ALL HELL'S BREAKING LOOSE DOWN AT LITTLE KATHY WILDON'S PLACE! / WOLFSBANE
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの1991年にリリースされた
企画盤。アルバム未収録のレア音源を集めたミニ・アルバムだ。
後にIRON MAIDENに加入し、酷評されるBLAZE BAYLEYがボーカルを
取っているが、ここで聴かれるのはIRON MAIDENとは全く
違うものだ。ストレートでアップ・テンポのロックンロールを
基調としており、パンキッシュさも感じられる、のりの良さを
前面に押し出したものだ。BLAZE BAYLEYも伸び伸びとした歌声を
聴かせてくれており、IRON MAIDENにはマッチしていなかったが、
決して悪いボーカリストではない事を証明している。バラードの
Hey Babe等も意外と味わい深くて悪くない。[81]
KINGDOM OF PARANOIA / WOLF SPIDER
ポーランドのスラッシュ・メタル・バンドの1990年に
リリースされたアルバム。方向的にはテクニカルな
スピード・メタルで、音楽的にはこの頃になるともう他ではあまり
聴かれなくなった様な無骨で垢抜けない古臭さを
感じさせるものだ。しかし、それ故に貴重な存在で、その演奏
レベルもテクニカル・ロックとして相応しいものと言えるだろう。
MEKONG DELTA辺りの影響を感じさせ、変則的で普通のバンドと
比べると、結構難解ではあるのだが、そこにヨーロッパらしい
叙情性も持ちこみ、意外と聴き易くなっているのも評価が出来る。
[80]
DON'T CARE / WOODSTOCK
詳細は良く判らないが、リヒテンシュタインの
ハード・ロック・バンドの1993年にリリースされたアルバム。
方向的にはアイリッシュ的な憂いと、アメリカっぽい枯れた部分が
同居していて中々ユニークなサウンドだ。ハード・ロックと
言うより、普通のブルーズ・ロックとでも言える様な味わい
深さがある。全体的に哀愁を湛えながらも土臭くて、ピアノを
入れたりする部分も、ヨーロッパのバンドと言うよりは、
アメリカのバンドと言った匂いが感じられる。楽曲も飛抜けた
部分はないが、粒はそろっているしオリジナリティが感じられる。
[84]
ALL HELL'S BREAKING LOOSE DOWN AT LITTLE KATHY WILSON'S PLACE! / WOLFSBANE
イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの1991年にリリースされた
未発表曲集。ボーカリストのBLAZE BAYLEYがIRON MAIDENに
加入するためにバンドを脱退する事により、既にバンドは
解散しており、彼が在籍していた頃のマテリアルを集めたものだ。
サウンドの方向性は、明らかにDAVID LEE ROTHがいた頃の
VAN HALENを意識していて、BLAZEのボーカル・スタイルもそう言う
感じだ。良いボーカリストとは言え、元々IRON MAIDEN向きとは
思えないタイプだっただけに、このアルバムを聴くと、そう言った
感を強くさせる。[83]
EUPHORIA / WORLD TRADE
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの6年振りの2ndアルバム。
興味を引くのはやはりギタリストである元STONE FURYの
BRUCE GOWDYだろう。だが、このバンドは性格上、STONE FURYとは
全く違うバンドと言った方が良いだろう。音楽的には、幾分
ポンプ・ロック的なプログレッシヴ・ロック・アルバムで、
爽やかで優しい楽曲によって構成されている。STONE FURYの
デビュー作の様な格好良いハード・ロックを期待する人には、多分
退屈なアルバムに思えるだろう。楽曲的にもキーボードが前面に
押し出されていて、洒落た感じのものだ。[80]
IS THIS... / WONDERLAND
スウェーデンのハード・ロック・バンドのデビュー盤。
JENS LUNDSTROMのボーカルは、FIREHOUSEのC.J.SNARE似の甘い
ボーカルで、より軟弱にしたような感じだ。楽曲もFIREHOUSEを
思い起こさせる部分が多分にあるが、よりキーボードが洗面に押し
出されていて、全体的に北欧らしい、湿り気のある叙情的な
色合いが濃いものとなっている。ポップ・センス溢れる
アルバムで、FIREHOUSEを甘ったる過ぎると感じる人には、この
作品でもそう感じるだろう。全体的にキャッチーなメロディが
配されており、中々良く出来た佳作に仕上がっているが、洗練さに
やや欠ける。もう少しボーカルにめりはりがあれば良かったとは
思うのだが。[84]
WORLDS APART / WORLDS APART
アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1993年にリリースされた
自費出版の恐らくデビュー盤。どことなくSTRYPERを思い
起こさせるような、実にアメリカのバンドらしいキャッチーで
メロディアスな作品で、これが非常に良い。叙情的なメロディー、
それに合わせたJAYの甘いボーカル、キャッチーな楽曲、
コーラス、演奏も含めて素晴らしい出来だ。若干プロダクションに
問題を感じるがそんな問題すら凌駕出来る内容だ。もし、
このバンドが埋もれて消えてしまったのだとしたら実に残念だし、
もったいない話だ。Do You Rememberの様な優れた湿り気を帯びた
曲を入れている事もポイントが高い。これでプロダクションが
良ければ名盤と呼ぶに値する作品になっただろう。[88]
CLASSICAL / WOLF HOFFMANN
元ACCEPTのドイツ人ギタリストの初の
ソロ・ギター・インストルゥーメンタル・アルバム。クラシックの
名曲をカバーしたものだが、元々ACCEPT時代にもMetal Heartの
ギター・ソロでエリーゼのためにを組み込んだりと、そういう
嗜好のある人だったので、それなりにうなずける選択であるとも
言える。そのエリーゼのためにをブルーズ・アレンジした
Blues For Elise等、オリジナルに忠実にというだけでなく独自の
視点で解釈している部分もあって斬新で面白い。全体的に
RICHIE BLACKMORE的なギタープレイで、
ネオ・クラシカルという様な感じはなく、よりロック然とした
作品に仕上げている。[85]
WURM / WOLFGANG
フィリピンのハード・ロック・バンドの3rdアルバム。演奏も
悪くないし、楽曲の出来、プロダクションはなかなかのもので、
フィリピンのバンドと言っても侮っては行けない。基本的には
アメリカ的なハード・ロックンロールだが、楽曲によっては
アルタナティヴ・ロックという感じを強くさせるものもある。
いきなりのりの良いロックンロール・ナンバーで幕を開けるが、
その後はどちらかというとPEARL JAM的な印象を与えてくれる。
ボーカルはAXEL ROSE的なスタイルだが、そういった楽曲では
気だるさも感じさせる。演奏もかっちりとしていて、やや
中だるみする感が無くもないが、出来は思ったより良い。[81]
WINDOW OF HEAVEN / WORLD OF SILENCE
スウェーデンのプログレッシヴ・メタル・バンドの1996年に
リリースされたデビュー盤。メンバーのうち3人は、既にアルバム
2枚をリリースしているGODGORYというプログレッシヴ・ロック色の
強いメロディック・デス・メタル・バンドをやっているので、
馴染みが深いかもしれない。系統的にはより
プログレッシヴ・ロック的な色合いが強いDREAM THEATERと
言ったところだが、GODGORYと比べると全体的な音作りが
ややチープで薄っぺらい感じがするのが少し残念だ。楽曲は
叙情的かつドラマティックで決して出来は悪くないので、もう少し
こなれてくればかなり良くなるのではと思える。[80]
MINDSAPES / WORLD OF SILENCE
スウェーデンのプログレッシヴ・メタル・バンドの2ndアルバム。
メロディック・デス・メタル・バンドのGODGORYと兼任している
メンバーが半分ほどいるが、こちらの作品は正統的な
プログレッシヴ・メタルだ。前作同様、シンフォニック的な
色合いの強い作品で、その分DREAM THEATER的な感じのさせる
アルバムに仕上がっている。前作ではプロダクションが今一つと
言った感もあったが、この作品ではそう言った弱点も
克服されている。面白味と言う点ではまだまだと言う
感じもするが、GODGORYをやっている影響か、かなり
エッヂのたったギターを、途中に入れて来たりしている。[82]
ALL FOR ONE / WORLDS APART
アメリカのハード・ロック・バンドの1997年にリリースされた
2ndアルバム。前作では、爽快でキャッチーな美しいメロディの
ハード・ロックを聴かせてくれていたが、その基本路線は今作でも
変りはない。ただし、前作での哀愁味のあるメロディは今作では
薄れ、かといって明るい楽曲が増えたわけでもないので、やや
中途半端に感じられてしまう。全体的にSTRYPERを思わせる
アルバムで、メロディ・センスは良いと思うし、
アコースティック・ギターを持ち込んだりしているところも、
方向的には悪くないと思うだけに、中途半端に
終わってしまっているのは惜しい。[78]
SOMEWHERE IN MY EYES / WONDERLAND
イタリアのプログレッシヴ・メタル・バンドのミニ・アルバム。
ボーカルのALEXX HALLはれっきとした男性だが、線が細く声を聴く
限りでは女性と聴き違う程だ。叙情的な美しいメロディの
ヘヴィ・メタルで、ドラムのFRANK ANDIVERが元LABYRINTH、
SHADOWS OF STEELと言うだけあって、その音楽的方向性にも
共通点が見受けられるのだが、彼の声質のおかげでもっと優しく
柔らかい感じに仕上がっている。プロダクションが今一つ
良くなく、それも合間ってWARLORDのカバー、
Lost And Lonely Daysはある意味はまっている。全体的に重厚さが
足らず、プロダクション次第ではもっと良くなっただろうと思える
アルバムだ。[78]
THE WINDOW PURPOSE / WOLVERINE
スウェーデンのプログレッシヴ・メタル・バンドの1stアルバム。
方向的にはDREAM THEATER系のプログレッシヴ・メタルと
言えるもので、テクニカルなプレイを随所に見せてくれている。
一方で、His Cold Touchの様なメランコリックでスローな
バラードがあったりと、テクニカルに終わらず、聴かせる事を
心得ている。DREAM THEATERのフォローワーとしては、演奏的にも
アイデア的にもレベルは高く、Leaving Yesterdayにおける男女の
ボーカルの掛け合い等、センスの良さも感じさせ、単なる
フォローワーで終わっていないところ等、将来が楽しみな
バンドだ。[83]