまで行っておらず、全体をみると少し退屈な 部分もあるのだが、所々引き付ける物はある。特に メロディ・センスには光るものがあり、楽曲は叙情的で美しい。 co-produceとmixはROKOのROBERT KOHLMYERがやっているので、 そういう哀愁味を味わえる部分もなきにしもあらずだが、 どちらかと言うと爽やかな感じを受ける。[85]
北欧のヘヴィ・メタル・バンド群によるTHIN LIZZYの トリビュート・アルバム。知名度的にはほとんどがマイナーな バンドで占められており、割とメジャーなのはNATIONとJOHN NORUM 位だろう。この中で今後注目出来そうなバンドはCRYSTAL BLUE、 TURNING POINT、ZAN CLANと言ったところだ。CRYSTAL BLUEは 自身のアルバムもそうだが、ここでもプロダクションが悪く、 プロデュースさえ良くなればかなり改善されるはずだ。元BEWARPの メンバーによるESPINOZAは、バンドのアルバム同様かなり スラッシュ・メタル的なアレンジを施しており、THIN LIZZYとは又 違ったアイリッシュらしさを出しているTURNING POINTと並んで 他のバンドとは少し違う異彩を放っている。ボーカルは今 ひとつだが、ART REBELLIONのメロディックな解釈も中々面白い。 NATION、ESPINOZA、CRYSTAL BLUE、ART REBELLION、 TURNING POINTといったところは、それぞれのバンドの特色が 出ていて結構ユニークな作品だが、それ以外は今一つだ。[80]
アメリカのハード・ロック・バンドの4年振りとなる10th アルバム。色々と意見はあるだろうが、演奏はもちろん、曲の 出来を含めて、トータル・バランス的に素晴らしく、SAMMY HAGER 加入後のものとしては最も良く出来たアルバムと言っても 良いだろう。なんといっても、今までのアルバムよりノリが 良いし、全体的に楽曲のクオリティも高く、SAMMY HAGAR 加入後に於いての集大成と言った感じだ。これだけ素晴らしい 作品を作られると、このアルバムを最後にSAMMY HAGERがバンドを 脱退してしまったのは、何とも残念な話だ。[88]
数奇な運命を辿ってきたアメリカのハード・ロック・バンドの 3rdアルバム。へたうま的な雰囲気をかもしだすDAVY VAINの うねった絡み付くような微妙にビブラートがかかった独特の歌声が 好き嫌いを分けるかも知れないが、この歌声こそがこのバンドの 魅力となっているのも確かだ。全体的に憂いを帯びたキャッチーな メロディのもたっとした楽曲は、DAVY VAINの個性をうまく引き 立てていると言って良いだろう。どことなく物悲しくうねった 気だるいサウンドは不思議と引き付ける魅力があるし、この バンドのセンスの良さでもある。扇情的で憂いのある音楽は気分を 非常に鬱にしてくれて、ユニークなサウンドだ。楽曲の出来も 良いし、気分爽快と言う気分には到底ならないが、何故か引き 付けられる。[85]
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの2ndアルバム。 N.W.O.B.H.M.バンドの一つだったDEALERを母体にしたバンドだが、 DEALER時代のメンバーは今回、 TREV SHORTだけになってしまっている。叙情的なメロディを持つ キャッチーなヘヴィ・メタルをやっているが、曲の出来も前作より 随分良いし、録音状態も非常に良くなっている。 ブリティッシュ的なというイメージはあまり受けなくて北欧とか そういったイメージの方が強いと言った方が良いだろう。ちょっと 臭いし、マイナーな感じを受けるが、勢いがあって良い作品だ。 TREV SHORTのボーカルはときによってはしょぼく感じるが、憂いを 帯びたキャッチーな楽曲は聴き易くて良いアルバムだ。[90]
アメリカのヘヴィ・メタル専門のインディ・レーベルの新人 紹介用のコンピレーション・アルバム。かつてMETALLICA、 MEGADETH等を排出した名物的なコンピレーション・シリーズだが、 その内容がスラッシュ一辺倒になったころから徐々に パワー・ダウンして行った。ここではさらに押し進めて、 デス/ブラック・メタル系のバンドを取り上げるまでに 及んでいる。女性ボーカルを擁したゴシック・メタル・バンド、 AVERNUS等、そこそこと思えるものが多いのだが、ものによっては つまらないものもある。唯一完成度をある程度持てているのは、 このアルバムの中では特異な存在である、 プログレッシヴ・ヘヴィ・メタル・バンドのDIVINE REGALだけだ。 もうちょっとこう言うバンドを発掘出来ると、このシリーズの存続 価値があがるのだが、この内容では将来性を見込めるバンドが あまり見当たらない。[64]
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドのデビュー盤。とにかく 楽曲の出来は素晴らしく、叙情的なヘヴィ・メタルが好きであれば 外すことはまずないと言って良いだろう。叙情的でキャッチーだが ポップ過ぎず適度にヘヴィで、この辺のバランスは文句ない。 残念なのはボーカルの処理が少し過ぎる部分もあり、引っ込んだ 感じがあることで、この辺が改善されれば傑作と言って差し 支えないアルバムになっただろう。ダークな部分もあるが、逆に ヘヴィさを演出していて良い結果になっていると思える。叙情的で 愁いに満ちたメロディは素晴らしい出来で、The Unholyを始め、 実に美しく扇情的な楽曲が並んでいる。[94]
スイスのスラッシュ・メタル・バンド、CELTIC FROSTの デス/ブラック・メタル・バンドによるトリビュート・アルバム。 演奏的には割とそのままなので、後はデス・ボイスや ブラック・メタルの金切り声でやっているのが面白く思えるか どうかという判断基準になるだろう。こう言う楽曲をデス系の ファンが面白いと思うかどうかは謎だし、その逆も同じなので、 このアルバムを面白いと思えるのはCELOTIC FROSTのファンでかつ デス・メタルが好きな人だけなのではないかと思えてしまう。 トッピック的には元CELTIC FROSTのTHOMAS GABRIEL WARRIOR率いる APOLLYON'S SUNが参加していることで、これは当然デスでないのは ともかくとして、女性ソプラノを入れるなど、往年の CELTIC FROSTをここでも見せているのだが、曲自体はさほど 面白いものではない。参加バンドはそれほど名が通ったバンドは 多くなく、割と知られているのはOPETHやEMPERROR位だが、 さほど取り立てる物でもない。[73]
オランダ人ミュージシャンによる2ndアルバム。オランダ人である 事、QUEENのフォローワー的である事等からROBBY VALENTINEと 比較されて取り上げられる事が多いが、ROBBY VALENTINEと 比べて、その差異はKATE BUSH的な色合いもあることだろう。 しっとりしたメロディを甘いボーカルで切々と歌いあげて、独自の 世界を構成しているが、その一方で変化にも乏しく最後まで 聴くのは少し焦れる。アルバムの出来自体は、非常に良く 作ってあると言うしかないだろう。それにしても初回限定の パッケージは非常に扱いずらくて、却って煩わしい。[83]
カナダのプログレッシヴ・ハード・ロックの雄RUSHの トリビュート・アルバム。主にソフトな方向へと向かう前のものが 中心で、メンツ的には正しい選曲と言えるだろう。 SEBASTIAN BACH、JAMES LaBRIE、JACK RUSSELL、JAKE E.LEE、 BILLY SHEEHAN、DEEN CASTRONOVA等々、多彩なメンバーが 参加している。故に演奏面においてはさすがと唸らせるだけの物が ある。そして、これだけの曲をトリオでこなしてしまうRUSHの 素晴らしさを改めて感じる事が出来る。本物と比較するとやはり GEDDY LEEのボーカルの個性は別格だなと思う。[90]
JUDAS PRIESTのトリビュート・アルバム第一弾。DOOM SQUADは JOHN BUSH、SCOTT IAN、JORG FISCHER、JOEY BERAといった連中の プロジェクト・バンドで、お遊び的なアレンジだが取り立てて 面白いというものではない。RADAKKAは録音も悪いし、何故 こんなに無名なバンドを起用したのかは謎だ。同じ新人バンドでも 日本盤も出たLIONS SHAREの方が遥に上出来だ。キーボードが かなり前面に出ているバンドなので、このアレンジもそういう 方向で興味深い。TESTAMENTの場合、カバーでもTESTAMENTにしか 聞こえないところはさすがだろう。KING DIAMONDのヒステリックな スクリーミングもそれなりに面白い。[78]
FAST WAYのボーカリストでN.W.O.B.H.M.関連ではちょっと名前の 知れたLEE HEARTのソロ・プロジェクトの第3弾。FAST WAY、 その他で関わるものが全てつまらないという状況がずっと 続いたので今更なのだが、このアルバムでは全曲とまでは 言えないものの、良質のキャッチーなハード・ポップ・ナンバーが 数多く存在しているのだ。MICK WHITEが書いて自身で歌っている 3曲は中々の出来なので、彼がソロ・アルバムを作れば結構良い 作品を作るのではないだろうか。それ以外にもLEE HEARTが 書いている曲でもI Just Wanna Be Free等は良い曲だ。 LEE HEART自身は2曲しか歌っておらず、ボーカリストとしては SAMSONのMICK WHITEの他にはGIRLSCHOOLのJACKIE BODIMEAD、 PAUL DIANNO、DENNIS STRATTON、FMのSTEVE OVERLANDが 参加している。[85]
1992年にリリースされたアメリカのパンク・バンドの トリビュート・アルバム。参加しているバンドのうち、パンク側の バンドに関しては置いておいて、メタル的なトピックスとしては NAPALM DEATH、SEPULTURA、FAITH NO MOREらが 参加している事だろう。これらのバンドにはパンク的な アティチュードがあり、その参加は決して不自然な感じはしない。 SEPULTURAはまさにらしい味付けを施してあり、NAPALM DEATHも 良く特色が出ている。この二つのバンドに関しては高速で、 スラッシィな展開が聴ける。FAITH NO MOREに関してはクレジットを 見なければ判らないだろう。メタル側の人間からすると、これを どれだけ楽しめるかは謎だ。[75]
1992年にリリースされたEARACH所属のアーティストによる BLACK SABBATHのトリビュート・アルバム。ドゥーム、デス系の バンドがやるにはもっともはまる題材だけにどのバンドも 自らの個性に合った消化をしているし、選曲も面白い。GODFLESHの Zero The Hero等は源曲が殆ど判らないまで デフォルメされているし、インダストリアル風のPITCHSHIFTERの N.I.B.やシンセサイザーとサンプリングを前面に押し出したOLDの Who Are You?と実にユニークだ。SCORN等は元からやってる音楽が 良く理解出来ていなかったが、カバーをやってもカバーに 聞こえないまで徹底されているのは絶句する。CATHEDRALは さすがというところだろう。[81]
JUDAS PRIESTのトリビュート・アルバム第二弾だが、第一弾が そうだったように、JUDAS PRIEST(というかROB HALFORD)の個性が 強すぎてそれぞれのバンドの個性が 負けてしまっているのではないだろうか。むしろSKYCLADの様な 個性ばかりで楽曲はあまり面白くないバンドの方がむしろ独自性が 出ていて、自身の曲等よりかなり面白い。それ以外のバンドでは 悪くない出来のものも多数存在するが、飛抜けて面白いとは 言いかねる。カバーなのだから、思いっ切り源曲に忠実にやるとか 斬新にアレンジするとかしても良さそうに思うが、全体的に何か 煮え切らない作品になってしまっている。[79]
N.W.O.B.H.M.期にムーヴメントを支えたレーベルの一つで、変な 日本語をジャケットに入れることで有名だった HEAVY METAL RECORDSでリリースされたTHE HANDSOME BEASTS、 BUFFALO、DRAGSTER、LAST FLIGHT、SPILIT BEAVER、 SATANIC RITESの7枚のシングルをCD化したもの。全体的に ロックンロール調の作風の楽曲が中心で、録音状態も悪く、 良くも悪くもN.W.O.B.H.M.らしいアルバムになっている。 さしてずば抜けた曲がある訳でもないので、特別とりたてる様な アルバムでもないが、貴重といえば貴重だろう。個人的には SATANIC RITESのHit And Run等はラフで哀愁があって好きな 曲だが。[82]
N.W.O.B.H.M.の9枚のシングン等からピック・アップされた コンピレーション・アルバム第2弾。SAMSONはまだアルバムを リリースする前の1977年にリリースされたデビュー・シングル MR.ROCK 'N' ROLLの2曲と1978年にリリースされた2ndシングル TELEPHONEからの2曲で、デビュー時のSAMSONを知るには貴重な 作品だが、音も悪いし、さほど気に留めるべき程の曲でもない。 STORMTROOPERはキーボードを配した、かなりプログレッシヴ色の 強いバンドで、この中では少々異色のバンドだろう。JANINEは ドライヴ感のあるロックンロール色のあるサウンドで いかにもといった作品だ。XEROは先頃ソロ・アルバムを リリースしたBILLY LEISEGANG率いるバンドでOH BABYは1983年に リリースした唯一のシングルなのだが、それはともかくとして 1980年にサンプル盤として出たHOLD ONで、BRUCE DICKINSONが クレジットされているようで、そう言われればそういうような 気がしないでもない。PARALEXは1980年にリリースされた唯一の ミニ・アルバムTRAVELLING MANからで、扇情的なサウンドは 結構いける。SHIVAは先頃唯一のアルバムFIREDANCEも CD化されたが、こちらは1982年にリリースされたシングル ROCK LIVES ONから。E.F.BANDは実際は北欧のバンドだが、 一般的にはこのシーンで語られることが多い。1979年に リリースされたデビュー・シングルNIGHT ANGELからで 内容的にもそったものだった。[82]
ドイツのメロディアスなハード・ロック・バンドの2ndアルバム。 4曲がデビュー盤からのリメイクで、その外がカバー曲という 企画盤的色彩の強い作品だ。そのためもあってか、デビュー盤とは 多少趣を変え、ピアノを配したアコースティック色の強い 内容になっている。カバーはメタル以外のマイナーなものが 多いが、面白いのはSAIGON KICKのSpanish Rainの選曲で、更に 甘いポップ・ナンバー似仕上げている。全体的にピアノと アコースティック・ギターを中心に、ボーカルの ANDY KUNTZが甘く哀しく歌い上げている。叙情的にじっくり 落ち着いて聴ける作品だ。[83]
ボーカルのVAN STEPHENSONを中心とするアメリカの ハード・ポップ・バンドが1984年にリリースした恐らく デビュー盤。メンバー・ショットはルックスがあまり良くない上に 全員サングラスをかけていて、若干不気味だが、軽快で 湿り気のある産業ロック風の楽曲が並ぶ。捨て曲無しとは言い 難いし、完成度等を見ればまだ不満が残るが、キャッチーな メロディ・センスは評価できる。VAN STEPENSONの軽いボーカルが より一層AORっぽさを醸し出している。70年代後半から 当時にかけてははやりのスタイルだったが、今では どちらかというと懐かしい感じのする作品だ。[78]
1995年にL.A.で行われたPROGFEST '95の模様を収めた 6バンドによる2枚組みライヴ・アルバム。ARS NOVAは日本の 女性トリオで、インストルゥーメンタルの シンフォニック・ロック・バンドである。イタリアン・ロック的な 雰囲気があり、キーボードが前面に押し出された楽曲は結構良い 出来だ。LANDBERKはスウェーデンの シンフォニック・ロック・バンドで、シアトリカルな部分もある。 イタリアのDEUS EX MACHINAはよりそういった傾向の強い バンドで、バイオリンもそういう雰囲気を強めている。ドイツの シンフォニック・ロック・バンドのWHITE WILLOWが このアルバムでは最も得意なバンドだろう。ゴシック的な バンドで、女性ボーカルがその雰囲気を助長している。 SPOCK'S BEARDはこのアルバム中でも現在最も 注目されているだろう プログレッシヴ・ハード・ロック・バンドだ。16分にも渡る 大作も、そつなくそのレベルの高さを示している。トリの SOLARISはハンガリーのシンフォニック・ロック・バンドで フルートを交えた楽曲は非常にスペースの広がりを 感じさせてくれる美しいメロディを持っている。[84]
アメリカ人ボーカリストVAN STEPHENSON率いるロック・バンドの 1986年にリリースされた恐らく2ndアルバム。デビュー盤より更に ハード・ロック色は消え、 アメリカン・ロック/ハード・ポップ色の強い作品になっている。 キーボードの露出度が増し、スロー・テンポからミドル・テンポの 優しく落ち着いた大人っぽい雰囲気の内容になっている。 じっくりと聴かせるような叙情的な楽曲が多く、のりという点では 前作には及ばないが、これはこれで良く出来ている。淡々と 進んでいき、地味さは否定できないが、メロディは印象的で良く 練られているし、AOR的な雰囲気のアルバムが好きな人は いけるだろう。Fist Full Of Heatの様なアップ・テンポの曲を もっと入れても良かったのではないだろうか。[84]
N.W.O.B.H.M.期のマイナー・バンドの、DEALARを母体とする メロディアスなヘヴィ・メタル・バンドの3rdアルバム。 とはいえ、この作品で、DEALER時代のメンバーは全員 脱退してしまい、唯一残ったPETER J.SOUTHERNを元EMPIREの メンバーがサポートする形になっている。そのためか音楽性に 変化が見られ、2ndまではメロディアスながらもかなりポップな 作品だったが、今作ではこれまで以上にL.A.メタルっぽい というかDOKKENっぽい部分があるが、よりヘヴィな作品に 仕上がっている。楽曲の出来はばらつきがあって、扇情的な じっくり聴かせる曲は中々良いのだが、それ以外の曲は少し 苦しい。ポップ・センスという点では、明らかに以前より 減退している。[79]
オランダの元ZINATORAのキーボードによるユニットの 4thアルバム。日本公演でもツアー・メンバーとして参加していた ギタリストVINNY KAYはこのアルバムでも何曲か参加している。 もう既に完成してしまったと言って良いそのスタイルは、 これまでと何ら変るところはない。大仰で、ドラマティックで、 甘すぎるほど甘いメロディはポップ・センス溢れて非常に良い 出来ではあるが、恥ずかしいまでの甘ったるさが 受け入れられなかった人には、この作品も聴けないだろう。逆に 今までのファンには安心して聴ける作品だと思う。[83]
ポーランドのデス・メタル・バンドの2ndアルバム。 ブラスト・ビートを織り込んでくるブルータルなものだが、 グラインド・コア系と言うよりも、かなりSLAYER的なスラッシィな サウンドだ。ヘヴィで重苦しいが、圧倒的な音の洪水が高速で襲い 掛かってくる様は圧巻だ。とにかく、リフが中心なのだが、そこに 織り込まれるメロディも悪くない。アグレッシヴで攻撃的な スラッシュ・メタルという雰囲気があり、うなり声の様な デス・ボイスもそれ程聴きがたいものではない。これだけの サウンドを紡ぎ出すテクニックというのは大したものだと思うし、 SLAYERが好きなら聴けるだろう。[79]
デス・メタル、ブラック・メタル・バンド等によるIRON MAIDENの トリビュート・アルバム。せっかく、これらのバンドが カバーするにしては、それぞれの味が見え難いものになっており、 何のために、こういったアルバムを作る意味というのが 見えてこない。特にそのままカバーしているという風なものは、 普通に歌えますという意外に、カバーをやる意義というのは 何だったのだろう。CEREMONIAL OATHのデビュー・アルバムで Hallowed Be Thy Nameをバックは完コピ、ボーカルが情けない デス・ボイスというユニークなカバーは面白味があったが、 このアルバムにはそういうものはない。LORD BELIALは独自色を 出しているのだが、何が何だかわからないものに なってしまっている。ARMAGEDOONやNAGLFARは中々良い味を 出していたが。せっかくこの手では割と名のとおったバンドを 連れてきてるのだから、もう少し面白いものが出来ると 思うのだが。既にCEREMONIAL OATHがやってしまったという事実が インパクトをなくしてしまったのだろうか。[78]
Heavy Metal Recordからリリースされた、2枚の コンピレーション・アルバムをカップリングしてCD化したもの。 N.W.O.B.H.Mのアーティスト集めたシリーズもので、それぞれ 1981年と1982年にリリースされた。収められているアーティストは 有名、無名合わせて実に多彩で貴重な音源と言って良いだろう。 当然と言うべきか、全体的にロックンロール調のものが主流だ。 有名どころと言っても、WITCHFINDER GENERAL、GRIM REAPER、 JAGUAR、BITCHES SINと言った辺りなので、たかが知れていると 言っても良いだろう。MENDES PREYの What The Hell's Going On?等、中々印象的なメロディだが、 全体的にレベルが高いとは言い難い。それでもいかにも N.W.O.B.H.M.らしい内容が続き、マニアには必聴のアルバムと 言って良いだろう。[81]
N.W.O.B.H.M.及び、その当時のブリティッシュ・ヘヴィ・メタルの 音源を集めたコンピレーションCD。既にCD化された音源もちらほら 見受けられるが、中には貴重な音源もなくはない。 B級バンドばかりだが、日本でもかなり名の知られたバンドが ほとんどで、全くCD化されていないバンドはMOURNBLADE位だろう。 N.W.O.B.H.M.系ではWITCHFYNDE、GIRLSCHOOL、HERITAGE、 TERRAPLANE、ACE LANE、TYGERS OF PANG TANG、SAVAGE、GASKIN、 SPIDER、PERSIAN RISKと言ったところ。THUNDERの前身、 TERRAPLANEのI Will Surviveのシングル・バージョンなどは CD化されていないので、それなりの収集価値はある。[85]
エクストリーム系のレーベルとして名を馳せる、EARACHEの 23の所属バンドを集めたコンピレーション・アルバム。 説明するまでもなく、グラインド・コア、 デス・メタルといったところで構成されており、非常に限定された ジャンルのレーベルだけに、レーベル紹介という意味では意義が あるかもしれない。こういったジャンルがまだ余り一般に 認知されていない1991年にリリースされたもので、後に名を馳せる MORBID ANGELやCARCASSといったバンドも混じっている。 CARCASS等もメロディックな方向性を打ち出す前であり、全体的に グラインド・コア的な色合いが強い作品である。こういう作品が 好きでない人には聴きがたいものだろう。[58]
1984年に公開されたアメリカ映画のサウンド・トラック。 大ヒットとまではいかなかったが、38 SPECIALSのTeacher Teacher 等、シングル・ヒットも生んでそれなりには売れた サウンド・トラックで、ハード・ロック系も織り交ぜた 内容になっている。ハード・ロック系ではNIGHT RANGER、 FREDDIE MERCURY、ZZ TOP、ERIC MARTIN辺りが注目 出来るところだ。全体を見ると、少し物足りないが、特に ERIC MARTIN & FRIENDはNEAL SCHONと合体した、レアな作品だと 言って良いだろう。なかなかのりの良いハード・ナンバーが 揃っており、結構良い出来だ。[77]
B級ホラー映画の1992年にリリースされた サウンド・トラック・アルバム。ハード・ロック・ナンバーが 約半数を占めているが、MOTORHEADのHellraiser、 ELECTRIC LOVE HOGSのI Feel Like Steve、TRIUMPHの Troublemaker、HOUSE OF LORDSのDown, Down, Downと見事に 既発曲ばかりで、唯一MOTORHEADのHell On Earthだけが 新録である。これもそれ程面白い曲ではないので、このアルバムを 購入する価値はほとんどないと言って良いだろう。まぁ、初見の バンドがあって興味が引けばだろうが、それなら素直に そのバンドのアルバムを買った方が良いような気がする。[58]
JEFF PILSON、ZAKK WYLDE、VIVIAN CAMPBELL、SEBASTIAN BACH、 SLASH等ハード・ロック、ヘヴィ・メタル系の 有名ミュージシャンの参加したLED ZEPPELINのカバー・アルバム。 なのだが意外にのりが悪いというか、グルーヴィ感が出ていない。 特にCommunication Breakdown等はオリジナルののりはなく、 ボーカルのSEBASTIAN BACH一人が頑張っている感じがする。 そういう意味ではRock And Rollは割と良い出来で、LITA FORDの ボーカルもそう悪くない。そういった部分の少ない Stairway To Heavenは意外と健闘しているのが最後に 盛り上がりのないまま終わるのはいかんともしがたい。なんだか これだけのメンツが揃った割には非常にこじんまりとした アルバムという気がする。[75]
ポーランドのデス・メタル・バンドの1996年にリリースされた 3rdアルバムで、カバーばかりを収録された言わば企画盤。 スラッシュ・メタル、グラインド・コアのバンドがほとんどで、 彼等のルーツと言うべきものだろう。ブラスト・ビートを 多用して、本家の度肝を抜くような怒涛のリフを展開している。 高速で圧倒的な音の洪水は圧巻で、いかにも彼等らしい作品と 言えるだろう。唯一方向性が違うのはBLACK SABBATHの Black Sabbathでさすがに彼等もOZZY OSBOURNEの呪術的な ボーカルだけは一歩譲る結果になってしまっている。[81]
デス・メタル、ゴシック・メタル、スラッシュ・メタルといった アンダーグラウンドのバンドを集めたコンピレーション盤。 デス・メタル系はいわゆるブラスト・ビートを使った、 ブルータル・デスといったものはほとんどなく、全体的に スラッシュ系のもので統一されている。ゴシック系もそれ程 ゴシック色を強く押し出したものではなく、故に特別聴きがたいと 感じるものはない。それとは逆にこれといった飛び抜けたものも なく、どれもそこそこという感じしかしない。面白いかどうかは 別にして、唯一異彩を放っているのはDESERT RAIN位だろう。[54]
オランダのシンガーの4作目のアルバム、UNITEDからカットされた シングル。季節に合わせたクリスマス・ソングで、更に 1st Xmas Without Uという新曲もそれに合わせて カップリングしている。その他にはCHOPINとBEETHOVENを カバーしたものとI Believe In YouのMORZARTバージョンの 計5曲からなっている。CHOPINのImpromptu op.66は クラッシク・アレンジでカバーしているが、BEETHOVENの第九は VALENTINEらしいロック・アレンジになっている。全体的に クラッシク的な雰囲気が強いが、VALENTINEらしい作品で、彼の ファンなら気に入るのでは。[83]
ブラジルのロック・バンド5組みの曲を集めた コンピレーション・アルバム。全体的にハード・コア、 インダストリアル的な色合いのあるバンド達で、それなりに メタル色もある。P.U.S.はパーカッションと打ち込み、 ギターリフを中心としたインダストリアル・ロック・バンドで ヘヴィで疾走感のあるリフが中々良い。VARNA LISIは ミクスチャー・ロックと言えるものでヘヴィなギター・リフが グルーヴィ感を醸し出している。EDGARD SCANDURRAはソロの アーティストで、歪んだ音作りをしたパワフルなロックと言う 感じだ。PRAVDAはファンキーなフュージョンっぽい部分もある ロックで、この中では最もメタル的でないバンドだろう。OKOTOは パンク色のあるハード・ロックという感じで、グルーヴ感がある。 全体的に楽曲は短めで、ヘヴィ・メタルと言うジャンルからは少し 外れる感じがするが、それぞれ個性的で面白いと思える 部分はある。[78]
ポーランドのデス/スラッシュ・メタル・バンドの3rdアルバム。 SLAYERタイプのスラッシュ・サウンドは今作でも変わる事なく 継承されている。デス・ボイスはそれ程きつくなく、やや 咆哮している事を考えればノーマルなだみ声のボーカルとほとんど 区別はつかず、そのままSLAYERフォローワーの スラッシュ・メタル・バンドと言っても通用するだろう。故に SLAYERのブルータルさが駄目な人はこのバンドも同様に面白く 思えないだろうし、SLAYERが好きならばこのバンドも受け 入れられるはずだ。出来自体もかなりクオリティは高い作品で、 破壊力がある。[84]
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドのライヴ音源を集めた コンピレーション・アルバム。そのタイトルが示す通り、SAMSON、 GIRLSCHOOL、ANGEL WITCH、TANKと言う4組みのN.W.O.B.H.M. バンドの音源を集めたもので、この作品もどうやら音源の出元は 全てPAUL SAMSONの様だ。ANGEL WITCHに関しては、全て以前 HIGH VAULTAGEレーベルよりリリースされた82 REVISITEDからの 音源で、GIRLSCHOOLも既発音源の様だ。特に注目すべき音源は TANKで、1984年に行われたMETALLICAとのツアーからのものだ。 観客ののりも、疾走する勢いもなかなか素晴らしく 聴きごたえがある。[83]
ドイツのヘヴィ・メタル・バンドのアコースティック・アルバムを 除けば2ndアルバムとなる作品の限定2枚組みフランス盤。1枚目の 本編は日本盤のボーナス・トラックの代わりに Combien De Larmesという曲を収めたもので、2枚目には先の アコースティック・アルバムより2曲と、日本盤の ボーナス・トラックであるRaining In My Heartが 収められている。結構、アコースティック的な要素をふんだんに 盛り込んでおり、先のアコースティック・アルバムのアイデアを うまく取り入れている感じだ。叙情的なメロディは美しく、切々と 歌い上げるANDY KUNTZのボーカルも効果的だ。それなりに フックもあり、じっくりと聴かせてくれる、良いアルバムに 仕上がっている。[87]
1980年にリリースされたN.W.O.B.H.M.の伝説の コンピレーション・アルバム。N.W.O.B.H.M.初期のシングルを リリースしただけの、ほとんど無名で終わったバンド群が主で、 今でもある程度名前が知られているのはVARDIS位だろう。1992年に かつてのメンバーがKRAKATOAというバンド名でCDをリリースした DAWN WATCHERや、VINYL TAPから1994年にDAY TO DAYという ライヴ・アルバムがリリースされたRHABSTALLION、シングルが コンピレーションCDに収められたBUFFALO等はまだ少し名前が 知られているだろうが、それでもたかが知れている。内容のほうは 音質は良いとは言えないがが、この手のものとしては 酷すぎるというほどでもない。ロックンロールの曲調が中心で、 イギリスのバンドらしいわびしさを感じさせながらも熱い サウンドを聴かせてくれる。飛び抜けて良く出来ているという様な 楽曲はないが、それぞれそれなりに良い出来で、マニア向けの アルバムとはいえ、十分堪能出来た。[86]
LYNARD SKYNARDや38 SPECIALS等でその名を知られるVAN ZANT ファミリーの一人、JOHNNY VAN ZANT率いるアメリカの ハード・ロック・バンドの1985年にリリースされたデビュー盤。 AOR的な色合いの強い、叙情的なメロディのキャッチーな アメリカン・ハード・ロックだ。整った楽曲で、派手さが無く、 整い過ぎという感じもしなくはないが、2+2等はなかなかの 佳曲だ。憂いを帯びたメロディは非常に素晴らしく、心に染み 渡っていく。もう少しフックが欲しいところだが、出来自体は 満足の行けるだけの作品に仕上がっている。[83]
SAMMY HAGARの脱退により、新ボーカリストとしてEXTREMEの GARY CHERONEを迎えての初のアルバム。 意識してそうしているのか、元々の気質でだからこそ彼が ボーカルに選ばれたのか、こうして聴いてみるとGARY CHERONEの ボーカルは非常にSAMMY HAGARに似ていて、彼が 新ボーカリストとして選ばれたのも納得が行く。これまでの作品と 比べると、気だるさを感じる位で、ややダークな感じさせる程だ。 音楽性の変化と言う程大きな変化ではないが、そういう部分を 受け入れられないと、落ち着いた感じがして、やや盛り上がりに 欠けると感じるのではないだろうか。[82]
ポーランドのデス・メタル・バンドの1996年にリリースされた ライヴ・アルバムに、1995年にリリースされたミニ・アルバム、 SOTHISをパッケージしたもの。タイトルが示すとおり、録音は デビュー間もない1993年に録音されたもので、当然楽曲も 初期のものということになる。非常にブルータルなサウンドで、 ブラスト・ビートも多用したものになっている。録音も良いと言う 訳ではないし、混沌とした雰囲気はあるが、そのパトスは十分 感じることが出来る。ブルータルなデス・メタルらしい音の 洪水で、結構強烈な作品だ。強烈さはさして変わりはないが、 ライヴに比べて、ミニ・アルバムのほうはかなり整理されていて、 混沌という様な感じはしない。[79]
ヘヴィー・メタル系のレーベル、ROADRUNNERに所属する デス・メタル系のバンドを集めたコンピレーション・アルバム。 1980年代から1990年代初頭にかけての昔の音源を 集めたものであり、いわゆる未発表曲というものはなく、今更 取りたてて騒ぐ内容ではない。DECIDEやOBITUARYと言った、その後 大物となったバンドや、プログレッシヴ・ロックとの融合で非常に 注目されたCYNIC等、初期のデス・メタルを知らない人には 聴くべきところも多い。そのほとんどがブルータルな方向性を 打ち出したものだが、中にはデス・メタルと言うより スラッシュ・メタルといったほうが正しいものもあるし、 そういった意味では思ったほど聴き難い作品ではないだろう。[80]
詳細は全く不明だが、多分ドイツか北欧当たりの プログレッシヴ・メタル・バンドの自費出版によるデビュー 盤だろう。かなりヘヴィ・メタル然とした重厚なサウンドで 迫力がある。方向的にはダークなサウンドの扇情的な ドラマティックな楽曲で構成されている。楽曲の出来も この手のものとしてはかなり上物の部類に入るし、演奏に めりはりがあって良いアルバムに仕上がっている。ダークで クールな雰囲気があるが、扇情的に盛り上げていくため、あまり 一本調子という感じもない。女性コーラスやサックスをうまく 導入したりと工夫も感じられるし、プロダクションも良く、 思わぬ掘り出し物以上の作品に仕上がっている。[90]
ドイツのTV局の放送用音源を集めたコンピレーション・アルバム。 普通のアルバムに収録されている音源も多数あるが、この アルバムでしか聴けない貴重なものもある。この放送用のライヴ 音源ではSOLITUDE AETERNUSのWell Of Souls、HAMMERFALLの I Believe、TROUBLEのOpium-Eater、THERIONの The Beauty In Black、BLITZKRIEGのPower Of The King、 ICED EARTHのI Die For You等のものが収められている。 残念ながら、このライヴ音源の録音状態が酷い物が多く、そんなに ライヴ音源の無いバンドたちのせっかくの貴重な音源だけに少々 残念だ。録音状態がましなのはHAMMERFALLとICED EARTH位だ。 THERIONは女性コーラスを二人程入れているようだが、やはりあの コーラスを再現するのは少し難しいと言った所だろうが、それは いたしがたないだろう。[76]
イギリスの古今東西のハード・ロック/ヘヴィ・メタル系 アーティストを集め、1996年にリリースされた2枚組みの コンピレーション・アルバム。TANK、SAMSON、WITCHFYNDE、 GIRLSCHOOL、PERSIAN RISK、HERITAGE、SPIDER、TERRAPLANE、 EXCALIBUR、TYGERS OF PANG TANG、GASKINと言ったN.W.O.B.H.M. 系のバンドも収められていて中々濃いアルバムになっている。 既発曲ばかりとは言え、初CD化のものもあり、結構貴重な アルバムだろう。DEEP PURPLE、LED ZEPPELIN等、イギリスの ハード・ロックを知る上ではという様なメジャー級は 外れているのし、割とマニアックな選曲なので、入門者用とは いかないが。[86]
オランダ人シンガー・ソング・ライターによる3年振りの3rd アルバム。方向的にはこれまで同様のQUEENの影響を幾分受けた 彼独特のサウンドだが、甘いボーカルがより強調されているような 印象を受ける。彼のボーカルが甘すぎて少し気になるという 人には、今作でもそれは確実に気になるはずだ。アップ・テンポの ナンバーよりもバラード等の素朴な楽曲の方がまだ彼のボーカルも 自然で、普通に聴いていられる。The First One等がそれで、 在り来たりでユニークさはあまり感じられないが、それが故に 安心して聴ける。GANTENBRINKは明らかにQUEEN的メロディに QUEEN的コーラスだが、そこに中近東風のメロディを持ち込んで、 プログレッシヴ・ロック的な仕上がりにしているのが面白い。[82]
元METAL CHURCHのアメリカ人ギタリストによる ハード・ロック・バンドの1stアルバム。方向的には METAL CHURCHの様なパワー・メタル/スラッシュ・メタル的な 色合いは全く無く、1970年代的なアメリカン・ロック色と今風の オルタナティブ・ロック色を持ち合わせたサウンドになっている。 テンポは割と良いのだが、その中にも気だるさを感じさせる様な 部分があったりと、今までの彼の書いた曲とは一風違った 作風になっている。Take To The Sky等はハモンドを大幅に 導入して古臭いハード・ロックをやっている。これが結構 グルーヴィで格好良く、アルバムの出来的には決して 悪くないのだが、彼のファンにとっては戸惑う作品だろう。[78]
ポーランドのブルータル・デス・メタル・バンドの ミニ・アルバム。新録が3曲にリミックスが4曲と言う 構成になっている。新録の3曲は、いかにも彼等らしい、 ブラスト・ビートを交えた暴虐的なデス・メタルで、彼等の ファンには十分納得の行く物に仕上がっているだろう。一方で、 その対極とも言えるような内容になっているのが、リミックスの 4曲だ。エレクトリック・ダブ的なエッセンスも感じられる インダストリアル的なサウンドになっており、非常にユニークな 内容だ。サンプリング等、ふんだんに取り入れられていて、 企画盤らしいものになっている。[79]
元ZINATORAのオランダ人キーボードによる5thアルバム。これまで 何かとQUEENと対比される事が多かったが、今作ではこれまでの 甘ったるい仰々しさがかなり控えめになっており、こういった 部分が鼻についたこれまでの作品と比べるとかなり聴き易いと言う 印象を受ける。QUEEN的なメロディやコーラスも 失われてはいないが、もっと多様性と言うか、Never II Late等、 QUEEN的な部分のない、憂いを帯びたヨーロッパ的な叙情的 ヘヴィ・メタルという様な一面も強く見せるに至っている。 それでもまだ甘ったるいと言う感はあるが、メロディの良さは 相変わらずだし悪くない出来だ。[83]
1982年にリリースされたN.W.O.B.H.M.の コンピレーション・アルバム。BLACK ROSE、BRANDS HATCH、 BATTLEAXE、SATAN、MARAUDER、UNTER DEN LINDEN、SKITZOFRENIKと 言う7組みのアーティストが2曲づつ参加している。ある程度 メジャーと言えるのはSATANだけだが、Oppressionと The Executionerは恐らく初CD化で、そう言った意味でも貴重な 作品だ。全体的にいかにもN.W.O.B.H.M.らしい、少し パンキッシュで憂いのあるロックンロール・ナンバーが中心だ。 例に漏れずかなりチープなプロダクションのものも多いが、意外と この手のものとしては録音状態はそこそこましだ。特にMARAUDERは 楽曲も結構洗練されていて、他のバンドとは一線を画している。 [84]
NUCLEAR BLAST所属のゴシック・メタル系のバンドを集めた コンピレーション・アルバムの第2弾。前作では単にこれまで 出ていたアルバムからの寄せ集め的な紹介アルバム以外の 何ものでもない作品だったが、今作では未発表音源がかなり 含まれていてそれなりに価値はある。MUNDANUS IMPERIUMの美しい インストルゥメンタル・ナンバー、Beyond The Earthlyで幕を 開け、CHRISTIAN DEATHのダークでアンビエントなナンバー、 Die With Youで締めている。この他、未発表音源としては LONDON AFTER MIDNIGHTのThe Bondage Songは ニュー・ウエィヴ系の打ち込み主体のものでも最たるもので、 こういうものが受け付けられないとかなり厳しい。THERIONの BLACK SUNはこの時点では未発表であったが、その後自らの アルバムに収録されている。LEFT HAND SOLUTIONのWorn Awayは バンドとしてはかなりニュー・ウエィヴ色の薄い楽曲だ。 LACRIMOSAのNot Every Pain Hurtsは完全に打ち込みが主体で、 かなりニュー・ウエィヴ色が強い。LOVE LIKE BLOODのPhrasesは かなりダークな感じがする楽曲だ。その他、既発表音源としては THE GATHERING、TIAMAT、MOONSPELL等が収められている。[81]
エクストリーム系のレコード会社としては知る人ぞ知る、 EARACHEの1993年にリリースされたコンピレーション・アルバム 第2弾。CATHEDRAL、MISERY LOVES.CO.、PITCH SHIFTER、 MASSACRE、AT THE GATES、BRTUTAL TRUTH、ENTOMBED、 NAPALM DEATHと言った層々たるメンツを始め、COALESCE、 EXTREME NOISE TERRORが参加している。このアルバム、リリース 時には未発表曲だったものも、ほとんどがそれぞれのアルバムで 後に発表され、今ではある程度貴重なのはAT THE GATESの The Dying位だろう。AT THE GATESとしてはまずまずの出来で、 らしい楽曲で聴きごたえはある。[78]
先頃事故死したRAINBOW、M.S.G.BALCK SABBATH、等で活躍した ドラマー、COZY POWELの日本のミュージシャン等による トリビュート・アルバム。同時期にRAINBOWのカバー・バンド、 虹伝説によるアルバムがリリースされており、楽曲や参加 ミュージシャンが重複している。虹伝説と比較するとキーボードが 今一つつまらないし、選曲も不満がなくはない。全体的に こじんまりとした感じで、やや盛り上がりにも欠けるのが残念だ。 COZY POWELのトリビュート・アルバムと言う事で、ソロや JEFF BECK GROUPと言う、今のメタル・ファンには馴染みの薄い 所を入れなければならなかったのも辛いところだ。出来自体は 決して悪い出来だとは思わないのだが、あまり感情に訴える部分が 伝わってこない。[80]
アメリカ人ギタリスト、STEVE VAIによるクリスマス企画アルバム 第2弾。参加ミュージシャンTOTOのSTEVE LUKATHER、JOURNEYの NEAL SCHON、STEVE STEVENS、TREVOR RABIN、ZAKK WYLDE、 JOHN SYKES、ROBIN TROWER、AL DI MEOLA、TED NUGENTと ハード・ロックに限らず、ロック、プログレッシブ・ロック、 フュージョンと言った幅広い分野から参加している。アルバムの 趣旨から、あまり派手な楽曲はなく、どちらかと言えばじっくりと 聴かせる作品が主流だ。全編、インストルゥーメンタルだが、 名うてのミュージシャン揃いなだけに、さすがに聴かせてくれる。 ヘヴィ・メタル然とした部分を聴かせてくれるのは JOHN SYKESだけなので、ヘヴィ・メタルのファンにはやや辛いかも 知れないが。[79]
イギリスのプログレッシヴ・バンド、GENESISの トリビュート・アルバム。BRAND X II、THE FLOWER KINGS、 JOHN WETTONと言ったプログレッシヴ・ロック系のアーティスト 達が参加していて、正当なプログレッシヴ・ロック的作品に 仕上がっている。全曲、PETER GABRIEL時代の楽曲だけで 構成されており、全体的に落ち着いた作品に仕上がっている。 それ故、ハード・ロック系のファンにはあまり関わり合いのない 作品と言っても良いだろう。割とオリジナルに忠実に カバーされており、GENESISファンにはそれなりに味わい深い 作品ではないだろうか。[80]
ポーランドのデス・メタル・バンドの来日公演の模様を収めた ライヴ・アルバム。スタジオ盤でのあの超絶な演奏が本当に 再現できるのかと言う疑念があったが、ここまで来ると凄いとしか 言い様がない。スピードもスタジオ盤そのままに、ブルータルな ブラスト・ビートを紡いでいく様は一種畏敬の念を抱かざるを 得ない。ブルータル・デス・メタルが嫌いだと苦しいかも 知れないが、スラッシュ・メタル的なリフを基調に非常に攻撃的に 展開していく様は見事だし、ライヴでの再現力も素晴らしい。 ブルータル系デス・メタルのライヴとしては文句なく トップ・クラスに挙げれる作品だ。[84]
日本のゲーム会社セガ・エンタープライズのゲーム、 ソニック・アドベンチャーからボーカル入りの曲を集めた ミニ・アルバム。全曲がそうだと言うわけではないが、 ヘヴィ・メタル系のミュージシャンが数多く参加しており、 ハード・チューンを聴かせてくれている。TNTのTONY HARNELL、元 DANGER DANGERで現BONE MACHINEのTED POLEY、元のHARDLINEの JOHNNY GIOELIの他、元ANTHEMの柴田直人、元EZOの本間大嗣と 言ったメンバーが参加している。It Doesn't Matterは 疾走感のある格好良いハード・ロックで、中々爽快な楽曲だ。 陽気で能天気さの感じられるLazy Days、女性ボーカルは ポップ・ソング風だが、バックは中々パワフルな Believe In Myself、エッヂの効いたOpen Your Heartと言った 辺りがハード・ロック・ナンバーだ。[78]
アメリカ人シンガー、ALICE COOPERのトリビュート・アルバム。 これが参加ミュージシャンが凄くて、DEF LEPPARDのJOE ELLIOTT、 PHIL COLLEN、MR.BIGのPAT TORPEY、PAUL GILBERT、 BILLY SHEEHAN、元GUNS'N ROSESのSLASH、DUFF McKAGEN、 MATT SORUM、元OZZY OSBOURNEのTOMY ALDRIDGE、MIKE INEZ、 ZAKK WYLDE、RANDY CASTILLO、RUDY SARZO、BOB DAISLEY、 MOTLEY CRUEのVINCE NEIL、MICK MARS、IRON MAIDENの BRUCE DICKINSON、ADRIAN SMITHを始め、MARTY FRIEDMAN、 DON DOKKEN、SIMON PHILLIPS、GLENN HUGHES、PHIL LEWIS、 GEORGE LYNCH、JOHN NORUM、DEE SNIDER、RONNIE JAMES DIO、 CARMINE APPICE、ERIC SINGER、果てはTOTOのSTEVE LUKATHERまで 参加している。これだけでも聴く価値があるし、このメンツだけに 出来も素晴らしい。選曲的にはALICE COOPER初期の 楽曲ばかりなので、今のリスナーにはSchool's OutやEighteenを 除けばあまり馴染みのない楽曲が多いかもしれないが、 バラードあり、ハードありで、なかなか聴きごたえがある。[84]
インダストリアル/テクノ系ミュージシャンによるMETALLICAの トリビュート・アルバム。これまでもDIE KRUPPSが カバー・アルバムを作り、一部話題を呼んだりしたが、今作でも DIE KRUPPSが参加している。まぁ、いわゆる色物的な部分から どれだけ抜け出る事が出来ているかは疑問だが、 アーティストによっては、原形をほとんど留めていなかったりと、 それなりに興味深いところではある。VENOMのABADONがソロで1曲 参加しているが、この当たりになるとさすがに聴きごたえがある。 ダンサブルなビート等が割とふんだんに取り 入れられていたりするので、METALLICAのファンが聴いて 楽しめるかどうかはかなり微妙だが。[80]
N.W.O.B.H.M.バンドのベスト・アルバム。この手のものとしては、 最もロックンロール・タイプのサウンドで、それ故か、日本での 人気は今一つだった様に思える。しかし、本国では、4枚の アルバムを始め、数多くの作品をリリースし、それなりに 人気があったバンドだ。VARDISとしては、初のCD化で、 ライヴの100 M.P.H.等を聴いていると感じられる、SEAN HARRIS 似の、微妙にビブラートするボーカルも味がある。 N.W.O.B.H.M.と言っても全編に渡って、割と明るい ロックンロールなので、暗さを感じさせる様なタイプの楽曲を 想像していると外すだろうが、出来自体は中々良い。[84]
日本のヘヴィ・メタル・ファンジンの付録CD。日本の インディーズのヘヴィ・メタル・バンドをジャンルに囚われず 扱っていて興味深い。VIGILANTEはプログレッシヴ・メタルだが、 メタル的な要素をかなり強く押し出しており、それ程 プログレッシヴ的な香りは意識させない。CEMETERYも方向的には 似ているが、更により正統派でメロディアスなヘヴィ・メタルと 言った色合いが強い。CEMMENTはスラッシュ系デス・メタルで ヘヴィネス的な怒りを出しながらもよりスピーディで激しい。 JURASSIC JADEはかなりアバンギャルドで、グラインド的な 感じもあり、かなりユニークだ。NEGAROBOはグラインド・コア系 デス・メタルと言う感じだが、この手のものとしてはかなり聴き 易い部分もある。RAGING FURYは扇情的でおどろおどろしい スラッシュ・メタル、GOATSはスラッシュ系のデス・メタル。 SILVER BACKはパワー・メタルでB級臭いが、中々 聴きごたえがある。MAESTROMはメロディアスな正統派 ヘヴィ・メタルで、このアルバム中では最も聴き易い楽曲だが、 特に目新しさがあるわけでもないので、プロダクションも今一つな 事もあって、インパクトが感じられない。METALUCIFERは一部で かなり話題となったため、知名度も結構あるが、三重の ブラック・メタル・バンド、SABBATのメンバーによる プロジェクト・バンドで、1980年代の臭い ヨーロピアン・メタルだ。ETERNAL ELYSIUMは、今の日本の ドゥーム/ヘヴィ・ロックでは最高峰と言って良いバンドで、 1970年代的なサイケデリックな香りを振りまいており、一種独特の 世界を作り上げている。FATIMA HILLは扇情的な アコースティックのバラードをやっており、この曲は非常に 美しいが、これだけでは、本来の部分ははかれない。[80]
ゴシック・メタル系インディ・レーベルのHOLY RECORDDS所属 アーティストによるPARADISE LOSTのトリビュート・アルバム。 オリジナルに忠実にと言った要素はなく、全体的に自己の エッセンスによって昇華した作品になている。特にORPHAND LAND 等は、さびに至るまで、中東的なアコースティック・ギターを 中心に喋っていると言う感じなので、PARADISE LOSTとは 気づかないと言っても良い程だ。SEPTIC FLESHやMISANTHROPEと 言った、割と名の知られたバンドになると、源曲のエッセンスも 幾分残しながらも、自己というものを出している 辺りはさすがだが、そのためか他の作品に比べるとインパクトが 小さい気もする。ON THORNS I LAYは、彼等の アルバムでもそうだが、デス・ボイスがどうしても聴きがたい。 LEGENDAも激しい方向に向かっているのを象徴した様なカバーだ。 意外に面白かったのは、ARGILEのAs I Dieで、このバンド自体の アルバムは、この参加アーティストの中ではGLOOMY GRIMとSUPと 並んで彼等自身のアルバムを聴いた事がないのだが、 PARADISE LOSTの雰囲気を強く残しながらも、耽美さをより 増している。フォーク・メタルと言うコピーで売っている STILLE VOLKだが、さすがにここではヘヴィ・メタル的で結構 聴ける。YEARINGも彼等らしい、ドゥーム的な色合いが 出ている。全体的に楽曲がある程度安心して聴けるので、 これだけ色々なバンドを取り合わせていても、結構安心して 聴ける。順々に遡っていくという構成も中々ユニークだ。[81]
アメリカのインディ・プロレス団体、ECWのCD。とは言え、ここに 収められている楽曲は中々興味深いものばかりだ。WHITE ZOMBIEの El Phantasmo And The Chicken Run Blast-O-Ramaはバージョン 違いで、MEGADETHのTrustは インストルゥーメンタル・バージョン、それ以外は全て カバーになっている。ヘヴィネス系のバンド、KILGOREが やっているWalkは言わずと知れたPANTERAのそれだ。 BRUCE DICKINSONはSCORPIONSのThe Zooで、ギターはもちろん ROY Zが弾いており、このギターが中々扇情的で素晴らしい。 MOTORHEADはMETALLICAのEnter Sandmanで、LEMMYのボーカルが 意外にはまっている。GRINSPOONに関しては良く知らないが、 カバーしているのはPRONGの Snap Your Fingers, Snap Your Neckだ。同じくMuscadineも良く 判らないが、AC/DCのBig Ballsをカバーしている。TRES DIABLOSは PANTERAのPHILIP ANSERMOを抜いたプロジェクトの様で、ZZ TOPの Heard It On The Xをカバーしている。MONSTER MAGNETはMC5の Kick Out The Jamesを、極めつけはANTHRAXがMETALLICAの Phantom Lordをカバーしている。個々の出来と言うものはあるが、 思ってもみなかった、参加アーティストによるカバー集で、非常に 興味深い作品だ。[82]
コソボ難民救済のためのベネフィットによる コンピレーション・アルバム。かなりメジャーなアーティストが 集まっており、全曲アルバム未収録と中々美味しい 作品になっている。とは言っても、メタル系のバンドは BLACK SABBATHだけで、ある程度馴染みのあるバンドもPEARL JAM、 KORN、RAGE AGAINST THE MACHINE位だろう。BLACK SABBATHは Psycho ManのDanny Saber Remixで、オリジナルらしさを 残しながらも、デジタル・ハード・コア的な部分を持ち込んで、 OZZY OSBOURNEのボーカルや、バックにも微妙な色合いを 付けていて興味深い。[80]
アメリカのハード・ロック・バンドのトリビュート盤。安っぽい カバー・アルバム的なトリビュート盤も多い中で、これは本当に 豪華な参加メンバーだ。MARK SLAUGHTER、RUDY SAZO、 FRANKIE BANALI、TED NUGENT、PAT TORPEY、VINCE NEIL、 JACK BLADES、TOMMY SHOW、MIKE INEZ、RANDY CASTILLO、 RONNIE JAMES DIO、YNGWIE MALMSTEEN、STEVE LUKATHER、 TIM BOGERT、TOMMY ALDRIDGE、JEFF KEITH、TONY LEVIN、 ERIC SINGER、JACK RUSSEL、JEFF PILSON、BOBBY BLOTZER、 STEPHEN PEARCY、TRACII GUNS、PHIL SOUSSAN、AYNSLEY DUMBARを 始め、そうそうたるミュージシャンが参加している。メンバーが メンバーだけあって、それぞれの個性を出しながらも、うまく 昇華している。この個々のアレンジから受ける印象によって、 楽曲単位で評価が変って来るだろうが、演奏の方も問題がないし、 聴きごたえはある。やはりSTEVEN TYLARとのボーカルの質の差が 気になって来るところではある。[82]
ドイツのヘヴィ・メタル・バンドのトリビュート盤。ボーカルの UDO DIRKSCHNEIDERの個性が非常に強いバンドだけに、 カバーする方も中々難しい部分があるだろうと想像していたが、 ある意味それを内在した作品になってしまっている様に思える。 割と忠実なカバーが多いため、TANKARD、STEEL PROPHET等は 違和感をあまり感じないのだが、HAMMERFALL等は少しパワー不足に 思えない事もない。SODOMやATROCITY等は、それぞれのアイデアを 入れて来て、悪くない。THERIONのThe Kingは、自分達の スタイルに大胆にアレンジした割には持ち味が今一つ発揮 出来ていない様に思える。ボーナス・トラックとして、日本盤には DARKSEEDのMidnight Mover、ドイツ盤にはDIMMU BORGIRの Metal Heartが収められているが、バンドの代表曲といえる これらをメインから外してしまっているのは何とも残念だ。[80]
アメリカのハード・ロック・バンドの1980年にリリースされた 3rdアルバム。それまでの作品と比べると、かなりヘヴィな 音作りが試みられており、DAVID LEE ROTHのゴージャスな ボーカルがやや生きていない様に思える。DIVER DOWNや1984の様な シングル・ヒット向きの楽曲もなく、幾分散漫にも思える 作品となってしまっている。とは言っても、彼等らしさが全くない 訳ではなく、前後の彼等の作品と比べればと言ったレベルだ。 楽曲の出来も決して悪くないし、EDWARD VAN HALENのギターや DAVID LEE ROTHのボーカルを始め、十分彼等らしさもある。[82]
ドイツのヘヴィ・メタル・バンドの2ndアルバム。ボーカルは 元ACCEPT、現U.D.O.のボーカリスト、UDO DIRKSCHNEIDERの弟、 PETER DIRKSCHNEIDERだ。彼のボーカル・スタイルは、まさに UDO DIRKSCHNEIDERと言った感じで、特に高音部のヒステリックな 歌声はそのものと言っても良いくらいだ。但し、中音部で普通に 歌うことがあり、それは全然感じが違うのだが。音楽的な方向性も U.D.O.に近いので、U.D.O.のファンならばある程度満足 出来るだろう。U.D.O.までの完成度は残念ながらないが、その 出来は決して悪くないし、それなりに聴きごたえはある。[78]
日本で行われたN.W.O.B.H.M.の20周年記念フェスティバルの模様を 収めた2枚組みライヴ盤。当日、出演したTRESSPASS、SAMSON、 TANK、PRAYING MANTISのバンドを大体均等に収めている。 演奏時間の関係もあるが、TRESSPASSが全曲収められている以外は、 SAMSONが1曲、TANKが3曲、PRAYING MANTISが1曲づつ削られ、 最後のセッションもカットされている。とにかく非現役の メンバーが多いので、演奏的に辛いのは確かだ。しかし、その 割にはTRESSPASS、SAMSONはそれなりに健闘していたと言って 良いだろう。PRAYING MANTISはSTEVE CAROLLが足を引っ張った 形になっている。全曲収録できないのは仕方がないとしても、 カットのされ方が今一つ納得出来ない。演奏的に一番良かった TANKを多くカットされているのは残念としか言えない。屋外 ライヴであったことを考えても、音質の悪さも遺憾ともし難い レベルだ。[72]
どう言う経緯で作られたのか判らないが、 ハード・ロックンロール・バンドのコンピレーション・アルバム。 参加アーティストはSUB POP系のバンドから、ハード・ロック系の リスナーにも馴染みの深いバンドまで様々だ。BACKYARD BABIES、 THE HELLACOPTERS、THE A-BOMBS、元WARRIOR SOULのKORY CLARKE 率いるSPACE AGE PLAYBOYS、THE WiLDHEARTSのGINGERソロと中々 興味深い作品だ。SPACE AGE PLAYBOYSは、WARROR SOULに 比べると、かなりストレートなハード・ロックンロールになったと 言う感じで、KORY CLARKEらしさはあるものの、かなり聴き 易くなってしまったと言う感じだ。GINGERのソロは、MOTORVATEと 言う曲名からも明らかな様に、MOTORHEADに 捧げられているそうだが、楽曲自体はあまり MOTORHEADっぽくはない。[80]
アメリカのピュア・メタル系のレーベル、SENTINEL STEEL RECORDS 所属のアーティストによるコンピレーション盤。ある程度 知名度のあるバンドは、GOTHIC NIGHTS、LEGEND MAKER、 ATTACKERとベテランのMANILLA ROADと言ったところだろう。 レーベルがレーベルだけに、アメリカでは珍しい扇情的で オーセンティックなものばかりだ。それ故、どれもこれもB級 臭い感じが紛々とするし、ものによっては非常にチープなのだが、 出来としては皆一定のレベルに達していると言って良いだろう。 中でもONWARDとLEGEND MAKERは素材としては期待出来る存在だ。 [71]
ドイツのプログレッシヴ・メタル・バンドの3rdアルバム。 方向的にはこれまでと全く変りはなく、叙情的なメロディの プログレッシヴ・メタルをやっている。前作では、 アコースティック的な部分を大胆に取り入れ、非常に ドラマティックな作品に作り上げていたが、それと比べると、 アコースティック色はかなり減退し、DREAM THEATREっぽい 作品となっている。楽曲の出来自体は前作にひけを 取っていないのだが、その分抑揚が感じられず、ドラマティックな 盛り上がりは今一つと言った感じだ。Inside Of Your Head等は 中々素晴らしい楽曲だが、アルバムを通して聴いていると平板に 感じられる作品で、聴き飽きて来るところが残念だ。[83]
ドイツのプログレッシヴ・メタル・バンドのアルバム、 FAR OFF GRACEからの1stシングル。シングル・カットされた タイトル・トラック曲に、アルバム未収録のDOKKENのカバー、 Kiss Of Deathと同じくアルバム未収録のShape Of My Heartの 3曲と言う構成になっている。Kiss Of Deathは、元が元だけに、 彼等としてはかなりハードなアレンジで、そこにキーボードを 絡ませると言う形態になっている。元々シンフォニックな プログレッシヴ・メタルをやっている訳だが、 Shape Of My Heartはその中でもよりそう言った傾向が強く、 アコースティック・ギターを導入した流麗な湿り気のある メロディは叙情的で美しく、中々素晴らしい出来だ。[88]
1982年に飛行機事故による不慮の死を遂げた、 OZZY OSBOURNE BANDの初代ギタリストのトリビュート盤。最近 単に有名な人のカバー曲集と言う感じしかしない様な、目を 覆いたくなる様なトリビュートものが多いが、これは久しぶりに 納得出来るトリビュート盤だ。RANDY RHOADSが本当に 活躍していたと言える、OZZY OSBOURNE時代の2枚のアルバムに 楽曲を絞り、最後はS.A.T.O.からDiary Of A Madmanに流れる 展開等、外せないと言う事が良く理解できている。僅か2枚の アルバムからチョイスされただけであるが、それにしても楽曲の クオリティの高さが伺えるのはさすがだ。元SKID ROWの SEBASTIAN BACH、元ACCEPTのWOLF HOFFMANN、PHOENIX DOWNの KANE ROBERTS、元OZZY OSBOURNE BANDのJAKE E.LEE、元DOKKENの GEORGE LYNCH、TRIBE OF GYPSIESのROY Z、元DAMN YANKEESの MICHAEL CARTELLONE、元RAINBOWのJOE LYNN TURNER、SLAUGHTERの MARK SLAUGHTER、BOW WOWの山本恭司、MEGADETHのAL PITRELLI、 IMPELLITTERIのCHRIS IMPELLITTERI、BOB ROCK、と言った層々たる メンバーが参加している。Revelation(Mother Earth)に Steel Awayを繋げてくれなかった事だけが、画龍点晴を欠いた 感じで残念だ。[83]
そのタイトルが示す通り、PONY CANYONからリリースされている アルバムのサンプラー盤。兎も角出来るだけ沢山と言う感じで、 楽曲はワン・コーラス程度で全て切ると言う風にして、45曲も 集録されている。特に珍しい音源は全くなく、正しく紹介用と 言った感じだ。全体的にメロディアスまハード・ロック、 ヘヴィ・メタルが多く、無名なところではSUNSHINE JIVEの Fools ParadeやGARBO TALKSのHard Times、LiarのLiability等々と 言った楽曲も収められている。基本的にアルバムの中でも良い 楽曲を持って来ているので、基本的に外れは少ないが、 尻切れとんぼなのは遺憾ともし難い。[73]
そのタイトルが示す通り、VICTOR ENTERTAINMENTから リリースされているアルバムのサンプラー集。基本的に出来るだけ 沢山詰め込んでいるため、46曲収められている代わりに、全曲1分 40秒で切られている。MANOWARのGates Of Vallharaを除けば大体、 何とかワン・コーラス入いる位だ。基本的に方向性は特に 限定されていないレーベルなので、デス・メタル、 ゴシック・メタルと様々なものがごった煮された様な感じだ。 アルバム・タイトルから離れて、プログレッシヴ・ロックや ハード・コアのバンドのバンドまで収められている。[72]
WERNAER MUSICからリリースされているラウド・ミュージック、 ヘヴィ・ロック系のアーティストの音源を集めたサンプラー盤。 WEAやEAST WESTと言ったメジャー系の配給を受けているが、 ヘヴィ・メタル系がSCORPIONSしかいないと言う、正にアメリカの メジャー・シーンの状況が良く判るアルバムと言って良いだろう。 FILTER、MARILYN MANSON、KID ROCKと言った ヘヴィ・ロック・バンドをヘヴィ・メタルからの派生として 楽しめる位でないと少し辛いかも知れない。メロディアス 系としては、やはりNEW AMERICAN SHAMEが群を抜いており、 楽しみな新人と言えるだろう。[75]
ROADRUNNER RECORDSからリリースされているアルバムの サンプラー・シングル。シングルの中に詰め込めるだけ詰め 込んでいるために、残念ながら全て途中でカットされているが、 それ位ならせめてアルバムにしてきちんとカットなしで入れて 欲しかったところだ。昔と違って、ヘヴィ・メタル系の レーベルと言う感じは薄れてしまっているだけに、MACHINE HEADや ANNIHILATOR等も収められているが、その一方で モダン・ヘヴィネスのSLIPKNOTやハード・コアのMISFITS、 ゴシック・ロックのTYPE O NEGATIVEまで収められている。[70]
日本のレコード会社、SOUNDHOLICのコンピレーション・アルバム。 日本のレーベルとしてはインディ・レーベルの中でも弱小と言って 良いレーベルで、そういう事もあって、集録されている アーティストは海外でも当然日本に配給先が決まっていない インディ・レーベルに所属しているバンドが多い訳だが、 それだけにB級臭いものが多い割には、収録されている楽曲の レベルは低くないし、堅実なリリースを行っていると言う印象の 受けるレーベルだ。NOCTURNAL RITESを始め、エクストリーム 系ではIN THY DREAMS、MITHOTYN、WITHOUT GRIFF、SOILWORK辺りは 中々の出来だ。[79]
日本のヘヴィ・メタル系レーベル、MARQUEE AVALONから リリースされているアルバムからのサンプラー・アルバム。 サンプラー・アルバムと言う事で、特に珍しい音源は全くない。 リリース・スピードがかなり凄いレーベルにあって、 LIQUID TENSION EXPERIMENT、DEREK SHERINIAN、MULL MUZZLERと DREAM THEATER関連のものを集めたのを始め、PAIN OF SALVATION、 DALLIS DILEMMAとプログレッシヴ・メタル関連の楽曲を 集めているのが今一つ納得行かない部分でもある。HELLOISE、 MIDNIGHT SUNと言ったところは、メロディアス系ヘヴィ・メタルの ファンには堪えられないところだ。[80]
STEAMHAMMERレーベルからリリースされているアルバムの プロモーション用サンプラー盤。METAL CHURCHやOVERKILL、 VENOMと言ったスラッシュ・メタル系のバンドから、 BLUE OYSTER CULT、SAGAと言ったポップなものまで、そして 新人から大ベテランまでかなり幅広いラインナップだ。 BLUE OYSTER CULTのLive For Meは、叙情的でもの悲しい メロディだけでなく、ボーカル・スタイルの所為もあってか、末期 WHITE LIONを思い起こさせるところがあって、中々面白い。特に レアな音源がある訳ではないので、あくまでもお試し盤と 言ったところだ。[79]
MERCURY RECORDS、POLYDOR RECORDSのサンプラー・アルバム。 サンプル盤と言う事で、既発のものばかりだが、意外とレアな 音源があったりする。MOTLEY CRUEのToast Of The Townや Get It For Freeと言った、シングル、STICK TO YOUR GUNSの B面だったり、デビュー盤がメジャーからリリースされたときに カットされた楽曲が収められている。MONSTER MAGNETもライヴを 入れていたりと、単純にバンドの代表曲を入れていないところが 販促的な効果は兎も角として、却って有り難い。 TODOS TUS MUERTOSやRAMMSTEIN、NASHVILLE PUSSYと言った メタルとは離れたバンドの音源も収録されている。[77]
ポーランドのデス・メタル・バンドの4thアルバム。方向的には グラインド・コア系のブルータルなデス・メタルであるのだが、 これまでと比べると、かなり判りやすい ギター・メロディになっており、聴き易くなった半面、 インパクトがかなり減少したと言わざるを得ない。これまでの ファンからすると、やや不満を感じる作品ではないかと言う 気がするが、その一方で、SLAYERは好きだけど、 グラインド・コアまで行くとちょっとと言う人には逆に格好良い アルバムと言えるかも知れない。これまでの怒涛と言った雰囲気は 決して消えていないので、聴きごたえのあるアルバムであるのは 確かだ。[84]
アメリカのプログレッシヴ・ハード・ロック・バンドの トリビュート盤。CAPTAIN BEYONDとしては3枚のアルバムを 発表しているが、ここではデビュー盤であるCAPTAIN BEYONDが そのままアルバムを通してカバーされていると言うユニークな 試みが行われている。それにスウェーデン語バージョン等の ボーナス・トラックが集録されていると言う構成になっている。 参加しているバンドは北欧のバンドが中心だが、方向的には多岐に 渡っており、ドゥーム/ストーナー・ロックのPENTAGRAM、 RISE AND SHINEやシンフォニック・ロック・バンドのZELLO、 THE FLOWER KINGS、プログレッシヴ・ロック・バンドのSTANDARTE 等と言ったバンドが演奏している。最近音沙汰のなかった スウェーデンのTHE QUILLも久々に元気な姿を見せている。意外と ハードな仕上がりになっていて、一風変ったトリビュート 盤でありながら、結構面白いアルバムに仕上がっている。[82]
ドイツのプログレッシヴ・メタル・バンドの2ndアルバム。 方向的には前作の延長線上と言えるもので、よりヘヴィ・メタル 的なエッセンスの強いプログレッシヴ・メタルだ。叙情的で ダークな雰囲気が漂っており、エッヂのたった演奏は非常に 扇情的な色合いを強くしている。前作でも楽曲の出来は 良かったが、今作では更にレベルが上がった感じだ。特に目新しい 事をやっている訳ではないが、TONY MANGのピアノ風の キーボードが良い味わいになっている。演奏、プロダクション、 楽曲と全体的に良く出来ており、この手の作品としては群を抜いた アルバムと言って良いだろう。[97]
N.W.O.B.H.M.において、大きな役割を果たしたレーベルの 一つである、NEAT RECORDSからリリースされたシングルを集めた 2枚組みコンピレーション・アルバム。WHITE SPIRIT、FIST、 BLITZKRIEG、RAVEN、PERSIAN RISK、TYGERS OF PANG TANG、 VENOMと言った、その後CDでリリースされたバンドの 音源もあるが、その一方で貴重な音源も数多く収められている。 全ての音源が、N.W.O.B.H.M.らしいチープなプロダクションで、 この手のファンでなければ辛い内容かも知れないが、N.W.O.B.H.M. ファンには堪らない内容だと言っても良いだろう。出来自体よりも とにかく、N.W.O.B.H.M.ファンかどうかがこの作品の価値の分かれ 目となるだろう。[81]
1980年にリリースされたイギリスのヘヴィ・メタルの コンピレーション・アルバム。EMI Recordsが一早く N.W.O.B.H.M.を紹介したもので、N.W.O.B.H.M.の言わば原点とも 言える作品である。N.W.O.B.H.M.ではDEF LEPPARDと並んで 成功した、IRON MAIDENを始め、PRAYING MANTIS、ANGEL WITCH、 SAMSONと言った良く知られるバンドも含まれている。特に PRAYING MANTISのCaptured Cityは、その後彼等のデビュー盤にも 納められた代表曲であるし、SAMSONの Tomorrow Or Yesterdayにしても同様だ。その他、SLEDGEHAMMERや ETHEL THE FROG、後にRAGEと改名するNUTZ、イギリスの バンドではないが、N.W.O.B.H.M.の内で語られるE.F.BAND等が 収められている。今や数多くのコンピレーションがCDで リリースされているので、入門用と言うには苦しいかも 知れないが、N.W.O.B.H.M.初期の熱気を感じさせてくれる作品だ。 [84]
オランダのヘヴィ・メタル・バンドのコンピレーション盤。その 多くは最近リリースされたものからだが、ものによっては 1980年代のものもある。とは言え、どれも古めかしい プロダクションな上に、やっている事はもう化石と言って言い様な ハード・ロックンロールばかりなので、回顧主義の人には 聴けるだろう。実際VORTEXや、SAD IRON、DEFENDER、EMERALD、 HAMMER HAWKと言った1980年代に活動していたバンドが 復活してやっているのだから、ある程度は当然と言えるかも 知れない。とは言え、今時こう言う音楽をやっても、 N.W.O.B.H.M.の様にブランド力がある訳でもなし、どう言う活動が 出来るのか疑問だが。[70]
CATHEDRALの中心人物、LEE DORRIANのレーベル、RISE ABOVEによる ヘヴィ・ロック・バンドのコンピレーション・アルバム。 ORANGE GOBLINやSHEAVY、ELECTRIC WIZARD、GOATSNAKE、 ACRIMONYと言ったストーナー・ロック、ヘヴィ・ロック、 ドゥーム・メタルでは結構名前の知られたバンドから、SHALLOW、 HANGNAIL、SOLARIZEDと言った新進のバンドまで、RISE ABOVEの 魅力を十分伝えてくれている。UNIDAやACRIMONY等と言った、 非常にサイケデリック色の強いもの等中々面白い。初心者 入門用にも、非常に質が高いので、ストーナー・ロック、 ヘヴィ・ロックを紹介するにもちょうど良いアルバムだ。[88]
アメリカのハード・ロック・バンド、TYKETTOの元ボーカリスト、 DANNY VAUGHN、ドラマー、MICHAEL CLEYTON、ベーシスト、 JEIMIE SCOTTを中心としたバンドのデビュー盤。音楽的には、 如何にもアメリカ的な渇いた空間の広がりを感じさせる アメリカン・ハード・ロックを聴かせてくれている。方向的には、 TYKETTO末期の延長線上とも言えるもので、初期の様な叙情的な メロディアスさやドラマティックさはないが、意外と アコースティックを大胆に導入し、リラックスして聴ける作品に 仕上がっている。Forever Youngの様な楽曲を望むなら外すかも 知れないが、楽曲はキャッチーで悪くない。[79]
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの1980年にリリースされた コンピレーション盤。N.W.O.B.H.M.黎明期にこれらのバンドを 紹介する事を目的に制作されたもので、後のN.W.O.B.H.M.ブームに 多大な影響を与えた作品と言って良いだろう。前作で大きな反響を 呼んだため、間髪をおかず制作された作品だが、前作では IRON MAIDENを始め、PRAYING MANTIS、ANGEL WITCH、SAMSONと 言った割と著名になったバンドが多かったのに対して、こちらは やはり物足りないと言う感じはいがめないがその分、貴重と言える 音源でもある事は確かだ。今でもある程度名前が 知られているのは、TRESPASSとDARK STAR、現IRON MAIDENの ギタリスト、JANICK GERSが在籍していたWHITE SPIRIT、 BILLY LIESGANGと現IRON MAIDENのボーカリスト、 BRUCE DICKINSONが在籍していたXERO位だろう。前作と比べると どうしても小粒な感じがするが、資料的には貴重な作品だ。[83]
スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドによる コンピレーション盤。スウェーデンのミュージシャンの 楽曲をそれぞれカバーすると言う企画盤で、オリジナルもTREATや YNGWIE J.MALMSTEEN、EUROP等、割と馴染みのあるものから、 AGONYやWHIMZYと言ったあまり馴染みのないバンドまで幅広く取り 上げている。演奏している側も、IN FLAMES、GLORY、MESHUGGAHと 言った割と知られたバンドからLOCOMOTIVE BREATH、LOST SOULSと 言った無名バンドまで幅広く参加している。特に意外なのは GLORYがYNGWIE J.MALMSTEENをカバーしている事だろう。 IN FLAMESによるTREATのWorld Of Promises等は中々面白い 出来だ。[82]
映画、MISSION:IMPOSSIBLE 2のサウンド・トラック盤。テーマ曲を 歌うLIMP BIZKITや、THE PIMPSと言った割と今らしい、ラップ的な エッセンスを盛り込んだものや、ダンサブルな ヘヴィ・ロック・バンドが中心だが、メタル側の リスナーとしては、やはりMETALLICAの新曲が 注目されるところだろう。このMEATLLICAのI Disappearは、 楽曲としては最近の彼等らしいものだが、かなりヘヴィな 仕上がりとなっており、久しぶりにメタルらしい感じが味わえる。 ROB ZOMBIEのScum Of The Earthは如何にも彼らしい、 WHITE ZOMBIEでやっていた様なヘヴィでダンサブルなナンバーだ。 興味深いのは、FOO FIGHTERSとBRIAN MAYのコラボレート作品で、 PINK FLOYDのHave A Cigarを中々ヘヴィにアレンジしている。 BUCKCHERRYの新曲、Aloneはかなりヘヴィな作りだが、特にどうと 言う事のない楽曲だ。[80]
日本のレコード会社、ポニー・キャニオンのこれまで発売された ヘヴィ・メタル作品から集めたサンプル盤。紹介用と言う事で、 全てここ1年に発売されたアルバムばかり集めているのだが、 BAD MOON RISINGのベスト・アルバムからのFull Moon Feverや、 THE ESSENTIAL NEAT RECORDS SINGLE COLECTIONからJAGUARの Axe Crazy、METAL FOR MUTHASに収められていたIRON MAIDENの Sanctuaryや、DARK STARのLady Of Marsと言った、実際は古い 音源が混じっている事や、JOHN PAUL JONESやCAMELが 収められている事には多少違和感を感じる。紹介用と言う 事もあって、スタジオ盤、ライヴ盤も混ざっているし、27曲もの 楽曲を入れるために全て2分程度で切られている。[70]
日本のレコード会社、ビクターの発売予定、またはこれまで 発売されたヘヴィ・メタル作品から集めたサンプル盤。この アルバムで興味深いのは、まだリリースされていない音源も 含まれている事で、HLFORDやSEBASTIAN BACHと言った注目の楽曲も 含まれている。紹介用と言う事で43曲も収録されており、 ほとんどが途中でカットされているのだが、このHLFORDの新曲が フル・コーラスで収められているのは非常に価値がある。その他 NOCTURNAL RITESや、LABYRINTH、KICKと言ったバンドの新曲も 収められており、新譜をチェックする上で結構有り難い。[76]
日本のレーベル、マーキー・アバロンの発売予定、またはこれまで 発売されたヘヴィ・メタル作品から集めたサンプル盤。 メロディアス系のヘヴィ・メタルを数多く提供している レーベルだけに、その手のファンにとっては中々グレードの高い 作品と言って良いだろう。FAIR WARNINGのHeart On The Run、 MIDNIGHT SUNのKing Of Broken Heartsと言った佳曲が 収められている。楽曲を切らずに入れるために、13曲に 厳選しているところも好感が持てる。そう言ったメロディアス系の 他に、VADER、DIMMU BORGIRと言ったエクストリーム系も 収められている。注目されるのは、秋に発売される予定の VALENSIAの新曲が収められている事で、如何にも彼らしい甘い シンフォニックな楽曲だ。[82]
日本のレコード会社、 ソニー・ミュージック・エンターテイメントの所属バンドによる コンピレーション作品。流石大きなレコード会社と言う 事もあって、ヘヴィなものが中心とは言え、ロック、パンク、 ブリット・ポップからヘヴィ・ロック、ヘヴィ・メタルまでかなり 幅広く集めている。後半ではJOURNEY、TED NUGENT、SLAYER、 OZZY OSBOURNE、AEROSMITHと言ったヘヴィ・メタル系の リスナーには馴染みのあるバンドが続くが、前半は MARS ELECTRIC、SAMANTH 7等、あまり馴染みのなさそうなバンドが 続いている。JOURNEYのRemember Meはサウンドトラックの ARMAGEDON THE ALBUMに収められていたもので、彼等らしい 叙情的で美しいメロディの佳曲だ。[80]
日本のレーベル、ワーナー・ミュージック・ジャパンの所属 アーティストによるコンピレーション盤。サンプル盤と言う 事もあってか、沢山の音源を入れるために収録曲は途中で カットされている。大手のレーベルだけあって、最近の音楽事情を 反映してか、純然とヘヴィ・メタル、ハード・ロックと 言えるものはAC/DC、DREAM THEATER、MR.BIG等限られており、 DEFRONESやSUPERSHIT 666、STATIC-Xと言ったヘヴィ・ロックや デジタル・ロック等が数多く収録されている。純然とした ヘヴィ・メタルを求めるならあまりそぐわないだろうが、最近の 音楽的時流と言う事では面白いと思う。[75]
日本のレーベル、UNIVERSAL INTERNATIONALの所属 アーティストによるコンピレーション・アルバム。 メジャー・レーベルだけに、BON JOVI、MOTLEY CRUE、 PAUL GILBERT等、一般的にも良く知られたアーティストが数多く 集録されている一方で、新鋭のヘヴィ・ロック・バンドの楽曲が 収められているのも、現代のヘヴィ・ミュージック・シーンの 潮流を現したものと言って良いだろう。レーベル紹介様の サンプラー盤であるため、取りたてて珍しい音源が収められている 訳ではないが、アルバムの趣旨からするとまぁそう 言うものだろう。[78]
日本のインディ・レーベル、サウンドホリックより リリースされているアルバムを紹介した、コンピレーション盤。 正統派のメロディアス・ヘヴィ・メタルから、グラインド・コア系 デス・メタルまで、あまり方向に統一性はないレーベルだが、 それでもエクストリーム系が占める割合が多めだと言って 良いだろう。インディ・レーベルだけに割とマイナーな バンドばかりなのだが、そのレベルは決して低くない。 DARK AVENGER等は、今頃リリースするにはタイミングを 逸しているとしか言えないが、良いものを持っているのは確かだ。 [77]
日本のレコード会社、日本クラウン所属のアーティストによる コンピレーション盤。レーベル紹介用なので、その多くは既発 音源だが、まだ発売されていない新作音源もかなり 収められている。特にMILLENIUMによるRAINBOWのカバー、 I Surrender等は、発売が8ヶ月も先のものだ。レーベルとしての 方向性はあまりないが、エクストリーム系がかなり少なく、 メロディアス系が中心と言って良いだろう。OVERKILLのFuck Youの ライヴ・バージョン、SAVATAGEのHandful Of Rainと言った ボーナス・トラック予定のものも入っていたりしている。[78]
イギリス人ボーカリスト率いるヘヴィ・メタル・バンドの トリビュート盤。JUDAS PRIESTのボーカリスト、 TIM RIPPER OWENS、YNGWIE MALMSTEEN、SLAUGHTERの ボーカリスト、MARK SLAUGHTER、NIGHT RANGERのギタリスト、 BRAD GILLIS、MOTORHEADのボーカリスト、LEMMY KILMISTER、 MR.BIGのギタリスト、RICHIE KOTZEN、DEE SNIDER、 JOE LYNN TURNER、JASON BONHAM、BURNING RAINのギタリスト、 DOUG ALDRICH、TOTOのギタリスト、STEVE LUKATHER、 JEFF SCOTT SOTO、MR.BIGのドラマー、PAT TORPEY、 元DREAM THEATERのキーボード、DEREK SHERINIAN、DOKKENの ギタリスト、REB BEACH、MOTLEY CRUEのボーカリスト、 VINCE NEIL、GEORGE LYNCH、RACER Xのギタリスト、JEFF MARTIN、 RACER Xのギタリスト、PAUL GILBERT、DOKKENのベーシスト、 JEFF PILSON他、正に超豪華と言えるメンバーが参加している。 オリジナルでは叩いていなかったとは言え、ライヴでは散々 演奏したTOMY ALDRIDGEがMr.Crowleyに参加しているのも興味 深い。楽曲的には大半がRANDY RHOADS時代のもので、故人の 影響力の強さを物語っている。[80]
ヘヴィ・メタルを中心とした中堅レーベル、ROADRUNNER RECORDSの 日本法人のプロモーション・ミニ・アルバム。WESTWORLDと言った メロディアス系から、スラッシュ・メタルのMACHINE HEAD、 DEICIDEと言ったグラインド・コア系デス・メタルまで幅広く 収められている。ここで特徴的なのは、最近の時流に乗って SLIPKNOTやGLASSJAWと言ったヘヴィ・ロックがここでも幅を 効かせている事だろう。全曲途中でカットされていて フェード・アウトして行くので、本当に試聴と言った感じで 有り難味はないが、サンプル盤としてはこんなものだろう。[74]
イギリスのヘヴィ・ロック・バンド、BLACK SABBATHの トリビュート盤。6年振りとなる第2弾の作品だが、OZZ FESTと 連動している事もあって、その参加バンドは大きく変っている。 OZZ FESTの参加メンバーの傾向もあって、SYSEM OF A DOWN、 GODSMACK、STATIC-Xと言ったヘヴィ・ロック系のミュージシャンが 多い一方で、MEGADETH、SOULFLY、SLAYERと言った スラッシュ・メタル系のバンド等も参加している。BLACK SABBATH 直系とも言える様なドゥーム系統のバンドがいない事もあってか、 それぞれかなりアレンジされていて、オリジナルとはまた一風 違った趣に仕上がっている。興味深いのはPRIMUSのN.I.B.で OZZY OSBOURNE自身が歌っている事だろう。[83]
日本のロック・バンド、FLOWER TRAVELLIN' BANDの トリビュート盤。日本のスラッシュ・メタル・バンド、OUTRAGEや UNITED等によるミニ・アルバムだ。現在ボーカルがいない OUTRAGEはN.F.B.とのコラボレーションで、コンガ等を混ぜた、 普段見せない様なコラボレーションならではと言った仕上がりで、 THE DOORSっぽさも感じさせる混沌とした雰囲気を出している。 オリジナルのせいもあってか、UNITEDにもそう言う 感じはあるのだが、こちらはもっとスラッシュ・メタル的な 色合いを強く打ち出している。全体的にエナジーを強く感じさせる カバーが取り揃っており、意外と熱さを感じさせるアルバムに 仕上がっている。[82]
オランダ人シンガー・ソング・ライターの2年振りとなる 4thアルバム。そのタイトルが示す通り、デビュー盤の続編と言う 感じだろう。その方向性は、基本的にはこれまでの延長線上と 言えるもので、QUEEN的な色合いの非常に濃い作品となっている。 華美に飾り立てた砂糖菓子の様な甘ったるいメロディは、QUEENの ファンでも好みの分かれるところだろう。QUEEN的な厚い コーラスも健在で、従来のファンからすれば満足の行く内容と 言って良いだろう。どちらかと言うとライトな感覚のする作品 作りで、その分派手過ぎると言った感じはしない。[83]
日本のレコード会社、ビクターエンターテイメントの所属 アーティストの1994年にリリースされたオムニバス盤。単なる レーベル紹介用の作品なので、特に方向性に統一はないが、この レコード会社らしくメロディアス・ハード的なバンドが中心だ。 全て既発曲であるし、ANGRAのミニ・アルバム、EVIL WARNINGに 収められていたANGELS CRYの新バージョンを除けば、それぞれ アルバムに収められていたものばかりなので希少価値もないと 言って良いだろう。沢山のアルバムを買わなくても、色々な バンドの楽曲を楽しめると言う点では、お手軽で価値があるかも 知れないが。[76]
日本のレコード会社、ビクターエンターテイメントの所属 アーティストの音源を集めた、1995年にリリースされた オムニバス盤。レーベル紹介用の廉価盤なので、集録されている バンドに特に統一性はないが、そこはビクターだけに メロディアスなヘヴィ・メタル・バンドが中心になっている。 収録曲は全て各々のアルバムに集録されている既発曲ばかりで、 貴重な音源も全くないし、それぞれのアルバムを持っているならば 残念ながら価値は全くないだろう。手軽に色んなバンドの曲を 聴いてみたいと言う向きには良いかも知れないだろうが。[75]
オランダ人ボーカリストの2年振りとなる6thアルバム。その サウンドは、ソロに転向してから一貫しており、この作品もその 延長線上の作品であると言って良いだろう。QUEENに インスパイアされた、フォローワーの1人と言える 音楽性であるが、今作ではピアノを全面的に押し出しており、より シンフォニックで叙情感を感じさせるアルバムとなっている。 非常に甘い、ポップな作品であるが、それ故に灰汁があり過ぎて 聴き飽きて来るところが過分にある。元々1本調子の 気味はあったが、今作ではよりそう言った感が強く、尚更そう 言った感がするのは遺憾ともし難い。[78]
日本のレコード会社、ビクターエンターテイメントの所属 アーティストの1996年にリリースされたオムニバス盤。レーベル 紹介用のオムニバス・シリーズで、既発音源ばかりでこれまで あまりめぼしい音源はなかったが、今作では未発表曲の God's Not Coming Backが収められている。元GUNのギタリスト、 ALEX DICKSONとの共作で、この当時リリースされたSKUNKWORKSとは やや毛色の異なる楽曲だ。かなりパンキッシュでアップ・テンポな のりの良い楽曲は、アルバムに納められず、 アウト・テイクになったのは頷けるが、それ程悪い楽曲でもない。 [77]
ポーランドのデス・メタル・バンドのミニ・アルバム。新曲が 3曲、カバーが3曲、ライヴが4曲の全10曲と言う 構成になっている。新曲はどの楽曲も彼等らしい ブラスト・ビートを駆使したブルータルなデス・メタルで、 全体的にややスラッシィな感じのするものとなっている。カバーは DESTRUCTIONのTotal Disaster、JUDAS PRIESTのRapid Fireと MAYHEMのFreezing Moonだ。Rapid Fire等は彼等らしい ブラスト・ビートを織り込みながらもオリジナルの良さを生かした アレンジは見事で、実に格好の良い出来に仕上がっている。 ライヴも彼等の演奏力の高さを現した内容となっており、彼等の 実力を伺わせる作品に仕上がっている。[84]
イギリスのレーベルによるサンプラー・アルバム。サンプラーと 言っても、ほとんどが既発のアルバムから寄せ 集められたものではなく、このアルバムのために提供された初出の 音源が中心となっている。元THE WiLDHEARTSのGINGERによる ソロや、THE HELLACOPTERSのJOHNNY ZHIVAGOによるソロ作品等、 中々興味深い楽曲が収められている。基本的には、ロックンロール 系のレーベルと言えるところなので、ヘヴィ・メタル的な作品は 全くないのだが、楽曲によってはかなりハードな色合いも 感じられるし、楽曲の出来も良い。後半になって来ると、やや オルタナティヴ・ロック的な色合いが見えて来る楽曲もあるが、 これはこれで味わい深い。[83]
アメリカのロック・バンドの2ndアルバム。如何にもモダンな 感じがする、今風と言うにはピッタリなロック作品で、 オルタナティヴ・ロック、ゴシック・ロック、ヘヴィ・ロック、 ヘヴィ・メタル、インダストリアル・ロック等々様々な音楽の 養分を吸い取って結実した作品と言って良い。楽曲によっては 非常にU2っぽかったりと本当に沢山のバンドの良いところを上手く 昇華している。陰鬱であったり、瑞々しい清々しさを 感じさせたり、JON CROSBYのセンスの良さを感じさせるアルバムに 仕上がっている。それ程ハードさを感じさせる作品ではないし、 全体的にテンポも遅めなので、メタル側のリスナーが聴いていると 少しだれた作品に感じるかも知れないが。[89]
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの2枚組みベスト盤。 ベスト盤と言うことでは既に以前リリースされているが、内容は 異なっている。N.W.O.B.H.M.期にSPIDERと並んでブギー色の強い バンドとして活躍したバンドだ。そう言う意味ではSTATUS QUOの 影響も感じられる、ブギーとロックンロール色を押し出した ヘヴィ・メタルで、キャッチーなメロディに、テンポとのりの良い 作品に仕上がっている。彼等の3rdアルバムがQUO VARDISと言う タイトルであった事からもそれは窺い知れるだろう。 LOGO RECORDS在籍時の音源からなっており、彼等の最後の アルバムとなったVIGILANTEは含まれていない。[83]
今は亡きJIM MORRISONを擁し、1970年代前半に活躍した伝説的な アメリカのロック・バンド、THE DOORSのトリビュート作品。 トリビュートと言うと、最近安易に作られる作品も多く 見受けられるが、この作品はJIM MORRISONを除くTHE DOORSの メンバーも参加し、THE DOORS自体の未発表曲も収められると 言う、正にTHE DOORSへのモニュメント的な作品と言って 良いだろう。完全にカバーされているものもあれば、 JOHN LEE HOOKERの様に、JIM MORRISONのボーカル・パートを 使って、まるでデュエットの様に編集しているものもある。メタル 側のリスナーとしてはAEROSMITHとヘヴィ・ロック・バンドの CREEDが参加している位で、余り興味のないミュージシャンが 多いかも知れないが、THE DOORS自体元々ハードなサウンドの バンドだっただけに聴き応えがある。[86]
ドイツのヘヴィ・メタル・バンドの3rdアルバム。ボーカルは 元ACCEPT、U.D.O.のボーカリスト、UDO DIRKSCHNEIDERの弟、 PETER DIRKSCHNEIDERだ。わざと似せている面があるのかどうか 判らないが、そのボーカルは正にUDO DIRKSCHNEIDERそのもので、 楽曲自体にもACCEPTやU.D.O.に近いものを感じる。ヘヴィで、 ミドル・テンポ中心ながらもドライヴ感があり、再結成時のACCEPT 等よりも聴き応えのあるアルバムに仕上がっている。のりが 良いので一気に聴かせてくれるし、ACCEPTやU.D.O.の ファンならば、十分満足の行く作品に仕上がっていると言って 良いだろう。[81]
オランダ人シンガー・ソング・ライターのミニ・アルバム。 未発表曲5曲とIllsiaのバージョン違いの全6曲と言う 構成になっている。彼らしいQUEENの流れを汲む綿菓子の様に甘い メロディを配置しながらも、彼としてはやや趣の 違ったところもある楽曲が多い。Yo Yo等は彼としてはかなり アップ・テンポの楽曲だし、The Moon等はかなり重厚で メタリックに感じさせるところもある。だが、特に異種な 感じがするのはタイトル・トラックで ギター・インストルゥーメンタルのLuna Lunaだろう。 ヘヴィ・メタル系のギタリストが聴かせてくれる様な ギター・ソロの小曲で、VAN HALENっぽさも感じさせてくれる。 [81]
OZZY OSBOURNEが主催する、フェスティバル・ツアーの2枚組 ライヴ盤。OZZY OSBOURNE自身やBLACK SABBATH等も 出演しているのだが、どちらかと言うとヘヴィ・ロック、 ラウド・ロック系のバンドを中心としたフェスティバルだ。 公演では2日構成になっており、これは主に新人を中心とした SECOND STAGEを中心とした作品だ。2000年と1996年に行われた ツアーの模様を収めたもので、1996年の音源は1997年に リリースされたTHE OZZFESTから1曲削っただけでそのまま 収録されている。OZZY OSBOURNEやSLAYER、SOULFLY、SEPULTURAと 言った、メタル系のリスナーにもお馴染みのバンドも 収録されているが、馴染みのないバンドも多いだろうし、こう言う モダンなヘヴィ・ロックが好きでないと辛いかも知れない。[80]
スウェーデンのポップ・グループ、ABBAのトリビュート盤。 THERION、SINERGY、AT VANCE、MORGANA LEFAY、PARADOX、 ROUGH SILK、SARGANT FURY、NATION、TAD MOROSEと言った北欧、 ドイツのヘヴィ・メタル・バンドがカバーしている。特に THERIONはオペラチックな彼等の音楽性を前面に押し出しており、 非常に面白いものに仕上がっている。SINERGYがカバーしている Gimme! Gimme! Gimme!等は、オリジナル自身がハードな色彩が 強いので意外性はないが、S.O.S.をだみ声で歌うPARADOX等かなり 奇妙なアレンジだ。元曲は当然素晴らしいのだが、どれも意外と 面白くアレンジしていて、出来は悪くない。[82]
2000年に行われたアメリカのラウド・ロック系の フェスティバル・ツアー、TATTOO THE EARTHの模様を収めた ライヴ盤。余り成功したとは言い難いフェスティバルだった 様だが、SLIPKNOTをメインに、SLAYERやSEPULTURA等、メタル側の リスナーにも馴染み深いバンドが参加している。そのSLIPKNOT、 SLAYER、SEVENDUSTを中心に、SEPULTURA、NASHVILLE PUSSY等々の ライヴの模様が収められている。ラウドでグルーヴ感のある バンドが中心だけに、非常に迫力のあるのりのあるライヴを 聴かせてくれている。NASHVILLE PUSSYはこの中でも 特異なだけに、やや雰囲気が変わってしまうが。[80]
アメリカのハード・ロックンロール・バンド、TWISTED SISTERの トリビュート盤。L.A.メタル期にニュー・ヨークから登場した バンドで、派手な化粧が話題を呼び、大ヒットとまでは行かずとも それなりに人気を得たバンドだった。方向的にはグラム・ロックや ショック・ロックと言ったエッセンスを取り込んだ ハード・ロックンロールと言って良いだろう。一般的に 知名度があるのはI Wanna RockとWe're Not Gonna Take It 位なので、トリビュート作品としては楽曲的に物寂しい気は どうしてもする。MOTORHEAD、ANTHRAX、CRADLE OF FILTH、 JOAN JETT、SEVENDUST等、ラウド・ロックからブラック・メタルの バンドまで幅広く参加しており、そう言う意味では非常に ユニークなトリビュート作品となっている。最後は本人達の 再結成によるAC/DCのカバー、Sin Cityが収められている。[80]
アメリカで行われたフェスティバルの模様を収めたライヴ盤。 OZZY OSBOURNEを中心とする、ヘヴィ・ロックの フェスティバル・ツアーとして有名だが、これはその最新の ツアーの模様を収めたものだ。OZZY OSBOURNE自身の BLACK SABBATHやMARILYN MANSON、SLIPKNOT、PAPA ROACH、 LINKIN PARKと言った、割と馴染みの深いバンドが前半で続き、 後半は新人が中心となっている。OZZY OSBOURNEの ギタリストであるZAKK WYLDEも自身のバンド、 BLACK LABEL SOCIETYで参加している。これを聴けば、昨今の モダンなヘヴィ・ロック・シーンがどう言うものか判るだろう。 [82]
元CACOPHONY、DAVID LEE ROTH BANDのギタリストの トリビュート盤。本来2枚組だが、初回生産盤のみボーナスCDの 付いた3枚組となっている。難病のALSに侵され、その収益金は全て 彼に送られるチャリティ作品だ。CACOPHONYで共にプレイしていた MARTY FRIEDMANを始め、STORMWINDのTHOMAS WOLF、DOKKENの JEFF PILSON、元MR.BIGのPAUL GILBERT、LARS ERIC MATTSSON、 ANDERS JOHANSSON、ROB JOHNSON、MARK BOALS等々沢山の ミュージシャンが参加している。特にEleven Blue Egyptiansでは EDWIN DAREのJEFF KOLLMAN、VINNIE MOORE、元MEGADETHの CHRIS POLAND、NIGHT RANGERのJEFF WATSON、STEVE MORSEと言う 凄い組み合わせを実現している。13年振りの新録音源を 聴かせてくれているHIT THE GROUND RUNNIN'や、 RON KEEL'S IRON HORSEと言う懐かしい面子も見られ興味深い。 [85]
日本のレコード会社、ビクターエンターテイメントの所属 アーティストによる、1996年にリリースされたオムニバス盤。 レーベル紹介用のオムニバス・シリーズな所為もあってか、 音源的には既発表のものばかりで目新しいものはない。方向的にも 統一性はないが、割とメロディアス系のものが中心だとは 言えるだろう。手軽に色んなバンドを試してみる分には 良いだろうが、それ以上の付加価値は残念ながらない。選曲にやや 疑問の残るところもあるが、こう言う形でコンピレーション作品を 作っただけあって、内容は確かに濃いと言えるだろう。[78]
アメリカのメジャー・レーベル、MCAとGEFFINのアーティストの コンピレーション・アルバム。そのタイトルからも判る通り、 ハード・ロック、ヘヴィ・メタル系統のアーティストを 集めたものだ。レーベル紹介用としては珍しく、最新作だけに 囚われず、古い音源も収録されている。レーベルで最もメジャーな バンドと言うと、AEROSMITHやGUNS'N'ROSESが思い起こされるが、 許諾が出ない事もあって含まれていない。それでもNIGHT RANGERや SAMMY HAGAR、DREAM THEATER、GARY MOORE等、良く知られた アーティストもずらりと並んでいるところは流石だ。珍しい音源は 全くなく、余り価値は高くないが、手軽には楽しめる。[80]
ドイツのヘヴィ・メタル・バンド、ACCEPTのトリビュート盤の 第2弾。ACCEPTの元ボーカリスト、UDO DIRKSCHNEIDER率いる U.D.O.やその弟、PETER DIRKSCHNEIDER率いるVANIZEと言った 関連のあるバンドも参加している。その他ドイツだけに拘らず 北欧も含めて、TAD MOROSE、ROUGH SILK、AGENT STEELと言った 正統派からWITCHERYやGODGORY、DARKSEED、DARKANE、THERIONと 言ったメロディック・デス・メタル系まで幅広く参加している。 中堅と言えるバンドが中心だけに馴染みのあるバンドも多く、その 中でもTHERION等は上手く自分の特色を出していると言える、最後の ROCK'N ROLL STORMTROOPERSによるパンキッシュな爆走 ロックンロールのI'm Rebelの馬鹿さ加減にみんな負けてしまった 感じだ。[80]
アメリカで2001年に行われたヘヴィ・ロック系の フェスティバル・ツアーの模様を収めたライヴ盤。今、 ヘヴィ・ロック系のバンドとしては最もホットと言える SYSTEM OF A DOWNとSLIP KNOTが中心の構成になっている。 SYSTEM OF A DOWNの鬼気迫るライヴ・パフォーマンスは凄まじく、 彼等のライヴの魅力を良く伝えてくれているが、SLIP KNOTで更に 狂乱とも言えるエナジーを感じさせてくれる辺りは圧巻だ。この 2バンドが凄過ぎて、後に収録されているバンドが小粒に 感じられ、どうしても尻切れとんぼに思えるのは致し方ないか。 [88]
ポーランドのデス・メタル・バンドの2年振りとなる5thアルバム。 方向的にはこれまでの延長線上と言える、ブラスト・ビートを 中心としたブルータルなデス・メタルだが、これまでの作品と 比べて大きく違うのは、メロディをかなりはっきりと押し出して 来ていて、かなり聴き易い作品となっている事だろう。 ドラマティック度を増し、これまでのグラインド・コア的な ブルータル・デス・メタルを求めるファンには少し戸惑いを覚える アルバムかも知れない。THIN LIZZYのカバー、Angel Of Death 辺りになると違和感も憶えるところだが、従来の破壊力も決して 失われている訳ではない。[84]
先ごろ、WORLD WRESTLING ENTERTAIMENTと呼称を変えた世界最大の プロレス団体で使用されているテーマ曲を集めたオムニバス盤。 基本的にヘヴィ・ロックのバンドが多く起用されているので、その 系統が好きならば馴染みのあるバンドも多いはずだ。CREED、 LIMP BIZKIT、MARILYN MANSON、SEVEN DUST等々、割と 有名どころが多く使われているので、プロレスに興味がなくても 十分興味を持てるはずだ。メタル方面でもKID ROCKによるZZ TOPの カバー、Legsや元WHITE ZOMBIEのボーカリスト、ROB ZOMBIEによる Never Gonna Stop、MONSTER MAGNETのLive For The Momentと 言った辺りが関連するところだろうか。[78]
ドイツのプログレッシヴ・メタル・バンドの4thアルバム。 DREAM THEATERのフォローワーとして登場したバンドで、 方向的にはこれまでの延長線上と言えるものだ。DREAM THEATERと 比べると、それ程プログレッシヴ・ロック的な複雑な 構成ではなく、よりシンフォニック色の強い、ストレートな作品と 言って良いだろう。変拍子等も取り入れて、10分を超える タイトル・トラックの様な大作もあって、 プログレッシヴ・メタルらしいところも見せているが、非常に 自然で好感が持てる。ボーナス・トラックとしてKANSASの Point Of Know Returnをカバーしているのも興味深い。[84]
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドのコンピレーション盤。その タイトルが示す通り、N.W.O.B.H.M.バンドのコンピレーションで、 中々貴重な音源が数多く含まれている。最後のHANDSOME BEASTの ゲスト・トラックを除けば、各バンド3曲ずつ収められている。 RICOCHETは1980年に唯一リリースされたシングルのMidas Lightと 未発表音源が2曲、QUARTZはかつて在籍していたキーボードの GEOFF NICHOLLSが後にBLACK SABBATHでプレイしていた事で 知られている、この作品では最も有名なバンドと言って 良いだろう。アルバム未収録の1980年にリリースされた 12インチ・シングル、Satan's SerenadeとそのB面に 収められていたBloody Foolとコンピレーションに収められていた Mainline Riderが収められている。DEMOLITIONは1981年に リリースした唯一のシングルであるHooker Haterとそれ以外の 出所は良く判らない。DAMIENは良く判らないが、RAZORBACKに 関しては恐らくこれまで何もリリースしていないはずで、 幻となったアルバムからの音源の様だ。特に重要なのはQUARTZの 幻の名曲、Satan's Serenade位で、基本的にコレクター以外は 用のない代物かも知れないが、貴重な作品と言って良いだろう。 [84]
ドイツのプログレッシヴ・メタル・バンドの3年振りの 3rdアルバム。中心人物であるボーカリストで今作では プロデューサーも兼ねるROBERTO DIMITRI LIAPAKISとベーシストの MARTIN ALBRECHTがMYSTIC PROPHECYと言うバンドも始めた所為か、 久方ぶりの作品になったが、その音楽適法構成に変化はない。 アップ・テンポでアグレッシヴなプログレッシヴ・メタルで、この 手のものとしてはよりヘヴィ・メタル然とした作品と言って 良いだろう。憂いとダークさを湛えながら、非常に扇情的に 迫ってくる様はこれまで以上に圧倒的で、彼等の長所を良く 出していると言って良いだろう。ROBERTO DIMITRI LIAPAKISの 声質が、またこう言う作品に良く合っている。[92]
アメリカ映画のサウンド・トラック盤。大ヒットした映画だけに、 その参加アーティストも現在のヒット・チャートと密接に 結びついたものとなっている。特にNICKELBACKのボーカリスト、 CHAD KROEGERのソロ、HeroやALICE IN CHAINSのボーカリスト、 JERRY CANTRELLのソロ、She Was My Girl、AEROSMITHの Theme From Spider Man、SLIP KNOTのボーカリスト、 COREY TAYLORのソロ、Botherと言ったところが収められており、 ヘヴィ・ロック系のファンなら興味を引くところだろう。 BLACK LABのLearn To Crawl等も良い楽曲だし、 サウンド・トラックと言う枠に囚われずに楽しめる。[82]
アメリカのレーベル、ISLANDの所属バンドによる オムニバス・サンプル・シングル。ANDREW W.K.、SUM 41、 RIVAL SCHOOLS、SALIVA、HOOBASTANK、AMERICAN HI-FIの6バンド、 2曲ずつ計12曲と言う構成になっている。シングルに当然 これだけの曲が全て入らないので、全曲1分程度に カットされている。ANDREW W.K.やSUM 41、AMERICAN HI-FIと 言った辺りは、メロディック・パワー・ポップと言えるもので、 RIVAL SCHOOLSやSALIVA、HOOBASTANK辺りはやや オルタナティヴ・ロック辺りに寄ったものと言えるだろう。[70]
アメリカのレーベル、ROADRUNNERの所属バンドによる サンプル・アルバム。最近のシーンの状況を表すように、 ヘヴィ・ロック、ラウド・ロック、ニュー・メタルと言われる 辺りのバンドが中心となっている。そんな中でも、元SEPULTURAの ボーカリスト、MAX CAVALERA率いるSOULFLYや、フィンランドの ゴシック/ハード・ロックンロール・バンド、THE 69 EYES、 アメリカのプログレッシヴ・メタル・バンド、MAGELLAN辺りは ラウド・ロックに興味がなくても馴染みのあるところだろう。 サンプル盤と言う性質上致し方ないかも知れないが、楽曲は 2分弱で切られてしまうのは興が殺がれるところだ。[70]
アメリカのレーベル、ROADRUNNERの所属バンドによる サンプル・ミニ・アルバム。ハード・コア・パンクの KILLSWITVH ENGAGEを除けば、レーベルの特徴を表す様に、 COAL CHAMBER、FIVE POINT O、36 CRAZYFISTS、ILL NINO、SINCHと 言った、現代風のラウド・ロックを中心としたバンド達で、 インダストリアル・ロック的なエッセンスを感じさせる、クールで コアなサウンドを押し出したものとなっている。今風の ラウド・ロックやニュー・メタルの新人紹介作品的なアルバムだ。 [78]
アメリカのINTERSCOPE RECORDSの所属アーティストによる サンプル・アルバム。時代的な背景を象徴してか、やや ラウド・ロックやオルタナティヴ・ロック的な色合いが 濃いものとなっているが、特に定まった方向性はない。 TRUST OF COMPANY、UNWRITTEN LAW、SINISSTAR、WEEZERの様な、 哀愁味を出しながらもハードなエッヂを効かせたものが、割と 主流になっている。DREDGのどんよりとした憂いを感じさせる様な 気だるい浮遊感も面白い。ヘヴィ・メタル方面と言う事で注目を 引きそうなのは元WHITE ZOMBIEのボーカリスト、ROB ZOMBIE 位だろう。[79]
日本のレーベル、サウンドホリックによるサンプル・アルバム。 ラウド・ロック系のものもあるが、基本的にヘヴィ・メタルの専門 レーベルだけに、ヨーロッパのメロディアス・ヘヴィ・メタルが 中心となっている。大仰でドラマティックな ジャーマン・パワー・メタルから、デス・メタルや ブラック・メタルと言ったエクストリーム・メタルまで幅は 広いが、ほとんどがヨーロッパ的な叙情性を 秘めたものとなっている。最後まで入っている曲もあるが、大体が 3分ほどでフェード・アウトされるので尻切れとんぼと言う印象は いがめない。[76]
日本のレーベル、東芝EMIの所属アーティストの サンプル・ミニ・アルバム。サンプル盤と言う 性格からそうなっているのだろうが、各曲の収録時間がわずか 1分30秒しかなく、どうしても物足りなさを感じてしまう。しかし それでも、DIZZY MIZZ LIZZYのGloryのライヴ・バージョンや RIOTのリリース予定のアルバム、THROUGH THE STORMから Turn The Tablesと言った音源が収められており、興味を 引くところだ。それ以外はこのレーベルとしては地味目の バンドばかりだが、それぞれ内容としてはそれ程悪くない。[72]
日本のレーベル、キング・レコードの所属アーティストによる サンプル盤。JAPANESE METALと言うタイトルが付いているが、 陰陽座とARK STORM、BLINDMANだけで、後は メロディアス・ヘヴィ・メタルからデス・メタルまで幅広い 選曲となっている。サンプル盤と言う性質上もあって、全曲 フェイド・アウトしてカットされるのは如何ともし難いところだ。 収録曲には希少音源もないので、正にサンプル盤と言う以上の 価値はないが、陰陽座の火車の轍やVHALDEMARのFeelingsが アルバムに先行して収録されているのだけが聴きどころだ。[70]
日本のレーベル、ポニー・キャニオンの所属アーティストによる サンプル盤。JOE LYNN TURNER、HUGHES TURNER PROJECT、 BLACKMORE'S NIGHTと言ったDEEP PURPLEファミリーや、 KING CRIMSON、TONY MARTIN等の中堅、ベテランのバンドが 中心となっている。サンプル盤と言う性質上、25曲も 収録しているので、途中でフェイド・アウトして カットされているが、そう言った中にKING CRIMSONのDisciplineを 入れたりする意義があまり感じられない。どれも知名度の高い アーティストだけに、今更こう言った構成のサンプル盤を作る 必要性も感じない。[68]
オランダ人シンガー・ソング・ライターの5thアルバム。 相変わらずQUEENにリスペクトを受けたと思わせる、厚い コーラスを押し出した、キャッチーで甘いハード・ポップを 聴かせてくれている。内容は十分満足の行くものだが、ソロの 延長線上と言える方向性のROBBY VALENTINEとのプロジェクト、Vで アルバムをリリースした直後だけにやや食傷気味に感じられる。 特に彼の音楽性が非常に甘ったるいキャッチーなメロディを押し 出したものだけに、尚更そう言った感が強い。煌びやかで美しい 良く出来た作品だけに、勿体無いと言う感じがどうしてもする。 [84]
アメリカのコンピレーション盤。ストック・カー・レースの NASCARをテーマとしたアルバムだ。BUCKCHERRYによる WILLIE NELSONのカバー、On The Road Again、SLAYERによる STEPPEN WOLFのカバー、Born To Be Wild、TYPE O NEGATIVEによる DEEP PURPLEのカバー、Highway Starと言ったカバーを始め、 MACHIN HEAD、ROB ZOMBIEと言った、メタル側のリスナーにも お馴染みのアーティストが参加している。特にDAVE LOMBARDOが 復帰して初の音源となるSLAYERのBorn To Be Wildは、大胆な アレンジが施されており、中々面白いものに仕上がっている。[80]
日本のレーベル、マーキー・アヴァロンの所属アーティストによる サンプル盤。2枚組み30曲入りと言う豪華な内容もさる事ながら、 この手のサンプル盤に多い、フェイド・アウトしてカットと言う 事も一切なく、フルに収録されている有り難い作品だ。北欧 メタルからデス・メタルまで幅広く収録されているが、レーベルの 方向性として当然メロディアス・メタルが中心となっていて、この レーベルの特色が良く判る。中堅レベルのバンドが中心で、 ビッグ・ネームと言えるバンドは少ないが、全体的にレベルの高い 作品ばかりなので、オムニバス作品としてこれだけでも十分 楽しめる。[83]
アメリカのハード・ロック・バンドの3年振りの2ndアルバム。 そのバンド名からも判る通り、元METAL CHURCHのギタリスト、 KURDT VANDERHOOFを中心とするバンドだ。前作では オルタナティヴ・ロック的なエッセンスを打ち出した ハード・ロックで、その変容振りには戸惑わせられたが、今作では また違った変化があり、これはこれで戸惑う作品だ。キーボードを 大胆にフューチャーし、1970年代風の古臭さを感じさせる、 アメリカン・プログレッシヴ・ハード・ロックと言った アルバムになっている。楽曲の出来は特に良くも悪くもないが、 郷愁感を感じさせる作品ではある。[79]
アメリカのプログレッシヴ・ハード・ロック・バンド、BOSTONの トリビュート盤。HEARTLANDのギタリスト、STEVE MORRISを 中心に、HEARTLANDのドラマー、FRANK BAKER、THE SIGNの ボーカリスト、TERRY BROCK、元TENのボーカリスト、 VINNY BURNS、FMのボーカリスト、STEVE OVERLAND、 元PRAYING MANTISのボーカリスト、TONY O'HARA、HEARTLANDの ボーカリスト、CHRIS OUSEY、GRAND ILLUSIONのボーカリスト、 PETER SUNDELL、PRISONER、TALK OF THE TOWN、RADIO ACTIVEの ギタリスト、TOMMY DENANDER、DEPARTUREのボーカリスト、 TIMOTHY LEWISとギタリスト、MIKE WALSH、DIAMOND HEADの ボーカリスト、SEAN HARRIS、TNTのギタリスト、 RONNIE LE TEKRO、THE DISTANCEのギタリスト、KENNY KAOS等と 言った、メロディアス・ハード・ロック系の層々たるメンバーが 参加している。基本的には原曲を忠実にカバーしており、楽曲が 素晴らしい事もあって、その出来は非常に素晴らしい。[88]
アメリカのヘヴィ・ロック・バンド、ROLLINS BANDの ボーカリスト、HENRY ROLLINSを中心としたカバー・アルバム。 証拠のないままに、殺人罪で投獄された少年達のための ベネフィット作品だ。HENRY ROLLINSが以前在籍していた、 BLACK FLAGのカバーで全曲構成されている。ROLLINS BAND自体も ハード・コア的な色合いを持ったバンドだが、BLACK FLAGの カバーだけにもっとはっきりとハード・コア・パンク的な作品に 仕上がっている。メタル側のリスナーとしては、むしろSLAYERの ボーカリスト、TOM ARAYA、MOTORHEADのボーカリスト、LEMMY、 FAITH NO MOREのボーカリスト、MIKE PATTON、SLIPKNOTの ボーカリスト、COREY TAYLOR等の参加メンバーの方に興味が 沸くだろう。[80]
日本のレコード会社、ビクターの所属バンドによる1997年に リリースされたオムニバス盤。この当時としては、ANDI DERISの The King Of 7 EyesやCONCEPTIONのWould It Be The Sameが先行 収録されていた事になるが、今となってはそう言う価値もないのが 辛いところだ。RAGEやGAMMA RAY、STRATOVARIUSと言った、 ビクターの代表的なアーティストが収められているので、初心者 向けには手っ取り早く聴けて良いかも知れないが、ある程度 押さえているファンにはあまり意味がない。レーベル紹介用の アルバムである事を考えると、ある意味仕方がないのかも 知れないが。[78]
日本のレコード会社、ポニー・キャニオンが、その契約 レーベルである、イギリスのNEATの所属ミュージシャンの音源を 集めたオムニバス盤。CRONOS、BLITZKRIEG、SAVAGEと言った N.W.O.B.H.M.の残党と、MARSHALL LAW、WRAITHと言う、その後 登場したイギリスのヘヴィ・メタル・バンドと言う、如何にも NEATらしい契約バンドだ。唯一特殊なのは非常にユニークな アバンギャルドなサウンドのアメリカのバンドである CHEER-ACCIDENTで、何故NEATが契約したのか不思議だ。レアな 音源は全くないし、今更と言うバンドがほとんどなので、あまり 聴く価値もない様に思うが。[68]
アメリカのロック・バンドの2年振りの4thアルバム。方向的には ラテン・ロックと言えるもので、時にはサルサのエッセンスを強く 押し出して来たりする。そう言う意味ではTRIBE OF GYPSIES的な イメージを思い浮かべるが、あれほどトライバル的な色合いを強く 出そうと言う意識は感じられない。もっと自然体で、肩の力を 抜いた作品で、そこに適度なグルーヴ感とキャッチーなメロディを 聴かせてくれている。ハードなギター・プレイもなくはないが、 むしろラテン色の強いモダン・ロックと言うところで、サルサの メランコリックさを感じさせながらも意外と陽気な雰囲気を 感じさせてくれる。[85]
元CACOPHONY、DAVID LEE ROTHのギタリスト、JASON BECKERの トリビュート・アルバムの第2弾となる2枚組のアルバム。ALSを 発病し闘病中の彼へのチャリティとして、ASTRAL GROOVE、 VISIONSのフィンランド人ギタリスト、LARS ERIC MATTSSONを 中心として制作された作品だ。TALK OF THE TAWN、PRISONER、 RADIO ACTIVE、RAINMAKERのギタリスト、TOMMY DENANDER、ソロで 活躍中のギタリスト、STEVE VAI、元MEGADETH、CACOPHONYの ギタリスト、MARTY FRIEDMAN等々、有名無名多種多彩な ミュージシャン達が参加している。JASON BECKERの カバーだけでなく、彼のために書かれたオリジナルの楽曲もあり、 中々感慨深い。[82]
アメリカのパンク・ロック・バンド、RAMONESのトリビュート盤。 RED HOT CHILI PEPPERSやU2、GREEN DAY、THE OFFSPRING等々の 豪華なメンバーが参加している。メタル側のリスナーとしては 一番興味深いのは、METALLICAの53rd & 3rdとKISSの Do You Remember Rock 'N' Roll Radio?だろう。特にMETALLICAは JASON NEWSTED脱退後、初のスタジオ音源だが、リフを ヘヴィにしている事を除けば、割とオリジナルに沿ったものと 言えるだろう。それよりもバンドらしさを出しているのはKISSで、 楽曲のロックンロール的特色を押し出し、非常にノリの良い ナンバーに仕上げている。[82]
オランダ人シンガー・ソング・ライターのソロ・アルバム。その タイトルが示す通り、QUEENのカバー・アルバムなのだが、この人 自身、元々QUEENのフォローワーとして活動を続けて来た 人だけに、こう言う作品を出されても何を今更と言う感じる 部分がなくもない。こうして彼流のアレンジをしてしまうと、 普段の彼の作品とほとんど差異が 感じられないものとなってしまうが、それはそれで面白いと 思うし、彼のファンには馴染み易いだろう。彼がやるとこうなると 想像した通りの作品なので、驚きも何もないのだが、 企画盤としてはこう言う作品もあって悪くないだろう。[82]